以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、リーチとは、導出表示した識別情報(リーチ状態の識別情報という)が大当りの識別情報(特定表示結果)の一部を構成しているときに未だ導出表示されていない識別情報(可変表示中の識別情報)については可変表示が行われていること、全てまたは一部の識別情報が大当りの識別情報の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示している状態である。
具体的には、予め定められた複数の可変表示部に、予め定められた識別情報が導出表示されることで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた識別情報が導出表示されているときに未だ導出表示されていない有効ライン上の可変表示部において可変表示が行われている状態(例えば左,中,右の可変表示部のうち左,中の可変表示部には大当りの識別情報の一部となる(例えば「7」)が導出表示されている状態で右の可変表示部は未だ可変表示が行われている状態)、有効ライン上の可変表示部の全てまたは一部の識別情報が大当りの識別情報の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば左,中,右の可変表示部の全てに可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の識別情報が揃っている状態で可変表示が行われている状態)である。
またリーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。
またリーチの際に、キャラクター(人物等を模した演出表示であり、識別情報とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクターの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。まず弾球遊技機101の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機101を正面からみた正面図である。
弾球遊技機101は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機101は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成された後述するガラス扉枠102を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、弾球遊技機101は、額縁状に形成されたガラス扉枠102を有する。ガラス扉枠102の下部表面には打球供給皿(上皿)103があり、打球供給皿103の下部には、打球供給皿103に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿104と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)105が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤1が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤1は、それを構成する板状体(図示せず)と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。
また、遊技領域3の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ106が設けられている。遊技領域3の外周には、天枠ランプ109a、左枠ランプ109bおよび右枠ランプ109cが設けられている。そして、この例では、左側のスピーカ106の下方に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ108が設けられ、右側のスピーカ106の下方に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ107が設けられている。さらに、本実施形態の弾球遊技機101には、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット(図示しない)が隣接して設置されている。また、駆動モータ(図示しない)の回転力を利用して打球を遊技領域3に発射する打球発射装置(図示しない)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、後述する誘導レール2を通って遊技領域3に入り、その後、遊技領域3を下りてくる。
遊技盤1の表面には、発射された打球を誘導するための誘導レール2がほぼ円状に植立され、該誘導レール2で区画された領域が遊技領域3を形成している。遊技領域3のほぼ中央には、本実施形態の要部をなす特定入賞装置20が配置されている。この特定入賞装置20は、後述するように、遊技球が入賞し易い開放の状態(第1の状態)と遊技球が入賞不能又は入賞し難い閉塞の状態(第2の状態)に変化するものである。特定入賞装置20の下方の左右には、それぞれ第2種始動入賞口スイッチ5a,5b(図2参照)を内蔵した第2始動入賞口(第2の始動領域)4a,4bが配置されている。第2始動入賞口4a,4bに打球が入賞すると、これを始動球検出器5a,5bが検出することで、特定入賞装置20を所定期間閉塞状態から開放状態に移行するようになっている。第2始動入賞口4a,4bの上方には、遊技領域3を流下する遊技球を第2始動入賞口4a,4bに誘導するための第2始動入賞口誘導釘12a,12bがそれぞれ植立されている。なお、遊技領域3に発射された遊技球が第2始動入賞口4a,4bへ入賞する期待確率は、第2始動入賞口誘導釘12a,12bの植立位置等を調整することにより、約1/100に設定されている。
また、特定入賞装置20の下方の中央には、第1種始動入賞口スイッチ60を内蔵した第1始動入賞口(第1の始動領域)58が配置されている。第1始動入賞口58は、遊技球が入賞し易い開放の状態(第1の状態)と遊技球が入賞不能又は入賞し難い閉塞の状態(第2の状態)とに変化するものである。第1始動入賞口58に打球が入賞すると、これを第1種始動入賞口スイッチ60が検出することで、後述する可変表示装置44が可変表示を開始するようになっている。また、第1始動入賞口58の下方には、遊技状態が後述する第1の特定遊技状態となったときに後述する所定の態様で開閉駆動すると特別可変入賞球装置48が配置されている。なお、遊技領域3に発射された遊技球が第1始動入賞口58へ入賞する期待確率は、遊技領域に植立された障害釘の植立位置等を調整することにより、約1/10に設定されている。このように、遊技領域3に発射された遊技球が対する第1始動入賞口58へ入賞する期待確率は、上記した第2始動入賞口4a,4bへ遊技球が入賞する期待確率(約1/100)よりも高く設定されている。
遊技領域3には、上記した構成以外にも、遊技球が通過することにより第1始動入賞口60を所定時間開放させる通過口6、風車8、サイドランプ(図示しない)を内蔵したサイドランプ飾り9、アウト口11、等が設けられている。
次に、特定入賞装置20について説明する。特定入賞装置20は、当該特定入賞装置20を遊技盤1の表面に取り付けるための取付基板21を有し、該取付基板21には、球転動板31を境にして上部入賞空間22と下部入賞空間30が形成されている。上部入賞空間22には、左右一対の開閉片23a,23bが回動可能に設けられている。開閉片23a,23bは、それぞれ周知のリンク機構を介して第2種大入賞ソレノイド24a,24b(図2参照)が連結され、該第2種大入賞ソレノイド24a,24bがONしたときに、上部入賞空間22を開放する方向に回動する一方、第2種大入賞ソレノイド24a,24bがOFFしたときに、上部入賞空間22を閉鎖する方向に回動するようになっている。上部入賞空間22には、該上部入賞空間22に入賞した打球を球転動板31に誘導する左右一対の球通路26a,26bが設けられ、該球通路26a,26bの経路途中には、球通路26a,26bを通過した遊技球、言い換えれば上部入賞空間22に入賞した打球を検出する入賞球検出器25a,25bが設けられている。球転動板31は、球通路26a,26bから送り込まれた遊技球を中央に誘導した後、後方に向かって転動させる傾斜面形状をなし、その下流端には、球転動板31を転動した遊技球を下部入賞空間30に落下させる開口32が形成されている。
一方、下部入賞空間30には、開口32から落下した遊技球を受け止めて前方に転動させる下部転動板33が設けられている。下部転動板33の前端部分には、下部転動板33を転動した遊技球をそのまま垂直落下させる前面壁34が設けられ、該前面壁34には、モータ(図示しない)の駆動に伴って左右方向に移動する特定受入口36が設けられている。特定受入口36の内部には、該特定受入口36に入った遊技球を検出する特定球検出器(図示しない)が設けられている。なお、遊技領域3に発射された遊技球が特定入賞装置20へ入賞して特定受入口36を通過する確率は、開閉片23a,23bの開放回数や開放時間等及び特定受入口36が中央で停止する時間や左右方向での移動速度等を調整することにより、約1/30に設定されている。
また、球転動板31(開口32)の後方には、凹形状の球貯留部41を備えた可動部材40が設けられている。可動部材40は、モータ(図示しない)の駆動に伴って回転する左右一対の軸部材43が連結され、該軸部材43の回転によって時計方向に回動することで、球貯留部41が球転動板31(開口32)の下方に位置する球貯留位置と、球貯留部41が球転動板31(開口32)の上方に位置する貯留解除位置との間で移行可能に設けられている。しかして、通常時には、可動部材40が貯留解除位置に停止されることで、開口32を落下した遊技球は、球貯留部41に貯留されることなくそのまま下部転動板33に落下する。一方、後述する第2の特定遊技状態の発生時には、可動部材40が球貯留位置に停止されることで、開口32を落下した遊技球は、下部転動板33に落下することなく球貯留部41に貯留される。
また、上部入賞空間22内の後面壁には、第1種始動入賞口スイッチ60が遊技球を検出したときに可変表示を開始する可変表示装置44が設けられている。可変表示装置44は、識別情報を可変表示する表示部を有した液晶タイプの表示器であり、この表示部は、左・中・右の3つの表示領域に識別情報が表示制御されるものである。なお、可変表示装置44は、液晶タイプのものに限らず、CRT,ドットマトリクス,LED,7セグメント,ドラム等により構成されるものであっても良い。
この可変表示装置44の上方であって、特定入賞装置20の上部には、可変表示装置44の可変動作中に第1種始動入賞口スイッチ60によって検出された球数を記憶表示する保留記憶表示器46が備えられている。この保留記憶表示器46は、2桁の7セグメントLEDにより構成されており、10個以上の個数の保留記憶を表示することができるようになっている。表示できる保留記憶の個数は、予め定めた所定条件の成立によって上限値が変更可能(例えば、確変大当りした場合には、通常より個数を増やす)に構成してもよい。
次に、上記した構成のうち、第1種始動入賞口58、可変表示装置44、始動記憶表示器46、特別可変入賞球装置48によって行われる、いわゆる第1種遊技の遊技動作について、図2を参照して説明する。図2は、主基板(遊技制御手段)70及び演出制御基板(演出制御手段)90の構成を示すブロック図である。
上記した通過口6を遊技球が通過すると、第1始動入賞口58が所定時間開放されて、第1始動入賞口58に遊技球が入賞し易い状態になる。なお、第1始動入賞口58は、後述する特別遊技状態のときに相対的に長く(例えば、2秒)、非特別遊技状態のときに相対的に短く(例えば、0.5秒)設定されている。また、第1始動入賞口58が開放していない場合でも打球を受け入れるようになっている。しかして、遊技球が第1始動入賞口58に入賞して第1種始動入賞口スイッチ60によって検出されると、検出信号が主基板(遊技制御手段)70のスイッチ回路72を介して遊技制御マイクロコンピュータ71に送信される。検出信号を受信した遊技制御マイクロコンピュータ71では、始動入賞処理手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)74によって、第1始動入賞口58への遊技球の入賞の処理制御が行われた後、変動表示処理手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)76によって、可変表示装置44で可変表示を行うための処理制御が行われる。この処理制御では、可変表示装置44で可変表示を行うための制御コマンドが作成され、作成された制御コマンドは、演出制御基板(演出制御手段)90の演出制御マイクロコンピュータ91に送信される。送信された制御コマンドは、演出制御マイクロコンピュータ91のコマンド受信手段(演出制御マイクロコンピュータ91のCPU)92で受信される。そして、演出制御マイクロコンピュータ91の変動表示制御手段(演出制御マイクロコンピュータ91のCPU)95では、この制御コマンドに基づいて可変表示装置44で可変表示を開始する制御を実行する。上記のように、第1始動入賞口58へ遊技球が入賞することにより、可変表示装置44での可変表示の始動条件が成立する。
そして、可変表示装置44の変動停止時における図柄の組合せが予め定めた大当り図柄の組合せ(例えば、同一の図柄が当りラインのいずれかに揃った場合)である特定表示結果となった場合に、第1の特定遊技状態となって特別可変入賞球装置48を次に説明する所定の態様で開閉駆動する。ただし、特定表示結果の一部は、特別表示結果(例えば、「777」)として設定され、この特別表示結果で特定遊技状態となったときには、その特定遊技状態終了後における可変表示装置44における大当り図柄の出現確率が高くなる等の遊技者に有利な特別遊技状態となるように設定されている。これに対し、特別表示結果以外の特定表示結果(非特別表示結果;例えば、「222」)で特定遊技状態となったときには、その特定遊技状態終了後における可変表示装置44における大当り図柄の出現率が低くなる等の遊技者に不利な非特別遊技状態となるように設定されている。また、表示結果には、上記したような大当り以外に、例えば、左右の図柄が「7」であり、中の図柄が「7」以外の数字で構成される(例えば、「767」)、いわゆる小当り図柄があり、この場合には特定遊技状態とならないが、本実施形態においては、表示結果が小当りとなることにより後述する特定条件が成立することとなる。
なお、上記した表示結果は、事前決定手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)によって、表示結果の導出以前に決定されるものである。また、表示結果は、当り判定用乱数から抽出された乱数を当り判定テーブルの判定値と比較することにより決定されるが、実施形態の場合、当り判定用乱数として「0〜299」が設定され、当り判定テーブルの判定値として「3」が設定されているため、1回の可変表示についてその表示結果が当りとなる確率は、1/300である。このように、表示結果が当りとなる確率は、上記した遊技領域3に発射された遊技球が特定入賞装置20へ入賞して特定受入口36を通過する確率(約1/30)よりも低く設定されている。
事前決定手段によって表示結果を特定表示結果とすることが決定されると、その旨の信号が演出制御基板(演出制御手段)90に送信されて、変動表示制御手段95によって可変表示装置44で特定表示結果が表示され、この後、第1の遊技状態制御手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)によって、遊技状態が第1の特定遊技状態に制御される。遊技状態が第1の特定遊技状態となったときには、第1種大入賞口処理手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)79によって特別可変入賞球装置48が駆動制御される。これは、特別可変入賞球装置48を駆動制御する旨の信号がソレノイド出力処理手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)80に送信され、ソレノイド出力処理手段80がソレノイド回路73を介して第1種大入賞ソレノイド35を駆動制御する信号を送信することにより実行される。
また、可変表示装置44の可変動作中に、第1始動入賞口スイッチによって遊技球が検出されて可変表示の始動条件が成立した場合、保留手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)によってその可変表示の実行開始が保留される。そして、保留手段によって実行開始が保留された可変表示の数が保留記憶手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のRAM)75によって記憶される。この保留記憶手段75に記憶される保留された可変表示の数を示す制御コマンドが演出制御基板(演出制御手段)90の演出制御マイクロコンピュータ91に送信される。送信された制御コマンドは、演出制御マイクロコンピュータ91のコマンド受信手段(演出制御マイクロコンピュータ91のCPU)92で受信される。そして、演出制御マイクロコンピュータ91の保留表示制御手段93では、この制御コマンドに基づいて保留された可変表示の数を保留記憶表示部46で表示する。なお、変動表示制御手段95によって可変表示装置44の可変表示の制御が実行される毎に、保留手段による可変表示の実行開始の保留が解除され、保留記憶表示部46に表示された可変表示の数が減少することとなる。
特別可変入賞球装置48は、第1種大入賞ソレノイド35によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49に受け入れられた打球を検出する入賞個数検出器(図示しない)が設けられている。また、特別可変入賞球装置48内(開閉板49の内側)には、打球の検出(V入賞検出)に伴って第1の特定遊技状態の継続権を成立させる特定球検出器(図示しない)が設けられており、該特定球検出器の上方には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49を開放するまでは打球が特定球検出器を通過しないようにするVシャッター(図示しない)が設けられている。このVシャッターは、ソレノイド(図示しない)によって開閉駆動が行われる。しかして、第1の特定遊技状態となった場合には、一定時間(例えば、28秒)が経過するまで又はその一定時間内に所定個数(例えば、10個)の入賞球が入賞するまで開閉板49を開放(以下、この開放を開放サイクルという)し、その開放サイクル中に受け入れられた打球が特定球検出器によって検出されたときに継続権が成立して、再度上記した開放サイクルが実行され、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件に最高16回の開放サイクルを繰り返すことができるようになっている。このように、第1種遊技において、遊技状態が第1の特定遊技状態となることにより、約2000個程度の景品球が払い出されることとなる。
次に、上記した構成のうち、第2種始動入賞口スイッチ4a,4b、開閉片23a,23b、特定受入口36等によって行われる、いわゆる第2種遊技の遊技動作について、図2を参照して説明する。
上記したように、第2始動入賞口4a,4bに打球が入賞し、始動球検出器5a,5bによって検出されると、上記した第1種遊技と同様に、検出信号が主基板(遊技制御手段)70のスイッチ回路72を介して遊技制御マイクロコンピュータ71に送信され、始動入賞処理手段74によって第2始動入賞口4a,4bへの遊技球の入賞の処理制御が行われた後、始動開放処理手段(特定入賞装置変化手段;遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)78及び第2種大入賞口処理手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)82によって、特定入賞装置20が開放動作(遊技球が入賞し易い第1の状態)を行うための処理制御が行われる。具体的には、第2種大入賞ソレノイド24a,24bが所定時間ONされて開閉片23a,23bが開放する。これは、特定入賞装置20を駆動制御する旨の信号がソレノイド出力処理手段80に送信され、ソレノイド出力処理手段80がソレノイド回路73を介して第2種大入賞ソレノイド24a,24bを駆動制御する信号を送信することにより実行される。
開閉片23a,23bの開放動作中に打球が上部入賞空間22内に入賞すると、その入賞球は球通路26a,26b(入賞球検出器25a,25b)を通って球転動板31上に送り込まれる。このとき、可動部材40は、モータの駆動制御により、球貯留部41が球転動板31(開口32)の上方に位置する貯留解除位置に停止した状態にある。その後、球転動板31上の遊技球は、開口32を落下して下部転動部33上(下部入賞空間30)に落ち、下部転動部33を転動した後に前面壁34を落下する。そして、前面壁34を落下した遊技球が左右方向に移動動作を繰り返す特定受入口(特定入賞領域)36に入る(V入賞する)と、その遊技球が特定領域スイッチ37で検出され、検出信号がスイッチ回路72を介して遊技制御マイクロコンピュータ71に送信される。検出信号を受信した遊技制御マイクロコンピュータ71では、特定領域通過処理手段(遊技制御マイクロコンピュータ71のCPU)81によって、特定受入口36への遊技球の入賞の処理制御が行われる。特定受入口36への遊技球の入賞の処理制御が行われると、第2の遊技状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ71のCPU)によって、遊技状態が遊技者にとって有利な第2の特定遊技状態に制御される。
上記した第2の特定遊技状態においては、第2種大入賞ソレノイド24a,24bがON/OFF制御されることで、開閉片23a,23bが所定時間の開放動作を18回繰り返す(18回の開閉サイクル)。なお、開閉サイクルが18回終了する以前に、10個の入賞球が検出された場合には、その時点で開閉片23a,23bの開放動作を終了する。また、開閉片23a,23bの開閉サイクルの開始時には、可動部材40は、モータの駆動制御によって回動し、球貯留部41が球転動板31(開口32)の下方に位置する球貯留位置に移行する。これにより、開閉サイクル中に特定入賞装置20に入賞した遊技球は、開口32を落下した後に球貯留部41上に貯留される。また、開閉サイクルの開始と同時に、モータの駆動が制御され、特定受入口36は、中央位置で停止される。
その後、開閉サイクルの終了と同時に、モータの駆動が制御され、可動部材40は、球貯留部41が球転動板31(開口32)の上方に位置する貯留解除位置に移行する。これにより、球貯留部41上に貯留された遊技球は、開口32を通してそのまま下方に落下し、下部転動板33から停止中の特定受入口36に入る。そして、特定受入口36に入った遊技球は、特定球検出器37を通過する(V入賞する)ことで、以上のような18回の開閉サイクルの継続権を成立させ、所定のインターバル時間の経過後に再度開閉片23a,23bを開放する。なお、開閉サイクルの許容継続回数(ラウンドの継続回数)は、予め定めた上限回数まで許容されるようになっている。このように、第2種遊技において、遊技状態が第2の特定遊技状態となることにより、約1500〜1800個程度の景品球が払い出されることとなる。
なお、演出制御基板(演出制御手段)90には、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有すると共に、CPUからの描画命令に従って動作し、特定演出を行うキャラクタ画像あるいは識別情報を表示させるVDP98,VDP98により生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリであるVRAM96,可変表示装置44に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、例えば、人物、動物、文字、図形、または記号を予め格納しておくためのキャラクタロム97が含まれている。
また、本発明の特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御又は組合せた制御を実行する状態であればよい。
(1)打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な特定入賞装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御。
(2)特定の入賞又は通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な特定入賞装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御。
(3)打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御。
(4)有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御。
(5)得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御。
また、上記したように、第1種遊技で当りとなった場合は、特別可変入賞球装置48が所定の態様で開閉駆動する第1の特定遊技状態となり、第2種遊技で当りとなった場合は、開閉片23a,23bが所定の態様で開閉駆動する第2の特定遊技状態となるものを示したが、これに限らず、例えば、第1種遊技及び第2種遊技のいずれの当りの場合でも、特別可変入賞球装置48が所定の態様で開閉駆動する第1の特定遊技状態となるものや、あるいは、第1種遊技及び第2種遊技のいずれの当りの場合でも、開閉片23a,23bが所定の態様で開閉駆動する第2の特定遊技状態となるもの等であってもよい。
次に、本実施形態にかかる第2種遊技制御について図2及び図3を参照して説明する。図3は、第2種遊技制御を示すフローチャートである。図3に示す第2種遊技制御において、まず、第2の始動領域(第2始動入賞口4a,4b)へ入賞(第2種始動入賞口スイッチ5a,5bの検出)があったか否かが判定される(ステップS100)。第2の始動領域(第2始動入賞口4a,4b)への入賞がある(YES)と判定されると、特定入賞装置20の開放態様として通常態様(開閉片23a,23bの1回開き)がセットされた後(ステップS106)、ステップS107に進む。
一方、ステップS100で第2の始動領域へ入賞がないと判定されると(ステップS100のNO)、変動表示処理手段76の処理に基づいた図柄の変動の結果として小当り状態が表示された(特定条件が成立した)か否かが判定される(ステップS101)。図柄の変動の結果として小当り状態が表示されたと判定されると(ステップS101のYES)、小当り状態フラグ(特定条件成立フラグ)がセットされた後(ステップS102)、新たな図柄変動が開始されないように設定がされる(ステップS103)。
新たな図柄変動が開始されないように設定がされると、第1の始動領域への入賞保留記憶が保留記憶手段75にあるか否かが判定される(ステップS104)。第1の始動領域への入賞保留記憶があると判定されると(ステップS104のYES)、入賞保留記憶から保留記憶数が1減算された後(ステップS105)、特定入賞装置20の開放態様として特別態様(開閉片23a,23bの2回開き)がセットされる(ステップS106)。特定入賞装置20の開放態様として特別態様にセットされると、セットされている開放状態に従い、特定入賞装置変化手段によって特定入賞装置20が開放制御される(ステップS107)。なお、ステップS104で第1の始動領域への入賞保留記憶があると判定された際、保留記憶変更手段77(図2参照)によって、保留記憶手段75の保留記憶が特定入賞装置20の開閉片23a,23bの開閉のための保留記憶に変更される。そして、保留記憶が変更された旨の信号が遊技制御用マイクロコンピュータ71から演出制御用マイクロコンピュータ91へ送信され、コマンド受信手段92によって受信される。そして、この信号に基づき、保留表示変更手段94によって保留記憶表示部46の表示態様が変化される。表示態様の変化とは、例えば、表示色を変化させたり、点灯していたものを点滅状態にする等である。このとき、保留表示変更手段94によって、入賞ごとに区別可能に保留記憶表示部46で表示をし、特定入賞装置20を開放させる入賞だけを上記のような特有の態様とするものであってもよい。
特定入賞装置20が開放制御されると、特定領域(特定受入口36)を遊技球が通過したか否かが判定される(ステップS108)。遊技球が通過していないと判定されると(ステップS108のNO)、ステップS102の小当り状態フラグがセットされているか否かが判定される(ステップS109)。小当り状態フラグがセットされていないと判定されると(ステップS109のNO)、処理を終了し、小当り状態フラグがセットされていると判定されると(ステップS109のYES)、ステップS104に戻り、保留記憶がある場合にステップS104〜S109の処理を繰り返す。このように、予め定められた特定条件(図柄の変動の結果として小当り状態を表示)が成立したときに(ステップS101のYES)、保留記憶の数、即ち、保留記憶手段75に記憶されている識別情報の可変表示の数に基づいて、特定入賞装置変化手段によって特定入賞装置20を第1の状態(この場合、開閉片23a,23bの2回開き)に変化させることとなる。なお、予め定められた特定条件が成立して保留記憶によって特定入賞装置20が開放されているときには、可変表示装置44での可変表示は実行されなくなる。
上記したように、第2の始動領域への遊技球の入賞に基づいて特定入賞装置20の開閉片23a,23bを開放する場合には、開放が1回であるのに対し、保留記憶手段の記憶に基づいて特定入賞装置20の開閉片23a,23bを開放する場合には、開放が2回となるように特定入賞装置変化手段によって制御される。
また、ステップS101で図柄の変動の結果として小当り状態が表示されていない(NO)と判定されたときは、処理を終了する。
また、ステップS104で第1の始動領域(第1始動入賞口58)への入賞がない(NO)と判定されると、小当り状態フラグをクリアした後(ステップS112)、図柄変動の開始停止を解除し(ステップS113)、処理を終了する。
また、ステップS108で特定領域(特定受入口36)を遊技球が通過した(YES)と判定されると、遊技状態が第2種遊技の大当り状態(第2の特定遊技状態)に制御された後(ステップS111)、処理を終了する。
なお、遊技状態が第1の特定遊技状態となる確率は、上記した第1始動入賞口58へ遊技球が入賞する期待確率(約1/10)と、可変表示装置44において当りとなる確率(1/300)との積で示されて、約1/3000となる。一方、遊技状態が第2の特定遊技状態となる確率は、上記した第2始動入賞口4a,4bへ遊技球が入賞する期待確率(約1/100)と、特定受入口36への遊技球の通過確率(約1/30)との積で示されて、約1/3000となる。このように、遊技状態が第1の特定遊技状態となる確率と遊技状態が第2の特定遊技状態となる確率とがほぼ等しくなるため、第1種遊技における大当りの確率と第2種遊技における大当りの確率との間で偏りがなくなり、遊技のバランスを保つことができる。なお、上記した確率については、例えば、第1の特定遊技状態の場合、「第2種始動入賞口4a,4bへの入賞→特定受入口36を通過」というプロセスによって成立するものであるため、それぞれの確率(約1/100,約1/30)を積算することにより算出されるが、このようなプロセスに限らず、どのようなプロセスによるものであっても、同様にそのプロセス中のそれぞれの確率を積算することにより、最終的な確率を算出することができる。
ここで、遊技状態が第1の特定遊技状態となる確率と遊技状態が第2の特定遊技状態となる確率とが同一である必要はなく、それぞれの遊技状態となる確率の差が、遊技者が一方の特定遊技状態に偏っているとの印象を持たない程度の差(具体的には、例えば、180000発(100発×1800分(30時間))の球を発射したときに、遊技状態が第1の特定遊技状態となる回数と第2の特定遊技状態となる回数との差が±30回(1時間当り±1回)程度の差)であればよく、このため、それぞれの遊技状態となる確率がほぼ等しいものであればよい。具体的に、例のように180000発の球を発射した場合には、上記した本実施形態においては、180000×1/3000=60となるため、30時間遊技する間に第1の特定遊技状態又は第2の特定遊技状態となる回数はいずれも60回(1時間当り2回)となる。従って、第1の特定遊技状態となる回数と第2の特定遊技状態となる回数の差は0であるため、許容範囲内となる。また、例えば、第1の特定遊技状態となった回数が30時間中で80回、第2の特定遊技状態となった回数が30時間中で50回であったとした場合、1時間当りの回数の差は、(80回/30時間)−(50回/30時間)=(80回−50回)/30時間=1回/1時間となり、この場合も許容範囲となる。
また、上記したステップS101において、特定条件(小当り状態の表示)が成立した後、所定の開始条件が成立したことにより、この開始条件の成立時において保留記憶手段75に記憶されている識別情報の可変表示の数に基いて、特定入賞装置20を開放(第1の状態)させ、特定条件が成立した後、開始条件が成立するまでの間に、遊技制御用マイクロコンピュータ71によって、保留記憶手段75の保留記憶を増加させる記憶増加促進制御を行うものであってもよい。具体的には、例えば、特定条件の成立(小当り状態の表示)後、所定時間が経過(開始条件の成立)することにより特定入賞装置20が開放するものであり、この所定時間が経過するまでの間の第1始動入賞口58の開放時間を長くすることにより始動入賞の個数を増加させて保留記憶が増加する確率を高めたり、あるいは、特定条件成立後に開始条件が成立するまでの間に実行される可変表示によっては保留記憶が消化しないよう(例えば、この期間中における可変表示は、保留記憶手段75の保留記憶とは無関係に実行させたり、特定条件成立と同時に特定入賞装置20を第1の状態とすることにより可変表示を実行させなくする等)に、遊技制御用マイクロコンピュータ71によって制御を行う等である。また、記憶増加促進制御として、例えば、通過口6を遊技球が通過したときに変動する普通図柄表示器が備えられ、この普通図柄表示器の表示結果が当りとなったときに第1始動入賞口58が開放するような弾球遊技機において、普通図柄が変動する時間を短縮させたり、表示結果が当りとなる確率を向上させる等の記憶増加促進制御であってもよい。こうすることにより、特定入賞装置の開放のチャンスを増加させることができるため、遊技者は期待を持つことができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、上記した実施形態においては、予め定められた特定条件として、表示結果が大当り(例えば、「777」での当り)以外の当りである小当りとなったときに成立するものを示したが、これに限らず、例えば、遊技領域3に備えられた特定の入賞口へ遊技球が入賞したとき、可変表示が所定回数だけ実行されたとき、特定の入賞口へ遊技球が入賞したときや可変表示が所定回数だけ実行されたとき等に専用の判定用乱数から乱数を抽出して専用の判定テーブルの判定値と比較し、乱数と判定値が一致したとき等に特定条件が成立するものであってもよい。なお、予め定められた特定条件は、上記したように、いずれも遊技の進行において成立する条件である。
また、保留記憶によって特定入賞装置20が開放されているときに、第1始動入賞口58に遊技球が入賞した場合、その入賞についても特定入賞装置20の開放に用いるものであってもよい。こうすることにより、特定入賞装置20を継続して開放させるチャンスが増え、遊技者は遊技状態が第2の特定遊技状態となることに期待を持つことができる。
また、上記した実施形態では、保留記憶によって特定入賞装置20が開放されているときには、可変表示装置44での可変表示は実行されなくなるものを示したが、これに限らず、可変表示装置44での可変表示も並行して実行するものであってもよい。こうすることにより、可変表示装置44で当りが表示されることで遊技状態が第1の遊技状態となる可能性があり、遊技者は第1の特定遊技状態となることに期待を持つことができる。
また、上記した実施形態のように、可変表示装置44での可変表示は実行されなくなるものの場合、保留記憶が特定入賞装置20の開放に用いられている旨の報知を可変表示装置44で表示するものであってもよい。こうすることにより、遊技者は保留記憶が特定入賞装置20の開放に用いられていることを認識することができる。
また、第1種遊技の当りによって払い出される景品球数の期待値と、第2種遊技の当りによって払い出される景品球数の期待値とをほぼ同じに設定したものであってもよい。こうすることにより、第1種遊技と第2種遊技の両方の当りによって払い出される景品球数を増やすという遊技を実現することができる。
また、第1種遊技の当りによって払い出される景品球数を、第2種遊技の当りによって払い出される景品球数よりも多くすると共に、第2種遊技で当りとなる確率を第1種遊技で当りとなる確率よりも高く設定したものであってもよい。こうすることにより、第2種遊技の当りで払い出される景品球数の均衡を保ちつつ、第1種の当りで払い出される景品球を増やすという遊技を実現することができる。
また、上記した実施形態においては、保留記憶手段75に記憶されている識別情報の可変表示の数に基づいて特定入賞装置20を開放するものとして、保留記憶数と同数の回数だけ特定入賞装置20を開放するものを示したが、これに限らず、例えば、(保留記憶数×N回)の回数分、特定入賞装置20を開放するもの、保留記憶数に応じた時間に亘って特定入賞装置20を開放するもの等であってもよい。
また、上記した実施形態においては、遊技状態が第1の特定遊技状態となる確率と第2の特定遊技状態となる確率とがほぼ等しいものを示したが、これに限らず、遊技状態が第1の特定遊技状態となる確率が第2の特定遊技状態となる確率よりも高いもの、あるいは、遊技状態が第1の特定遊技状態となる確率が第2の特定遊技状態となる確率よりも低いものであってもよい。こうすることにより、出現確率の高い特定遊技状態が続いている間に、適度に出現確率の低い特定遊技状態が出現するような遊技状態となるため、遊技に意外性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、上記した実施形態においては、保留記憶手段75に記憶されている識別情報の可変表示の数に基づいて特定入賞装置20を開放(開閉片23a,23bを2回開放)させるときに、第2種始動入賞口5a,5bへの遊技球の入賞に基づいて特定入賞装置20を開放(開閉片23a,23bを1回開放)させるときよりも有利な態様で、特定入賞装置20を開放させるものを示したが、これに限らず、第2種始動入賞口5a,5bへの遊技球の入賞に基づいて特定入賞装置20を開放させるときよりも有利でない態様で、特定入賞装置20を開放させるものであってもよい。こうすることにより、保留記憶手段75に基づいて特定入賞装置20が開放するときだけに遊技球の入賞数が増加することがなくなり、第2種始動入賞口5a,5bへの入賞に基づいて特定入賞装置20が開放する場合にも、遊技者は入賞数の期待を持つことができる。
上記したように、本実施形態に係る遊技機101は、始動入賞し易い(期待確率約1/10)が当り難い(当り確率1/300)第1種遊技と、始動入賞し難い(期待確率約1/100)が特定遊技状態とするための特定受入口36を遊技球が通過し易い(通過確率約1/30)第2種遊技とを関連を持たせた形で行うことができるものである。この場合、第1種遊技と第2種遊技とを関連を持たせる方法として、期待確率の高い第1種遊技の始動入賞を、通過確率が高い第2種の特定受入口36へ通過させるために利用するものであるため、遊技球が始動入賞し易く且つ特定受入口36を通過し易いため、特定遊技状態となる確率が高くなる。このように、遊技者にとって有利な状態となるものであるため、遊技の興趣を向上することができる。