JP4986848B2 - グラフトパターン形成方法、それにより得られたグラフトパターン材料及びそれを用いたリソグラフィ方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、前記本発明のグラフトパターン形成方法により形成された高解像度の撥油且つ撥水性グラフトパターン、及び、該撥油且つ撥水性グラフトパターンをエッチングストッパーに用いることで高解像度のエッチングが可能なリソグラフィ方法を提供することにある。
本発明のグラフトパターン形成方法は、基材表面に種々の方法によりパターン状に精製させた活性点を起点として、後述する特定の高分子化合物をグラフト重合により基材に固定化してパターン状のグラフトポリマー層を形成することを特徴とするものである。これらには、パターン状に活性点を発生させる工程と、そこにグラフト重合を生起させる工程とが、パターン状の露光により同時に行われる態様も包含される。
(A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、露光により基材表面に発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、グラフトポリマーを画像様に生成させる工程とを、有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
<2>
(A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合と親水性の官能基とを有する高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、露光により基材表面に発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、画像様にグラフトポリマーを生成させる工程と、を有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
<3>
(A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、露光により基材表面に発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、画像様にグラフトポリマーを生成させる工程とを、有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
<4>
水もしくはアルカリ水処理により、未反応の前記高分子化合物を除去する工程を有することを特徴とする<2>または<3>に記載のグラフトパターン形成方法。
<5>
前記露光によりラジカルを発生しうる基材が、ラジカル発生剤を含有する基材である<1>乃至<3>のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法。
<6>
前記露光によりラジカルを発生しうる基材が、ラジカル発生部位を有する高分子化合物を含有する基材である<1>乃至<3>のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法。
<7>
前記露光によりラジカルを発生しうる基材が、架橋剤とラジカル発生部位を有する高分子化合物とを含有する塗布液を支持体表面に塗布、乾燥し、被膜内に架橋構造を形成させてなる基材である<1>乃至<3>のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法。
<8>
(C)基材表面に水素引き抜き型のラジカル発生剤を接触させ、画像様に露光することにより基材表面にラジカルを発生させる工程と、(D)該基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させ、発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、グラフトポリマーを画像様に生成させる工程とを、有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
<9>
(C)基材表面に水素引き抜き型のラジカル発生剤を接触させ、画像様に露光することにより基材表面にラジカルを発生させる工程と、(D)該基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させ、発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、画像様にグラフトポリマーを生成するグラフトパターン形成方法。
<10>
水もしくはアルカリ水処理により、未反応の前記高分子化合物を除去する工程を有することを特徴とする<9>に記載のグラフトパターン形成方法。
<11>
(E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程と、(F)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させた後、全面露光を行い、前記パターン状に設けられた該光重合開始部位に光開裂を生起させ、ラジカル重合を開始させることでグラフトポリマーを画像様に生成させる工程と、を有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
<12>
(E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程と、(F)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させた後、全面露光を行い、前記パターン状に設けられた該光重合開始部位に光開裂を生起させ、ラジカル重合を開始させることでグラフトポリマーを生成させる工程と、を有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
<13>
水もしくはアルカリ水処理により、未反応の前記高分子化合物を除去する工程を有することを特徴とする<12>に記載のグラフトパターン形成方法。
<14>
前記(E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程が、(E−1)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(E−2)パターン露光を行い、露光領域の該光重合開始部位を失活させる工程と、を含むことを特徴とする<11>乃至<13>のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法。
<15>
(G)光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(H)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させて、パターン状に露光して、グラフトポリマー生成領域と非生成領域とを形成する工程とを、有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
<16>
(G)光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(H)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させて、パターン状に露光して、グラフトポリマー生成領域と非生成領域とを形成する工程と、を有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
<17>
水もしくはアルカリ水処理により未反応の前記高分子化合物を除去する工程を有することを特徴とする<16>に記載のグラフトパターン形成方法。
<18>
<1>乃至<17>のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法により得られた、フッ素を有するグラフトパターン。
<19>
<1>乃至<17>のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法により得られた、フッ素を有するグラフトパターンをエッチングストッパーとして用いることを特徴とするリソグラフィ方法。
<20>
(A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、ポリマーを画像様に生成させる工程とを、有することを特徴とするパターン形成方法。
<21>
(A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合と親水性の官能基とを有する高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、画像様にポリマーを生成させる工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
<22>
(A)露光よりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、画像様にポリマーを生成させる工程とを、有することを特徴とするパターン形成方法。
<23>
(C)基材表面に水素引き抜き型のラジカル発生剤を接触させ、画像様に露光することにより基材表面にラジカルを発生させる工程と、(D)該基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させ、ポリマーを画像様に生成させる工程とを、有することを特徴とするパターン形成方法。
<24>
(C)基材表面に水素引き抜き型のラジカル発生剤を接触させ、画像様に露光することにより基材表面にラジカルを発生させる工程と、(D)該基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させ、画像様にポリマーを生成するパターン形成方法。
<25>
(E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程と、(F)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させた後、全面露光を行い、ポリマーを画像様に生成させる工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
<26>
(E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程と、(F)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させた後、全面露光を行い、ポリマーを生成させる工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
<27>
(G)光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(H)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させて、パターン状に露光して、ポリマー生成領域と非生成領域とを形成する工程とを、有することを特徴とするパターン形成方法。
<28>
(G)光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(H)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させて、パターン状に露光して、ポリマー生成領域と非生成領域とを形成する工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
なお、本明細書において、「撥油且つ撥水性」とは、「撥油性を有し、且つ撥水性を有する」を意味する。
さらに、特定撥油性ポリマーの中でも特に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物については、以下、適宜、「特定撥油性膨潤性ポリマー」と称する。
まず、特定撥油性ポリマーについて説明する。
本発明者は、前記グラフトパターンを形成する工程において、撥油且つ撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を使用すると、撥油且つ撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合とを有する低分子化合物を使用するよりも、得られたグラフトパターン形成部における表面撥水効果が高まることを見出し、本発明を完成した。この高分子化合物は、表面に撥水且つ撥油性の特性を与える撥水且つ撥油性の官能基を分子内に有する、ラジカル重合性の高分子化合物である。
本発明において使用される特定撥油性ポリマーは、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を含むことを必須とするものである。
なお、撥油且つ撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合とを有する部位は、高分子化合物の側鎖又は主鎖の片端であることが好ましく、側鎖であることがさらに好ましい。
(i)フッ素モノマーなどの撥水且つ撥油性モノマーとエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを共重合する方法、
(ii)撥水且つ撥油性モノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に、塩基などの処理により二重結合を導入する方法、
(iii)カルボン酸などの官能基を有する撥水且つ撥油性ポリマーとエチレン付加重合性不飽和基を有する化合物とを反応させる方法、などが挙げられる。
これらの中でも、特に好ましいのは、合成適性の観点から、(iii)撥水且つ撥油性ポリマーの官能基とエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを反応させる方法である。
(ii)の方法で特定撥油性膨潤性ポリマーを合成する際、撥水且つ撥油性モノマーと共重合する二重結合前駆体を有するモノマーとしては、2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜が挙げられる。
(iii)の方法で特定撥油性膨潤性ポリマーを合成する際、撥水且つ撥油性ポリマー中のカルボキシル基、アミノ基若しくはそれらの塩と、水酸基及びエポキシ基などの官能基と、の反応を利用して不飽和基を導入するために用いられる付加重合性不飽和基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
次に、特定撥油性膨潤性ポリマーについて説明する。
グラフトパターンを形成する際に、(1)撥油且つ撥水性の官能基と、重合性不飽和二重結合と、親水性の官能基とを有する高分子化合物、又は、(2)撥油且つ撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合を有し、且つ、アルカリ水、もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物は、親水性の官能基を有し、水或いは水を含む水性の液体に親和性を有することから、アルカリ水、もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能である。そのため、露光工程でグラフト重合反応完了後、未反応の高分子化合物を除去する工程において有機溶媒を使用する必要がなく、水、アルカリ水、及び、少量の有機溶剤を含有する水との混合物、からなる群より選択される液体による処理で容易に除去が可能であり、環境適合性に優れたプロセスを提供することができる。なお、この化合物を用いることでアルカリ水、水などによる精製が可能となるが、通常の有機溶剤、特に水に可溶な有機溶剤を含有する水性処理液での精製も可能であることはいうまでもない。
本発明で使用される特定撥油性膨潤性ポリマーは、撥油性モノマー部と親水性モノマー部と2重結合含有モノマー部との共重合体である。
(i)フッ素モノマーなどの撥水且つ撥油性モノマーと親水性モノマーとエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを共重合する方法、
(ii)撥水且つ撥油性モノマーと親水性モノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に、塩基などの処理により二重結合を導入する方法、
(iii)カルボン酸などの親水性官能基を有する撥水且つ撥油性ポリマーとエチレン付加重合性不飽和基を有する化合物とを反応させる方法、などが挙げられる。
これらの中でも、特に好ましいのは、合成適性の観点から、(i)撥水且つ撥油性モノマーと親水性モノマーとエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを反応させる方法である。
(ii)の方法で特定撥油性膨潤性ポリマーを合成する際、撥水且つ撥油性モノマーおよび親水性モノマーと共重合する二重結合前駆体を有するモノマーとしては、2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜が挙げられる。
(iii)の方法で特定撥油性膨潤性ポリマーを合成する際、撥水且つ撥油性ポリマー中のカルボキシル基、アミノ基若しくはそれらの塩と、水酸基及びエポキシ基などの官能基と、の反応を利用して不飽和基を導入するために用いられる付加重合性不飽和基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(フッ素含有モノマー)
グラフトパターンの生成に用いられる特定撥油性ポリマーの原料として使用されるフッ素含有モノマーとしては、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のフッ素含有モノマーが挙げられる。
CH2=CR1COOR2Rf・・・(I)
〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−CpH2p−、−C(CpH2p+1)H−、−CH2C(CpH2p+1)H−又は−CH2CH2O−、Rfは−CnF2n+1、−(CF2)nH、−CnF2n+1−CF3、−(CF2)pOCnH2nCiF2i+1、−(CF2)pOCmH2mCiF2iH、−N(CpH2p+1)COCnF2n+1、−N(CpH2p+1)SO2CnF2n+1である。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。〕
(式中Rgは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CHRg・・・(III)
(式中Rgは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CR3COOR5RjR6OCOCR4=CH2 ・・・(IV)
〔式中、R3、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6は−CqH2q−、−C(CqH2q+1)H−、−CH2C(CqH2q+1)H−又は−CH2CH2O−、Rjは−CtF2tである。但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。〕
CH2=CHR7COOCH2(CH2Rk)CHOCOCR8=CH2・・・(V)
(式中、R7、R8は水素原子又はメチル基、Rkは−CyF2y+1である。但し、yは1〜16の整数である。)
一般式(I)で示されるモノマーとしては、例えば、CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2、CF3CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)4CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C7F15CON(C2H5)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCH=CH2、C2F5SO2N(C3H7)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF3)2CF(CF2)6(CH2)3OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)10(CH2)3OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)4CH(CH3)OCOC(CH3)=CH2、CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2、C2F5(CH2CH2O)2CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CFO(CH2)5OCOCH=CH2、CF3(CF2)4OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C2F5CON(C2H5)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)2CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2、H(CF2)6C(C2H5)OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)8CH2OCOCH=CH2、H(CF2)4CH2OCOCH=CH2、H(CF2)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)10OCOCH=CH2、C2F5SO2N(C2H5)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)4OCOCH=CH2、C2F5SO2N(C2H5)C(C2H5)HCH2OCOCH=CH2等が挙げられる。
併用する場合の配合量はフッ素含有モノマーに対して50重量%以下が好ましい。
本発明において特定撥油性ポリマーの原料として用いうるシリコン系モノマーとしては、Si−CH3基もしくは−O−Si−CH3基を有するシリコン系モノマーを挙げることが出来る。具体的にはシリコンアクリレートまたはシリコンメタクリレートであり、一般式(CH3O)nSi(CH3)3-n−R3−O−CO−CR4=CH2で表されるものであり、R3は連結基であり、R4はメチルもしくは水素である。その他、例えば、特開2003−335984公報の段落番号〔0025〕に記載されるシリコン系モノマーもまた、好適なものとして挙げることができる。
本発明で使用される撥油且つ撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合とを側鎖に有する高分子化合物は、構成要素として撥油且つ撥水性基、および重合性不飽和二重結合基を有するモノマーの他にも他のモノマーが共重合されていても良い。これらのモノマーは本発明の高分子化合物の溶剤溶解性などを上げるのに使用される。このような目的で使用されるモノマーとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、などのアクリル酸エステルを使用することができる。
本発明で使用される特定撥油性膨潤性ポリマーとしては、例えば、分子内に親水性の官能基を有する高分子化合物があり、このような水を含む水性の液体と親和性を有する高分子化合物を合成する際には、親水性モノマーを共重合させればよい。このような高分子化合物の合成に使用される親水性モノマーとしては次のモノマーを挙げることができる。
本発明で有用な親水性モノマーとは、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有するモノマー、若しくは、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に解離し得る酸性基を有するモノマーが挙げられるが、その他にも、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基、エチレンオキシド基などの非イオン性の基を有する親水性モノマーを用いることもできる。
撥油且つ撥水性基の含有率は、形成した皮膜の撥水性の観点から、3〜95%が好ましく、10〜90%がさらに好ましく、20〜80%が特に好ましい。
重合性不飽和二重結合の含有率は、皮膜形成性の観点から、1〜80%が好ましく、3〜60%がさらに好ましく、10〜40%が特に好ましい。
この分子量の範囲の特定撥油性ポリマーを用いることで、優れた撥水・撥油性が実現され、且つ、基材表面に接触させる際などの溶剤の溶解性に優れ、取り扱い性も良好となる。
撥油且つ撥水性基の含有率は、撥水性の観点から、3〜90%が好ましく、10〜85%がさらに好ましく、20〜70%が特に好ましい。
親水性基の含有率は、水に対する溶解性の観点から、5〜90%が好ましく、10〜80%がさらに好ましく、20〜60%が特に好ましい。
重合性不飽和二重結合の含有率は、皮膜形成性の観点から、1〜80%が好ましく、3〜60%がさらに好ましく、10〜40%が特に好ましい。
この分子量の範囲において、優れた撥水性効果と、溶剤に対する溶解性を達成しうる。
前記特定撥油性ポリマーを用いてグラフトポリマーパターンを形成するには、基材表面にこれらのポリマーをパターン状にグラフト反応させる必要がある。
グラフトパターンの形成方法は具体的には、たとえば、(A)「露光によりラジカルを発生しうる基材」を用い、その表面に、特定撥油性ポリマーを接触させ、その後、(B)該基材に画像様(即ち、所望のパターン状)に露光を行って、パターン状のグラフトポリマーを生成させる方法が挙げられる。
この方法で用いられる「露光によりラジカルを発生しうる基材」としては、(a)ラジカル発生剤を含有する基材、(b)側鎖にラジカル発生部位を有する高分子化合物を含有する基材、(c)架橋剤と側鎖にラジカル発生部位を有する高分子化合物とを含有する塗布液を支持体表面に塗布、乾燥し、被膜内に架橋構造を形成させてなる基材、などが挙げられる。
以上の(A)、(C)、(E)工程を適用する方法において形成されるグラフトパターンは、通常、基材に直接結合したグラフトポリマーを画像様に生成させることによって得られる。
また、同様の化合物を用いる他の方法として、(G)光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材表面の全面に結合させる方法がある。この場合には、その後、(H)該基材上に、特定撥油性ポリマーを接触させて、パターン状に露光することで、露光領域のみにグラフトポリマー層が生成される。
活性点を生じうる前記重合開始部位としては、C−C結合、C−N結合、C−O結合、C−Cl結合、N−O結合、及びS−N結合からなる群より選択されるいずれかを含むことが好ましい態様である。
露光によりラジカルを発生しうる基材としては、ラジカル発生能を有する材料からなる基材、ラジカル発生剤を含有する基材、側鎖にラジカル発生部位を有する高分子化合物を含有する基材など、基材自体にラジカル発生能を有するもの、或いは、架橋剤と側鎖にラジカル発生部位を有する高分子化合物とを含有する塗布液を支持体表面に塗布、乾燥し、被膜内に架橋構造を形成させてなる基材、即ち、任意の支持体上にラジカル発生能を有する架橋膜を形成してなる基材などが挙げられ、なかでも、(a)ラジカル発生剤を含有する基材、(b)側鎖にラジカル発生部位を有する高分子化合物を含有する基材などが代表的なものとして挙げられる。また、(c)架橋剤と側鎖にラジカル発生部位を有する高分子化合物とを含有する塗布液を支持体表面に塗布、乾燥し、被膜内に架橋構造を形成させてなる基材も好ましく挙げられる。
低分子のラジカル発生剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、トリクロロメチルトリアジンおよびチオキサントン等の公知のラジカル発生剤を使用できる。また通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを用いてもよい。
高分子ラジカル発生剤としては、特開平9−77891号段落番号〔0012〕〜〔0030〕や、特開平10−45927号段落番号〔0020〕〜〔0073〕に記載の活性カルボニル基を側鎖に有する高分子化合物などを使用することができる。このような高分子ラジカル発生剤のうち、側鎖にラジカル発生部位を有する高分子化合物を含有するものが、前記(b)基材に相当する。
ラジカル発生剤の含有量は、基材の種類、所望のグラフトポリマーの生成量などを考慮して適宜、選択できるが、一般的には、低分子ラジカル発生剤の場合、0.1〜40重量%の範囲であることが好ましく、高分子ラジカル発生剤の場合、1.0〜50重量%の範囲であることが好ましい。
増感剤は、ラジカル発生剤に対して、50〜200重量%程度の量で含有させることが好ましい。
本発明により得られる撥水且つ撥油性の材料が、特に耐久性を要する防汚性表面材料として使用される場合には、基材内部には前記ラジカル発生剤(光重合開始剤)以外に、分子内に不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート系の化合物とを含有することが重要である。この(メタ)アクリレートとしては、中間層の硬化性、グラフト起点の生成性などから、多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
(c)の態様においては、任意の支持体上に、側鎖に重合開始能を有する官能基及び架橋性基を有するポリマーを架橋反応により固定化してなる重合開始層を形成することで、「露光によりラジカルを発生しうる基材」とする。このような重合開始層表面に、重合可能な官能基と撥油性の官能基、例えば、フッ素系官能基とを有する化合物を接触させて、パターン状に露光することにより、フッ素系官能基を有するグラフトパターンを形成することができる。
このように、側鎖に重合開始能を有する官能基及び架橋性基を有するポリマーの架橋反応による固定化は、架橋剤を用いた架橋反応により行なわれることが好ましい。架橋構造を形成することで、例えば、液状のモノマー成分、具体的には、撥油且つ撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合を側鎖に有する化合物を接触させたとき、所望されない重合開始成分の溶出が抑制され、且つ、重合開始層の被膜強度が高いことから、効率の良いラジカル重合反応が可能となり、さらに、生成されるグラフトポリマーの基材との密着性も向上するという利点を有するものである。
この態様(C)においては、基材表面における画像様のラジカルの発生と、そのラジカルを起点とするグラフト重合(D)工程とがほぼ同時に行われる。具体的な方法としては、水素引き抜き可能な重合開始剤と、特定撥油性ポリマーとの混合物を基板に接触させ、画像様に露光を行う。露光により重合開始剤が基材表面から水素を引き抜き、基材表面に活性なラジカルを発生させると、その箇所から前記不飽和化合物モノマーの重合が開始して撥油且つ撥水性の官能基を有するグラフトパターンが露光領域のみに画像様に生成する。
本態様で有利に使用される水素引き抜き可能な重合開始剤としては、ベンゾフェノンやチオキサントン類などを挙げることができる。
これらの態様において最も好ましいのは、(E−1)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程(以下、適宜、「光開裂化合物結合工程」と称する)と、(E−2)パターン露光を行い、露光領域の該光重合開始部位を失活させる工程(以下、適宜、「重合開始能失活工程」と称する)とを有する方法である。
以下、グラフト重合の開始点となる活性点を生成しうる光重合開始部位を有する化合物の例を挙げるが、本発明はこれに限定するものではない。
前記いずれの態様においても、本発明の特徴的な成分である特定撥油性ポリマーによりグラフトポリマー層を生成するためには、基材にこの特定撥油性ポリマーを接触させることが必要である。
特定撥油性ポリマーを基材表面に接触させる方法としては、該高分子化合物が溶解された溶液又は分散された分散液を塗布する方法、或いは溶液又は分散液に基材を浸漬する方法などがある。
グラフト重合反応を生起させるための活性エネルギー線としては、基材表面に残存するパターン状の光重合開始部位が吸収して活性点を生成させうる波長であれば特に制限はないが、具体的には波長200〜800nm、好ましくは、300〜600nmの紫外線及び可視光線が望ましい。光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、エキシマレーザー、色素レーザー、YAGレーザー、太陽光等が挙げられる。
本発明の方法によりグラフトパターンを形成する基材には特に制限はなく、有機材料、無機材料、或いは、有機と無機とのハイブリッド材料のいずれでもよく、前記した開始能の発生機構やグラフトパターンの使用目的に応じて適宜選択される。
例えば、工程(A)を含むような態様の如く、重合開始剤を基材内部に含有させるラジカル発生方法や、工程(C)を含む態様の如く、基材表面から水素を引き抜いてラジカルを発生させる方法においては、有機材料、もしくは、有機と無機とのハイブリッド材料が用いられる。
工程(A)を含む態様において、基材表面に高分子開始剤を架橋させて重合開始層を設ける方法をとる場合、特に有機材料、無機材料の基材の制限はなく、目的に応じた任意の基材表面に重合開始層を形成することができる。
また、その他の有機材料としては、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、およびポリエーテルケトンなどが挙げられる。
例えば、ラジカル重合性の二重結合を有する化合物を添加することで、基材の強度向上を図ることができる。ラジカル重合性の二重結合を有する化合物としては、アクリレート、もしくはメタアクリレート化合物が挙げられる。本発明に用いうるアクリレート化合物〔(メタ)アクリレート〕は、分子内にエチレン性不飽和基であるアクリロイル基を有するものであれば、特に制限はないが、硬化性、基材表面の硬度や強度向上の観点からは、多官能モノマーであることが好ましい。
本発明に好適に用いうる多官能モノマーとしては、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルであることが好ましい。多価アルコールの例には、エチレングリコール、1、4−シクロヘキサノール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、1、2、4−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよびポリエステルポリオールが含まれる。なかでも、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールおよびポリウレタンポリオールが好ましい。中間層には、二種類以上の多官能モノマーを含んでいてもよい。
これら分子内に3個以上のアクリル基を有するアクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ポリイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を挙げることができる。
基材の厚みは、使用目的に応じて選択され、特に限定はないが、一般的には、10μm〜10cm程度である。
本発明のパターン形成方法に用いうる露光方法には特に制限はなく、例えば、(a)、(b)及び(c)のような基材を用いる(A)工程を含む態様においては、基材表面にラジカルを発生させうるエネルギーを、(C)工程を含む態様では、基材表面の水素引き抜きを行い、活性点を発生させうるエネルギーを、(E)及び(G)いずれかの工程を経る態様であれば前記重合開始部位において開裂を生じさせるエネルギーを、それぞれ付与できる露光であれば、紫外線でも、可視光でもよい。
パターン露光に用いられる光源としては、紫外光、深紫外光、レーザー光、等が挙げられるが、好ましくは、紫外光、レーザー光である。
本発明のパターン形成方法を用いれば、高解像度のパターン形成が可能であり、高精細画像記録用のパターン露光を施すことにより、露光に応じた高精細パターンが形成される。高精細パターン形成のための露光方法としては、光学系を用いた光ビーム走査露光、マスクを用いた露光などが挙げられ、所望のパターンの解像度に応じた露光方法をとればよい。
高精細パターン露光としては、具体的には、i線ステッパー、KrFステッパー、ArFステッパーのようなステッパー露光などが挙げられる。
このように、本発明のパターン形成方法により、表面にパターン状にグラフトポリマー生成領域と非生成領域とが形成された基材は、露光後、溶剤浸漬などの処理を行って、グラフト重合に与らなかった残存するポリマーを除去し、精製する。具体的には、水やアセトンによる洗浄、乾燥、などが挙げられる。ホモポリマーの除去性の観点からは、この精製工程において、洗浄液への浸漬時に、超音波照射などの手段を採ることが好ましい。
精製後の基材は、その表面に残存するポリマーが完全に除去され、基材と強固に結合したパターン状の撥油性グラフトポリマーのみが存在することになる。
この処理液には、水と混和する有機溶剤を含んでいてもよく、処理温度は20℃から60℃の範囲で使用することができる
〔特定撥油性ポリマーの合成〕
(合成例1.特定撥油性ポリマーP−1の合成)
特定撥油性ポリマーP−1は、以下の2つのステップを経て合成される。
<Step1: 2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA)との共重合(FAMAC/HEMA=33/67)の合成>
窒素雰囲気下、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)30gを、冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、ウォーターバスで65℃まで加熱した。ここにDMAc30gにメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA、東京化成工業)5.0g(0.0382mol)と2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC、ダイキンファインケミカル研究所社製)10.0g(0.0188mol)と2.2'−アゾビス(イソ酪酸)(V601、和光純薬工業)0.66g(0.0029mol)を溶解させた均一な溶液をプランジャーポンプで0.54ml/minの速度で滴下した。滴下終了後、5時間撹拌し反応を止めた。
反応液を1500mlのメタノールで再沈し、析出した固体を吸引濾過により濾取した。3時間真空乾燥して白色粉末を得た。(収量6.52g、収率43%)
IR(KBr)(Excalibur FTIR−8300(SHIMAZU)を使用して測定)
3471(b)、2953(b)、1732(s)、1456(s)cm-1
Step1で得た共重合体3.0gとハイドロキノン(和光純薬工業)0.0325gを冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、DMAc40gを加えて室温で撹拌し均一な溶液とした。
その溶液を撹拌しながら2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工)1.53g(0.00983mol)を滴下した。続いて、ジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(東京化成工業)を1滴加えて撹拌しながら65℃のウォーターバスで加熱した。5時間後に反応を止め、室温まで自然冷却した。反応液を1500mlのメタノールで再沈し、析出した固体を吸引濾過により濾取し、特定撥油性ポリマーP−1を得た。(収量2.5g、収率55%)
IR(KBr)(Excalibur FTIR−8300(SHIMAZU)を使用して測定)
3390(b)、2961(b)、1732(s)、1639(s)cm-1
分子量(GPC、THF、ポリスチレン換算)はMw30500であった。
特定撥油性ポリマーP−2は、以下の2つのステップを経て合成される。
<Step1: 2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC)とブチルメタクリレート(BMA)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA)との共重合(FAMAC/BMA/HEMA=30/30/40)の合成>
窒素雰囲気下、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)31.88gを、冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、ウォーターバスで65℃まで加熱した。ここにDMAc31.88gにブチルメタクリレート(BMA、東京化成工業)2.67g(0.0188mol)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA、東京化成工業)3.27g(0.0251mol)と2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC、ダイキンファインケミカル研究所社製)10.0g(0.0188mol)と2.2'−アゾビス(イソ酪酸)(V601、和光純薬工業)0.714g(0.0031mol)を溶解させた均一な溶液をプランジャーポンプで0.37ml/minの速度で滴下した。滴下終了後、5時間撹拌し反応を止めた。反応溶液は乳白色であった。
Step1で得られた反応溶液を500mlの三つ口フラスコに移し、そこにN、N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)79.7gを加えて10wt(%)に希釈した。ここにハイドロキノン(和光純薬工業)0.081gを加えて室温で撹拌し均一な溶液とした。その溶液を撹拌しながら2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工)3.79g(0.024mol)を滴下した。続いて、ジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(東京化成工業)を1滴加えて冷却管を設置し、65℃のウォーターバスで加熱した。5時間後に反応を止め、室温まで自然冷却した。反応液は薄桃色であった。
反応液を水で再沈し、析出した固体を濾取した。その固体を1500mlの水で1時間リスラリーし、固体を濾別後、空気乾燥し、薄桃色の粉末として特定撥油性ポリマーP−2を得た。(収量14.99g、収率76%)
分子量(GPC、THF、ポリスチレン換算)はMw30500であった。
1H NMR(ppm、CDCl3、300Mz、ブルッカー社製)
δ 0.80−1.80(b、18H)、1.40(b、2H)、1.60(b、2H)、1.85(bs、2H)、1.90(b、1H)、2.42(b、2H)、3.50(mb、2H)、3.82(bs、2H.)、4.12(bs、3H)、4.30(b、6H)、5.60(bs、1H)、6.25(bs、1H)
光重合開始部位を有する化合物Aの合成は、以下の2つのステップにより行われる。それぞれのステップのスキームを挙げて説明する。
<ステップ1 化合物aの合成>
DMAc50gとTHF50gの混合溶媒に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン24.5g(0.12mol)を溶かし、氷浴下でNaH(60% in oil)7.2g(0.18mol)を徐々に加えた。そこに、11−ブロモ−1−ウンデセン(95%)44.2g(0.18mol)を滴下し、室温で反応を行った。1時間で反応が終了した。反応溶液を氷水中に投入し、酢酸エチルで抽出し、黄色溶液状の化合物2aを含む混合物が得られた。この混合物37gをアセトニトリル370mlに溶かし、水7.4gを加えた。p−トルエンスルホン酸一水和物1.85gを加え、室温で20分間撹拌した。酢酸エチルで有機相を抽出し、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(充填剤:ワコーゲルC−200、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/80)で化合物aを単離した。
合成スキームを以下に示す。
δ=1.2−1.8(mb、24H)、2.0(q、2H)、3.2(t、J=6.6、2H)、4.9−5.0(m、2H)5.8(ddt、J=24.4、J=10.5、J=6.6、1H.)、7.4(t、J=7.4、2H)、7.5(t、J=7.4、1H)、8.3(d、1H)
化合物a5.0g(0.014mol)にSpeier catalyst(H2PtCl6・6H2O/2−PrOH、0.1mol/l)を2滴加え、氷浴下でトリクロロシラン2.8g(0.021mol)を滴下して撹拌した。さらに1時間後にトリクロロシラン1.6g(0.012mol)を滴下してから室温に戻した。3時間後に反応が終了した。反応終了後、未反応のトリクロロシランを減圧留去し、化合物Aを得た。
合成スキームを以下に示す。
δ=1.2−1.8(m、30H)、3.2(t、J=6.3、2H)、7.3−7.7(m、3H)、8.3(d、2H)
(光開裂化合物結合工程)
ガラス基板(日本板硝子)を、終夜、ピランハ液(硫酸/30%過酸化水素=1/1vol混合液)に浸漬した後、純水で洗浄した。その基板を、窒素置換したセパラブルフラスコ中に入れ1.2wt%の化合物A(前記合成例3で得たもの)の脱水トルエン溶液に1時間浸漬した。取り出し後、トルエン、アセトン、純水で順に洗浄した。得られた基版を基板A1とする。
上記合成例1で得た特定撥油性ポリマーP−1を2g、1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業(株)社製)2gを混合して均一溶液とし、300回転のスピナーを用いて塗布したのち、100℃1分間乾燥して塗膜を得た。
これにパターンマスク(NC−1、凸版印刷社製)を密着させ、露光機(UVE202S、三永電気製作所製)を用い、波長254nm、露光強度10mW/cm2の条件で60秒間露光した。露光後にパターンマスクをはずし、得られたフッ素系グラフトパターンをアセトンで洗浄し、未反応の不純物を除去してフッ素化合物がパターンされたシリコン基板を得た。
パターンの撥水性を確認するために露光領域(フッ素グラフトパターンが形成された部分)の水滴の接触角を測定したところ125°であり、優れた撥水性を有することがわかった。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着した。
顕微鏡で確認したところライン5μm、スペース5μmのパターンが形成されているのが判明した。ナノピクス1000(セイコーインスツルメンツ社製)を使用して測定したグラフトパターンの高さは20nmであった。以上のようにして、グラフトパターン材料A1(グラフトポリマー生成領域及び非生成領域)を形成した。
(光開裂化合物結合工程)
実施例1と同様にして、光開裂化合物を全面に結合させた基板A1を得た。
(重合開始能失活工程)
前記のようにして得られた基板Al上に実施例1で使用したパターンマスク(NC−1、凸版印刷社製)を密着させ、露光機(UVE202S、三永電気製作所製)を用い、波長254nm、露光強度10mW/cm2の条件で60秒間露光した。この操作により未露光部のみに光開裂能を有する基板B1を得た。
上記合成例1で得た特定撥油性ポリマーP−1を2g、1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業(株)社製)2gを混合して均一溶液とし、300回転のスピナーを用いて塗布したのち、100℃1分間乾燥して塗膜を得た。つぎに、前記した露光機を用い、60秒間全面露光を行った。露光の後、アセトンにより洗浄することにより余分なフッ素ポリマー等の不純物を取り除いた。
以上のようにして、グラフトパターン材料B1(グラフトポリマー生成領域及び非生成領域)を形成した。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着した。
顕微鏡で確認したところライン5μm、スペース5μmのパターンが形成されているのが判明した。ナノピクス1000(セイコーインスツルメンツ社製)を使用して測定したグラフトパターンの高さは15nmであった。
(リソグラフィ方法)
実施例1及び実施例2で得られた、フッ素グラフトパターンを有するシリコン基板上を、1.5質量%のフッ酸エッチング液に浸漬した。シリコン表面の自然酸化膜(SiO2)は厚みが2nmであり、エッチング速度は5nm/minであるので、浸漬時間は30秒間とした。フッ素分子膜がエッチング液のダメージを受け、下地が露出するまでには10分以上を要するため、リノグラフィ用レジスト膜として十分に機能した。残ったレジスト表面を光学顕微鏡で観察したが、特にエッチング工程の前後に変化はなく、穴などは認められなかった。
エッチングの結果、5μm幅、5μmピッチのパターンで、シリコン表面の自然酸化膜(SiO2)を除去できた。
なお、実施例1及び実施例2に用いたフッ酸エッチング液1.5%に対する耐性は、実施例1のグラフトパターン材料A1で15分、実施例2のグラフトパターン材料B1で12分であった。
(基板の作製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)125gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して基板塗布液を調製した。
フッ素と重合性不飽和二重結合を有する高分子化合物として、上記合成例2で得た特定撥油性ポリマーP−2を2gと、1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業(株)社製)2gとを混合して均一溶液とし、300回転のスピナーを用いて塗布したのち、100℃で1分間乾燥して塗膜を得た。
前記のようにして得られた硬化した基材を4cm×5cmにカットし、パターンマスク(NC−1、凸版印刷社製)を密着させ、UV露光装置(UVX−02516S1LP01、高圧水銀灯、USHIO社製)で5分間露光した。露光後にマスクをはずし、得られたフッ素系グラフト膜をアセトンで洗浄し、未反応の不純物を除去してフッ素グラフトパターン材料C1を得た。
フッ素グラフト部分の水滴の接触角を測定したところ127°であり、優れた撥水性を有することがわかる。またグラフト以外の部分の接触角を測定したところ80°であった。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着しており、顕微鏡で確認したところライン10μm、スペース10μmのパターンが形成されているのが判明した。
光ラジカル発生剤として実施例4で用いた光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gに代えて特開平9−0077891号公報の段落番号〔0076〕に記載の高分子ラジカル発生剤12.5gを使用した以外は実施例4と同様にして、画像様にフッ素グラフトポリマーが生成されたグラフトパターン材料D1を得た。
フッ素グラフト部分の水滴の接触角を測定したところ118°であり、優れた撥水性を有することがわかる。またグラフト以外の部分の接触角を測定したところ76°であった。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着したおり、顕微鏡で確認したところライン10μm、スペース10μmのパターンが形成されているのが判明した。
(重合開始ポリマーAの合成)
300mlの三口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)30gを加え75℃に加熱した。そこに、[2−(アクリロイルオキシ)エチル](4−ベンゾイルベンジル)ジメチルアンモニウムブロミド8.1gと、2−ヒドロキシエチルメタクリレート9.9gと、イソプロピルメタクリレート13.5gと、ジメチル−2、2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.43gと、MFG30gと、の溶液を2.5時間かけて滴下した。その後、反応温度を80℃に上げ、更に2時間反応させ、重合開始基を有するポリマーAを得た。
膜厚0.188mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名:M4100、東洋紡社製)を支持体として用い、その表面に下記の重合開始層塗布液1をロッドバー18番を用いて塗布し、110℃で10分乾燥・架橋反応させた。得られた重合開始層の膜厚は9.3μmであった。
<重合開始層塗布液1>
・上記特定重合開始ポリマーA 0.4g
・TDI(トリレン−2、4−ジイソシアネート) 0.16g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG) 1.6g
その後、フッ素グラフト生成部分の水滴の接触角を測定したところ125°であり、優れた撥水性を有することがわかる。またグラフト以外の部分の接触角を測定したところ83°であった。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着した。このパターンを顕微鏡で確認したところライン15μm、スペース15μmのパターンが形成されているのが判明した。
基板として次のエポキシ樹脂を使用した。
まず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185、油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828)20質量部(以下、配合量は全て質量部で表す)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN−673)45部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量105、大日本インキ化学工業(株)製フェノライト)30部をエチルジグリコールアセテート20部、ソルベントナフサ20部に攪拌しながら加熱溶解させ室温まで冷却した後、そこへビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828)とビスフェノールSからなるフェノキシ樹脂のシクロヘキサノンワニス(油化シェルエポキシ(株)製YL6747H30、不揮発分30質量%、重量平均分子量47000)30部と、2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール0.8部、さらに微粉砕シリカ2部、シリコン系消泡剤0.5部を添加しエポキシ樹脂ワニスを作製した。このワニスを、ドクターブレードを使用してSUS基板上に塗布、100℃10分加熱乾燥の後、200℃で5分間加熱乾燥することで200μm厚みの硬化した重合開始層を有するエポキシ基板を得た。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着した。このパターンを顕微鏡で確認したところライン10μm、スペース10μmのパターンが形成されているのが判明した。
特定撥油性膨潤性ポリマーP−3は、以下の2つのステップを経て合成される。
<Step1: 2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC)とメタクリル酸(MA)、およびメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA)との共重合(FAMAC/MA/HEMA=33/33/34)>
窒素雰囲気下、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)30gを、冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、ウォーターバスで65℃まで加熱した。ここにDMAc30gにメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA、東京化成工業)2.54g(0.0194mol)と2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC、ダイキンファインケミカル研究所社製)10.0g(0.0188mol)とメタクリル酸(MA、東京化成工業)1.62g(0.0188mol)および2.2'−アゾビス(イソ酪酸)(V601、和光純薬工業)0.66g(0.0029mol)を溶解させた均一な溶液をプランジャーポンプで0.54ml/minの速度で滴下した。滴下終了後、5時間撹拌し反応を止めた。
反応液を1500mlのメタノールで再沈し、析出した固体を吸引濾過により濾取した。3時間真空乾燥して白色粉末を得た。(収量7.84g)
Step1で得た共重合体3.0gとハイドロキノン(和光純薬工業)0.0325gを冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、DMAc40gを加えて室温で撹拌し均一な溶液とした。
その溶液を撹拌しながら2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工)1.53g(0.00983mol)を滴下した。続いて、ジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(東京化成工業)を1滴加えて撹拌しながら65℃のウォーターバスで加熱した。5時間後に反応を止め、室温まで自然冷却した。反応液を1500mlのメタノールで再沈し、析出した固体を吸引濾過により濾取して、特定撥油性膨潤性ポリマーP−3を得た。(収量2.4g)
IR(KBr)(Excalibur FTIR−8300(SHIMAZU)を使用して測定)
3390(b)、2965(b)、1735(s)、1640(s)cm-1
分子量(GPC、THF、ポリスチレン換算)はMw45000であった。
光重合開始部位を有する化合物Bの合成は、以下の2つのステップにより行われる。それぞれのステップのスキームを挙げて説明する。
<ステップ1 化合物bの合成>
DMAc50gとTHF50gの混合溶媒に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン24.5g(0.12mol)を溶かし、氷浴下でNaH(60% in oil)7.2g(0.18mol)を徐々に加えた。そこに、11−ブロモ−1−ウンデセン(95%)44.2g(0.18mol)を滴下し、室温で反応を行った。1時間で反応が終了した。反応溶液を氷水中に投入し、酢酸エチルで抽出し、黄色溶液状の化合物2bを含む混合物が得られた。この混合物37gをアセトニトリル370mlに溶かし、水7.4gを加えた。p−トルエンスルホン酸一水和物1.85gを加え、室温で20分間撹拌した。酢酸エチルで有機相を抽出し、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(充填剤:ワコーゲルC−200、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/80)で化合物bを単離した。
合成スキームを以下に示す。
δ=1.2−1.8(mb、24H)、2.0(q、2H)、3.2(t、J=6.6、2H)、4.9−5.0(m、2H)5.8(ddt、J=24.4、J=10.5、J=6.6、1H.)、7.4(t、J=7.4、2H)、7.5(t、J=7.4、1H)、8.3(d、1H)
化合物b5.0g(0.014mol)にSpeier catalyst(H2PtCl6・6H2O/2−PrOH、0.1mol/l)を2滴加え、氷浴下でトリクロロシラン2.8g(0.021mol)を滴下して撹拌した。さらに1時間後にトリクロロシラン1.6g(0.012mol)を滴下してから室温に戻した。3時間後に反応が終了した。反応終了後、未反応のトリクロロシランを減圧留去し、化合物Bを得た。
合成スキームを以下に示す。
δ=1.2−1.8(m、30H)、3.2(t、J=6.3、2H)、7.3−7.7(m、3H)、8.3(d、2H)
(光開裂化合物結合工程)
ガラス基板(日本板硝子)を、終夜、ピランハ液(硫酸/30%過酸化水素=1/1vol混合液)に浸漬した後、純水で洗浄した。その基板を、窒素置換したセパラブルフラスコ中に入れ1.2wt%の化合物B(前記合成例5で得たもの)の脱水トルエン溶液に1時間浸漬した。取り出し後、トルエン、アセトン、純水で順に洗浄した。得られた基版を基板A2とする。
上記合成例4で得た特定撥油性膨潤性ポリマーP−3を2g、1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業(株)社製)2gを混合して均一溶液とし、300回転のスピナーを用いて塗布したのち、100℃で1分間乾燥して塗膜を得た。
これにパターンマスク(NC−1、凸版印刷社製)を密着させ、露光機(UVE202S、三永電気製作所製)を用い、波長254nm、露光強度10mW/cm2の条件で60秒間露光した。露光後にマスクをはずし、得られたフッ素系グラフトパターンを飽和重曹水で洗浄し、未反応の不純物を除去してフッ素化合物がパターンされたシリコン基板を得た。
パターンの撥水性を確認するために露光領域(フッ素グラフトパターンが形成された部分)の水滴の接触角を測定したところ121°であり、優れた撥水性を有することがわかった。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着した。
顕微鏡で確認したところライン5μm、スペース5μmのパターンが形成されているのが判明した。ナノピクス1000(セイコーインスツルメンツ社製)を使用して測定したグラフトパターンの高さは20nmであった。以上のようにして、グラフトパターン材料A2(グラフトポリマー生成領域及び非生成領域)を形成した。
(光開裂化合物結合工程)
実施例8と同様にして、光開裂化合物を全面に結合させた基板A2を得た。
(重合開始能失活工程)
前記のようにして得られた基板A2上に実施例8で使用したパターンマスク(NC−1、凸版印刷社製)を密着させ、露光機(UVE202S、三永電気製作所製)を用い、波長254nm、露光強度10mW/cm2の条件で60秒間露光した。この操作により未露光部のみに光開裂能を有する基板B2を得た。
上記合成例4で得た特定撥油性膨潤性ポリマーP−3を2g、1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業(株)社製)2gを混合して均一溶液とし、300回転のスピナーを用いて塗布したのち、100℃1分間乾燥して塗膜を得た。つぎに、前記した露光機を用い、60秒間全面露光を行った。露光の後、1NのNaOH水溶液に2分間浸漬することにより余分なフッ素ポリマーを取り除いた。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着した。
顕微鏡で確認したところライン5μm、スペース5μmのパターンが形成されているのが判明した。ナノピクス1000(セイコーインスツルメンツ社製)を使用して測定したグラフトグラフトパターンの高さは15nmであった。
以上のようにして、グラフトパターン材料B2(グラフトポリマー生成領域及び非生成領域)を形成した。
(リソグラフィ方法)
実施例8及び実施例9で得られた、フッ素グラフトパターンを有するシリコン基板上を、1.5質量%のフッ酸エッチング液に浸漬した。シリコン表面の自然酸化膜(SiO2)は厚みが2nmであり、エッチング速度は5nm/minであるので、浸漬時間は30秒間とした。フッ素分子膜がエッチング液のダメージを受け、下地が露出するまでには10分以上を要するため、リノグラフィ用レジスト膜として十分に機能した。残ったレジスト表面を光学顕微鏡で観察したが、特にエッチング工程の前後に変化はなく、穴などは認められなかった。
エッチングの結果、5μm幅、5μmピッチのパターンで、シリコン表面の自然酸化膜(SiO2)を除去できた。
なお、実施例8及び実施例9に用いたフッ酸エッチング液1.5%に対する耐性は、実施例8のグラフトパターン材料A2で15分、実施例9のグラフトパターン材料B2で12分であつた。
(基板の作製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)125gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して基板塗布液を調製した。
フッ素と重合性不飽和二重結合を有し、且つアルカリ水、もしくは水に膨潤可能な高分子化合物として、上記合成例4で得た特定撥油性膨潤性ポリマーP−3を2g、1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業(株)社製)2gを混合して均一溶液とし、300回転のスピナーを用いて塗布したのち、100℃1分間乾燥して塗膜を得た。
前記のようにして得られた硬化した基材を4cm×5cmにカットし、パターンマスク(NC−1、凸版印刷社製)を密着させ、UV露光装置(UVX−02516S1LP01、高圧水銀灯、USHIO社製)で5分間露光した。露光後にマスクをはずし、得られたフッ素系グラフト膜を珪酸ナトリウム水溶液(5wt%)の液に2分間浸漬し、未反応の不純物を除去してフッ素グラフトパターン材料C2を得た。
フッ素グラフト部分の水滴の接触角を測定したところ123°であり、優れた撥水性を有することがわかる。またグラフト以外の部分の接触角を測定したところ80°であった。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着しており、顕微鏡で確認したところライン10μm、スペース10μmのパターンが形成されているのが判明した。
光ラジカル発生剤として実施例11で用いた光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gに代えて特開平9−0077891号公報の段落番号[0076]に記載の高分子ラジカル発生剤12.5gを使用した以外は実施例11と同様にして、画像様にフッ素グラフトポリマーが生成されたグラフトパターン材料D2を得た。
フッ素グラフト部分の水滴の接触角を測定したところ117°であり、優れた撥水性を有することがわかる。またグラフト以外の部分の接触角を測定したところ76°であった。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着したおり、顕微鏡で確認したところライン10μm、スペース10μmのパターンが形成されているのが判明した。
(重合開始ポリマーBの合成)
300mlの三口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)30gを加え75℃に加熱した。そこに、[2−(アクリロイルオキシ)エチル](4−ベンゾイルベンジル)ジメチルアンモニウムブロミド8.1gと、2−ヒドロキシエチルメタクリレート9.9gと、イソプロピルメタクリレート13.5gと、ジメチル−2、2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.43gと、MFG30gと、の溶液を2.5時間かけて滴下した。その後、反応温度を80℃に上げ、更に2時間反応させ、重合開始基を有するポリマーBを得た。
膜厚0.188mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名:M4100、東洋紡社製)を支持体として用い、その表面に下記の重合開始層塗布液2をロッドバー18番を用いて塗布し、110℃で10分乾燥・架橋反応させた。得られた重合開始層の膜厚は9.3μmであった。
<重合開始層塗布液2>
・上記特定重合開始ポリマーB 0.4g
・TDI(トリレン−2、4−ジイソシアネート) 0.16g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG) 1.6g
その後、フッ素グラフト生成部分の水滴の接触角を測定したところ118°であり、優れた撥水性を有することがわかる。また、グラフト以外の部分の接触角を測定したところ83°であった。
パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着した。このパターンを顕微鏡で確認したところライン15μm、スペース15μmのパターンが形成されているのが判明した。
(合成例6.特定撥油性膨潤性ポリマー例示化合物(12)の合成)
冷却管および温度計を設置した1000mlの三口フラスコに、アクリル酸(東京化成社製)50.0g(0.694mol)、N,N−ジメチルアクリルアミド(東京化成社製)70.0g(0.71mol)、2−(パーフルオロオクチル)−エチルアクリレート(ユニマテック社製)80.0g(0.154mol)、n−プロパノール400.0g、n−ドデシルメルカプタン(東京化成社製)9.47g(46.8×10-3mol)を入れ、撹拌した。この反応液をオイルバスで加熱し、内温を70℃とした。2,2'−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬社製)0.359g(1.56×10-3mol)をn−プロパノール2.0gに溶かし、反応液中に滴下し、2.5時間反応させた。再びn−プロパノール2.0gに溶かした2,2'−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬社製)0.359g(1.56×10-3mol)を反応液中に滴下した。さらにその1.5時間後に、同様にn−プロパノール2.0gに溶かした2,2'−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬社製)0.359g(1.56×10-3mol)を反応液中に滴下した。その後、内温を80℃に上げて、5時間重合反応をさせた。
GPC(ポリスチレン換算,テトラヒドロフラン溶媒)にて分子量を測定したところ重量平均分子量3500であった。またNMR(ブルッカー社製 300MHz)にて組成を測定したところ,カルボキシル基含有モノマー単位:グリシジル基含有モノマー単位:アミド基含有モノマー単位:パーフルオロ基含有モノマー単位=18:27:45:10の比率(モル比)にて導入されていることが判明した。
実施例8におけるフッ素ポリマーP−3に代えて前記合成例で得た例示化合物(12)を使用した他は,実施例8と同様に撥水性グラフトパターンを形成した。
パターンの撥水性を確認するために露光領域(フッ素グラフトパターンが形成された部分)の水滴の接触角を測定したところ110°であり、優れた撥水性を有することがわかった。パターンの撥油性を確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着した。
顕微鏡で確認したところライン10μm、スペース10μmのパターンが形成されているのが判明した。ナノピクス1000(セイコーインスツルメンツ社製)を使用して測定したグラフトグラフトパターンの高さは30nmであった。
また、本発明のグラフトパターン形成方法により形成されたグラフトパターン材料は、高解像度で撥水且つ撥油性に優れたパターンを有しており、これをエッチングストッパーに用いることで高解像度のエッチングが可能なリソグラフィ方法を提供することができる。
Claims (28)
- (A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、露光により基材表面に発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、グラフトポリマーを画像様に生成させる工程とを、有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
- (A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合と親水性の官能基とを有する高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、露光により基材表面に発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、画像様にグラフトポリマーを生成させる工程と、を有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
- (A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、露光により基材表面に発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、画像様にグラフトポリマーを生成させる工程とを、有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
- 水もしくはアルカリ水処理により、未反応の前記高分子化合物を除去する工程を有することを特徴とする請求項2または3に記載のグラフトパターン形成方法。
- 前記露光によりラジカルを発生しうる基材が、ラジカル発生剤を含有する基材である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法。
- 前記露光によりラジカルを発生しうる基材が、ラジカル発生部位を有する高分子化合物を含有する基材である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法。
- 前記露光によりラジカルを発生しうる基材が、架橋剤とラジカル発生部位を有する高分子化合物とを含有する塗布液を支持体表面に塗布、乾燥し、被膜内に架橋構造を形成させてなる基材である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法。
- (C)基材表面に水素引き抜き型のラジカル発生剤を接触させ、画像様に露光することにより基材表面にラジカルを発生させる工程と、(D)該基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させ、発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、グラフトポリマーを画像様に生成させる工程とを、有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
- (C)基材表面に水素引き抜き型のラジカル発生剤を接触させ、画像様に露光することにより基材表面にラジカルを発生させる工程と、(D)該基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させ、発生したラジカルを起点として、該高分子化合物をグラフト重合して、画像様にグラフトポリマーを生成するグラフトパターン形成方法。
- 水もしくはアルカリ水処理により、未反応の前記高分子化合物を除去する工程を有することを特徴とする請求項9に記載のグラフトパターン形成方法。
- (E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程と、(F)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させた後、全面露光を行い、前記パターン状に設けられた該光重合開始部位に光開裂を生起させ、ラジカル重合を開始させることでグラフトポリマーを画像様に生成させる工程と、を有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
- (E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程と、(F)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させた後、全面露光を行い、前記パターン状に設けられた該光重合開始部位に光開裂を生起させ、ラジカル重合を開始させることでグラフトポリマーを生成させる工程と、を有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
- 水もしくはアルカリ水処理により、未反応の前記高分子化合物を除去する工程を有することを特徴とする請求項12に記載のグラフトパターン形成方法。
- 前記(E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程が、(E−1)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(E−2)パターン露光を行い、露光領域の該光重合開始部位を失活させる工程と、を含むことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法。
- (G)光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(H)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させて、パターン状に露光して、グラフトポリマー生成領域と非生成領域とを形成する工程とを、有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
- (G)光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(H)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させて、パターン状に露光して、グラフトポリマー生成領域と非生成領域とを形成する工程と、を有することを特徴とするグラフトパターン形成方法。
- 水もしくはアルカリ水処理により未反応の前記高分子化合物を除去する工程を有することを特徴とする請求項16に記載のグラフトパターン形成方法。
- 請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法により得られた、フッ素を有するグラフトパターン。
- 請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載のグラフトパターン形成方法により得られた、フッ素を有するグラフトパターンをエッチングストッパーとして用いることを特徴とするリソグラフィ方法。
- (A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、ポリマーを画像様に生成させる工程とを、有することを特徴とするパターン形成方法。
- (A)露光によりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合と親水性の官能基とを有する高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、画像様にポリマーを生成させる工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
- (A)露光よりラジカルを発生しうる基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させる工程と、(B)該基材に画像様に露光を行い、画像様にポリマーを生成させる工程とを、有することを特徴とするパターン形成方法。
- (C)基材表面に水素引き抜き型のラジカル発生剤を接触させ、画像様に露光することにより基材表面にラジカルを発生させる工程と、(D)該基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させ、ポリマーを画像様に生成させる工程とを、有することを特徴とするパターン形成方法。
- (C)基材表面に水素引き抜き型のラジカル発生剤を接触させ、画像様に露光することにより基材表面にラジカルを発生させる工程と、(D)該基材表面に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させ、画像様にポリマーを生成するパターン形成方法。
- (E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程と、(F)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させた後、全面露光を行い、ポリマーを画像様に生成させる工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
- (E)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材表面にパターン状に設ける工程と、(F)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させた後、全面露光を行い、ポリマーを生成させる工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
- (G)光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(H)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有する高分子化合物を接触させて、パターン状に露光して、ポリマー生成領域と非生成領域とを形成する工程とを、有することを特徴とするパターン形成方法。
- (G)光開裂によりラジカル重合を開始しうる重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を基材に結合させる工程と、(H)該基材上に、フッ素と重合性不飽和二重結合とを有し、且つ、アルカリ水もしくは水に可溶であるか、或いは、膨潤可能な高分子化合物を接触させて、パターン状に露光して、ポリマー生成領域と非生成領域とを形成する工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
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