JP4986822B2 - ガスの化学的乾式処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塩基性収着剤(以下「収着剤」という。)からなる充填層で反応帯が形成された反応管に、被処理ガスを連続的に導入・導出させて、被処理ガスを収着剤と接触させて化学的乾式処理をする方法に関する。
ここで、「収着」とは、「気体が固体の表面に収着されるとき、その気体が固溶体又は化合物を作る現象を同時に伴う場合」(波理化学辞典第5版)を意味する。
特に、フロン類等の有機ハロゲン化合物や六フッ化硫黄の如く、化学的に安定(結合エネルギーが大きい。)で分解(解離:dissociation)し難く、通常の燃焼処理が困難な場合(分解率が低い。)に好適なガスの化学的乾式処理方法に係る発明である。
以下に、ここで本発明に好適な反応熱(発熱量)の大きな有機ハロゲン化合物(フロン類、ハロン類)及び六フッ化硫黄の発熱反応式を下記する。参照として、余り反応熱の大きくないハロゲン化水素類についても発熱反応式を下記する。
・フロン12:CCl22+ 3CaO→
CaF2+CaCl2+CaCO3+820kJ
・フロン22:CHClF2+3CaO+1/2O2
CaF2+1/2CaCl2+CaCO3+1/2Ca(OH)2+869kJ
・フロン134a:C224+5CaO+3/2O2
2CaF2+2CaCO3+Ca(OH)2+1644kJ
・六フッ化硫黄:SF6+4CaO→3CaF2+CaSO4+1344kJ
・塩化水素:HCl+CaO→
1/2CaCl2+1/2Ca(OH)2+163.2kJ
昨今、オゾン層破壊低減の見地からフロン類の生産・使用規制が始まる前に生産された冷蔵庫や冷房装置(エアコン)が廃棄されつつある。また、フロン類、ハロン類(フロンのうち臭素を含むもの)は、工業製品等の洗浄に、六フッ化硫黄は電気絶縁用気体として電気機器にそれぞれ多用されている。これらの含ハロゲン化合物は、高い温暖化係数を示す温室効果ガスとして(フロン類、ハロン類はさらにオゾン層破壊ガスとしても)知られている。
このため、使用済みの回収した廃棄含ハロゲン化合物を、効率的に分解処理する方法及び装置が要望されている。
そして、フロン類、ハロン類に代表される有機ハロゲン化合物の処理方法及び/又は処理装置として、例えば、特許文献1〜3等に、それぞれ下記のような化学的乾式処理方法が提案されている。
特許文献1:「収着剤からなる充填層を備えた反応管に、含ハロゲン化学物質(被処理ガス)を連続的に導入・導出して、被処理ガスを分解させながら前記収着剤に反応収着させて前記含ハロゲン化学物質を分解処理する方法において、前記充填層に、ガスの流れ方向に沿ってガス拡散帯および反応帯を連続的に形成し、該反応帯を分解反応温度に維持しながら、前記ガス拡散帯を前記分解反応温度未満に制御し、該ガス拡散帯を介して前記反応帯に前記被処理ガスを導入する、ことを特徴とする含ハロゲン化学物質の分解処理方法。」(請求項1)
特許文献2:「酸化マグネシウムと酸化カルシウムとを含有し、その含有量が合わせて50重量%以上であるとともに、[酸化カルシウム/(酸化マグネシウム+酸化カルシウム)](モル比)が0.67以下である分解処理剤と、フロン類、ハロン類及び六フッ化硫黄から選ばれた少なくとも一種とを、800〜1400℃の温度で接触させて反応させることを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解処理方法。」(請求項1、請求項5)
特許文献3:「有機ハロゲン化合物と分解処理剤の反応の場となる反応部を備え、その反応部に有機ハロゲン化合物と分解処理剤が連続的に導入されるとともに、反応後の有機ハロゲン化合物と分解処理剤が反応部から連続的に排出されるように構成した有機ハロゲン化合物の分解処理装置であって、前記分解処理剤が下記の(a)又は(b)であることを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解処理装置。
(a)酸化マグネシウムを50重量%以上含有する分解処理剤。
(b)酸化マグネシウムと酸化カルシウムとを含有し、その含有量が合わせて50重量%以上であるとともに、[酸化カルシウム/(酸化マグネシウム+酸化カルシウム)](モル比)が0.67以下である分解処理剤。」(請求項1等)。
さらに、酸性ガスの処理方法として、特許文献4に下記構成の酸性ガスを塩基性酸化物との接触により無害化する有害ガスの化学的乾式処理方法(乾式処理方法)が提案されている。
「塩化水素(HCl)を含む酸性ガスを、カルシウム成分(Ca成分)からなる又はCa成分を主体とする反応吸収剤(以下単に「吸収剤」という。)で形成された充填層で形成された反応帯38と接触させて、酸性ガス中の塩化水素その他酸性成分の除去を行う乾式処理方法であって、前記反応帯38の常態温度を、水蒸気雰囲気下で吸収剤相互の溶着現象が発生しない温度以上にするとともに、酸性ガス接触時温度を融着現象の発生しない温度以下に制御することを特徴とする酸性ガスの乾式処理方法。」(請求項1)
特開2004−261726号公報 特許第3827892号公報 特開2002−165898号公報 特開2004−167403号公報
そして、上記各化学的乾式処理方法乃至化学的乾式処理装置における、反応管に充填され、反応帯により収着処理に供する収着剤(固体塩基性化合物)の反応寄与度(使用効率)が極めて低かった。
例えば、特許文献3段落0005は、「有機ハロゲン化合物がフロン12の場合、nモルの酸化カルシウムに対して約0.1nモルを超えるフロン12が反応すると分解処理剤(収着剤)が塊状になることが確かめられている。尚、分解処理剤がドロマイトからなる場合には、・・・この酸化マグネシウムも上記したハロゲン化カルシウムと同様比較的融点が低く、分解処理剤の塊状化の原因となる。」と記載されている。
このため、上記塊状化を発生させないために、被処理ガスであるフロン類処理量に比して大量の収着剤を準備する必要があった。例えば、約1kgに対して約9kgの収着剤(CaO含有物)を準備する必要があった。特に、反応帯38を収着剤の移動層で形成する場合、この傾向は顕著となった。
この結果、使用後収着剤が廃棄物として大量に発生した。
本発明は、上記にかんがみて、収着剤からなる充填層で反応帯が形成された反応管に、被処理ガスを連続的に導入・導出させて、被処理ガスと収着剤との接触反応によりさせて乾式処理をする方法において、収着剤の使用効率を向上させることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を、解決するために鋭意開発に努力をする過程で、ねじコンベヤ62等で排出された粒状の使用後収着剤は、分級して所定粒径以下のものを除去した場合、使用後収着剤と収着剤新品との混合比(質量比)を1:1以下としても、収着剤新品と同等のフロン類除去率(反応効率:収着効率)が得られることを知見して、下記構成のガスの化学的乾式処理方法及び化学的乾式処理装置に想到した。
1)塩基性収着剤(以下「収着剤」という。)からなる充填層で、加熱手段を備えた反応帯が形成された反応管に、有機ハロゲン化合物又は六フッ化硫黄を被処理ガスとして連続的に導入・導出させて、前記被処理ガスと前記収着剤との接触反応により乾式処理をする方法において、
該乾式処理に使用した使用後収着剤を、摩耗及び/又は破砕を発生させて、粒状の再生処理品とし、
該再生処理品を、分級して所定粒径以下のものが除去された再生収着剤とし、
該再生収着剤を、同一系統又は別系統の前記反応管に充填して再利用する構成として、前記反応帯を前記収着剤の移動充填層で形成するとともに、前記再生収着剤を前記反応管に還流させ、さらに、
前記収着剤をCaO系焼成品として、前記再生収着品と収着剤新品とを、所定の混合比で混合するとともに、前記使用後収着剤の、摩耗及び破砕による再生処理を、コンベヤ出口側へ向かって傾斜している冷却手段を備えた傾斜ねじコンベヤで行うことを特徴とする。
2)加熱手段を有する反応管を備えた化学的乾式処理装置本体と、該反応管に収着剤を供給する前記収着剤供給手段と、前記反応管から排出される使用後収着剤を強制排出する収着剤排出手段とを備え連続運転又は間欠運転可能とされた有機ハロゲン化合物又は六フッ化硫黄を被処理ガスとするガスの化学的乾式処理装置であって、
前記収着剤排出手段と前記収着剤供給手段との間に収着剤循環路が配され、
前記収着剤循環路が、再生化処理手段を備え、該再生化処理手段の下流側に収着剤新品混合手段を備え、
前記再生化処理手段が、使用後収着剤の構成粒子に摩耗及び/又は破砕を発生させる構成のガスの化学的乾式処理装置において、
前記再生化処理手段の下流側に分級手段を備えて、所定粒径以下のものを排除して再生収着剤を回収可能とされるとともに、該再生収着剤を前記収着剤供給手段に供給可能とされ、また、
前記再生化処理手段が、コンベヤ出口側に向かって上方へ傾斜している冷却手段を備えた円筒型の傾斜ねじコンベヤであることを特徴とする。
本実施形態のガスの化学的乾式処理方法に使用する化学的乾式処理装置プラントの一例を下記する。
化学的処理装置本体12と、該化学的処理装置本体12に付設される収着剤供給コンベヤ(収着剤供給手段)14と、排気装置(排気手段)16と、使用後収着剤排出装置(収着剤排出手段)18とを備えている。
化学的処理装置本体12は、反応管22を備え、該反応管22の上方には上第一ホッパ24が下側には上第二ホッパ26が配されている。上第一ホッパ24、上第二ホッパ26は、それぞれ、収着剤を一次・二次貯留して、反応管22に収着剤を安定供給するためのものである。
さらに、反応管22上端と下ホッパ44との間には、テーパ接続管28及び蛇腹接続管30が配され、テーパ接続管28にはガス導入口(パイプ)32を備えている。テーパ接続管28は供給ガスを拡散させて拡散帯37を形成するものである。蛇腹接続管30は、反応管22の軸方向の熱膨張を吸収するとともに、反応管22で発生した反応熱の影響がガス拡散帯37が受けて早すぎる反応開始を抑制するための中間移行帯39を形成するものである。
反応管22の内側には内ヒータ34が、外側に外ヒータ36が配されて、反応帯38が形成されている。なお、外ヒータ36は断熱材が内蔵された断熱ケースで被覆されている。
なお、必然的ではないが、外ヒータ36及び内ヒータ34を上・下に分割して、反応帯38の温度制御(PID制御)可能としてもよい。
本実施形態では、反応管22は、反応帯38の下端(終端)近傍で終わる(特許文献1図1参照)のではなく、反応帯38まで延設され、該延設部22aは下ホッパ44で囲繞されている。下ホッパ44は、その直線筒部44aに冷却ジャケット(図例では水冷)46を備え、排気冷却帯48を形成するとともに、排気冷却帯48の上側に排気口50を備えている。この構成とした場合、反応帯38の生成ガスの流れが、収着剤排出口44b近傍まで案内された後、反応管22外周に沿って上方に排気されることとなる。この結果、充填層(収着剤)20と排気口50との間に十分な空間距離をとることができ、収着剤の移動中に生成した微紛を排気中への混入を抑制できる。
そして、排気装置16は、下ホッパ44の排気口50が、吸引機(ブロア)54の吸引口56と、バッグフィルタ型の集塵装置58を途中に配した排気配管60で接続されて構成されている。
また、使用後収着剤排出装置(収着剤排出手段)18は、本実施形態では、下ホッパ44の収着剤排出口44bに接続されるねじコンベヤ(排出コンベヤ)62と、該ねじコンベヤ62の出口側に落下シュート68を介して接続され、後述の収着剤混合装置72へ戻す戻しコンベヤ70とから構成されている。
この排出コンベヤ62は、速度可変の駆動モータで連続的乃至間欠的に駆動され、冷却ジャケット64で使用済処理剤を冷却しながら排出可能とされている。そして、本実施形態では、再生処理化を促進させるために、ねじコンベヤ62は、コンベヤ出口側へ向かって上方へ傾斜した傾斜ねじコンベヤである。重力作用により、ねじコンベヤを水平とした場合(特許文献1図1参照)に比して、使用後収着剤の摩耗及び/又は破砕の発生が促進されることが期待できる。上記傾斜角度は、通常、15〜60°、望ましくは20〜45°とする。
該ねじコンベヤ62内を使用後収着剤が移動することにより、収着剤粒子相互が摩擦乃至衝突接触して、各表層部が部分剥離乃至破砕することにより、使用後収着剤の粒子の未反応部ないし低反応部が露出する結果となる。こうして使用後収着剤が再生化(活性化)される。
そして、本実施形態の化学的処理装置本体12は、さらに、収着剤分級装置(収着剤分級手段)88、94と収着剤混合装置(収着剤混合手段:混合槽)72を備えている。
図例では、収着剤分級装置94は、収着剤混合装置72に組み付けられている。
すなわち、収着剤混合装置72は、再生処理品用ホッパ76と新品用ホッパ78と、混合槽80とを備えている。そして各ホッパ76、78の出口に定量供給コンベヤ82、84が接続され、定量供給フィーダ(ねじコンベヤ)82、84の各出口が、混合槽80の上端に形成された受けホッパ86に臨むようになっている。
そして、再生処理品用ホッパ76の中間高さ位置に収着剤分級装置としての粗目篩(例えば、目開き10mm)88が設けられ、大径側品が系から除かれて、廃材コンベヤ90の入口側に落下ダクト92を介して落下するようになっている。
また、混合槽80の中間高さ位置に収着剤分級装置としての細目篩(例えば、目開き5mm)94が設けられ、細目篩94上の混合収着剤を、前記収着剤供給コンベヤ14の入口に移動可能とされ、過小粒径品が廃材コンベヤ90の入口に、落下ダクト95を介して落下可能とされている。
該粗目篩88を振動篩とした場合は、該振動篩によっても使用後収着剤の再生処理が期待できる。
そして、廃材コンベヤ90の出口は廃材コンテナ96の投入口96aに臨むようになっている。
また、細目篩94も、通常、振動篩とする。振動篩とすることにより、混合槽80においては、混合と分級を兼ねることができる。
上記戻しコンベヤ70は、汎用のベルトコンベヤでもよいが、上記における再生化度が低い場合は、収着剤粒子相互が摩擦乃至衝突接触が促進されるねじコンベヤ乃至振動コンベヤが望ましい。
また、廃材コンベヤ90は、特に廃材には何ら要求される特性がない場合は、コンベヤの種類は限定されない。通常、汎用のベルトコンベヤとする。
次に、上記ガスの化学的乾式処理プラントを使用しての化学的処理方法を説明する。
ここで、処理対象である被処理ガスは、前述の如く、固体塩基性化合物と発熱反応してF、Cl、Br、S等の目的元素が、固体塩基性化合物に収着(反応分解・収着)されるものであれば、特に限定されない。例えば、上記以外に、ハロン類、六フッ化硫黄やハロゲン化水素類等のハロゲンを含む有機・無機化合物やハロゲンガス(以下、これらを総称して「含ハロゲン化合物」という。)さらには、硫黄化合物(六フッ化硫黄、SOX、硫化水素)や窒素化合物(NOX)、等を挙げることができる。
また、塩基性収着剤(固体塩基性化合物)としては、通常、カルシウム系のものを使用し、石灰石やドロマイトを焼成して得られる生石灰(CaO)や焼成ドロマイト(CaO・MgO)を使用する。被処理ガスによっては、消石灰(Ca(OH)2)石灰石(炭酸カルシウム(CaCO3))、けい酸カルシウム(CaSiO3)等も使用可能である。
また、収着剤の粒径は、粒子形状により異なるが、通常2〜50mm、望ましくは5〜20mm、さらに望ましくは5〜10mm(至適粒径品)とする。粒径が小さすぎては、充填層20(反応帯38等)の空隙率が低くてガス流れが阻害されて、また、粒径が大きすぎては、粒子内へのガス拡散が不充分であるため、それぞれ、最適な処理効率(拡散効率及び収着反応効率)を得難い。
当初は、収着剤新品を新品用ホッパ78から定量供給フィーダ84、混合槽80を経て収着剤供給コンベヤ14に供給する。該収着剤供給コンベヤ14から新材は、化学的乾式処理装置の上第一ホッパ24、上第二ホッパ26を経て反応管22内へ充填される。このとき、排出コンベヤも稼動させて排出コンベヤ内も収着剤新品で充満させておく。こうして、化学的処理装置本体12の、上第一ホッパ24、上第二ホッパ26、テ―パ接続管28、蛇腹接続管30、反応管22及び下ホッパ44にわたり充填層20が形成される。そして、該充填層20で、テーパ接続管28内にガス拡散帯37が、蛇腹接続管30内に中間移行帯39が、反応管38内にそれぞれ形成される結果となる。
次に、内・外ヒータ36をオン(ON)として、反応帯22の内部雰囲気温を、処理温度下限値(下限設定温度)以上となるまで昇温させ維持する。ここで、設定処理温度(収着反応温度)は、被処理ガス及び/又は収着剤の種類により異なるが、分解反応(効率)の見地から、通常、250℃以上、望ましくは、700℃以上とする。そして、上限は、熱効率及び化学平衡の見地から、さらには、収着剤の融着塊状化防止の見地から、約1400℃以下、望ましくは800℃以下とする。
ここで、当該設定温度は、反応帯38の略中央部位置、例えば、図1のD点ないしE点におけるものとする。そして、図示しないが、各位置に熱電対の測温点を設けて、温度制御を行う。
そして、通常、ガス導入口32を設けたテーパ接続管28内のガス拡散帯37は、分解反応温度未満である。ここで、ガス拡散帯37は、通常、分解反応温度より格段に低い温度、高くて200℃以下、通常100℃以下の温度雰囲気になっている(例えば、図1のA点)。これは、ガス拡散帯37を構成する収着剤(処理剤)の熱伝導率が非常に低く、反応帯38の温度影響を受け難いためである。本実施形態では蛇腹接続管30内に形成される中間移行帯39でさらに反応帯38の温度影響を受け難くなっている。
この状態で、排気装置のブロア(吸引手段)54を運転(稼動)させると、被処理ガス(例えばフロン類:以下単に「ガス」と称することがある。)は、ガス導入口32から、テーパ接続管28内に導入されたガスはガス拡散帯37を拡散しながら蛇腹接続管30で形成される中間移行帯39を経て反応管22で形成される反応帯38へ導入される。
このとき、テーパ接続管28における収着剤雰囲気温度は、被処理ガスの収着反応温度未満である。このため、被処理ガスは、ガス拡散帯37における収着剤充填隙間で拡散されながら反応帯38に移動する。
反応帯38に到達したガスは、反応帯38で、収着材との反応により生成したハロゲン化合物等は収着剤に収着固定されるとともに、生成ガス(炭酸ガス、水蒸気等)は、ハロゲン等を含まない排ガスとして排気口50から排出される。
なお、ガス拡散帯37の反応帯38との境界部には、温度傾斜ゾーン(例えば、100℃以上600℃未満)であるガス移行帯(中間帯)39が存在する。
そして、傾斜ねじコンベヤ62を駆動させると、反応管22内の収着剤は重力により、下方へ徐々に移動して、収着処理に使用された使用後収着剤は、下ホッパ44を介してねじコンベヤ62の入口に到達し、さらに、ねじコンベヤ62で、前述の如く、再生処理化されて戻しコンベヤ70を経て、収着剤混合装置72へ搬送される。
そして、収着剤の再生処理品は、再生処理品用ホッパ76に導入され、粗粒品は粗目篩88で除去され、さらに、収着剤混合装置72で、収着剤新品と、定量供給フィーダ82、84を用いて所定比で混合し、該混合収着剤の過小粒径品を細目篩94で除去して、再生収着剤とする。
このとき収着剤処理品と収着剤新品と混合比率は、再生収着剤の種類および再生化度により異なる。例えば、収着剤がCaO系焼成品である場合において、前者/後者(質量比)=1/9〜9/1、望ましくは、2/8〜8/2、さらに望ましくは4/6〜6/4とする。収着剤処理品の比率が高い方が、収着剤の有効利用(使用効率)が向上するが、比率が高すぎると、再生収着剤の収着能が不安定となるおそれがある。
こうして調製された再生収着剤は、収着剤供給コンベヤ14を介して反応管22に、連続的に又は間欠的に戻してガス処理を行う。
このとき、再生収着剤は、実施例で示す如く、新品混入量が1/4近くであっても、新品100%の場合と同等のガス収着能を示す。さらに、本発明者らは、使用後収着剤を新品との1:1混合を繰り返しても(4回)、同様に、新品100%の場合と同等のガス収着能を示すことを確認している。
なお、上記実施形態では、化学的処理装置本体12として、特許文献1図1に示す構成のものと基本的に同一のものを例に採り説明したが、本発明を適用可能な化学的処理装置本体の態様は、特許文献1図1に示すものに限られない。
例えば、特許文献1図2に示したガスを導入反応管の下側から導入し、反応管の上方へ排気する方式、また、図2に示すように、排気を第一ねじコンベヤ62Aを介して行う方式、さらには、特許文献1に記載の各種態様のものに及ぶ。なお、図2には図1の対応部分を同一図符号の接尾符号「A」を付してそれらの説明を省略する。
また、本発明は、再処理品を、上記実施形態の如く、再生処理品を収着剤新品と連続混合するのではなく、再生処理品を貯留しておいて、収着剤新品とバッチ混合してもよい。
さらには、再生処理化は、使用後収着剤を貯留しておいて、独立的に再生化処理、分級・混合して再生収着剤を調製し、該再生収着剤を、同系統の又は別系統の反応管の収着剤としても使用可能である。ここで、再生化処理のために、各種汎用の攪拌(混合)装置、破砕装置を使用可能である。
次に、本発明の効果を確認するために行なった、実施例1〜4と従来例について、行なった比較試験について説明をする。下記各実施例・従来例の運転に使用した化学的乾式処理装置は、収着剤循環機構を外した図1に示す下記仕様のものを使用した。
反応管22・・・10Bインコネル管(267.4mmφ×1400mm)にステンレス伸縮管(250A×205mm)を接続して形成しもの。充填量:約800kg。
内ヒータ34:12kW(6kW×2)、外ヒータ36:24kW(12kW×2)。
下ホッパ44:ステンレス20鋼管(508mmφ×550mm)で形成したもの。
排出用ねじコンベヤ62・・・傾斜角度:15°、シリンダ内径150mm、シリンダ長さ1580mm、ねじピッチ100mm、ねじ外径105mm、シャフト径65mm、開口口20B鋼管、回転速度:6〜12.5rpm(min-1)。
ガス導入口32、ガス排出口:1B鋼管(34.0mm)
また、収着剤(新材)として、焼成ドロマイトの至適粒径品(5mmオン10mm通過の篩分級品:以下同じ)を用いた。また、以下で、「過小粒径品」とは、5mm通過の分級品を意味する。なお、本実施例で使用した焼成ドロマイトの組成を表1に示す。
Figure 0004986822
<従来例>
上記収着剤新材(至適粒径品)を用いて、運転条件を、反応帯38を設定温度:800℃、収着剤供給量:90kg/h、フロン供給量:10kg/h(供給フロン濃度:21.2vol%)、吸引空気量:170L/minとして、10時間、フロン22の収着処理運転を行った。
この収着処理運転で排出ねじコンベヤから排出された使用後収着剤を至適粒径品と過小粒径品とに篩分級した。
上記至適粒径品と過小粒径品について、フッ素含有率及び塩素含有率をそれぞれ測定した(ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)により測定)。
また、運転開始、5時間経過後の排ガスを採取して、未分解フロン22濃度を測定した(GC−MSにより測定)。
<実施例1>
上記従来例で生成した使用後収着剤の至適粒径品を再生材として、該再生材を収着剤新材と、混合比率(前者/後者)=1/1となるように混合して実施例1用の再生材混合収着剤を調製した。
そして、該再生材混合収着剤を用いて、従来例と同様にして、フロン22を収着処理をし、且つ、各項目について計測を行った。
<実施例2>
実施例1の排出用ねじコンベヤから排出された使用後収着剤(再再生材)を、未使用剤(新材)と、混合比率(前者/後者)=1/1となるように混合して調製した再再生剤混合収着剤を用いて、
<実施例3>
実施例2において、再再生剤混合収着剤の再再生材と新材(未使用収着剤)との混合比率=1/3とした以外は、同様に行った。
<実施例4>
実施例2において、再再生剤混合収着剤の再再生材と新材(未使用収着剤)との混合比率=3/1とした以外は、同様に行った。
<結果及び考察>
それらの結果を示す表2から、下記のことが分かる。
再再生材を新材に対して3倍程度混合した再生材混合収着剤であっても、従来と変わらない収着効率(共に99.99%以上)を示すことが分かる。
このことは、使用後収着剤のフッ素・塩素含有率において、至適粒径品では、従来例に比して各実施例は格段に高く(1.5倍以上)、過小粒径品では従来例も実施例もほとんど変わらないことからも支持される。
Figure 0004986822
なお、本発明者らは、3回使用再生材及び4回使用再生材を新材と1/1混合したものを収着剤として使用し、上記と同様にしてフロン22及びフロン12について試験を行ったが、同様に99.99%以上の収着効率を示すことを確認している。
本発明のガスの化学的乾式処理装置の一例を示す概略全体構成図である。 本発明を適用可能なガスの化学的乾式処理装置の他の態様を示す概略断面図である。
符号の説明
12・・・化学的処理装置本体
14・・・収着剤供給コンベヤ(収着剤供給手段)
16・・・排気装置(排気手段)
18・・・使用後収着剤排出装置(収着剤排出手段)
20・・・充填層
22・・・反応管
38・・・反応帯
62・・・傾斜ねじコンベヤ(再生化処理手段)

Claims (2)

  1. 塩基性収着剤(以下「収着剤」という。)からなる充填層で、加熱手段を備えた反応帯が形成された反応管に、有機ハロゲン化合物又は六フッ化硫黄を被処理ガスとして連続的に導入・導出させて、前記被処理ガスと前記収着剤との接触反応により乾式処理をする方法において、
    該乾式処理に使用した使用後収着剤を、摩耗及び/又は破砕を発生させて、粒状の再生処理品とし、
    該再生処理品を、分級して所定粒径以下のものが除去された再生収着剤とし、
    該再生収着剤を、同一系統又は別系統の前記反応管に充填して再利用する構成として、前記反応帯を前記収着剤の移動充填層で形成するとともに、前記再生収着剤を前記反応管に還流させ、さらに、
    前記収着剤をCaO系焼成品として、前記再生収着品と収着剤新品とを、所定の混合比で混合するとともに、前記使用後収着剤の、摩耗及び破砕による再生処理を、コンベヤ出口側へ向かって傾斜している冷却手段を備えた傾斜ねじコンベヤで行うことを特徴とするガスの化学的乾式処理方法。
  2. 加熱手段を有する反応管を備えた化学的乾式処理装置本体と、該反応管に収着剤を供給する前記収着剤供給手段と、前記反応管から排出される使用後収着剤を強制排出する収着剤排出手段とを備え連続運転又は間欠運転可能とされた有機ハロゲン化合物又は六フッ化硫黄を被処理ガスとするガスの化学的乾式処理装置であって、
    前記収着剤排出手段と前記収着剤供給手段との間に収着剤循環路が配され、
    前記収着剤循環路が、再生化処理手段を備え、該再生化処理手段の下流側に収着剤新品混合手段を備え、
    前記再生化処理手段が、使用後収着剤の構成粒子に摩耗及び/又は破砕を発生させるものである構成のガスの化学的乾式処理装置において、
    前記再生化処理手段の下流側に分級手段を備えて、所定粒径以下のものを排除して再生収着剤を回収可能とされるとともに、該再生収着剤を前記収着剤供給手段に供給可能とされ、また、
    前記再生化処理手段が、コンベヤ出口側に向かって上方へ傾斜している冷却手段を備えた傾斜ねじコンベヤであることを特徴とするガスの化学的乾式処理装置。
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