JP2004344729A - Hf含有ガスの乾式処理装置及び処理方法 - Google Patents

Hf含有ガスの乾式処理装置及び処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体や液晶製造工場から排出されるPFCを分解したとき等に生成するHF及びSOx含有排ガスを、乾式法により無害化処理する。
【解決手段】HF及びSOxを含む排ガスを、SOx除去工程にて予めSOxを除去してから、固体のCa(OH) と接触させる。Ca(OH) 充填塔101はメッシュ板102上にCa(OH) 層110を保持したものとし、下部にHF含有ガスの導入口、上部にHFが除去されたガスの排出口を設ける。また、ガス排出口には充填塔内のガスを吸引排気するブロワ(またはエゼクタ)104を設ける。HF含有ガスにSOxが残留する場合には、Ca(OH) 層の温度を100〜310℃にすることが望ましい。
本発明により、水を使用することなくHFを無害化処理できる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、HF含有排ガス中からHFを除去する乾式処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶製造工場では、エッチング剤やクリーニング剤としてPFC
(Perfluorocompounds)が使用されている。PFCはCF ,C,C,SF ,NF などの総称であり、高い温暖化係数を持つ温室効果ガスであることから、規制対象ガスになっている。PFC放出を防止するために触媒法,燃焼法,プラズマ法等の分解処理法が検討されている。PFCを分解するとHF,
SOx等のガスが生成する。このHF及びSOxは毒性ガスであり、また腐食性ガスである。このため、PFC分解処理では、これらの分解生成ガスの無害化処理も必要になる。
【0003】
HFの無害化処理ではないが、ハロ酸である塩化水素の除去に関しては、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、或いは消石灰や炭酸カルシウムとの反応を利用して除去することが知られている(例えば特許文献1,2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−43546号公報(特許請求の範囲,従来の技術)
【特許文献2】
特開平7−299327号公報(要約,特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
塩化水素等のガスを、水やアルカリ水溶液を噴霧したスクラバで吸収除去する湿式法は、大量の酸性廃液が発生し、この処理が必要になる。
【0006】
一方、消石灰や炭酸カルシウム等を使用して乾式で処理する方法は、湿式法に比べて反応率が低く、装置が大型化する。
【0007】
本発明の目的は、乾式法により、HF含有排ガス或いはHFとSOxを含む排ガスからHFを除去するのに適した処理装置及び処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、PFCの分解によって生成するガスにおいて、HFを含むガスからHFを除去する方法として、固体の水酸化カルシウム(以下、Ca(OH) と記載する)を固定床で用いる方法を検討した。その結果、PFC分解ガス組成条件で約4.0% のHFを所定温度のCa(OH) に接触させると高い利用率が得られることがわかった。PFC分解ガス組成としては、約4.0% のHFのほかに、約1.0%のCO、5〜15%のHO 、3〜6%のO が含まれ、残りはN である。しかし、試験後のCa化合物は、利用率の上昇とともに強度が低下した。このため、固定床で使用する場合、排ガスの導入方法やCa(OH) 充填塔構造によっては、強度低下により粉化したカルシウム化合物が配管を閉塞する恐れがあることが判った。また、HFとともにSOxが共存すると、SOxとCa(OH)との反応により表面にCaSO が生成し、粒子内部のCa(OH)がHFとの反応に有効に使われないことが判った。
【0009】
本発明の処理装置によれば、粉化したカルシウム化合物による閉塞なしにHFを除去することが可能になる。本発明は、HFとともにSOxが共存しても、粒子内部のCa(OH) をほぼ100%使用できる方法を提案する。
【0010】
本発明は、ガスを流通させるCa(OH) 充填塔を有し、この充填塔内にメッシュ板を設けてその上にCa(OH) 層を保持し、充填塔の下部にはHF含有ガス導入口を設け、上部にはHF除去後のガスを排出する排出口を設けたHF処理装置を提案する。充填塔の下方にはメッシュ板から落下した廃カルシウム化合物を回収するためのタンクを設け、また排ガスの出口には充填塔内のガスを吸引排気するブロワまたはエゼクタを備えることが望ましい。
【0011】
HFを含むガスが放出されるのは、例えば半導体工場,液晶工場,ごみ焼却炉などである。したがって、これらの工場又は炉の排ガスラインに本発明のHF処理装置を備えることが望ましい。
【0012】
Ca(OH) 充填塔の前段にHF含有排ガスを所定温度まで低下させる熱交換器を具備することで装置を小型化できることが判った。
【0013】
Ca(OH) 充填塔に充填されたCa(OH) は、HFとの反応及びSOxとの反応によって次第にその機能が低下するので交換が必要になる。使用済みの
Ca(OH) 交換時にHF除去装置の運転を停止させないために、複数個の充填塔を備え、切り替えられるようにしておくことが望ましい。
【0014】
Ca(OH) 層を通過した排ガスを吸引排気するブロワまたはエゼクタの前段に、排ガス中に同伴したCaF 粉を捕集するメッシュ板を具備することで、ブロワ,エゼクタの故障を少なくすることができる。
【0015】
また、触媒法や燃焼法によるPFC分解では排ガス中に水蒸気成分が含まれるため、Ca(OH) 充填塔を通過したガス中の凝縮水を保管する凝縮水貯層を設けることが望ましい。例えば触媒法によるPFC分解では、反応剤としてHO が使用される。この方法において、分解反応に使用されなかったHO は分解ガス中に残り、ガス温度が低下した時点で凝縮する。この凝縮水を貯める槽を設けることで二次廃棄物を最小限にすることができる。なお、PFC分解生成ガスをHO が含まれたままでCa(OH) 充填塔に通すことにより、Ca(OH) のCaOへの形態変化を抑制できるというメリットもある。
【0016】
使用するCa(OH) の形状としては、通常の触媒と同じように種々の形状、例えば粒状,ペレット状ハニカム状等に成型して使用することができるが、顆粒状が望ましい。市販されている顆粒状Ca(OH) は広範囲な粒形分布を有するため、圧損の観点から微細なCa(OH) は予め除いておくのがよい。0.5mm 以上の大きさの顆粒Ca(OH) を用いることが望ましい。Ca(OH) の形状因子としては、平均細孔直径として500Å以上が好ましい。特に500Å以上1500Å以下が望ましい。1500Å以上になると、強度が小さくなり、
Ca(OH) を積層した際の荷重で使用中に粉化し、系内圧損が大きくなる。比表面積は20m/g 以上あることが好ましい。10m/g 程度だと、
Ca(OH) 粒内部まで使用されないおそれがある。
【0017】
本発明にて対象となるPFCには、炭素,水素,酸素,硫黄或いは窒素とフッ素との化合物などがあり、具体的には炭素とフッ素からなる化合物,炭素と水素とフッ素からなる化合物,炭素とフッ素と水素と酸素からなる化合物,炭素とフッ素と酸素からなる化合物,硫黄とフッ素からなる化合物,硫黄とフッ素と酸素からなる化合物,窒素とフッ素からなる化合物,窒素とフッ素と酸素からなる化合物,窒素とフッ素と酸素と水素からなる化合物などがある。化合物の一例は
CF,CHF,CH,CHF,C,CHF,CHF,C,C,C,CF,C,CHOCFCF,C
,SF,SO,NF等である。半導体・液晶製造装置からの排ガスには上記のPFC以外にも、Cl,HCl,HOCl等の塩素化合物、HBr,Br 等の臭素化合物、及びHI,I 等のヨウ素化合物が含まれることがある。これらのガスが、N 中,Air中,N とO 気流中或いはAr中などに含まれる。
【0018】
PFC分解ガス中には、HFと同時に、SF の分解生成物であるSOx(SO,SOなど)が含まれる場合がある。分解ガス中の酸性ガスがHFのみであれば、100℃以上460℃以下で運転すれば、Ca(OH) がCaOに形態変化を起こさないようにすることができる。しかし、HFとともにSOxが含まれると、Ca(OH) 表面にCaSO が生成し、Ca(OH) 粒内部の利用が抑制されることが判明した。Ca(OH) の利用率が低いと、交換頻度が多くなり、また充填するCa(OH) 量が多くなるため処理装置が大型化する。
【0019】
この対策としては、予めSOxを除去した後、HFをCa(OH) 充填塔で除去することが望ましく、これによりCa(OH) を90%以上利用できることが判った。SOxを除去する方法としては、微細なCa(OH) を固定床,流動床等で使用して除去率を上げる方法、CaOやCaCO による乾式除去法,電気集塵法など一般的に知られている方法を用いればよい。SOxは排ガス中から完全に除去してしまうことが望ましいが、一部残存することが予想される。この場合には、Ca(OH) の使用温度を100℃以上310℃以下にすることが望ましく、これによりCa(OH) 利用率を90%以上にできることが判った。310℃未満の温度であるとCaSO が表面に析出し、Ca利用率が低下する。310℃未満の温度でCa(OH) 利用率が高まるのは、Ca(OH) とSOxとの反応性が低下し、HFが優先的に反応するためと考えられる。
【0020】
また、SOx除去工程では、処理するHF濃度に対し、1%程度のSOx濃度まで低減することが望ましい。例えば、4%HF濃度のガスを処理する場合は、400ppm 以下のSOx濃度にまで下げることで、Ca(OH) をほぼ100%利用することができるようになる。SOx除去とHF除去は同一反応塔内で行ってもよく、或いは分割して2塔式で行ってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のHF処理装置を含むPFC処理のシステムフロー図を図1に示す。半導体は多くの製造ラインを持っており、そのライン毎の排ガス組成は異なる。今回対象とする排ガスラインはHF及びSOxを含む排ガスラインである。
【0022】
半導体や液晶製造ラインからの排ガスにおいて、PFCを含む排ガスはPFC分解装置10にて分解される。製造ラインからの排ガスは全てPFCを含んでいるわけではなく、HFとSOxの一方を含むもの、2つを同時に含むもの、両方とも含まないものがある。これらのうち、HF,SOxを含む排ガスを赤外吸収分析法などを利用して選択し、PFC分解装置10で処理された排ガスに合流させて、SOx除去工程20にて、例えばCaO乾式脱硫と電気集塵の組み合わせでSOxを除去する。SOx除去後の排ガスはHF除去工程30にてCa(OH) を用いた乾式法にてHFを除去する。この後の排ガスは排気する。このシステムの特徴は排ガス処理に水やアルカリ水溶液を使用しないことである。
【0023】
実施例1
本実施例では、PFCの一種であるCF を分解した後の高濃度HFが、
Ca(OH) により除去可能かどうかを調べた。
【0024】
試験に用いた基礎試験装置の系統図を図2に示す。反応管1内にPFCを分解するためNiとAlよりなるPFC分解触媒2を充填し、その後段に市販の
Ca(OH)((株)ズードケミー社製のCa(OH) UCL−3)よりなる
Ca(OH) 層3を設けた。反応管内のPFC分解触媒2の上方にガラスウール4を敷き詰め、PFC分解触媒とCa(OH) 層との間及びCa(OH) 層の下部にアルミナウール5の層を設けた。Ca(OH) 層を通過した排ガスは、ガス採取口6から定期的にテドラーバッグに採取し、HF濃度を測定した。HF濃度を測定する時以外は吸収水を通過させ排気した。反応管1は外側から電気炉7で加熱し、NiとAlよりなる触媒(以下、Ni/Al触媒と記載する)及び
Ca(OH) を所定温度に加熱した。
【0025】
反応ガスはCF ,Air,N 及びHO からなる。ボンベ8からのCF に窒素を添加してCF 濃度約1.4%のガスとし、このガス1290ml/minに空気を115ml/min 添加した。水蒸気はイオン交換水を0.30ml/minで反応管に導入してNi/Al触媒上部で気化させて供給した。この反応ガスをNi/Al触媒と接触させた。触媒の温度は700〜800℃、空間速度はCF +N ベースの流量で1000h−1とした(空間速度(h−1)=反応ガス流量(ml/h)/触媒量(ml))。なお、触媒の温度は反応管内に挿入した熱電対により計測した。
【0026】
CF を1mol 分解するとHFは4mol 生成し、Ni/Al触媒通過後のガス中にはHFが約4%濃度で存在することになる。CF の分解開始とともに、定期的に出口ガスをテドラーバッグに採取し、HF濃度を測定した。試験開始から60分間、出口ガス中にHFは検出されなかった。投入CF 量から算出される生成HF量と充填したCa(OH) 量とからCaF が生成したとして計算された理論カルシウム利用率は95%以上となった。また、試験後のX線回折分析からはCaF の回折パターンのみが検出され、試験後のCa(OH) 中のF分析から95%以上の利用率であることが確認された。
【0027】
以上の結果から、PFC分解条件での高濃度HF処理にCa(OH) が使用可能であることが判明した。
【0028】
試験に供したNi/Al触媒の調製法は以下のとおりである。
【0029】
市販のベーマイト粉末を120℃で1時間乾燥。この乾燥粉末200gに、硝酸ニッケル6水和物210.82g を溶かした水溶液を添加し、混練。混練後、空気雰囲気中で250〜300℃の温度で約2時間乾燥し、さらに空気中で700℃の温度で2時間焼成。焼成物を粉砕、篩い分けして0.5 −1mm粒径とした。完成後の触媒組成はmol 比でNi/Al=20/80であった。
【0030】
実施例2
(イ)CF 分解後の高濃度HFを除去する場合に、Ca(OH) 使用温度がどのような影響を及ぼすかを調べた。
【0031】
Ca(OH) 温度を変えるため、反応管温度を変えた。このため、Ni/Al触媒のPFC分解温度も変化したが、Ca(OH) 層へのHF供給量はCF 分解率から算出した。その他の条件は実施例1と同じである。温度依存性を調べた結果を図4に示す。反応温度を250〜460℃まで変化させたが、出口ガス中にHFが検出される時間はほぼ同じであった。すなわち、今回の試験条件において温度依存性はなく、高い除去性能を示すことが確認された。
【0032】
(ロ)次に、CF 分解後の高濃度HFを除去する場合のCa(OH) の空間速度SV依存性を調べた。
【0033】
Ca(OH) のSV条件は反応ガス量を同一組成で増やして増大させた。その他の条件は実施例1と同じである。SV依存性を調べた結果を図5に示す。SVは1000〜2800h−1まで増大させたが、出口ガス中にHFが検出される時間は、Ca(OH) 量とHF供給量から算出される利用率95%以上の時間と一致した。すなわち、今回の試験条件においてSV依存性はなく、高い除去性能を示すことが確認された。
【0034】
(ハ)次に、Ca(OH) の形状依存性を調べた。各種Ca(OH) の比表面積と平均細孔直径を表1に示す。また、それらのCa(OH) を用いてHF除去性能を調べた結果を図6に示す。高い除去性能を示すのは、比表面積が20m/g以上、平均細孔直径が500Å以上のものであった。平均細孔直径が577Åだが、比表面積が12m/g のものは、HFが孔に入るための十分な径はあるが、その孔の深さが十分でなくCa(OH) 粒子の内部まで十分に利用できないと考えられる。
【0035】
【表1】
Figure 2004344729
【0036】
(ニ)次に、使用前後のCa(OH) の強度を調べた。強度はCa(OH) 粒の破壊重量で比較した。各種Ca(OH) の試験前後の破壊重量を、実施例1で使用したCa(OH) の破壊重量を100%とした場合の相対強度で示した結果を図7に示す。
【0037】
試料2は試験後、約1/10となり強度がほとんどなかった。これに対して、試料1,3は初期強度は試料2に比べて低いものの、試験後の強度低下は小さかった。
【0038】
実施例3
本実施例では、PFCの一種であるSF を分解した後のSOx及びHFの除去可能性を調べた。実験装置には、図2に示す装置を用いた。
【0039】
反応ガスはSF ,Air,N 及びHO からなる。SF に窒素を添加してSF 濃度を約1.4% とし、このガス約1300ml/min に空気を約115ml/min 添加した。水蒸気はイオン交換水を0.30ml/minで反応管に導入してNi/Al触媒上部で気化させて供給した。この反応ガスをNi/Al触媒と接触させた。触媒の温度は600〜700℃、Ca(OH) の温度は310〜670℃まで変えた。空間速度はSF +N ベースの流量で約1426〜1440h−1とした(空間速度(h−1)=反応ガス流量(ml/h)/触媒量(ml))。
【0040】
SF を1mol 分解するとHFは6mol 生成し、SOxは1mol 生成する。したがって、Ni/Al触媒通過後のガス中にはHFが約6%濃度で、SOxが約1%濃度で存在することになる。SF の分解開始とともに、定期的に出口ガスをテドラーバッグに採取し、SO 濃度とHF濃度を測定した。
【0041】
Ca(OH) 温度460℃において、出口ガス中にSO ,HFが検出された時間(破過開始時間)を調べた。試験開始から10分後には既にSO が検出された。またSO と思われるミストが30分後に検出された。そしてHFが40分後に検出された。すなわち、本条件ではSO はCa(OH) でほとんど除去できなかった。また、HFも推定時間より早く検出され、Caが十分に利用されなかった。試験後のCa(OH) をX線回折で調べた結果、CaSO,CaFの回折パターンが検出されたが、それと同時に未利用のCa(OH) も検出された。HF単独では利用率が高いことから、CaSO が影響しているものと考えられる。試験後のCa(OH) 顆粒断面を蛍光X線分析した結果、表面にSが多く存在していることが判った。すなわち、CaSO が表面に生成し、内部のCa(OH) が利用されないと考えられた。
【0042】
そこで、CaSO の挙動を調べるため、反応温度を460℃から370℃,310℃と下げて試験を行った。370℃では反応開始10分後にSO が検出された。しかし、ミストは40分後、HFは50分後に検出され、利用率が上昇したことが予想できた。さらに、310℃ではSO は10分後に検出され、
HFは50分後に検出されたが、ミストは1時間の間検出されなかった。310℃で試験をしたCa(OH)をX線回折分析で調べた結果、未利用のCa(OH)は検出されず、ほぼ100%利用されたことが確認された。すなわち、Ca(OH) の温度を310℃以下とすることで、表面へのCaSO 生成を抑制でき、
Ca(OH) を有効に利用することができる。なお、低温で表面CaSO 生成が抑制される理由としては、低温側ではSO とSO の平衡反応がSO 側にシフトしており、SO の反応性がSO ,HFに比べて低いために、HFが反応しやすいためと考えられる。
【0043】
以上より、SOxとHFが共存するガスを処理する場合には、SOxを予め除去し、その後HFをCa(OH) と反応させることでCa利用率を上げることができる。ただし、SOxを完全に除去することは難しいため、Ca(OH) 使用温度を310℃以下100℃以上とすることが望ましい。100℃以上とするのは、排ガス中のHO が凝縮するためである。
【0044】
実施例4
Ca(OH) 充填塔の装置構成を図3に示す。本装置は、HFを含む排ガスの温度を調節するための熱交換器100と、Ca(OH) 充填塔101と、
Ca(OH) 層110と、Ca(OH) 層を保持するメッシュ板102と、
Ca(OH) 充填塔とフランジで繋がった廃カルシウム化合物回収タンク103及び排ガスを吸引排気するブロワ(またはエゼクタ)104を有する。また、熱交換器100とCa(OH)充填塔101との間に、他のCa(OH)充填塔への排ガス導入を切り替える切替弁105と、充填塔とバイパスラインを切り替える切替弁106を有する。更に、ブロワ(またはエゼクタ)104の前段に排ガス中に同伴したCaF粉を捕集するメッシュ板107を有し、さらにCa(OH)層110を加熱するためのヒータ108を具備する。Ca(OH) 充填塔101は、内径約300mm,高さ1mの円筒型である。
【0045】
この装置を用いて、CF の分解により生成したガスの処理を行った。なお、Ca(OH) には市販の顆粒消石灰(吉澤石灰工業の72顆粒消石灰)を篩いで1mm以上のもののみ選別して用い、1.2kg を充填した。メッシュ板にはインコネル製で目開き0.7mm のものを用いた。排ガス吸引にはブロワを用いた。
【0046】
図3の装置によるHF処理に先立つCF の分解処理は、実施例1のときと同じである。CF の分解により生成した約4%のHFを含む約750℃のガスを、水冷式の熱交換器100により350℃まで温度を下げてからCa(OH) 充填塔101に導入した。Ca(OH) 層の平均温度は310℃であったため、ヒータ108による加熱は行わなかった。充填塔にはHF含有ガスを50h流通させた。ブロワ出口の排ガス中のHF濃度は0.5ppm以下であり、Ca(OH) で吸収除去されていることが確認された。なお、0.7mm以下に微粉化したCaF粉が一部廃カルシウム化合物回収タンク103で回収された。
【0047】
実施例5
Ca(OH) 充填塔の切り替え方法の例を図8に示す。HFを含む排ガスは200〜750℃の高温であり、またHFを数千ppm から数%まで含んでいる。このため、通常のバルブでガス流路を変更するとなると、耐熱耐食性材料を用いなければならず、コストが大きくなる。また、耐久性の心配もある。
【0048】
そこで、圧縮空気を吹き込むことでガス流路を変更する。HFを含む排ガスよりも高圧で空気を吹き込み、Ca充填塔を第一塔101aから第二塔101bへ切り替える。充填塔を通過した後のガスは熱交換器100で200℃以下に温度を下げ、バルブ106で流路を切り替える。充填塔を通過したガスはHFが除去された後のガスなので、バルブ材質の腐食を低減できる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、HFを乾式で除去することができる。乾式であるため水を使用することがなく、酸性排水が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】PFCガスの処理システムフローを示す図である。
【図2】実施例で用いた基礎試験装置の概略図である。
【図3】本発明の一実施例によるHF処理装置の概略図である。
【図4】Ca(OH) の温度が性能に及ぼす影響を示した特性図である。
【図5】空間速度がCa(OH) の性能に及ぼす影響を示した特性図である。
【図6】試料1〜3の性能を比較した図である。
【図7】Ca(OH)の使用前後の特性比較図である。
【図8】Ca(OH)充填塔を切り替える方法の説明図である。
【符号の説明】
1…反応管、2…PFC分解触媒、3…Ca(OH) 層、7…電気炉、30…HF除去工程、100…熱交換器、101…Ca(OH) 充填塔、102,107…メッシュ板、103…廃カルシウム化合物回収タンク、104…ブロア(又はエゼクタ)、108…ヒータ。

Claims (9)

  1. HF含有ガス中からHFを除去する装置であって、前記HF含有ガスを流通させるCa(OH) 充填塔を有し、該充填塔は下部にHF含有ガスの導入口を有し、上部にHFが除去されたガスの排出口を有し、該排出口には前記充填塔内のガスを吸引排気するブロワまたはエゼクタが備えられ、前記充填塔内にはメッシュ板上に保持されたCa(OH) 層を有することを特徴とするHF含有ガスの乾式処理装置。
  2. 請求項1において、前記充填塔内の前記メッシュ板上から脱落したカルシウム化合物を回収する廃カルシウム化合物回収タンクを有することを特徴とするHF含有ガスの乾式処理装置。
  3. 請求項1又は2において、前記充填塔の前段にHFを含むガスを所定温度に調整するための熱交換器を具備したことを特徴とするHF含有ガスの乾式処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記ガス排出口にガスに同伴するカルシウム化合物を捕集するためのメッシュ板を有することを特徴とするHF含有ガスの乾式処理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記充填塔内のCa(OH) 層を加熱するためのヒータを具備することを特徴とするHF含有ガスの乾式処理装置。
  6. HF含有ガスを100〜460℃の温度で固体のCa(OH) と接触させることを特徴とするHF含有ガスの乾式処理方法。
  7. HF及びSOxを含むガスを100〜310℃の温度で固体のCa(OH) と接触させることを特徴とするHF含有ガスの乾式処理方法。
  8. HF及びSOxを含むガスを、予めSOxを除去した後、固体のCa(OH) と接触させることを特徴とするHF含有ガスの乾式処理方法。
  9. 半導体又は液晶製造工場の各種排ガスラインから、HF及びSOxを含む排ガスラインのみを選択し、この排ガスとPFC分解装置から排出されるHF及び
    SOxを含む排ガスとを混合し、この混合ガスからSOxを除去し、その後、
    SOxが除去されたガスを固体のCa(OH) と接触させてHFを除去することを特徴とするHF含有ガスの乾式処理方法。
JP2003142822A 2003-05-21 2003-05-21 Hf含有ガスの乾式処理装置及び処理方法 Expired - Fee Related JP4831924B2 (ja)

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