JP5961514B2 - 飛灰循環型排ガス処理方法 - Google Patents

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本発明は、例えばごみ焼却炉、ガス化溶融炉などの廃棄物処理施設から排出される排ガス中に含まれる塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガスを除去して、大気中に放出される排ガスを無害化するための飛灰循環型排ガス処理方法に関するものである。
近年、地球温暖化問題への対処が強く求められている中で、ごみ焼却炉等の廃棄物処理施設整備計画においても、地球温暖化防止に配慮した施設整備を推進することとし、より一層のエネルギー回収とその有効活用、発電の高効率化による総発電能力の向上が強く求められている。
都市ごみなどの一般廃棄物や、様々の工場から排出される産業廃棄物は、ごみ焼却炉、ガス化溶融炉や産廃焼却炉などでその大半が処理されるが、この処理の過程で発生する排ガスには、煤塵、塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物、重金属類などが含まれており、その除去のために適切な処理がなされている。
特に、排ガス処理基準を厳しくしている自治体においては、この基準を満たすために、従来より、湿式洗煙装置が採用されており、例えば、HCl、SOxともに5ppm以下で運転管理している。また必要に応じて、排ガス中に含まれるダイオキシン類や水銀などの除去もなされている。
この湿式洗煙装置は、酸性ガスの除去性能は良いが、水分飽和温度まで減温されるため、後続装置、例えば、触媒脱硝装置や、煙突の腐食防止や白煙発生対策のため、出口ガスラインに熱交換器を設置して昇温する必要がある。
例えば、蒸気を使って昇温すると、蒸気タービン発電量が低下するので、エネルギー回収面では好ましい装置とは言えない。また、専用の排水処理などが必要であり、施設の建設費が高くコンパクト化にも課題のある排ガス処理装置であるのが実情である。
塩化水素や硫黄酸化物などの酸性ガスを高度に除去できる乾式排ガス処理の中和剤として、消石灰(水酸化カルシウム)や重曹(炭酸水素ナトリウム)などが使われているが、特に重曹は、酸性ガスとの反応性が高いことが知られている。
例えば、下記の非特許文献1では、重曹などのナトリウム系薬剤を用いることで、170〜210℃の温度域にて、当量比1.2の時に、HCl、SOxそれぞれ98%、90%の高い除去率であったこと、ならびに当量比1.3で、バグフィルタ出口のHCl、SOx濃度は、共に10ppm以下であったことが報告されている。
これは、高温度下、例えば、140℃以上の雰囲気で、重曹が次式により熱分解されて、多孔質で反応性の高い炭酸ソーダに転換されるため、酸性ガスの除去効率が大きく向上するものである。
2NaHCO → NaCO+CO+H
このほかに、消石灰方式に比べ、捕集灰量を25%程度減らせることも報告されている。
なお、下記の非特許文献2には、重曹をほぼ完全に分解するには、100〜200℃の温度雰囲気にて、数十秒から数分かかることが報告されている。
また、下記の特許文献1では、排ガス中の酸性ガス除去剤として重曹などのナトリウム系薬剤を用い、排ガスを減温することなく、排ガス中の酸性ガスを低濃度まで効率よく除去することにより、後流側に設置された脱硝触媒の被毒を回避できる排ガス処理方法と排ガス処理設備が開示されている。これは、一層のエネルギー回収に繋がる技術である。
同様に、下記の特許文献2には、排ガス中の硫黄酸化物(SO)を極めて低濃度まで効率よく除去することにより、五酸化バナジウム(V)を活性成分とする触媒の酸性硫安による被毒を回避し、触媒の連続使用期間の長期化を図ることができる排ガスの処理方法が開示されており、SOを含有する排ガスに重曹および/または炭酸ナトリウムの粉末を接触させて、SO濃度が5ppm以下となった排ガスをVを活性成分とする触媒に通す、排ガスの処理方法が記載されている。
さらに、下記の特許文献3と4には、バグフィルタの上流側と後流側に設けられた迂回路に薬剤の供給を行い、バグフィルタ出口の高温排ガスをキャリアガスとして用いることにより、高温での滞留時間確保と薬剤の多孔質化を図る、排ガス処理方法と排ガス処理設備が開示されている。また、これらの特許文献では、薬剤の導入直前に薬剤を破砕することも記載されている。
特開2004−000866号公報 特開2004−082103号公報 特開2002−136840号公報 特開2002−028439号公報
「新乾式排ガス処理システムによる酸性ガス除去技術」株式会社タクマ、倉田昌明ら、第12回廃棄物学会研究会講演論文集 2001 「Kinetic of Sodium Bicarbonate Decomposition」Wang Hu, J.M.Timur Dogu,Gulsen Dogu,AICHE Journal Sept.1986 Vol.32,No.9
上述のように、重曹を使った乾式排ガス処理装置は、一つには、湿式洗煙装置に代わる省エネルギー型高性能乾式排ガス処理として期待されているものの、重曹は、従来の消石灰に比べて薬品価格が3〜4倍と高く、更なる薬品使用量の低減とともに、酸性ガス除去性能も湿式洗煙装置と同等レベルのHCl、SOxとも5ppmを安定して維持し、しかも、ダイオキシン類や水銀の除去性能も確保できる、更なる性能向上が大きな課題である。
また、従来の重曹を使った乾式排ガス処理においてバグフィルタで捕集された飛灰には、排ガス中の煤塵、薬剤と酸性ガスの反応生成物、未反応薬剤、およびろ過助剤が含まれているが、上記特許文献1〜4や非特許文献1に記載の従来法によれば、いずれの場合も未分解重曹を含む飛灰中の未反応薬剤が効率的に利用されておらず、使用薬剤量に対する酸性ガスの除去効率に限界があり、しかも重曹薬剤の使用量が減らせないという課題があった。
例えば、特許文献3と4には、この課題解決の一手段として、重曹を粉砕して煙道に供給するラインにおいて、あらかじめ140℃以上で1〜3秒間滞留させて、重曹を分解・多孔質化させる方法が記載されているが、重曹の熱分解時間が短すぎて、所期の目的を達成できるレベルには至っていないと言える。
すなわち、非特許文献2によれば、重曹をほぼ完全に分解するには、100〜200℃の温度雰囲気にて、数十秒から数分かかることが報告されており、特許文献3と4に記載の方法では高温での重曹熱分解時間が短く、多孔質な炭酸ソーダへの変換反応が不十分であり、酸性ガスの除去性能の大きい向上は課題が残るものである。このことは、今回の発明者らが別途行なった実証試験において、バグフィルタ入口の排ガス煙道に重曹を吹き込んで、180℃以上で2〜3秒の滞留時間を確保したケースと、滞留時間無しのケースで酸性ガスの除去性能を比較した結果では、殆ど性能差は確認されなかったことからも窺える。
すなわち、重曹薬剤と酸性ガスとの反応は、バグフィルタのろ布表面に形成されるケーキ層での反応が支配的であり、酸性ガスの除去効率を上げるには、より多くのケーキ層を形成する方が効果的である。
本発明の目的は、上記の従来技術の課題を解決し、排ガス煙道内に導入した重曹よりなるナトリウム系薬剤を、反応性が極めて高い多孔質の炭酸ソーダに、ほぼ完全に変換すると共に、酸性ガスと反応しきれなかったナトリウム系薬剤の未反応分をより効率的に利用することで、極めて少ないナトリウム系薬剤の使用量において、バグフィルタ出口の塩化水素および硫黄酸化物等の酸性ガスの濃度を安定的に低レベルにまで下げることができ、酸性ガスの除去効率を飛躍的に向上することができる、飛灰循環型排ガス処理方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、煙道内に導入した重曹等よりなるナトリウム系薬剤を多孔質かつ反応性が極めて高い炭酸ソーダにほぼ完全に転換させ、しかも、酸性ガスと反応しきれなかったナトリウム系薬剤の未反応分をより効率的に利用するために、バグフィルタで捕集された飛灰(排ガス中の煤塵+ナトリウム系薬剤と酸性ガスの反応生成物+未反応薬剤)を、バグフィルタの底部より取り出し、このバグフィルタ飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻して、未反応薬剤を循環させることにより、極めて少ないナトリウム系薬剤の使用量にて、バグフィルタ出口の塩化水素および硫黄酸化物等の酸性ガスの濃度を、飛躍的に、かつ安定的に低減することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の飛灰循環型排ガス処理方法の発明は、排ガスに含まれる酸性ガスの除去用薬剤としてナトリウム系薬剤を用い、バグフィルタ入口側の排ガス煙道にナトリウム系薬剤を投入し、排ガス中の酸性ガスとナトリウム系薬剤との反応により塩を形成させ、該塩を含む飛灰をバグフィルタにより捕集して除去する乾式排ガス処理方法であって、バグフィルタで捕集された飛灰(排ガス中の煤塵+ナトリウム系薬剤と酸性ガスの反応生成物+未反応ナトリウム系薬剤)をバグフィルタの底部より取り出し、このバグフィルタ飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻すことを特徴としている。
ここで、バグフィルタ飛灰の一部をバグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻す手段としては、バグフィルタから排出される脱塩・脱硫処理済み排ガスの一部をキャリアガスとして用いても良いし、空気やその他のガスをキャリアガスとして用いても良い。また、コンベアなどの機械的な手段を用いても良く、これとキャリアガス方式とを組み合わせても良い。
請求項2の発明は、請求項1に記載の飛灰循環型排ガス処理方法であって、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻すバグフィルタ飛灰の循環量が、下記式で示される飛灰循環倍率で表わして、3倍〜14倍であることを特徴としている。
飛灰循環倍率=(循環飛灰切り出し量+飛灰系外排出量)/飛灰系外排出量
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の飛灰循環型排ガス処理方法であって、ナトリウム系薬剤が、重曹(NaHCO)、予め重曹を熱分解して生成させた多孔質の炭酸ナトリウム(NaCO)、またはセスキ炭酸ソーダであることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の飛灰循環型排ガス処理方法であって、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に、ナトリウム系薬剤と共にろ過助剤を投入することを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項4に記載の飛灰循環型排ガス処理方法であって、ろ過助剤が、活性炭であり、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に、ナトリウム系薬剤の供給に加えて、活性炭粉末を吹き込み、バグフィルタ飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻すことにより、酸性ガスの除去とともに、ダイオキシン類および水銀の除去を同時に進行させることを特徴としている。
請求項1の飛灰循環型排ガス処理方法の発明は、排ガスに含まれる酸性ガスの除去用薬剤としてナトリウム系薬剤を用い、バグフィルタ入口側の排ガス煙道にナトリウム系薬剤を投入し、排ガス中の酸性ガスとナトリウム系薬剤との反応により塩を形成させ、該塩を含む飛灰をバグフィルタにより捕集して除去する乾式排ガス処理方法であって、バグフィルタで捕集された飛灰(排ガス中の煤塵+ナトリウム系薬剤と酸性ガスの反応生成物+未反応ナトリウム系薬剤)をバグフィルタの底部より取り出し、このバグフィルタ飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻すことを特徴とするもので、請求項1の発明によれば、煙道内に導入した重曹等よりなるナトリウム系薬剤を、多孔質で反応性の高い炭酸ソーダに転換させると共に、酸性ガスと反応しきれなかったナトリウム系薬剤の未反応分をより効率的に利用することができて、極めて少ないナトリウム系薬剤吹き込み当量比にて、バグフィルタ出口の塩化水素および硫黄酸化物等の酸性ガスの濃度を安定的に低レベルまで下げることができ、酸性ガスの除去効率を飛躍的に向上することができるという効果を奏する。
また、請求項1の発明によれば、従来の重曹を使った乾式排ガス処理に比べて、重曹等の使用量および薬品費を、共に20%程度低減することができ、しかも飛灰処分量は、例えば消石灰を使った乾式排ガス処理に比べて、30%程度以上の削減効果があり、逼迫する最終処分場の延命化にも貢献することができるという効果を奏する。
さらに、請求項1の発明によれば、従来の湿式洗煙装置並みの有害ガスの酸性ガス除去性能が達成できるので、発電効率向上とCO削減効果から、地球温暖化防止に貢献し得るとともに、経済的かつコンパクトな高性能乾式排ガス処理装置を提供できるという効果を奏する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の飛灰循環型排ガス処理方法であって、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻すバグフィルタ飛灰の循環量が、下記式で示される飛灰循環倍率で表わして、3倍〜14倍であることを特徴とするものである。
飛灰循環倍率=(循環飛灰切り出し量+飛灰系外排出量)/飛灰系外排出量
請求項2の発明によれば、飛灰の循環倍率を3倍以上、好ましくは3〜14倍に制御することで、煙道内に導入した重曹等よりなるナトリウム系薬剤を、ほぼ完全に多孔質で反応性の高い炭酸ソーダに転換させると共に、酸性ガスと反応しきれなかったナトリウム系薬剤の未反応分をより効率的に利用することができて、極めて少ないナトリウム系薬剤吹き込み当量比にて、バグフィルタ出口の塩化水素および硫黄酸化物等の酸性ガスの濃度を、安定的に低レベルにまで下げることができ、酸性ガスの除去効率を飛躍的に向上することができるという効果を奏する。
本発明の上記請求項1または2に記載の飛灰循環型排ガス処理方法においては、ナトリウム系薬剤が、重曹(NaHCO)、予め重曹を熱分解して生成させた多孔質の炭酸ナトリウム(NaCO)、またはセスキ炭酸ソーダであることが好ましい。
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の飛灰循環型排ガス処理方法であって、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に、ナトリウム系薬剤と共にろ過助剤を投入することを特徴とするもので、請求項4の発明によれば、ろ過助剤の添加は、一般的にバグフィルタのろ布表面に堆積した飛灰ケーキ層の圧損低減やパルスによる飛灰ケーキ層の払落しがより有効になるという効果を奏する。
請求項5の発明は、請求項4に記載の飛灰循環型排ガス処理方法であって、ろ過助剤が、活性炭であり、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に、ナトリウム系薬剤の供給に加えて、活性炭粉末を吹き込み、バグフィルタ飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻すことにより、酸性ガスの除去とともに、ダイオキシン類および水銀の除去を同時に進行させることを特徴とするもので、請求項5の発明によれば、重曹等のナトリウム系薬剤の供給に加えて、活性炭粉末を吹き込むと、飛灰の循環効果により、ダイオキシン類および水銀の除去が同時に進行し、少ない活性炭投入量にて、極めて低い濃度まで除去されるので、特別な除去装置を付加することなく、厳しい排ガス処理基準に容易に対応が可能となるという効果を奏する。
本発明の飛灰循環型排ガス処理方法を実施する装置の具体例を示すフローシートである。 本発明の飛灰循環型排ガス処理方法の実施例において、脱塩性能と当量比の関係を示すグラフである。 本発明の飛灰循環型排ガス処理方法の実施例において、脱硫性能と当量比の関係を示すグラフである。 本発明の飛灰循環型排ガス処理方法の実施例において、バグフィルタの入口・出口における塩化水素濃度と二酸化硫黄濃度の経時変化を示すグラフである。 本発明の飛灰循環型排ガス処理方法を実施する装置のいま1つの具体例を示すフローシートである。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法を実施する装置の具体例を示すフローシートである。
同図を参照すると、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法は、例えばごみ焼却炉、ガス化溶融炉および産廃焼却炉などの廃棄物処理施設から排出される排ガス中に含まれる塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガスを除去して、大気中に放出される排ガスを無害化するための排ガス処理方法であって、排ガスに含まれる酸性ガスの除去用薬剤として重曹等よりなるナトリウム系薬剤を用い、バグフィルタ入口側の排ガス煙道(1)にナトリウム系薬剤を投入し、排ガス中の酸性ガスとナトリウム系薬剤との反応により塩を形成させ、該塩を含む飛灰をバグフィルタ(2)により捕集して除去するいわゆる乾式の排ガス処理方法である。
そして、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法は、バグフィルタ(2)で捕集された飛灰(排ガス中の煤塵+ナトリウム系薬剤と酸性ガスの反応生成物+未反応ナトリウム系薬剤)をバグフィルタ(2)の底部より取り出し、このバグフィルタ(BF)飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道(1)に戻すことを特徴としている。
図1に示す実施形態では、飛灰の循環のために、脱塩・脱硫後の排ガスをキャリアガスとして用いて行なった。
ここで、バグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻すバグフィルタ飛灰の循環量が、下記式で示される飛灰循環倍率で表わして、3倍〜14倍であることが好ましい。
飛灰循環倍率=(循環飛灰切り出し量+飛灰系外排出量)/飛灰系外排出量
また、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法においては、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に、ナトリウム系薬剤と共にろ過助剤を投入することが好ましい。
以下、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法について、詳しく説明する。
図1において、例えばごみ焼却炉、ガス化溶融炉などの廃棄物処理施設から排出される煤塵、および塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガスを含む排ガスの煙道(1)がバグフィルタ(2)に接続されている。バグフィルタ入口側の排ガス煙道(1)には、ナトリウム系薬剤およびろ過助剤を投入するための薬剤・ろ過助剤導入管(3)が接続されている。該導入管(3)の基端部はナトリウム系薬剤加熱バーナー(4)に接続され、また導入管(3)の中間部には、ろ過助剤供給装置(5)およびこれの下流側の薬剤供給装置(6)が設けられ、さらに薬剤供給装置(6)の下流側に薬剤・ろ過助剤供給ファン(7)が介在させられている。
本発明による排ガス処理方法では、排ガスに含まれる酸性ガスの除去用薬剤として、例えば、重曹(NaHCO)、または予め重曹を熱分解して生成させた多孔質の炭酸ナトリウム(NaCO)、さらにはセスキ炭酸ソーダ等のナトリウム系薬剤を用いる。
酸性ガスの除去用薬剤が、例えば重曹(NaHCO)である場合には、飛灰の循環においては、その粒径に制限は無いが、除去性能面からは、粒子径が細かい重曹が好ましい。従来から循環方式を採用しない場合においては、重曹の粉砕径は10μm以下では固結防止剤を併用する方法があり、10μm以上では固結防止剤を不要とし、10〜50μmが採用されるが、いずれの場合においても飛灰の循環は採用できる。
ろ過助剤としては、一般の排ガス処理に用いられるものであってよく、例えば珪藻土、ゼオライトなどの空隙率の高い粒子、パーライト、テシソーブ、シラスバルーンなどである。なお、水銀やダイオキシン類の高効率除去が要求される場合には、活性炭を含むろ過助剤が使用される。
そして、ナトリウム系薬剤および上記のろ過助剤を供給ファン(7)の作動によってバグフィルタ入口側の排ガス煙道(1)内の排ガスの気流に吹き込むものである。
こうして、排ガス煙道(1)内に、ナトリウム系薬剤および上記のろ過助剤を吹き込むと、バグフィルタ(2)内で、ナトリウム系薬剤の熱分解が起こり、同時に排ガス中の酸性ガス(HCl、SOx)と反応する。ここで、ナトリウム系薬剤が例えば重曹(NaHCO)である場合には、重曹の分解式(1)と、生成した炭酸ソーダ(NaCO)による、HClおよびSOの反応式(2)および(3)は、つぎの通りである。
未分解の重曹と酸性ガスは直接に反応するが、反応性は低いので、基本的には、重曹が熱分解されて、生成した多孔質で反応性の良い炭酸ソーダ(NaCO)と酸性ガスとの反応が主体と考えるのが妥当である。
2NaHCO → NaCO+HO+CO …(1)
NaCO+2HCl → 2NaCl+HO+CO …(2)
NaCO+SO +1/2O → NaSO+CO …(3)
これらの重曹の分解と酸性ガスとの反応は、主にバグフィルタ(2)内の、ろ布上(ケーキ層)で行なわれ、定期的に払い落とされる飛灰を捕集する。バグフィルタ(2)で捕集された飛灰は、排ガス中の煤塵、ナトリウム系薬剤と酸性ガスの反応生成物、未反応薬剤、およびろ過助剤を含むものである。
ついで、バグフィルタ(以下、BFともいう)飛灰を、バグフィルタ(2)の底部より排出コンベア(11)によって取り出し、さらに振り分けコンベア(12)によってバグフィルタ飛灰を振り分けて、その一部を流送管(13)からバグフィルタ飛灰貯槽(14)に導入し、残部は、バグフィルタ飛灰排出管(15)から系外に排出する。
バグフィルタ(2)上部の排気口には脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト(8)が接続され、該脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト(8)の中間部とバグフィルタ(2)の排ガス導入側の排ガス煙道(1)との間に、脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト(9)が設けられ、循環ダクト(9)の途上には飛灰循環ファン(10)が介在させられている。
そして、バグフィルタ飛灰貯槽(14)の底部には循環飛灰供給コンベア(16)が具備されており、この循環飛灰供給コンベア(16)の作動によって飛灰貯槽(14)から所要量のバグフィルタ飛灰を、脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト(9)の飛灰循環ファン(10)より下流側において循環ダクト(9)内に供給する。これにより、バグフィルタ(2)排気口から排出される脱塩・脱硫処理済み排ガスの一部をキャリアガスとして、バグフィルタ(BF)飛灰がバグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻される。
上記のように、バグフィルタ(BF)飛灰には、排ガス中の煤塵、ナトリウム系薬剤と酸性ガスの反応生成物、未反応薬剤、およびろ過助剤を含むものであり、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法によれば、排ガス煙道(1)内に導入した重曹よりなるナトリウム系薬剤をほぼ完全に多孔質で反応性の高い炭酸ソーダに転換させると共に、ナトリウム系薬剤の酸性ガスとの未反応分をより効率的に利用することができて、極めて少ない重曹の吹き込み当量比にて、バグフィルタ(2)出口の塩化水素(HCl)および硫黄酸化物(SOx)等の酸性ガスの濃度を安定的に低レベルにまで下げることができ、酸性ガスの除去効率を飛躍的に向上することができるものである。
また、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法において、バグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻すバグフィルタ飛灰の循環量が、下記式で示される飛灰循環倍率で表わして3倍〜14倍であることが好ましい。
飛灰循環倍率=(循環飛灰切り出し量+飛灰系外排出量)/飛灰系外排出量
このように、バグフィルタ飛灰の循環量が、飛灰循環倍率で表わして3倍〜14倍であれば、後述する実施例にも示すように、排ガス煙道(1)内に導入した重曹を、ほぼ完全に多孔質で反応性の高い炭酸ソーダに変換させると共に、ナトリウム系薬剤の酸性ガスとの未反応分をより効率的に利用することができて、極めて少ない当量比にて、バグフィルタ(2)出口の塩化水素および硫黄酸化物等の酸性ガスの濃度を、安定的に低レベル、例えば、5ppm以下にまで下げることができ、酸性ガスの除去効率を飛躍的に向上することができるものである。
ここで、飛灰循環用のキャリアガスにバグフィルタ(2)出口排ガスすなわち脱塩・脱硫処理済み排ガスの一部を用いる本発明の方法においては、バグフィルタ(2)から排出されたBF飛灰について、飛灰貯槽(14)側と系外排出管(15)側との切替えを、バグフィルタ(2)のパルス回数の比、あるいは経過時間の比によって切替えるとともに、飛灰貯槽(14)内のバグフィルタ飛灰のレベルが一定になるように、バグフィルタ飛灰の切出しを調節することによって、飛灰循環量を調節することが好ましい。また循環飛灰供給コンベア(16)は、飛灰貯槽(14)の重量が一定になるように、インバータによる回転数制御を行うことが好ましい。
この方法において、例えば、飛灰貯槽(14)側と系外排出管(15)側との比を、6:1に設定すると、上記式で計算される飛灰循環倍率は、7倍になる。
なお、バグフィルタ(2)の手前に、排ガス中に含まれる塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガスとナトリウム系薬剤との反応により塩を形成させるナトリウム系薬剤反応塔(図示略)や減温塔(図示略)を設置する場合には、バグフィルタ(2)で払い落とされたBF飛灰を、ナトリウム系薬剤反応塔前の排ガス煙道(1)に戻すことで、バグフィルタ飛灰の循環を行ってもよい。
また、バグフィルタ(2)上部の排気口に接続された脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト(8)から排出される脱塩・脱硫処理済み排ガスは、図1の実施形態では、その一部がキャリアガスとしてバグフィルタ(BF)飛灰を、バグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻すために使用されるが、脱塩・脱硫処理済み排ガスの残部は、脱硝設備等のその他の設備(17)に送られて、必要な浄化処理が施された後、誘引ファン(18)の作動によって、既設煙突から大気に排出される。
図5は、本発明の飛灰循環型排ガス処理方法を実施する装置のいま1つの具体例を示すフローシートで、飛灰の循環のためのキャリアガスとして、空気を用いた具体例を示すものである。
同図に示すように、飛灰は、固結、凝集、湿潤等は見られないので、飛灰循環に空気を用いても問題はなく、配管などの腐食等が懸念される場合は、必要に応じ、空気を加温するなどの方法を採用しても良い。
なお、飛灰循環のキャリアガスとして、空気やその他のガスを用いたり、機械的方法で飛灰循環する場合には、バグフィルタ(2)上部の排気口に接続された脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト(8)から排出される脱塩・脱硫処理済み排ガスは、全てが脱硝設備等のその他の設備(17)に送られて、必要な浄化処理が施された後、誘引ファン(18)によって、既設煙突から大気に放出される。
つぎに、本発明の実施例を比較例と共に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
図1に示す本発明による飛灰循環型排ガス処理方法を実施する装置により、本発明の方法を実施した。
焼却炉のボイラ出口から排出される流量2500mN/h、および温度約190℃の排ガス中に含まれる塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)等の酸性ガスを除去して、大気中に放出される排ガスを無害化するために、排ガスに含まれる酸性ガスの除去用薬剤として重曹(NaHCO)(ナトリウム系薬剤)を用い、バグフィルタ(BF)入口側の排ガス煙道(1)に重曹を投入し、排ガス中の酸性ガスと重曹との反応により塩を形成させ、該塩を含む飛灰をバグフィルタ(BF)(2)により捕集した。
ここで、酸性ガスの除去用薬剤としては、平均粒径17μmの重曹(NaHCO)(商品名:Briskarb Premium 20、Brunner Mond社製)を使用した。
また、バグフィルタ(BF)入口側の排ガス煙道(1)に、ナトリウム系薬剤と共にろ過助剤を投入した。ここで、ろ過助剤としては、珪藻土等(商品名バグエースS、日立造船社製)、あるいは珪藻土+活性炭系の薬剤(商品名バグエースE、日立造船社製)を使用した。
排ガス煙道(1)内に、重曹(NaHCO)よりなるナトリウム系薬剤および上記のろ過助剤を吹き込むと、主にバグフィルタ内のろ布上で、重曹の熱分解(1)と排ガス中の酸性ガス(HCl、SOx)との反応(2)、(3)が同時におこる。分解と反応式はつぎの通りである。
2NaHCO → NaCO+HO+CO…(1)
NaCO+2HCl → 2NaCl+HO+CO…(2)
NaCO+SO + 1/2O → NaSO+CO…(3)
バグフィルタ(2)で捕集された飛灰は定期的に払い落とされ、該飛灰にはガス中の煤塵、重曹と酸性ガスの反応生成物、未反応薬剤、およびろ過助剤が含まれていた。
ついで、バグフィルタ(BF)飛灰を、バグフィルタ(2)の底部より排出コンベア(11)によって取り出し、さらに振り分けコンベア(12)によってバグフィルタ飛灰を振り分けて、その一部を流送管(13)から飛灰貯槽(14)に導入し、残部は排出管(15)から系外に排出した。
バグフィルタ(2)上部の排気口には脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト(8)が接続され、該脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト(8)の中間部とバグフィルタ(2)の排ガス導入側の排ガス煙道(1)との間に、脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト(9)が設けられ、循環ダクト(9)の途上には飛灰循環ファン(10)が介在させられている。
そして、バグフィルタ飛灰貯槽(14)の底部には循環飛灰供給コンベア(16)が具備されており、この循環飛灰供給コンベア(16)の作動によって飛灰貯槽(14)から所要量のバグフィルタ飛灰を、脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト(9)の飛灰循環ファン(10)より下流側において循環ダクト(9)内に供給した。これにより、バグフィルタ(2)排気口から排出される脱塩・脱硫処理済み排ガスの一部をキャリアガスとして、バグフィルタ(BF)飛灰がバグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻した。
そして、図2に、バグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻すバグフィルタ飛灰の循環量を、下記式で示される飛灰循環倍率で表わして、1倍(飛灰循環無し)、3倍、7倍、14倍と変えた時の脱塩性能と当量比の関係を示すグラフを記載し、図3に、同じく脱硫性能と当量比の関係を示すグラフを記載した。なお、飛灰循環倍率が、1倍(飛灰循環無し)である場合は、比較例ということになる。
飛灰循環倍率=(循環飛灰切り出し量+飛灰系外排出量)/飛灰系外排出量
ここで、当量比は、塩化水素(HCl)と硫黄酸化物(SOx)がそれぞれ反応する量論のナトリウム系薬剤の合計量に対して、実際に供給された薬剤量の比率である。
なお、バグフィルタ(2)から排出された飛灰について、飛灰貯槽(14)側と系外排出管(15)側との切替えを、バグフィルタ(2)のパルス回数の比によって切替えるとともに、飛灰貯槽(14)内のバグフィルタ飛灰のレベルが一定になるように、バグフィルタ飛灰の切出しを調節することによって、飛灰循環量を調節した。具体的には、バグフィルタ(2)のパルス間隔は20分として、パルス回数で飛灰貯槽(14)側と系外排出管(15)側(外部排出側)とに振分けた。また循環飛灰供給コンベア(16)は、飛灰貯槽(14)の重量が一定になるように、インバータによる回転数制御を行った。
図2と図3の結果から分かるように、飛灰循環倍率が3倍のとき、循環なしの条件に比べ、多少、脱塩・脱硫率の向上がみられた。さらに、飛灰循環倍率が7倍以上になると特に脱硫性能で大きな改善効果がみられた。しかし、飛灰循環倍率が14倍のときは7倍のときに比べて脱塩・脱硫率がそれほど大きく向上しておらず、これ以上飛灰循環倍率を大きくしても効果は少ないので、飛灰循環倍率としては3〜14倍が好ましい。
実施例2
ナトリウム系薬剤として、平均粒径13μmの重曹を用い、また飛灰循環倍率は7倍とし、その他の条件は、実施例1の場合と同様にして、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法の脱塩・脱硫性能を計測した。
図4に、飛灰循環倍率7倍における、バグフィルタ(2)の入口・出口における塩化水素(HCl)濃度と硫黄酸化物(SOx)濃度の経時変化を示すグラフを記載した。
同図の結果から分かるように、当量比が1.05では、バグフィルタ(2)の出口のHCl濃度とSOx濃度は、2ppm以下に安定し、除去率は、それぞれ99%、95%と極めて高い除去性能が得られた。先述の非特許文献1において、当量比が1.2の時に、HCl,SOxの除去率がそれぞれ98%、90%であり、当量比が1.3の時に、HCl、SOxの出口濃度がともに10ppm以下であったものと比べると、飛躍的に性能が向上していることが確認できた。
本発明の方法によりバグフィルタ飛灰の循環を行った場合、バグフィルタ(2)の入口においては、新たに供給されるナトリウム系薬剤(重曹)に加えて、バグフィルタ飛灰と共に戻される未分解の重曹が存在し、それらがバグフィルタ内のろ布上で熱分解して多孔質で反応性の高い炭酸ソーダに転換されること、また、酸性ガスと反応しきれなかった炭酸ソーダも循環されて存在することから、入口濃度が短期的に大きく変動する中でも低い当量比にて、HCLとSOxの出口の濃度がともに2ppm以下に安定したものと考えられる。
本発明者らは、煙道内に導入した重曹よりなるナトリウム系薬剤を多孔質かつ反応性が極めて高い炭酸ソーダにほぼ完全に転換させ、しかも、酸性ガスと反応しきれなかったナトリウム系薬剤の未反応分をより効率的に利用するために、バグフィルタで捕集された飛灰(排ガス中の煤塵+ナトリウム系薬剤と酸性ガスの反応生成物+未反応薬剤(未分解重曹を含む)+ろ過助剤)を、バグフィルタの底部より取り出し、このバグフィルタ飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻して、未反応薬剤を循環させることにより、極めて少ない重曹薬剤の使用量にて、バグフィルタ出口の塩化水素および硫黄酸化物等の酸性ガスの濃度を、飛躍的に、かつ安定的に低減することが可能であることを見出した。
上記図2〜図4に酸性ガスの除去性能の一例を示したが、飛灰を循環しないケースに比べ、循環させた場合は飛躍的に除去性能が向上している。特に、重曹の吹き込み当量比が低い1当量前後においても、極めて高い除去性能が確認されているが、これは、飛灰の循環により、未分解の重曹の殆どが反応性の高い多孔質の炭酸ソーダに変換された効果が大きく、新しい知見・発明によるものである。
すなわち、重曹を用いた排ガス処理では、バグフィルタが使用されるが、導入された重曹はバグフィルタのろ布上に堆積し、熱分解と酸性ガスとの反応が進行し、数分から数十分毎に定期的にダストの払落しが行なわれるシステムとなっている。しかしながら、先述したように、重曹が、ほぼ完全に熱分解して反応性の高い炭酸ソーダに転換するには、温度条件や薬剤の粒子径により異なるが、数十秒〜数分を要するため、一部の重曹は熱分解せずにバグフィルタで払い落とされる可能性が高いと言える。特に、重曹は、連続的に吹き込まれるので、バグフィルタの払い落とし直前に吹き込まれた重曹は、熱分解時間が不足するのは明らかと言える。従って、飛灰の循環がこの問題を解決するものである。
この循環効果を踏まえた諸試験にて、バグフィルタ飛灰の循環倍率を3倍以上、好ましくは3〜14倍で制御することにより、極めて低い当量比にて酸性ガスの除去効率を飛躍的に向上し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
なお、本発明によれば、従来の重曹を使った乾式排ガス処理に比べて、重曹の使用量および薬品費を、共に20%程度低減することができ、しかも飛灰処分量は、例えば消石灰を使った乾式排ガス処理に比べて、30%程度以上の削減効果があり、逼迫する最終処分場の延命化にも貢献することができるものである。
さらに、本発明によれば、湿式洗煙装置並みの有害ガスの酸性ガス除去性能が、例えばHCl、およびSOxともに5ppm以下、が達成できるので、発電効率の向上とCO削減効果から、地球温暖化防止に貢献すると共に、経済的かつコンパクトな高性能乾式排ガス処理装置が提供できることになり、本発明の効果は多大である。
実施例3
本発明による飛灰循環型排ガス処理において、ナトリウム系薬剤である重曹を用いると共に、ダイオキシン類および水銀の除去のため、ろ過助剤に活性炭を混合してバグフィルタに供給して、これらの除去効果を確認した。また飛灰循環倍率は7倍とし、その他の試験条件は実施例1と同様である。下記の表1に、ダイオキシン類の除去性能を示した。
Figure 0005961514
上記表1の結果から分かるように、活性炭を投入しないケースで、飛灰の循環無し(実験No.1)と、循環有り(実験No.2)では、ダイオキシン(DXN)除去率は81〜83%で大きな差は無く、バグフィルタ入口ダイオキシン類濃度が高い場合は、例えば、入口DXN1.58(ng−TEQ/mN)の場合は、出口濃度は0.26(ng−TEQ/mN)となり、国の厳しい基準の0.1(ng−TEQ/mN)を超えている。
これに対し、活性炭を30(mg/mN)吹き込んで、飛灰を循環させると(実験No.3)、DXN出口濃度は、0.0028(ng−TEQ/mN)まで低減し、除去率は99.6%の高効率除去が達成されている。DXNは、バグフィルタ等の運転温度が高いと再合成の懸念があるが、試験条件の190℃ではこの影響は少なく、活性炭が循環使用されることで、DXN未吸着の活性炭が有効利用されて、少ない活性炭投入量においても高い除去性能を維持している。
つぎに、下記の表2に、水銀の除去性能を示した。
Figure 0005961514
上記表2の結果から分かるように、活性炭を投入しないケースで、飛灰の循環無し(実験No.1)と、循環有り(実験No.2)では、それぞれ、水銀の除去率は52.5%、65.9〜68.2%で、循環する方が性能が15%程度向上した。飛灰中には未燃炭素などの活性炭成分に近い吸着物質が存在しており、循環による効果が確認された。
一方、活性炭を30(mg/mN)投入して循環させると(実験No.3)、水銀の除去率は94.5%まで向上した。最近は、ごみ焼却炉で水銀が問題視されており、この除去が求められているが、少ない活性炭の投入量においても、高温度下ながら、高い除去性能が得られたのは、飛灰の循環効果と判断できる。
上記の表1、および表2の結果から分かるように、重曹の供給に加えて、活性炭粉末を吹き込むと、飛灰の循環効果により、ダイオキシン類および水銀の除去が同時に進行し、少ない活性炭投入量にて、極めて低い濃度まで除去されるので、特別な除去装置を付加することなく、厳しい排ガス処理基準に容易に対応が可能となる。
実施例4
本発明による飛灰循環型排ガス処理方法において、ナトリウム系薬剤である重曹(NaHCO)を用い、かつ飛灰を循環させた場合のバグフィルタでの圧力損失の影響を確認するために、つぎの試験を実施した。
上記実施例1の場合と同様に、バグフィルタ(BF)入口側の排ガス煙道(1)に重曹を投入し、排ガス中の酸性ガスと重曹との反応により塩を形成させ、該塩を含む飛灰をバグフィルタ(BF)(2)により捕集した。また、バグフィルタ(BF)入口側の排ガス煙道(1)に、重曹と共に珪藻土等よりなるろ過助剤を投入した。バグフィルタ(2)で捕集された飛灰は定期的に払い落とした。そして、バグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻すバグフィルタ飛灰の循環量を、上記式で示される飛灰循環倍率で表わして、1倍(飛灰循環無し)、3倍、7倍、14倍と変えて、試験を実施した。
下記の表3に、飛灰循環倍率、排ガス量(湿り)[mN/h]、バグフィルタ温度[℃]、バグフィルタ入口HCl濃度(酸素12%換算)[ppm]、バグフィルタ入口SOx濃度(酸素12%換算)[ppm]、飛灰の払落し間隔 [min]、およびバグフィルタでの圧力損失(ΔPBF(t))(平均値)[Pa]をまとめて示した。
Figure 0005961514
上記表3の結果から分かるように、飛灰循環倍率が大きくなるにしたがって圧力損失が大きくなるが、循環倍率と正比例の関係ではない。バグフィルタ入口・出口間の圧力損失は、ろ布の抵抗係数(ζ)と、ケーキ層(粉体堆積層)の抵抗係数(α)でほぼ表され、下記の式(1)により計算される〔古林、長井;活性炭によるダイオキシン類除去性能の推定、化学工学論文集、30、54−64(2004)より〕。
Figure 0005961514
ここで、ΔPBF(t)は、通ガス時間tにおけるBFの圧力損失[kPa]、ζは、ろ布の抵抗係数[(min/m)1.32/s]、αは、ケーキ層(粉体堆積層)の抵抗係数[(m/kg)・(min/m)1.32/s]、mD(t,i)は、通ガス時間tにおけるi番目のろ布列の粉体堆積量[kg/m]、μは、ガス粘度[Pa・s]、uF(t,i)は、通ガス時間tにおけるi番目のろ布列のろ過速度[m/min]、Nは、ろ布列数[−]をそれぞれ表す。
なお、通ガス時間tにおけるu値,m値およびΔPBF値は、上記の論文に示されるように、次のようにして計算される。すなわち、上記の式(1)および下記の式(2)、式(3)、式(4)をi=1〜Nまで繰り返し計算することにより算出した。
ここで、上記の式(1)は、それぞれのろ布列のΔPBF値はすべて等しいという関係に基づいている。下記の式(2)は平均ろ過速度と各ろ布列でのu値の関係を示している。これらの式を用いて、まず通ガス時間tにおけるu値を算出した。
つぎに、下記の式(3)から、通ガス時間t〜t+Δt間ではu値は一定であるとみなして、この間における各ろ布列の粉体堆積増加量を算出し、さらに下記の式(4)からm値を算出した。
このようにして求めたu値とm値を用い、実証試験結果の圧力損失特性に合うようにろ布の抵抗係数ζとケーキ層(粉体堆積層)の抵抗係数αを求めた。
Figure 0005961514
Figure 0005961514
Figure 0005961514
ここで、u(平均)は、平均ろ過速度[m/min]、ABFはバグフィルタ内に設置されたろ布の全ろ過面積[m]を表す。
下記の表4に、飛灰循環倍率と、上記の式を用いて計算したろ布の抵抗係数(ζ)と、ケーキ層(粉体堆積層)の抵抗係数(α)を示した。
Figure 0005961514
上記表4の結果から分かるように、ろ布の抵抗係数(ζ)は固有値であり、循環倍率に係らず、1.6×10で一定であったが、ケーキ層(粉体堆積層)の抵抗係数(α)は、飛灰循環倍率が1倍(実験No.1)〜14倍(実験No.4)と大きくなるほど、低くなった。
このことから、飛灰循環を繰り返すことによって飛灰の2次凝集が起こり、見かけ上、粒子径が大きくなった状態で、ろ布上に堆積していることが考えられる。
1:排ガス煙道
2:バグフィルタ
3:薬剤・ろ過助剤導入管
4:ナトリウム系薬剤加熱バーナー
5:ろ過助剤供給装置
6:薬剤供給装置
7:薬剤・ろ過助剤供給ファン
8:脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト
9:脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト
10:飛灰循環ファン
11:飛灰排出コンベア
12:振り分けコンベア
13:バグフィルタ飛灰流送管
14:バグフィルタ飛灰貯槽
15:バグフィルタ飛灰排出管
16:循環飛灰供給コンベア

Claims (5)

  1. 排ガスに含まれる酸性ガスの除去用薬剤としてナトリウム系薬剤を用い、バグフィルタ入口側の排ガス煙道にナトリウム系薬剤を投入し、排ガス中の酸性ガスとナトリウム系薬剤との反応により塩を形成させ、バグフィルタで捕集された飛灰(排ガス中の煤塵+上記塩+未反応ナトリウム系薬剤)をバグフィルタの底部より取り出し、このバグフィルタ飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻し、上記塩を含む飛灰をバグフィルタにより捕集して除去する乾式排ガス処理方法であって、
    (1)上記酸性ガスを除去する割合である除去性能の目標値を定めるステップと、
    (2)上記目標値を達成するために、上記酸性ガスと反応する量論のナトリウム系薬剤の合計量に対して実際に供給される薬剤量の比率である当量比および下記式で示される飛灰循環倍率を、該飛灰循環倍率を変えた時の除去性能と当量比の関係を示す予め取得したグラフから定めるステップと
    を有することを特徴とする、飛灰循環型排ガス処理方法。
    飛灰循環倍率=(循環飛灰切り出し量+飛灰系外排出量)/飛灰系外排出量
  2. バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻すバグフィルタ飛灰の循環量が、上記飛灰循環倍率で表わして、3倍〜14倍であることを特徴とする、請求項1に記載の飛灰循環型排ガス処理方法。
  3. ナトリウム系薬剤が、重曹(NaHCO)、予め重曹を熱分解して生成させた多孔質の炭酸ナトリウム(NaCO)、またはセスキ炭酸ソーダであることを特徴とする、請求項1または2に記載の飛灰循環型排ガス処理方法。
  4. バグフィルタ入口側の排ガス煙道に、ナトリウム系薬剤と共にろ過助剤を投入することを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の飛灰循環型排ガス処理方法。
  5. ろ過助剤が、活性炭であり、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に、ナトリウム系薬剤の供給に加えて、活性炭粉末を吹き込み、バグフィルタ飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻すことにより、酸性ガスの除去とともに、ダイオキシン類および水銀の除去を同時に進行させることを特徴とする、請求項4に記載の飛灰循環型排ガス処理方法。
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