JP5053050B2 - ハロゲン含有ガスの乾式処理装置及び乾式処理方法 - Google Patents

ハロゲン含有ガスの乾式処理装置及び乾式処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハロゲン含有ガス中のハロゲン成分を反応(中和反応乃至脱ハロゲン反応)させることにより吸収除去する、いわゆる脱ハロゲン処理をする乾式処理装置及び乾式処理方法に関し、さらに詳しくは、ポリ塩化ビニル(PVC)や臭素系難燃プラスチック類等の有機物の熱分解処理により発生する各種ハロゲン含有ガス(ハロゲン化水素やハロゲン含有有機化合物)を乾式処理するのに好適な乾式処理装置及び乾式処理方法に係る発明である。
ここで、「未処理ガス」とは、何の処理もされていないハロゲン含有ガスを意味し、「被処理ガス」とは、「未処理ガス」に加えて、処理工程が二段以上の場合、先の処理を経て次に処理に移るものも含む概念である。
酸性ガス中のハロゲン化水素や亜硫酸ガス等の酸性成分(有害成分)を除去するための充填層式の処理(乾式処理)技術としては、特許文献1においてゴミ焼却炉等で発生する酸性排ガスを消石灰、ドロマイト等を用いて吸収除去させる技術が記載されている。
当該技術は、炭酸カルシウム等の造粒物を600〜900℃の燃焼排ガスと接触させて、酸化カルシウムを生成させ、この酸化カルシウムに酸性成分(有害成分)を反応させて吸着ないし収着(吸収)させる方法である。
ところが、この技術は、焼却炉の立ち上げや立ち下げ後などの温度が低い条件下では、カルシウム成分(CaO)が消化(水和)により水和石灰(Ca(OH)2)となって粉化して、充填層の空隙率を低下させる。また、温度が低い条件下では、造粒物表面に塩化水素(HCl)と反応して形成された塩化カルシウム(CaCl2)が潮解しやすい水和物(六・四・二・一水和物:300℃未満で生成)となって溶着(固着)しやすくなり、充填層の空隙率を低下させるとともに、造粒物の排出流動性を低下させる。この充填層(吸収剤層)の空隙率の低下や造粒物の排出流動性の低下は、乾式処理室(充填室)でのガス流れの圧力損失の増大によりガス流れを阻害させる。
また、運転時も高濃度のHClガスとカルシウム系吸収剤(CaO)が高温下で反応すると、CaCl2を表面に形成した吸収剤間で融着(CaCl2融点:772℃)が生じ空隙率の低下や吸収剤の流動性低下を招く。このため、上記同様に、吸収剤充填層の圧力損失を増大させる。
圧力損失が大きくなれば、焼却炉等の炉内制御が不安定となるほか、排ガス(酸性ガス)が抵抗の低い部分を優先的に通過するため、酸性成分(HCl等の有害成分)の反応効率(除去効率)が低下ないし不安定化する。
他方、特許文献2では、よりコンパクトな乾式塩化水素除去室を構成する炉について記載されている。
この炉は、炭酸カルシウム(CaCO3)、苛性ソーダ(NaOH)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)等を充填(内包)した塩化水素除去室を熱分解(炭化)炉と燃焼炉の間に設置することで、燃焼排ガスの1/10以下のボリュームである熱分解ガスからの脱塩素(脱ハロゲン)を行うことを特徴としている。
この公報は炉に関する特許であるため、塩化水素除去室の条件について詳細な記載は見あたらないが、燃焼排ガスに比べ10倍以上の高濃度の塩化水素ガスが熱分解ガス中に含まれるため、吸収剤(除去剤)として炭酸カルシウムを用いれば、上記と同様、昇温・冷却時(高温・低温時)に塩化カルシウムの融解固着・水和固着(潮解固着)が生じると考えられる。このため、塩化ビニル等の塩素含有プラスチック類が多く含まれる廃棄物の処理では、安定的な操業ができない可能性が高い。
また、マグネシウム系(Mg(OH)2等)はカルシウム系(CaCO3等)に比べ、どの温度領域でも塩化水素との反応性に乏しく、高効率な脱塩性能は期待できない。NaOHではやや高コスト化が懸念される。
以上は粒状を前提としているが、粉状の吸収剤(除去剤)を用いれば、下流側に集塵機を設けて、吸収剤(除去剤)の放散を防ぐ必要がある。
そこで、本発明者は、上記問題点を解決するために、ハロゲン含有ガス(酸性ガス)の乾式処理方法において、塩素含有プラスチックが多量に含まれており熱分解炉からのHClが高濃度で含まれているハロゲン含有ガス(酸性ガス)であっても、安定してかつ高効率な酸性成分の除去が可能な方法を提供することを目的として、鋭意開発に努力をする過程で、下記知見を得た。
カルシウム成分とHClとの反応は発熱反応である。例えば、Ca(OH)2とHClとの反応式は下記の如くになる。
Ca(OH)2+2HCl→CaCl2+2H2O+13.95kcal(室温)
このため、燃焼排ガスに対して10倍以上の高濃度となる塩化水素を含む熱分解ガス(未処理ガス)の乾式処理(高温下)では、吸収剤の表面に生成した反応生成物(CaCl2)が融解することによって、隣接する吸収剤粒子間で融着してガス流れを阻害する。他方、低温下および運転休止下等において、水蒸気雰囲気下になった場合は、未反応吸収剤の消化(消石灰化・水和石灰化)による粉化及び吸収剤の表面に生成したCaCl2が潮解して粒子間が溶着(固着)して乾式処理が阻害される現象を知見した。当該知見に基づき、所定温度範囲に温度を維持して乾式処理を行えば上記カルシウム成分の消化(水和石灰化)による粉化、および、融着ないし溶着が発生しないことを見出して、下記構成の酸性ガス(ハロゲン含有ガス)の乾式処理方法さらには処理装置に想到した(特許文献3参照)。
「塩化水素(HCl)を含む酸性ガスを、カルシウム成分(Ca成分)からなる又はCa成分を主体とする反応吸収剤(吸収剤)で形成された充填層で形成された反応帯と接触させて、酸性ガス中の塩化水素その他酸性成分の除去を行う乾式処理方法であって、反応帯の常態温度を、水蒸気雰囲気下で吸収剤相互の溶着現象が発生しない温度以上にするとともに、同ガス接触時温度を融着現象の発生しない温度以下に制御することを特徴とする。」
そして、上記構成の乾式処理方法に使用する乾式処理装置としては、例えば、図1に示すようなものがある。
すなわち、縦長筒状とされた処理室12、該処理室12の上方に接続する吸収剤供給手段(供給ホッパー)14、該処理室12の下方に接続する吸収剤排出手段(排出スクリューコンベヤ)16とを備え、処理室12は下部側にガス導入口18を、上部側にガス導出口20をそれぞれ備え、更に、処理室12内を温調する温調手段(シーズドヒータ)22を備えている。
そして、吸収剤供給手段14と吸収剤排出手段16を使用して処理室(吸収剤充填室)12内に、置換移動する粒状の吸収剤を充填してガス導入口18とガス導出口20との間に接触帯(反応帯)24を形成する。そして、ガス導入口18から未処理ガスを導入すると、未処理ガスは、反応帯24を通過しながら吸収剤と接触して脱ハロゲン処理された後、処理済みガスとしてガス導出口20から導出される。
この際、吸収剤の置換移動(流れ)方向と、ガスの移動方向とは、平行(向流)で接触効率が良好で、且つ、接触時間の確保が容易で、未処理ガス(ハロゲン含有ガス等)の吸収除去(反応)処理を担保し易い。
特開平8−47617号公報(特許請求の範囲等参照) 特開平10−205721号公報(特許請求の範囲等参照) 特開2004−167403号公報(特許請求の範囲等参照)
しかし、上記構成の乾式処理方法乃至処理装置では、下記のような問題点を有することが分かった。
1)大量かつ高濃度のハロゲン含有ガスを脱ハロゲン処理するに際して、該処理が前述の如く、発熱反応が主体であるため、ガス流入部(ガス流入口近傍)で局所的に発熱反応が集中し、該局所における発熱量が放熱量を上回ることで昇温して高温となる。このため、ガス反応温度を融着現象の発生しない温度以下に制御することが困難となる。
2)乾式処理室のガス導入口18とガス導出口20との間に構成される反応帯24が縦方向(垂直方向)に形成されるとともにガス流れも縦方向に発生するようにガス導入口(下方)18とガス導出口(上方)20とを配する。このため、ガス導入口18とガス導出口20との間に充填高さ(落差)に対応する圧力損失が発生する(乾式処理室の処理能力を大きくしようとして充填量を大きくすると圧力損失も大きくなる。)。そして、通常、乾式処理室からの処理済みガス(流出ガス)は、燃焼室から集塵機等を経て排風機(出力が一定)で吸引される。このため、圧力損失が大きくなると被処理ガスの大量処理が困難となる。
本発明は、ハロゲン含有ガスの乾式処理を行うに際して、局所的な高温部位が発生し難く、かつ、ガス導入口とガス導出口とで圧力損失が発生し難い、新規な構成のハロゲン含有ガスの乾式処理装置及び乾式処理方法を提供することを目的(課題)とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、先に下記構成のハロゲン含有ガスの乾式処理装置を提案した(特願2006−313314号:本願出願時未公開)。
「ハロゲン含有ガス(未処理ガス)を、ガス導入口から導入し、塩基性の吸収剤と接触させて、前記ハロゲン含有ガス中のハロゲン成分を吸収除去して処理済みガスとし、該処理済みガスをガス導出口から導出させる構成を備えたハロゲン含有ガスの乾式処理装置であって、
吸収剤充填室と、前記ガス導入口を有するガス導入室と、前記ガス導出口を有するガス導出室とを備え、
前記吸収剤充填室は、ガス接触帯(反応帯)を形成可能に吸収剤が充填される構成を有し、
前記ガス導入室は、該ガス導入口から導入した未処理ガスが拡散して前記反応帯に面的に流入可能に、前記吸収剤充填室に接続され、
前記ガス導出室は、処理済みガスが前記反応帯から面的に流出して前記ガス導出口に集合可能に前記吸収剤充填室に接続されている、
ことを特徴とするハロゲン含有ガスの乾式処理装置。」
本発明は、当該先願発明の変形態様に係り、ハロゲン含有ガスの乾式処理に際しての多様な要請(熱エネルギー節減、脱ハロゲン率向上、異ハロゲン濃度ガスの同時処理、置換移動吸収剤のハロゲン吸収量の均一化)に応えるものである。
以下、本発明が上記課題をどのように解決したかについて作用を含めて説明をする。
<1>乾式処理装置
1) ハロゲンを含有する未処理ガスをガス導入口から導入し、塩基性の吸収剤と接触させて、脱ハロゲン処理をして処理済みガスとし、該処理済みガスをガス導出口から導出させる構成を備えたハロゲン含有ガスの乾式処理装置であって、
一個の立設平板状の吸収剤充填室、並びに、少なくとも一組の前記ガス導入口を有するガス導入室及び前記ガス導出口を有するガス導出室を備え、
前記吸収剤充填室は、上方に吸収剤供給手段を、下方に吸収剤排出手段をそれぞれ備え、前記吸収剤充填室内を置換移動する粒状吸収剤で吸収剤充填層を形成可能とされる構成を有するとともに、該吸収剤充填層に上・下反応帯が形成可能とされ、
該上・下反応帯は、前記吸収剤充填室において、前面および後面が上・下通気隔壁とされて形成されるとともに、該前面および後面の各上・下通気隔壁の間が非通気壁で連接され、さらに、
前記上・下反応帯は、それぞれ、被処理ガスが拡散して面的に流入して、該流入の幅・高さと同一幅・高さで、面的に流出可能に、かつ、導入ガスがショートパスしない距離を有するように前記非通気壁により形成される、ことを特徴とする。
ガス導入室を設けて、被処理ガスを立設平板状の吸収剤充填室に形成される平板状の反応帯に拡散させて面的に(面直交させて)流入させることにより、反応帯に流入するガス送気圧を均等化(均一化)させることができる。このため、吸収剤が局所的にガス吸収することなく、万遍なく吸収剤を使用することができる。結果的に、局所的な昇温も発生せず、反応帯の温度分布が均一なため、温度制御も容易となって、圧力損失も少なく、効率的にハロゲン成分の吸収除去を行うことができる。
また、一個の吸収剤充填室で形成される吸収剤充填層に、上下に反応帯が形成されることにより、下反応帯で発生する熱の対流的移動による上方の反応帯での利用が可能となり、反応帯を所定温度に昇温維持するための熱エネルギーを節減できる。
2)上記構成において、前記吸収剤充填室の前面側において、前記下反応帯に前記ガス導入室が接続されるとともに、前記上反応帯に前記ガス導出室が接続され、前記吸収剤充填室の後面側において、前記下反応帯と上反応帯の間にガス連通路が接続されている構成とすることができる。なお、「平板状」とは、薄型の箱状を意味する。
被処理ガスを下反応帯と上反応帯との二段階で吸収するため被処理ガスのハロゲン除去率が増大する。また、下反応帯を通過する被処理ガスはハロゲンガスが高濃度で発熱量が大きく、上記熱の対流的移動が促進され前記熱エネルギーの節減効果が増大する。
3)上記構成において、該吸収剤充填室の上方に吸収剤供給手段を、下方に吸収剤排出手段をそれぞれ備え、前記吸収剤充填室を置換移動する粒状吸収剤で吸収剤充填層を形成可能とし、さらに、該上・下反応帯の温度制御を行う加熱手段を備えている構成とすることができる。
上方で低濃度のハロゲン含有ガス処理(二次処理)を行った後の吸収剤を下方で高濃度のハロゲン含有ガスの処理(一次処理)に使用するため、吸収剤の単位量当たり処理能(ガス除去能)を、移動させない場合に比して、有効利用可能となる。また、移動する粒状吸収剤を両面で吸収するため、排出される粒状吸収剤のハロゲン吸収量が平均化(均一化)され、粒状吸収剤の再生が容易となる。さらに、上方と下方では、ガス流れが逆となり、前後面の吸収剤の処理能の利用率が均一化されて、より吸収剤の有効利用が可能となる。すなわち、吸収剤充填室の下方から排出される吸収剤を構成する各粒子の処理能のバラツキが小さくなる。なお、加熱手段は、上・下反応帯の温度を、吸収剤とハロゲンとの反応促進が可能な温度(通常、350℃以上)に維持するためのものである。当然、ハロゲン含有ガス(被処理ガス)の導入温度が高温で、該被処理ガスの保有する熱と、吸収剤とハロゲンとの反応熱により反応が促進される400℃以上になるような場合、当該加熱手段は稼動させる必要はない。すなわち、被処理ガスの導入温度が低い場合を想定したものである。
4)前記1)の構成において、吸収剤充填室に形成された上・下反応帯を挟んで、それぞれ、上ガス導入室・ガス導出室及び下ガス導入室・ガス導出室が接続されることを特徴とする上記構成とすることができる。
一個の吸収剤充填室で二種類のハロゲン含有ガスの処理が可能となる。
5)上記構成において、下ガス導入室と上ガス導入室とが吸収剤充填室の反対面に接続されているとともに、下ガス導入室の下ガス導入口に高濃度のハロゲン含有ガス第一供給配管が接続可能とされ、また、上ガス導入室の上ガス導入口に低濃度のハロゲン含有ガスの第二ガス供給配管が接続され、かつ、吸収剤充填室の上方に吸収剤供給手段を、下方に吸収剤排出手段をそれぞれ備え、吸収剤充填室を置換移動する粒状吸収剤で吸収剤充填層を形成可能とされている構成とすることができる。前記3)と同様の作用・効果を奏することができる。
6)上記各構成において、ガス導入室又は上・下ガス導入室を平板状とし、ガス導入口を平板周面に有する構成とすることができる。
ガス導入室を平板状の反応帯の前面に向かってラッパ状としてもよいが、上記構成とすることにより、ガス導入口の軸方向と反応帯の前面流入方向が直交することとなり、反応帯に流入させるガス流入圧の更なる均等化が期待できる。
7)上記3)又は5)の各構成において、吸収剤排出手段と接続される吸収剤充填室の吸収剤排出口を吸収剤充填室の前面側に偏在させて形成するとともに、吸収剤充填室の後面下方部を吸収剤排出口に接続する傾斜壁で形成する構成とすることができる。
当該構成とすることにより、反応帯に連続する吸収剤充填室の下方部後面側が吸収剤排出口に向かって断面狭小となる。このため、吸収剤充填室(吸収剤充填層)の前面側における吸収剤の移動(落下)速度が後面側における吸収剤の移動(落下)速度より早くなる。したがって、高濃度のハロゲン含有ガスが一次的に接触する前面側の吸収剤と、低濃度のハロゲン含有ガス(一次処理後の)と接触する後面側の吸収剤とのハロゲン吸収量の差を小さく又は同じ程度にすることができ、吸収剤の除去効率が向上する。すなわち、本実施形態においては、低濃度のハロゲン含有ガスが上反応帯の前面側に、上反応体の後面側でハロゲンがほとんど除去された濃度の低い状態のハロゲン含有ガスが流入する。このため、ほとんどバージン(未使用)の状態の吸収剤が下反応帯の前面側を後面側より早い速度で移動する結果となる。したがって、下反応帯において、高濃度のハロゲン含有ガスの脱ハロゲンの効率がさらに向上する。
8)上記構成において、吸収剤充填室を全体的に後傾させることができる。
吸収剤が反応帯の後面側下部で滞留することなく、吸収剤の流れをスムーズにすることができる。
<2>乾式処理方法
上記各装置に係る発明を方法発明として表現した場合乃至各装置の使用態様を方法発明として表現した場合は、下記構成となる。当然各装置に対応する作用・効果を奏する。
1) ハロゲンを含有する未処理ガスを塩基性の吸収剤で形成される反応帯に接触させて、
前記ハロゲン含有ガス中におけるハロゲン成分の吸収除去を行って処理済みガスとするハロゲン含有ガスの乾式処理方法であって、
置換移動する粒状吸収剤で形成した立設平板状の吸収剤充填層に、それぞれ、被処理ガスを拡散させて面的に流入させて、該流入の幅・高さと同一幅・高さで処理済みガスを面的に流出可能に上・下反応帯を形成し、該上・下反応帯の前面および後面の各間を非通気壁により非通気とするとともに、前記上・下反応帯の距離を前記非通気壁により導入ガスがショートパスしないものとし、
前記下反応帯に高濃度のハロゲン含有ガスを、前記上反応帯に低濃度のハロゲン含有ガスを通過させる、ことを特徴とする。
装置1)の発明に対応する方法発明であって、当該装置発明の同様の作用・効果を奏する。
2)上記構成の方法において、吸収剤充填層を置換移動する粒状吸収剤で形成し、かつ、上・下反応帯の温度を350℃以上に保持制御するとともに、下反応帯及び上反応帯へ相互に反対側面からガス導入をして該粒状吸収剤の置換移動方向と直交方向にガス流れを発生させる構成とすることができる。なお、上・下反応帯を350℃以上に保持制御することにより、吸収剤とハロゲンの反応が促進され、ハロゲン成分の吸収除去の効率を安定化できる。
装置3)又は装置5)の下段構成に対応する発明であって、装置3)と同様な作用・効果を奏する。
3)上記各構成の方法において、高濃度のハロゲン含有ガスを下反応帯で一次処理して低濃度のハロゲン含有ガスとしたものを上反応帯に導入して二次処理をする方法とすることができる。
装置2)を限定した装置3)に対応する発明であって、装置2)・3)と同様な作用・効果を奏する。
4)上記1)又は2)のハロゲン含有ガスの処理方法において、下反応帯に含ハロゲンの有機廃棄物の熱分解による熱分解ガス(高濃度ハロゲン含有ガス)を導入し、前記上反応帯に前記有機物の熱分解後の残渣燃焼による燃焼ガス(低濃度ハロゲン含有ガス)を導入して、それぞれ別系統の脱ハロゲン処理を行うことができる。
乾式処理装置4)または装置5)を、有機熱分解ガスの処理に使用する場合の好適な一例を示す方法発明である。
以下、本発明の乾式処理装置及び処理方法の一形態について説明をする。
ここでは、図2に示すように、被処理物を熱分解・脱ハロゲン処理をするプラント装置に、本発明の乾式処理装置を適用する場合を例に採る。
ここで、熱分解処理をする被処理物としては、通常、有機ハロゲン化合物とする。該有機ハロゲン化合物としては、塩素系・臭素系プラスチック等を、液体の有機ハロゲン化合物としては、トリクロロエチレン、フロン、ハロン等を挙げることができる。なお、被処理物は、必ずしも、有機ハロゲン化合物に限られず、有機ハロゲン化合物を含むことが不明な有機物であってもよい。例えば、有機物が硫黄を含むような場合にも、発生する酸性ガス(硫黄酸化物)の吸収除去が可能である。
本プラントは、熱分解室(電気炉)32、乾式処理装置(反応器)112、燃焼(脱臭)室36、急冷塔38、集塵機(バグフィルター式)40、触媒塔42、誘引通風機44、排気筒46から構成され、さらに、熱分解処理後の固体残渣を処理する溶融室(プラズマ溶融炉)33を備えている。
すなわち、本プロセスでは、被処理物の熱分解で生成したガス中のハロゲン含有ガスを乾式除去(脱ハロゲン処理)すると同時に改質ガス化し、燃料化や熱利用など資源化を図るシンプルなものである。
本プロセスの主たる特長は、下記の通りである。
・燃焼ガスより低ガス流量の熱分解ガスから脱ハロゲンをするため、乾式処理装置の小型化と高吸収効率が期待できる。
・燃焼(脱臭)の前に塩素を除去するため、ダイオキシン類の生成が抑制される。
・燃焼(脱臭)室での塩素腐食を防ぐことができる。
以下、各装置の概略について説明をする。
1)熱分解室
熱分解室32は例えば、内部に抵抗発熱体31を備えた電気炉であり内部から加熱する方式である。加熱時には高温の水蒸気を封入しながら450℃〜550℃に維持する。すると、封入された水蒸気によって酸素は追い出され、無酸素状態での加熱となり被処理物(有機ハロゲン化合物)は炭化が促進される。また、水蒸気は空気に比べ保有熱量も大きいため真空中や空気中の場合より効率的且つ均一に加熱・炭化することが可能である。さらには、水蒸気封入により急激な燃焼による爆発の発生もおこらず、安全に炭化させることが可能である。熱分解室で加熱・炭化が進むと乾留ガス(熱分解ガス)が発生するが、この乾留ガスは、乾式処理装置112を経て燃焼(脱臭)室36で燃焼される。
炭化終了後、熱分解室32に空気を導入する。炭化物は自然燃焼し、灰化される。燃焼ガスは乾留ガスと同一の排ガス処理系統で処理され、灰化物(固体残渣)は、熱分解室32の固体残渣排出口32aからプラズマ熱溶融炉33等に排出される。
2)乾式処理装置
乾式処理装置112においては、熱分解室(電気炉)32からでた乾留ガスを塩基性の吸収剤が乾式処理装置112(吸収剤充填室102)内に充填されて形成された反応帯124を通すことによりハロゲン成分が吸収除去される。ポリ塩化ビニル(PVC)などのプラスチック(有機ハロゲン化合物)から発生する塩素成分(ハロゲン成分)を含有する乾留ガス中の塩素系有機化合物は、熱分解室32に導入された水蒸気と反応して大部分がHClとなるが、一部はガス化した塩素系有機化合物(例えば、クロロフェノール、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等)として残る。HClは、塩基性の吸収剤と中和反応するとともに、ガス化塩素系有機化合物も脱塩素反応により吸収除去される。
そして、ハロゲン成分である塩素成分が吸収除去された処理済みガスは燃焼室36に導入される。
3)燃焼(脱臭)室
燃焼室36の内部は1000℃に制御されている。燃焼室36は熱分解室32よりも速く加熱され、乾式処理装置112で乾式処理された処理済ガスが導入される前にヒータ(電気ヒータ)35によって1000℃±10℃に温度制御した状態で加熱されており、ハロゲン成分が除去された処理済みガスと該ガスと所定混合比の空気の導入によって燃焼が始まり、高温で安定して完全燃焼され、ダイオキシン類などは完全に分解される。燃焼状態は酸素センサー(図示せず)によりモニタリングされており、適切な状態になるように導入空気の制御を行っている。さらに燃焼が開始されると発熱がおこるため自己燃焼熱によって炉の内部が高温に維持され、加熱はほとんど必要でなくなり、投入エネルギーが抑えられる。このため、比較的低ランニングコストで運転が可能である。
4)排ガス処理部
燃焼室36を経た燃焼ガスが流入する排ガス処理部は、散水管37を備えた急冷塔38、バグフィルター39を備えた集塵機40、及び触媒層41を備えた触媒塔42から構成されている。こうして、熱分解室32、乾式処理装置112と燃焼室36とを通過した排ガスを急冷した後、触媒塔42を通過させることにより、さらに安全性を高めている。
また、触媒塔42の出口側には、ガス搬送手段である誘引通風機44が配され、さらに、排気筒46が接続されている。
本実施形態では、上記プラント(プロセス)において、乾式処理装置112を、図3〜4に示すような構成を有する。以下の説明で、図2と対応する部分は下二桁が共通する三桁表示とした。
本乾式処理装置112は、基本的には、吸収剤充填室102と、ガス導入口118を有するガス導入室104と、ガス導出口120を有するガス導出室106とを具備するものである。
そして、吸収剤充填室102は、図例では、立設平板状で、吸収剤充填層Rを形成可能に吸収剤が充填される。より具体的には、本実施形態では、吸収剤充填室102を立設平板状とし、該吸収剤充填室102の上方に吸収剤供給手段(ホッパー)114を、下方に吸収剤排出手段(スクリューコンベヤ)116をそれぞれ備え、吸収剤充填室102を置換移動する粒状吸収剤で吸収剤充填層Rを形成可能とされている。
そして、該吸収剤充填層Rには、上・下反応帯124A、124Bを形成可能とされている。本実施形態では、それぞれ、被処理ガスが拡散して面的に流入後、面的に流出可能で、かつ、導入ガスがショートパスしない距離をおいて上・下反応帯124A、124Bが形成されている。そして、吸収剤充填室102の前面側において、下反応帯124Bにガス導入室104が接続されるとともに、上反応帯124Aにガス導出室104が接続されている。さらに、吸収剤充填室102の後面側において、下反応帯124Bと上反応帯124Aの間にガス連通路105が接続されている。
ここで、ショートパスしないとは、下反応帯124Bに導入された被処理ガスが吸収剤充填層Rを介して上反応帯124Aに流入しない状態をいう。通常、下反応帯124Bと上反応帯124Aとの間に、平板状充填層の厚みの2〜3倍の距離があれば十分である。流体は抵抗の少ない方向へ、すなわち、下反応帯124Bの背面側へ優先的に流れるためである。
また、図例ではガス連通路105は、反応帯124A、124B部分を形成する通気隔壁と、反応帯124A、124B間を形成する無垢隔壁(非通気壁)108Cとで吸収剤充填室102から区画された平板状のガス連通室で形成したが、反応帯124A、124B間が離れたダクトで形成してもよい。
なお、吸収剤充填室102は、従来と同様、温調手段であるヒータ(シーズドヒータ)122を備えている。なお、ヒータ122は、吸収剤充填室102の幅方向に並列して複数本(図例では4本)配してもよい。
そして、吸収剤排出手段116に接続される吸収剤充填室102の吸収剤排出口103を前面側に偏在させて形成するとともに、吸収剤充填室102の後面下方部を吸収剤排出口103に接続する傾斜壁102aで形成する。なお、傾斜壁102aの吸収剤排出口103に向かう起点位置は、下反応帯124Bの下端より上方側であっても下方側であってもよい。通常、傾斜壁の垂直高さは、吸収剤充填室102の全体高さの1/10〜1/3の範囲で、前記の如く、吸収剤充填室の前面側(ガス流入側)と後面側(ガス流出側)で吸収剤の移動(流下)速度に必要な差が出るように適宜選定する。
ここで、傾斜壁102aの傾斜角度αは、35〜75°、望ましくは、50〜70°とする(図3参照)。
そして、本実施形態では、上・下反応帯124A、124Bを、粒状吸収剤を置換移動させて形成される吸収剤充填層Rで形成するため、各反応帯124A、124Bの形成部位の前面及び後面を形成する上・下通気隔壁108A、108Bは、多数の水平方向の羽板(はいた)108aが吸収剤充填室102の外面側で上方傾斜したガラリ戸構造としてある。
さらに、吸収剤充填室102は、全体を傾斜させることが好ましい。この場合の傾斜角度βは、2〜10°とする(図3参照)。吸収剤充填室102自体を少し傾斜(後側に傾斜)させることにより、吸収剤が後面側下部で滞留することなく、落下流れをスムーズにすることができる。
ここで、乾式処理装置112で使用する塩基性の吸収剤としては、脱ハロゲン可能な無機薬剤なら特に限定されない。通常、カルシウム系のものを使用するがナトリウム系であってもよい。なお、種々の無機酸化物を混合させた混合物(組成物)の方が、融着が発生し難くて好ましい。
表1にそれらのいくつかを示す。これらのうちで、消石灰/石炭灰や炭酸ナトリウム/石炭灰の混合系のものを好適に使用することができる。
Figure 0005053050
なお、吸収剤の粒径は、粒子形状により異なるが、通常2〜50mm、望ましくは3〜20mmとする。粒径が小さくなると、反応帯の空隙率が低下して反応帯の圧力損失が増大する。粒径が大きくなると、反応帯の未処理ガスとの接触面積が減少して、反応効率(吸収除去効率)が低下する。
また、温調手段122は、図示しない制御手段で出力制御可能なものを使用し、通常、抵抗発熱体、加熱誘導管等の電気加熱手段あるいは加熱空気導管や燃焼ガス導管による間接加熱手段を使用する。図例では、内設ヒータのみであるが、内設ヒータに代えて又は内設ヒータとともに、外設ヒータを設けてもよい。この温調手段は、吸収剤充填室102内における上・下反応帯124A、124Bを、350℃以上、望ましくは400〜650℃の温度域に制御可能なものとする。なお、温調手段は、上・下反応帯124A、124Bで別々に設けてもよい。その場合は、より精度の高い温度制御が可能となる。
なお、ハロゲン含有ガスの反応帯への流入温度が、反応帯制御温度に対して同程度以上であり、ハロゲン含有ガス流入時に特別な反応帯加熱手段(温調手段/加熱制御手段)を使用しなくても、温度均一制御が可能な場合は、反応帯を制御温度に昇温させるために加熱乾燥空気や低湿度高温排ガスを直接反応帯に流入させてもよい。この場合は、吸収剤充填室102内に反応帯の昇温乃至温度均一化のための温調手段(加熱制御手段)122を設ける必要がなくなる。温調手段122を設けない場合は、例えば、図1の燃焼室36を先に起動させて得られる加熱乾燥空気を吸収剤充填室102に導入して反応帯124を昇温可能な構成とする。
そして、上記吸収剤充填室102においては、熱分解室(電気炉)32から出た乾留ガス(熱分解ガス)は吸収剤を充填した吸収剤充填室102の下反応帯124Aを通し、その後、上反応帯124Bを通すことによりHClその他ハロゲン成分が中和反応乃至脱ハロゲン反応により除去される。このときの乾式処理装置の吸収剤充填室102内(吸収剤充填層R)の設定制御温度は、水蒸気混合雰囲気下において吸収剤の水和による粉化現象が発生しない温度以上で、かつ、吸収剤の表面全体の溶融(融着)現象が発生しない温度以下の範囲で、さらには、乾留ガス(未処理ガス)のハロゲン成分濃度や流入温度に対応させて、適宜選定する。
例えば、吸収剤がカルシウム系の場合、350〜850℃、望ましくは400〜800℃、さらに望ましくは450〜700℃とする。ナトリウム系の場合は、カルシウム系に比して若干低くてよく、300〜800℃、望ましくは350〜750℃、さらに望ましくは400〜650℃とする。化学熱力学的にナトリウムの方が、カルシウムに比して低い温度でハロゲン吸収反応が進むためである。
なお、運転開始前乃至運転中止時には、運転開始時に即、吸収剤がハロゲン成分等を吸収除去可能となるように上記温度範囲に維持しておく。
通常は、熱分解ガスの吸収剤充填室102(下反応帯124B)への流入温度(例えば、400〜500℃)と同程度の温度を下反応帯124Bの制御温度とする。この条件でガス処理を行えば、当該制御温度に下反応帯124B全体が温度差なく均一維持される。このため、温調手段122をほとんど作動させる必要がなくなり、電力消費を低減できる。
特に、本実施形態では、下反応帯124Bに最初に高濃度のハロゲン含有ガスが流入するため、下反応帯124Bにおける発熱量が大きく、該熱が対流的に上方移動し上反応帯124Aも均一に昇温する。このため吸収剤充填層Rの温調手段122の作動時間が、先願の反応帯が充填層全体に形成されている場合に比して、短くてすむ。特に、本実施形態の如く、吸収剤充填層Rが移動充填層である場合、上方吸収剤が暖められながら下方へ移動して下反応帯に至るため、下反応帯の温度制御がより容易となる。
また、ハロゲン成分(ハロゲン成分以外の酸性成分も含む。)等除去後の処理済みガスは図1に示す如く、燃焼室36に導入して完全燃焼させるか、又は、ガス改質させる。そして、ダイオキシン類の生成を抑制する。本方式では、排ガス中の煤塵が非常に少ないため、小規模の炉については必ずしも集塵機40を必要としない。
また、本実施形態のハロゲンガスの乾式処理装置を用いてハロゲン含有ガスを処理した場合は、下反応帯124Bと上反応帯124Aの二段で脱ハロゲンされるため、ハロゲン除去率が、先願の一段で行うものに比して、格段に向上する。
また、本実施形態のハロゲン含有ガスの乾式処理方法は、乾式処理装置でハロゲン含有ガスを吸収除去後、同じ室内から使用済み吸収剤を排出する又は交換する構成であるため、下流側の排ガス処理系統(ダクト)に使用済み吸収剤がほとんど流出することなく、乾留ガス(熱分解ガス)の燃焼における本来の特性である低煤塵を実現可能とする。
さらに、乾留ガスを燃焼室36への導入(流入)前に、乾留ガス(酸性ガス)中のハロゲン成分を中和反応乃至脱ハロゲン反応により吸収除去するため、燃焼室36内での溶融塩等の付着劣化を大幅に抑制でき、燃焼室36の後段に通常配される急冷塔38においても塩類の付着堆積もほとんどなくすることができる。
以上、乾式処理装置112は、吸収剤充填室内を上方から下方へ粒状吸収剤を置換移動させて吸収剤充填層Rを形成する場合で、未処理ガスを吸引導入する場合を例に挙げたが、吸収剤充填層Rを静置させて形成する場合、また、吸収剤充填層Rを吸収剤成形体(多孔成形体)で構成する場合にも本発明は適用できる。なお、吸収剤充填層Rを吸収剤成形体で構成する場合は、反応帯の前後、通気隔壁はガラリ戸構造である必要はなく、保持枠のみで形成してもよい。さらには、未処理ガスの反応帯への導入は、加圧導入としてもよい。
図5〜6に本発明の別の実施形態を示す。図符号は、図3〜4に対応させて、それらの説明の全部又は一部を省略する。
本実施形態は、立設平板状の移動充填層Rで形成される上・下反応帯124A、124Bのうちの、下反応帯124Bに高濃度のハロゲン含有ガスを、上反応帯124Aに低濃度のハロゲン含有ガスを、それぞれ反対方向から通過させて処理する点は共通する。
しかし、上記実施形態の如く、背面側で連通されておらず、それぞれ上反応帯124A及び下反応帯124Bを形成するために上ガス導入室・ガス導出室104A、106A、及び、下ガス導入室・ガス導出室104B、106Bの導入側が逆になるように接続された構成である。
そして、下ガス導入室104Bのガス導入口118Bに高濃度のハロゲン含有ガスの第一供給配管P1が接続可能とされ、上ガス導入室104Aのガス導入口118Aに低濃度のハロゲン含有ガスの第二ガス供給配管P2が接続された構成である(図7参照)。
そして、本実施形態のハロゲン含有ガスの処理装置は、二種類のハロゲン含有ガスの処理が一つの吸収剤充填室(吸収剤処理層R)で処理可能である。例えば、図7に示すような、有機廃棄物の熱分解処理システムに適用することが好ましい。
すなわち、下反応帯124Bに有機物の熱分解による熱分解ガス(高濃度ハロゲン含有ガス)を導入し、上反応帯124Aに有機物の熱分解後の残渣燃焼による燃焼ガス(低濃度ハロゲン含有ガス)を導入して、それぞれ別系統の脱ハロゲン処理を行う。
本発明の効果を確認するために、図3に示す乾式処理装置において、図3に示すものでハロゲン含有ガスを乾式処理したものと、図3において反応帯を全面に形成し前面から後面に通過させて処理した場合(先願構成)の脱ハロゲン率とを、理論計算すると下記の如くになる。
条件:各反応帯の形成仕様は、下記の通りとした。
吸収剤:表1に示す消石灰/石炭灰混合系で、φ5mm×5mmのペレット剤、
被処理ガス:塩素含有率:10000〜140000ppm、処理流量:100m3N/h
図3・・・上反応帯高さ:20cm、下反応帯:20cm、反応帯幅:40cm、反応帯厚み(羽板の幅を除く):20cm、
先願・・・反応帯高さ:56cm、反応帯幅:40cm、反応帯厚み(羽板の幅を除く):20cm、算定除去率99.96%
従来におけるハロゲン含有ガスの処理装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の乾式処理装置を適用するハロゲン含有廃棄物熱分解処理システム(プラント)の一例を示す概略流れ図である。 本発明におけるハロゲン含有ガスの処理装置の一実施形態を示す概略断面図である。 同じく部分切欠き斜視図である。 本発明におけるハロゲン含有ガスの処理装置の他の一実施形態を示す概略断面図である。 同じく部分切欠き斜視図である。 図5の実施形態のハロゲン含有ガスの処理装置を適用するのに好適な有機廃棄物の熱分解処理流れ図である。
符号の説明
102・・・吸収剤充填室
104・・・ガス導入室
104A・・・上ガス導入室
104B・・・下ガス導入室
105・・・ガス連通室(ガス連通路)
106・・・ガス導出室
106A・・・上ガス導出室
106B・・・下ガス導出室
112、112A・・・ハロゲン含有ガスの乾式処理装置
114・・・吸収剤供給手段(供給ホッパー)
116・・・吸収剤排出手段(スクリューコンベヤ)
118・・・ガス導入口
118A・・・上ガス導入口
118B・・・下ガス導入口
120・・・ガス導出口
120A・・・上ガス導出口
120B・・・下ガス導出口
124A・・・上反応帯
124B・・・下反応帯
R・・・吸収剤充填層

Claims (12)

  1. ハロゲンを含有する未処理ガスをガス導入口から導入し、塩基性の吸収剤と接触させて、脱ハロゲン処理をして処理済みガスとし、該処理済みガスをガス導出口から導出させる構成を備えたハロゲン含有ガスの乾式処理装置であって、
    一個の立設平板状の吸収剤充填室、並びに、少なくとも一組の前記ガス導入口を有するガス導入室及び前記ガス導出口を有するガス導出室を備え、
    前記吸収剤充填室は、上方に吸収剤供給手段を、下方に吸収剤排出手段をそれぞれ備え、前記吸収剤充填室内を置換移動する粒状吸収剤で吸収剤充填層を形成可能とされる構成を有するとともに、該吸収剤充填層に上・下反応帯が形成可能とされ、
    該上・下反応帯は、前記吸収剤充填室において、前面および後面が上・下通気隔壁とされて形成されるとともに、該前面および後面の各上・下通気隔壁の間が非通気壁で連接され、さらに、
    前記上・下反応帯は、それぞれ、被処理ガスが拡散して面的に流入して、該流入の幅・高さと同一幅・高さで、面的に流出可能に、かつ、導入ガスがショートパスしない距離を有するように前記非通気壁により形成される、
    ことを特徴とするハロゲン含有ガスの乾式処理装置。
  2. 前記吸収剤充填室の前面側において、前記下反応帯に前記ガス導入室が接続されるとともに、前記上反応帯に前記ガス導出室が接続され、前記吸収剤充填室の後面側において、前記下反応帯と上反応帯の間にガス連通路が接続されていることを特徴とする請求項1記載のハロゲン含有ガスの乾式処理装置。
  3. 前記上・下反応帯の温度制御を行う加熱手段を備えている、ことを特徴とする請求項2記載のハロゲン含有ガスの乾式処理装置。
  4. 前記ガス導入室が、前記上・下反応帯にそれぞれ接続されて上・下ガス導入室とされるとともに、該上・下ガス導入室に対応して上・下ガス導出室が前記上・下反応帯を挟んで接続されていることを特徴とする請求項1記載のハロゲン含有ガスの乾式処理装置。
  5. 前記下ガス導入室と前記上ガス導入室とが前記吸収剤充填室の反対面に接続されているとともに、前記下ガス導入室の下ガス導入口に高濃度のハロゲン含有ガスの第一供給配管が接続可能とされ、また、前記上ガス導入室の上ガス導入口に低濃度のハロゲン含有ガスの第二ガス供給配管が接続されていることを特徴とする請求項4記載のハロゲン含有ガスの乾式処理装置。
  6. 前記ガス導入室が平板状とされ、前記ガス導入口を平板周面に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載のハロゲン含有ガスの乾式処理装置。
  7. 前記吸収剤排出手段と接続される前記吸収剤充填室の吸収剤排出口を、前記吸収剤充填室の前面側に偏在させて形成するとともに、前記吸収剤充填室の後面下方部を前記吸収剤排出口に接続する傾斜壁で形成することを特徴とする請求項1〜6いずれか一記載のハロゲン含有ガスの乾式処理装置。
  8. 前記吸収剤充填室が全体的に後傾されていることを特徴とする請求項7記載のハロゲン含有ガスの乾式処理装置。
  9. ハロゲンを含有する未処理ガスを塩基性の吸収剤で形成される反応帯に接触させて、
    前記ハロゲン含有ガス中におけるハロゲン成分の吸収除去を行って処理済みガスとするハロゲン含有ガスの乾式処理方法であって、
    置換移動する粒状吸収剤で形成した立設平板状の吸収剤充填層に、それぞれ、被処理ガスを拡散させて面的に流入させて、該流入の幅・高さと同一幅・高さで処理済みガスを面的に流出可能に上・下反応帯を形成し、該上・下反応帯の前面および後面の各間を非通気壁により非通気とするとともに、前記上・下反応帯の距離を前記非通気壁により導入ガスがショートパスしないものとし、
    前記下反応帯に高濃度のハロゲン含有ガスを、前記上反応帯に低濃度のハロゲン含有ガスを通過させる、
    ことを特徴とするハロゲン含有ガスの乾式処理方法。
  10. 前記上・下反応帯の温度を350℃以上に保持制御するとともに、前記下反応帯及び前記上反応帯へ相互に反対側面からガス導入をすることを特徴とする請求項9記載のハロゲン含有ガスの乾式処理方法。
  11. 高濃度のハロゲン含有ガスを前記下反応帯で一次処理して低濃度のハロゲン含有ガスとしたものを前記上反応帯に導入して二次処理をすることを特徴とする請求項9又は10記載のハロゲン含有ガスの乾式処理方法。
  12. 前記下反応帯に含ハロゲンの有機廃棄物の熱分解による熱分解ガス(高濃度ハロゲン含有ガス)を導入し、前記上反応帯に前記有機物の熱分解後の残渣燃焼による燃焼ガス(低濃度ハロゲン含有ガス)を導入して、それぞれ別系統の脱ハロゲン処理を行うことを特徴とする請求項9又は10記載のハロゲン含有ガスの乾式処理方法。
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