JP2005177650A - 可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置、可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システム、可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法 - Google Patents

可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置、可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システム、可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 排ガス中の可燃性VOCガスを効率的に除去、分解する可燃性VOCガス処理装置、可燃性VOCガス処理システムおよび可燃性VOCガス処理方法を提供する。
【解決手段】 排ガス送入部1と、吸着部2と、加熱部5と、非支燃性ガス送入部6と、燃焼空気供給部7と、混合部8と、混合ガス放出部9と、賦活化水供給部10と、冷却部11と、検知部12とを備えた可燃性VOCガス処理装置を用いて、可燃性VOCガスを吸着除去する吸着過程と、吸着部2における雰囲気中の酸素ガス濃度を8体積%未満とする脱着準備過程と、吸着部2から可燃性VOCガスを脱着する脱着過程と、可燃性VOCガスと空気を混合ガスとする混合過程と、混合ガスを燃焼部4に放出する放出過程と、混合ガスを燃焼させる燃焼過程と、吸着部2および加熱部5を冷却する冷却過程と、吸着部2を賦活再生する賦活再生過程とを有する可燃性VOCガス処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排ガスに含まれる可燃性の揮発性有機化合物ガスを除去する可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置、可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムおよび可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法に関するものである。
従来、印刷・塗装工場、化学プラント、食品加工業などでは、ベンゼン、トルエンなどの可燃性の揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、以下、「VOC」と略すこともある。)が広く用いられてきた。
近年、大気汚染防止法において、VOCの一部が有害大気汚染物質として、優先取得物質、自主管理物質に指定されて以来、工場などから排出される排ガス中に含まれるVOCガスの排出量を排出基準以下に抑えるために、種々のVOCガスの処理方法が考案されている。
VOCガスの処理方法としては、排出されたVOCガスを燃焼炉内で直接、燃焼分解する直接燃焼法(例えば、特許文献1参照。)、排出されたVOCガスを触媒燃焼炉内で燃焼分解する触媒燃焼法(特許文献2、特許文献3参照。)、排出されたVOCガスを圧縮し、凝縮液化法で回収する凝縮回収法、排出されたVOCガスを活性炭に吸着させて浄化する吸着除去法(特許文献4参照。)などが挙げられる。
しかし、直接燃焼法では、排ガス中のVOCガスの濃度が800ppm未満の場合、VOCガスの燃焼における燃費が非常に悪く、実用的ではない。また、VOCガスの濃度が爆発下限より高い場合は、防爆対策が必要である。
触媒燃焼法では、排ガス中のVOCガスの濃度が200ppm未満の場合、VOCガスの自己燃焼のみにより触媒燃焼温度を適正な温度範囲に維持することが困難である。また、燃焼温度が500℃を超えると、触媒が劣化することがある。
凝縮回収法では、VOCガスの濃度が5000ppmより高くないと、実用的な処理効率が得られない。
吸着除去法では、活性炭に吸着限度があるため、長期間の使用では大量の活性炭を必要とし、活性炭の吸着限度の管理が困難である。
特開平11−82879号公報 特開平10−267928号公報 特開2001−90931号公報 特開平7−289843号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、排ガスに含まれる可燃性の揮発性有機化合物ガスを効率的に除去、分解する可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置、可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムおよび可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、可燃性の揮発性有機化合物ガスを含む排ガスを吸着部に送入する排ガス送入部と、該排ガスに含まれる可燃性の揮発性有機化合物ガスを選択的に吸着する吸着部と、該吸着部に非支燃性ガスを送入する非支燃性ガス送入部と、前記吸着部を加熱し、前記吸着部に吸着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを脱着するとともに、前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを燃焼する加熱部と、該加熱部に少なくとも前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを完全燃焼させる量の酸素を含む空気を供給する燃焼空気供給部と、前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガス、および、前記燃焼空気供給部から供給された前記空気を混合して混合ガスとする混合部と、該混合ガスを前記加熱部に放出する混合ガス放出部と、前記吸着部に水分を供給する賦活化水供給部と、前記吸着部および前記加熱部に非支燃性ガスもしくは空気を送入する冷却部と、前記吸着部における可燃性の揮発性有機化合物ガス濃度、酸素ガス濃度および温度を検知する検知部とを備えた可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置を提供する。
上記構成の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置において、前記吸着部は、活性炭、ゼオライト、あるいは、撥水性および/または親油性セラミックの焼結体の多孔質材から選択される少なくとも1種の吸着材を備えていることが好ましい。
上記構成の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置において、前記加熱部は、前記吸着部を加熱して、前記吸着部に吸着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを脱着する熱交換部、および、前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを燃焼する燃焼部からなり、かつ、前記吸着部と一体化されていることが好ましい。
本発明は、上記可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置を少なくとも2つ用いた可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムを提供する。
本発明は、上記可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置を用いた可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法であって、前記排ガス送入部から送入された排ガスに含まれる可燃性の揮発性有機化合物ガスを前記吸着部で選択的に吸着除去する吸着過程と、可燃性の揮発性有機化合物ガスを吸着した前記吸着部に前記非支燃性ガス送入部から非支燃性ガスを送入し、前記吸着部における雰囲気中の酸素ガス濃度を8体積%未満とする脱着準備過程と、該酸素ガス濃度が8体積%未満の雰囲気下において、前記吸着部を前記熱交換部にて加熱して可燃性の揮発性有機化合物ガスを脱着する脱着過程と、前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスと、前記燃焼空気供給部から供給された、少なくとも前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを完全燃焼させる量の酸素を含む空気とを前記混合部にて混合して混合ガスとする混合過程と、該混合ガスを前記燃焼部に放出する放出過程と、前記燃焼部に放出された前記混合ガスを燃焼させる燃焼過程と、前記混合ガスの燃焼終了後に、前記冷却部から前記吸着部および前記加熱部に非支燃性ガスもしくは空気を送入し、前記吸着部および前記加熱部を冷却する冷却過程と、前記賦活水供給部から前記吸着部に水分を供給し、前記吸着部を賦活再生する賦活再生過程とを有する可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法を提供する。
前記脱着過程において、前記吸着材の温度を200〜800℃とすることが好ましい。
前記放出過程において、可燃性の揮発性有機化合物が前記吸着部から脱着して気化する際の体積膨張、加熱による可燃性の揮発性有機化合物ガスの体積熱膨張、前記非支燃性ガス送入部から前記吸着部への非支燃性ガスの送入圧力、および、該非支燃性ガスのベンチュリー効果を推力として、前記混合ガスを前記混合ガス放出部から前記燃焼部へ放出することが好ましい。
前記冷却過程において、前記吸着材の温度が200℃以下になるまで、前記冷却部から前記吸着部および前記加熱部に非支燃性ガスを送入し、前記吸着材が200℃以下になった後、前記冷却部から前記吸着部および前記加熱部に空気を送入して前記吸着材の温度を40℃以下にすることが好ましい。
前記賦活再生過程において、前記吸着材の温度を400℃以上とした後、前記賦活水供給部から前記吸着部に水分を供給することが好ましい。
上記可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法において、前記吸着部における可燃性の揮発性有機化合物ガス濃度を検知して、前記吸着過程から前記脱着準備過程への移行を制御し、前記燃焼過程から前記冷却過程への移行を制御し、前記燃焼過程における前記混合ガスの供給を制御することが好ましい。
上記可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法において、前記吸着部における酸素ガス濃度を検知して、前記脱着準備過程から前記脱着過程への移行を制御することが好ましい。
上記可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法において、前記吸着部の温度を検知して、前記吸着部から可燃性の揮発性有機化合物ガスを脱着する際の前記吸着部の温度を制御することが好ましい。
本発明の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置は、装置の稼動時間の大半を占める吸着過程には稼動部がなく、稼働時間全体におけるランニングコストを抑えることができる。
また、本発明の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置は、吸着過程、脱着過程、燃焼過程、冷却過程および賦活再生過程を、吸着部および加熱部からなる1つのチャンバで行うため、装置の小型化を容易かつ安価に実現することができる。また、可燃性の揮発性有機化合物ガスの吸着における濃縮倍率を高くすることができるため、可燃性の揮発性有機化合物ガス濃度の制約がない。また、可燃性の揮発性有機化合物ガスを飽和限界まで吸着可能なため、吸着量に対して吸着材が少なくて済み、装置の小型化を容易に実現することができる。
さらに、本発明の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置は、吸着材の賦活再生を行うことができるから、吸着材の寿命を長期化し、結果としてランニングコストを抑えることができる。
本発明の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法によれば、可燃性VOCガスを高温、高濃度の状態で脱着を可能とし、脱着時間を短縮できる。その結果、可燃性VOCガスの脱着に要する加熱エネルギーを最小化できる。また、可燃性VOCガスの脱着するための置換ガスの送入量を大幅に削減することができる。
さらに、可燃性VOCガスの脱着温度を高温にすることが可能であるから、吸着材に吸着された難揮発性の可燃性VOCまで気化することができるため、その結果として、可燃性VOCガスの吸着量および脱着量を大きく持続できるため、吸着材の使用量を最小化できる。そして、吸着部内のガス濃度を検知することで、一連の処理過程を自動化できる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置の一実施形態を模式的に示す構成図である。図2は、この実施形態の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置を構成するチャンバを模式的に示す構成図である。
図1および図2において、符号1は排ガス送入部、2は吸着部、3は熱交換部、4は燃焼部、5は加熱部、6は非支燃性ガス送入部、7は燃焼空気供給部、8は混合部、9は混合ガス放出部、10は賦活化水供給部、11は冷却部、12は検知部、13は燃料供給部、14は脱着ガス放出部、15は排ガス放出部、16は燃焼ガス排出部、17は後処理部、18は制御部、30はチャンバを示している。また、図1において、矢印は各種ガスまたは水分の流通方向を示す。
排ガス送入部1は、吸着部2に、可燃性のVOCガス(以下、「可燃性VOCガス」と略す。)を含む排ガスを送入するためのものであり、吸着部2に直接接続されている。また、排ガス送入部1と吸着部2を接続する配管19には、逆止弁または開閉が制御可能な例えば電磁開閉弁などからなるバルブ20が設けられている。このバルブ20は、排ガス送入部1から吸着部2へ可燃性VOCガスを含む排ガスを送入する時のみ開放し、その他の時には閉じている。
吸着部2は、排ガス送入部1から送入された排ガスに含まれる可燃性VOCガスを選択的に吸着、除去するためのものであり、可燃性VOCガスを選択的に吸着する吸着材2aと、これが充填される筒状の収納部2bとから概略構成されている。
また、吸着部2は、吸着部2を加熱して、吸着材2aに吸着された可燃性VOCガスを脱着する熱交換部3、および、吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスを燃焼する燃焼器4aを有する燃焼部4からなる加熱部5と一体に形成され、チャンバ30を構成している。
また、燃焼器4aには、配管21を介して、燃焼器4aに燃料ガスを供給する燃料供給部13が接続されている。
また、吸着部2には、吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスを混合部8へ放出するための逆止弁などからなる脱着ガス放出部14が、燃焼部4の近傍に設けられている。
さらに、吸着部2には、吸着材2aによって可燃性VOCガスが吸着除去された排ガスを大気中に放出するための逆止弁などからなる排ガス放出部15が、燃焼部4の近傍に設けられている。
また、加熱部5を構成する燃焼部4には、燃焼部4にて燃焼させた可燃性VOCガスを大気中に排出するための燃焼ガス排出部16が連通するように、燃焼部4の近傍に設けられている。可燃性VOCガスの吸着方向を逆方向(図1の下から上)とするときには、燃焼ガス排出部16は、燃焼部4の近傍に設けられていなくてもよい。
さらに、燃焼ガス排出部16には、配管22を介して可燃性VOCガスの燃焼ガス中に含まれる硫黄、塩素などの有害物質を中和除去する後処理部17が接続されている。
非支燃性ガス送入部6は、吸着部2に、非支燃性ガスを送入するためのものであり、吸着部2に直接接続されている。また、非支燃性ガス送入部6と吸着部2を接続する配管23には、逆止弁または開閉が制御可能な例えば電磁開閉弁などからなるバルブ24が設けられている。このバルブ24は、非支燃性ガス送入部6から吸着部2へ非支燃性ガスを送入する時のみ開放し、その他の時には閉じている。
本発明にあっては、非支燃性ガスとは、酸素濃度が8体積%以下の空気、窒素ガス、炭酸ガスなどの非支燃性ガスのことを示している。
燃焼空気供給部7は、加熱部5を構成する燃焼部4に、少なくとも吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスを完全燃焼させる量の酸素を含む空気を供給するためのものであり、脱着ガス放出部14と、配管25、26を介して、混合部8において接続されている。これにより、混合部8において、吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスと、燃焼空気供給部7から供給された空気とが混合され、混合ガスとされる。
混合ガス放出部9は、燃焼部4に上記の混合ガスを放出するためのものであり、混合部8から延出され、燃焼部4の内部にまで配された配管27の端部に設けられている。
賦活化水供給部10は、吸着部2に、水蒸気、超音波やアトマイザーで霧化した水分を供給するためのものであり、吸着部2に直接接続されている。また、賦活化水供給部10と吸着部2を接続する配管28には、逆止弁または開閉が制御可能な例えば電磁開閉弁などからなるバルブ29が設けられている。このバルブ29は、賦活化水供給部10から吸着部2へ水分を供給する時のみ開放し、その他の時には閉じている。
冷却部11は、吸着部2および加熱部5に、非支燃性ガスもしくは空気を供給するためのものであり、その端部が燃焼部4の内部にまで配されている。
本発明にあっては、非支燃性ガスとは、不活性ガスまたは爆発限界内(8体積%以下)の酸素濃度ガスのことをいう。このような非支燃性ガスの特徴としては、可燃性VOCガスの吸着材からの脱着を助けること、爆発しないことなどが挙げられる。特に、非支燃性ガスが不活性ガスの場合、その特徴としては、活性炭を酸化しないことが挙げられる。
検知部12は、吸着部2における可燃性の揮発性有機化合物ガス濃度、酸素ガス濃度および吸着材2aの温度を検知するためのものであり、吸着部2の吸着材2aに接するように配されている。また、検知部12は、可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置を構成する各部の動作をモニタし、その動作を制御するシーケンサを有する制御部18に接続されている。
上述のように、吸着部2と加熱部5は一体に形成されたチャンバ30からなり、チャンバ30の外形形状は、例えば、図1および図2(a)、(b)に示すように円柱状となっている。この例のチャンバ30では、中央に燃焼ガス排出部16が配置され、これと中心軸を同じくする吸着部2および熱交換部3が設けられている。
熱交換部3は、図2に示すように、吸着部2、2の間に設けられ、チャンバ30の長手方向に沿って、吸着部2とほぼ同じ長さで形成されている。熱交換部3の長手方向の長さを、吸着部2の長手方向の長さとほぼ同じとすることにより、熱交換部3による吸着部2の加熱を効率良く行うことができる。
さらに、熱交換部3は、図2(a)に示すように円環状に形成されていても、図2(b)に示すように複数の円管から構成されていてもよく、熱交換部3の数、大きさなどは、吸着部2の大きさ、熱効率などを考慮して、適宜設定される。また、熱交換部3は、熱伝導性の金属部品や抵抗型電熱器、誘導コイル型電熱器などで形成されている。
燃焼部4は、チャンバ30の下部に設けられており、吸着部2の下部に設けられた脱着ガス放出部14から放出される可燃性VOCガスを、効率良く燃焼できるようになっている。また、燃焼部4内に備えられた燃焼器4aとしては、燃焼式バーナ、抵抗型電熱器、誘導コイル型電熱器、あるいはこれらを組み合わせたものなどが用いられるが、この例では、燃焼式バーナを例示する。
また、燃焼ガス排出部16は、チャンバ30の中心部に、その上端部16aがチャンバ30の上面30aから突出するように設けられた円筒状のものである。このようにすれば、可燃性VOCガスの燃焼ガスを装置外へ効率良く排出することができる。さらに、燃焼ガス排出部16は、燃焼部4と連通されており、燃焼部4で燃焼させた可燃性VOCガスの排出を効率良く行うことができるようになっている。
なお、この実施形態では、各部の長手方向と垂直な断面形状が円形のチャンバ30、および長手方向と垂直な断面形状が円形の燃焼ガス排出部16を例示したが、本発明の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置にあっては、チャンバ30または燃焼ガス排出部16の長手方向と垂直な断面形状は、四角形状、矩形状などであってもよい。
吸着材2aとしては、排ガス中の可燃性VOCガスを選択的に吸着することができる活性炭、ゼオライト、あるいは、撥水性および/または親油性セラミックの焼結体などの細孔を多数有する多孔質材から選択される少なくとも1種が挙げられる。吸着材2aは、球形、円柱形、樽形、棒状、繊維状をなしていることが望ましいが、不定形のものでもよい。
吸着材2aは、その自重に応じた量の可燃性VOCを吸着することが可能である。したがって、想定される可燃性VOCガスの一回分の処理量に応じて、適宜、吸着材2aの使用量を決定すればよい。例えば、吸着材2aの使用量は、40℃以下の排ガスに含まれる可燃性VOCガスの1日〜1週間当たりの除去量の1〜2倍に相当する量を吸着可能な量とされる。
なお、吸着部2は、上記のように顆粒状の吸着材2aが収納部2b内に充填されたものに限らず、上記の多孔質体を膜状、板状、格子状などに形成したものであってもよい。
このような膜状、板状、格子状の吸着部2の大きさは、想定される可燃性VOCガスの一回分の処理量に応じて適宜決定される。
次に、この実施形態の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置における動作を説明しながら、本発明に係る可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法の一実施形態について説明する。
例えば、印刷・塗装工場、化学プラント、食品加工工場などから排出された、可燃性VOCガスを含む排ガスを、排ガス送入部1から、配管19およびバルブ20を介して吸着部2内に送入する。このとき、吸着部2内に送入する前に、あらかじめ、可燃性VOCガスを含む排ガスを、常温(40℃以下)程度に冷却しておくことが好ましい。バルブ20は、排ガスを吸着部2内に送入するときには開放し、排ガスを送入しないときには閉じている。
吸着部2内に送入された排ガスが吸着部2内の吸着材2aに接触すると、排ガス中の可燃性VOCガスが、吸着材2aに選択的に吸着されて、除去される(吸着過程)。この吸着過程において、可燃性VOCガスが吸着除去された排ガスは、排ガス放出部15から大気中に放出される。排ガス放出部15は、排ガスを大気中に放出するときに開放し、排ガスを放出しないときには閉じている。
この吸着過程において、可燃性VOCガスを含む排ガスの吸着部2内への送入と、可燃性VOCガスが吸着除去された排ガスの排ガス放出部15から大気中への放出を繰り返して、吸着材2aに、可燃性VOCガスを吸着限界まで吸着させる。
さらに、この吸着過程では、吸着部2内の可燃性VOCガスの濃度を検知部12によってモニタし、吸着材2aが可燃性VOCガスを吸着限界まで吸着したか判定する。
なお、検知部12を設けず、吸着部2内の可燃性VOCガスの濃度を検知しない場合には、吸着材2には可燃性VOCガスを吸着限界まで吸着させなくてもよい。
吸着材2aが可燃性VOCガスを吸着限界まで吸着した後、非支燃性ガス送入部6から、配管23およびバルブ24を介して、吸着部2内に非支燃性ガスを送入し、吸着部2における雰囲気中の酸素ガス濃度を8体積%未満とする(脱着準備過程)。さらに、吸着部2における雰囲気中の酸素ガス濃度を好ましくは5体積%未満とする。なお、この実施形態では、酸素ガス濃度が8体積%未満の雰囲気を酸素欠乏雰囲気ということもある。
吸着部2における雰囲気中の酸素ガス濃度が8体積%以上では、吸着部2内の可燃性VOCガスが爆発下限を超えた場合、静電気などで可燃性VOCガスが爆発するおそれがある。このように、吸着部2における雰囲気中の酸素ガス濃度を8体積%未満とすれば、爆発の危険を回避できるため、後段の脱着過程において、高温、高濃度の状態で可燃性VOCガスを脱着することができる。
また、非支燃性ガス送入部6から吸着部2内に送入される非支燃性ガスとしては、酸素濃度が8体積%以下の空気、窒素ガス、炭酸ガスなどの非支燃性ガスのうち少なくとも1種類を用いることが好ましい。これらの非支燃性ガスを、酸素ガスと置換することにより、吸着部2において、可燃性VOCガスが爆発するのを防止することができる。また、非支燃性ガスの温度、流速は、吸着材2aに吸着された可燃性VOCガスが揮発しない程度に、適宜設定される。さらに、非支燃性ガスの吸着部2内への送入量は、排ガス送入部1から吸着部2内へ送入された排ガスの総量の30分の1以下とする。
上記脱着準備過程において、吸着部2内の酸素欠乏雰囲気における酸素ガス濃度が8体積%以下、好ましくは1体積%以下となってから、吸着部2内の吸着材2aを熱交換部3にて直接加熱して、吸着材2aに吸着されている可燃性VOCガスを脱着する(脱着過程)。この脱着過程において、吸着材2aの温度を検知部12で検知して、制御部18で熱交換部3による吸着材2aの加熱温度を制御して、吸着材2aから可燃性VOCガスを脱着する際の吸着材2aの温度を制御する。このように、吸着材2aの温度を検知部12で直接測定することにより、吸着材2aの温度が低過ぎるか、あるいは高過ぎることによって生じる不具合を防止することができる。
また、この脱着過程において、吸着材2aの温度を200〜800℃とすることが好ましい。特に、後述の賦活再生過程を同時に行う場合には、吸着材2aの温度を400〜800℃とすることが好ましい。吸着材2aの温度を上記範囲とすれば、吸着材2aから可燃性VOCガスを高濃度で、短時間に脱着することができる。
吸着材2aを加熱する温度が200℃未満では、可燃性VOCガスを脱着するのに要する時間が長くなり、吸着材2aに吸着された可燃性VOCガスを完全に脱着できなくなるなど、脱着の効率が十分ではなくなる場合がある。吸着材2aを加熱する温度が800℃を超えると、吸着材2aが熱劣化するおそれと、加温エネルギーの負荷が大きくなり不利である。
さらに、この脱着過程において、吸着材2aの温度を200〜800℃とし、酸素欠乏雰囲気における酸素ガス濃度を8体積%以下とした場合に、脱着時間、すなわち、熱交換部3による吸着材2aの加熱時間を、吸着材2aから可燃性VOCガスを完全に脱着するために必要とされる時間とする。
吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスを、吸着部2から脱着ガス放出部14および配管26を介して混合部8へ送出する。これと同時に、燃焼空気供給部7から、少なくとも吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスを完全燃焼させる量の酸素を含む空気を、配管25を介して混合部8に供給する。これにより、混合部8において、吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスと、燃焼空気供給部7から供給された空気とが混合され、混合ガスとされる(混合過程)。
そして、混合部8から配管27および混合ガス放出部9を介して、混合ガスを燃焼部4に放出する(放出過程)。この放出過程において、可燃性VOCが吸着材2aから脱着されて気化する際の体積膨張、加熱による可燃性VOCガスの体積熱膨張、非支燃性ガス送入部6から吸着部2への非支燃性ガスの送入圧力、および、この非支燃性ガスのベンチュリー効果を推力として、混合ガスを混合部8から燃焼部4に放出する。このとき、非支燃性ガスの流量および流速は、可燃性VOCガスの量、燃焼部4における燃焼効率などを考慮して、適宜設定される。
このように可燃性VOCガスの体積熱膨張、非支燃性ガスの送入圧力およびベンチュリー効果を推力とすれば、逆止弁などからなる脱着ガス放出部14を開放するだけで、可燃性VOCガスを吸着部2から燃焼部4へと自動的に送入することができる。特に、非支燃性ガスの送入圧力およびベンチュリー効果を推力とする方法によれば、非支燃性ガスの送入により、強制的に可燃性VOCガスが吸着部2から燃焼部4へと送入されるから、可燃性VOCガスの体積熱膨張のみを推力とした場合よりも、効率良く送入される。さらに、吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスを吸着部2内に残留することなく、燃焼部4に送入することができる。
この放出過程において、非支燃性ガス送入部6から吸着部2への非支燃性ガスの送入量を、単位時間当たり一定としても、混合ガスの移動(燃焼部4への放出)の進行状況に応じて、連続的あるいは断続的に変化させてもよい。また、燃焼部4における可燃性VOCガスの燃焼終了直前に、非支燃性ガス送入部6から吸着部2へ非支燃性ガスを送入することにより、混合ガスを混合部8から燃焼部4に放出してもよい。
ここで、本発明におけるベンチュリー効果を推力とする方法による具体的な現象は、配管25を通る空気が、配管25よりも流路の狭い混合部8内に入ると流速を増して、混合部8内の圧力が低下するため、その結果として、吸着部2から脱着ガス(可燃性VOCガス)が配管26内に吸い出される現象のことである。
さらに、この放出過程において、燃焼空気供給部7から供給される酸素を多量に含む空気の量を、吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスを完全燃焼させるために必要な量よりも多くすることにより、熱交換部3による吸着部2の加熱温度を制御する(高くする)ことができる。
燃焼部4内に放出された混合ガス雰囲気を、酸素ガス濃度が8体積%以上、好ましくは15体積%以上の有酸素雰囲気とし、この混合ガスを燃焼部4に備えられている燃焼式バーナからなる燃焼器4aで燃焼し、分解する(燃焼過程)。この燃焼過程において、燃焼器4aには、燃料供給部13から配管21を介して、混合ガスを燃焼するための燃料が供給される。
この燃焼過程において、燃焼部4内の混合ガス雰囲気中の酸素ガス濃度が8体積%未満では、混合ガスの燃焼効率が悪くなり、不完全燃焼となる。
混合ガスを燃焼することによって発生した燃焼ガスを、燃焼ガス排出部16を経由して、後処理部17内に送入し、この燃焼ガス中に含まれている硫黄、塩素などの有害物質を、吸収、吸着または中和して除去する(後処理過程)。続いて、後処理部17で、硫黄、塩素などの有害物質が除去されて無害化された燃焼ガスは、後処理部17から、大気中へと放出される。
この後処理過程において、硫黄、塩素などの有害物質を、吸収、吸着または中和する処理剤としては、例えば、亜硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、石灰、アンモニア、苛性ソーダ、アルカリイオン水、水などの中から選択される1種または2種以上を含むアルカリ性イオン水などが用いられる。
混合ガスの燃焼終了後に、冷却部11から吸着部2および加熱部5に非支燃性ガスもしくは空気を送入し、吸着部2および加熱部5を冷却する(冷却過程)。この冷却過程において、吸着材2aの温度が200℃以下になるまで、冷却部11から吸着部2および加熱部5に非支燃性ガスを送入し、吸着材2aが200℃以下になった後、冷却部11から吸着部2および加熱部5に空気を送入して吸着材2aの温度を40℃以下にすることが好ましい。
吸着材2aが活性炭からなる場合、吸着材2aの温度が200℃以上では、酸素ガスを多量に含む支燃性ガス中では活性炭が酸化され損耗が大きいため、吸着材2aの温度が200℃以下になるまで非支燃性ガスで冷却する。吸着材2aの温度が200℃以下になれば、活性炭が酸化され難くなるから、吸着材2aを空気で冷却する。
また、可燃性VOCガスは低温であるほど、吸着材2aに吸着され易くなる。この冷却過程において、吸着材2aの温度を40℃以下となるように冷却することが好ましい。そこで、吸着材2aから脱着された可燃性VOCガスの燃焼が終了する毎に、吸着材2aを冷却することにより、吸着材2aが可燃性VOCガスを吸着する量を多くすることができる。
さらに、この冷却過程において、非支燃性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、酸素ガス濃度が8体積%以下の空気などが用いられる。
上記吸着過程、脱着準備過程、脱着過程、混合過程、放出過程、燃焼過程、後処理過程、冷却過程を繰り返すうちに、吸着材2aの細孔が蓄積物で閉塞されて、吸着材2aの可燃性VOCガスの吸着能力が低下してくる。そこで、上記一連の過程(可燃性VOCガスの吸着、脱着)を、50〜100回繰り返す毎に1回、賦活水供給部10から、配管28およびバルブ29を介して吸着部2に水分を供給し、吸着部2を賦活再生する(賦活再生過程)。
また、この賦活再生過程において、吸着材2aの温度を400℃以上とした後、賦活水供給部10から吸着部2に水分を供給することが好ましく、400〜600℃とすることがより好ましい。吸着材2aの温度を400℃以上としてから、吸着部2に水分を供給すれば、吸着材2aに蓄積した蓄積物を効率的に除去し、吸着材2aを再生し、可燃性VOCガスの吸着能力を元の状態に回復することができる。
また、この賦活再生過程において、非支燃性ガス送入部6から吸着部2へ送入する非支燃性ガスの送入圧に推力として、賦活水供給部10から吸着部2に、水蒸気、超音波やアトマイザーで霧化した水分を供給することが望ましい。このようにすれば、微細化した水分が加圧されて吸着材2aと接触するため、吸着材2aの細孔に水分が入り込み易くなり、吸着材2aの賦活再生を効率的に行うことができる。
さらに、この賦活再生過程は、上記脱着準備過程、脱着過程、混合過程、放出過程および燃焼過程と同時に行ってもよい。
なお、吸着材2aが活性炭からなる場合、活性炭の賦活再生により、活性炭の酸化による損耗が生じる。活性炭が損耗した場合、その分だけ活性炭を補充する。
この実施形態の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法では、吸着部2内の可燃性VOCガス濃度および吸着材2aの温度を検知部12で検知して、吸着過程から脱着準備過程への移行、脱着準備過程から脱着過程への移行、脱着過程から混合過程への移行、混合過程から放出過程への移行、放出過程から燃焼過程への移行、燃焼過程から冷却過程への移行、脱着準備過程、脱着過程、混合過程、放出過程、燃焼過程および冷却過程から賦活再生過程への移行を、制御部18によって制御する。さらに、吸着部2内の酸素ガス濃度を検知部12で検知して、脱着準備過程から脱着過程への移行を、制御部18によって制御する。
この実施形態の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法にあっては、吸着部2内の可燃性VOCガス濃度または酸素ガス濃度の検知結果に基づいて、制御部18によって各部の制御を行うことができるから、上記の前段の処理過程から、後段の処理過程への移行を自動で行うことができる。また、吸着部2内の可燃性VOCガス濃度または酸素ガス濃度の検知によって、処理過程が移行するから、各処理過程において処理の完了したことを容易に確認することができる。
次に、本発明に係る可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムの一実施形態について説明する。
図3は、本発明に係る可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムの一実施形態を模式的に示す構成図である。
この実施形態の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムは、上述の本発明に係る可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置と同様の構造を有するがガス処理装置が2つ組み合わされてなるものである。
この実施形態の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムは、排ガスに含まれる可燃性VOCガスを吸着および脱着する第一の吸脱着塔31、第二の吸脱着塔32と、これらのそれぞれに一体に設けられた加熱部33、34と、この加熱部33、34に燃料を供給する燃料供給部35と、第一の吸脱着塔31および第二の吸脱着塔32に酸素ガスと置換する不活性ガスを供給する不活性ガス供給部36と、これら各部の動作をモニタし、その動作を制御する制御部37とから概略構成されている。
この実施形態では、第一のガス処理装置は、第一の吸脱着塔31と、加熱部33と、燃料供給部35と、不活性ガス供給部36と、制御部37とから概略構成されている。また、第二のガス処理装置は、第二の吸脱着塔32と、加熱部34と、燃料供給部35と、不活性ガス供給部36と、制御部37とから概略構成されている。
次に、この実施形態における可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムの動作例を説明する。
この実施形態では、第一の吸脱着塔31が排ガス中の可燃性VOCガスを吸着する処理を行う状態(吸着モード)であり、第二の吸脱着塔32が、この吸脱着塔内に備えられた吸着部に吸着された可燃性VOCガスを脱着、燃焼する処理を行う状態(脱着、燃焼モード)である。
(吸着モード)
まず、吸着モードの第一の吸脱着塔31において、開閉弁38を開放し、可燃性VOCガスを含む排ガスを、第一の吸脱着塔31内の吸着部へ送入する。このとき、第一の吸脱着塔31と不活性ガス供給部36と連結する配管に設けられた開閉弁39は閉じておく。
次いで、可燃性VOCガスが吸着除去された排ガスは、第一の吸脱着塔31から、連絡管40を介して、加熱部33に送入され、ここから大気中に放出される。このとき、燃料供給バルブ41は閉じており、燃料供給35から加熱部33への燃料の供給は行われずに、加熱部33内に備えられた燃焼式バーナは休止している。
(脱着、燃焼モード)
まず、第二の吸脱着塔32内の吸着部に備えられた吸着材が、吸着限界まで可燃性VOCガスを吸着したら、バルブ42を閉じて、可燃性VOCガスを含む排ガスの第二の吸脱着塔32内への送入を停止する。
次いで、第二の吸脱着塔32と不活性ガス供給部36と連結する配管に設けられたバルブ43を開放し、第二の吸脱着塔32の吸着部内における雰囲気中の酸素ガス濃度が8体積%未満となるまで、不活性ガス供給部36から第二の吸脱着塔32の吸着部内に不活性ガスを送入する。
次いで、燃料供給バルブ45を開放して、加熱部33内に備えられた燃焼式バーナを点火し、第二の吸脱着塔32を加熱する。
次いで、加熱された第二の吸脱着塔32の吸着部内に備えられた吸着材から可燃性VOCガスが脱着して、連絡管44を介して加熱部34に送入され、加熱部33内に備えられた燃焼式バーナで燃焼される。
次いで、燃焼処理された可燃性VOCガスの排ガスは、後処理過程によって、硫黄、塩素などの有害物質が除去された後、大気中に放出される。
この脱着、燃焼モードにおいては、あらかじめプログラムされた順序にしたがって、バルブ43が制御部37によって自動的に開放され、不活性ガス供給部36から第二の吸脱着塔32内へ不活性ガスが送入される。
次いで、第二の吸脱着塔32の吸着部内における可燃性VOCガス濃度が所定濃度以下になると、燃料供給バルブ45を閉じて、加熱部33内に備えられた燃焼式バーナを停止する。
次いで、バーナ停止後、自然放置もしくは大気送入により冷却し、第二の吸脱着塔32内の温度が40℃未満になったら、吸着モードへ移行する。
この実施形態の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムを用いた可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法では、第一の吸脱着塔31の吸着部内および第二の吸脱着塔32の吸着部内における可燃性VOCガス濃度、酸素ガス濃度および温度を検知部46、47で検知し、その結果を制御部37でモニタして、各バルブの開閉の制御を行う。
これにより、各処理過程における後段の処理過程への移行を自動的に行うことができる上に、上記「吸着モード」から「脱着、燃焼モード」への移行も自動的に行うことができる。さらに、各処理過程において処理の完了したことを容易に確認することができる。
また、上記「吸着モード」と「脱着、燃焼モード」を、第一の吸脱着塔31と第二の吸脱着塔32で交互に実施することで、常時、排ガスに含まれる可燃性VOCガスの処理が可能となり、効率良く可燃性VOCガスを処理することができる。
なお、本発明の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムにあっては、本発明の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置と同様の構造を有するガス処理装置(この実施形態では、第一のガス処理装置、第二のガス処理装置)を、さらに多く(3つ以上)組み合わせて用いれば、より効率良く、排ガスに含まれる可燃性VOCガスの処理を行うことができる。
本発明の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置、可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムおよび可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法は、数ppm程度のガスの脱臭の用途として、印刷、塗装、化学プラント・食品加工における各種処理装置にも適用可能である。
本発明に係る可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置の一実施形態を模式的に示す構成図である。 本発明に係る可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置を構成するチャンバを模式的に示す構成図である。 本発明に係る可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システムの一実施形態を模式的に示す構成図である。
符号の説明
1・・・排ガス送入部、2・・・吸着部、3・・・熱交換部、4・・・燃焼部、5・・・加熱部、6・・・非支燃性ガス送入部、7・・・燃焼空気供給部、8・・・混合部、9・・・混合ガス放出部、10・・・賦活化水供給部、11・・・冷却部、12・・・検知部、13・・・燃料供給部、14・・・脱着ガス放出部、15・・・排ガス放出部、16・・・燃焼ガス排出部、17・・・後処理部、18・・・制御部、30・・・チャンバ。

Claims (12)

  1. 可燃性の揮発性有機化合物ガスを含む排ガスを吸着部に送入する排ガス送入部と、該排ガスに含まれる可燃性の揮発性有機化合物ガスを選択的に吸着する吸着部と、該吸着部に非支燃性ガスを送入する非支燃性ガス送入部と、前記吸着部を加熱し、前記吸着部に吸着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを脱着するとともに、前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを燃焼する加熱部と、該加熱部に少なくとも前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを完全燃焼させる量の酸素を含む空気を供給する燃焼空気供給部と、前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガス、および、前記燃焼空気供給部から供給された前記空気を混合して混合ガスとする混合部と、該混合ガスを前記加熱部に放出する混合ガス放出部と、前記吸着部に水分を供給する賦活化水供給部と、前記吸着部および前記加熱部に非支燃性ガスもしくは空気を送入する冷却部と、前記吸着部における可燃性の揮発性有機化合物ガス濃度、酸素ガス濃度および温度を検知する検知部とを備えたことを特徴とする可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置。
  2. 前記吸着部は、活性炭、ゼオライト、あるいは、撥水性および/または親油性セラミックの焼結体の多孔質材から選択される少なくとも1種の吸着材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置。
  3. 前記加熱部は、前記吸着部を加熱して、前記吸着部に吸着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを脱着する熱交換部、および、前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを燃焼する燃焼部からなり、かつ、前記吸着部と一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置を少なくとも2つ用いたことを特徴とする可燃性の揮発性有機化合物ガス処理システム。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理装置を用いた可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法であって、
    前記排ガス送入部から送入された排ガスに含まれる可燃性の揮発性有機化合物ガスを前記吸着部で選択的に吸着除去する吸着過程と、可燃性の揮発性有機化合物ガスを吸着した前記吸着部に前記非支燃性ガス送入部から非支燃性ガスを送入し、前記吸着部における雰囲気中の酸素ガス濃度を8体積%未満とする脱着準備過程と、該酸素ガス濃度が8体積%未満の雰囲気下において、前記吸着部を前記熱交換部にて加熱して可燃性の揮発性有機化合物ガスを脱着する脱着過程と、前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスと、前記燃焼空気供給部から供給された、少なくとも前記吸着部から脱着された可燃性の揮発性有機化合物ガスを完全燃焼させる量の酸素を含む空気とを前記混合部にて混合して混合ガスとする混合過程と、該混合ガスを前記燃焼部に放出する放出過程と、前記燃焼部に放出された前記混合ガスを燃焼させる燃焼過程と、前記混合ガスの燃焼終了後に、前記冷却部から前記吸着部および前記加熱部に非支燃性ガスもしくは空気を送入し、前記吸着部および前記加熱部を冷却する冷却過程と、前記賦活水供給部から前記吸着部に水分を供給し、前記吸着部を賦活再生する賦活再生過程とを有することを特徴とする可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法。
  6. 前記脱着過程において、前記吸着材の温度を200〜800℃とすることを特徴とする請求項5に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法。
  7. 前記放出過程において、可燃性の揮発性有機化合物が前記吸着部から脱着して気化する際の体積膨張、加熱による可燃性の揮発性有機化合物ガスの体積熱膨張、前記非支燃性ガス送入部から前記吸着部への非支燃性ガスの送入圧力、および、該非支燃性ガスのベンチュリー効果を推力として、前記混合ガスを前記混合ガス放出部から前記燃焼部へ放出することを特徴とする請求項5または6に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法。
  8. 前記冷却過程において、前記吸着材の温度が200℃以下になるまで、前記冷却部から前記吸着部および前記加熱部に非支燃性ガスを送入し、前記吸着材が200℃以下になった後、前記冷却部から前記吸着部および前記加熱部に空気を送入して前記吸着材の温度を40℃以下にすることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法。
  9. 前記賦活再生過程において、前記吸着材の温度を400℃以上とした後、前記賦活水供給部から前記吸着部に水分を供給することを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法。
  10. 請求項5ないし9のいずれか1項に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法において、
    前記吸着部における可燃性の揮発性有機化合物ガス濃度を検知して、前記吸着過程から前記脱着準備過程への移行を制御し、前記燃焼過程から前記冷却過程への移行を制御し、前記燃焼過程における前記混合ガスの供給を制御することを特徴とする可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法。
  11. 請求項5ないし9のいずれか1項に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法において、
    前記吸着部における酸素ガス濃度を検知して、前記脱着準備過程から前記脱着過程への移行を制御することを特徴とする可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法。
  12. 請求項5ないし9のいずれか1項に記載の可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法において、
    前記吸着部の温度を検知して、前記吸着部から可燃性の揮発性有機化合物ガスを脱着する際の前記吸着部の温度を制御することを特徴とする可燃性の揮発性有機化合物ガス処理方法。

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