JPH09267026A - 有害成分吸収除去装置 - Google Patents

有害成分吸収除去装置

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JPH09267026A
JPH09267026A JP8079040A JP7904096A JPH09267026A JP H09267026 A JPH09267026 A JP H09267026A JP 8079040 A JP8079040 A JP 8079040A JP 7904096 A JP7904096 A JP 7904096A JP H09267026 A JPH09267026 A JP H09267026A
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Japan
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reaction chamber
exhaust gas
absorber
absorbent body
harmful component
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JP8079040A
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Kazuteru Shinohara
一照 篠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気中の有害成分を、二次公害をおこすこと
なく簡単かつ確実に吸収除去できる吸収体を使用して、
なおかつ大形でかつ長時間にわたって連続運転されるよ
うな燃焼炉からの大量の排気を処理する能力を有する有
害成分吸収除去装置を提供する。 【解決手段】 上記吸収体Sが、燃焼炉からの排気と接
触可能な状態で充てんされる反応室2の上部に吸収体の
供給部3、下部に排出部4をそれぞれ接続するととも
に、上記反応室2内に、供給部3から排出部4への吸収
体の流路を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼炉から出る
排気中に含まれる有害成分を吸収し、除去する有害成分
吸収除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】焼却炉等の燃焼炉から排出される排気中
には、塩化水素HCl等の塩素化合物、ふっ化水素HF
等のふっ素化合物、あるいは二酸化イオウSO2 等のイ
オウ酸化物などの有害成分が含まれるが、これら有害成
分は、大気汚染防止法によって大気中への排出量が規制
されており、この法律を遵守するためには、これら有害
成分を排気中から除去しなければならない。
【0003】排気中から、上記塩素化合物等の有害成分
を除去する方法としては従来、排気を水酸化ナトリウム
水溶液で洗浄して中和する方法や、あるいは消石灰との
反応を利用した方法が一般的である。このうち後者の、
消石灰との反応を利用した方法は、具体的には、塩素化
合物等の有害成分が、消石灰の主成分である水酸化カル
シウムCa(OH)2 と反応をし、それによって無害化
されるとともに、排気中から除去されることを利用した
ものである。この消石灰との反応を利用した除去方法に
は、消石灰の微粉末を排気ダクト内に吹き込んで混合し
ながら反応させる乾式の方法と、消石灰を水に溶かした
水溶液やスラリーを、排気と接触させつつ反応させる湿
式の方法とがある。
【0004】ところが、排気を水酸化ナトリウム水溶液
で洗浄して中和する方法では、(1) 炉からの高温の排気
を、上記水酸化ナトリウム水溶液と接触させるために1
00℃以下まで冷却する必要があり、そのために大量の
冷却水を必要とする、(2) 大量の水酸化ナトリウム水溶
液を必要とし、それが反応生成物を含む多量の汚濁水と
なるため、この汚濁水を水質汚濁防止法に適合するまで
浄化するには大掛かりな水処理設備が必要となる、(3)
反応生成物は、二次公害の原因となる汚泥として取り扱
われるものであり、その処理が容易でない、等の問題が
ある。
【0005】また、消石灰を利用した方法のうち前者の
乾式の方法の場合、(4) 消石灰の微粉末の1粒ずつは、
ごく僅かな量の有害成分としか反応できず、しかも一度
反応した微粉末は再使用が不可能であるため、消石灰の
微粉末を多量に必要とする、(5) 微粉末状の消石灰を多
量に貯留するには、外気を遮断し、かつ吸湿防止対策を
施したタンクを必要とするため、設備が大掛かりにな
る、(6) 消石灰の微粉末は、上記のように再使用が不可
能であるため、排気中の有害成分の濃度および量に釣り
合うだけの消石灰の微粉末を排気中に供給するには高度
の技術が必要であり、やはり設備が大掛かりになる上、
たとえ高度な技術を利用しても、微粉末の供給量を完全
にコントロールするのは困難であり、その供給量が不足
して、有害成分が大気中に放出されるおそれがあって信
頼性に欠ける、(7) 有害成分と反応した消石灰の微粉末
自体が、大気汚染等の二次公害のもとになる粉塵として
扱われるものであり、これを排気中から確実に除去する
には、有害成分除去のための装置よりも大掛かりな、電
気集塵機やバグフィルター等が必要となる上、回収した
粉塵の処理も容易でない、(8) 上記電気集塵機やバグフ
ィルターは、300℃以上の高温には耐えられないの
で、炉からの高温の排気を、300℃以下に冷却する冷
却機器が必要となり、さらに設備が大掛かりになる、等
の問題がある。
【0006】さらに、消石灰を利用した方法のうち後者
の湿式の方法の場合は、基本的に、前記(1) 〜(3) と同
様の、冷却水の消費量の問題や汚濁水処理、汚泥処理等
の問題を有する上、(9) 反応生成物であるカルシウム塩
が、たとえば排気ダクト内等に析出し、ダクトを詰まら
せて炉の運転を停止させるというトラブルを発生するお
それもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで発明者は先に、
上記消石灰等の、排気中の有害成分と反応しうるカルシ
ウム化合物を有効成分として含有する、粒状、塊状ある
いは砕片状等の、比較的サイズの大きな状態の、有害成
分の吸収体を製造し、これを、煙突等の、燃焼炉からの
排気の通路の途中に配置した有害成分吸収除去装置の反
応室内に充てんして、当該通路を通る排気と接触させる
ことで、排気中の有害成分を吸収、除去することを提案
した(たとえば特開平7−253208号公報、特開平
7−275694号公報、特開平8−47617号公報
等参照)。
【0008】上記の技術によれば、消石灰等のカルシウ
ム化合物を、上記のように所定の形状を有する比較的サ
イズの大きな状態の吸収体として、乾式で使用するた
め、二次公害のもとになる粉塵や汚濁水や汚泥等が発生
せず、よってかかる粉塵等を処理する設備が不要とな
る。また上記吸収体を、炉からの高温の排気と直接に接
触させて、その熱を反応促進に利用しており、排気を冷
却する必要がないため、かかる排気を冷却する冷却機器
も不要となる。したがって上記の技術によれば、有害成
分吸収除去装置の構造を簡略化できるという利点があ
る。
【0009】しかし上記の装置は、比較的小型で、かつ
短時間、運転されるものが多い焼却炉に適した小型のも
のであって、吸収体の収容量が小さいために、たとえば
ゴミ焼却場等の、大形でかつ長時間にわたって連続運転
されるような燃焼炉からの大量の排気の処理には適さな
いという問題があった。すなわち前記吸収体中の有効成
分は、排気中の有害成分と反応するものであって、上記
有効成分が一旦、有害成分と反応してしまった吸収体は
再使用できないため、かかる吸収体の収容量が小さい上
記の装置では、反応室に1回に充てんした吸収体によっ
て吸収しうる有害成分の量、ひいては処理しうる排気の
量が限られており、上記のように大量の排気を処理でき
ないのである。
【0010】この発明の目的は、排気中の有害成分を、
二次公害をおこすことなく簡単かつ確実に吸収除去でき
る吸収体を使用して、なおかつ大形でかつ長時間にわた
って連続運転されるような燃焼炉からの大量の排気を処
理する能力を有する有害成分吸収除去装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の有害成分吸収除去装置は、有害成分を吸
収しうる成分を含有した、粒状、塊状または砕片状の吸
収体が、燃焼炉からの排気と接触可能な状態で充てんさ
れる反応室を備え、当該反応室内の吸収体によって、排
気中に含まれる有害成分を吸収、除去する装置であっ
て、上記反応室の上部に吸収体の供給部、下部に排出部
がそれぞれ接続されているとともに、反応室内に、供給
部から排出部への吸収体の流路が構成されていることを
特徴とするものである。
【0012】上記構成からなる、この発明の有害成分吸
収除去装置においては、反応室内に充てんされた古い吸
収体を、当該反応室内の流路を通して、排出部から室外
に排出するとともに、供給部から新たな吸収体を反応室
内に供給し、充てんすることで、当該反応室内の吸収体
を交換できる。よってこの発明によれば、たとえば燃焼
炉の運転中に定期的にあるいは不定期に、有害成分を吸
収した古い吸収体を新たな吸収体と交換することで、大
形でかつ長時間にわたって連続運転されるような燃焼炉
からの大量の排気を、連続的に処理することが可能とな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の有害成分吸収
除去装置を、その一例を示す図面を参照しつつ説明す
る。まず図1の有害成分吸収除去装置について説明す
る。図の装置は、図示しない燃焼炉からの排気の流路に
接続される装置本体1と、その内部に吸収体Sを充てん
した状態で上記装置本体1内に配置された、上記吸収体
Sを、図中黒矢印で示す燃焼炉からの排気と接触させ
て、当該排気中の有害成分を吸収体Sによって吸収、除
去させるための反応室2と、この反応室2の上部に接続
された吸収体Sの供給部3と、下部に接続された排出部
4と、上記供給部3を通して反応室2内に充てんされる
吸収体Sが貯蔵されるホッパ5とを備えている。そし
て、反応室2内の吸収体Sによって有害成分が吸収、除
去された排気は、図中白矢印で示すように、装置本体1
内の排気の流路に沿って、装置外へ排出される。
【0014】上記各部のうち装置本体1は、図2、3に
もみるように途中に大径部11を備えた横型の、略角筒
状に形成されており、この大径部11内に、内部に吸収
体Sを充てんした反応室2が、排気の流路と交差するよ
うに配置されている。また上記装置本体1内の、反応室
2より排気の流路の上流側には、角度可変式のダンパD
1が配置されている。このダンパD1は、燃焼炉からの
排気を上下に分配して、反応室2の反応室2の全体にゆ
きわたらせるためのものである。
【0015】かかるダンパD1を設けずに、燃焼炉から
の排気を反応室2の全体にゆきわたらせるには、装置本
体1の、大径部11より上流側のろう斗状の部分12の
長さを長くしなければならない。これに対してダンパD
1を設けた場合には、ろう斗状の部分12の長さを短く
できるために、装置全体の長さを短くして、当該装置の
設置面積を大幅に減少できるという利点がある。
【0016】なお上記装置本体1の、大径部11より下
流側には、図1では、上記と同様にろう斗状の部分13
が設けられており、図2ではかかる部分が設けられてい
ないが、このいずれの構成とするかは、有害成分吸収除
去装置の下流側に接続する機器の形状、寸法等に応じ
て、適宜選択できる。これは上流側の部分12について
も同様である。
【0017】そして、図1に示すように大径部11より
下流側にろう斗状の部分13を設けた場合には、やはり
当該部分の長さを短くして、装置の設置面積を減少する
ために、同図中に示すように装置本体1内の、反応室2
より排気の流路の下流側に、反応室2の反応室2を通過
した排気を集める、角度可変式のダンパD2を配置する
のが好ましい。かかるダンパD2を設けない場合には、
反応室2の上流側よりも下流側の方が高圧になるいわゆ
る負圧等を生じないようにするために、上記ろう斗状の
部分13の長さを長くしなければならない。
【0018】上記ダンパD1、D2による、装置全体の
長さを短くする効果の一例をあげると、たとえば装置本
体1の大径部11の断面を2500mm×2500m
m、装置前後の配管の断面を1000mm×1000m
mとした場合に、ダンパD1、D2を設けないと、燃焼
炉からの排気を反応室2の全体にゆきわたらせるため
に、大径部11とその前後のろう斗状の部分12、13
との合計の長さはおよそ5000mm必要である。しか
し、同じ断面寸法でダンパD1、D2を設けた場合に
は、大径部11とその前後のろう斗状の部分12、13
の合計の長さを、上記の半分の2500mmにでき、装
置の設置面積を半分にできる。
【0019】ダンパD1、D2は、前記負圧等を生じな
いように、その角度が調整される。なお反応室2の上流
側および下流側の圧力は、装置本体1のそれぞれの位置
に配置した圧力計PI1 、PI2 により計測される。上
記装置本体1内に配置される反応室2は、図4にも示す
ように、縦型で角筒状の本体21を備えており、この本
体21内に、その上部の開口2aから下部の開口2bへ
かけて、供給部3から排出部4への吸収体Sの流路が構
成されている。
【0020】また上記本体21の、互いに平行な2側部
21a、21aには、多数の横長の通孔21bが形成さ
れているとともに、図5にも示すように、上記両側部2
1a、21aの、各通孔21bに対応する位置には、通
孔21bの下縁部から外方かつ上方へ向けて、多数の傾
斜状の案内板22が設けられている。また上記本体21
内には、上記吸収体Sの流路に沿って、3枚の補強板2
3が縦向けに配置されている。
【0021】上記のうち案内板22は、通孔21bから
本体21の外へこぼれ出た吸収体Sを本体21内へ戻す
とともに、図5に二点鎖線の矢印で示すように、燃焼炉
からの排気を通孔21bから本体21内へ案内し、当該
本体21内の吸収体Sで処理された排気を通孔21bか
ら本体21外へ案内するためのものである。また上記案
内板22は、本体21の側部21a、21aの補強とし
ても機能している。
【0022】上記の構成によれば、反応室2を金網やパ
ンチングプレート等で構成した場合のように、粒径の小
さな吸収体がこぼれるおそれがない上、高温の排気にさ
らされても、側部21a、21aが、上記金網等のよう
に熱膨張して変形するおそれがない。このため、上記の
変形に伴う、本体21内での吸収体の流通が妨げられる
おそれがなく、供給部3から排出部4へ、吸収体Sを常
にスムーズに流通させることができ、たとえば燃焼炉の
運転中における吸収体の交換がさらに容易になる。
【0023】上記反応室2は、装置本体1に対して着脱
自在としておくのが好ましい。かかる構成によれば、反
応室2内に充てんされる吸収剤Sの層の厚み、すなわち
側部21a、21a間の距離等を、処理する排気の性状
に合わせて変更する必要が生じた場合(これは装置を実
際に運転してみて初めて明らかとなることが多い)に、
反応室2のみを交換すればよく、既に設置した装置全体
を交換する必要がないという利点がある。
【0024】上記反応室2の上部に接続される供給部3
は、図2および図3に示すように、当該反応室2の上部
で、かつ装置本体1の大径部11の上面に接続されたケ
ーシング31と、このケーシング31内に回転自在に配
置されたかく拌棒32と、ケーシング31の上部に接続
されたスクリューコンベア33とを備えている。上記の
うちかく拌棒32は、外部に設けたモータM1により、
プーリP1 、P2とチェーンC1とを介して回転される
もので、スクリューコンベア33から供給された吸収体
Sをかく拌してかき均すことで、反応室2の本体21の
全幅にゆきわたらせるためのものである。
【0025】スクリューコンベア33からケーシング3
1内に供給された吸収体Sは、かく拌棒32でかく拌し
てかき均さないと、当該スクリューコンベア33の出口
付近が高く、反応室2の本体21の幅方向の両端付近が
低い山なりの分布を生じ、かかる山なりの分布では、上
記両端付近に生じる、吸収体Sより上のすき間を排気が
通過してしまって、有害成分が除去されないおそれがあ
るが、かく拌棒32でかく拌してかき均しておけば、こ
のような問題を生じることがない。
【0026】スクリューコンベア33は、前述したホッ
パ5内に貯蔵された吸収体Sを、上記ケーシング31内
に供給するためのもので、その名のとおり螺旋状のスク
リュー33aを回転させて、吸収体Sを搬送するもので
ある。上記スクリュー33aは、外部に設けたモータM
2により、プーリP3、P4とチェーンC2とを介して
回転される。
【0027】なお図1と、図2、3とではスクリューコ
ンベア33の向きが90°違っているが、これは機器の
配置スペース等に応じて適宜選択できる。反応室2の下
部に接続される排出部4は、当該反応室2の下部で、か
つ装置本体1の大径部11の下面に接続された略円筒状
のケーシング41と、このケーシング41内に回転自在
に配置された弁羽根42とを備えた、いわゆるロータリ
バルブであって、上記ケーシング41の下部に、古い吸
収体Sを排出するための排出口41aが形成されてい
る。また上記弁羽根42は、外部に設けたモータM3に
より、プーリP5、P6とチェーンC3とを介して回転
される。
【0028】上記各部からなる有害成分吸収除去装置に
おいては、排出部4の弁羽根42を回転させて、反応室
2内に充てんされた古い吸収体Sを、排出口41aから
排出するとともに、ホッパ5のスクリューコンベア51
と、供給部3のスクリューコンベア33とを運転し、さ
らに供給部3のかく拌棒32を回転させて、上記反応室
2内に新たな吸収体Sを供給して充てんすることによ
り、たとえば燃焼炉の運転中に定期的にあるいは不定期
に、反応室2内の吸収体Sを交換することができる。
【0029】つぎに、図6に示した有害成分吸収除去装
置について説明する。図の例の有害成分吸収除去装置
は、先のものよりもさらに大量の排気の処理に対応した
もので、装置本体1内に、供給部3および排出部4を接
続した反応室2を2つ設けるとともに、図中黒矢印およ
び白矢印で示される排気の流路の下流側の反応室2か
ら、排出部4を通して排出された古い吸収体Sを一旦、
ホッパ6に貯蔵した後、この古い吸収体Sを、排気の流
路の上流側の反応室2に、供給部3を通して供給するよ
うに、両反応室2を接続している。また上記下流側の反
応室2には、ホッパ5から、供給部3を通して新たな吸
収体Sが供給される。
【0030】上記以外の各部の構成はほぼ、先の図1の
ものと同様である。すなわち装置本体1は、上記2つの
反応室2を収容した大径部11と、その前後のろう斗状
の部分12、13とを備えた横型の、略角筒状に形成さ
れており、また2つの反応室2の上流側と下流側にはそ
れぞれ、角度可変式のダンパD1、D2が配置されてい
る。
【0031】反応室2の構造は先のものと同様である。
また供給部3は、ケーシング31と、このケーシング3
1内に回転自在に配置されたかく拌棒32とを備えてい
る。なおスクリューコンベアは、この場合、ホッパ5、
6に備えつけのもの(図中符号51、61)で代用して
省略している。さらに排出部4は、図1のものと同様の
ロータリバルブである。
【0032】上記のように2つの反応室2を設けた場合
には、前記のように、さらに大量の排気の処理に対応す
ることができる。また下流側の反応室2で使用した吸収
体Sを、上流側の反応室2で再利用するようにした場合
には、吸収体Sの利用効率が向上するという利点があ
る。つぎに、図7(a) 〜(c) に示した有害成分吸収除去
装置について説明する。
【0033】図の例の有害成分吸収除去装置は、図6の
ものよりもさらに大量の排気の処理に対応した大形のも
ので、装置本体1内に6つの反応室2を設けたものであ
る。この場合、各反応室2は、図中黒矢印および白矢印
で示される排気の流路と平行に配置されているととも
に、同図(c) にみるように、となりあう反応室2間のす
き間、および両端の反応室2と装置本体1とのすき間が
それぞれ、上記流路の上流側および下流側において交互
に塞がれている。
【0034】そして図中黒矢印で示す燃焼炉からの排気
は、一点鎖線の矢印で示すように各反応室2間の、上流
側が塞がれていないすき間に侵入し、反応室2を通過し
て、吸収体Sによって有害成分が除去された後、各反応
室2間の、下流側が塞がれていないすき間と、同じく下
流側が塞がれていない、反応室2と装置本体1とのすき
間から排出され、さらに白矢印で示すように装置外へ排
出される。
【0035】上記の構成によれば、燃焼炉からの排気
を、各反応室2にほぼ均等に分散して通過できるという
利点がある。装置本体1は、先の例と同様に、上記各反
応室2を内部に収容した大径部11と、その前後のろう
斗状の部分12、13とを備えた横型の、略角筒状に形
成されている。
【0036】なお図の場合には、装置本体1の入口から
反応室2に至る排気の流れ、および反応室2から装置本
体1の出口に至る排気の流れが、いずれも上述したよう
に先の例に比べて複雑でかつ長いために、反応室2の上
流側および下流側にダンパを設ける必要がなく、よって
ダンパを省略している。反応室2は、図の場合、金網で
構成されているが、先の例のものと同じ構造にしてもよ
い。
【0037】供給部3は、図(b) に示すように、となり
あう2つの反応室2ごとに1基、すなわち合計3基が設
けられている。各供給部3の構成は図1のものと同様で
あって、反応室2の上部で、かつ装置本体1の大径部1
1の上面に接続されたケーシング31と、このケーシン
グ31内に回転自在に配置されたかく拌棒32と、ケー
シング31上に接続されたスクリューコンベア33とを
備えている。なおかく拌棒32は、前記のようにスクリ
ューコンベア33からケーシング31内に供給された吸
収体Sが山なりになるのを防ぐ働きの他に、接続された
2つの反応室2に均等に吸収体Sを分配する働きもす
る。
【0038】排出部4は、反応室2の下部で、かつ装置
本体1の大径部11の下面に接続された略円筒状のケー
シング41と、このケーシング41内に回転自在に配置
された弁羽根42とを備えた、図1のものと同様のロー
タリバルブであって、上記ケーシング41の下部には、
古い吸収体Sを排出するための排出口41aが形成され
ている。
【0039】上記排出部4は、各反応室2ごとに1基ず
つ、つまり合計6基が設けられている。上記のように6
つの反応室2を設けた場合には、前記のように、さらに
大量の排気の処理に対応できるという利点がある。以上
で説明した各例の有害成分吸収除去装置に使用される吸
収体Sとしては、前述したように排気中の有害成分を吸
収しうる有効成分を含有した、粒状、塊状または砕片状
のものが使用される。
【0040】かかる吸収体としては、これに限定されな
いがたとえば、酸化カルシウムCaO、水酸化カルシウ
ムCa(OH)2 、炭酸カルシウムCaCO3 、および
水酸化マグネシウムMg(OH)2 のうちの少なくとも
1種を有効成分とする、粒径3〜30mmφ程度の粒子
があげられる。これらの有効成分により塩化水素が固形
化される反応は、下記のとおりである。 ・酸化カルシウム 2HCl+CaO→CaCl2 +H2 O ・水酸化カルシウム 2HCl+Ca(OH)2 →CaCl2 +2H2 O ・炭酸カルシウム CaCO3 →CaO+CO2 2HCl+CaO→CaCl2 +H2 O ・水酸化マグネシウム 2HCl+Mg(OH)2 →MgCl2 +2H2 O 上記の反応により塩化水素は、固形の塩化カルシウムC
aCl2 または塩化マグネシウムMgCl2 となり、排
ガス中から回収される。
【0041】また上記各有効成分によりふっ化水素が固
形化される反応は、下記のとおりである。 ・酸化カルシウム 2HF+CaO→CaF2 +H2 O ・水酸化カルシウム 2HF+Ca(OH)2 →CaF2 +2H2 O ・炭酸カルシウム CaCO3 →CaO+CO2 2HF+CaO→CaF2 +H2 O ・水酸化マグネシウム 2HF+Mg(OH)2 →MgF2 +2H2 O 上記の反応によりふっ化水素は、固形のふっ化カルシウ
ムCaF2 またはふっ化マグネシウムMgF2 となり、
排ガス中から回収される。
【0042】さらに上記各有効成分により二酸化いおう
が固形化される反応は、下記のとおりである。 ・酸化カルシウム SO2 +CaO+1/2 O2 →CaSO4 ・水酸化カルシウム SO2 +Ca(OH)2 +1/2 O2 →CaSO4 +H2
O ・炭酸カルシウム SO2 +CaCO3 +1/2 O2 →CaSO4 +CO2 ・水酸化マグネシウム SO2 +Mg(OH)2 +1/2 O2 →MgSO4 +H2
O 上記の反応により二酸化いおうは、固形の硫酸カルシウ
ムCaSO4 または硫酸マグネシウムMgSO4 とな
り、排ガス中から回収される。
【0043】なお上記反応に使用する吸収体としては、
上述した有効成分を、ベントナイト、水硬性セメント、
耐火キャスターまたは粘土等の固形化剤で固めた粒状の
ものが好適である。かかる固形化剤で処理をしていない
吸収体は、とくに塩化水素との反応によって生成した塩
化カルシウムが、排ガスの温度付近(およそ200〜3
00℃程度)での融解性を有するために、装置の運転中
に排ガスの熱で融解して、反応室内で一つに固まって流
動しなくなったりする等の問題を生じるおそれがある。
【0044】また上記塩化カルシウムや塩化マグネシウ
ムは潮解性をも有し、吸収除去装置33bから取り出す
と泥濘状を呈するために、投棄が困難であるという問題
もある。これに対し、有効成分を固形化剤で処理をした
吸収体は、当該固形化剤の作用によって、反応後も固形
を維持するので、上記のように反応室内で一つに固まっ
たりするおそれがなく、また投棄も容易である。
【0045】上記吸収体の粒径は、吸収体の内部まで十
分に反応させることと、取り扱いの容易さとを考慮する
と、前述したように直径3〜30mmφ程度、とくに5
〜30mmφ程度であるのが好ましい。また流動性を考
慮すると、吸収体は粒状、とくに球状に形成されるのが
好ましい。上記吸収体は、たとえば有効成分と固形化剤
と、さらに必要に応じて、吸収体の内部まで十分に反応
させるべく、固形化剤を多孔質化するための膨張剤とを
水とともに混練し、粒状等の所定の形状に成形したのち
乾燥させることで製造するのが好ましい。
【0046】膨張剤としては、セメント等の混和剤の1
種として知られる種々の化合物や組成物が、いずれも使
用可能である。また水硬性セメントには、それ自体が膨
張性を有するいわゆる膨張セメントなるものがあり、か
かる膨張セメントを固形化剤として使用して膨張剤を省
略するか、または他の固形化剤に膨張剤として添加して
もよい。また上記膨張セメントを固形化剤として使用
し、そこへさらに他の膨張剤を添加してもよい。
【0047】上記吸収体における、各成分の割合はとく
に限定されないが、固形化剤は、有効成分100重量部
に対して1〜50重量部程度の範囲で配合するのが好ま
しい。また膨張剤を配合する場合の配合量は、上記有効
成分、固形化剤および膨張剤からなる吸収体の総量中に
占める割合で表して、10〜15重量%程度であるのが
好ましい。
【0048】また上記膨張剤に代えて、活性炭の粉末を
添加してもよい。かかる活性炭粉末は、とくに燃焼の初
期の、およそ200℃以下の低温の炉内で発生する有害
なダイオキシンを吸着して、当該ダイオキシンが大気中
に放出されるのを防止する効果を有する。また上記活性
炭粉末は、排気の温度がその着火温度以上になると、排
気中の酸素と反応して燃焼し、二酸化炭素となって吸収
体中から揮散して、前述した膨張剤を添加した場合と同
様に吸収体を積極的に多孔質化する。このため、吸収体
の空隙率が増加して、有害成分の吸収、除去機能がさら
に向上する。
【0049】なおこの際、活性炭粉末に吸着されたダイ
オキシンは、当該活性炭粉末が燃焼する際に、塩化水素
等の塩素化合物と二酸化炭素に熱分解され、このうち有
害な塩素化合物は、前述した機構により、吸収体中の有
効成分によって吸収、除去される。このため、有害なダ
イオキシンや塩素化合物が大気中に放出されるおそれは
ない。
【0050】上記活性炭粉末の添加量は、有効成分10
0重量部に対して10〜30重量部程度であるのが好ま
しい。なおこの発明の有害成分吸収除去装置の構成は、
以上で説明した各図の例には限定されず、この発明の要
旨を変更しない範囲で、種々の設計変更を施すことがで
きる。
【0051】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の有害成
分吸収除去装置によれば、たとえば燃焼炉の運転中に定
期的にあるいは不定期に、有害成分を吸収した古い吸収
体を新たな吸収体と交換することができる。よってこの
発明によれば、大形でかつ長時間にわたって連続運転さ
れるような燃焼炉からの大量の排気を処理する能力を有
する、新規な有害成分吸収除去装置を提供できるという
特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の有害成分吸収除去装置の、実施の形
態の一例を示す概略断面図である。
【図2】上記装置の、排気の経路に沿う方向の縦断面図
である。
【図3】上記装置の、部分切り欠き側面図である。
【図4】上記装置のうち反応室の斜視図である。
【図5】反応室の部分拡大断面図である。
【図6】この発明の有害成分吸収除去装置の、実施の形
態の他の例を示す概略断面図である。
【図7】この発明の有害成分吸収除去装置の、実施の形
態のさらに他の例を示す図であって、同図(a) は排気の
経路に沿う方向の概略縦断面図、同図(b) は排気の経路
と直交する方向の概略縦断面図、同図(c) は横断面図で
ある。
【符号の説明】
2 反応室 3 供給部 4 排出部 S 吸収体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有害成分を吸収しうる成分を含有した、粒
    状、塊状または砕片状の吸収体が、燃焼炉からの排気と
    接触可能な状態で充てんされる反応室を備え、当該反応
    室内の吸収体によって、排気中に含まれる有害成分を吸
    収、除去する有害成分吸収除去装置であって、上記反応
    室の上部に吸収体の供給部、下部に排出部がそれぞれ接
    続されているとともに、反応室内に、供給部から排出部
    への吸収体の流路が構成されていることを特徴とする有
    害成分吸収除去装置。
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