JPS5943210B2 - 移動層式有害ガス除去装置における移動層形成方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は産業廃棄物、汚泥、都市ゴミ等の焼却炉等から
発生するＳＯｘ、ＨＣｔ等の有害ガスを排煙中より除去
する移動層式有害ガス除去装置における移動層形成方法
に関する。

産業廃棄物、汚泥、都市ゴミ等の焼却炉から発生する排
煙中にはＳＯｘ、ＨＣｔ等の有害ガスが含まれておりそ
のまま大気中に放出することは出来ない。

そこで、この種の炉には種々の有害ガス除去装置が備え
られている。

この種有害ガス除去装置には一般に湿式方式と乾式方式
のものとが知られており、従来湿式方式が広く採用され
ていた。

ところが、この湿式方式は排水処理設備等の付属設備を
必要とするという欠点があった。

そこで、本出願人は先に排水処理設備等の付属設備を必
要としない新規な乾式有害ガス除去装置である移動層式
有害ガス除去装置を提供した。

この移動層式有害ガス除去装置の概要は金網や多孔板等
からなる二枚の支持壁間にその上方よりＣａＣＯ５，Ｃ
ａＯ等の石灰粒を供給して満たし、これをその下方より
抜き出すことにより上記支持壁間に挾まれつつ順次降下
する石灰粒の移動層を形成し、この移動層内に上記支持
壁を通過させて排煙を通過させ、含有する有害ガスを上
記石灰粒と接触反応させて除去するものである。

ところが、この移動層式有害ガス除去装置には以下の如
き問題があった。

１ 移動層を挾んで支持する金網や多孔板等の通気性支
持壁の目即ち通気孔は吸収剤粉粒の漏洩を防止するため
出来る限り細かくすることを要するが、目を細かくする
と目詰りを生じ排煙の通過を妨げ易い。

また、この通気性支持壁は排煙中の有害ガスによって腐
蝕され易いため出来る限り丈夫な構造とすることを要す
るが、前述の如く目を細かくすると強度が低下して耐久
性に問題が生ずる。

２ 吸収剤は有害ガスとの反応によりその表面にＣａＳ
Ｏ３，Ｃａ５Ｏ＋＋ＣａＣＪ！、２等が生成されるが、
これらは吸収剤が支持壁間を降下移動する間の衝突や摩
擦によって剥離粉化し、吸収剤粉粒間に入り込み排ガス
の流通を妨げる。

３ 移動層の下部においては移動層の自重により吸収剤
粉粒は圧縮され、その表面に生成された反応生成物（Ｃ
ａＳＯａ、Ｃａ５Ｏ＋、ＣａＣｔ２等）は剥離粉化して
吸収剤間の隙間に入り込み排煙の通過を妨げる。

そこで、本発明者は移動層式有害ガス除去装置における
以上の如き問題点に鑑み、これを有効に解決すべく鋭意
研究の結果この発明を創案するに至ったものである。

本発明の目的とするところは通気性支持壁間に粒状の吸
収剤を供給して吸収剤の移動層を形成し、この移動層内
に排煙を通過させて含有する有害ガスを上記吸収剤と反
応させて除去する移動層式有害ガス除去装置において、
上記吸収剤に金属球もしくい球状の金属酸化物等の担体
を混入して該担体間に吸収剤を保持させることにより、
通気性支持壁及び移動層の目詰りを防止することが出来
る移動層式有害ガス除去装置における移動層形成方法を
提案する。

更に、本発明の目的とするところは通気性支持壁の目を
粗くすることを可能として１７通気性支持壁の耐久性を
向上させることが出来る移動層式有害ガス除去装置を提
供する。

以下に、本発明の好適一実施例を添付図面に従って詳述
する。

図面は本発明方法を用いた移動層式有害ガス除去装置の
一例を示し、第１図は移動層式有害ガス除去装置の一部
破断側面図、第２図は第１固装部拡大断面図である。

第１図に示す如く移動層式有害ガス除去装置１は排煙の
通路を形成する断面角形の筒状ケーシング２内に金網や
多孔板等の通気性隔壁３ａ、３ｂを設けて反応室４を区
画し、この反応室の上部に吸収剤供給口５を設けるとと
もにその下部に吸収剤排出口６を設けたものである。

反応室４の吸収剤供給口５には上部ホッパ７が連結され
、寸だ吸収剤排出口６には下部ホッパ８が連結されてい
る。

上部ホッパ７には吸収剤補給槽９が接続されており、こ
の吸収剤補給槽９から上部ホッパ７へＣａ ＣＯ３＋
Ｃａ Ｏ等の吸収剤が補給されるようなされている。

下部ホッパ８の下端にはロータリーバルブ等の排出量調
整弁１０が取付けられ、この調整弁１０からの吸収剤排
出量に応じて上記反応室４内の移動層降下速度は決定さ
れるよう々されている。

排出量調整弁１０の出口側には振動篩等の分離手段１１
が設けられこの分離手段１１によって後述する吸収剤中
に混入される担体を分離するよう々されている。

また、分離手段１１と上部ホッパ７との間にはコンベア
等の搬送手段１２が設けら粗上記分離された担体は上部
ホッパγへと自動的に搬送されるようなされている。

次に、以上の構成よりなる移動層式有害ガス除去装置に
本発明方法を採用した作用を説明する。

上部ホッパＴ内にＣａＣＯ３，ＣａＯ等の吸収剤１４を
粒状にして供給し、この粒状吸収剤中に担体１３を混入
する。

担体１３としては吸収剤１４の粒子よりも大径な球体が
最適であり、またその材質としては耐熱、耐蝕性に優れ
た金属もしくは金属酸化物等が使用される。

このようにして、上部ホッパγ内に供給された吸収剤１
４と担体１３との混合物は自重により反応室４内へ順次
降下して下部ホッパ８及び反応室４内に満たされる。

次いで、排出量調整弁１０を開けると、反応室４内には
第２図に示す如く担体１３と吸収剤１４とが混合されて
矢印イに示す如く降下乃至移動する移動層が形成される
。

この移動層にあっては吸収剤粒体１４は担体１３と担体
１３との間の隙間に保持されつつ通気性支持壁３ａ、３
ｂ間を降下し、また移動層全体としては担体１３を介し
て支持壁３ａ 、３ｂにより層の厚さを規制されている
。

従って支持壁３ａ。３ｂの目の粗さ即ち通気孔の径は担
体１３を通過させない程度の粗さのもので差しつかえな
い。

つまり吸収剤粒体１４は担体１３と担体１３との間にし
っかりと保持されているため、通気性支持壁３ａ、３ｂ
の通気孔の径が例え吸収剤粒体１４の径よりも大きくて
もほとんど吸収剤粒体１４は支持壁３ａ 、３ｂ外へこ
ぼれ出すことがないわけである。

このため、支持壁３ａ 、３ｂとして丸棒あるいは平鋼
等を用いた目の粗い格子構造等を採用することが出来、
支持壁３ａ、３ｂに生じがちな目詰りを防止するととも
に高温で腐蝕性を有する排ガスに対して耐久性に富む構
造とすることが出来る。

また、・従来性なわれていた吸収剤粒体１４だけの移動
層の場合には吸収剤と排煙中の有害ガスとの反応効率を
向上させようとして吸収剤粒体の径を小さくすると、吸
収剤粒子間の隙間が密になり排煙流通時の抵抗が増加す
るという問題があるが、この発明方法によれば吸収剤粒
体１４は担体１３ど担体１３との間の隙間に保持されて
いるため粒子の径を小さくしても流通抵抗が増加するこ
とがない。

このようにして、反応室４内に移動層が形成された状態
において排煙を矢印口に示す如くケーシング２内に導入
しこれを移動層が形成されている反応室４内に通過させ
ると、排煙中に含有するＳＯｘ、ＨＣｔ等の有害ガスは
吸収剤であるＣａＣＯ３，ＣａＯ等と反応してＣａＳＯ
３，ＣａＳＯ４゜Ｃａ Ｃ１２等の形で吸収剤表面に付
着して上記排煙中より除去される。

一方、上記有害ガスと接触した吸収剤粒体１４の表面に
は反応生成物であるＣ ａ ＳＯｓ 、 Ｃａ ＳＯ４
、Ｃａ Ｃ１２等が形成されるが、これらの反応生成物
は極めて脆く壊れ易い。

従って、従来の吸収剤粒体１４のみから成る移動層の場
合には支持壁３ａ、３ｂ間を降下する間の衝突や摩擦等
によって表面に形成された反応生成物が剥離されて粉状
と在り、粒体１４間の隙間を埋めて目詰りを来す結果と
なっていた。

また、移動層内の吸収剤粒体は下方へ向うにつれて上方
の吸収剤粒体からの荷重が加わり、この荷重によって表
面に形成された反応生成物が圧壊され、との圧壊によシ
生じた粉状の反応生成物が吸収剤粒体間の隙間を埋めて
目詰りを来すことがあった。

しかしながら、本発明方法によれば吸収剤粒体１４は担
体１３と担体１３との間の隙間に保持されつつ支持壁３
ａ、３ｂ間を降下し、この担体１３ど担体１３との間の
隙間は常に安定的に保持されている。

従って、吸収斉戚体１４の表面に形成される反応生成物
は圧壊されたりすることがなく、また仮に表面から剥離
しても担体１３と担体１３との間の隙間は常に安定的に
保持されているため吸収剤粒体１４間の隙間が上記粉状
反応生成物によって埋められることもなく目詰りは可及
的に防止される。

このようにして、反応室４内において排煙中の有害ガス
と反応した吸収剤粒体１４は反応室４から下部ホッパ８
へと送られ、次いで排出量調整弁１０より排出されて分
離装置１１へと送られる。

この分離装置１１としては前述の如く振動篩等が採用さ
れ、ここで吸収剤粒体１４の表面に形成された反応生成
物は剥離された後、分離除去されて系外へ排出される。

一方、上記分離装置において反応生成物を除去された吸
収剤粒体１４及び担体１３は搬送手段１２を介して再び
上部ホッパ７へと戻される。

上部ホッパ７には吸収剤補給槽９より吸収剤粒体が補給
され、この補給された吸収剤粒体は上記搬送手段１２を
介して戻された担体１３及び吸収剤粒体１４と混合され
て再び反応室４内に供給され、以上を繰り返し行なうも
のである。

以上で明らかなように、本発明によれば以下の効果を発
揮する。

１ 通気性支持壁間にＣａＣＯ３，ＣａＯ等の粒状乃至
粉状の吸収剤を供給して吸収剤の移動層を形成し、この
移動層内に排煙を通過させて含有する有害ガスを上記吸
収剤と反応させて除去する移動層式有害ガス除去装置に
おいて、上記通気性支持壁及び吸収剤の移動層の通気性
を可及的に高めてその目詰りを防止することができ、排
煙の通過を良好にして吸収剤との接触反応を高めること
ができる。

２ 通気性支持壁として目の粗め金網もしくは丸棒或い
は平鋼等を用いた格子構造を採用することが出来、腐蝕
性有害ガスに対する耐久性を向上させることができる。

３ 吸収剤の使用量を節減することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明方法を用いた移動層式有害ガス除去装置の
一例を示し、第１図は移動層式有害ガス除去装置の一部
破断側面図、第２図は第１図要部拡大断面図である。 尚、図面中１は移動層式有害ガス除去装置、３ａ 、３
ｂは通気性支持壁、１３は担体、１４は吸収剤である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 通気性支持壁間にＣａＣＯ３，ＣａＯ等の粒状乃至
   粉状の吸収剤を供給して吸収剤の移動層を形成し、この
   移動層内に排煙を通過させて含有する有害ガスを上記吸
   収剤と反応させて除去する移動層式有害ガス除去装置に
   おいて、上記吸収剤に金属もしくは金属酸化物を用いて
   球状に成型され上記吸収剤により太き々粒径を有する担
   体を混入し、該担体間に吸収剤を保持させて吸収剤の移
   動層を形成するようにしたことを特徴とする移動層式有
   害ガス除去装置における移動層形成方法。