JP4984290B2 - レーザー受光器 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー墨出し器の受光器に関するものである。
レーザー墨出し器は、建物の内装工事や建築工事の現場で、レーザー可視光線を発射し、対象物体に水平ラインと垂直ラインを表示し、当該工事における水平・垂直出し作業を行なう装置である。従来、レーザー墨出し器を使用してレーザー光線を室内の壁などに当てて、建具などの取付箇所の位置決めをするときに、壁などに当たったレーザー光線が水平又は垂直の直線状に明るく光るのが容易に視認できる。レーザー墨出し器のレーザー可視光線は、通常、波長635nm前後の赤色半導体レーザー光線、又は、532nm前後の緑色半導体レーザー光線であって、これが壁などに反射することにより、その部分が赤色又は緑色に明るく光るので、容易に視認できるのである。しかし、屋外の直射日光下でレーザー墨出し器を使った場合、そのレーザー光線が構造物に当たっても、その色は太陽光のスペクトルの一部として吸収され、レーザー光線が反射して生じる水平ライン、垂直ラインの視認が困難であった。
また、市販のレーザー墨出し器では、屋外で使用する場合に、レーザー発光部の出力を大きくすることにより明るいレーザー光線を発射し、構造物に反射させたときの視認性を高めることができるが、人間の目に対する安全性の問題から制限があった。そこで、レーザー墨出し器のレーザー光線に対してのみ反応するセンサー(レーザー受光器)が、レーザー墨出し器と組み合わせて使用されている。市販のセンサーでは、レーザー光線を感知したときだけブザー音とランプの点滅により、センサーへの入光を知らせるのみで、レーザー光線の発射方向が、センサーの位置から外れている場合は、センサーで感知することができず、レーザー墨出し器及びレーザー受光器の位置決め自体が難しいという問題があった。
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたもので、レーザー墨出し器の受光器として、レーザー墨出し器から発射されたレーザー光線を、明るい場所でも視認できるようにしたレーザー受光器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のレーザー受光器は、レーザー墨出し器より発射されたレーザー光線を受光する受光器であって、立方形の筐体の一面を入光口として開口し、その筐体の内部にレーザー光線の波長色とほぼ同じ色に着色した受光面を設け、前記筐体の受光面を除く内面を黒色で着色し、前記受光面は入射するレーザー光線に対して水平方向に凸の円弧状の曲面に形成し、前記筐体の入光口に開閉可能な扉及び開閉可能な庇を設けたことを特徴とする。
本発明のレーザー受光器は、上記のように構成したことにより、屋外の工事現場など直射日光の下であっても、レーザー墨出し器から発射されたレーザー光線が、その波長とほぼ同色温度の色に着色された受光面で反射し、レーザー光線が当たった部分が明るく光って、レーザー光線の水平ライン・垂直ラインが明確に視認できるという作用効果を奏する
また、筐体の、受光面を除く内面を黒色で着色したことにより、太陽光や蛍光灯などからの光が、筐体内面の黒色部で吸収され、筐体内面での乱反射を防ぐので、受光面に現れるレーザー光線の水平ライン・垂直ラインがより明るく、明確に視認することができるようになるという作用効果を奏する。
また、受光面を凸の円弧状の曲面に形成したことにより、受光面に入射したレーザー光線が分散して反射されるので、斜め横方向から受光面を見たときも、受光面に現れるレーザー光線の水平ラインが明確に視認できるという作用効果を奏する。
また、筐体の入光口に、開閉角度調整可能な扉及び開閉角度調整可能な庇を設けたことにより、入光口の扉と庇を任意の角度に開くことができるので、太陽光などの不要な光が入らないように適当な角度に調整して開くことができ、また、使用しないときは、扉及び庇を閉じた状態で保管することが出来るという作用効果を奏する。
以上に述べたように、本発明のレーザー受光器によれば、屋外の工事現場など直射日光の下であっても、レーザー墨出し器から発射されたレーザー光線が、受光面で明るく光って反射し、レーザー光線の水平ライン・垂直ラインが明確に視認できる
また、太陽光や蛍光灯などからの光が、筐体内面の黒色部で吸収され、筐体内面での乱反射を防ぐので、受光面に現れるレーザー光線の水平ライン・垂直ラインがより明るく、明確に視認することができるようになる。
また、受光面に入射したレーザー光線が分散して反射されるので、斜め横方向から受光面を見たときも、受光面に現れるレーザー光線の水平ラインが明確に視認できる。
また、入光口の扉と庇を任意の角度に開くことができるので、太陽光などの不要な光が入らないように適当な角度に調整して開くことができ、また、使用しないときは、扉及び庇を閉じた状態で保管することが出来る。
発明を実施するために最良の形態
本発明の実施の形態を、代表的な実施例に基づいて図を用いて説明する。図1は、本発明のレーザー受光器10の構造を示す斜視図である。図1において、筐体11はステンレスなどの金属製の立方形のケースであり、一面が入光口として開口し、その左右部に扉13a,13bがヒンジ15a,15b,15c,15dによって開閉自在に取り付けられ、また、上部には庇14がヒンジ15eによって開閉自在に取り付けられている。入光口の対面側には受光面12が位置し、入光口から入射したレーザー光線の水平ライン・垂直ラインを映し出すようにしてある。
受光面12は、レーザー墨出し器から発射されるレーザー光線の色(波長)とほぼ同色に着色してある。また、筐体11の、受光面12を除く内面側は、つや消しの黒色に着色してある。
図2(A)は、本発明のレーザー受光器の使用状態を示す説明図であって、レーザー受光器10は、扉13a,13bと庇14を開いた筐体11の右側面方向から見た状態を示している。レーザー受光器10を使用するときは、レーザー墨出し器20から発射されたレーザー光線30がレーザー受光器10の受光面12に映るように、それぞれの設置位置を調整する。
図2(B)は、扉13a,13bと庇14を開いた筐体11の入光口方向から見た状態を示し、本図では、筐体11の入光口の対面側に、レーザー光線の波長色と同色に塗装着色した平板状の受光面12を取り付けた例を示している。図2(B)において、水平ライン33は入射したレーザー光線30が受光面12上に反射した水平の軌跡であり、垂直ライン34は入射したレーザー光線30が受光面12上に反射した垂直の軌跡である。水平ライン33又は垂直ライン34は、受光面12にレーザー光線30が当たった部分が線状に明るく光って、明確に視認できるものである。レーザー光線30が受光面12に当たったとき、受光面12は、そのレーザー光線の波長色とほぼ同色に着色されているので、レーザー光線が当たった部分だけが線状に反射して明るく輝くのである。
図3(A)は、平板状の受光面12にレーザー光線30が当たって反射する様子を示す説明図である。受光面12のほぼ正面から入射したレーザー光線は、入射角=反射角となるので、あまり拡散せず入射してきた方向に反射する。したがって、受光面12の正面方向での視認性がよい。
図3(B)は、凸の円弧状の曲面に形成された受光面12にレーザー光線30が当たって反射する様子を示す説明図である。受光面12のほぼ正面から入射したレーザー光線は、入射角=反射角となって、拡散して反射する。したがって、受光面12の正面から比較的広い範囲まで視認性がよくなる。
但し、レーザー光線の反射光の拡散の程度は、上記の凸の円弧状の曲面の曲率によって異なり、受光面12の形状は、レーザー受光器の使用場所や目的に応じて最適のものを選択することが好ましい。
なお、図3(A)(B)の各図は、レーザー光線30が受光面12の形状によって反射する様子を概念的に説明したものであって、本実施例の実際の寸法を正確に縮尺して描いたものではない。
図4は、平板状の受光面12に、水平目盛16及び垂直目盛17を設けたことを示す説明図である。各目盛は最小目盛が1mmで、1cm毎に大目盛と数値を記入してある。数値は中央を0とし、上下又は左右に1cm毎に記入している。通常、レーザー光線の反射軌跡である水平ライン又は垂直ラインの線幅が約1mm程度あるので、最小目盛は1mm又は2mmとするのが適当である。本図では、平板状の受光面に目盛を設けた例を示したが、受光面12が凸の円弧状の曲面を形成するタイプのものであっても、同様に目盛を設けることができる。
本発明のレーザー受光器は、上記のように受光面12に、水平目盛16及び垂直目盛17を設けたことにより、レーザー受光器に入射するレーザー光線の位置が目盛上で明確になり、その目盛に合わせてレーザー受光器の設置位置の調整が容易にできるという作用効果を奏する。
本実施例では、レーザー受光器10の筐体11は、薄いステンレス鋼板製で、高さ約20cm、幅約6cm、奥行き約5cm、重さ約250gである。受光面12は、平板状のものにあっては筐体の内面側をそのまま、レーザー墨出し器の発射するレーザー光線の波長色と同色に塗装しても良い。受光面12が凸の円弧状の曲面を形成するタイプのものは、平板を曲面加工して塗装した上で筐体11の内面に取り付けてもよい。受光面12の塗装後の表面は、できる限り滑らかな面であることが望ましい。筐体は、工事現場で使用するので、軽量小型で丈夫であることが望ましい。図示しないが、三脚やパイプ、板体などに保持できるような取付具を備えることが望ましい。また、レーザー受光器自体の水平設置のために水準器を備えてもよい。
本発明のレーザー受光器の構造を示す斜視図である。 レーザー受光器の使用状態を示す説明図である。 筐体の入光口方向から見たレーザー受光器の説明図である。 平板状の受光面にレーザー光線が反射する様子を示す説明図である。 凸の円弧状の受光面にレーザー光線が反射する様子を示す説明図である。 受光面に目盛を設けた状態を示す説明図である。
10 レーザー受光器
11 筐体
12 受光面
13a,13b 扉
14 庇
15a,15b,15c,15d,15e ヒンジ
16 水平目盛
17 垂直目盛
20 レーザー墨出し器
21 三脚
30 レーザー光線
33 水平ライン
34 垂直ライン

Claims (1)

  1. レーザー墨出し器より発射されたレーザー光線を受光する受光器であって、
    立方形の筐体の一面を入光口として開口し、その筐体の内部にレーザー光線の波長色とほぼ同じ色に着色した受光面を設け、
    前記筐体の、受光面を除く内面を黒色で着色し、
    前記受光面は、入射するレーザー光線に対して水平方向に凸の円弧状の曲面に形成し、
    前記筐体の入光口に開閉可能な扉及び開閉可能な庇を設けた、
    ことを特徴とするレーザー受光器。
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