JP4983405B2 - 圧電アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、収納ケースに積層型の圧電素子を収納してなる圧電アクチュエータ及びその製造方法に関する。
従来、自動車等の内燃機関の燃料噴射用インジェクタに用いられる圧電アクチュエータとしては、金属等からなる収納ケース内に、電圧を印加することにより駆動(変位)する圧電素子を収納したものが知られている。この圧電アクチュエータは、圧電素子の駆動力を外部に伝達することができるよう構成されている。
また、上記の圧電アクチュエータは、圧電素子と収納ケースとの間に電気絶縁性(以下、適宜、単に絶縁性という)を有する樹脂や部材等を介在させることによって両者の間の絶縁性を確保している。
圧電アクチュエータの絶縁構造としては、例えば、圧電素子と収納ケースとの間において、圧電素子の外周面を絶縁樹脂で覆い、その周りに絶縁樹脂等で構成された筒状のスリーブを設けた構造のものがある。上記構造の圧電アクチュエータは、圧電素子の外周面に絶縁樹脂を塗布した後、筒状のスリーブ内に絶縁樹脂を塗布した圧電素子を挿入して製造される。
しかしながら、上記の製造方法では、圧電素子をスリーブ内に収納する際に、圧電素子の外周面に塗布した絶縁樹脂がスリーブに接触するおそれがある。また、絶縁樹脂が余分に塗布されている場合には、スリーブ内から絶縁樹脂がはみ出し、そのはみ出した絶縁樹脂を除去する作業が必要となる。そのため、絶縁樹脂の均一性を確保することが困難となると共に生産性の低下を招くおそれがある。
このようなことから、電気絶縁性・信頼性を充分に確保することができると共に、生産性の向上を図ることができる圧電アクチュエータ及びその製造方法が望まれている。
特開2002−256999号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、電気絶縁性・信頼性に優れ、生産性の高い圧電アクチュエータ及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、軸方向に伸縮する伸縮部を有する有底筒状の収納ケースに積層型の圧電素子を収納すると共に、電力供給用の外部電極を備えたハウジングを上記収納ケースの開口端部に接合してなる圧電アクチュエータを製造する方法において、
上記圧電素子の側面外周に、電気絶縁性を有する筒状の絶縁カバーを上記圧電素子との間に隙間を設けて配置するカバー配置工程と、
上記圧電素子と上記絶縁カバーとの間に形成された上記隙間に、電気絶縁性を有するモールド樹脂を充填する樹脂充填工程と、
上記収納ケース内に上記圧電素子を挿入して収納する素子収納工程と、
上記収納ケースの上記開口端部に上記ハウジングを接合する接合工程とを有し、
上記絶縁カバーの側面には、少なくとも上記モールド樹脂を注入するための注入開口孔と上記モールド樹脂を吸引するための吸引開口孔とが形成されており、
上記樹脂充填工程においては、上記隙間の両端を密閉した状態で、上記モールド樹脂を上記注入開口孔から上記隙間に注入すると共に該隙間に注入した上記モールド樹脂を上記吸引開口孔から吸引し、上記モールド樹脂を上記隙間内に所定時間流通させることにより少なくとも上記圧電素子の外周面に塗布されるように充填することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法にある(請求項1)。
本発明の圧電アクチュエータの製造方法は、上記のごとく、カバー配置工程、樹脂充填工程、素子収納工程及び接合工程を有する。そして、上記樹脂充填工程においては、上記モールド樹脂を上記絶縁カバーの上記注入開口孔から上記隙間に注入すると共に、該隙間に注入した上記モールド樹脂を上記絶縁カバーの上記吸引開口孔から吸引し、上記モールド樹脂を上記隙間内に所定時間流通させる。
すなわち、本発明では、上記圧電素子と上記絶縁カバーとの間の上記隙間に上記モールド樹脂を充填するに当たって、少なくとも上記モールド樹脂を上記注入開口孔から上記吸引開口孔へと上記隙間内に所定時間流通させる。上記モールド樹脂を流通させることにより、該モールド樹脂を上記隙間内に満遍無く行き渡らせることができる。そして、上記モールド樹脂を上記隙間内に行き渡らせてから充填することにより、上記モールド樹脂を上記圧電素子の外周面に空孔(ボイド)等の欠陥をほとんど生じさせることなく均一に塗布することができる。そしてまた、このような状態で上記モールド樹脂を上記隙間に充填することができる。
これにより、上記圧電素子の外周面の絶縁性を上記モールド樹脂によって充分に確保することができる。そして、上記圧電素子と上記収納ケースとの間の絶縁性も上記モールド樹脂及び上記絶縁カバーによって充分に確保することができる。それ故、本発明の製造方法によって得られる圧電アクチュエータは、非常に品質の高いものとなり、絶縁性・信頼性に優れたものとなる。
また、本発明は、上記圧電素子の側面外周に上記絶縁カバーを配置した後、上記圧電素子と上記絶縁カバーとの間に形成された上記隙間に上記モールド樹脂を充填する。そのため、従来の方法、例えば圧電素子の外周面にモールド樹脂を塗布した後にスリーブ(本発明の絶縁カバーに当たる)を被せる方法等のように、スリーブを被せた際にはみ出したモールド樹脂を除去する工程を必要とせず、またモールド樹脂の余分な塗布を防止することができる。これにより、製造工程全体の効率化を図ることができ、生産性を向上させることができる。
このように、本発明の製造方法によれば、電気絶縁性・信頼性に優れ、生産性の高い圧電アクチュエータを得ることができる。
第2の発明は、上記第1の発明の圧電アクチュエータの製造方法により製造してなることを特徴とする圧電アクチュエータにある(請求項10)。
本発明の圧電アクチュエータは、上記第1の発明の圧電アクチュエータの製造方法により製造されたものである。そのため、上記圧電アクチュエータは、電気絶縁性・信頼性に優れ、生産性の高いものとなる。
上記第1の発明において、上記圧電アクチュエータは、上記圧電素子に対して電圧を印加させることにより該圧電素子を駆動(変位)させ、その駆動力を外部に伝達することができるよう構成することができる。例えば、上記収納ケースに上記圧電素子の駆動力を伝達する部材等を設け、その部材等を介して上記圧電素子の駆動力を伝達する構成とすることができる。
なお、上記圧電素子は、圧電材料よりなる圧電層と導電性を有する内部電極層とを交互に積層してなるセラミック積層体を有する構成とすることができる。
また、上記収納ケースに設けた上記伸縮部は、上記圧電素子を駆動させた際に軸方向に伸縮する。上記伸縮部としては、ベローズやダイヤフラム等を用いることができる。
また、上記樹脂充填工程においては、上記モールド樹脂を流通させる時間を任意に選定することができる。すなわち、上記モールド樹脂が上記隙間内に万遍無く行き渡り、少なくとも上記圧電素子の外周面に空孔(ボイド)等の欠陥をほとんど生じさせることなく均一に塗布されるだけの時間の間、上記モールド樹脂を流通させればよい。
また、上記モールド樹脂の上記隙間への充填は、上記モールド樹脂を上記隙間内に流通させた後、その流通を停止することによって行うことができる。
また、上記樹脂充填工程においては、上記モールド樹脂を上記隙間に満充填する必要はない。すなわち、少なくとも上記圧電素子の外周面に塗布されるように充填すればよい。
また、上記絶縁カバーを上記モールド樹脂によって上記圧電素子の側面外周に接着するような構成の場合には、その役割を果たすことができるように充填すればよい。
もちろん、上記モールド樹脂を上記隙間に満充填することもできる。この場合には、絶縁性・信頼性をより一層確保することができる。
また、上記絶縁カバーに設けた上記注入開口孔及び上記吸引開口孔の形状やサイズは、特に限定されるものではなく、上記モールド樹脂を注入及び吸引して上記隙間内を流通させることができれば種々の形状やサイズを採用することができる。
また、上記注入開口孔及び上記吸引開口孔の数も、特に限定されるものではなく、上記モールド樹脂を注入及び吸引して上記隙間内を流通させることができればどのような数を選択してもよい。
また、上記絶縁カバーの両端部においては、一方に上記注入開口孔が1又は複数形成されており、他方に上記吸引開口孔が1又は複数形成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記樹脂充填工程において、上記モールド樹脂を上記注入開口孔から上記吸引開口孔へと上記隙間内に効率よく流通させることができる。
また、上記樹脂充填工程においては、上記絶縁カバーの上記注入開口孔を上記吸引開口孔よりも下方に位置させた状態で、上記モールド樹脂を重力に逆らって上記隙間内に流通させることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記モールド樹脂を上記隙間内により一層満遍無く流通させることができる。
もちろん、上記モールド樹脂を重力方向に流通させても、上記本発明の効果を充分に得ることができる。
また、上記絶縁カバーの内周面には、上記注入開口孔から注入した上記モールド樹脂を上記吸引開口孔へと誘導するための誘導溝が螺旋状に形成されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記モールド樹脂を上記誘導溝に沿って誘導しながら効率よく流通させることができる。そのため、上記モールド樹脂を円滑に流通させることができると共に、生産性の向上を図ることができる。
また、上記カバー配置工程前に、上記圧電素子よりも大径の上記ハウジングの端面を上記圧電素子の後端面に接合しておき、
上記カバー配置工程においては、上記絶縁カバーの一方の端部を上記ハウジングの上記端面に密接させることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記絶縁カバーの上記一方の端部(ハウジング側の端部)からの上記モールド樹脂のはみ出しを防止することができる。
また、上記絶縁カバーと上記ハウジングとを密接させた部分付近に上記モールド樹脂のはみ出しを防止するための部材等を設け、上記モールド樹脂のはみ出しをさらに防止することもできる。
また、上記絶縁カバーの他方の端部(ハウジングとは反対側の端部)においても、例えば治具等を密接させることにより、上記モールド樹脂のはみ出しを同様に防止することができる。
また、上記絶縁カバーの上記一方の端部には、先端に向かって徐々に厚みが小さくなる変形圧接部が形成されており、
上記カバー配置工程においては、上記絶縁カバーの上記変形圧接部を変形させて上記ハウジングの端面に圧接させることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記絶縁カバーの上記一方の端部(ハウジング側の端部)からの上記モールド樹脂のはみ出しをより一層防止することができる。
また、上記絶縁カバーの上記他方の端部(ハウジングとは反対側の端部)においても、上記一方の端部と同様の構造を採用することにより、上記モールド樹脂のはみ出しをより一層防止することができる。
また、上記圧電素子の側面には、上記外部電極に導通された一対の側面電極が設けられており、
上記カバー配置工程においては、上記絶縁カバーの上記注入開口孔及び上記吸引開口孔と上記側面電極とが対向位置となるように上記絶縁カバーを配置することが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記側面電極の表面に上記モールド樹脂を充分かつ確実に塗布することができる。これにより、上記圧電素子の絶縁性をより一層充分に確保することができる。
また、上記絶縁カバーは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)又はNY66(66ナイロン)からなることが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記圧電素子と上記収納ケースとの間の絶縁性を充分に確保することができる。
また、上記モールド樹脂は、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂又はポリウレタン系樹脂を用いることが好ましい(請求項9)。
この場合には、上記圧電素子と上記収納ケースとの間の絶縁性を充分に確保することができる。
なお、上記絶縁カバー及び上記モールド樹脂は、上記の材料に限定されるわけではなく、その他の材料を用いることもできる。
上記第2の発明においては、上記圧電アクチュエータは、内燃機関の燃料噴射用のインジェクタに内蔵するアクチュエータであることが好ましい(請求項11)。
上記インジェクタは、高温高湿という過酷な条件下で使用される。そのため、上記の優れた圧電アクチュエータを用いることにより、耐久性・信頼性を向上させることができ、上記インジェクタ全体の性能向上を図ることができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる圧電アクチュエータ及びその製造方法について、図を用いて説明する。
本例において製造する圧電アクチュエータ1は、図1に示すごとく、収納ケース20に積層型の圧電素子10を収納すると共に、電力供給用の外部電極31を備えたハウジング30を収納ケース20の開口端部201に接合してなる圧電アクチュエータである。
圧電アクチュエータ1は、圧電素子10に電圧を印加させることにより圧電素子10を駆動(変位)させ、その駆動力を外部に伝達することができるよう構成されている。
以下、この圧電アクチュエータ1の構成について簡単に説明する。
なお、本例の圧電アクチュエータ1においては、ハウジング30を配設した側を後端側とし、その反対方向を先端側とする。
図6に示すごとく、圧電素子10は、圧電材料よりなる圧電層12と導電性を有する内部電極層13とを交互に積層してなるセラミック積層体11を有している。セラミック積層体11は、断面樽形状を呈しており、相互に対面する一対の電極接合面118、119を形成してなる。なお、セラミック積層体11の断面形状としては、用途等によって円形、四角形、八角形等の様々な形状とすることもできる。
本例の圧電層12は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)よりなる圧電セラミックスで構成されている。また、内部電極層13は、Ag/Pd合金により構成されている。
また、同図に示すごとく、セラミック積層体11の電極接合面118、119には、それぞれ側面電極14が設けられている。各側面電極14は、セラミック積層体11の積層方向の一層おきの内部電極層13と電気的に接続しており、かつ、一方の側面電極14と電気的に接続している内部電極層13は、他方の側面電極14に対して電気的に絶縁した状態となっている。つまり、本例のセラミック積層体11は、いわゆる電極控え構造(部分電極構造)を有している。
そして、側面電極14は、ハウジング30に貫通配置した一対の外部電極31と電気的に接続するように構成されている(図1)。
なお、本例の側面電極14は、図示を省略したが、Agフィラーをエポキシ樹脂中に含有させた導電性接着剤に、金属板を加工したメッシュ状のエキスパンダメタルよりなる取り出し電極を埋設して構成されている。
また、図1に示すごとく、セラミック積層体11の先端面111には、アルミナよりなる伝達部材19が接合されている。伝達部材19は、圧電素子10の駆動力を収納ケース20の駆動板22に伝達するための部材であり、圧電アクチュエータ1の使用時において、駆動板22と当接するように構成されている。
また、セラミック積層体11の後端面112には、アルミナよりなる略円柱形状のブロック部材18が接合されている。ブロック部材18は、ハウジング30の挿入部32と当接しており、収納ケース20内における圧電素子10の収納位置を規制している。
また、同図に示すごとく、収納ケース20は、有底円筒状を呈している。収納ケース20は、円筒状を呈する胴部23と底部をなす駆動板22とにより構成されている。駆動板22は、伝達部材19から伝達された圧電素子10の駆動力を外部へと伝達するための部材である。胴部23と駆動板22とは、レーザー溶接により接合されている。
また、胴部23の先端側においては、軸方向に伸縮可能な伸縮部21が伝達部材19の外周に設けられている。伸縮部21は、オーステナイト系ステンレスよりなる金属ベローズよりなる。
また、同図に示すごとく、ハウジング30は、オーステナイト系ステンレスよりなる略円柱状の部材に、Fe/Ni合金よりなる一対の外部電極31が突出するように貫通配置したものである。ハウジング30と外部電極31との隙間は、ガラスよりなるハーメチックシール33により封止してある。
また、ハウジング30は、収納ケース20の胴部23に挿入する挿入部32を有しており、挿入部32は、収納ケース20の開口端部201を封止するように挿入されている。また、収納ケース20の開口端部201とハウジング30の挿入部32とは、レーザー溶接により接合されており、収納ケース20内は密閉された状態となっている。
また、図1、図2に示すごとく、圧電素子10と収納ケース20との間には、電気絶縁性を有する円筒状の絶縁カバー5が圧電素子10との間に隙間40を形成するように配設されている。また、圧電素子10と絶縁カバー5との間に形成された隙間40には、電気絶縁性を有するモールド樹脂4が充填されている。
本例の絶縁カバー5は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)により構成されている。また、モールド樹脂4は、シリコーン系樹脂である。
また、図1、図3に示すごとく、絶縁カバー5の先端部501には、円形状を呈する2つの吸引開口孔51が互いに対向する位置に設けられている。この吸引開口孔51は、後述のごとく、モールド樹脂4を隙間40内から吸引するための開口孔である。
また、絶縁カバー5の後端部502には、円形状を呈する2つの注入開口孔52が互いに対向する位置に設けられている。この注入開口孔52は、後述のごとく、モールド樹脂4を隙間40内に注入するための開口孔である。
本例の吸引開口孔51及び注入開口孔52のサイズは、共にφ2.5mmである。
また、図4(a)に示すごとく、絶縁カバー5の後端部502には、先端に向かって徐々に厚みが小さくなる変形圧接部53が形成されている。すなわち、絶縁カバー5の後端部502は、先端に近づくに従って内径が徐々に広くなるように内周面509がテーパ状となっている。
また、絶縁カバー5は、この変形圧接部53を変形させてハウジング30の端面301に圧接され、密接状態となっている(図1)。
次に、上記構成の圧電アクチュエータ1を製造する方法について説明する。
本例の圧電アクチュエータ1の製造方法は、図5〜図13に示すごとく、少なくともカバー配置工程、樹脂充填工程、素子収納工程及び接合工程を行う。
カバー配置工程では、圧電素子10の側面外周に、モールド樹脂4を注入するための注入開口孔51とモールド樹脂4を吸引するための吸引開口孔52とを備えた円筒状の絶縁カバー5を圧電素子10との間に隙間40を設けて配置する。
樹脂充填工程では、圧電素子10と絶縁カバー5との間に形成された隙間40に、モールド樹脂4を充填する。このとき、隙間40の両端を密閉した状態で、モールド樹脂4を注入開口孔51から隙間40に注入すると共に隙間40に注入したモールド樹脂4を吸引開口孔52から吸引し、モールド樹脂4を隙間40内に所定時間流通させることにより圧電素子10の外周面100に塗布されるように充填する。
素子収納工程では、収納ケース20内に圧電素子10を挿入して収納する。
接合工程では、収納ケース20の開口端部201にハウジング30を接合する。
以下、これを詳説する。
まず、圧電素子を作製する工程を行う。
圧電材料となるジルコン酸チタン酸鉛よりなるセラミックス原料粉末を準備し、溶剤、バインダー、可塑剤、分散剤等を加えてスラリーを作製する。そして、ドクターブレード法により、上記スラリーをキャリアフィルム上に塗布し、一定厚みのグリーンシートを成形する。
なお、グリーンシートの成形方法としては、本例で用いたドクターブレード法以外にも、押出成形法やその他種々の方法を用いることができる。
次いで、上記グリーンシート上に予め内部電極層13を形成する部分に電極材料130を塗布しておき、そのグリーンシートから所望の大きさのシート片120(図5)を切り出す。シート片120には、電極材料130を塗布していない控え部131が形成されている。なお、電極材料130としては、ペースト状のAg/Pd合金を用いた。
次いで、図5に示すごとく、シート片120を積層し、中間積層体110を形成する。このとき、シート片120に形成された控え部131の位置が交互となるように、シート片120を積層する。そして、形成された中間積層体110を脱脂した後、900〜1000℃で1〜5時間焼成を行う。これにより、圧電層12と内部電極層13とを交互に積層してなるセラミック積層体11(図6)を形成する。
次いで、図6に示すごとく、セラミック積層体11の電極接合面118、119に導電性接着剤(図示略)を塗布した後、塗布した導電性接着剤に一対の取り出し電極(図示略)を配置し、導電性接着剤を加熱硬化させて取り出し電極を接合する。これにより、セラミック積層体11の電極接合面118、119に側面電極14を形成する。
以上により、圧電素子10が得られる。
次いで、圧電素子10にハウジング30を組み付ける工程を行う。
本工程では、図7に示すごとく、圧電素子10におけるセラミック積層体11の先端面111に伝達部材19を接合し、後端面112にブロック部材18を接合する。そして、圧電素子10の側面電極14とハウジング30の外部電極31とをスポット溶接する。これにより、ブロック部材18とハウジング30の挿入部32とを当接させた状態で、圧電素子10とハウジング30とを組み付ける。また、外部電極31とハウジング30との隙間は、ガラスよりなるハーメチックシール33により封止しておく。
次いで、カバー配置工程を行う。
本工程では、図8に示すごとく、圧電素子10の側面外周に円筒状の絶縁カバー5を圧電素子10との間に隙間40を設けて配置する。すなわち、圧電素子10を円筒状の絶縁カバー5内に挿入する。
そして、図9に示すごとく、絶縁カバー5の後端部502をハウジング30の端面301に密接させる。このとき、絶縁カバー5の後端部502の変形圧接部53(図4(a))を変形させながらハウジング30の端面301に圧接させ、密接状態とする。また、絶縁カバー5の先端部501には、押し当て治具70を押し当てて密接状態とする。これにより、隙間40の両端を密閉した状態とする。
次いで、樹脂充填工程を行う。
本工程では、図10に示すごとく、まず、圧電素子10の天地を逆にする。そして、絶縁カバー5の先端部501及び後端部502に、絶縁カバー5の位置を固定するための固定治具71、72をそれぞれ取り付ける。固定治具71及び固定治具72は、同様の形状・構造を有するものである。
本例の固定治具71(72)は、図10、図11に示すごとく、径方向に分割された2つの半円筒状の分割固定治具71a、71b(72a、72b)により構成されている。
分割固定治具71a、71bには、モールド樹脂4を吸引するための通路となる吸引通路711がそれぞれ設けられている。吸引通路711は、分割固定治具71a、71bを径方向に貫通するように設けられている。
また、分割固定治具72a、72bには、モールド樹脂4を注入するための通路となる注入通路721がそれぞれ設けられている。注入通路721は、分割固定治具72a、72bを径方向に貫通するように設けられている。
そして、本例では、同図に示すごとく、絶縁カバー5の先端部501において、分割固定治具71a、71bを絶縁カバーの外周面500上に径方向に合せて締め付けることにより、固定治具71を固定する。このとき、絶縁カバー5の吸引開口孔51と固定治具71の吸引通路711とが連通するように固定治具71を固定する。
また、絶縁カバー5の後端部502において、分割固定治具72a、72bを絶縁カバーの外周面500上に径方向に合せて締め付けることにより、固定治具72を固定する。このとき、絶縁カバー5の注入開口孔52と固定治具72の注入通路721とが連通するように固定治具72を固定する。
次いで、同図に示すごとく、圧電素子10と絶縁カバー5との間に形成された隙間40にモールド樹脂4を充填する。モールド樹脂4は、外部(図中の矢印X方向)から固定治具72の注入通路721、絶縁カバー5の注入開口孔52を経て隙間40内に注入される。注入されたモールド樹脂4は、隙間40内を重力に逆らって軸方向に流通する。そして、絶縁カバー5の吸引開口孔51、固定治具71の吸引通路711を経て外部(図中の矢印Y方向)に吸引される。
このようにして、モールド樹脂4が圧電素子10の外周面100に塗布されるように、モールド樹脂4を隙間40内に10秒間流通させる。本例では、モールド樹脂4を約0.4MPaの圧力で注入し、約0.06MPaの圧力で吸引(真空引き)した。
その後、モールド樹脂4の流通を停止し、絶縁カバー5から固定治具71、72を取り外す。これにより、モールド樹脂4の充填を完了する。
次いで、モールド樹脂を硬化させる工程を行う。
本工程では、図12に示すごとく、圧電素子10と絶縁カバー5との間の隙間40に充填されたモールド樹脂41を加熱することにより硬化させる。加熱条件は、180℃、1時間とした。これにより、圧電素子10の外周面100に、モールド樹脂41を介して絶縁カバー42を固定する。その後、絶縁カバー5の先端部501に対する押し当て治具70の押し当てを解除する。
次いで、素子収納工程を行う。
本工程では、図13に示すごとく、圧電素子10を収納ケース20の開口端部201から収納ケース20内に収納する。そして、収納ケース20の開口端部201を封止するようにハウジング30を配置する。すなわち、収納ケース20の開口端部201にハウジング30の挿入部32を挿入する。
次いで、接合工程を行う。
本工程では、図1を参照のごとく、収納ケース20の開口端部201とハウジング30の挿入部32とをレーザー溶接により接合する。本例では、ハウジング30の挿入部32を挿入した収納ケース20の開口端部201にレーザービームを照射し、収納ケース20の開口端部201とハウジング30の挿入部32とを溶融接合することにより、両者を強固に接合した。これにより、収納ケース20内を密閉状態とする。
以上により、圧電アクチュエータ1が得られる。
次に、本例の圧電アクチュエータ1の製造方法における作用効果について説明する。
本例の圧電アクチュエータ1は、樹脂充填工程においては、モールド樹脂4を注入開口孔52から隙間40に注入すると共に隙間40に注入したモールド樹脂4を吸引開口孔51から吸引し、モールド樹脂4を隙間40内に所定時間流通させる。
すなわち、本例では、圧電素子10と絶縁カバー5との間の隙間40にモールド樹脂4を充填するに当たって、少なくともモールド樹脂4を注入開口孔52から吸引開口孔51へと隙間40内に所定時間流通させる。モールド樹脂4を流通させることにより、モールド樹脂4を隙間40内に満遍無く行き渡らせることができる。そして、モールド樹脂4を隙間40内に行き渡らせてから充填することにより、モールド樹脂4を圧電素子10の外周面100に空孔(ボイド)等の欠陥をほとんど生じさせることなく均一に塗布することができる。そしてまた、このような状態でモールド樹脂4を隙間40に充填することができる。
これにより、圧電素子10の外周面100の絶縁性をモールド樹脂4によって充分に確保することができる。そして、圧電素子10と収納ケース20との間の絶縁性もモールド樹脂4及び絶縁カバー5によって充分に確保することができる。それ故、本例の製造方法によって得られる圧電アクチュエータ1は、非常に品質の高いものとなり、絶縁性・信頼性に優れたものとなる。
また、本例は、圧電素子10の側面外周に絶縁カバー5を配置した後、圧電素子10と絶縁カバー5との間に形成された隙間40にモールド樹脂4を充填する。そのため、従来の方法、例えば圧電素子の外周面にモールド樹脂を塗布した後にスリーブ(本例の絶縁カバーに当たる)を被せる方法等のように、スリーブを被せた際にはみ出したモールド樹脂の除去を除去する工程を必要とせず、またモールド樹脂の余分な塗布を防止することができる。これにより、製造工程全体の効率化を図ることができ、生産性を向上させることができる。
また、本例では、絶縁カバー5の後端部502には注入開口孔52が複数形成されており、先端部501には吸引開口孔51が複数形成されている。そのため、樹脂充填工程において、モールド樹脂4を注入開口孔52から吸引開口孔51へと隙間40内に効率よく流通させることができる。
また、樹脂充填工程においては、絶縁カバー5の注入開口孔52を吸引開口孔51よりも下方に位置させた状態で、モールド樹脂4を重力に逆らって隙間40内に流通させる。そのため、モールド樹脂4を隙間40内により一層満遍無く流通させることができる。
また、絶縁カバー5の後端部502には、端面に向かって徐々に厚みが小さくなる変形圧接部53が形成されている。そして、カバー配置工程においては、絶縁カバーの変形圧接部53を変形させてハウジング30の端面301に圧接させ、密接状態とする。そのため、絶縁カバー5の後端部502からのモールド樹脂4のはみ出しをより一層防止することができる。
このように、本例の製造方法によれば、電気絶縁性・信頼性に優れ、生産性の高い圧電アクチュエータ1を得ることができる。
なお、本例では、絶縁カバー5の後端部502の変形圧接部53の形状を図4(a)のようにしたが、それ以外にも種々の形状とすることができる。
例えば、図4(b)に示すごとく、先端に近づくに従って外径が徐々に狭くなるように外周面500がテーパ状となっているもの、図4(c)に示すごとく、先端が曲面状となっているもの、図4(d)に示すごとく、先端に突出した部分を有するもの等を適用することができる。
また、本例において絶縁カバー5の後端部502に設けた変形圧接部53を絶縁カバー5の先端部501にも設ける構成とすることもできる。そして、絶縁カバー5の変形圧接部53を変形させながら押し当て治具70を押し当てて圧接させ、密接状態とすることができる。これにより、絶縁カバー5の先端部501からのモールド樹脂4のはみ出しもより一層防止することができる。
また、本例の構成に加えて、図14に示すごとく、絶縁カバー5の内周面509に、注入開口孔52から注入したモールド樹脂4を吸引開口孔51へと誘導するための誘導溝54を螺旋状に形成する構成とすることもできる。この場合には、モールド樹脂4を誘導溝54に沿って誘導しながら効率よく流通させることができる。そのため、モールド樹脂4を円滑に流通させることができると共に、生産性の向上を図ることができる。
また、本例の圧電アクチュエータ1は、収納ケース20の伸縮部23として金属ベローズを用いたベローズ型の圧電アクチュエータであるが、収納ケース20の伸縮部としてダイヤフラムを用いたダイヤフラム型の圧電アクチュエータとすることもできる。
(実施例2)
本例は、実施例1の圧電アクチュエータ1の製造方法におけるカバー配置工程において、絶縁カバー5の配置を変更した例である。
本例では、図15に示すごとく、カバー配置工程において、絶縁カバー5の注入開口孔52と側面電極14とが対向位置となるように絶縁カバー5を配置する。なお、図15では、注入開口孔52と側面電極14との位置関係を示したが、吸引開口孔51と側面電極14との位置関係も同様である。
そして、同図に示すごとく、樹脂充填工程において、絶縁カバー5に固定治具72(71)を取り付け、圧電素子10と絶縁カバー5との間に形成された隙間40にモールド樹脂4を充填する。
その他の工程は、実施例1と同様である。
この場合には、注入開口孔52及び吸引開口孔51と側面電極14との位置が近くなる。そのため、側面電極14の表面にモールド樹脂4を充分かつ確実に塗布することができる。これにより、圧電素子10の絶縁性をより一層充分に確保することができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、実施例1の圧電アクチュエータ1をインジェクタ6に用いた例である。
本例のインジェクタ6は、図16に示すごとく、ディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムに適用したものである。
このインジェクタ6は、同図に示すごとく、駆動部としての圧電アクチュエータ1が収容される上部ハウジング62と、その下端に固定され、内部に噴射ノズル部64が形成される下部ハウジング63を有している。
上部ハウジング62は略円柱状で、中心軸に対し偏心する縦穴621内に、積層型圧電素子1が挿通固定されている。
縦穴621の側方には、高圧燃料通路622が平行に設けられ、その上端部は、上部ハウジング62上側部に突出する燃料導入管623内を経て外部のコモンレール(図示略)に連通している。
上部ハウジング62上側部には、また、ドレーン通路624に連通する燃料導出管625が突設し、燃料導出管625から流出する燃料は、燃料タンク(図示略)へ戻される。
ドレーン通路624は、縦穴621と駆動部となる圧電アクチュエータ1との間の隙間60を経由し、さらに、この隙間60から上下ハウジング62、63内を下方に延びる図示しない通路によって後述する3方弁651に連通してしる。
噴射ノズル部64は、ピストンボデー631内を上下方向に摺動するノズルニードル641と、ノズルニードル641によって開閉されて燃料溜まり642から供給される高圧燃料をエンジンの各気筒に噴射する噴孔643を備えている。燃料溜まり642は、ノズルニードル641の中間部周りに設けられ、上記高圧燃料通路622の下端部がここに開口している。ノズルニードル641は、燃料溜まり642から開弁方向の燃料圧を受けるとともに、上端面に面して設けた背圧室644から閉弁方向の燃料圧を受けており、背圧室644の圧力が降下すると、ノズルニードル641がリフトして、噴孔643が開放され、燃料噴射がなされる。
背圧室644の圧力は3方弁651によって増減される。3方弁651は、背圧室644と高圧燃料通路622、またはドレーン通路624と選択的に連通させる構成である。ここでは、高圧燃料通路622またはドレーン通路624へ連通するポートを開閉するボール状の弁体を有している。この弁体は、上記駆動部1により、その下方に配設される大径ピストン652、油圧室653、小径ピストン654を介して、駆動される。
そして、本例においては、上記構成のインジェクタ6における駆動源として、実施例1の圧電アクチュエータ1を用いている。この圧電アクチュエータ1は、上記のごとく、優れた電気絶縁性・信頼性を有するものである。そのため、インジェクタ6全体の性能向上を図ることができる。
実施例1における、圧電アクチュエータの構造を示す説明図。 図1における、A−A断面を示す説明図。 実施例1における、絶縁カバーを示す説明図。 実施例1における、絶縁カバーの後端部の形状を示す説明図((a)〜(d))。 実施例1における、シート片を積層する工程を示す説明図。 実施例1における、圧電素子を示す説明図。 実施例1における、圧電素子にハウジングを組み付けた状態を示す説明図。 実施例1における、絶縁カバーを配置する工程を示す説明図。 実施例1における、絶縁カバーを配置した状態を示す説明図。 実施例1における、モールド樹脂を充填する工程を示す説明図。 図10における、B−B断面を示す説明図。 実施例1における、モールド樹脂を充填した状態を示す説明図。 実施例1における、収納ケースを収納する工程を示す説明図。 実施例1における、絶縁カバーの内周面を示す説明図。 実施例2における、絶縁カバーの配置を変更した例を示す説明図。 実施例3における、インジェクタの構造を示す説明図。
符号の説明
1 圧電アクチュエータ
10 圧電素子
100 外周面(圧電素子の外周面)
30 ハウジング
40 隙間
4 モールド樹脂
5 絶縁カバー
51 吸引開口孔
52 注入開口孔

Claims (11)

  1. 軸方向に伸縮する伸縮部を有する有底筒状の収納ケースに積層型の圧電素子を収納すると共に、電力供給用の外部電極を備えたハウジングを上記収納ケースの開口端部に接合してなる圧電アクチュエータを製造する方法において、
    上記圧電素子の側面外周に、電気絶縁性を有する筒状の絶縁カバーを上記圧電素子との間に隙間を設けて配置するカバー配置工程と、
    上記圧電素子と上記絶縁カバーとの間に形成された上記隙間に、電気絶縁性を有するモールド樹脂を充填する樹脂充填工程と、
    上記収納ケース内に上記圧電素子を挿入して収納する素子収納工程と、
    上記収納ケースの上記開口端部に上記ハウジングを接合する接合工程とを有し、
    上記絶縁カバーの側面には、少なくとも上記モールド樹脂を注入するための注入開口孔と上記モールド樹脂を吸引するための吸引開口孔とが形成されており、
    上記樹脂充填工程においては、上記隙間の両端を密閉した状態で、上記モールド樹脂を上記注入開口孔から上記隙間に注入すると共に該隙間に注入した上記モールド樹脂を上記吸引開口孔から吸引し、上記モールド樹脂を上記隙間内に所定時間流通させることにより少なくとも上記圧電素子の外周面に塗布されるように充填することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  2. 請求項1において、上記絶縁カバーの両端部においては、一方に上記注入開口孔が1又は複数形成されており、他方に上記吸引開口孔が1又は複数形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  3. 請求項2において、上記樹脂充填工程においては、上記絶縁カバーの上記注入開口孔を上記吸引開口孔よりも下方に位置させた状態で、上記モールド樹脂を重力に逆らって上記隙間内に流通させることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  4. 請求項2又は3において、上記絶縁カバーの内周面には、上記注入開口孔から注入した上記モールド樹脂を上記吸引開口孔へと誘導するための誘導溝が螺旋状に形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記カバー配置工程前に、上記圧電素子よりも大径の上記ハウジングの端面を上記圧電素子の後端面に接合しておき、
    上記カバー配置工程においては、上記絶縁カバーの一方の端部を上記ハウジングの上記端面に密接させることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  6. 請求項5において、上記絶縁カバーの上記一方の端部には、先端に向かって徐々に厚みが小さくなる変形圧接部が形成されており、
    上記カバー配置工程においては、上記絶縁カバーの上記変形圧接部を変形させて上記ハウジングの端面に圧接させることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、上記圧電素子の側面には、上記外部電極に導通された一対の側面電極が設けられており、
    上記カバー配置工程においては、上記絶縁カバーの上記注入開口孔及び上記吸引開口孔と上記側面電極とが対向位置となるように上記絶縁カバーを配置することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、上記絶縁カバーは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)又はNY66(66ナイロン)からなることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、上記モールド樹脂としては、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂又はポリウレタン系樹脂を用いることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータの製造方法により製造してなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  11. 請求項10において、上記圧電アクチュエータは、内燃機関の燃料噴射用のインジェクタに内蔵するアクチュエータであることを特徴とする圧電アクチュエータ。
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