JP4983379B2 - 意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼及びその製造方法 - Google Patents

意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼及びその製造方法に関するものである。
ステンレス鋼の中でもオ−ステナイト系ステンレス鋼は、大気中での環境で特に海岸に近い環境下で使用されなければ、塗装による腐食防止に頼らなくても錆の発生をほぼ防止できる優れた耐食性を有している。また、清潔感に富み意匠性の面でも優れていることから、多くの建材や建築構造物等において使用されている。
そして、このようなステンレス鋼を建材等に使用する場合において、建材等の意匠性を高めるために、ステンレス鋼の表面に意図的に凹凸を付与することが行われている。すなわち、表面に凹凸を付与すると表面からの光の反射に影響が生じるため、見る角度によって明るさが変化する。この明るさの変化が、そのような変化が少ない単純な平滑平面の場合に比べ、建材等をより立体的に際立たせ、見る人に高級感を与え、建材等の意匠性に対する評価を高める効果を有していると考えられている。
ところが、このように意匠性を高めるために表面に凹凸を付与すると、別の問題が発生する。通常ステンレス鋼は、圧延し、表面のスケールを除去するためにショット、酸洗等を行うことにより製造される。この状態の鋼材は表面に凹凸を有するものの、白色であるため金属光沢に乏しく意匠性に乏しい。そのため、意匠性が必要な建材等に使用する場合は、ヘアライン研磨加工等により、白色の表面を除去すると共に凹凸を再び付与する加工が一般的に行われている。しかしながら、このような加工は、ステンレス鋼表面の不働態被膜による耐食性向上効果に大きな悪影響を及ぼすため、本来であれば、ほとんど錆発生が生じない場合であっても、錆の発生を完全に抑制できなくなるという問題がある。
従来、この耐食性低下という問題を解決するため、前記した表面への凹凸付与のための機械加工後において、再度酸洗(20%程度の濃度の硝酸水溶液等に浸漬)したり、表面を樹脂により被覆するといったことが行われている。ところが、表面に凹凸のある状態で酸洗しても、平滑状態の表面に酸洗した場合に得られるレベルにまで耐食性を高めることは困難であり、その効果は不十分なものしか得られない。また、ウレタン樹脂等で被覆する方法は、比較的新しいうちは問題ないが、時間の経過とともに部分的に被覆が破壊されることがあり、その場合には被覆が破壊された箇所から錆が発生したり、被覆の破壊の影響で意匠性が大きく低下し、補修も困難になるという問題がある。
以上説明した耐食性向上のための方法以外に、特許文献1に示されるように電解研磨と呼ばれる表面処理技術が知られている。電解研磨は金属の表面を鏡面化できる技術として良く知られており、特にステンレス鋼に適用した場合には、ステンレス鋼の本来持つ耐食性をさらに向上できることが知られている技術である。
すなわち、非特許文献1に示されるように、電解研磨をステンレス鋼に適用した場合には、表面に母材のCr濃度に比較してCr濃度が上昇した不働態被膜が生成され、耐食性が大幅に向上するというものである。例えばSUS304の表面に電解研磨処理を施した場合には、海岸地帯においても耐えることのできる、優れた耐食性が得られることが確認されている。
特公昭54−42938号公報 表面技術第41巻3号、第17〜20頁 (社)表面技術協会発行
しかしながら、ステンレス鋼の意匠性向上のために凹凸を付与した表面に対し、特許文献1に示すような電解研磨を施す場合には、以下の問題がある。
すなわち、電解研磨という技術は、表面を鏡面化させることが特徴であり、処理後の表面は、説明するまでもなく、表面粗さが非常に小さい凹凸のない面になってしまう。この場合には折角表面に凹凸を付与して意匠性を向上しても、その効果が全く得られないことになり、耐食性は向上しても意匠性を高めることができなくなる。
このような課題に対し、意匠性が低下しない程度に表面の凹凸が残存するように軽度な電解研磨を施すことが対策として考えられる。ところが、本発明者等が詳細に調査した結果、表面に凹凸を付与した後に、軽度に電解研磨処理を行っても、電解研磨特有の優れた耐食性は得られないことがわかった。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたもので、凹凸を残し優れた意匠性を確保しつつ、電解研磨により本来得られる耐食性向上効果が十分に得られる新規な表面処理ステンレス鋼及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、圧延し、固溶化熱処理後、表面のスケール除去がされたオ−ステナイト系ステンレス鋼に表面処理が施されたステンレス鋼であって、その表面は、脱スケール処理後に表面の平滑度を高めるために行われる機械的な研削、研磨仕上げがされることなく、必要に応じて表面に凹凸を付与する意匠性向上処理をすることにより、Ra1.8μm以上の粗さからなる表面起伏を有しており、かつ電解研磨処理と不動態化処理によって、最大Cr濃度が素地の平均Cr濃度+3σ1以上(σ1:素地のCr濃度の標準偏差)である不働態被膜を表面に有しており、1.0cm2の表面を対象に、30℃で1.0mol/リットルの食塩水中で自然電位から電位を貴側に変化させ、1000μAの電流が流れるまでアノード分極した際の孔食部において、Cu濃化領域(Cu濃度が素地の平均Cu濃度+3σ2以上である領域;σ2:素地のCu濃度の標準偏差)の面積が0.1μm2以下であることを特徴とする意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼である。
本発明のポイントは、圧延し、固溶化熱処理後、表面のスケール除去処理がされたオ−ステナイト系ステンレス鋼の表面及びその近くにおいて、素地に比較して明らかにCu濃度の高い円相当直径で数百nm〜数十μm程度の大きさのCu濃化領域が存在していること、例え電解研磨後であっても、このCu濃化領域が存在したままの状態では、不働態化処理を行っても孔食電位が低く、優れた耐食性が得られないこと、このCu濃化領域を除去した上で軽度の電解研磨処理を施し不働態化処理を行った場合には、表面に凹凸が残された状態であっても、非常に優れた耐食性を確保できることを新規に見出した点にある。
以下、本発明の完成に到ったポイントについて説明する。
ステンレス鋼の耐食性を測定する方法として、アノード分極により孔食電位を測定する方法は従来から良く知られている方法である。この孔食電位は、ステンレス鋼表面に存在する不働態被膜による不働態化が、試験面上のいずれかの箇所で崩壊する際の電位を意味している。この孔食電位が高いほど、酸化に対して抵抗の高い不働態被膜が形成されていることになり、耐食性が優れていると判断できる。
そして、孔食電位測定後の試験片には、不働態被膜が崩壊した場所に孔食と呼ばれるピットが形成される。そこで、本発明者等は様々に条件を変化させて準備した試験片について、孔食電位を測定し、測定後のピットについて詳細に調査を行った。その結果、孔食電位が低く耐食性が劣る試験片には、必ず円相当直径で数百nm〜数十μm程度の大きさのCu濃化領域(素地に対して明確な境界が認められない数十μm程度の網状の場合や、素地に対し明確な境界が認められる直径数百nm程度の粒子状である場合がある。)の存在が孔食部において確認されたのに対し、孔食電位が高く耐食性が優れている試験片のピットには、Cu濃化領域が検出できないこと、このCu濃化領域が、オ−ステナイト系ステンレス鋼を固溶化熱処理後ショット・酸洗等した材料において、表面から数十μmの深さの間に集中して存在していることを見出したものである。尚、Cu濃化領域は素地と比較して明らかに高いCu濃度となっているため、Cu濃度が素地の平均Cu濃度+3σ2以上である領域(σ2:素地のCu濃度の標準偏差)をCu濃化領域と定義し、請求項1に記載した。また、Cu濃化領域の形状、個数は様々であり、個数での限定は請求範囲を曖昧にする可能性があり、面積での限定が適当と考え、観察面1.0cm2辺り、面積0.1μm2以下を本発明である表面処理ステンレス鋼の請求範囲とした(請求項1)。
そこで、本発明者等は、耐食性を改善するため、このCu濃化領域を除去するために効率的な方法について検討し、下記知見を得て、本発明を完成させたものである。
(1)Cu濃化領域は表面から数十μmの深さの表層部位に存在している。これは、表面が酸化されてスケールが生成される際にCuに比べFeの方が優先的に酸化されるために部分的にCuの濃化領域が生成され、圧延によって素地表面に入り込むことによるものと推定される。
(2)Cu濃化領域は、表面又は極めて表面に近い位置に集中して存在しているため、電解研磨によっても除去することが可能である。ところが、電解研磨によってCu濃化領域が完全に除去されるまで研磨してしまうと、その後不働態化処理を行うことにより耐食性は向上できるが、表面の凹凸が小さくなって意匠性が大幅に低下する。また、Cu濃化領域が完全に除去されるまで電解研磨処理した後に、意匠性向上のための表面への凹凸付与処理をすることも可能であるが、この場合、電解研磨処理に多大な時間を必要とするため、生産性、コストの面で非常に不利な条件となってしまう。そこで、さらに検討した結果、Cuを優先的に溶解し素地を溶解しない硝酸水溶液等に浸漬すると、表面の凹凸を消失させることなく、Cu濃化領域を除去することができることを見出したものである。
(3)Cu濃化領域は、表面に近い位置に存在しているが、一部のCu濃化領域は、表面に露出しない状態で存在している。このような状態で硝酸水溶液等に浸漬しても、Cu濃化領域を完全に除去できない。ところが、Cu濃化領域が表面に露出した状態になる程度に短時間の電解研磨処理を行った後に硝酸水溶液等の酸に浸漬した場合には、母相であるステンレスを腐食することなく、問題なくCu濃化領域を除去することができるとともに、凹凸が残存した状態を維持できるため、意匠性も低下しない。また、凹凸付与処理をCu濃化領域を除去した後に行う場合でも、その前処理である電解研磨処理が短時間で処理可能であるため、同様にコスト面、生産性の面で不利になることもない。
(4)Cu濃化領域を除去することなく電解研磨処理とそれにつづく不働態化処理を行った場合には、部分的に存在するCu濃化領域の隣接部位の素地においては、耐食性が他の領域と比較して低下した不働態被膜しか生成されないため、孔食電位を測定すると、このような耐食性の低下した領域の不働態被膜が優先して崩壊することになり、低い孔食電位しか得られず、孔食部に残留したCu濃化領域が認められる。これは、言い換えれば、実際に使用された場合、そのような弱点と言える箇所からの錆の発生を防止できないということになる。それに対し、Cu濃化領域を除去した上で電解研磨処理と不働態化処理を行った場合には、このような弱点と言える箇所が存在しないため、極めて高い孔食電位が得られるとともに、凹凸の存在による悪影響があるにもかかわらず、優れた耐食性を確保することができる。
次に、請求項1からなる表面処理ステンレス鋼の各構成要件について詳細に説明する。
まず、使用する鋼材は、SUS304等のオ−ステナイト系ステンレス鋼であり、熱間圧延等で目的とする形状、寸法の製品を製造し、その後固溶化熱処理する。通常固溶化熱処理状態のままでは、圧延及び熱処理時の加熱によって表面にスケールが生成しているため、これをショット・酸洗等により除去する。ここまでは、従来から普通に行われている方法と差異はない。
この状態で既に表面にショット加工による凹凸が表面に生成されている。意匠性向上のために、凹凸の様相を変えたい場合、このようにして得られた鋼材に対し、さらに加えて、表面に意図的に凹凸を付与する加工を行うことにより異なる意匠を付与する処理を行うこともできる(請求項4)。
ここで、表面の平滑度を向上するために行われる機械的な研削、研磨仕上げをする場合を除外しているのは、表面の平滑度を高めるための研削、研磨仕上げ加工がされた場合には、Cu濃化領域もその加工によって同時に除去されることになるため、Cu濃化領域の存在によって不働態被膜の耐食性が低下するという問題が起きる可能性もなく、これらの加工がされる場合にまで本発明が適用されることは考えにくいため、発明の対象外としたものである。
そして、この凹凸の存在によって、光の反射が変化するため、見る角度によって明るさが変化することにより、製品の意匠性を高め、高級感を高める効果を有する。なお、凹凸を付与する加工としては、スチールショット、ガラスビーズ等のショットによる仕上げ加工、意図的に凹凸を付与できる圧延ロールを使用した冷間圧延等の方法等により行うことができる。これにより後述の第2の電解研磨処理や不働態化処理を行った後においてもRaが1.8μm以上の粗さの面が残存するように表面を加工する。また、凹凸付与のための表面加工は、脱銅処理の前であっても後であってもどちらでも構わない。後述する第2の電解研磨処理及び不働態化処理によって被膜形成をする前に凹凸の加工がされていれば同様に優れた意匠性と耐食性を両立させることができるからである。
また、ここで表面粗さRaの下限を1.8μm以上としたのは、これより粗さが小さくなると優れた意匠性を確保することができなくなることは勿論であるが、従来技術による製品と明確に区別するためである。すなわち、従来技術では、耐食性低下の原因となるCu濃化領域の存在及びそれを効率良く除去する手段について明確になっていなかったため、凹凸を残存したままでは、優れた耐食性を得ることができず、十分に電解研磨して耐食性を改善しようとすると凹凸がほとんど消失して(すなわちRaが1.8μm未満)しまい、意匠性と耐食性を同時に優れた製品を作ることが難しかったことを考慮し、本発明が、凹凸を残存させたままで優れた耐食性も確保できることを明確にするため限定したものである。なお、表面粗さRaは3.0μm以上とした方が、高い意匠性を確保するためにはより望ましい。
但し、電解研磨により耐食性を高めた後、凹凸の加工をすることは従来技術でも可能であるが、一度粗さを小さくし、再度逆に凹凸を付与するようなことは非効率的で極めてコストが高い工程となるのに加え、凹凸の加工により不働態被膜が破壊され、耐食性を損なうため、普通は選択されることがないものである。
次に、生成されたステンレス鋼の表面には、最大Cr濃度が素地のCr濃度+3σ1以上(σ1:素地のCr濃度の標準偏差)となる不働態被膜を有していなければならない。より具体的には、請求項2に記載するステンレス鋼においては素地のCr濃度は質量%で16.0〜20.0%であり、原子%においてはおよそ17〜22原子%(σ1は約0.7〜1.0原子%程度)であるのに対し、被膜中のCr濃度は、25原子%以上であり、かつCr/Feが原子数比で0.8以上であることが好ましい。なお、Oの含有率は大体30〜60原子%程度であり、厚さは非常に薄く6nm以下程度である。このようなCr濃度の高い被膜が電解研磨処理によって生成されることは公知技術であるが、本発明では、既に説明している通りCu濃化領域を除去した後で電解研磨処理及び不働態化処理により生成しているので、Cu濃化領域の存在を考慮せずに生成された被膜に比較して耐食性の面で非常に強固であるという特徴を有するものである。
ここで、「30℃、1mol/リットルの食塩水中で自然電位から電位を貴側に変化させ、1000μAの電流が流れるまでアノード分極」とは、通常行われる孔食電位測定の試験方法を示したものである。但しJISG0577で規定されている孔食電位測定方法における試験片作製手順を実施すると、表面状態が大きく変化してしまうため、研磨等のJISで規定された試験片の作製手順は実施せず、表面処理を施した試験片を、試験面積1.0cm2を残してマスキングした状態で、孔食電位を測定する必要がある。なお、この測定方法は、後述の実施例の全て(従来例を含む。)について同様である。
そして、孔食電位の測定を実施すると、表面に生成されている不働態被膜の中で最も耐食性に対し脆弱で弱い箇所において孔食することとなる。従って、もし不働態被膜中にCu濃化領域が存在している場合には、当然Cu濃化領域の周囲近傍において素地が孔食することとなるため、この場合、素地の孔食後においてそのピット部にCu含有率の高い箇所を検出することができる。このCu濃化領域におけるCu濃度は、素地と比較してその値が重複することがない程度に高いため、前記した定義からなるCu濃化領域が、本発明の表面処理ステンレス鋼においては、観察面1.0cm2辺り0.1μm2以下と限定したものである。
ここで、下限を0.1μm2としたのは、これ以下のCu濃化領域であれば積極的に許容されるという意味で記載したものではない。後述の実施例に示すように、Cu濃化領域の除去処理が十分でなく耐食性が劣る試験片については、全て0.1μm2を超えるCu濃化領域が認められたため、それを文言で表現するためにこのように限定したものである。脱銅処理を十分に行った場合には、後述の実施例に示す通りCu濃化領域は検出されておらず、本発明の特徴は、Cu濃化領域を完全に除去することを基本としていることは、既に説明している通りである。
次に本発明で対象とするステンレス鋼であるが、請求項2に記載した通り、質量%にて、C:0.08%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:7.0〜15.0%、Cr:16.0〜20.0%、Mo:3.0%以下を含有し、残部Fe及び不純物元素からなるオ−ステナイト系ステンレス鋼又は、必要に応じてさらにCu:4.0%以下、N:0.30%以下、Nb:0.15%以下の1種又は2種以上を含有させた鋼に対し、本発明の方法を適用すると大きな効果を得ることができる。
すなわち、本発明による方法で得られる耐食性のレベルは、ステンレス鋼の中でも最も耐食性が優れることが知られているSUS329J1のような2相ステンレス鋼とほぼ同レベル(孔食電位で800mVvsSCE以上)であり、もともと耐食性が優れている2相ステンレス鋼に本発明を適用する意味はほとんどない。逆にオ−ステナイト系ステンレス鋼に比較して安価であるが耐食性の劣るフェライト系やマルテンサイト系ステンレス鋼に本発明を適用しても、電解液に浸漬しただけの状態で材料に腐食反応が開始してしまうため、十分な耐食性向上効果が得られない。従って、本発明はオ−ステナイト系ステンレス鋼に限定して適用するのが適しており、特に前記した成分の鋼に限定して適用するのがより好ましい。具体的に鋼種名で説明すると、SUS304を含むのは勿論であるが、他にSUS304L、SUS304N1、SUS304N2、SUS304LN、SUS304J3、SUSXM7、SUS316、SUS316L、SUS316N等の鋼種等が指定した成分範囲内に含まれる。
なお、前記した成分は、JIS鋼の範囲も含む公知成分であり、特に成分限定理由を説明する必要はないと考えられるので、その説明は省略する。
次に請求項3に記載した本発明である表面処理ステンレス鋼の製造方法は、圧延し、固溶化熱処理し、ショット、酸洗等により脱スケール処理がされたオ−ステナイト系ステンレス鋼の表面処理方法であって、Cu濃化領域を表面に露出させる第1の電解研磨処理工程と、表面のCu濃化領域を除去するための脱銅処理工程と、第2の電解研磨処理及び不働態化処理による不働態被膜生成工程とからなることを特徴とする。
本発明の表面処理ステンレス鋼の製造方法では、オ−ステナイト系ステンレス鋼を対象とし、熱間圧延等で所定形状に製造した後固溶化熱処理を施し、表面に生成したスケールをショット・酸洗等により除去した鋼材を用いる。
対象とする鋼材としては、既に説明した請求項2と全く同様であり、請求項5に記載の通り、質量%にて、C:0.08%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:7.0〜15.0%、Cr:16.0〜20.0%、Mo:3.0%以下を含有し、さらに必要に応じてCu:4.0%以下、N:0.30%以下、Nb:0.15%以下の1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不純物元素からなるオ−ステナイト系ステンレス鋼を用いると大きな効果を得ることができる。
本発明では、この鋼材に前記した通りの方法で人に高級感を与えるような意匠性を確保するために、必要に応じて表面に凹凸を付与する意匠性向上処理を施す(請求項4)。但し、スケールを除去するためのショットによっても、ショット条件によっては、Raが1.8μm以上となるように、凹凸を付与することも可能であるため、この場合には、必ずしも新たに意匠性向上処理をする必要はない。但し、優れた意匠性を得るには、Raが3.0μm以上であるのが望ましく、スケール除去のためのショットで1.8μm以上の粗さの面が確保できている場合であっても、さらに意匠性向上処理工程を施すことは、勿論可能である。
そして、本発明では、準備した鋼材に対し第1の電解研磨処理を行う。但し、ここでの電解研磨処理は、Cu濃化領域を完全に除去するのではなく、後工程の脱銅処理によって、Cu濃化領域を完全に除去可能とするために、Cu濃化領域を表面に露出させるのが目的であり、非常に短時間の処理で十分である。また、逆に必要以上に処理を継続してしまうと、前工程で既に凹凸を付与している場合には、その凹凸が小さくなって、意匠性、高級感が失われることになるので、注意が必要である。
この第1の電解研磨処理工程によって、Cu濃化領域が表面に露出した状態とすることができるため、この状態で硝酸水溶液に浸漬する等の脱銅処理を施すことにより、容易にCu濃化領域を除去することができる。なお、脱銅処理は、Cuが濃化した部分以外の素地の部分を腐食することなく、Cuが濃化した領域のみを短時間で溶解できる溶液であれば何でも良く、例えば20%以上の濃度の硝酸水溶液を用いることにより処理が可能である(請求項6)。ここで、下限を20%としたのは、これより濃度が低いと脱銅処理に時間がかかったり、十分な脱銅処理ができない場合があるからである。
なお、凹凸を付与する意匠性向上処理後に、第1の電解研磨処理と脱銅処理工程を実施してもよいし、第1の電解研磨処理と脱銅処理工程後に、凹凸を付与する意匠性向上処理を実施しても構わない。後工程である第2の電解研磨処理工程の前に脱銅処理が完了している限り、最終的に優れた耐食性を確保することができるからである。
そして、意匠性向上のための表面の凹凸付与と脱銅処理が終了した後に、さらに第2の電解研磨処理及び不働態化処理を行う。この処理の目的は、第1の電解研磨処理とは異なり、表面にCr濃度の高い被膜を形成させ、耐食性の優れた不働態被膜を形成するために行う処理である。この際、既に前の工程で被膜の耐食性に悪影響を及ぼすCu濃化領域を除去しているため、被膜が局所的に脆弱化することがなく、表面全体に亘って非常に優れた不働態被膜を形成することができる。また、この工程は、表面の研磨を目的としておらず、かつ意匠性を低下させないために、凹凸を残した状態とする必要があるため、第1の研磨処理と同様に、処理は短時間で終了させる必要がある。ここで、不働態化処理は、例えば5〜10%程度の硝酸水溶液や、14%程度のリン酸水溶液に浸漬する等の方法により実施することができる。
次に、本発明により得られる効果を実施例により明らかにする。
実施例として用いる試験用素材として熱間圧延し、固溶化熱処理を施し、スケール除去のためのショット、酸洗仕上げを行ったSUS304(質量%で、0.05%C−0.46%Si−0.99%Mn−0.031%P−0.002%S−0.24%Cu−8.08%Ni−18.15%Cr−0.19%Mo−0.08%N)を準備した。
この試験用素材に、表面の凹凸付与のための加工条件、脱銅処理、脱銅処理前後の電解研磨処理時間等を変化させて表面処理を行い、表面処理後の不働態被膜中の最大Cr濃度を測定するとともに、処理後に孔食電位を測定して、処理条件による耐食性への影響について評価した。また、それぞれの試験片について、孔食電位測定後の孔食部におけるCu濃化領域の有無の確認と表面粗さの測定を行うとともに、意匠性の評価についても実施した。
電解研磨処理、脱銅処理、不働態化処理については、処理を行ったものについては、共通の条件で評価した。但し、電解研磨処理における電流密度については、高すぎると電解液の劣化が早くなってしまうので、数値を変化させて評価した。その条件を表1、2に示す。電流密度も含め、各試験片の具体的条件については、後述の表4にまとめて記載した。なお、表4に記載のDSとは、熱間圧延し、固溶化熱処理を施し、ショット、酸洗仕上げを行ったままの状態であることを意味し、特に追加の凹凸付与加工を行っていない状態であることを意味する。
表面への凹凸の加工については、ショット、酸洗処理ままのもの、それに凹凸の様相を変えるためにスチールショットやガラスビーズショット処理を行ったもの、ヘアライン研磨仕上げを行ったものについて、それぞれ評価した。なお、スチールショットは、粒径0.4mmのショット粒を用い、ガラスビーズショットは、粒径0.5mmの低アルカリ硼珪酸ガラスのショット粒を用いた。
次に評価条件について説明する。
耐食性は前記した通り、孔食電位を測定することにより評価した。孔食電位の測定は、表面処理を施した試験片を試験面積が1.0cm2となるようにして、30℃で1mol/リットルの食塩水中に浸漬し、試験片の電位をポテンショスタットにより自然電位から徐々に貴側に変化させ、アノード分極曲線を測定することにより行った。測定用の試験片準備の際に、JISで規定されているような研磨等の作業を行っていない点については、前記した通りである。そして、このアノード分極曲線から電流密度が1000μA/cm2となるまでアノード分極し、100μA/cm2となったときの電位を求めることにより孔食電位を測定し、表4には、その平均値を示した。電位は、30℃における飽和カロメル電極を基準として示した。また、同時にCu濃化領域の存在と得られる耐食性との関係を評価するため、試験は同じ条件で3個以上行った。そして、孔食電位測定後の孔食部にCu濃化領域が存在していないかを正確に調査するため、SEM(走査型電子顕微鏡)で孔食部の位置を確認し、EPMA分析によってCuが濃化している部分がないかの調査を素地のCu濃度及びその変動(標準偏差)を同時に測定することにより行った。表4には、孔食部にCu濃化領域が確認できたかどうかについて示し、表5にCu濃化領域が確認できた試験片について、その平均Cu濃度と面積を示した。
次に意匠性の評価方法について説明する。
意匠性の評価は、人によって判断にばらつきが生じるものであり、測定機器で何らかの値として測定することは困難である。但し、意匠性が表面の凹凸による光の反射の変化が影響していることは事実であり、表面粗さと深い相関関係があることは確認されている。そこで、それぞれの試験片について表面粗さ(算術平均粗さRa)を表3に示す条件で測定するとともに、意匠性の評価については、10名の方を選択し、5段階評価(最高が5点、最低が1点)をしてもらい、10名の方の評価点数の平均が4点以上を◎、3点以上4点未満を○、3点未満を×として表4に示した。
表4に示した評価結果のうち、試験No.1〜4は、前記した本発明の全ての条件を満足する実施例であり、5〜12は、脱銅処理が未処理であったり、第1の電解研磨処理を行っていない点で本発明の条件を満足しない比較例であり、13〜15は、耐食性向上のための電解研磨処理、不働態化処理を行っていない通常のSUS304の評価結果を示したものである。
比較例のうち、No.7と10は、孔食部においてCu濃化領域が確認されておらず、孔食電位も950mV程度の高い値を示しており、耐食性については優れた結果が得られている。しかしながら、7の場合は、20A/dm2という高い電流密度で80分という長い電解研磨処理を行った結果、Cu濃化領域が除去されて耐食性は改善されているが、その一方でせっかくスチールショットによって表面に付与された凹凸がかなり除去され、平滑な面に近くなって、意匠性が大幅に低下したものである。また、10も、#150のヘアライン研磨によってCu濃化領域が除去され、耐食性は優れているが、表面粗さが0.46μmと著しく表面が平滑化してしまい、意匠性が大幅に低下したものである。
7と10を除く比較例については、8を除き脱銅処理を行っておらず、電解研磨処理も表面のCu濃化領域が除去されるまで行っていないため、高い孔食電位を得ることができず、孔食部においてCu濃化領域が確認されたものである。そして、検出されたCu濃化領域の平均Cu濃度は、素地のCu濃度の変動(標準偏差)を考慮しても、素地のCu濃度をはるかに超えるものであった。なお、これらの比較例は、表面粗さについてはそれほど低下していないので、意匠性については問題ないが、耐食性が大幅に劣るものである。
試験No.8については、脱銅処理がされているものの、その前工程として必要な第1の電解研磨処理工程が実施されていないため、一部のCu濃化領域が表面に露出していない状態で脱銅処理が行われたことにより、表4、表5に示すようにCu濃化領域の除去が不完全となり、優れた耐食性が得られなかったものである。
また、従来例である試験No.13〜15は、電解研磨処理及び不働態化処理されていないため、表面には、13については通常のショット、酸洗工程における不働態被膜が形成されているのみであり、14、15は、自然酸化による不働態被膜が形成されているのみであって、この被膜は非常に脆弱なものであるため、耐食性が大きく劣るものである。
これらの比較例に対し、本発明の実施例であるNo.1〜4では、あらかじめ軽度の電解研磨処理を行って、表面及び表面近くに存在するCu濃化領域を表面に露出させてから脱銅処理をするようにしているので、耐食性に悪影響を及ぼすCuを確実に除去している。また、脱銅処理前の第1の電解研磨処理工程と脱銅処理後の第2の電解研磨処理は、電解研磨の通常の目的とは異なり、耐食性向上のみを目的として実施されるものであり、意匠性向上のため行う表面凹凸加工が、残存した状態で処理を終了しても十分にその目的を達成することができる。従って、表4の結果から明らかなように、本発明の表面処理ステンレス鋼は、意匠性と耐食性がともに優れたステンレス鋼を容易に得ることができ、従来のようにいずれか一方しか満足できる性能が得られない場合と比較して顕著な効果を得ることができるものである。
また、本発明が優れた耐食性を示す根拠を確認するため、不働態化処理後に生成された表面被膜の組成をXPS分析(X線光電子分光分析)により分析した。実施例4の結果を図1に示す。この図から表面からの距離6nm以上を素地として、素地の平均Cr濃度及び標準偏差を計算すると、平均Cr濃度が20.9原子%、標準偏差が0.7原子%となり、表面部の最大Cr濃度は、29.6原子%となる。従って、表面部は、Cr、O濃度が上昇し、Fe濃度が低下しており、最大Cr濃度が素地の平均Cr濃度+3σ11:素地のCr濃度の標準偏差)以上となっている不働態被膜が生成していることが確認できた。その他、ここには示していない試験片についても、本発明の試験片については同様の結果であった。なお、前記したように、電解研磨処理及びそれに続く不働態化処理により、このような不働態化被膜ができることは広く公知な事実である。
ここで、図1で表面から1nm付近まで、C濃度が高くCr濃度が低下しているように記載されているが、これは試験片の最表面に存在するコンタミ層であり、ポリ袋等に入れて保管した試験片をXPS分析した際には一般的に検出されるものである。コンタミ層は、表面の不働態被膜の組成状態を示すものではないため、無視すれば良い。
次に、孔食電位測定後の孔食部を観察した結果の一例を示す。図2は、比較例である試験No.9の孔食部のSEM写真である。そして、この写真上の分析部位A点(孔食部の縁にあるバリ状の部位)において、EPMA分析をした結果が、図3である。このように第1の電解研磨処理とそれに続く脱銅処理がされておらず、かつCu濃化領域が除去される程度の長時間、電解研磨処理がされていない試験片No.9の場合は、EPMA分析によって、素地の平均Cu濃度+3σ22:素地のCu濃度の標準偏差)以上のCuを含むCu濃化領域が検出された(実施例として用いた素材であるSUS304において、Cuは不純物としての含有のみであり、孔食部のCu濃化領域以外の箇所では、このようなピークは確認できない。)。これに対し、本発明の試験片については、同様の図は示していないが、EPMA分析においてCuのピークは確認されず、Cu濃化領域の存在の有無が耐食性に大きく影響している点をこの結果から確認することができた。
さらに、試験No.3、4は、電解研磨処理時の電流密度を低くして処理した場合の影響を確認するために行ったものであるが、電流密度が高い場合に比較して、必要な電解研磨処理の処理時間が長くなるという点はあるが、電流密度が高い場合と同様の効果が得られることが確認できた。
以上説明したように、本発明の表面処理ステンレス鋼では、軽度の電解研磨処理を行った後脱銅処理を行い、不働態被膜の耐食性低下の原因となるCu濃化領域を除去した上で、電解研磨処理、不働態化処理により極めて耐食性の優れた被膜を形成させているので、オ−ステナイト系ステンレス鋼であるにもかかわらず二相ステンレス鋼並の耐食性を得ることができ、海岸に近い環境下で使用しても、長期間錆の発生を抑制できるという優れた効果を得ることができるものである。
本発明の実施例である試験No.4の表面のXPS分析結果を示す図 比較例である試験No.9の孔食電位測定後における孔食部の走査型電子顕微鏡写真 比較例である試験No.9の孔食電位測定後における孔食部のEPMA分析結果

Claims (6)

  1. 圧延し、固溶化熱処理後、表面のスケール除去がされたオ−ステナイト系ステンレス鋼に表面処理が施されたステンレス鋼であって、その表面は、脱スケール処理後に表面の平滑度を高めるために行われる機械的な研削、研磨仕上げがされることなく、必要に応じて表面に凹凸を付与する意匠性向上処理をすることにより、Ra1.8μm以上の粗さからなる表面起伏を有しており、かつ電解研磨処理と不動態化処理によって、最大Cr濃度が素地の平均Cr濃度+3σ1以上(σ1:素地のCr濃度の標準偏差)である不働態被膜を表面に有しており、1.0cm2の表面を対象に、30℃で1.0mol/リットルの食塩水中で自然電位から電位を貴側に変化させ、1000μAの電流が流れるまでアノード分極した際の孔食部において、Cu濃化領域(Cu濃度が素地の平均Cu濃度+3σ2以上である領域;σ2:素地のCu濃度の標準偏差)の面積が0.1μm2以下であることを特徴とする意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼。
  2. 使用するステンレス鋼の化学成分が、質量%にて、C:0.08%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:7.0〜15.0%、Cr:16.0〜20.0%、Mo:3.0%以下を含有し、さらに必要に応じてCu:4.0%以下、N:0.30%以下、Nb:0.15%以下の1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不純物元素からなることを特徴とする請求項1に記載の意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼
  3. 圧延し、固溶化熱処理し、脱スケール処理がされたオ−ステナイト系ステンレス鋼の表面処理方法であって、Cu濃化領域を表面に露出させる第1の電解研磨処理工程と、表面のCu濃化領域を除去するための脱銅処理工程と、第2の電解研磨処理及び不働態化処理による不働態被膜生成工程からなることを特徴とする意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼の製造方法。
  4. 第2の電解研磨処理を施す前に最終的な製品表面の粗さRaが1.8μm以上となるように凹凸を付与する意匠性向上処理工程を施すことを特徴とする請求項3に記載の意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼の製造方法。
  5. 使用するステンレス鋼の化学成分が、質量%にて、C:0.08%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:7.0〜15.0%、Cr:16.0〜20.0%、Mo:3.0%以下を含有し、さらに必要に応じてCu:4.0%以下、N:0.30%以下、Nb:0.15%以下の1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不純物元素からなることを特徴とする請求項3、4のいずれか1項に記載の意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼の製造方法。
  6. 20%以上の硝酸水溶液に浸漬することからなる脱銅処理工程を施すことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の意匠性、耐食性に優れた表面処理ステンレス鋼の製造方法。
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