JP2001143667A - 非水系電池 - Google Patents

非水系電池

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JP2001143667A
JP2001143667A JP32088699A JP32088699A JP2001143667A JP 2001143667 A JP2001143667 A JP 2001143667A JP 32088699 A JP32088699 A JP 32088699A JP 32088699 A JP32088699 A JP 32088699A JP 2001143667 A JP2001143667 A JP 2001143667A
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Fusayoshi Miura
房美 三浦
Toru Saeki
徹 佐伯
Hidehito Matsuo
秀仁 松尾
Toshihiko Inoue
俊彦 井上
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放置状態での自己放電が少なく、電池の内部
抵抗の増大も抑制された、保存特性に優れた非水系電池
を提供すること。 【解決手段】 Al系材料またはステンレス系材料から
なる電池容器の少なくとも電解液との接触面が、電解研
磨あるいはエッチング処理の後、不働態化処理が施され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系電池に関
し、更に詳しくは、リチウム金属電池やリチウムイオン
二次電池など電解液に非水系の有機電解液が用いられる
非水系電池の容器(電池缶、電池ケース)の改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の非水系電池としては、例
えば、リチウム金属(一次)電池やリチウムイオン二次
電池などが代表的なものとして挙げられる。特にリチウ
ムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、高い出力
密度が得られるということで携帯用パソコン等の情報機
器類の電源としての需要が高いほか、自動車用電源など
の用途への期待も高まってきている。
【0003】このリチウムイオン電池は、一般に正極シ
ートと負極シートとをセパレータシートを介して渦巻状
に巻回し、このようにして得られた電極積層体を電池容
器(電池缶、電池ケース)内に装着し、この電池容器内
に非水系の有機電解液を充填してこの電解液中での両電
極間の充放電の繰り返しにより電池出力(電力)が得ら
れるようにしたものである。
【0004】この場合、電池容器そのものを負極とした
り、あるいは正極としたものもあり、あるいはまた、容
器そのものは極性を持たないように設計したものもあ
る。そして通常、電池容器そのものを負極とする場合に
は、容器材料としてNiメッキの鋼板やステンレス(S
US)系材料が用いられ、電極容器そのものを正極とす
る場合には、Al系材料が用いられている。また容器そ
のものが極性を持たない場合には、これらの材料が適宜
用いられている。
【0005】ところで、この非水系電池の容器(電池
缶、電池ケース、蓋体)の材料の耐食性が不十分である
と、容器壁面に孔食(ピッティングコロージョン)が生
じ、液漏れ等を起こしかねない。そのため、容器材料の
耐食性は、リチウム金属電池及びリチウムイオン電池の
様に可燃性有機電解液を用いる非水系電池では十分に優
れている事が要求される。そして容器の外側および内側
の両面ともに、長期間の信頼性が要求されている。容器
の外側については、海水飛沫、融雪塩等に由来する塩素
(Cl)等のハロゲンが、場合によっては孔食を引き起
こし、電解液の液漏れを引き起こす。特にこれら非水電
解液を用いた電池を自動車用動力二次電池として、車両
に搭載した場合には、長期信頼性の観点から、外部環境
からの耐食性に優れる事が要求される。
【0006】また、容器内面については、外部環境ほど
の厳しい腐食環境にさらされる恐れは少ないが、電池内
部に不純物として存在するHOの量が多いと、電解質
としてのLiPF,LiBF等のフッ素(F)を含
むアニオンがHOと反応し、腐食性のフッ化水素(H
F)が発生する事が知られている。そのため、ここで発
生したHFにより容器が腐食し、穴明きに至る恐れがあ
る。可燃性電解液の液漏れは自動車等の動力用大型二次
電池の場合には致命的な問題となりかねない。
【0007】そこで容器材料にどのような材料を選択す
るかは重要な問題であり、例えば、上述した容器材料の
うち、Fe系材料では、Niメッキした鋼板とステンレ
ス(SUS)系材料を較べてSUS系材料の方が電池ケ
ースの外側の環境と、内側の環境両面とも耐食性に優れ
るため、Niメッキ鋼板より信頼性が高い。SUS系材
料の中では、Niを含まないで電解液との反応性を小さ
くし、かつ耐食性を向上させるモリブデン(Mo)を含
むSUS434材(フェライト系SUS)やSUS31
6材(オーステナイト系SUS)を使用するものも、例
えば特開平06−111849号公報により提案されて
いる。
【0008】また、Al系材料では、純Al系(108
0,1050材)、Al−Cu系(2014材)、Al
−Mn系(3003材)、Al−Mg系(5052
材)、Al−Mn−Si系(6063材)等があり、こ
れらの材料の中から、耐食性のほかに、強度、加工性
(溶接性等)、経済的観点などを勘案して適切な材料が
選ばれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たFe系材料の場合、外部環境によっては容器表面の耐
食性が不十分となることがある。この耐食性がばらつく
原因を検討した結果、同一種類の同一ロットの材料でも
容器材料の内面の一部に不働態を形成するのに十分な量
のCrが無いCr欠乏層が溶接等の熱影響で形成されて
いたり、不働態皮膜の安定性が不十分な箇所があるため
である事がわかった。
【0010】そして容器表面にこのような加工変質層が
生じたり、不働態皮膜の安定性が不十分となると、電
解液自身が劣化して電池の内部抵抗を増大させたり、
充放電過程で正負電極上に容器から溶出した金属が析出
し、短絡(マイクロショート)を引き起こすことがある
ことも明らかとなった。
【0011】一方、Al系材料では、不純物としてFe
が必ず含まれている。また故意に合金元素としてCu、
Mn等の合金元素が含まれているが、これらの元素は電
解質(LiPF,LiPF等)と水との反応で生成
したHFによって電解液中にFe2+、Cu2+,Mn
2+等の金属イオンとなって溶け出す事が指摘されてい
る。これらの金属イオンは、やがて電解液自身を劣化
させ電池の内部抵抗を増大させたり、充放電過程で正
負電極上に金属となって析出し、マイクロショートを引
き起こすことが明らかとなっている。
【0012】例えば、純Al中には通常の市販材の最高
純度レベル(1080材)でも0.2%程度のFeが含
まれており、このレベルでのFe2+イオンの溶出を防
いで、上記問題を解決しようとした場合、市場に大量に
流通していない極めて高価なグレードの高い高純度Al
を用いる必要があり、材料的に高価となるため、これら
合金あるいは不純物元素を含んだままで耐食性を向上す
る事が求められている。
【0013】本発明の解決しようとする課題は、非水系
の有機電解液が充填される電池容器の耐食性、特に電解
液との接触面の耐食性を技術的手法により向上させ、電
池の内部抵抗の増大を抑制し、さらに正負電極間のマイ
クロショートの回避により自己放電を起こすこともな
い、保存特性に優れた非水系電池を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
を重ねた結果、Fe系材料については、その不均一な表
面層(加工変質層)を電解研磨、化学研磨、酸又はアル
カリエッチングで取り除き、その場合、耐食性を確保し
ているはずの表面の不働態(酸化層)も同時に除去して
しまうが、その後、高温酸化処理、もしくは硝酸洗浄に
よる不働態化処理を行うと均一な不働態層が形成され
る。その結果耐食性が向上し、電池内部抵抗の増加を抑
制できると共に、短絡(マイクロショート)を防止する
ことができることを見い出した。また、Al系材料につ
いても不均一な表面層を電解研磨等で取り除き、その
後、高温酸化処理、沸騰水処理、スチーム処理、硝酸洗
浄による不働態化処理を行うことにより同じような効果
が得られることを見い出した。
【0015】この課題を解決するために本発明は、請求
項1に記載のように、電池容器内に非水系電解液が充填
される非水系電池において、電池容器がAl系材料また
はステンレス系材料からなり、この電池容器の少なくと
も電解液との接触面に不働態化処理が施されてなること
を要旨とするものである。
【0016】上記構成を有する非水系電池によれば、容
器表面に酸化層からなる耐食性に優れた不働態皮膜が形
成されるため、電解液が注液された後に、例え容器が陰
極防食(充電状態)されなくとも、容器材料からの金属
イオンの溶け出しを防止する事ができる。また、有機電
解液電池内部は一般にAr等の不活性雰囲気であり、金
属の不働態を安定に存在させるに十分な酸素が不十分な
場合が多く、表面の酸化皮膜を予め不働態化処理して強
化させておく事はこの点でも好ましい。
【0017】またこの場合に、請求項2に記載のよう
に、前記電池容器表面の変質加工層が除去され、その表
面に前記不働態化処理が施されてなることが望ましい。
これにより容器表面は、通常その成形加工段階で、押し
出し、引き抜き、溶接等の加工のため耐食性に乏しい加
工変質層がある程度の厚さで形成されており、また、場
合によっては溶接等の熱影響で局所的な欠陥が形成され
ており、不働態の形成が不十分な箇所が存在するが、こ
れらの加工変質層を除去し、均質化処理としての不働態
化処理を施す事により耐食性の向上が確実に図られるこ
とになる。
【0018】そして本発明では、電池容器が負極と絶縁
された状態にあるときに特に有効である。電池容器と負
極とが絶縁状態にあるときは、容器の電位が腐食電位以
上の貴な電位になり得るため腐食され易い状態にある
が、本発明をこのような電池に適用すれば、そのような
腐食環境でも耐食性が維持され、電池の内部抵抗の増大
やマイクロショートが回避される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について詳
細に説明する。本発明の実施例は有機電解液を用いる電
池に適用され、一次電池、二次電池のいずれも適用でき
る。また負極材料としてLiを挿入できる炭素材料やS
n、Ti等の金属酸化物からなるリチウムイオン電池及
びLi,Li合金を用いる金属リチウム二次電池にも適
用可能である。ここでは車両の動力用二次電池としての
リチウムイオン二次電池を例に示す。
【0020】(実施例1)この実施例では、電池容器に
ステンレス(SUS304)材料を用いている。また、
この容器そのものが負極となるように電池が組み立てら
れたものである。この実施例1では、負極のカーボン材
料として大阪ガスケミカル(株)製カーボン(商品名:
MCMB25−28)を用意し、バインダーとしてダイ
キン工業製PVDF(ポリ弗化ビニリデン)と良く混合
し、集電体のCu箔に塗膜を形成した。正極材料として
LiMnスピネルと、導電助材として東海カーボ
ン製カーボンブラック(商品名:#TB5500)とバ
インダーとしてのPVDFを良く混合し、集電体のAl
箔に塗膜を形成した。そして正負極をPE(ポリエチレ
ン)製多孔膜を挟んで捲回した。
【0021】次に正極のAl製タブをAl製軸芯に溶接
し、負極のCu製タブをCu製軸芯に溶接し、電極積層
体を得、ステンレス(SUS304)材料製の容器に挿
入し組み立て、注液部を除いて容器蓋を溶接した。SU
S容器の内外面の洗浄は予め、鋼製材料のアルカリ脱脂
浴で十分に行い、水洗、乾燥し、更にSUS容器の加工
変質層をSUS用電解研磨液で除去し、更に不働態化処
理として30wt%の硝酸中に室温で1分間浸漬後、十
分に水洗し、温風で乾燥した。正負極と容器はPTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)製シールで絶縁した。
次にEC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチル
カーボネート)とを1:1の体積比で混合した溶液中に
1モルのLiPFの電解液を注入した後、注液部を塞
いで電池を完成させた。
【0022】次にこの電池を用いて20℃で初期充放電
を行った。得られた容量は3Aの電流で充電量10.4
±0.9Ah、放電容量8.5±0.7Ah(20本の
平均)であった。その後8Aの電流で充放電を繰り返し
た後、1c定電流−定電圧2h充電後、25℃で30日
放置し、1c定電流放電したときの残存容量との比とし
て、自己放電率20%/月以下の電池を良品として良品
率を表すと、20本中17本が良品と判定され、その値
は85%であった。
【0023】そして次にこの良品の内10本を選び上限
電圧4.2VにCC−CV充電後、回路を開き60℃の
恒温層に1カ月間放置し、AC1KHzの内部抵抗の増
加をSOC50%の状態で調べた。その変化は、平均値
で初期段階では1.1mΩであったものが、1カ月間放
置後には1.6mΩであった(実施例1−1)。
【0024】さらに上記実施例1−1とは異なり、電池
容器の加工変質層を電解研磨処理で除く事無く、アルカ
リ脱脂後に硝酸による不働態化処理を行った電池20本
を作製し、同様に良品率と内部抵抗変化を調べると、2
0本中15本が良品と判定され、良品率75%であり、
また、内部抵抗値の変化は、初期段階で1.2mΩであ
ったものが、1カ月経過後には2.1mΩであった(実
施例1−2)。
【0025】さらに別の実施例として、電池容器のアル
カリ脱脂後、加工変質層を硝酸−フッ酸の混合エッチン
グ液で除いた後に、硝酸による不働態化処理を行った電
池20本について良品率と内部抵抗変化を調べると、2
0本中19本が良品と判定され、良品率95%であり、
また、内部抵抗値の変化は、初期段階で1.2mΩであ
ったものが、1カ月経過後には1.6mΩであった(実
施例1−3)。
【0026】(比較例1)容器としてアルカリ脱脂のみ
を行って不働態化処理を実施してない他は実施例1と変
わらない電池20本について同様の充放電と自己放電調
査を行ったところ、20本中12本が良品と判定され、
良品率は60%であり、実施例1よりも大幅に低下し
た。またその良品10本について実施例1と同様の保存
試験を行った所、その内部抵抗の値の変化は、平均値で
初期段階で1.3mΩであったものが、1カ月経過後に
は3.0mΩであり、実施例1(1−1,1−2,1−
3)よりも大幅に増加した。
【0027】これらの結果を、表1にまとめて示す。こ
の表1から明らかなように、容器の不働態化処理を行う
ことにより良品率が格段に上がり、また、電池の内部抵
抗の上昇も小さいことがはっきりした。また、容器の不
働態化処理を行う場合も、その前に電解研磨あるいは硝
酸−フッ酸の混合エッチングを予め行う方が、そのよう
な処理を行わないよりも良品率が高く、内部抵抗の上昇
が小さいこともはっきりした。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例2)容器として純Al(Al05
0)を用い、その他の構造、電極の大きさは実施例1と
同様に電池を形成した。ただし、Al容器は正極と電気
的に導通している状態とした。Al容器はまず、弱アル
カリ性脱脂液で脱脂、水洗後、苛性ソーダ液で室温5分
間エッチングし、加工変質層を除去し、その後30%硝
酸に1分間浸漬し、不働態化処理を行った。実施例1と
同様に20本の電池を形成し、良品率を調べると、20
本中19本が良品と判定され、良品率95%であった。
【0030】(比較例2)容器として弱アルカリ性脱脂
のみを行って不働態化処理を実施してない他は実施例2
と変わらない電池20本について同様に良品率を調査し
た結果、20本中12本が良品と判定され、良品率は6
0%であった。
【0031】その結果は、表2に示した通りであり、容
器の不働態化処理を行うことにより良品率は格段に上昇
している。実施例2では不働態化処理を行う前に化学エ
ッチング処理を施しているが、このエッチング処理を省
略しても良好な結果が得られることは容易に推考でき
る。
【0032】
【表2】
【0033】そして以上の結果より、容器内面が不働態
化処理を施されていないと、電極や電解液中の不純物水
分が電解質(LiPF,LiBF等)と反応してで
きたHFにより、金属イオン(Al3+、Mn2+、F
2+、Cu2+、Cr6+、Ni)等が溶け出し、
それが充放電中にセパレータを挟んだ正負極上に金属や
酸化物の形で析出し、ひどい場合はマイクロショートを
引き起こしたものと考察される。
【0034】そして、充放電を行わない(回路がオープ
ン状態)で正負極の電位差は徐々に低下し、数日間の内
に電圧が0Vになる不良電池がたびたび発生することも
確認された。特に容器が負極となっていない電池(負極
と容器とが絶縁)では容器の電位が腐食電位以上の貴な
電位になりうるため、腐食されやすく、不良電池の割合
が多い。このような電池形式では電解液注入以降は容器
はいつでも腐食されてもおかしくない状態にあると考え
られる。
【0035】他方、容器と負極が接続されている場合、
容器の電位は卑に分極されているため、注液から初期充
電までの期間を除き容器が腐食される恐れは小さい。本
発明ではどちらの形式でも容器材料の防食に有効に作用
するが、特に容器が負極と絶縁されている場合に有効で
ある。すなわち、本発明によれば、容器表面に酸化層か
ら成る耐食性に優れた不働態皮膜が形成されるため、注
液された後に、例え容器が陰極防食(充電状態)されな
くとも、容器材料からの金属イオンの溶け出しを防止す
る事ができる。
【0036】また、以下,の理由により、容器材料
の耐食性を向上させる事が出来る。 有機電解液電池内部は一般にAr等の不活性雰囲気で
あり、金属の不働態を安定に存在させるに十分な酸素が
不十分な場合が多く、表面の酸化皮膜を予め不働態化処
理して強化させておく事が効果的である。
【0037】容器表面は押し出し、引き抜き、溶接等
の加工のため耐食性に乏しい加工変質層がある程度の厚
さで形成されている。また、場合によっては溶接等の熱
影響で局所的な欠陥が形成されており、不働態の形成が
不十分な箇所が存在する。そのためSUS系材料、Al
系材料ともに加工変質層の除去を行わずに不働態化処理
を行った場合でも指摘した効果がある程度認められる
が、これらの加工変質層を除去し、均質化処理としての
不働態化処理を施す事が耐食性向上の面から一層望まし
い。
【0038】本発明は、上記実施例に何等限定されるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改
変が可能である。例えば、上記実施例では、リチウムイ
オン二次電池の例で説明したが、リチウム金属(一次)
電池にも適用でき、要は、非水系電解液を用いた電池に
適用されるものである。そして非水電解液の種類も上記
実施例に示したLiPFのほか、リチウム塩を有機溶
媒に溶解させる電解質塩として、LiA,LiS
bF,LiBF,LiClO,LiI,LiB
r,LiCl,LiAlCl,LiHF,LiSC
N,LiSOCF 等を用いることができる。また容
器の一部(蓋体等)にAl,SUS系部品を用いた電池
や、プラスチック材料とのラミネートフィルムあるいは
プラスチック材料へのメッキ容器を用いた電池にも適用
できる。
【0039】またこれらの電解質塩を溶解する溶媒とし
て、上記実施例のエチレンカーボネートとジエチルカー
ボネートの混合溶媒のほか、プロピレンカーボネート等
の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、エチル
メチルカーボネート等の非環状カーボネート類、テトラ
ヒドラフラン、2−メチルテトラヒドラフラン等のグラ
イム類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、スルフォ
ラアン等の硫黄化合物、アセトニトリル等のニトリル類
等の比較的高い誘電率を有する有機溶媒(あるいは、こ
れらの混合溶媒)が用いられたものにも適用されるもの
である。
【0040】
【発明の効果】本発明の非水系電池によれば、電池容器
の少なくとも電解液との接触面を不働態化処理すること
により容器表面耐食性を高め、電解液の液漏れ等の不用
意なトラブルが回避されると共に、放置状態での自己放
電を少なくして長期保存性にも優れ、しかも電池の内部
抵抗の増加の抑制により、電池性能の維持も図られてい
る。その場合、電池容器の不働態化処理をする前に電解
研磨やエッチング処理を施すことによりその効果はさら
に増大するものである。したがって例えば、自動車用動
力電源などの長期信頼性が要求される用途への適用が大
いに期待されるものである。
フロントページの続き (72)発明者 佐伯 徹 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 松尾 秀仁 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 井上 俊彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA02 CC06 DD09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池容器内に非水系電解液が充填される
    非水系電池において、電池容器がAl系材料またはステ
    ンレス系材料からなり、この電池容器の少なくとも電解
    液との接触面に不働態化処理が施されてなることを特徴
    とする非水系電池。
  2. 【請求項2】 前記電池容器表面の変質加工層が除去さ
    れ、その表面に前記不働態化処理が施されてなることを
    特徴とする請求項1に記載の非水系電池。
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