JP4982291B2 - 近赤外線カットフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、近赤外線カットフィルムに関するものであり、詳しくは、耐熱性、耐湿性、耐光性に優れ、さらに、可視光平均透過率、近赤外線透過率(850nm、950nm)に優れた近赤外線カットフィルムに関するものである。
近年、光エレクトロニクス関連部品、機器の進歩は著しく、その中で、画像を表示するディスプレイは、従来のテレビジョン装置用に加えて、コンピューターモニター用等として需要が増加しつつある。中でも、ディスプレイの大型化および薄肉化に対する市場要求は高まる一方である。最近、大型かつ薄肉化を実現することが可能であるディスプレイとして、プラズマディスプレイパネル(PDP)が注目されている。PDPは、原理上、強い近赤外線を装置外に放出する。この近赤外線は、コードレス電話や赤外線方式のリモートコントローラー等の誤動作を引き起こす原因となる。
そこで、近赤外線を遮断するために、プラズマディスプレイパネルに近赤外線(NIR)カットフィルムが使用されている。例えば、近赤外吸収能を有する色素が、フタロシアニン系金属錯体と、芳香族ジチオール錯体と、芳香族ジインモニウム化合物であり、それらから選択した2種類以上の色素を透明な高分子樹脂中に分散させることを特徴とする近赤外線吸収フィルムを含む多層近赤外線吸収フィルムと、電磁波吸収層、反射防止層、紫外線吸収層のうち少なくとも1層を有する多層近赤外線吸収フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、該特許の近赤外線吸収フィルムは、赤外吸収色素として、例えば、六フッ化アンチモン酸塩、過塩素酸塩等をアニオン成分にもつ芳香族ジインモニウム化合物等を用いているが、このような赤外吸収色素は単独では近赤外線領域の短波長側を十分に遮蔽することができず、近赤外線吸収色素を組み合わせて使用しなければならない。さらに、上記の六フッ化アンチモン酸塩、過塩素酸塩等をアニオン成分にもつ芳香族ジインモニウム化合物を単独で用いた場合、近赤外線領域の短波長側を十分に遮蔽することができないという問題の他に、耐熱性、耐湿性、耐光性に劣るという問題がある。
また、スルホンイミドをアニオン成分とするジイモニウム塩からなる近赤赤外線吸収色素、及び該色素を含有してなる近赤外線遮断フィルターが開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、該近赤赤外線吸収色素を近赤外線吸収フィルムのコート層に単独で用いた場合、耐熱性、耐湿性、耐光性に劣るという問題がある。
さらに、透明基材の一方の面に近赤外線吸収色素を含有してなる近赤外線遮蔽層が設けられ、他方の面に減反射層が設けられているディスプレイ用減反射性近赤外線遮蔽材であって、前記近赤外線吸収色素がスルホンイミドをアニオン成分とするジイモニウム塩であることを特徴とするディスプレイ用減反射性近赤外線遮蔽材が開示されている。(例えば特許文献3参照)。しかし、該特許の近赤外線遮蔽層も、耐熱性、耐湿性、耐光性に劣るという問題がある。
特許第3308545号公報 国際公開WO2004/048480号パンフレット 特開2007−72442号公報
したがって本発明の目的は、上記のような従来の課題を解決し、耐熱性、耐湿性、耐光性に優れ、さらに、可視光平均透過率、近赤外線透過率(850nm、950nm)に優れた近赤外線カットフィルムを提供することにある。
また本発明の別の目的は、該近赤外線カットフィルムと、粘着剤層とを有し、とくにプラズマディスプレイパネルに好適に使用される近赤外線カット粘着シート部材を提供することにある。
本発明は、以下のとおりである。
請求項1に記載の発明は、透明基材フィルム(A)上に、近赤外線吸収層(B)を有する近赤外線カットフィルムであって、前記近赤外線吸収層(B)が、アクリル系樹脂バインダー、下記一般式(1)で表されるスルホンイミドをアニオン成分にもつジイモニウム系色素、および下記一般式(2)で表される構造を有するニッケル化合物を含有するとともに、前記アクリル系樹脂バインダー100質量部に対する前記ジイモニウム系色素の配合割合が5〜50質量部であり、かつ前記ニッケル化合物の配合割合が0.1〜5.0質量部であることを特徴とする近赤外線カットフィルムである。
Figure 0004982291
(式中、R1〜R8のうち少なくとも一つは、1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基を表し、他は、それぞれ独立してアルキル基、アルキレン基、シアノアルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子及びフェニルアルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R9およびR10は、それぞれ独立してフルオロアルキル基を表すか、またはそれらが一緒になって形成するフルオロアルキレン基を表す)
Figure 0004982291
請求項2に記載の発明は、前記1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基が下記一般式(11)で表されることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルムである。
−Cnm2n+1-m ・・・・・・一般式(11)
(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜12の自然数、mは1〜25の自然数を示す)
請求項3に記載の発明は、前記一般式(1)において、R1〜R8の全てが、前記一般式(11)で表されるハロゲン化アルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の近赤外線カットフィルムである。
請求項4に記載の発明は、前記一般式(1)で表されるスルホンイミドをアニオン成分にもつジイモニウム系色素が、ビス[ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸]−N,N,N',N'−テトラキス[p−ジ(4,4,4−トリフルオロブチル)アミノフェニル]−p−フェニレンジイモニウムであることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルムである。
請求項5に記載の発明は、前記一般式(2)で表される構造を有するニッケル化合物が、下記一般式(21)で表されるニッケルジブチルジチオカルバメートであることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルムである。
Figure 0004982291
請求項6に記載の発明は、前記アクリル系樹脂が、ポリメチルメタクリレート系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外線カットフィルムである。
請求項7に記載の発明は、前記透明基材フィルム(A)が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルムである。
請求項8に記載の発明は、前記透明基材フィルム(A)の前記近赤外線吸収層(B)が設けられた面とは反対の面に、帯電防止層、反射防止層およびハードコート層から選ばれた少なくとも1種のコート層(C)を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の近赤外線カットフィルムである。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の近赤外線カットフィルムと、粘着剤層(D)とを少なくとも有することを特徴とする近赤外線カット粘着シート部材である。
請求項10に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルに使用されることを特徴とする請求項9に記載の近赤外線カット粘着シート部材である。
本発明によれば、透明基材フィルム(A)上に、近赤外線吸収層(B)を有する近赤外線カットフィルムであって、前記近赤外線吸収層(B)が、アクリル系樹脂バインダー、特定のジイモニウム系色素および特定のニッケル化合物を特定量でもって配合されてなるので、耐熱性、耐湿性、耐光性に優れ、さらに、可視光平均透過率、近赤外線透過率(850nm、950nm)に優れた近赤外線カットフィルムを提供することができる。
また本発明の近赤外線カット粘着シート部材は、該近赤外線カットフィルムと、粘着剤層とを有しているので、とくにプラズマディスプレイパネルに好適に使用することができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。なお本発明でいう近赤外線とはおよそ800〜1100nmの波長領域の赤外線を意味しているが、本フィルムは、特に850nm、950nmの近赤外線透過率で評価を行った。850nmで近赤外線透過率が10%以下、950nmで近赤外線透過率が5%以下であることが、必要とされている。
(透明基材フィルム(A))
本発明で使用される透明基材フィルム(A)としては特に制限はなく、様々な透明プラスチックフィルムの中から、状況に応じて適宜選択して用いることができる。この透明プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエチレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂などからなるフィルム、これらの積層フィルム等が挙げられる。これらの中でも、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、機械的強度と寸法安定性が良好であり、また所望の厚みに調整が可能である。
透明基材フィルム(A)の厚さとしては、例えば10〜300μm、好ましくは20〜200μmである。
透明基材フィルム(A)は、所望により酸化防止剤や紫外線吸収剤等、公知の添加剤を配合してもよい。
また透明基材フィルムは、他層との接着性を高めるために、易接着剤層を設けておくこともできる。
(近赤外線吸収層(B))
本発明における近赤外線吸収層(B)は、アクリル系樹脂バインダー、下記一般式(1)で表されるスルホンイミドをアニオン成分にもつジイモニウム系色素、および下記一般式(2)で表される構造を有するニッケル化合物を含有する。以下、各成分について説明する。
(アクリル系樹脂バインダー)
本発明で使用されるアクリル系樹脂バインダーとしては、アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエステル類の単独重合体、前記単量体と共重合し得るエチレン性不飽和単量体との共重合体などが挙げられ、とくに制限されるものではないが、本発明ではポリメチルメタクリレート系樹脂が好ましい。中でも、ポリメチルメタクリレート系樹脂は、低分子量成分が極力排除された、シャープな分子量分布を有するものであれば、近赤外線吸収色素の劣化を起こさず、耐熱性、耐光性を良化させることができる。なお低分子量成分は、近赤外線吸収色素の構造を破壊する傾向にあり、近赤外線吸収色素の吸収性能を変化させ、耐熱性および耐光性を劣化させてしまう。したがって本発明でとくに好適なポリメチルメタクリレート系樹脂の分子量分布は、Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が、1.5乃至2.1であることが好ましく、1.6乃至1.9であることがより好ましい。なお本発明でいう分子量分布は、展開溶媒としてクロロホルムを用い、GPC(ポリメチルメタクリレート換算値)により測定される。
(ジイモニウム系色素)
本発明で使用されるジイモニウム系色素は、上記で定義した近赤外線の波長領域の赤外線を吸収可能であり、かつ、下記一般式(1)で表されるスルホンイミドをアニオン成分にもつジイモニウム系色素である。
Figure 0004982291
(式中、R1〜R8のうち少なくとも一つは、1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基を表し、他は、それぞれ独立してアルキル基、アルキレン基、シアノアルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子及びフェニルアルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R9およびR10は、それぞれ独立してフルオロアルキル基を表すか、またはそれらが一緒になって形成するフルオロアルキレン基を表す)
一般式(1)において、上記のように、R1〜R8のうち少なくとも一つは、1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基であることが必須である。かかるハロゲン化アルキル基は、同一であっても異なっていてもよい。また、上記R1〜R8において、2個以上がハロゲン化アルキル基である場合は、その炭素数は、同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは同一である。なお、一般式(1)で表されるジイモニウム系色素は、通常考えられるその他の共鳴構造をも含んでいるものとする。
上記ハロゲン化アルキル基の好ましいものとしては、下記一般式(11)
−Cnm2n+1-m ・・・・・・(11)
(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜12の自然数、mは1〜25の自然数を示す)
で表されるものが挙げられる。
上記のハロゲン化アルキル基において、その炭素数は、1〜12個の範囲であり、好ましくは1〜6個である。ハロゲン化アルキル基の炭素数が12個を超えると、ジイモニウム塩の質量吸光係数が低下してしまう場合がある。
ハロゲン化アルキル基のハロゲン原子としては、特に限定はなく、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の何れでもよいが、ジイモニウム系色素の安定性を上げる効果に優れる点から、特にフッ素原子が好ましい。ハロゲン原子は、1種であっても2種以上であってもよい。
かかるハロゲン化アルキル基の好ましい具体例としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3,−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基、8,8,8−トリフルオロオクチル基、2−メチル−3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロオクチル基、2−トリフルオロ−ペルフルオロプロピル基等のフッ化アルキル基;トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、4,4,4−トリクロロブチル基、5,5,5−トリクロロペンチル基、6,6,6−トリクロロヘキシル基、8,8,8−トリクロロオクチル基、2−メチル−3,3,3−トリクロロプロピル基、ペルクロロエチル基、ペルクロロプロピル基、ペルクロロブチル基、ペルクロロヘキシル基、ペルクロロオクチル基、2−トリクロロ−ペルクロロプロピル基等の塩化アルキル基;トリブロモメチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、3,3,3−トリブロモプロピル基、4,4,4−トリブロモブチル基、5,5,5−トリブロモペンチル基、6,6,6−トリブロモヘキシル基、8,8,8−トリブロモオクチル基、2−メチル−3,3,3−トリブロモプロピル基、ペルブロモエチル基、ペルブロモプロピル基、ペルブロモブチル基、ペルブロモヘキシル基、ペルブロモオクチル基、2−トリブロモ−ペルブロモプロピル基等の臭化アルキル基等が挙げられる。
このうち、特に好ましい具体例としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3,−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基等が挙げられる。
本発明においては、一般式(1)中のR1〜R8の少なくとも1つが、ハロゲン化アルキル基であることが必須であり、好ましくは一般式(2)のハロゲン化アルキル基であるが、8個のうち4個以上が上記一般式(2)で表されるハロゲン化アルキル基であることがより好ましい。更には全ての置換基が、上記一般式(2)で表されるハロゲン化アルキル基であることが、耐熱性、耐湿性、溶解性が良好で、850nm付近の吸収が大きいため特に好ましい。また、全ての置換基が上記一般式(2)で表される同一のハロゲン化アルキル基であることが更に好ましい。
一方、一般式(1)中のR1〜R8において、ハロゲン化アルキル基以外の置換基は、アルキル基、アルキレン基、シアノアルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子またはフェニルアルキル基である。
上記アルキル基としては特に限定はないが、炭素数が1〜12個のアルキル基が好ましく、1〜8個が特に好ましく、2〜6個が更に好ましい。かかるアルキル基は、直鎖であっても分岐を有していてもよい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ドデシル基等が挙げられ、特に好ましい具体例としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基等が挙げられる。
また、上記アルキレン基としては特に限定はないが、炭素数が1〜12個のアルキレン基が好ましい。かかるアルキレン基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、二重結合の数と位置にも特に限定はない。特に好ましい具体例としては、アリル基等が挙げられる。
上記シアノアルキル基としては特に限定はないが、炭素数が1〜12個のシアノアルキル基であることが好ましく、置換されているシアノ基の数は、1〜3個が好ましい。特に好ましい具体例としては、プロピルニトリル基、ブチロニトリル基、ペンチルニトリル基、1−メチルーブチロニトリル基、1−メチルーブチロニトリル基等が挙げられる。
上記アルキルスルホン酸基としては特に限定はないが、炭素数が1〜6個のアルキルスルホン酸基が好ましい。特に好ましい具体例としては、メチルスルホン酸基、エチルスルホン酸基、プロピルスルホン酸基、ブチルスルホン酸基等が挙げられる。
上記アルコキシ基としては特に限定はないが、炭素数が1〜12個のアルコキシ基が好ましい。特に好ましい具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
上記アリール基としては特に限定はないが、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、トリル基、フリル基、ピリジル基等が挙げられる。特に好ましい具体例としてはフェニル基、トリル基等が挙げられる。
一般式(1)中、ハロゲン化アルキル基以外の置換基としてのハロゲン原子としては特に限定はないが、塩素原子、フッ素原子等が好ましい。
一般式(1)中のフェニルアルキル基としては、アルキル基の炭素数が、1〜18個のものが好ましく、1〜8個のものが特に好ましい。更にフェニル基は、置換基を有していなくてもよいが、アルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基及びハロゲンからなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していてもよい。
かかるフェニルアルキル基として具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニル−α−メチルプロピル基、フェニル−β−メチルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルオクチル基等が挙げられる。最も好ましいものとして、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
一方、本発明の一般式(1)において、アニオン成分はスルホンイミドであり、R9およびR10は、それぞれ独立してフルオロアルキル基を表すか、またはそれらが一緒になって形成するフルオロアルキレン基を表す。上記基において、フッ素原子の数や炭素数には特に限定はないが、好ましいR9およびR10の例としては、同一でも異なっていてもよい炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基が挙げられる。すなわち、好ましい一例としては、下記式で表されるアニオンが挙げられる。
Figure 0004982291
(式中、nおよびn'は、1〜8の整数を示す)
ここで、nとn'としては、更に好ましくは1〜4の整数である。好ましい具体例としては、例えば、パーフルオロアルカンスルホニル基が同一(n=n')である、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド等や、パーフルオロアルカンスルホニル基が異なる(n≠n')ペンタフルオロエタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホンヘプタフルオロプロパンスルホンイミド、ノナフルオロブタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド等が挙げられ、これらの中でも、パーフルオロアルカンスルホニル基が同一(n=n')で、かつnとn'が、1または2であるビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドまたはビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミドが、近赤外線吸収能力の点で更に好ましい。
また、一般式(1)中のアニオン成分におけるR9およびR10の好ましい別の有機基としては、これらが一緒になって形成される炭素数2〜12のフルオロアルキレン基が挙げられる。フルオロアルキレン基のフッ素の数と水素の数には特に限定はないが、特に好ましくは、これらが一緒になって形成される炭素数2〜12のパーフルオロアルキレン基が挙げられる。すなわち、耐熱性、耐湿性の点で、特に好ましいアニオンとして、下記式で表されるアニオンが挙げられる。
Figure 0004982291
(式中、mは、2〜12の整数を示す)
ここで、mは好ましくは、2〜8であり、更に好ましくは、mが3である。すなわち具体的には、下記式で表される1,3−ジスルホニルヘキサフルオロプロピレンイミドが挙げられる。
Figure 0004982291
本発明におけるジイモニウム系色素は、吸収波長が短波長側にシフトしているため、従来技術のように、第2の色素類が無添加であっても要求性能を満たす近赤外線吸収能力が得られる。
本発明においてとくに好ましいジイモニウム系色素は、ビス[ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸]−N,N,N',N'−テトラキス[p−ジ(4,4,4−トリフルオロブチル)アミノフェニル]−p−フェニレンジイモニウムである。
本発明のジイモニウム系色素は、公知の製造方法により製造でき、例えば特開2005−325292号公報に開示されている。また、市販されている色素も使用することができ、例えば日本カーリット社製商品名CIR-1085Fが挙げられる。
(ニッケル化合物)
本発明で使用されるニッケル化合物は、下記一般式(2)で表される構造を有する。
Figure 0004982291
例えば、下記のようなニッケル化合物が挙げられる。
Figure 0004982291
(上記式中、R11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基を表す)
中でもとくに好ましいニッケル化合物は、下記一般式(21)で表されるニッケルジブチルジチオカルバメートである。
Figure 0004982291
本発明で使用されるニッケル化合物は、ジイモニウム系色素の耐熱性、耐湿性および耐紫外線性を格段に高めることができる。また、熱が負荷された後の、ジイモニウム系色素の420nm付近の透過率の低下を抑制し、色の変化(黄味になる)を防止することもできる。
本発明で使用されるニッケル化合物は、市販されているものを使用することができ、例えば川口化学工業社製商品名アンテージNBCが挙げられる。
本発明の近赤外線吸収層(B)において、アクリル系樹脂バインダー100質量部に対し、前記ジイモニウム系色素の配合割合を5〜50質量部、かつ前記ニッケル化合物の配合割合を0.1〜5.0質量部に設定する必要がある。ジイモニウム系色素の配合割合が5質量部未満では、近赤外線の吸収効果が発現されず、逆に50質量部を超えると可視光の透過率に悪影響を及ぼす。また、ニッケル化合物の配合割合が0.1質量部未満であると、耐熱性、耐湿性および耐紫外線性を改善することができない。逆に5.0質量部を超えると可視光の透過率に悪影響を及ぼす。さらに好ましい形態としては、アクリル系樹脂バインダー100質量部に対し、ジイモニウム系色素を10〜40質量部、かつニッケル化合物を0.3〜2.0質量部使用する形態である。
本発明の近赤外線カットフィルムは、例えば次のようにして製造することができる。アクリル系樹脂バインダーを溶解した溶液に、ジイモニウム系色素を溶解した溶液およびニッケル化合物の分散液を加え、適当な溶剤で粘度を調整し、得られた塗布液を透明基材フィルム(A)上に、公知のコーティング方法によって塗布し、加熱乾燥して本発明の赤外線カットフィルムが得られる。なお、近赤外線吸収層(B)の乾燥後の厚さは、例えば0.5μm〜5.0μm、好ましくは1.0μm〜3.0μmである。
また本発明の近赤外線カットフィルムは、透明基材フィルム(A)の近赤外線吸収層(B)が設けられた面とは反対の面に、帯電防止層、反射防止層およびハードコート層から選ばれた少なくとも1種のコート層(C)を有する形態も好ましい。当該形態の近赤外線カットフィルムは、プラズマディスプレイパネルに好適に使用される。
帯電防止層としては、例えば、水溶性または水分散性導電ポリマーである、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリエチレンイミン、アリルアミン系化合物などを含有する水溶液を塗布して形成することができる。
反射防止層としては、高屈折率層および低屈折率層からなる積層材料が挙げられ、高屈折率層は、例えば高屈折率層を形成しうるマトリックス成分に、高屈折率材料である酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、さらにこれらの金属酸化物微粒子にアンチモン、錫等の異種元素をドープした微粒子を高屈折率層形成用マトリックスに分散させ、塗料とし、これを塗布等により形成した層であることができる。また低屈折率層は、例えば、低屈折率層を形成しうるマトリックス成分に、低屈折率材料であるポリシロキサン、中空シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素樹脂などの微粒子を分散させ、塗料とし、これを塗布等により形成した層であることができる。
ハードコート層は、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート等の分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートに、光重合開始剤、必要に応じて各種無機化合物微粒子を添加し、紫外線照射することにより硬化させて形成することができる。
また本発明は、前記の近赤外線カットフィルムと、粘着剤層(D)とを積層し、近赤外線カット粘着シート部材を提供するものである。当該シート部材は、プラズマディスプレイパネルに好適に使用される。
粘着剤層(D)は、光学用途のものであって、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等、公知のものの中から適宜選択することができる。この粘着剤層(D)の厚さは、通常5〜40μmの範囲である。
本発明の近赤外線カット粘着シート部材をプラズマディスプレイパネルに適用する場合は、例えば、プラズマディスプレイパネルの前面ガラス板から視認側にかけて、前面ガラス板、粘着剤層(D)、近赤外線吸収層(B)、透明基材フィルム(A)、コート層(C)の順番で適用することができる。なお本発明は、上記順に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製A−1540、両面に易接着剤層が形成されている)上に、下記の近赤外線吸収層(B)形成用塗料を乾燥膜厚1.5μmとなるように塗布し、乾燥し、本発明の近赤外線カットフィルムを作製した。
(近赤外線吸収層(B)形成用塗料)
・バインダー樹脂(1) 333質量部
(固形分100質量部)
ポリメチルメタクリレート系樹脂
(綜研化学社製、GS1000、固形分30%、重量平均分子量(Mw)111,000で、Mw/Mn=1.68の分子量分布を有する)
分子量分布は、展開溶媒としてクロロホルムを用い、GPC(ポリメチルメタクリレート換算値)により測定した。GPCの測定条件は、カラムの種類:ShodexK806L×2+K800P、試料濃度:0.2%(w/v)、注入量:100μL、流速:1.0ml/min、測定温度:35℃、検出器:示差屈折計で測定した。
・ジイモニウム系色素(1) 200質量部
(固形分20質量部)
(ビス[ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸]−N,N,N',N'−テトラキス[p−ジ(4,4,4−トリフルオロブチル)アミノフェニル]−p−フェニレンジイモニウム、日本カーリット社製、CIR−1085F、固形分10%、溶剤はメチルエチルケトン(MEK))
・ニッケル化合物(1)
(前記一般式(21)で表されるニッケルジブチルジチオカルバメート、川口化学工業社製アンテージNBC、外観=緑色粉末、融点=85℃以上、比重=1.27、分子量=467) 0.67質量部
・溶剤 MEK 317質量部
得られた近赤外線カットフィルムについて、下記の評価を行った。
(1)耐熱性
得られた近赤外線カットフィルムを分光光度計〔(株)島津製作所製、Solid Spec3700〕にてJIS Z8701−1999に準じて、(Y、x、y)を測定した後、恒温層中に80℃で500時間静置した後の(Y、x、y)を上記と同様に測定した。試験前後の(Y、x、y)の変化量を求め、下記の基準により評価した。
・耐熱性の評価基準
○:(Y、x、y)の各数値の変化量が、全て3%未満である。
△:(Y、x、y)の各数値の変化量が、全て5%未満であるが、少なくとも1個が、3%以上である。
×:(Y、x、y)の各数値の変化量の少なくとも1個が、5%以上である。
(2)耐湿性
得られた近赤外線カットフィルムを分光光度計〔(株)島津製作所製、Solid Spec3700〕にてJIS Z8701−1999に準じて、(Y、x、y)を測定した後、40℃、90%RH環境条件下、500時間静置した後の(Y、x、y)を上記と同様に測定した。試験前後の(Y、x、y)の変化量を求め、下記の基準により評価した。
・耐湿性の評価基準
○:(Y、x、y)の各数値の変化量が、全て3%未満である。
△:(Y、x、y)の各数値の変化量が、全て5%未満であるが、少なくとも1個が、3%以上である。
×:(Y、x、y)の各数値の変化量の少なくとも1個が、5%以上である。
(3)耐光性
得られた近赤外線カットフィルムを分光光度計〔(株)島津製作所製、Solid Spec3700〕にて(Y、x、y)を測定した後、キセノンウェザーメーター(スガ試験機製、XL−75F)を用い促進耐光性試験(JIS K7350−2−1995に準じる。光照射のみ、放射照度50W/m2(300〜400nm)、ブラックパネル温度65℃、湿度50%RH、100時間連続光照射)後の(Y、x、y)を上記と同様に測定した。試験前後の(Y、x、y)の変化量を求め、下記の基準により評価した。
・耐光性の評価基準
○:(Y、x、y)の各数値の変化量が、全て5%未満である。
△:(Y、x、y)の各数値の変化量が、全て10%未満であるが、少なくとも1個が、5%以上である。
×:(Y、x、y)の各数値の変化量の少なくとも1個が、10%以上である。
(4)可視光(400〜700nm)平均透過率
JIS A5759に準拠し測定した。
(5)近赤外線透過率(850nm)
分光光度計〔(株)島津製作所製、Solid Spec3700〕を用いて波長850nmの光線透過率を測定した。
(6)近赤外線透過率(950nm)
分光光度計〔(株)島津製作所製、Solid Spec3700〕を用いて波長950nmの光線透過率を測定した。
結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、ニッケル化合物(1)の配合割合を0.20質量部に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。
実施例3
実施例1において、ニッケル化合物(1)の配合割合を4.0質量部に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。
実施例4
実施例1において、ジイモニウム系色素(1)の配合割合を100質量部(固形分10質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。
実施例5
実施例1において、ジイモニウム系色素(1)の配合割合を450質量部(固形分45質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。
実施例2〜5の結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、バインダー樹脂(1)の替わりに、下記バインダー樹脂(2)を用いたこと以外は実施例1を繰り返した。
バインダー樹脂(2):(株)トクシキ製、ポリメチルメタクリレート系樹脂、商品名、AR−8236HA、固形分40%、重量平均分子量(Mw)78,000、Mw/Mn=2.48の分子量分布を有する)
実施例6の結果を表2に示す。
比較例1
実施例1において、シアニン系色素(1)の替わりに、下記のジイモニウム系色素(2)を使用したこと以外は、実施例1を繰り返した。
ジイモニウム系色素(2):N,N,N’,N’−テトラキス−(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジイモニウムの過塩素酸塩、日本カーリット社製CIR−1080、最大吸収波長=1080nm、固形分10%、MEK希釈)
比較例2
実施例1において、シアニン系色素(1)の替わりに、下記のジイモニウム系色素(3)を使用したこと以外は、実施例1を繰り返した。
ジイモニウム系色素(3):N,N,N’,N’−テトラキス−(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジイモニウムの六フッ化アンチモン酸塩、日本カーリット社製CIR−1081、最大吸収波長=1080nm、固形分10%、MEK希釈)
比較例3
実施例1において、ニッケル化合物(1)の配合割合を0.05質量部に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。
比較例4
実施例1において、ニッケル化合物(1)の配合割合を6.0質量部に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。
比較例5
実施例1において、ニッケル化合物(1)を使用しなかったこと以外は、実施例1を繰り返した。
比較例1〜5の結果を表3に示す。
比較例6
実施例1において、ジイモニウム系色素(1)の配合割合を30質量部(固形分3質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。
比較例7
実施例1において、ジイモニウム系色素(1)の配合割合を550質量部(固形分55質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。
比較例8
実施例1において、バインダー樹脂(1)の替わりに、下記バインダー樹脂(3)を用いたこと以外は実施例1を繰り返した。
バインダー樹脂(3):東洋紡社製、バイロンGK880、非晶性ポリエステル樹脂、Tg=84℃、固形分30%溶液、MEK希釈。
比較例6〜8の結果を表4に示す。
Figure 0004982291
Figure 0004982291
Figure 0004982291
Figure 0004982291
表1〜4の結果から、以下の事項が導き出される。
・実施例1は、近赤外線吸収層(B)が、アクリル系樹脂バインダー、特定のジイモニウム系色素および特定のニッケル化合物を特定量でもって配合されてなるので、耐熱性、耐湿性、耐光性に優れ、さらに、可視光平均透過率、近赤外線透過率(850nm、950nm)に優れた近赤外線カットフィルムを提供することができる。
・実施例2は、ニッケル化合物(1)を0.2質量部添加した例で、耐熱性、耐湿性、耐光性がやや悪化した。それ以外の性能は良好であった。
・実施例3は、ニッケル化合物(1)を4.0質量部添加した例で、可視光平均透過率がやや悪化した。それ以外の性能は良好であった。
・実施例4は、ジイモニウム系色素(1)を10質量部添加した例で、近赤外線透過率(850nm)、近赤外線透過率(950nm)がやや悪化した。それ以外の性能は良好であった。
・実施例5は、ジイモニウム系色素(1)を45質量部添加した例で、可視光平均透過率がやや悪化した。それ以外の性能は良好であった。
・実施例6は、バインダー樹脂(2)を使用した例で、分子量分布がブロードであるので、耐熱性、耐湿性、耐光性がやや悪化した。それ以外の性能は良好であった。
・比較例1は、ジイモニウム系色素(2)を使用した例で、アニオン成分が過塩素酸イオンであるので、耐熱性、耐湿性、耐光性、近赤外線透過率(850nm)、近赤外線透過率(950nm)が悪化した。
・比較例2は、ジイモニウム系色素(3)を使用した例で、アニオン成分が六フッ化アンチモン酸イオンであるので、耐熱性、耐湿性、耐光性、近赤外線透過率(850nm)、近赤外線透過率(950nm)が悪化した。
・比較例3は、ニッケル化合物(1)を0.05質量部添加した例で、耐熱性、耐湿性、耐光性が悪化した。
・比較例4は、ニッケル化合物(1)を6.0質量部添加した例で、可視光平均透過率が悪化した。
・比較例5は、ニッケル化合物(1)を添加しなかった例で、耐熱性、耐湿性、耐光性が悪化した。
・比較例6は、ジイモニウム系色素(1)を3質量部添加した例で、近赤外線透過率(850nm)、近赤外線透過率(950nm)が悪化した。
・比較例7は、ジイモニウム系色素(1)を55質量部添加した例で、可視光平均透過率が悪化した。
・比較例8は、バインダー樹脂(3)を使用した例で、アクリル系樹脂バインダーではないので、耐熱性、耐湿性、耐光性が悪化した。
本発明の近赤外線カットフィルムおよび近赤外線カット粘着シート部材は、耐熱性、耐湿性、耐光性に優れ、さらに、可視光平均透過率、近赤外線透過率(850nm、950nm)に優れているので、とくにプラズマディスプレイパネルに好適に使用される。

Claims (10)

  1. 透明基材フィルム(A)上に、近赤外線吸収層(B)を有する近赤外線カットフィルムであって、前記近赤外線吸収層(B)が、アクリル系樹脂バインダー、下記一般式(1)で表されるスルホンイミドをアニオン成分にもつジイモニウム系色素、および下記一般式(2)で表される構造を有するニッケル化合物を含有するとともに、前記アクリル系樹脂バインダー100質量部に対する前記ジイモニウム系色素の配合割合が5〜50質量部であり、かつ前記ニッケル化合物の配合割合が0.1〜5.0質量部であることを特徴とする近赤外線カットフィルム。
    Figure 0004982291
    (式中、R1〜R8のうち少なくとも一つは、1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基を表し、他は、それぞれ独立してアルキル基、アルキレン基、シアノアルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子及びフェニルアルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R9およびR10は、それぞれ独立してフルオロアルキル基を表すか、またはそれらが一緒になって形成するフルオロアルキレン基を表す)
    Figure 0004982291
  2. 前記1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基が下記一般式(11)で表されることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルム。
    −Cnm2n+1-m ・・・・・・一般式(11)
    (式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜12の自然数、mは1〜25の自然数を示す)
  3. 前記一般式(1)において、R1〜R8の全てが、前記一般式(11)で表されるハロゲン化アルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の近赤外線カットフィルム。
  4. 前記一般式(1)で表されるスルホンイミドをアニオン成分にもつジイモニウム系色素が、ビス[ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸]−N,N,N',N'−テトラキス[p−ジ(4,4,4−トリフルオロブチル)アミノフェニル]−p−フェニレンジイモニウムであることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルム。
  5. 前記一般式(2)で表される構造を有するニッケル化合物が、下記一般式(21)で表されるニッケルジブチルジチオカルバメートであることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルム。
    Figure 0004982291
  6. 前記アクリル系樹脂が、ポリメチルメタクリレート系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外線カットフィルム。
  7. 前記透明基材フィルム(A)が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルム。
  8. 前記透明基材フィルム(A)の前記近赤外線吸収層(B)が設けられた面とは反対の面に、帯電防止層、反射防止層およびハードコート層から選ばれた少なくとも1種のコート層(C)を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の近赤外線カットフィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の近赤外線カットフィルムと、粘着剤層(D)とを少なくとも有することを特徴とする近赤外線カット粘着シート部材。
  10. プラズマディスプレイパネルに使用されることを特徴とする請求項9に記載の近赤外線カット粘着シート部材。
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