JP4982037B2 - 研磨布用ドレッシングプレート及び研磨布のドレッシング方法並びにワークの研磨方法 - Google Patents
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しかしながら、上下両方の研磨布を同時にドレッシングする場合、図10に模式的に示すように、定盤5,6の形状変化等の影響によりドレッシングプレート10の一部(図10では各定盤の中心に近い部分)が研磨布7,8に強く作用する一方、他の部分(図10では各定盤の外側に近い部分)では研磨布7,8とのあたりが弱く十分にドレッシングされないなど、ドレッシングのばらつきが生じることがあった。また、上下の定盤5,6に貼付された研磨布7,8を同時にドレッシングするために、ドレッシングプレートを上下の定盤5,6間に挟み込む際、各定盤5,6において互いに対向する定盤形状を伝達してしまい、ドレス面の作用にばらつきが生じていた。特に前記した特許文献1に開示されているようなキャリアプレート自体が自転しないタイプの研磨装置などではその影響が大きかった。
このような高硬度の研磨布では、研磨能力を安定かつ向上させるために、不織布タイプの研磨布の場合のような圧縮を目的としたドレッシング効果よりもむしろ図6に模式的に示されるような目立て(一般的に「起毛」とも呼ばれている)を行うことが重要となっている。
このように高硬度研磨布を両面研磨装置に用いる場合、ドレッシングプレートによる均一な目立てが難しく、そのため高硬度研磨布を用いたシリコンウエーハの両面研磨は容易に実施することはできなかった。
弾性体層の材質は特に限定するものではないが、ゴムであれば衝撃吸収性に優れ、定盤の形状変化を容易に吸収することができる。
ここで、ゴム硬度は、JIS−K−6301に準じた硬さであり、スプリング式硬さ試験(C形)で測定した値である。
弾性体層が上記範囲内の硬度であれば、定盤の形状変化を確実に吸収することができ、かつ圧縮されすぎることもないので、安定して研磨布表面のドレッシングを行うことができる。
弾性体層がこの程度の厚さを有していれば、定盤の形状変化を十分に吸収することができ、また、ドレッシングプレートが厚過ぎてしまうこともないので、均一なドレッシングを確実に行うことができる。
このようにプレート本体をセラミックス製とすれば、ドレス面がセラミックスで構成され、研磨布の目詰り等を除去して均一にドレッシングを行うことができ、特にドレッシングプレートの両面にダイヤモンドペレット等のドレッシング作用が高いドレッシング補助部材が設けられていれば高硬度研磨布に対して均一に目立てを行うことができる。
図1は、本発明に係る研磨布用ドレッシングプレートの一例の概略を示したものである。このドレッシングプレート1は2枚のプレート本体2と、それらのプレート本体2の間に設けられた弾性体層3とから構成されている。プレート本体2はセラミックスからなり、ドレス面4には微小な凸凹が形成されている。
プレート本体2を構成するセラミックスの種類は特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、サーメット、サファイアなどを用いることができる。
なお、上記のようなセラミックスからなるプレート本体2とゴムからなる弾性体層3とを接合する方法は特に限定されるものではないが、例えばエポキシ樹脂系の接着剤を用いることにより強固に接合することができる。
また、ドレッシング補助部材としては、上記のようなダイヤモンドペレットに限らず、プレート本体22よりも高いドレッシング作用を示すものを用いることができ、例えばエポキシ樹脂系の接着剤を介してプレート本体22に接合すれば良い。
ウエーハの研磨時、あるいはドレッシング時は、上下の各定盤5,6は、モータや減速機(不図示)により水平面内で回転され、回転速度等を制御することができるようになっている。
上記のような高硬度の研磨布を用いると、ウエーハ表面の微小な凹凸を改善することができる。
なお、キャリアプレート9の材質や保持孔の数は特に限定されないが、例えばガラスエポキシ製や塩化ビニル製とし、保持孔の数は、例えば図12(A)に示すように5つの保持孔64を有するキャリアプレート63を使用し、各保持孔64にウエーハWを入れて両面研磨を行うことができる。
一方、研磨布7,8のドレッシングを行う際、キャリアプレート9の保持孔64にウエーハWの代わりに従来のドレッシングプレートを入れてドレッシングを行うと、ドレッシングプレートの当たりムラ(ドレッシングムラ)が生じやすく、また、上下定盤の形状の影響も受けやすいという欠点がある。そこで、このような両面研磨装置61に対し、本発明のドレッシングプレートを用いることで上下の定盤の形状の影響を無くして均一なドレッシングを行う必要がある。
(実施例)
図11に示すような両面研磨装置に研磨布として独立発泡ポリウレタンシート製の研磨布(ショアD硬度98:実施例1)及び架橋エラストマー中に水溶性物質を添加したタイプの研磨布(ショアD硬度45:実施例2)の2種類の研磨布を用いそれぞれ研磨を行った。
初めに研磨布のドレッシングを行なった。ドレッシングプレートとしては、図3に示すような形態の、プレート本体がアルミナセラミックス、弾性体層がフッ素系ゴム(ゴム硬度80)からなる厚さ5mmのものであり、またドレス面にはダイヤ番手#200のダイヤモンドペレットを同心円状に設けたものを用いた。
その結果、実施例1及び実施例2とも研磨代(取り代)を片面5μm以上で高平坦度のウエーハ(GBIR=0.5μm以下)のウエーハを得ることができた。
その結果、実施例1及び実施例2とも、同じ研磨布を用いたまま、同様なレベルの高平坦度で20バッチ以上バッチ間のばらつきもなく、両面研磨を行うことができた。
図7に示すような従来のドレッシングプレートを用いた以外は実施例と同様にドレッシングを行った後、シリコンウエーハの研磨を行った。
パッド目詰まり修正方法によっては突然平坦度の悪いウエーハが得られることがあり、バッチ間のウエーハ品質のバラツキが大きかった。また、5〜10バッチ程度でドレッシングを行ってもウエーハ形状の悪化が生じ、研磨布の交換が必要であった。
例えば、本発明のドレッシングプレートは、上記の形態の両面研磨装置に限らず、別な形態の両面研磨装置、例えば従来の4ウエイ方式の両面研磨装置に対しても同様に適用することができる。
また、上記実施形態等ではシリコンウエーハを研磨する場合について説明したが、被研磨物は特に限定されず、化合物半導体基板、石英ガラス基板等の研磨を行う場合にも本発明を好適に適用することができる。
3,23,33…弾性体層、 4、24,34…ドレス面、 5…上定盤、
6…下定盤、 7,8…研磨布、 9…キャリアプレート、
10…ドレッシングプレート、 11…保持孔、
12a,12b…シリンダーロッド、 13…ハウジング、 14…スラリー供給管、
15…スラスト軸受け、 16…キャリアホルダ、 17…軸受部、
18…偏心アーム、 19…回転軸、 20…タイミングチェーン、
25,35…ダイヤモンドぺレット、 36…溝、 41…ドレッシングプレート、
44…ドレス面、 51…ドレッシングプレート、 52…孔、 53…溝、
54…ドレス面、 61…両面研磨装置、 63,73…キャリアプレート、
64,74…保持孔、 101…サンギア、 102…インターナルギア、
103…キャリアプレート、 104…保持孔、 W…ワーク(ウエーハ)。
Claims (10)
- 研磨布を貼付した上定盤と下定盤と、ワークを保持する保持孔を有するキャリアプレートを具備する両面研磨装置に対し、前記キャリアプレートの保持孔又はドレッシング専用のキャリアプレートの保持孔にセットして前記上定盤と下定盤の研磨布を同時にドレッシングするための研磨布用ドレッシングプレートであって、少なくとも2枚のプレート本体と、それらのプレート本体の間に設けられた弾性体層とを接合した円板状のものであることを特徴とする研磨布用ドレッシングプレート。
- 前記弾性体層がゴムからなることを特徴とする請求項1に記載の研磨布用ドレッシングプレート。
- 前記弾性体層の硬度がゴム硬度40〜90であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨布用ドレッシングプレート。
- 前記弾性体層の厚みが2〜10mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の研磨布用ドレッシングプレート。
- 前記プレート本体がセラミックスからなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の研磨布用ドレッシングプレート。
- 前記ドレッシングプレートの両面に、前記研磨布に対して前記プレート本体よりもドレッシング作用が高いドレッシング補助部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の研磨布用ドレッシングプレート。
- 前記ドレッシング補助部材が、ダイヤモンドペレットであることを特徴とする請求項6に記載の研磨布用ドレッシングプレート。
- 研磨布を貼付した上定盤と下定盤とを具備する両面研磨装置に対し、前記上定盤と下定盤との間にドレッシングプレートを挟んで上下両方の研磨布を同時にドレッシングする方法であって、前記ドレッシングプレートとして、前記請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のドレッシングプレートを用いてドレッシングを行うことを特徴とする研磨布のドレッシング方法。
- 前記上定盤と下定盤に貼付された研磨布が、ショアD硬度40以上の高硬度研磨布であることを特徴とする請求項8に記載の研磨布のドレッシング方法。
- 研磨布を貼付した上定盤と下定盤とを具備する両面研磨装置を用い、前記上定盤と下定盤との間に板状ワークを挟んで該ワークの両面を同時に研磨するワークの研磨方法であって、前記上定盤と下定盤との間に前記請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のドレッシングプレートを挟んで上下両方の研磨布を同時にドレッシングした後、前記ワークを前記上定盤と下定盤との間に挟んで研磨を行うことを特徴とするワークの研磨方法。
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