JP2012094559A - 硬脆性ウェーハの平坦化加工方法および平坦化加工用パッド - Google Patents
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Abstract
【課題】硬脆性ウェーハの加工歪およびマイクロスクラッチを低減し、総平坦化加工時間を短縮でき、かつインゴットからのウェーハの取得枚数を増加可能な硬脆性ウェーハの平坦化加工方法および平坦化加工用パッドを提供する。
【解決手段】スライス後の硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に、高強度高弾性率繊維製の平坦化加工用パッドを押し付け、遊離砥粒を含む加工液を供給しながら硬脆性ウェーハを粗平坦化し、その後、ウェーハ表面を仕上げ研磨する。その結果、ウェーハの加工歪を減らしてマイクロスクラッチの発生数が低減でき、かつ総平坦化加工時間を短縮できるとともに、1本のインゴットからのウェーハの取得枚数も増加できる。
【選択図】図1
【解決手段】スライス後の硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に、高強度高弾性率繊維製の平坦化加工用パッドを押し付け、遊離砥粒を含む加工液を供給しながら硬脆性ウェーハを粗平坦化し、その後、ウェーハ表面を仕上げ研磨する。その結果、ウェーハの加工歪を減らしてマイクロスクラッチの発生数が低減でき、かつ総平坦化加工時間を短縮できるとともに、1本のインゴットからのウェーハの取得枚数も増加できる。
【選択図】図1
Description
この発明は、硬脆性ウェーハの平坦化加工方法および平坦化加工用パッド、詳しくは硬脆性材料からなるウェーハを平坦化可能な硬脆性ウェーハの平坦化加工方法および平坦化加工用パッドに関する。
近年、硬くて脆い硬脆性材料の一種であるサファイア基板および炭化珪素(SiC)基板が注目されている。サファイア基板は、窒化物半導体発光素子のエピタキシャル成長用の基板などに利用され、炭化珪素基板はシリコン基板に比べてバンドキャップが約3倍、絶縁破壊電界が約7倍、熱伝導率が約3倍という半導体基板として優れた物質的性質を有している。
このうち、従来のサファイア基板の製造方法としては、例えば特許文献1(特にその実施例3)に開示されたものが知られている。特許文献1の製造方法は、サファイア単結晶インゴットをスライスして得られたサファイアウェーハに対して、順次、GC砥粒などの遊離砥粒を含むラッピング液を使用して行うラッピングと、ウェーハ外周部の面取りと、前記遊離砥粒より小径なダイヤモンド砥粒を含むラッピング液を供給しながら行うダイヤモンドラッピングと、不織布製の研磨布を用いたウェーハ表面の粗研磨と、ウェーハ表面の仕上げ研磨とを施すというものである。なお、炭化珪素基板は炭化珪素単結晶インゴットを原料とし、上述したサファイア基板の場合と同様のウェーハ加工を順次施して製造される。
このように、サファイアウェーハおよび炭化珪素ウェーハは、硬くて脆い物性を有している。そのため、上述したラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨および仕上げ研磨において、それぞれシリコンウェーハを加工する場合より加工レートが低く、かつウェーハの加工層に発生する加工歪も大きくて、マイクロスクラッチが多発していた。これは、ラッピング液中および研磨液中の各遊離砥粒が、金属製のラッピング定盤および研磨定盤に食い込み、遊離砥粒があたかも固定砥粒のように作用するためである。その結果、増大した加工歪などの除去に必要なウェーハ加工層の総除去量が大きくなり、サファイア基板または炭化珪素基板を作製するための総平坦化加工時間が長くなって、基板の生産性が低下していた。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、硬脆性ウェーハを平坦化加工するパッドの素材として、高い強度と高い弾性率とを備える高強度高弾性率繊維に着目した。すなわち、高強度高弾性率繊維により平坦化加工用パッドを作製すれば、ウェーハ平坦化加工時、研磨液に含まれて平坦化加工用パッドに供給された多くの遊離砥粒は、高強度高弾性率繊維間のポケット(隙間)に流れ込み、小さい力で硬脆性ウェーハに研削作用する。一方、残った遊離砥粒は、高強度高弾性率繊維のポケットの外に存在する。具体的には、パッド最表面側に配置された高強度高弾性率繊維の外周面のうち、平坦化加工時に、直接、硬脆性ウェーハと接触する部分に付着し、これが平坦化加工時に大きい力で硬脆性ウェーハに研削作用すると考えられる。以上のことから、平坦化加工中の遊離砥粒の逃げ場が確保され、従来法に比べて加工歪およびマイクロスクラッチが低減することを知見した。
そこで、この平坦化加工用パッドを使用し、従来法のラッピングから粗研磨に至るまでの各工程を一まとめにして実施すれば、従来法に比べて、平坦化加工に要するウェーハ加工層の総除去量(総取り代)が減少し、ひいては硬脆性ウェーハから製品の硬脆性基板を得るために必要な総平坦化加工時間の短縮化が図れる。しかも、平坦化加工によるウェーハの総除去量が少なくなるので、インゴットから切り出されるウェーハの厚さを従来より薄くでき、その結果、1本のインゴットから得られるウェーハの枚数を増やせることを確認し、この発明を完成させた。
そこで、この平坦化加工用パッドを使用し、従来法のラッピングから粗研磨に至るまでの各工程を一まとめにして実施すれば、従来法に比べて、平坦化加工に要するウェーハ加工層の総除去量(総取り代)が減少し、ひいては硬脆性ウェーハから製品の硬脆性基板を得るために必要な総平坦化加工時間の短縮化が図れる。しかも、平坦化加工によるウェーハの総除去量が少なくなるので、インゴットから切り出されるウェーハの厚さを従来より薄くでき、その結果、1本のインゴットから得られるウェーハの枚数を増やせることを確認し、この発明を完成させた。
この発明は、硬脆性ウェーハの加工歪およびマイクロスクラッチを低減し、総平坦化加工時間を短縮することができるとともに、スライス後のウェーハの厚さを従来より薄くし、1本のインゴットから得られるウェーハの枚数を増やすことができる硬脆性ウェーハの平坦化加工方法および平坦化加工用パッドを提供することを目的としている。
この発明は、硬脆性インゴットをスライスすることで得た硬脆性ウェーハに平坦化加工を施す硬脆性ウェーハの平坦化加工方法において、スライス後の前記硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に、高強度高弾性率繊維からなる平坦化加工用パッドを押し付け、この状態で遊離砥粒を含む加工液を供給しながら、前記硬脆性ウェーハと前記平坦化加工用パッドとを相対的に回転させることで、前記硬脆性ウェーハを粗平坦化加工し、その後、該粗平坦化加工された硬脆性ウェーハの表面を仕上げ研磨する硬脆性ウェーハの平坦化加工方法である。
また、別の発明は、硬脆性ウェーハを平坦化加工する平坦化加工用パッドにおいて、前記平坦化加工用パッドが高強度高弾性率繊維からなる硬脆性ウェーハの平坦化加工用パッドである。
これらの発明によれば、硬脆性ウェーハの平坦化加工時には、加工液が平坦化加工用パッドに供給され、加工液中の遊離砥粒が平坦化加工用パッドの高強度高弾性率繊維に付着し、保持される。この状態で、平坦化加工用パッドを硬脆性ウェーハに押し付け、硬脆性ウェーハと平坦化加工用パッドとを相対的に回転させて、硬脆性ウェーハを平坦化加工する。
ここで使用される高強度高弾性率繊維は、その特性から、ウェーハ平坦化加工時、硬脆性ウェーハに押し付けられたとき、平坦化加工用パッドに供給された大半の遊離砥粒は高強度高弾性率繊維間のポケットに流れ込み、小さい力で硬脆性ウェーハに研削作用する。 一方、一部の遊離砥粒は高強度高弾性率繊維のポケットの外に存在し、これが大きい力で硬脆性ウェーハに研削作用すると考えられる。その結果、平坦化加工中における遊離砥粒の逃げ場が確保され、従来法の課題であった遊離砥粒の一部が加工圧の作用で金属製の定盤に埋まり、固定砥粒化するというおそれがなくなる。よって、硬脆性ウェーハの加工層(表層)に発生する加工歪およびマイクロスクラッチを低減することができる。これにより、ラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨、仕上げ研磨を順次施す従来法に比べて、硬脆性ウェーハの総平坦化加工時間を短縮することができる。しかも、平坦化加工によるウェーハの表裏面のうち、少なくとも表面の総除去量が少なくなるので、インゴットから切り出されるウェーハの厚さを従来より薄くでき、その結果、1本のインゴットから得られるウェーハの枚数を増やすことができる。
この発明は、硬脆性インゴットをスライスして得た硬脆性ウェーハに平坦化加工を施す硬脆性ウェーハの平坦化加工方法において、スライス後の前記硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に、高強度高弾性率繊維からなる平坦化加工用パッドを押し付け、この状態で遊離砥粒を含む加工液を供給しながら、前記硬脆性ウェーハと前記平坦化加工用パッドとを相対的に回転させることで、前記硬脆性ウェーハを粗平坦化加工し、その後、該粗平坦化加工された硬脆性ウェーハの表面を仕上げ研磨する硬脆性ウェーハの平坦化加工方法である。
また、別の発明は、硬脆性ウェーハを平坦化加工する平坦化加工用パッドにおいて、前記平坦化加工用パッドが高強度高弾性率繊維からなる硬脆性ウェーハの平坦化加工用パッドである。
これらの発明によれば、硬脆性ウェーハの粗平坦化加工時、加工液が平坦化加工用パッドに供給され、加工液中の遊離砥粒が平坦化加工用パッドの高強度高弾性率繊維に付着し、保持される。この状態で、平坦化加工用パッドを硬脆性ウェーハに押し付け、硬脆性ウェーハと平坦化加工用パッドとを相対的に回転させて、硬脆性ウェーハを粗平坦化加工する。
高強度高弾性率繊維は、高強度で高弾性率の物性を有しているため、粗平坦化加工時、平坦化加工用パッドに供給されたほとんどの遊離砥粒は高強度高弾性率繊維間のポケットに流れ込み、粗平坦化加工中における遊離砥粒の逃げ場が確保される。このとき、高強度高弾性率繊維のポケットに流れ込んだ大半の遊離砥粒は小さい力で硬脆性ウェーハに研削作用する。一方、一部の遊離砥粒は、高強度高弾性率繊維のポケットの外に存在し、これが大きい力で硬脆性ウェーハに研削作用すると考えられる。ここでの「ポケットの外」とは、パッド最表面側に配置された高強度高弾性率繊維の外周面のうち、直接、硬脆性ウェーハと接触する部分をいう。
高強度高弾性率繊維は、高強度で高弾性率の物性を有しているため、粗平坦化加工時、平坦化加工用パッドに供給されたほとんどの遊離砥粒は高強度高弾性率繊維間のポケットに流れ込み、粗平坦化加工中における遊離砥粒の逃げ場が確保される。このとき、高強度高弾性率繊維のポケットに流れ込んだ大半の遊離砥粒は小さい力で硬脆性ウェーハに研削作用する。一方、一部の遊離砥粒は、高強度高弾性率繊維のポケットの外に存在し、これが大きい力で硬脆性ウェーハに研削作用すると考えられる。ここでの「ポケットの外」とは、パッド最表面側に配置された高強度高弾性率繊維の外周面のうち、直接、硬脆性ウェーハと接触する部分をいう。
その結果、従来法の課題であった遊離砥粒の一部分が加工圧の作用で金属製の定盤に喰い込んで遊離砥粒が固定砥粒化し、これを原因として硬脆性ウェーハの加工歪が大きく(深く)なったり、マイクロスクラッチが多発するということがなくなる。よって、ラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨、仕上げ研磨を順次施す従来法に比べて、スライス後の硬脆性ウェーハから硬脆性基板を得るまでの平坦化加工中の総除去量(総取り代)が減少し、その結果、従来法と比較して総平坦化加工時間を短縮することができる。
「硬脆性ウェーハ」としては、例えばサファイアウェーハ、炭化珪素(SiC)ウェーハなどを採用することができる。その他、窒化ガリウム(GaN)ウェーハなどでもよい。
「硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面」としたのは、硬脆性ウェーハの被平坦化加工面が、ウェーハ表裏面のうち、高い平坦度の要求がなされるデバイス形成面となるウェーハ表面を含むようにするためである。
高強度高弾性率繊維とは、例えば圧縮率20%程度、弾性圧縮率90%程度、繊維密度0.5g/cm3以上のもの(炭素繊維,黒鉛繊維,アラミド繊維,ガラス繊維など)をいう。なお、平坦化加工用パッドの厚さは任意である(例えば0.4mm程度)。
「硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面」としたのは、硬脆性ウェーハの被平坦化加工面が、ウェーハ表裏面のうち、高い平坦度の要求がなされるデバイス形成面となるウェーハ表面を含むようにするためである。
高強度高弾性率繊維とは、例えば圧縮率20%程度、弾性圧縮率90%程度、繊維密度0.5g/cm3以上のもの(炭素繊維,黒鉛繊維,アラミド繊維,ガラス繊維など)をいう。なお、平坦化加工用パッドの厚さは任意である(例えば0.4mm程度)。
高強度高弾性率繊維からなる平坦化加工用パッドの製造方法としては、例えば所望の材料からなる繊維を所望の密度で編み込んで編布とし、これを研磨布のベース(不織布またはウレタンフォーム)の上面に貼り付ける方法などを採用することができる。
ここでいう「平坦化加工」とは、硬脆性ウェーハに施される例えばラッピング(ダイヤラッピングを含む)、研削、粗研磨、仕上げ研磨に相当する加工をいう。また、「粗平坦化加工」とは、このうちの仕上げ研磨を除いた加工をいう。粗平坦化加工時には、これらの何れか1つのみ、または、選択された複数(全てを含む)を連続的または断続的に行うものとする。粗平坦化加工で使用される粗平坦化加工装置としては、シリコンウェーハ用の研磨装置(例えば両面研磨装置、片面研磨装置)と同等の構造を有したものを採用することができる。
平坦化加工用パッドとしては、高強度高弾性率繊維を平面視して円形のパッド形状としたものなどを採用することができる。
ここでいう「平坦化加工」とは、硬脆性ウェーハに施される例えばラッピング(ダイヤラッピングを含む)、研削、粗研磨、仕上げ研磨に相当する加工をいう。また、「粗平坦化加工」とは、このうちの仕上げ研磨を除いた加工をいう。粗平坦化加工時には、これらの何れか1つのみ、または、選択された複数(全てを含む)を連続的または断続的に行うものとする。粗平坦化加工で使用される粗平坦化加工装置としては、シリコンウェーハ用の研磨装置(例えば両面研磨装置、片面研磨装置)と同等の構造を有したものを採用することができる。
平坦化加工用パッドとしては、高強度高弾性率繊維を平面視して円形のパッド形状としたものなどを採用することができる。
加工液としては、純水、オイル、クーラント、分散材、消泡材などを採用することができる。
遊離砥粒としては、例えば炭化珪素粒子、ダイヤモンド粒子、アルミナなどを採用することができる。
粗平坦化加工の条件は、硬脆性ウェーハの平坦度の進行に伴い、加工途中で適宜変更することができる。
遊離砥粒としては、例えば炭化珪素粒子、ダイヤモンド粒子、アルミナなどを採用することができる。
粗平坦化加工の条件は、硬脆性ウェーハの平坦度の進行に伴い、加工途中で適宜変更することができる。
「硬脆性ウェーハと平坦化加工用パッドとを相対的に回転させる」とは、硬脆性ウェーハのみまたは平坦化加工用パッドのみの回転でも、これらの両方の回転でもよい。硬脆性ウェーハと平坦化加工用パッドとの回転方法は同一方向、または異なる方向でもよい。ただし、同一方向の場合には回転速度を異ならせる必要がある。
粗平坦化加工後は、デバイス形成面となる表面を高平坦度にするため、硬脆性ウェーハの粗平坦化加工された面を仕上げ研磨する。
仕上げ研磨では、例えばスエード製の研磨布を使用し、酸化珪素粒子が混入されたコロイダルシリカなどを供給しながら、粗平坦化加工された硬脆性ウェーハの表面を、各種の研磨装置により仕上げ研磨する。
粗平坦化加工後は、デバイス形成面となる表面を高平坦度にするため、硬脆性ウェーハの粗平坦化加工された面を仕上げ研磨する。
仕上げ研磨では、例えばスエード製の研磨布を使用し、酸化珪素粒子が混入されたコロイダルシリカなどを供給しながら、粗平坦化加工された硬脆性ウェーハの表面を、各種の研磨装置により仕上げ研磨する。
以下、図1のフローシートを参照して、この発明の実施例1に係る硬脆性ウェーハの平坦化加工方法およびそれに用いられる平坦化加工用パッドを説明する。ここでは、サファイアウェーハの平坦化加工方法を例とする。
すなわち、実施例1の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法が採用されたサファイア基板の製造プロセスは、単結晶サファイアインゴットに順次施される円筒、オリフラ工程と、スライス工程と、面取り工程と、粗平坦化加工工程と、仕上げ研磨工程と、洗浄工程とを備えている。
すなわち、実施例1の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法が採用されたサファイア基板の製造プロセスは、単結晶サファイアインゴットに順次施される円筒、オリフラ工程と、スライス工程と、面取り工程と、粗平坦化加工工程と、仕上げ研磨工程と、洗浄工程とを備えている。
以下、前記各工程を具体的に説明する。
まず、高温に加熱したサファイアの溶融液から単結晶サファイアのシードを用いて単結晶サファイアを成長させる。
円筒、オリフラ工程では、単結晶サファイアインゴットから結晶ブロックが切断され、その後、結晶ブロックの円筒研削(外周研削)が行われる。具体的には、レジノイド研削砥石を有した外周研削装置により、結晶ブロックが外周研削される。これにより、各結晶ブロックが円柱状に成形される。
その後、円筒研削された結晶ブロックの外周面の一部分をブロック全長にわたって平坦に研削することで、オリエンテーションフラット部を形成する。
まず、高温に加熱したサファイアの溶融液から単結晶サファイアのシードを用いて単結晶サファイアを成長させる。
円筒、オリフラ工程では、単結晶サファイアインゴットから結晶ブロックが切断され、その後、結晶ブロックの円筒研削(外周研削)が行われる。具体的には、レジノイド研削砥石を有した外周研削装置により、結晶ブロックが外周研削される。これにより、各結晶ブロックが円柱状に成形される。
その後、円筒研削された結晶ブロックの外周面の一部分をブロック全長にわたって平坦に研削することで、オリエンテーションフラット部を形成する。
スライス工程では、三角配置された3本のグルーブローラにワイヤが巻掛けられたワイヤソーが用いられる。ワイヤソーにより結晶ブロックから、厚さ1000μm以下の多数枚のサファイアウェーハ(硬脆性ウェーハ)がスライスされる。
面取り工程では、回転中の面取り用砥石をサファイアウェーハの外周部に押し付けて面取りする。その後、面取りされたサファイアウェーハに対して粗平坦化加工が行われる。
面取り工程では、回転中の面取り用砥石をサファイアウェーハの外周部に押し付けて面取りする。その後、面取りされたサファイアウェーハに対して粗平坦化加工が行われる。
以下、図2および図3を参照して、粗平坦化加工工程を詳しく説明する。
図2に示すように、粗平坦化加工工程では、1台の遊星歯車式の両面平坦化加工装置10を使用し、従来のラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨をまとめた粗平坦化加工が施される。
両面平坦化加工装置10は、互いに平行に設けられた上定盤11および下定盤12と、これらの上定盤11、下定盤12間に介在されて、軸線回りに回転自在に設けられた小径な太陽ギヤ13と、この軸線と同じ軸線を中心にして回転自在に設けられた大径なインターナルギヤ14と、太陽ギヤ13およびインターナルギヤ14に噛合する外ギヤが形成された合計5枚の円板形状のキャリアプレート15とを備えている。
図2に示すように、粗平坦化加工工程では、1台の遊星歯車式の両面平坦化加工装置10を使用し、従来のラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨をまとめた粗平坦化加工が施される。
両面平坦化加工装置10は、互いに平行に設けられた上定盤11および下定盤12と、これらの上定盤11、下定盤12間に介在されて、軸線回りに回転自在に設けられた小径な太陽ギヤ13と、この軸線と同じ軸線を中心にして回転自在に設けられた大径なインターナルギヤ14と、太陽ギヤ13およびインターナルギヤ14に噛合する外ギヤが形成された合計5枚の円板形状のキャリアプレート15とを備えている。
上定盤11の下面には、ウェーハ裏面を粗平坦化加工する平坦化加工用パッド16が貼着されている。また、下定盤12の上面には、ウェーハ表面を粗平坦化加工する同じく平坦化加工用パッド16が貼着されている。各キャリアプレート15には、4つのウェーハ保持孔が形成され、これらのウェーハ保持孔にサファイアウェーハWがそれぞれ挿入されている。
両平坦化加工用パッド16は、ポリアリレート繊維(高強度高弾性率繊維)16aを編み込んだ布をウレタンフォームの表面に貼り付けた厚さが0.4mm、繊維密度が0.7g/cm3のシート部材である。ポリアリレート繊維16aは、圧縮率が20%、圧縮弾性率が90%のものである。
両平坦化加工用パッド16は、ポリアリレート繊維(高強度高弾性率繊維)16aを編み込んだ布をウレタンフォームの表面に貼り付けた厚さが0.4mm、繊維密度が0.7g/cm3のシート部材である。ポリアリレート繊維16aは、圧縮率が20%、圧縮弾性率が90%のものである。
各サファイアウェーハWの粗平坦化加工時には、両定盤11,12を互いに逆方向に所定速度で回転させ、平坦化加工用パッド16間に加工液を供給しながら、各サファイアウェーハWに両平坦化加工用パッド16を所定の加工圧で押し付け、各サファイアウェーハWの表裏面を、ウェーハ加工層の除去量がウェーハ両面で約120μmとなるまで粗平坦化加工する。ここで使用される加工液は、オイルに所定の配合でアルミナ粒子aが分散されたものである。
粗平坦化加工時、加工液は、スラリーポンプの圧送力により平坦化加工用パッド16間に供給され、加工液中のアルミナ粒子aが、平坦化加工用パッド16のポリアリレート繊維16aの露出面に付着して保持される(図3)。この状態で、平坦化加工用パッド16をサファイアウェーハWの表裏面に押し付け、サファイアウェーハWを粗平坦化加工する。
平坦化加工用パッド16を構成するポリアリレート繊維16aは、高強度でかつ高弾性率を有する繊維である。そのため、粗平坦化加工時、サファイアウェーハWの表裏面に押し付けられたポリアリレート繊維16aは、アルミナ粒子aをウェーハ表裏面に当接した状態で弾性変形する。
平坦化加工用パッド16を構成するポリアリレート繊維16aは、高強度でかつ高弾性率を有する繊維である。そのため、粗平坦化加工時、サファイアウェーハWの表裏面に押し付けられたポリアリレート繊維16aは、アルミナ粒子aをウェーハ表裏面に当接した状態で弾性変形する。
この状態を維持しながら、サファイアウェーハWと両平坦化加工用パッド16とを所定方向へ回転させることで、サファイアウェーハWの表裏面がアルミナ粒子aの研削作用により、加工レート約0.3μm/minで研削されて行く。その結果、サファイアウェーハWの表裏面の平行度を高めながらウェーハ表裏面が徐々に平坦化される。そのため、ウェーハ平坦化加工時、平坦化加工用パッド16に供給された大半のアルミナ粒子aは、絡み合ったポリアリレート繊維16a間のポケットに流れ込み、小さい力でサファイアウェーハWに研削作用する。一方、一部のアルミナ粒子aはポリアリレート繊維16aのポケットの外、具体的には平坦化加工用パッド16の最表面側に配置されたポリアリレート繊維16aの外周面のうち、直接、サファイアウェーハWと接触する部分に付着し、これがサファイアウェーハWに大きい力で研削作用すると考えられる。これにより、平坦化加工中におけるアルミナ粒子aの逃げ場が確保される。その結果、従来法の課題であった遊離砥粒の一部が加工圧の作用で金属製の定盤に埋まり、固定砥粒化するというおそれがなくなる。よって、サファイアウェーハWの加工層(表層)に発生する加工歪が浅くなるとともに、マイクロスクラッチの発生を低減することができる。
これにより、ラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨、仕上げ研磨を順次施す従来法に比べて、サファイアウェーハWの総平坦化加工時間を短縮することができる。しかも、平坦化加工によるウェーハ表裏面の総除去量が少なくなるので、インゴットから切り出されるサファイアウェーハWの厚さを従来より薄くでき、その結果、1本のインゴットから得られるサファイアウェーハWの枚数を増やすことができる。
しかも、上述したようにアルミナ粒子aを保持したポリアリレート繊維16aが、その特性により高い弾性力を有しているので、加工レートも安定した状態となる。また、製品となるサファイア基板の反り量および仕上げ研磨後のウェーハ表面粗さが従来法の場合より小さくなり、ウェーハ平坦化加工に要する総工程数も、従来法の場合より少なくなる。
なお、図4に示す後述の片面研磨装置20と同様の装置構成を有し、かつ研磨布21に代えて高強度高弾性率繊維16aからなる平坦化加工用パッド16を定盤に貼着した片面平坦化加工装置を用いて、サファイアウェーハWの表裏面を片面ずつ粗平坦化加工してもよい。
しかも、上述したようにアルミナ粒子aを保持したポリアリレート繊維16aが、その特性により高い弾性力を有しているので、加工レートも安定した状態となる。また、製品となるサファイア基板の反り量および仕上げ研磨後のウェーハ表面粗さが従来法の場合より小さくなり、ウェーハ平坦化加工に要する総工程数も、従来法の場合より少なくなる。
なお、図4に示す後述の片面研磨装置20と同様の装置構成を有し、かつ研磨布21に代えて高強度高弾性率繊維16aからなる平坦化加工用パッド16を定盤に貼着した片面平坦化加工装置を用いて、サファイアウェーハWの表裏面を片面ずつ粗平坦化加工してもよい。
次に、仕上げ研磨工程では、図4に示すような片面研磨装置20を用い、コロイダルシリカの研磨液を使用し、粗平坦化加工されたサファイアウェーハWの表面のみを仕上げ研磨する。
以下、図4を参照して、片面研磨装置20を具体的に説明する。
片面研磨装置20は、上面にスエード製の研磨布21が展張された研磨定盤22と、この上方に研磨定盤22の回転中心線を中心として90°間隔で配設された4つの研磨ヘッド23とを備えている。各研磨ヘッド23の下面には、表面が下向きに配置された4枚のサファイアウェーハWが、キャリアプレート24を介してワックス貼着されている。
以下、図4を参照して、片面研磨装置20を具体的に説明する。
片面研磨装置20は、上面にスエード製の研磨布21が展張された研磨定盤22と、この上方に研磨定盤22の回転中心線を中心として90°間隔で配設された4つの研磨ヘッド23とを備えている。各研磨ヘッド23の下面には、表面が下向きに配置された4枚のサファイアウェーハWが、キャリアプレート24を介してワックス貼着されている。
片面研磨時には、研磨定盤22と各研磨ヘッド24とを所定方向、所定速度で回転させながら各研磨ヘッド23を徐々に下降し、研磨液が供給されている研磨布21に押し付ける。これにより、各サファイアウェーハWの表面が10μmだけ仕上げ研磨される。このように、粗平坦化加工後は、サファイアウェーハWの表面のみを仕上げ研磨するようにしたので、サファイアウェーハWのデバイス形成面となる表面をさらに高平坦度化することができる。
次の洗浄工程では、外観検査直後の各サファイアウェーハWが最終洗浄され、製品としてのサファイア基板となる。具体的には、鏡面研磨後の各サファイアウェーハWに対して、アルカリ溶液と酸溶液とを使用した洗浄が行われる。なお、この実施例1では、直径50mmの結晶ブロックを用いた。
次の洗浄工程では、外観検査直後の各サファイアウェーハWが最終洗浄され、製品としてのサファイア基板となる。具体的には、鏡面研磨後の各サファイアウェーハWに対して、アルカリ溶液と酸溶液とを使用した洗浄が行われる。なお、この実施例1では、直径50mmの結晶ブロックを用いた。
ここで、実際に本発明(試験例1〜4)および従来(比較例1)の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法により、サファイアウェーハに各種のウェーハ平坦化加工を順次施してサファイア基板を得た。
その際、仕上げ研磨前の平坦化加工に用いられるパッドと遊離砥粒を含む加工液との違い(仕上げ研磨前の平坦化加工材)により、サファイアウェーハの総平坦化加工特性と、仕上げ研磨前のサファイアウェーハの特性と、仕上げ研磨後のサファイアウェーハの特性とが、どのように異なるのかを調べた。その結果を表1に示す。
その際、仕上げ研磨前の平坦化加工に用いられるパッドと遊離砥粒を含む加工液との違い(仕上げ研磨前の平坦化加工材)により、サファイアウェーハの総平坦化加工特性と、仕上げ研磨前のサファイアウェーハの特性と、仕上げ研磨後のサファイアウェーハの特性とが、どのように異なるのかを調べた。その結果を表1に示す。
ここでいう「総平坦化加工特性」とは、サファイアウェーハに施される総平坦化加工時間(仕上げ研磨を含む)、総平坦化加工工程数および総平坦化加工でのサファイアの総除去量(加工量)である。また、「仕上げ研磨前のサファイアウェーハの特性」とは、仕上げ研磨が施される前のサファイアウェーハの反り量および表面粗さである。さらに、「仕上げ研磨後のサファイアウェーハの特性」とは、仕上げ研磨後のサファイアウェーハの最終反り量、最終表面粗さ、マイクロスクラッチの発生量である。
試験例1では、平坦化加工用パッドにポリアリレート繊維、加工液にアルミナ粒子を含むものを採用している。試験例2では、平坦化加工用パッドの素材として、ポリアリレート繊維に代えてポリアラミド繊維を採用している。試験例3では、平坦化加工工程において、加工液中のアルミナ粒子に代えてダイヤモンド粒子を採用している。試験例4では、平坦化加工工程において、ポリアリレート繊維に代えてポリアラミド繊維を採用し、かつ加工液中のアルミナ粒子に代えてダイヤモンド粒子を採用している。一方、比較例1では、粗平坦化加工工程に代えて、順次施されるラッピング工程、ダイヤモンドラッピング工程、粗研磨工程を採用している。
なお、試験例1〜4および比較例1における各サファイアウェーハの試験実施枚数は10枚で、表1中の各試験値はその平均値である。また、試験例1〜4および比較例1におけるその他の構成は、実施例1に準ずる。
なお、試験例1〜4および比較例1における各サファイアウェーハの試験実施枚数は10枚で、表1中の各試験値はその平均値である。また、試験例1〜4および比較例1におけるその他の構成は、実施例1に準ずる。
比較例1のラッピング工程では、鋳鉄製の上下のラッピング定盤を備えたラッピング装置を使用し、GC砥粒を含むラッピング液をラッピング定盤間に供給しながらサファイアウェーハをラッピングする。次のダイヤモンドラッピング工程では、下方のみのラッピング定盤を銅製とし、ダイヤモンド粒子を含むラッピング液をラッピング定盤間に供給しながら、サファイアウェーハの表面のみをラッピングする。また、粗研磨工程では、遊星歯車方式の浜井産業株式会社製の上下の研磨定盤の各対向面にニッタハース株式会社製の不織布からなる研磨布をそれぞれ貼着し、研磨布にコロイダルシリカ(加工液)を供給しながら、サファイアウェーハの表裏面を粗研磨する。
表1に示すように、試験例1では、平坦化加工として、ポリアリレート繊維からなる平坦化加工用パッドとアルミナ粒子を含む加工液を使用した「粗平坦化加工」と、研磨布およびコロイダルシリカを用いた「仕上げ研磨」の2段加工を採用した。
その結果、総平坦化加工に平均13時間を要した。総平坦化加工におけるサファイアの総除去量は、ウェーハ表裏面で平均121μmだった。また、粗平坦加工後のサファイアウェーハの反り量は平均7.2μmであった。粗平坦加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均1nm以下であった。また、仕上げ研磨後のウェーハの反り量は平均7.5μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面のスクラッチ検査の結果、スクラッチ発生枚数を全検査枚数で割って一枚あたりの発生数としたとき(以下同様とする)、一枚当たりのウェーハに存在する1cm以上のスクラッチの発生数は平均0.1個であった。
その結果、総平坦化加工に平均13時間を要した。総平坦化加工におけるサファイアの総除去量は、ウェーハ表裏面で平均121μmだった。また、粗平坦加工後のサファイアウェーハの反り量は平均7.2μmであった。粗平坦加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均1nm以下であった。また、仕上げ研磨後のウェーハの反り量は平均7.5μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面のスクラッチ検査の結果、スクラッチ発生枚数を全検査枚数で割って一枚あたりの発生数としたとき(以下同様とする)、一枚当たりのウェーハに存在する1cm以上のスクラッチの発生数は平均0.1個であった。
試験例2では、平坦化加工として、ポリアラミド繊維からなる平坦化加工用パッドとアルミナ粒子を含む加工液を使用した「粗平坦化加工」と、研磨布およびコロイダルシリカを用いた「仕上げ研磨」の2段加工を採用した。その結果、総平坦化加工に平均14時間を要した。このときの総平坦化加工における除去量はウェーハ表裏面で平均121μmとなる。また、ポリアラミド繊維の平坦化加工用パッドを用いて粗平坦化加工を施した後のウェーハの反り量は平均7.5μmであった。粗平坦化加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均1nm以下であった。また、仕上げ研磨後のウェーハの反り量は平均7.8μmで、仕上げ研磨後のウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面の1cm以上のスクラッチ発生数は、ウェーハ一枚当たり平均0.1個であった。
試験例3では、平坦加工として、ポリアリレート繊維からなる平坦化加工用パッドとダイヤモンド砥粒を含む加工液を使用した「粗平坦化加工」と、研磨布およびコロイダルシリカを用いた「仕上げ研磨」の2段加工を採用した。その結果、総平坦化加工の加工時間の平均は9.5時間だった。このときの総平坦化加工における総除去量はウェーハ表裏面で平均121μmであった。また、ポリアラミド繊維の平坦化加工用パッドを用いて粗平坦化加工を施した後のウェーハの反り量は平均8.5μmで、粗平坦化加工を施した後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均3nm程度だった。また、仕上げ研磨後のウェーハの反り量は平均8.7μmで、仕上げ研磨後のウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後の1cm以上のスクラッチの発生数はウェーハ1枚当たり平均0.3個であった。
試験例4では、平坦加工として、ポリアラミド繊維の平坦化加工用パッドとダイヤモンド砥粒を含む加工液を使用した「粗平坦化加工」と、研磨布およびコロイダルシリカを用いた「仕上げ研磨」の2段加工を実施した。その結果、総平坦化加工に要する時間は平均10時間を要した。このときの総平坦化加工におけるサファイアの総除去量はウェーハ表裏面で平均121μmだった。また、ポリアラミド繊維を平坦化加工用パッドを用いて粗平坦化加工を施した後のウェーハの反り量は平均8.6μmであった。粗平坦化加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均4nm程度であった。また、仕上げ研磨まで実施した場合において、ウェーハの反り量は平均8.9μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度であった。仕上げ研磨後のウェーハ表面での1cm以上のスクラッチの発生数は、平均0.3個であった。
比較例1では、平坦加工として、鋳鉄定盤とGC砥粒を使用した「ラップ加工」と、銅定盤とダイヤモンド砥粒とを使用した「ダイヤモンドラップ加工」と、不織布とコロイダルシリカ砥粒を使用した「粗研磨加工」と、スエード製の研磨布とコロイダルシリカを使用した「仕上げ研磨加工」の4段加工(総平坦化加工)を実施した。その結果、総平坦化加工に要する時間は平均18時間であった。このとき、総平坦化加工におけるサファイアの総除去量はウェーハ表裏面で平均181μmだった。
また、不織布を用いて粗研磨を施した後のウェーハの反り量は平均11.2μmで、粗研磨加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均7nm程度だった。また、仕上げ研磨まで施した場合のウェーハの反り量は平均11.5μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面での1cm以上のスクラッチの発生数は、平均1個であった。
また、不織布を用いて粗研磨を施した後のウェーハの反り量は平均11.2μmで、粗研磨加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均7nm程度だった。また、仕上げ研磨まで施した場合のウェーハの反り量は平均11.5μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面での1cm以上のスクラッチの発生数は、平均1個であった。
この発明は、硬脆性材料(例えばサファイア、SiC、GaNなど)の鏡面加工までの総加工時間の短縮技術として有用である。
10 両面平坦化加工装置、
16 平坦化加工用パッド、
16a ポリアリレート繊維(高強度高弾性率繊維)、
W サファイアウェーハ(硬脆性ウェーハ)、
a アルミナ粒子(遊離砥粒)。
16 平坦化加工用パッド、
16a ポリアリレート繊維(高強度高弾性率繊維)、
W サファイアウェーハ(硬脆性ウェーハ)、
a アルミナ粒子(遊離砥粒)。
Claims (2)
- 硬脆性インゴットをスライスして得た硬脆性ウェーハに平坦化加工を施す硬脆性ウェーハの平坦化加工方法において、
スライス後の前記硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に、高強度高弾性率繊維からなる平坦化加工用パッドを押し付け、この状態で遊離砥粒を含む加工液を供給しながら、前記硬脆性ウェーハと前記平坦化加工用パッドとを相対的に回転させることで、前記硬脆性ウェーハを粗平坦化加工し、
その後、該粗平坦化加工された硬脆性ウェーハの表面を仕上げ研磨する硬脆性ウェーハの平坦化加工方法。 - 硬脆性ウェーハを平坦化加工する平坦化加工用パッドにおいて、
前記平坦化加工用パッドが高強度高弾性率繊維からなる硬脆性ウェーハの平坦化加工用パッド。
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