JP2013045909A - 半導体ウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来法による場合と同等の研磨後の表面粗さを確保しながら、従来法に比べて、工程数の削減、設備コストの低減、半導体ウェーハの外周部のロールオフの低減、研磨レートの増大および研磨時間の短縮を同時に満足可能な半導体ウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】無砥粒の純水を供給しながら、上下定盤面の固定砥粒層により複数の半導体ウェーハを固定砥粒両面研削し、その後、遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液を供給しながら、上下定盤面の固定砥粒層によりウェーハ表裏面を固定砥粒両面研磨する。固定砥粒層は、弾性基材に砥粒を分散させたものである。これにより、従来法と同等の研磨後の表面粗さを確保しながら、従来法に比べて、工程数の削減、設備コストの低減、ウェーハ外周部のロールオフの低減、研磨レートの増大および研磨時間の短縮を同時に満足させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】無砥粒の純水を供給しながら、上下定盤面の固定砥粒層により複数の半導体ウェーハを固定砥粒両面研削し、その後、遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液を供給しながら、上下定盤面の固定砥粒層によりウェーハ表裏面を固定砥粒両面研磨する。固定砥粒層は、弾性基材に砥粒を分散させたものである。これにより、従来法と同等の研磨後の表面粗さを確保しながら、従来法に比べて、工程数の削減、設備コストの低減、ウェーハ外周部のロールオフの低減、研磨レートの増大および研磨時間の短縮を同時に満足させることができる。
【選択図】図1
Description
この発明は、半導体ウェーハの製造方法、詳しくは原材料の半導体からなる単結晶インゴットを加工して半導体ウェーハを得る半導体ウェーハの製造方法に関する。
一般的な半導体ウェーハの製造方法は、単結晶インゴットをスライスして薄円板状のウェーハを得るスライス工程と、スライスしたウェーハの欠けや割れを防止するためにウェーハの外周部を面取りする面取り工程と、面取りしたウェーハの表面を平坦化するラッピング工程と、ウェーハに残留する面取り時およびラッピング時に発生した加工変質層を除去する湿式エッチング工程と、エッチングしたウェーハの両面または片面を、遊離砥粒を含むスラリーを使用して鏡面研磨する鏡面研磨工程とから構成されている。また、ラッピング工程に代えて砥石を用いてウェーハの表裏面を同時に研削する両頭研削工程を採用したり、ウェーハ表面の平坦度を高めるため、ラッピングまたは両頭研削などの粗研削処理後、ウェーハの表面側をカップ型砥石によるインフィード方式の片面研削を行って仕上げ研削する場合もある。
さらに、近年、例えば特許文献1の半導体ウェーハの製造方法のように、面取工程の前に、ラッピング工程に代えて両面研削盤によりウェーハの両面を同時に研削する両面同時平面一次研削工程を実施し、次に面取工程を行い、その後、片面吸着によりカップ型砥石によるインフィード方式の片面研削により二次研削工程を行なうものが報告されている。
特許文献1によれば、半導体ウェーハの両面同時平面研削後に面取りを行う。そのため、両面同時平面研削により平坦化され、厚さバラツキおよびうねりを抑えた半導体ウェーハの面取りが行われる。これにより、面取り装置は本来の加工精度でウェーハ外周部に面取りを施すことができ、その結果、面取り形状が安定した半導体ウェーハを製造することができる。また、両面同時平面一次研削工程を実施した後、面取り工程を行い、その後、高番手の仕上げ砥石による両面同時研削(二次研削工程)を行うことにより、エッチング工程を省略できることも報告されている。
特許文献1によれば、半導体ウェーハの両面同時平面研削後に面取りを行う。そのため、両面同時平面研削により平坦化され、厚さバラツキおよびうねりを抑えた半導体ウェーハの面取りが行われる。これにより、面取り装置は本来の加工精度でウェーハ外周部に面取りを施すことができ、その結果、面取り形状が安定した半導体ウェーハを製造することができる。また、両面同時平面一次研削工程を実施した後、面取り工程を行い、その後、高番手の仕上げ砥石による両面同時研削(二次研削工程)を行うことにより、エッチング工程を省略できることも報告されている。
一方、特許文献1での鏡面研磨工程においては、CMP技術を応用した研磨装置が用いられ、研磨布の表面にコロイダルシリカなどの砥粒を含む研磨加工液を供給しながら、ウェーハ表面を鏡面研磨することが行われる。通常、鏡面研磨工程は複数段に分けて実施される。大別して、ウェーハの高平坦度化を目的とした粗研磨工程(一次研磨)と、ウェーハ表面の粗さ低減を目的とした精研磨工程(仕上げ研磨)とが実施される。一次研磨では、平坦性に優れる基準面を持たない両面同時研磨が行われ、仕上げ研磨では、ウェーハ裏面側を保持してウェーハ表面側を研磨する片面研磨が採用されている。
しかしながら、両面同時研磨では、上定盤と下定盤との間に配置されたキャリアプレートのウェーハ保持孔に半導体ウェーハを収納し、この状態で、遊離砥粒を含むスラリーを供給しながら、それぞれ所定速度で回転中の上定盤の下面の研磨布と、下定盤の上面の研磨布とによりウェーハ表裏面を同時に研磨する。そのため、半導体ウェーハの中央部に比べて外周部の研磨量が大きくなるロールオフが増大し、半導体ウェーハに外周ダレが発生するという問題があった。
そこで、特許文献2では、ウェーハの外周ダレの抑制を目的として、ウェーハ表面を一次鏡面研磨(両面研磨処理)し、その後、裏面基準研磨方式による鏡面研磨を行い、次に仕上げ研磨(片面研磨処理)することが報告されている。
そこで、特許文献2では、ウェーハの外周ダレの抑制を目的として、ウェーハ表面を一次鏡面研磨(両面研磨処理)し、その後、裏面基準研磨方式による鏡面研磨を行い、次に仕上げ研磨(片面研磨処理)することが報告されている。
しかしながら、特許文献1の半導体ウェーハの製造方法では、半導体ウェーハの表面を平坦化する平面研削工程が、両面同時平面一次研削と二次研削という2つの工程から構成されていたため、設備点数が増加し、工程削減に余地が残るものであった。また、特許文献1では、面取り工程後に高番手の仕上げ砥石により両面同時研削(二次研削)を行うことで、エッチング工程を省略できる点も報告されている。しかしながら、砥石を用いた研削処理である以上、半導体ウェーハへの加工変質層(加工ダメージ)の発生は避けられない。そのため、研削工程後にウェーハ表面をエッチングしない場合には、後の鏡面研磨工程において、加工変質層の除去を含めた研磨加工が必要となり、研磨量が大きくなって研磨に長時間を要するという問題があった。
一方、特許文献2の半導体ウェーハの製造方法では、両面研磨装置による一次鏡面研磨と、片面研磨装置による仕上げ研磨との間に、新たに裏面基準の鏡面研磨を追加する必要があり、設備点数の増加および生産性の低下という問題が発生していた。
また、特許文献1および特許文献2は、研削後の半導体ウェーハに対して、遊離砥粒を含むスラリーを供給しながら、上下定盤の研磨布によりウェーハ表裏面を同時に鏡面研磨する方式を採用していた。そのため、半導体ウェーハに外周ダレが発生し易く、固定砥粒に比べて研磨レートも低いという問題があった。
また、特許文献1および特許文献2は、研削後の半導体ウェーハに対して、遊離砥粒を含むスラリーを供給しながら、上下定盤の研磨布によりウェーハ表裏面を同時に鏡面研磨する方式を採用していた。そのため、半導体ウェーハに外周ダレが発生し易く、固定砥粒に比べて研磨レートも低いという問題があった。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、上述した課題を解消するためには、スライス後、遊離砥粒を含まない純水(研削液)を供給しながら、上定盤および下定盤の各定盤面に形成された固定砥粒層により半導体ウェーハの表裏面を同時に研削し(固定砥粒両面研削)、その後、遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液(研磨液)を供給しながら、上定盤の下面の固定砥粒層と、下定盤の上面の固定砥粒層とにより半導体ウェーハの表裏面を同時に研磨(固定砥粒両面研磨)すればよいことに想到した。この構成とすれば、従来法を採用した場合と同等の研磨後の表面粗さを確保しながら、特許文献1および特許文献2などの従来法に比べて、工程数の削減と、これに伴う設備コストの低減と、半導体ウェーハの外周部のロールオフの低減と、研磨レートの増大と、これに伴う研磨時間の短縮とを同時に図ることができる。また、ワイヤソーによりスライスする場合、一般的には、往復走行中のワイヤ列に遊離砥粒を含むオイル(加工液)を供給しながら半導体インゴットを多数枚の半導体ウェーハに切断加工しているが、外周面に砥粒が固定された固定砥粒ワイヤを使用すれば、遊離砥粒を使用する従来法に比べて、単結晶インゴットのカーフロスの発生量も低減可能なことを知見し、この発明を完成させた。
すなわち、この発明は、従来法による場合と同等の研磨後の表面粗さを確保しながら、従来法に比べて、工程数の削減、設備コストの低減、半導体ウェーハの外周部のロールオフの低減、研磨レートの増大および研磨時間の短縮を同時に満足させることができる半導体ウェーハの製造方法を提供することを目的としている。
また、この発明は、従来のオイル系の分散剤および遊離砥粒を含む使用済みのスラリーから半導体屑を回収して再利用する場合に比べて、再利用の処理が容易となり、処理コストも低減することができるとともに、単結晶インゴットのカーフロスの発生量も低減することができる半導体ウェーハの製造方法を提供することを目的としている。
また、この発明は、従来のオイル系の分散剤および遊離砥粒を含む使用済みのスラリーから半導体屑を回収して再利用する場合に比べて、再利用の処理が容易となり、処理コストも低減することができるとともに、単結晶インゴットのカーフロスの発生量も低減することができる半導体ウェーハの製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら、上定盤面および下定盤面に形成された弾性基材に砥粒を分散させた固定砥粒層により、複数の半導体ウェーハの表裏面を同時に研削する固定砥粒両面研削を施し、該固定砥粒両面研削後、遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液を供給しながら、上定盤面および下定盤面に形成された弾性基材に砥粒を分散させた固定砥粒層により、前記固定砥粒両面研削された複数の半導体ウェーハの表裏面を同時に研磨する固定砥粒両面研磨を行う半導体ウェーハの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記固定砥粒両面研削に供する前記半導体ウェーハは、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら、外周面に砥粒が固定された固定砥粒ワイヤを使用して、半導体の単結晶インゴットからスライスされたもので、前記固定砥粒両面研削後から前記固定砥粒両面研磨までの間に、前記固定砥粒両面研削された半導体ウェーハの外周部に、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら、面取り砥石による面取りを行う請求項1に記載の半導体ウェーハの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記固定砥粒両面研削後、エッチング工程を経ずに前記固定砥粒両面研磨を行う請求項2に記載の半導体ウェーハの製造方法である。
半導体ウェーハの原料である単結晶インゴットとしては、例えば単結晶シリコンインゴットなどを採用することができる。
半導体ウェーハとしては、例えば単結晶シリコンウェーハなどを採用することができる。
半導体ウェーハの直径としては、例えば300mm、450mmなどが挙げられる。
半導体ウェーハは、単結晶インゴットを各種の切断方法によりスライスしたものである。スライスは、ワイヤソーを使用し、所定の張力を与えたワイヤ列を往復走行させ、これに加工液(遊離砥粒の含有の有無は問わない)を供給しながら単結晶インゴットを押し当てることで、単結晶インゴットから多数枚の半導体ウェーハを切断(スライス)する方法が好ましい。
半導体ウェーハとしては、例えば単結晶シリコンウェーハなどを採用することができる。
半導体ウェーハの直径としては、例えば300mm、450mmなどが挙げられる。
半導体ウェーハは、単結晶インゴットを各種の切断方法によりスライスしたものである。スライスは、ワイヤソーを使用し、所定の張力を与えたワイヤ列を往復走行させ、これに加工液(遊離砥粒の含有の有無は問わない)を供給しながら単結晶インゴットを押し当てることで、単結晶インゴットから多数枚の半導体ウェーハを切断(スライス)する方法が好ましい。
特に、ワイヤとして固定砥粒ワイヤを採用し、加工液として純水を採用することが望ましい。これにより、単結晶インゴットの高速切断が図れるとともに、遊離砥粒を使用しないので、切断に供する加工液の再利用を容易に行うことができる。固定砥粒ワイヤとは、ワイヤの外周面に砥粒が固定されたものである。例えば、ワイヤの表面に多数の砥粒を内蔵した金属メッキ層が被覆され、金属メッキ層の表面から砥粒の一部が突出するような形状を有している。
固定砥粒ワイヤの本体となるワイヤとしては、例えばピアノ線などの鋼線、タングステン線、モリブデン線などを採用することができる。
ワイヤの直径は50〜500μmのものを採用すればよい。50μm未満ではワイヤが断線し易く、500μmを超えればカーフロスが増大し、1本の単結晶インゴットをスライスして得られる半導体ウェーハの枚数が減少する。好ましいワイヤの直径は70〜400μmである。この範囲であれば、ワイヤを断線させることなく、効率よく半導体ウェーハの採取が可能となる。
ワイヤに固定される砥粒の素材としては、ダイヤモンド、シリカ、SiC、アルミナ、ジルコニアなどを採用することができる。特にダイヤモンドが望ましい。
固定砥粒ワイヤの本体となるワイヤとしては、例えばピアノ線などの鋼線、タングステン線、モリブデン線などを採用することができる。
ワイヤの直径は50〜500μmのものを採用すればよい。50μm未満ではワイヤが断線し易く、500μmを超えればカーフロスが増大し、1本の単結晶インゴットをスライスして得られる半導体ウェーハの枚数が減少する。好ましいワイヤの直径は70〜400μmである。この範囲であれば、ワイヤを断線させることなく、効率よく半導体ウェーハの採取が可能となる。
ワイヤに固定される砥粒の素材としては、ダイヤモンド、シリカ、SiC、アルミナ、ジルコニアなどを採用することができる。特にダイヤモンドが望ましい。
ワイヤに固定される砥粒の粒径(平均粒径)は、1〜100μmのものを採用すればよい。1μm未満では固定砥粒ワイヤによる単結晶インゴットの切削能力が低下し、100μmを超えると、ワイヤから砥粒が脱離し易くなり、カーフロスも大きくなってしまう。特に好ましい砥粒の平均粒径は、5〜40μmであり、この範囲であれば、反りや切削面の加工傷が低減された高品質な半導体ウェーハを安定的に得ることができる。
ワイヤの外周面に砥粒を固定させる方法としては、例えば、砥粒をワイヤの外周面に熱硬化性樹脂バインダまたは光硬化性樹脂バインダを用いて付着させ、そのバインダを熱硬化または光硬化させる方法を採用することができる。その他、ワイヤの外周面に砥粒を電着させる方法、ワイヤの外周面に電解メッキ層を形成して砥粒を着床させる方法などを採用することができる。なお、使用するワイヤは、電着砥粒ワイヤに限らず、レジンボンドワイヤなどでもよい。
固定砥粒ワイヤの送り速度は、0.05〜2.00m/minに調整することが望ましい。0.05m/min未満では、固定砥粒ワイヤによる単結晶インゴットの切削能力が低下し、2.00m/minを超えると、ワイヤが断線するおそれがある。固定砥粒ワイヤの好ましい送り速度は0.2〜1.0m/minである。この範囲であれば、反りや切削面の加工傷が低減された高品質な半導体ウェーハが得られる。
固定砥粒ワイヤの送り速度は、0.05〜2.00m/minに調整することが望ましい。0.05m/min未満では、固定砥粒ワイヤによる単結晶インゴットの切削能力が低下し、2.00m/minを超えると、ワイヤが断線するおそれがある。固定砥粒ワイヤの好ましい送り速度は0.2〜1.0m/minである。この範囲であれば、反りや切削面の加工傷が低減された高品質な半導体ウェーハが得られる。
純水(超純水)としては、例えば、ナトリウム、鉄、銅、亜鉛などの溶解物質量が、水1リットル当たり10億分の1g(μg/リットル)〜1兆分の1g(ng/リットル)レベルの純度を有する水を採用することができる。なお、切断屑によるワイヤの目詰まりを抑制できるように、供給する純水に少量の増粘剤を添加してもよい。例えば、増粘剤としてのアルコール類や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロビレングリコールなどのグリコール類を純水に添加する。これにより、純水の粘性が高まり、切断屑の高い排出効果が得られる。
次に、半導体ウェーハの表裏面の固定砥粒層による同時研削方法で使用可能なウェーハ両面研削装置としては、サンギヤ(遊星歯車)方式のもの、または、キャリアプレートに自転をともなわない円運動をさせて半導体ウェーハの表裏両面を同時に研削する無サンギヤ方式のものを採用することができる。この研削加工は、複数枚の半導体ウェーハを同時に処理するバッチ方式である。
このうち、無サンギヤ方式の両面研削方法では固定砥粒両面研削装置が使用される。固定砥粒両面研削装置としては、例えば、両面研削装置、両面研磨装置などを採用することができる。両面研磨装置の場合には、上定盤の下面および下定盤の上面にそれぞれ研磨布に代えて、固定砥粒層が取り付けられる。
このうち、無サンギヤ方式の両面研削方法では固定砥粒両面研削装置が使用される。固定砥粒両面研削装置としては、例えば、両面研削装置、両面研磨装置などを採用することができる。両面研磨装置の場合には、上定盤の下面および下定盤の上面にそれぞれ研磨布に代えて、固定砥粒層が取り付けられる。
無サンギヤ方式の固定砥粒両面研削装置としては、例えば、上面(定盤面)に半導体ウェーハの一方の面を研削する固定砥粒層が形成された研削用下定盤と、研削用下定盤の直上に配置され、下面(定盤面)に半導体ウェーハの他方の面を研削する別の固定砥粒層が形成された研削用上定盤と、研削用下定盤と研削用上定盤との間に設置され、半導体ウェーハのウェーハ保持孔が複数形成されたキャリアプレートと、研削用下定盤と研削用上定盤との間で、キャリアプレートに自転を伴わない円運動をさせることで、ウェーハ保持孔に保持された複数枚の半導体ウェーハの表裏面を、両固定砥粒層により同時に研削するキャリア円運動機構とを備えたものなどを採用することができる。
研削用上定盤および研削用下定盤の回転速度は、5〜30rpmである。5rpm未満では、半導体ウェーハの加工レートが低く、30rpmを超えると、加工中に半導体ウェーハがウェーハ保持孔から飛び出してしまう恐れがある。両定盤の好ましい回転数は10〜25rpmである。この範囲であれば、安定的な加工レートを維持した半導体ウェーハの両面研削加工を可能とし、平坦性を維持することができる。
両研削用定盤は、同一速度で回転させても、異なる速度で回転させてもよい。また、研削用上定盤および研削用下定盤は同じ方向へ回転させても、異なる方向へ回転させてもよい。なお、ウェーハ加工時、キャリアプレートに自転を伴わない円運動をさせるので、両研削用定盤は必ずしも回転させなくてもよい。
両研削用定盤は、同一速度で回転させても、異なる速度で回転させてもよい。また、研削用上定盤および研削用下定盤は同じ方向へ回転させても、異なる方向へ回転させてもよい。なお、ウェーハ加工時、キャリアプレートに自転を伴わない円運動をさせるので、両研削用定盤は必ずしも回転させなくてもよい。
ここでいう自転を伴わない円運動とは、キャリアプレートが研削用上定盤および研削用下定盤の軸線から所定距離だけ偏心させた状態を常に保持して旋回(揺動回転)するような円運動をいう。この自転を伴わない円運動によって、キャリアプレート上の全ての点は、同じ大きさ(半径r)の小円の軌跡を描くことになる。
このような無サンギヤ方式の固定砥粒両面研削装置は、遊星歯車方式のもののようにサンギヤが存在しないので、例えば直径が300mm以上の大口径ウェーハ用として適している。
キャリアプレートの表裏面は、EGコーティング、SUSコーティング、チタンコーティングなどの表面処理が施されている。
キャリアプレートに形成されるウェーハ保持孔の形成数は任意である。例えば、1つ、2つ〜5つでもそれ以上でもよい。
キャリアプレートの自転を伴わない円運動速度は、1〜15rpmである。1rpm未満では、ウェーハ面の均一な研削が困難であり、15rpmを超えると、ウェーハ保持孔に保持された半導体ウェーハの端面を傷つける恐れがある。
このような無サンギヤ方式の固定砥粒両面研削装置は、遊星歯車方式のもののようにサンギヤが存在しないので、例えば直径が300mm以上の大口径ウェーハ用として適している。
キャリアプレートの表裏面は、EGコーティング、SUSコーティング、チタンコーティングなどの表面処理が施されている。
キャリアプレートに形成されるウェーハ保持孔の形成数は任意である。例えば、1つ、2つ〜5つでもそれ以上でもよい。
キャリアプレートの自転を伴わない円運動速度は、1〜15rpmである。1rpm未満では、ウェーハ面の均一な研削が困難であり、15rpmを超えると、ウェーハ保持孔に保持された半導体ウェーハの端面を傷つける恐れがある。
固定砥粒両面研削で使用される固定砥粒層としては、弾性基材に粒径(平均粒径)4μm未満、好ましくは1〜4μmの研削用の砥粒を分散(例えば混練して分散固化)させたものを採用することができる。これにより、砥粒がウェーハに与える押付力が弾性基材によって適切に吸収され、局所的に押付力が集中してウェーハ表面にキズが発生することを防止することができ、かつ高い加工レートを維持することができる。
この研削用の固定砥粒層の厚さは100〜2000μmである。100μm未満では固定砥粒層を保持している母材とウェーハとが接触する恐れがある。また、2000μmを超えると、固定砥粒層の強度が低下して固定砥粒層が破損する恐れがある。固定砥粒層の好ましい厚さは300〜1800μmである。この範囲であれば、安定的な半導体ウェーハの研削加工が図れるとともに固定砥粒層の寿命が延長される。
この研削用の固定砥粒層の厚さは100〜2000μmである。100μm未満では固定砥粒層を保持している母材とウェーハとが接触する恐れがある。また、2000μmを超えると、固定砥粒層の強度が低下して固定砥粒層が破損する恐れがある。固定砥粒層の好ましい厚さは300〜1800μmである。この範囲であれば、安定的な半導体ウェーハの研削加工が図れるとともに固定砥粒層の寿命が延長される。
研削用の砥粒の素材としては、ダイヤモンド、アルミナ、ジルコニアなどを採用することができる。
研削用の弾性基材の素材としては、例えば硬化ポリマー系(エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂)などを採用することができる。
研削用の弾性基材の素材としては、例えば硬化ポリマー系(エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂)などを採用することができる。
両面研削加工時の半導体ウェーハに対する面圧は、例えば250〜400g/cm2となるように調整することが望ましい。この範囲であれば、加工レートが低下しない安定的な半導体ウェーハの研削加工が可能となる。250g/cm2未満では、半導体ウェーハの加工レートが低下し、400g/cm2を超えると、高加重化により半導体ウェーハが割れる恐れがある。
表裏面の同時研削で半導体ウェーハに供給される加工液としては、遊離砥粒を含まない純水を採用する。なお、切断屑によるワイヤの目詰まりを抑制するため、純水中に少量の前記増粘剤を添加してもよい。また、遊離砥粒を使用しないので、両面研削加工に供する加工液の再利用を容易に行うことができ、遊離砥粒の凝集を起因とした半導体ウェーハ表面への加工キズの発生を防止することができる。
表裏面の同時研削で半導体ウェーハに供給される加工液としては、遊離砥粒を含まない純水を採用する。なお、切断屑によるワイヤの目詰まりを抑制するため、純水中に少量の前記増粘剤を添加してもよい。また、遊離砥粒を使用しないので、両面研削加工に供する加工液の再利用を容易に行うことができ、遊離砥粒の凝集を起因とした半導体ウェーハ表面への加工キズの発生を防止することができる。
次に、固定砥粒両面研削された半導体ウェーハの外周部に面取り加工を施した方が望ましい。ただし、この面取り加工は、固定砥粒両面研削する前に予め実施してもよく、また固定砥粒両面研削の前後に、それぞれ面取り加工を施してもよい。遊離砥粒を含むスラリーを使用した従来の両面研削では、ウェーハ端面に遊離砥粒が衝突し、ウェーハ端面に欠け、割れを生じる問題があり、研削処理前には粗面取り加工が実施され、研削処理後に再度精面取り加工を実施する必要がある。一方、本発明は遊離砥粒を全く含まない純水を使用して固定砥粒両面研削を行うものであるため、固定砥粒両面研削前の粗面取り加工を省略することも可能である。
面取り時に使用される面取り砥石としては、例えば、#800〜♯1500のメタルボンドなどの面取り用砥石を採用することができる。ここでの面取り量は、100〜1000μmに設定すればよい。この発明の面取り時には、面取り加工を円滑に行うため、ウェーハ外周面に遊離砥粒を含まない純水を供給することが望ましく、遊離砥粒を使用しないので、面取り加工に供する加工液の再利用を容易に行うことができる。
次に、面取り加工後、半導体ウェーハの表面にレーザーマーキング処理を施した方が望ましい。このレーザーマーキング処理は面取り前に実施してもよい。レーザーマーキング処理では、半導体ウェーハを認識するため、ウェーハの外周部に、レーザにより所定のマーク(バーコード、数字、記号、図形など)が刻印される。
次に、面取り加工後、半導体ウェーハの表面にレーザーマーキング処理を施した方が望ましい。このレーザーマーキング処理は面取り前に実施してもよい。レーザーマーキング処理では、半導体ウェーハを認識するため、ウェーハの外周部に、レーザにより所定のマーク(バーコード、数字、記号、図形など)が刻印される。
次に、半導体ウェーハの表裏面の研磨(粗研磨)とは、研磨後の半導体ウェーハの表裏面のラフネスがRMS表示で0.1〜100nmとなる研磨をいう。ここでは、半導体ウェーハの表裏面を同時に研磨する。
固定砥粒両面研磨で用いる固定砥粒層としては、弾性基材に粒径(平均粒径)2〜8μmの砥粒を分散(例えば混練して分散固化)させたものを採用することができる。この範囲であれば、半導体ウェーハの加工面にキズが発生せず、しかも高い研磨レートを維持することができる。2μm未満では研磨レートが低く、8μmを超えると半導体ウェーハの表面に加工キズが発生してしまう恐れがある。
固定砥粒両面研磨での固定砥粒層の厚さは0.1〜20mmに調整することが望ましい。0.1mm未満では固定砥粒層を保持している母材とウェーハとが接触する恐れがあり、20mmを超えれば固定砥粒層の強度が低下し、固定砥粒層が破損する恐れがある。固定砥粒層の好ましい厚さは0.2〜15mmである。この範囲であれば、安定的な半導体ウェーハの研削加工が図れるとともに固定砥粒層の寿命が延長される。
固定砥粒両面研磨で用いる固定砥粒層としては、弾性基材に粒径(平均粒径)2〜8μmの砥粒を分散(例えば混練して分散固化)させたものを採用することができる。この範囲であれば、半導体ウェーハの加工面にキズが発生せず、しかも高い研磨レートを維持することができる。2μm未満では研磨レートが低く、8μmを超えると半導体ウェーハの表面に加工キズが発生してしまう恐れがある。
固定砥粒両面研磨での固定砥粒層の厚さは0.1〜20mmに調整することが望ましい。0.1mm未満では固定砥粒層を保持している母材とウェーハとが接触する恐れがあり、20mmを超えれば固定砥粒層の強度が低下し、固定砥粒層が破損する恐れがある。固定砥粒層の好ましい厚さは0.2〜15mmである。この範囲であれば、安定的な半導体ウェーハの研削加工が図れるとともに固定砥粒層の寿命が延長される。
研磨用の砥粒の素材としては、例えば、シリカ(ヒュームドシリカを含む)などを採用することができる。その他、コロイダルシリカなどでもよい。
研磨用の弾性基材の素材としては、例えばポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを採用することができる。これにより、固定砥粒両面研磨時に砥粒からウェーハに与える押付力が弾性基材によって適切に吸収され、局所的に押付力が集中してウェーハ表面にキズが発生することを防止することができる。なお、研削砥石として一般的に使用されるメタルボンドやレジンボンドのような硬質基材に砥粒を分散させたものを使用した場合には、ウェーハ表面に研削加工キズが発生してしまうため不適である。
研磨用の弾性基材の素材としては、例えばポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを採用することができる。これにより、固定砥粒両面研磨時に砥粒からウェーハに与える押付力が弾性基材によって適切に吸収され、局所的に押付力が集中してウェーハ表面にキズが発生することを防止することができる。なお、研削砥石として一般的に使用されるメタルボンドやレジンボンドのような硬質基材に砥粒を分散させたものを使用した場合には、ウェーハ表面に研削加工キズが発生してしまうため不適である。
表裏面の同時研磨で半導体ウェーハに供給される加工液としては、遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液を採用することができる。アルカリ剤としては、KOH、NaOHなどの各種の無機系アルカリ剤の他、アミン類、炭酸カリウムなどの各種の有機系アルカリ剤を採用することができる。遊離砥粒を使用しないので、遊離砥粒の凝集を起因とした半導体ウェーハ表面への加工キズの発生を防止することができる。
通常、固定砥粒両面研削、面取り加工、レーザーマーキングなどの加工処理を受けた半導体ウェーハは、加工歪量を低減するためにエッチングが施され、その後、洗浄される。洗浄後の半導体ウェーハの表裏面には、自然酸化膜などの酸化膜が付着している。この酸化膜は、アルカリ加工液によるエッチング反応では除去することができないが、この半導体ウェーハの表裏面の研磨では、半導体ウェーハ表裏面に付着した酸化膜が固定砥粒層により除去される。その後は、加工液として使用するアルカリ溶液によるエッチング作用によって半導体ウェーハの表裏面の研磨が進行し、前述したようなRMS表示で0.1〜100nmの鏡面研磨面を得ることができる。
固定砥粒両面研磨時のアルカリ水溶液のpHは10〜13に調整することが望ましい。pH10未満では、研磨レートが低く、pH13を超えるとウェーハ表面の粗さが悪化する恐れがある。アルカリ水溶液の好ましいpHは11〜12である。この範囲であれば、面粗さが良好なウェーハを高い生産性で製造することができる。また、アルカリ水溶液の使用時の液温は、20℃〜30℃である。
通常、固定砥粒両面研削、面取り加工、レーザーマーキングなどの加工処理を受けた半導体ウェーハは、加工歪量を低減するためにエッチングが施され、その後、洗浄される。洗浄後の半導体ウェーハの表裏面には、自然酸化膜などの酸化膜が付着している。この酸化膜は、アルカリ加工液によるエッチング反応では除去することができないが、この半導体ウェーハの表裏面の研磨では、半導体ウェーハ表裏面に付着した酸化膜が固定砥粒層により除去される。その後は、加工液として使用するアルカリ溶液によるエッチング作用によって半導体ウェーハの表裏面の研磨が進行し、前述したようなRMS表示で0.1〜100nmの鏡面研磨面を得ることができる。
固定砥粒両面研磨時のアルカリ水溶液のpHは10〜13に調整することが望ましい。pH10未満では、研磨レートが低く、pH13を超えるとウェーハ表面の粗さが悪化する恐れがある。アルカリ水溶液の好ましいpHは11〜12である。この範囲であれば、面粗さが良好なウェーハを高い生産性で製造することができる。また、アルカリ水溶液の使用時の液温は、20℃〜30℃である。
ウェーハ表裏面の研磨レートは、0.2〜0.6μm/分に調整することが望ましく、特に、ウェーハ表裏面の好ましい研磨レートは、0.3〜0.5μm/分である。この範囲であれば、面粗さが良好なウェーハを高い生産性で得ることができる。
ウェーハ表裏面の研磨量は、0.1〜30μmに調整することが望ましく、特に、ウェーハ表裏面の好ましい研磨量は、0.2〜20μmである。この範囲であれば、面粗さが良好なウェーハを高い生産性で得ることができる。
ウェーハ表裏面の研磨量は、0.1〜30μmに調整することが望ましく、特に、ウェーハ表裏面の好ましい研磨量は、0.2〜20μmである。この範囲であれば、面粗さが良好なウェーハを高い生産性で得ることができる。
半導体ウェーハの表裏面の研磨装置としては、例えば、前述したサンギヤ(遊星歯車)方式のもの、キャリアプレートに自転をともなわない円運動をさせ、半導体ウェーハの表裏両面を同時に研磨する無サンギヤ方式のものを採用することができる。また、両面研磨装置は、枚様式のものを使用しても、複数枚の半導体ウェーハを同時に研磨するバッチ式の両面研磨装置を使用してもよい。
両面研磨時の半導体ウェーハに対する面圧は、例えば100〜400g/cm2である。この範囲であれば、研磨レートが低下しない安定的な半導体ウェーハの研磨が可能となる。100g/cm2未満では、半導体ウェーハの研磨レートが低下し、400g/cm2を超えれば、高加重化により半導体ウェーハが割れる。
両面研磨時の半導体ウェーハに対する面圧は、例えば100〜400g/cm2である。この範囲であれば、研磨レートが低下しない安定的な半導体ウェーハの研磨が可能となる。100g/cm2未満では、半導体ウェーハの研磨レートが低下し、400g/cm2を超えれば、高加重化により半導体ウェーハが割れる。
次に、固定砥粒両面研磨後には、一般的に仕上げ研磨される。仕上げ研磨とは、半導体ウェーハの表面(被研磨面)または表裏面に対して施される高精度な研磨である。仕上げ研磨では、研磨布として、硬度(シェア硬度)が60〜70、圧縮率が3〜7%、圧縮弾性率が50〜70%のスエードタイプの仕上げ研磨用のものが採用される。また、研磨スラリーとしては、平均粒径が20〜40nmの遊離砥粒(シリカなど)を含むアルカリ溶液のものが採用される。
仕上げ研磨の条件は、例えば、研磨圧が100g/cm2前後、研磨量が0.1μm前後、表面ラフネスがRMS表示で0.1nm以下である。仕上げ研磨は、少なくともウェーハ表面(デバイスが形成面)に施される鏡面研磨である。
半導体ウェーハの表面のみの仕上げ研磨(表裏面の仕上げ研磨にも利用可能)で使用される片面鏡面研磨装置としては、例えば、上面に研磨布が貼着された研磨定盤の上方に、表面が下向きの半導体ウェーハが固定された研磨ヘッドを回転させながら徐々に下降し、研磨ヘッドの上面に貼着された研磨布に対して、所定の圧力で押し付けるものなどを採用することができる。
仕上げ研磨の条件は、例えば、研磨圧が100g/cm2前後、研磨量が0.1μm前後、表面ラフネスがRMS表示で0.1nm以下である。仕上げ研磨は、少なくともウェーハ表面(デバイスが形成面)に施される鏡面研磨である。
半導体ウェーハの表面のみの仕上げ研磨(表裏面の仕上げ研磨にも利用可能)で使用される片面鏡面研磨装置としては、例えば、上面に研磨布が貼着された研磨定盤の上方に、表面が下向きの半導体ウェーハが固定された研磨ヘッドを回転させながら徐々に下降し、研磨ヘッドの上面に貼着された研磨布に対して、所定の圧力で押し付けるものなどを採用することができる。
この発明では、半導体ウェーハの固定砥粒ワイヤによるスライスから、固定砥粒両面研削、面取りを経て固定砥粒両面研磨に達するまで、それぞれの加工液として遊離砥粒を含まない純水を採用した方が望ましい。この場合には、従来のオイル系の分散剤および遊離砥粒を含む使用済みスラリーから半導体屑を回収して再利用する場合に比べて、再利用の処理が容易となり、処理コストも低減することができる。また、スライスでは、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら固定砥粒ワイヤを利用して単結晶インゴットから多数枚の半導体ウェーハをスライスするため、単結晶インゴットのカーフロスの発生量も低減することができる。
半導体屑としては、スライス時に発生する単結晶インゴットの研削屑、研削時に発生する半導体ウェーハの研削屑、面取り時に発生するウェーハ外周部の研削(面取り)屑、研磨時に発生するウェーハの研磨屑などが挙げられる。
廃水からの半導体屑の回収方法としては、例えば、自然沈殿方法、遠心分離方法などを採用することができる。回収された半導体屑は加熱などを行って乾燥し、その後、取り扱い易い大きさの塊などにする。
半導体屑としては、スライス時に発生する単結晶インゴットの研削屑、研削時に発生する半導体ウェーハの研削屑、面取り時に発生するウェーハ外周部の研削(面取り)屑、研磨時に発生するウェーハの研磨屑などが挙げられる。
廃水からの半導体屑の回収方法としては、例えば、自然沈殿方法、遠心分離方法などを採用することができる。回収された半導体屑は加熱などを行って乾燥し、その後、取り扱い易い大きさの塊などにする。
請求項1に記載の発明によれば、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら、ラッピングに代えて、半導体ウェーハの表裏面を上下一対の固定砥粒層により同時に固定砥粒両面研削し、その後、遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液を供給しながらウェーハ表裏面を上下一対の固定砥粒層により同時に固定砥粒両面研磨する。これにより、半導体ウェーハに対して、固定砥粒両面研削から固定砥粒両面研磨(粗研磨)まで、遊離砥粒を使用せず、固定砥粒のみでウェーハ機械加工を行うことができる。その結果、固定砥粒両面研削から固定砥粒両面研磨までの半導体ウェーハの加工レートが増大し、半導体ウェーハの加工時間を大幅に短縮することができる。
また、固定砥粒両面研削の工程では、スライス加工されたウェーハの表裏面を、遊離砥粒が含まれていない純水を供給しながら固定砥粒両面研削するため、遊離砥粒を起因としたウェーハ表裏面へのキズ発生を抑制でき、高い加工レートでウェーハ表裏面を研削処理することができる。しかも、従来必要とされていたラッピング工程または両頭研削工程と仕上げ研削工程との2つの工程で得ていた平坦度を、この固定砥粒両面研削の1工程で得ることができるので、工程数を短縮しかつ設備の占有面積の増大を抑制することができる。
さらに、固定砥粒両面研磨の工程では、従来法での研磨布に比べて高い硬度の固定砥粒層によって研磨する。そのため、両面研磨時に各回転軸から上下の定盤に作用する研磨圧力は、研磨布の場合より研磨作用面の全体に均一に作用する。これにより、従来法の課題であったウェーハ中央部に比べてウェーハ外周部の研磨量が増大して発生するロールオフ(外周ダレ)を抑制することができる。
さらに、固定砥粒両面研磨の工程では、従来法での研磨布に比べて高い硬度の固定砥粒層によって研磨する。そのため、両面研磨時に各回転軸から上下の定盤に作用する研磨圧力は、研磨布の場合より研磨作用面の全体に均一に作用する。これにより、従来法の課題であったウェーハ中央部に比べてウェーハ外周部の研磨量が増大して発生するロールオフ(外周ダレ)を抑制することができる。
しかも、固定砥粒両面研磨時には、半導体のエッチング機能を有したアルカリ水溶液(研磨液)を供給しながら研磨する。そのため、固定砥粒による研削作用で発生したウェーハ表裏面の機械的な加工ダメージが、即時、アルカリ水溶液によって化学エッチングされる。その結果、仮にエッチング工程を省略しても、それを有する場合と同等の研磨後の表面粗さが得られる。特に、従来法のような遊離砥粒を含むアルカリ水溶液を用いた場合には、研磨前のレーザーマーキング処理によりウェーハ表面に形成された微小な凹部内へのアルカリ水溶液の進入が遊離砥粒によって阻害され、当該部位での加工歪を除去することが困難であったが、遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液を使用するため、レーザーマーキング部位で発生した加工歪をエッチングにより確実に除去することができる。しかも、このようにエッチング工程を省略した場合には、エッチング専用装置が不要となり設備コストも低減することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、半導体ウェーハのスライスから、固定砥粒両面研削、面取りを経て固定砥粒両面研磨に達するまで、それぞれの加工液として遊離砥粒を含まない純水を採用している。そのため、従来のオイル系の分散剤および遊離砥粒を含む使用済みスラリーから半導体屑を回収して再利用する場合に比べて、再利用の処理が容易となり、処理コストも低減することができる。また、スライス工程では、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら固定砥粒ワイヤを利用して単結晶インゴットから多数枚の半導体ウェーハをスライスするため、単結晶インゴットのカーフロスの発生量も低減することができる。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
図1のフローシートを参照して、この発明の実施例1に係る半導体ウェーハの製造方法を説明する。
すなわち、実施例1の半導体ウェーハの製造方法は、順次施されるスライス工程S101と、洗浄工程S102と、固定砥粒両面研削工程S103と、面取り工程S104と、レーザーマーキング工程S105と、アルカリエッチング工程S106と、固定砥粒両面研磨工程S107と、仕上げ研磨工程S108を備えている。
すなわち、実施例1の半導体ウェーハの製造方法は、順次施されるスライス工程S101と、洗浄工程S102と、固定砥粒両面研削工程S103と、面取り工程S104と、レーザーマーキング工程S105と、アルカリエッチング工程S106と、固定砥粒両面研磨工程S107と、仕上げ研磨工程S108を備えている。
以下、前記各工程を具体的に説明する。
まず、図示しない結晶引き上げ工程において、坩堝内でボロンが所定量ドープされたシリコンの溶融液から、チョクラルスキー法により直径306mm、直胴部の長さが2500mm、比抵抗が0.01Ω・cm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cm3の単結晶シリコンインゴットが引き上げられる。
次に、結晶加工では、1本の単結晶シリコンインゴットが複数の結晶ブロックに切断され、その後、各結晶ブロックの外周研削が行われる。具体的には、♯200の砥粒(SiC)を含むレジノイド研削砥石を有した外周研削装置により、結晶ブロックの外周部が6mmだけ外周研削される。これにより、各結晶ブロックが円柱状に成形される。
まず、図示しない結晶引き上げ工程において、坩堝内でボロンが所定量ドープされたシリコンの溶融液から、チョクラルスキー法により直径306mm、直胴部の長さが2500mm、比抵抗が0.01Ω・cm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cm3の単結晶シリコンインゴットが引き上げられる。
次に、結晶加工では、1本の単結晶シリコンインゴットが複数の結晶ブロックに切断され、その後、各結晶ブロックの外周研削が行われる。具体的には、♯200の砥粒(SiC)を含むレジノイド研削砥石を有した外周研削装置により、結晶ブロックの外周部が6mmだけ外周研削される。これにより、各結晶ブロックが円柱状に成形される。
スライス工程S101では、図2に示すようにワイヤソー40を使用し、結晶ブロックIから直径300mmの多数枚のシリコンウェーハがスライスされる。
ワイヤソー40は、正面視して三角形状に配置された3本のワイヤソー用グルーブローラ(以下、グルーブローラ)41A〜41Cを備えている。これらのグルーブローラ41A〜41C間には、1本の固定砥粒ワイヤ42が互いに平行となるように一定のピッチで巻き掛けられている。これにより、グルーブローラ41A〜41C間にワイヤ列45が現出する。
ワイヤソー40は、正面視して三角形状に配置された3本のワイヤソー用グルーブローラ(以下、グルーブローラ)41A〜41Cを備えている。これらのグルーブローラ41A〜41C間には、1本の固定砥粒ワイヤ42が互いに平行となるように一定のピッチで巻き掛けられている。これにより、グルーブローラ41A〜41C間にワイヤ列45が現出する。
固定砥粒ワイヤ42は、直径160μmの鋼製ワイヤ43の表面に、粒径15〜25μmのダイヤモンド砥粒44を、厚さ7μmのニッケルメッキ45により固定したものである(図3)。
固定砥粒ワイヤ42は、繰出し装置のボビンから導出され、供給側のガイドローラを介して、各グルーブローラ41A〜41Cに架け渡された後、導出側のガイドローラを介して、巻取り装置のボビンに巻き取られる。固定砥粒ワイヤ42は往復走行されるため、繰出し装置と巻取り装置との役割が交互に入れ代わる。ワイヤ列45は、3本のグルーブローラ41A〜41C間でメインモータにより往復走行される。下側に配置された2本のグルーブローラ41A,41Bの中間が、結晶ブロックIの切断位置となっている。この切断位置の一側部の上方には、純水をワイヤ列45上に連続供給する純水供給ノズル46が設けられている。純水供給ノズル46から10リットル/minの純水をワイヤ列45に供給しながら、1m/minで往復走行中のワイヤ列45に、下方から結晶ブロックIを1.0mm/minで押し付ける。このように、スライス時には、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら固定砥粒ワイヤを利用して結晶ブロックIから多数枚のシリコンウェーハWをスライスするため、結晶ブロックIのカーフロスの発生量を低減することができる。
なお、図1において、47は結晶ブロックIの昇降台である。
次の洗浄工程S102では、スライス後のシリコンウェーハの表面の油分を洗浄することができる洗浄装置を使用し、界面活性剤により洗浄される(図1)。
固定砥粒ワイヤ42は、繰出し装置のボビンから導出され、供給側のガイドローラを介して、各グルーブローラ41A〜41Cに架け渡された後、導出側のガイドローラを介して、巻取り装置のボビンに巻き取られる。固定砥粒ワイヤ42は往復走行されるため、繰出し装置と巻取り装置との役割が交互に入れ代わる。ワイヤ列45は、3本のグルーブローラ41A〜41C間でメインモータにより往復走行される。下側に配置された2本のグルーブローラ41A,41Bの中間が、結晶ブロックIの切断位置となっている。この切断位置の一側部の上方には、純水をワイヤ列45上に連続供給する純水供給ノズル46が設けられている。純水供給ノズル46から10リットル/minの純水をワイヤ列45に供給しながら、1m/minで往復走行中のワイヤ列45に、下方から結晶ブロックIを1.0mm/minで押し付ける。このように、スライス時には、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら固定砥粒ワイヤを利用して結晶ブロックIから多数枚のシリコンウェーハWをスライスするため、結晶ブロックIのカーフロスの発生量を低減することができる。
なお、図1において、47は結晶ブロックIの昇降台である。
次の洗浄工程S102では、スライス後のシリコンウェーハの表面の油分を洗浄することができる洗浄装置を使用し、界面活性剤により洗浄される(図1)。
次に、固定砥粒両面研削工程S103では、無サンギヤ方式の固定砥粒両面研削装置を用い、純水を供給しながら、シリコンウェーハの表裏面を同時に研削する。
まず、図4〜図6を参照して、固定砥粒両面研削装置10を詳細に説明する。
固定砥粒両面研削装置10は、3個のウェーハ保持孔11aがプレート軸線回りに(円周方向に)120°ごとに形成された平面視して円板形状のガラスエポキシ製のキャリアプレート11と、それぞれのウェーハ保持孔11aに旋回自在に挿入されて保持されたシリコンウェーハWを上下方向から挟み込むとともに、シリコンウェーハWに対して相対的に移動させることでウェーハ表裏面を研削する上定盤(研削用上定盤)12および下定盤(研削用下定盤)13とを備えている。
まず、図4〜図6を参照して、固定砥粒両面研削装置10を詳細に説明する。
固定砥粒両面研削装置10は、3個のウェーハ保持孔11aがプレート軸線回りに(円周方向に)120°ごとに形成された平面視して円板形状のガラスエポキシ製のキャリアプレート11と、それぞれのウェーハ保持孔11aに旋回自在に挿入されて保持されたシリコンウェーハWを上下方向から挟み込むとともに、シリコンウェーハWに対して相対的に移動させることでウェーハ表裏面を研削する上定盤(研削用上定盤)12および下定盤(研削用下定盤)13とを備えている。
下定盤13の上面(定盤面)には研削用下側加工層(固定砥粒層)31が形成され、上定盤12の下面(定盤面)には研削用上側加工層(別の固定砥粒層)32が形成されている。研削用下側加工層31および研削用上側加工層32は、まず、弾性基材33a,34aの原料である硬化ポリマー系樹脂に、粒径(平均粒径)が4μm未満のダイヤモンド砥粒(固定砥粒)33b,34bを、集中度が100となるように混練して固化し、その後、これを数mm角にカットして多数の砥石片33,34を作製する。次に、これらの砥石片33,34を両定盤12,13の対向面にそれぞれ格子状に接着することで、両加工層31,32とする。弾性基材33a,34aの厚さ(両加工層31,32の厚さ)は800μmである。なお、両加工層31,32は、弾性基材33a,34aの表面上にダイヤモンド砥粒33b,34bを直接接着して形成してもよい。
上定盤12は、上方に延びた回転軸12aを介して、上側回転モータ16により水平面内で回転駆動される。また、上定盤12は軸線方向へ進退させる昇降装置18により垂直に昇降させられる。昇降装置18は、例えば、シリコンウェーハWをキャリアプレート11に給排する際に使用される。なお、上定盤12および下定盤13のシリコンウェーハWの表裏両面に対する250g/cm2の面圧は、上定盤12や下定盤13に組み込まれた図示しないエアバック方式などの加圧手段により行われる。
下定盤13は、出力軸17aを介して、下側回転モータ17により水平面内で回転させられる。キャリアプレート11は、そのプレート11自体が自転しないように、キャリア円運動機構19によって、そのプレート11の面と平行な面(水平面)内で円運動する。
下定盤13は、出力軸17aを介して、下側回転モータ17により水平面内で回転させられる。キャリアプレート11は、そのプレート11自体が自転しないように、キャリア円運動機構19によって、そのプレート11の面と平行な面(水平面)内で円運動する。
キャリア円運動機構19は、キャリアプレート11を外方から保持する環状のキャリアホルダ20を有している。キャリア円運動機構19とキャリアホルダ20とは、連結構造を介して連結されている。連結構造とは、キャリアプレート11を、キャリアプレート11が自転せず、しかもキャリアプレート11の熱膨張時の伸びを吸収できるようにキャリアホルダ20に連結させる手段である。
すなわち、連結構造は、図4および図5に示すように、キャリアホルダ20の内周フランジ20aに、ホルダ周方向へ所定角度ごとに突設された多数本のピン23と、キャリアプレート11の外周部のうち、各ピン23と対応する位置に対応する数だけ穿設された長孔形状のピン孔11bとを有している。
すなわち、連結構造は、図4および図5に示すように、キャリアホルダ20の内周フランジ20aに、ホルダ周方向へ所定角度ごとに突設された多数本のピン23と、キャリアプレート11の外周部のうち、各ピン23と対応する位置に対応する数だけ穿設された長孔形状のピン孔11bとを有している。
各ピン孔11bは、ピン23を介してキャリアホルダ20に連結されたキャリアプレート11が、その半径方向へ若干移動できるように、その孔長さ方向をプレート半径方向と合致させている。各ピン孔11bにピン23を通してキャリアプレート11をキャリアホルダ20に装着することで、両面研磨時のキャリアプレート11の熱膨張による伸びが吸収される。また、各ピン23の元部の外ねじの直上部には、キャリアプレート11が載置されるフランジ20aが周設されている。
キャリアホルダ20の外周部には、90°ごとに外方へ突出した4個の軸受部20bが配設されている。各軸受部20bには、小径円板形状の偏心アーム24の上面の偏心位置に突設された偏心軸24aが装着されている。また、4個の偏心アーム24の各下面の中心部には、回転軸24bが垂設されている。各回転軸24bは、環状の装置基体25に90°ごとに配設された軸受部25aに対して、各先端部を下方へ突出させた状態で装着されている。各回転軸24bの下方に突出した先端部には、それぞれスプロケット26が固定されている。そして、各スプロケット26には、一連にタイミングチェーン27が水平状態で架け渡されている。各スプロケット26とタイミングチェーン27とは、4個の偏心アーム24が同期して円運動を行うように、4本の回転軸24bを同時に回転させる同期手段を構成している。
また、4本の回転軸24bのうち、1本の回転軸24bはさらに長尺に形成されており、その先端部がスプロケット26より下方に突出されている。この部分に動力伝達用のギヤ28が固定されている。ギヤ28は、例えばギヤドモータなどの円運動用モータ29の上方へ延びる出力軸に固着された大径な駆動用のギヤ30に噛合されている。なお、このようにタイミングチェーン27により同期させなくても、例えば各偏心アーム24に円運動用モータ29を配設させ、各偏心アーム24を個別に回転させてもよい。
したがって、円運動用モータ29の出力軸を回転させれば、その回転力は、ギヤ30,28および長尺な回転軸24bに固定されたスプロケット26を介して、タイミングチェーン27に伝達される。そして、タイミングチェーン27が周転することで、残り3つのスプロケット26を介して、4つの偏心アーム24が同期して回転軸24bを中心に水平面内で回転する。これにより、各偏心軸24aに一括して連結されたキャリアホルダ20、ひいてはこのホルダ20に保持されたキャリアプレート11が、このプレート11に平行な水平面内で、自転をともなわない円運動を行う。
すなわち、キャリアプレート11の中心線は、両定盤12,13の軸線eから距離Lだけ偏心した状態を保って旋回する。この距離Lは、偏心軸24aと回転軸24bとの距離と同じである。この自転をともなわない円運動により、キャリアプレート11上の全ての点は、同じ大きさの小円の軌跡を描く(図6)。
次に、図4〜図6を参照して、固定砥粒両面研削装置10を用いたシリコンウェーハWの固定砥粒両面研削工程を説明する。
まず、キャリアプレート11の各ウェーハ保持孔11aにそれぞれ旋回自在にシリコンウェーハWを挿入する。次いで、この状態のまま、上定盤12とともに15rpmで回転中の研削用上側加工層32を、各ウェーハWに250g/cm2で押し付けるとともに、下定盤13とともに15rpmで回転中の研削用下側加工層31を、各ウェーハ表面に250g/cm2で押し付ける。
まず、キャリアプレート11の各ウェーハ保持孔11aにそれぞれ旋回自在にシリコンウェーハWを挿入する。次いで、この状態のまま、上定盤12とともに15rpmで回転中の研削用上側加工層32を、各ウェーハWに250g/cm2で押し付けるとともに、下定盤13とともに15rpmで回転中の研削用下側加工層31を、各ウェーハ表面に250g/cm2で押し付ける。
その後、両加工層31,32をウェーハ表裏面に押し付けたまま、上定盤12から純水を2リットル/分で供給しながら、円運動用モータ29によりタイミングチェーン27を周転させる。これにより、各偏心アーム24が水平面内で同期回転し、各偏心軸24aに一括して連結されたキャリアホルダ20およびキャリアプレート11が、このプレート11の表面に平行な水平面内で、自転をともなわない円運動を7.5rpmで行う。その結果、各シリコンウェーハWは、対応するウェーハ保持孔11aにおいて水平面内で旋回しながら、表裏面が同時に研削加工される。
このように、粗研削から仕上げ研削まで1工程で行える固定砥粒方式の固定砥粒両面研削装置10によりシリコンウェーハWを加工するので、シリコンウェーハWの製造工程数の削減が図れ、設備コストも低減することができる。しかも、固定砥粒方式の両面同時研削だけでなく、上述したスライス時、固定砥粒ワイヤ42によって結晶ブロックIをスライスするので、ウェーハ製造時のカーフロスも少なくすることができる。
また、固定砥粒ワイヤ42を用いたワイヤソー40によるスライスと、固定砥粒両面研削装置10の研削用の上下定盤12,13による両面同時研削とを採用したので、後述の面取り装置50を用いる面取り工程を含めて、スライス、両面同時研削、面取りの各工程から排出される使用済みの加工液(廃水)中に含まれる砥粒の量が、従来品の遊離砥粒を含む研磨液(スラリー)の場合よりも減少させることができる。
しかも、このように固定砥粒方式を採用したことで、これらの3つの工程で使用される加工液として純水を採用することができる。その結果、従来のオイル系の分散剤および遊離砥粒を含む使用済みスラリーからシリコン屑(半導体屑)を回収し、再利用する場合に比べて、再利用の処理が容易となり、処理コストも低減することができる。
また、固定砥粒ワイヤ42を用いたワイヤソー40によるスライスと、固定砥粒両面研削装置10の研削用の上下定盤12,13による両面同時研削とを採用したので、後述の面取り装置50を用いる面取り工程を含めて、スライス、両面同時研削、面取りの各工程から排出される使用済みの加工液(廃水)中に含まれる砥粒の量が、従来品の遊離砥粒を含む研磨液(スラリー)の場合よりも減少させることができる。
しかも、このように固定砥粒方式を採用したことで、これらの3つの工程で使用される加工液として純水を採用することができる。その結果、従来のオイル系の分散剤および遊離砥粒を含む使用済みスラリーからシリコン屑(半導体屑)を回収し、再利用する場合に比べて、再利用の処理が容易となり、処理コストも低減することができる。
また、無サンギヤ方式の固定砥粒両面研削装置10を使用し、面圧を250g/cm2と、サンギヤ方式(100〜150g/cm2)の場合より高めて、自転を伴わない円運動を行わせながら各シリコンウェーハWの表裏面を同時研削するので、15μm/分という高い加工レートでありながら、研削面(加工面)にキズが少ない高精度な加工を実現することができる。
さらに、固定砥粒両面研削装置10を用いて、弾性基材33a,34aの表面上に接着(分散固化)された4μm未満のダイヤモンド砥粒33b,34bを利用してシリコンウェーハWを加工するので、スライス後のシリコンウェーハWに対して、良好な平坦度を有する表面を得ることができる。このとき、シリコンウェーハWはキャリアプレート11のウェーハ保持孔11aに載置された自由な状態であるので、良好な平坦度に加えて良好なナノトポグラフィ(シリコンウェーハWの非吸着状態時に表面に現われるうねり)を得ることができる。
さらに、固定砥粒両面研削装置10を用いて、弾性基材33a,34aの表面上に接着(分散固化)された4μm未満のダイヤモンド砥粒33b,34bを利用してシリコンウェーハWを加工するので、スライス後のシリコンウェーハWに対して、良好な平坦度を有する表面を得ることができる。このとき、シリコンウェーハWはキャリアプレート11のウェーハ保持孔11aに載置された自由な状態であるので、良好な平坦度に加えて良好なナノトポグラフィ(シリコンウェーハWの非吸着状態時に表面に現われるうねり)を得ることができる。
また、弾性基材33a,34aは弾性を有しているので、ダイヤモンド砥粒33b,34bをシリコンウェーハWに押し付けるとき、シリコンウェーハWがダイヤモンド砥粒33b,34bから受ける力を弾性基材33a,34aが緩和し、シリコンウェーハWに局所的で過剰な外力が作用してシリコンウェーハWにキズが発生することを防止可能である。
さらに、4μm未満という微細なダイヤモンド砥粒33b,34bの使用は、固定砥粒両面研削装置10がダイヤモンド砥粒33b,34bを上定盤12および下定盤13に固定してウェーハ加工を行う方式を採用したことで可能となったものである。つまり、例えば従来のラッピング装置では、砥粒として遊離砥粒を採用していたため、粒度を微細化することは困難であったが、ここでは固定砥粒を採用したため、これを解消することができる。
さらに、4μm未満という微細なダイヤモンド砥粒33b,34bの使用は、固定砥粒両面研削装置10がダイヤモンド砥粒33b,34bを上定盤12および下定盤13に固定してウェーハ加工を行う方式を採用したことで可能となったものである。つまり、例えば従来のラッピング装置では、砥粒として遊離砥粒を採用していたため、粒度を微細化することは困難であったが、ここでは固定砥粒を採用したため、これを解消することができる。
次の面取り工程S104では、面取り装置50の回転中の面取り用砥石51をシリコンウェーハWの外周部に押し付けて面取りする(図7)。
ここで使用される面取り装置50は、クーラント液として純水を供給しながら、シリコンウェーハWの外周部を、回転中の#800の面取り用砥石51の研削作用面(外周面)に押し付けることで、このウェーハ外周部を面取りする装置である。
シリコンウェーハWは回転テーブル52の上面に真空吸着され、回転テーブル52はテーブル用モータ53により回転自在に設けられている。また、回転テーブル52には面取り用砥石51が近接配置されている。面取り用砥石51は回転モータ54の回転軸55の先端に固着され、回転軸55を中心として回転自在に支持されている。面取り時、シリコンウェーハWの面取り面には純水が5リットル/分で供給される。
なお、面取り工程S104の終了後に、シリコンウェーハWの面取り面を鏡面面取りしてもよい。具体的には、純水を供給しながら、シリコンウェーハWの面取り部(面取り面)を、垂直な回転軸を中心にして回転中のクロスやバフなどに押し付け、この面取り部の面取り面を鏡面に仕上げる。
ここで使用される面取り装置50は、クーラント液として純水を供給しながら、シリコンウェーハWの外周部を、回転中の#800の面取り用砥石51の研削作用面(外周面)に押し付けることで、このウェーハ外周部を面取りする装置である。
シリコンウェーハWは回転テーブル52の上面に真空吸着され、回転テーブル52はテーブル用モータ53により回転自在に設けられている。また、回転テーブル52には面取り用砥石51が近接配置されている。面取り用砥石51は回転モータ54の回転軸55の先端に固着され、回転軸55を中心として回転自在に支持されている。面取り時、シリコンウェーハWの面取り面には純水が5リットル/分で供給される。
なお、面取り工程S104の終了後に、シリコンウェーハWの面取り面を鏡面面取りしてもよい。具体的には、純水を供給しながら、シリコンウェーハWの面取り部(面取り面)を、垂直な回転軸を中心にして回転中のクロスやバフなどに押し付け、この面取り部の面取り面を鏡面に仕上げる。
次に、レーザーマーキング工程S105では、ウェーハを認識するため、シリコンウェーハWの外周部に、レーザにより所定のマークを刻印する。すなわち、外部に露出したテラス部分に、あらかじめ指定されたバーコード、数字、記号、図形などを、レーザーマーキングする。
その後、アルカリエッチング工程S106では、シリコンウェーハWをアルカリ性エッチング液(液温60℃)に10分間浸漬する。
その後、アルカリエッチング工程S106では、シリコンウェーハWをアルカリ性エッチング液(液温60℃)に10分間浸漬する。
次に、シリコンウェーハWの固定砥粒両面研磨工程(S107)を説明する。
ここでは、図4〜図6に示す固定砥粒両面研削で使用した固定砥粒両面研削装置10を利用する。具体的には、下定盤13の上面に、研削用下側加工層31に代えて研磨用下側加工層(固定砥粒層)31Aを固定し、上定盤12の下面に、研削用下側加工層32に代えて研磨用上側加工層(別の固定砥粒層)32Aを固定する。また、研磨液として、遊離砥粒を含まないKOHを主剤としたアルカリ水溶液を採用した。
研磨用下側加工層31Aおよび研磨用上側加工層32Aは、弾性基材33a,34aの原料である硬化ポリマー系樹脂に、粒径(平均粒径)が4μmのダイヤモンド砥粒33b,34bを混練して分散固化し、それを数mm角にカットして多数の砥石片33A,34Aとする。両加工層31A,32Aは、これらの砥石片33A,34Aを両定盤12,13の対向面に格子状に接着したものである。
ここでは、図4〜図6に示す固定砥粒両面研削で使用した固定砥粒両面研削装置10を利用する。具体的には、下定盤13の上面に、研削用下側加工層31に代えて研磨用下側加工層(固定砥粒層)31Aを固定し、上定盤12の下面に、研削用下側加工層32に代えて研磨用上側加工層(別の固定砥粒層)32Aを固定する。また、研磨液として、遊離砥粒を含まないKOHを主剤としたアルカリ水溶液を採用した。
研磨用下側加工層31Aおよび研磨用上側加工層32Aは、弾性基材33a,34aの原料である硬化ポリマー系樹脂に、粒径(平均粒径)が4μmのダイヤモンド砥粒33b,34bを混練して分散固化し、それを数mm角にカットして多数の砥石片33A,34Aとする。両加工層31A,32Aは、これらの砥石片33A,34Aを両定盤12,13の対向面に格子状に接着したものである。
シリコンウェーハWの固定砥粒両面研磨時には、まず、キャリアプレート11の各ウェーハ保持孔11aにそれぞれ旋回自在にシリコンウェーハWを挿入する。上定盤12とともに15rpmで回転中の研磨用上側加工層32Aを、各ウェーハWに250g/cm2で押し付けるとともに、下定盤13とともに15rpmで回転中の研磨用下側加工層31Aを、各ウェーハ表面に250g/cm2で押し付ける。
その後、両加工層31A,32Aをウェーハ表裏面に押し付けたまま、上定盤12から遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液(研磨液)を2リットル/分で供給しながら、円運動用モータ29によりタイミングチェーン27を周転させる。これにより、各偏心アーム24が水平面内で同期回転し、各偏心軸24aに一括して連結されたキャリアホルダ20およびキャリアプレート11が、このプレート11の表面に平行な水平面内で、自転をともなわない円運動を15rpmで行う。その結果、各シリコンウェーハWは、対応するウェーハ保持孔11aにおいて水平面内で旋回しながら、3枚のシリコンウェーハWの表裏面が同時に研磨加工される。研磨量は、ウェーハ片面1〜30μm(加工歪みは片面5〜10μm)である。
次に、固定砥粒両面研磨されたシリコンウェーハWの表面が、図示しない片面研磨装置を利用して仕上げ研磨工程(S108)される。
片面研磨装置は、上面に硬質ウレタンパッド製の研磨布が展張された研磨定盤と、この上方に配設された研磨ヘッドとを備えている。研磨ヘッドの下面には、表面が下向きに配置された3枚のシリコンウェーハWが、キャリアプレートを介してワックス貼着されている。
片面研磨時には、研磨定盤と研磨ヘッドとを所定方向、所定速度で回転させながら研磨ヘッドを徐々に下降し、上記研磨液が5リットル/分で供給されている研磨布に押し付ける。これにより、各シリコンウェーハWの表面が0.5μmだけ鏡面研磨される。こうして仕上げ研磨されたシリコンウェーハWは、その後、所定の洗浄処理、各種のウェーハ検査を経て梱包され、デバイスメーカーへ出荷される。
片面研磨装置は、上面に硬質ウレタンパッド製の研磨布が展張された研磨定盤と、この上方に配設された研磨ヘッドとを備えている。研磨ヘッドの下面には、表面が下向きに配置された3枚のシリコンウェーハWが、キャリアプレートを介してワックス貼着されている。
片面研磨時には、研磨定盤と研磨ヘッドとを所定方向、所定速度で回転させながら研磨ヘッドを徐々に下降し、上記研磨液が5リットル/分で供給されている研磨布に押し付ける。これにより、各シリコンウェーハWの表面が0.5μmだけ鏡面研磨される。こうして仕上げ研磨されたシリコンウェーハWは、その後、所定の洗浄処理、各種のウェーハ検査を経て梱包され、デバイスメーカーへ出荷される。
このように、スライス後、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら、シリコンウェーハWの表裏面を同時に固定砥粒両面研削し、次にウェーハ外周部を面取り後、遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液を供給しながらウェーハ表裏面を同時に固定砥粒両面研磨するため、スライス後のシリコンウェーハWに対して、固定砥粒両面研削から固定砥粒両面研磨まで、遊離砥粒を使用せず固定砥粒のみで加工することができる。その結果、固定砥粒両面研削から固定砥粒両面研磨までのシリコンウェーハWの加工レートが増大し、シリコンウェーハWの加工時間を短縮することができる。
しかも、固定砥粒両面研磨の工程では、従来の研磨布に比べて高い硬度の研磨用下側加工層によって研磨する。そのため、両面研磨時に各回転軸から上下の定盤に作用する研磨圧力は、研磨布の場合より研磨作用面の全体に均一に作用する。これにより、従来法の課題であったウェーハ中央部に比べてウェーハ外周部の研磨量が増大して発生するロールオフを抑制することができる。
さらに、固定砥粒両面研磨時には、シリコンのエッチング機能を有した炭酸カリウムを主剤とするアルカリ水溶液を供給しながら研磨する。そのため、固定砥粒による研削作用で発生したウェーハ表裏面の機械的な加工ダメージが、即時、アルカリ水溶液によって化学エッチングにより除去される。その結果、仮にエッチング工程S106を省略したとしても、エッチング工程S106を有した場合と同等の研磨後の表面粗さを確保することができる(例えばフラットネスがGBIR;170nm程度、ナノトポグラフィ;2mm□で8.5nm程度)。しかも、エッチング工程を省略した場合には、シリコンウェーハWの製造工程数のさらなる削減が図れ、さらに設備コストも低減する。
さらに、固定砥粒両面研磨時には、シリコンのエッチング機能を有した炭酸カリウムを主剤とするアルカリ水溶液を供給しながら研磨する。そのため、固定砥粒による研削作用で発生したウェーハ表裏面の機械的な加工ダメージが、即時、アルカリ水溶液によって化学エッチングにより除去される。その結果、仮にエッチング工程S106を省略したとしても、エッチング工程S106を有した場合と同等の研磨後の表面粗さを確保することができる(例えばフラットネスがGBIR;170nm程度、ナノトポグラフィ;2mm□で8.5nm程度)。しかも、エッチング工程を省略した場合には、シリコンウェーハWの製造工程数のさらなる削減が図れ、さらに設備コストも低減する。
ここで、図8および図9を参照して、実施例1に係る半導体ウェーハの製造方法により得られたシリコンウェーハ(試験例;図8および図9の各右側)と、従来法により得られたシリコンウェーハ(比較例;図8および図9の各左側)とについて、表面粗さのフラットネス(図8)と、ナノトポグラフィ(図9)とを比較した結果を報告する。
従来法のウェーハ製造方法では、実施例1の固定砥粒両面研削工程に代えて遊離砥粒を含む加工液(ラッピング液)を用いたラッピング工程を採用するとともに、実施例1の固定砥粒両面研磨工程に代えて、遊離砥粒を含む研磨液を使用する遊星歯車方式の両面研磨装置を用いた両面研磨工程を採用した。
検査の結果、比較例ではフラットネスがGBIRで173.4nm、ナノトポグラフィが2mm□で8.05nmであった。これに対して、試験例ではフラットネスがGBIRで186.6nm、ナノトポグラフィが2mm□で8.97nmであり、試験例は比較例と同等のフラットネスおよびナノトポグラフィが得られた。
なお、本実施例では、固定砥粒両面研磨する前にアルカリエッチング工程S106を実施する形態を例にして説明したが、エッチング工程を実施せず、面取り加工やレーザーマーク処理されたウェーハをそのまま固定砥粒両面研磨した場合であっても、実施例1と同様な平坦度結果が得られることが確認された。
検査の結果、比較例ではフラットネスがGBIRで173.4nm、ナノトポグラフィが2mm□で8.05nmであった。これに対して、試験例ではフラットネスがGBIRで186.6nm、ナノトポグラフィが2mm□で8.97nmであり、試験例は比較例と同等のフラットネスおよびナノトポグラフィが得られた。
なお、本実施例では、固定砥粒両面研磨する前にアルカリエッチング工程S106を実施する形態を例にして説明したが、エッチング工程を実施せず、面取り加工やレーザーマーク処理されたウェーハをそのまま固定砥粒両面研磨した場合であっても、実施例1と同様な平坦度結果が得られることが確認された。
この発明は、半導体からなる単結晶インゴットを加工し、半導体ウェーハを製造する技術として有用である。
31,31A 研削用下側加工層(固定砥粒層)、
32,32A 研磨用上側加工層(固定砥粒層)、
42 固定砥粒ワイヤ、
51 面取り砥石、
W シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)。
32,32A 研磨用上側加工層(固定砥粒層)、
42 固定砥粒ワイヤ、
51 面取り砥石、
W シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)。
Claims (3)
- 遊離砥粒を含まない純水を供給しながら、上定盤面および下定盤面に形成された弾性基材に砥粒を分散させた固定砥粒層により、複数の半導体ウェーハの表裏面を同時に研削する固定砥粒両面研削を施し、
該固定砥粒両面研削後、遊離砥粒を含まないアルカリ水溶液を供給しながら、上定盤面および下定盤面に形成された弾性基材に砥粒を分散させた固定砥粒層により、前記固定砥粒両面研削された複数の半導体ウェーハの表裏面を同時に研磨する固定砥粒両面研磨を行う半導体ウェーハの製造方法。 - 前記固定砥粒両面研削に供する前記半導体ウェーハは、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら、外周面に砥粒が固定された固定砥粒ワイヤを使用して、半導体の単結晶インゴットからスライスされたもので、
前記固定砥粒両面研削後から前記固定砥粒両面研磨までの間に、前記固定砥粒両面研削された半導体ウェーハの外周部に、遊離砥粒を含まない純水を供給しながら、面取り砥石による面取りを行う請求項1に記載の半導体ウェーハの製造方法。 - 前記固定砥粒両面研削後、エッチング工程を経ずに前記固定砥粒両面研磨を行う請求項2に記載の半導体ウェーハの製造方法。
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