JP3617665B2 - 半導体ウェーハ用研磨布 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体ウェーハ用研磨布、詳しくは半導体ウェーハの外面を固定砥粒を含む研磨布によって研磨する半導体ウェーハ用研磨布に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シリコンウェーハの製造にあっては、CZ法による単結晶シリコンインゴットの引き上げが行われ、次いでブロック切断、外筒研削、オリエンテーションフラット(OF)加工が施される。そして、多数枚のシリコンウェーハへのスライス、シリコンウェーハ外周部の面取り、シリコンウェーハ表裏両面のラッピング、シリコンウェーハ表裏両面の加工ダメージ(加工ひずみ)を除去するエッチング、その面取り面を鏡面仕上げするPCR(Polishing Conor Rounding)、さらにシリコンウェーハ表裏両面を鏡面化する鏡面研磨という各工程が行われる。その後、最終洗浄、検査が施されて受注先のデバイスメーカなどへ出荷されている。
【0003】
従来、この鏡面研磨工程は、研磨定盤上にウレタンパッドなどの研磨布が展張された研磨装置によって行われていた。すなわち、シリコンウェーハ表面の鏡面研磨時には、研磨液中に遊離砥粒(研磨砥粒)を含むスラリー(研磨剤)を供給しながら、回転中の研磨布の研磨作用面に、シリコンウェーハの表面または裏面を押し当てることによって、微粒子である遊離砥粒の研削作用により、このシリコンウェーハの表裏両面を鏡面仕上げしている。
また、従来のPCR工程では、シリコンウェーハの裏面が保持板に吸着・保持され、この状態でシリコンウェーハの外周部に周知の鏡面仕上げが行われる。具体的には、円筒状の研磨布を回転させ、遊離砥粒を含むスラリーを供給しながら、保持板に吸着・保持されたシリコンウェーハの面取り面を、この回転中の研磨布の研磨作用面に押し当てて鏡面仕上げしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来法によるシリコンウェーハ表面の鏡面研磨工程およびシリコンウェーハ外周部のPCR工程では、いずれもスラリー中の遊離砥粒の研削作用によって、シリコンウェーハ表裏面またはシリコンウェーハの面取り面を研磨していた。
この方法は、遊離砥粒を含んだスラリーを使用するため、研磨後に多量の遊離砥粒を含む研磨廃液が発生する。研磨廃液は、そのまま廃棄すれば環境に悪影響を及ぼす。そのため、所定の廃液処理を施してから処分しなければならない。
したがって、遊離砥粒の量が多くなるほど、その廃液処理に必要な設備コスト、ランニングコストが高まる一方、廃液の処理時間も長くなり、シリコンウェーハの研磨処理の効率も低下することとなる。
また、このように遊離砥粒を使用すれば、研磨処理の際に、研磨布に目詰まりなどが生じて、その性能が低下してしまう。そのため、新しい研磨布に頻繁に取り替えなければならず、研磨処理作業の効率がさらに低下していた。
【0005】
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、遊離砥粒に比べて、研磨廃液の処理が簡便な固定砥粒を利用した新しい研磨布の開発に成功した。すなわち、研磨布の研磨作用面にきわめて細かい研磨砥粒を固定すれば、研磨廃液中の研磨砥粒の量が少なくなり、廃液処理に要するコストの削減および処理時間の短縮などが図れ、さらに研磨砥粒による研磨布の目詰まりの頻度も少なくなることを知見し、この発明を完成させた。
また、発明者は、研磨砥粒の中でも、精密仕上げ用として優れた研磨性能を有するシリカに着目した。すなわち、シリカ砥粒がアルミナなどの研磨砥粒よりもやわらかく、研磨レートが低いという欠点を、この単結晶シリカを使用することで解消できることを知見し、この発明を完成させた。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、廃液処理コストの削減と廃液処理時間の短縮とが図れ、しかも研磨砥粒による研磨布の目詰まりに起因した研磨布の張り替え頻度を低下させることができる半導体ウェーハ用研磨布を提供することを、その目的としている。
また、この発明は、良好な研磨精度と研磨レートとを確保することができる半導体ウェーハ用研磨布を提供することを、その目的としている。
さらに、この発明は、研磨布の研磨作用面に研磨砥粒を過不足なく固定することができる半導体ウェーハ用研磨布を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、半導体ウェーハの所定の面を研磨する半導体ウェーハ用研磨布であって、液状の発泡ポリウレタン中に研磨砥粒を混入し、この混入後の発泡ポリウレタンをシート状に付形し、これをカットすることにより、研磨作用面に微細な研磨砥粒が固定された半導体ウェーハ用研磨布である。
半導体ウェーハとしては、例えばシリコンウェーハ、ガリウム砒素ウェーハなどが挙げられる。
この研磨布により研磨される半導体ウェーハの面は限定されない。例えば、半導体ウェーハの表面、その裏面、半導体ウェーハ外周部の面取り面などである。
1枚の研磨布で研磨するのは、半導体ウェーハの1つの面でもよいし、2つ以上の面でもよい。
【0008】
研磨布の種類は限定されない。例えば、ポリエステルフェルトにポリウレタンを含浸させた多孔性の不織布タイプでもよい。また、発泡したウレタンのブロックをスライスした発泡性ウレタンタイプでもよい。さらに、ポリエステルフェルトにポリウレタンが含浸された基材の表面に発泡ポリウレタンを積層し、このポリウレタンの表層部分を除去して発泡層に開口部を形成したスエードタイプでもよい。
【0009】
研磨砥粒の種類は限定されない。例えばダイヤモンド砥粒、シリカ(二酸化珪素)砥粒、炭化シリコン砥粒、アルミナ(酸化アルミニウム)砥粒、セリア(酸化セリウム)砥粒などを採用することができる。また、これらの2種類以上を所定の配合比で混合してもよい。例えば、シリカとアルミナとセリアの混合物、シリカとセリアの混合物などが挙げられる。ただし、シリカのうちでも単結晶シリカを使用した方が、研磨レートが増大して好ましい。
研磨砥粒の形状は限定されない。例えば球形でも、不定形でもよい。研磨砥粒の粒径も限定されない。
研磨砥粒が固定されるのは、少なくとも研磨布の研磨作用面である。もちろん、それ以外の面に研磨砥粒を固定してもよい。
【0010】
研磨砥粒を、研磨布の研磨作用面に固定する方法は、液状の発泡ポリウレタン中に所定量の研磨砥粒を混入する方法などが挙げられる。液状の合成樹脂に研磨砥粒を混入する方法では、微細な研磨砥粒を、研磨布の研磨作用面に確実に固定することができる。
半導体ウェーハの研磨時には、研磨砥粒(遊離砥粒)を含む研磨液を供給しながら研磨してもよいし、研磨砥粒を含まない研磨液(アルカリ性溶液など)を流しながら研磨してもよい。ただし、研磨砥粒を含まない研磨液の方が、この発明の効果(廃液処理の容易性など)が顕著となる。研磨砥粒を含む研磨液の使用時には、できるだけ研磨砥粒の含有量は少ない方がよい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記研磨砥粒が単結晶シリカである請求項1に記載の半導体ウェーハ用研磨布である。
研磨布に対してコロイダルシリカの場合60体積%程度を混入する必要があるが、単結晶シリカでは10体積%以上で済むという効果が得られる。
この単結晶シリカの形状は不定形となる。
単結晶シリカの粒径は0.5〜10μm、現状では3μmのものを使用する。10μmを超えると半導体ウェーハの研磨面に有害な傷を発生し易くなる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記単結晶シリカは不定形で、その平均粒径が3〜5μmである請求項2に記載の半導体ウェーハ用研磨布である。研磨砥粒の粒径は、5μmの場合でFQ#2000、3μmの場合でFQ#3000となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記発泡ポリウレタンへの研磨砥粒の混入量が、体積比で発泡ポリウレタン100に対して研磨砥粒が12〜60である請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の半導体ウェーハ用研磨布である。好ましい混入量は15〜30である。
体積比で12未満では、研磨レートが低下する。また、60を超えると有害な傷が多発する。
【0014】
研磨砥粒を含まない研磨液としては、例えばアルカリ性溶液を用いることができる。具体的には、例えば純水に対して、アミノエチルエタノールアミンと、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)とを混合して混合液を作製した後、この混合液について水酸化カリウム溶液でpH値を調整したものなどを採用することができる。例えばアミンは2重量%、キレート剤は0.08mol/L、pH値は11.0とする。
【0015】
この研磨液の供給量は、装置の大きさにより異なるが、標準的な装置においては200〜2000ml/分、好ましくは500〜1000ml/分である。200ml/分未満ではウェーハに対して有害な傷を発生し易くなる。2000ml/分を超えると研磨レートが低下する。
研磨布の回転速度は限定されない。通常は20〜120rpm、特に25〜50rpmが好ましい。
研磨布を半導体ウェーハの表面および/または裏面に接触させる際の研磨圧力は限定されない。通常は100〜500g/cm2 、特に400〜500g/cm2 が好ましい。100g/cm2 未満では研磨レートが低下する。また、500g/cm2 を超えるとウェーハに対し有害な傷が発生し易い。
【0016】
【0017】
【作用】
この発明によれば、例えば研磨砥粒を含まない研磨液を供給しながら、研磨布を回転させ、この回転中の研磨布と、半導体ウェーハの外面(表面、裏面、面取り面)とを接触させることにより、この半導体ウェーハの外面を研磨する。従来の研磨布では、研磨に際して研磨液中に研磨砥粒(遊離砥粒)を必要としたが、この発明の研磨布ではあらかじめ研磨布に研磨砥粒が固定されているので、研磨砥粒を含まない研磨液を使用して研磨が行なえる。
その結果、廃液処理コストの削減と廃液処理時間の短縮とが図れ、しかも研磨砥粒による研磨布の目詰まりに起因した研磨布の交換頻度を抑えることができる。
【0018】
特に、請求項2の発明によれば、研磨砥粒として単結晶シリカを採用したので、精密仕上げ用として優れた研磨性能を有するシリカの硬度が高まり、従来にない高い研磨レートが得られる。
【0019】
また、請求項3の発明によれば、研磨布の研磨作用面に、不定形でその粒径が3〜5μmの研磨砥粒を固定する。したがって、この微細な研磨砥粒(固定砥粒)により半導体ウェーハの外面を高精度で研磨することができる。よって、研磨時の加工ダメージも従来と略同レベルの値を期待することができる。
【0020】
さらに、請求項4の発明によれば、研磨砥粒の発泡ポリウレタンに対する混入量をその体積比で発泡ポリウレタン100に対して研磨砥粒12〜60の範囲に規定したので、研磨砥粒を過不足なく研磨布の研磨作用面に固定することができる。
【0021】
そして、研磨液が研磨砥粒(遊離砥粒)を含まないアルカリ性溶液となるので、研磨液の再使用量が増加し、研磨廃液の廃棄量を低減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ用研磨布を使用したウェーハ両面研磨装置の使用状態を示す一部に断面図を含んだ斜視図である。図2は、この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ用研磨布を使用したウェーハ両面研磨装置の使用状態におけるキャリアプレート外周部の要部拡大断面図である。図3は、この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ用研磨布を使用したウェーハ面取り面研磨装置の使用状態を示す正面図である。
【0023】
図1〜図3において、10A,10Bは、この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ用研磨布(以下、研磨布)である。一方の研磨布10Aは、シリコンウェーハWの表裏両面を鏡面研磨するウェーハ両面研磨装置11に組み込まれている。また、他方の研磨布10Bは、シリコンウェーハWの面取り面を研磨するウェーハ面取り面の研磨装置12に組み込まれている。
ウェーハ両面研磨装置11は、互いに平行に設けられた上定盤13および下定盤14と、これらの上定盤13、下定盤14間に介在されて、軸線回りに回転自在に設けられた小径な太陽ギヤ15と、この軸線と同じ軸線を中心に回転自在に設けられた大径なインターナルギヤ16と、それぞれ4枚のシリコンウェーハWを保持する4個のウェーハ保持孔17aとを有し、かつ各外縁部に、太陽ギヤ15およびインターナルギヤ16に噛合される外ギヤ17bが形成された計4枚の円板形状のキャリアプレート17とを備え、アルカリ性溶液を供給しながらシリコンウェーハWを研磨する。
【0024】
上定盤13と下定盤14との各対向面には、それぞれ研磨作用面に微細な研磨砥粒が固定された2枚の研磨布10A,10Aが展張されている。シリコンウェーハWは、これらの固定砥粒を含む研磨布10A,10Aと、アルカリ性溶液の研磨液との作用により研磨される。
このシリコンウェーハWに対する各研磨布10A,10Aの当接圧力はそれぞれ250gf/cm2 程度である。上定盤13と下定盤14とは同じ方向へ回転する。それぞれの回転速度、すなわち両研磨布10A,10Aの回転速度は30rpmである。研磨液の供給量は3000ml/分である。
【0025】
図3に示すように、後者の研磨布10Bは、円筒形状の外観を有し、面取り面を鏡面仕上げするためのPCR加工用の研磨具である。この研磨布10Bの研磨作用面(外周面)には、微細な研磨砥粒が固定されている。すなわち、シリコンウェーハWは、この固定砥粒を含む研磨布10Bと、アルカリ性溶液の研磨液との作用によって研磨される。
研磨時、研磨布10Bの回転速度は500rpm、シリコンウェーハWの回転速度は5rpmとなっている。この際の研磨布10Bに対するシリコンウェーハWの当接圧力は1.5kg/cm2 程度である。研磨液の供給量は 1800ml/分である。
【0026】
次に、これらの研磨布10A,10Bを詳細に説明する。なお、両研磨布10A,10Bは同じ素材から作製されている。ここでは説明の都合上、研磨布10Aを例に説明する。
図1および図2に示すように、研磨布10A,10Aは多孔性の不織布を基体とし、これに不定形の単結晶シリカ製の研磨砥粒が均一に固定されている。単結晶シリカには、フジミ社製のFQ#3000(平均粒径3μm)が採用されている。
この研磨布10Aは、液状の発泡ポリウレタン中に、体積比で研磨布100に対して20となる研磨砥粒を混入し、この混入後の発泡ポリウレタンを成形用ローラによってシート状に付形し、これを所定半径にカットして得ている。これにより、微細な研磨砥粒を、研磨作用面を含む研磨布10A,10Aの略全体に均一に固定することができる。
【0027】
研磨時に使用される研磨液としては、純水にアミノエチルエタノールアミンと、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)とを混合して混合液を作製し、この混合液について水酸化カリウム溶液でpH値を調整したものを採用している。アミンは2重量%、キレート剤は0.08mol/Lである。調整後のpH値は11.0である。研磨液の供給量は3000ml/分である。ただし、研磨布10Bの場合、研磨液の供給量は1800ml/分である。
【0028】
次に、各研磨布10A,10Bを使用したシリコンウェーハWの研磨方法について説明する。図5は、この発明の一実施例に係るシリコンウェーハの研磨方法のフローチャートである。
図5に示すように、この実施例にあっては、大略スライス、面取り、ラッピング、エッチング、研削、洗浄、PCR、洗浄、1次研磨(固定砥粒での研磨)、2次研磨、仕上げ研磨の各工程を経て、片面鏡面研磨ウェーハが作製される。以下、各工程を詳細に説明する。
【0029】
CZ法により引き上げられたシリコンインゴットは、スライス工程(S101)で、厚さ860μm程度の8インチのシリコンウェーハWにスライスされる。
次に、このスライスドウェーハは、面取り工程(S102)で、その外周部が、#600〜#2000のメタルダイヤ砥石により、所定の形状に面取りされる。これにより、シリコンウェーハWの外周部は、丸みを帯びた形状(例えばMOS型の面取り形状)に成形される。
そして、この面取りされたシリコンウェーハWは、ラッピング工程(S103)において、その表裏両面がラッピングされる。この工程は、シリコンウェーハWを互いに平行なラップ定盤間に配置し、その後、このラップ定盤間に、アルミナ砥粒と分散剤と水の混合物であるラップ液を流し込む。それから、加圧下で回転・摺り合わせを行うことにより、このシリコンウェーハの表裏両面を機械的にラッピングする。この際、シリコンウェーハWのラップオフ量は、シリコンウェーハの表裏両面を合わせて60〜120μm程度である。
【0030】
その後、このラップドウェーハWをエッチングする(S104)。具体的には、フッ酸と硝酸とを混合した混酸液(常温〜50℃)中にシリコンウェーハWを所定時間だけ浸漬する。
次いで、このエッチドウェーハの表面を研削する(S105)。具体的には、#600〜#4000のレジノイド研削砥石を搭載した研削装置により研削する。このときの研削量は5〜15μm程度である。
次に、シリコンウェーハWの洗浄を行い、研削によりシリコンウェーハ表裏両面に付着した研削砥粒を除去する(S106)。
【0031】
続いて、このシリコンウェーハWの面取り部をPCR加工する(S107)。
この加工時には、図3に示す研磨布10B付きのウェーハ面取り面研磨装置12が用いられる。すなわち、研磨砥粒を含まない研磨液を1800ml/分で供給しながら、図示しない回転モータにより研磨布10Bを軸線回りに5rpmで回転する。この回転中の研磨布10Bの外周面に、500rpmで回転しているシリコンウェーハWの面取り面を、1.5kg/cm2 の研磨圧力で押し当てる。こうして、この面取り面を鏡面研磨する。このPCR加工により、上記ウェーハ外周面に残存した面取り治具の痕跡は除去される。
【0032】
その後、シリコンウェーハWの洗浄工程を行い、研磨によりウェーハ表面に付着した微細な研磨砥粒を除去する(S108)。
それから、図1に示す2枚の研磨布10Aを備えたウェーハ両面研磨装置11によってシリコンウェーハWの表裏両面を1次研磨する(S109)。すなわち、上定盤13と下定盤14との間で、研磨液を供給しながらキャリアプレート17を自転および公転させ、それぞれのキャリアプレート17の各ウェーハ保持孔17aに保持された4枚のシリコンウェーハWの表裏両面を、上下1対の研磨布10A,10Aに押圧しながら一括して機械的化学的研磨する。この際、シリコンウェーハWの研磨部分に3000ml/分で研磨液が供給される。
続いて、シリコンウェーハWの表面を、研磨砥粒が固定されていない(株)ロデールニッタ製の研磨布を用いて2次研磨する(S110)。
さらに、このシリコンウェーハWの表面に、同じく研磨砥粒が固定されていない研磨布による仕上げ研磨が施される(S111)。
なお、1次研磨(S109)の後に2次研磨を省略して仕上げ研磨(S111)を施すこともできる。
【0033】
このように、研磨布10A,10Bの研磨作用面に研磨砥粒を固定したので、廃液処理コストの削減と廃液処理時間の短縮とが図れ、しかも研磨砥粒による目詰まりを原因とした研磨布10A,10Bの交換頻度を減少させることができる。
また、研磨砥粒として単結晶シリカを採用したので、従来のシリカ製の研磨砥粒に比べて硬度が高まり、シリカ砥粒でありながら、良好な研磨精度と良好な研磨レートとを同時に得ることができる。
実際に、この一実施例の両面研磨装置11を用いて、シリコンウェーハWの両面研磨の試験を行なったところ、図4の、この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ用研磨布の単結晶シリコンの含有量と研磨レートとの関係を示すグラフから明らかなように、0.6〜0.7μm/分という通常範囲の研磨レートが得られた。
【0034】
しかも、不織布製の研磨布10A,10Bを採用し、それぞれの研磨作用面に粒径3〜5μmの不定形な研磨砥粒を固定したので、この微細な研磨砥粒によって、シリコンウェーハWの面を高精度で研磨することができる。その結果、研磨時の加工ダメージを小さくすることができる。
さらに、研磨砥粒の混入量をその体積比で研磨布100に対して12〜60の範囲に入る値に規定したので、研磨砥粒を過不足なく研磨布10A,10Bの研磨作用面に固定することができる。
さらにまた、研磨液として遊離砥粒を含まないアルカリ性溶液を採用したので、研磨液の再使用量が増加し、研磨廃液の廃棄量を低減することができる。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、研磨作用面に研磨砥粒を固定して研磨布を作製し、この研磨布により半導体ウェーハの外面を研磨するので、廃液処理コストの削減と廃液処理時間の短縮とが図れ、しかも研磨砥粒による研磨布の目詰まりによる研磨布の交換頻度を減少させることができる。
【0036】
特に、請求項2の発明によれば、研磨砥粒を単結晶シリカとしたので、シリカ砥粒の硬度を高め、良好な研磨精度と良好な研磨レートとを同時に得ることができる。
【0037】
また、請求項3の発明によれば、単結晶シリカ製の研磨砥粒を不定形とし、その粒径を3〜5μmとしたので、この微細な固定砥粒によって、研磨時の加工ダメージも略従来通りで、半導体ウェーハの外面を高精度に研磨することができる。
【0038】
さらに、請求項4の発明によれば、研磨砥粒の研磨布への混入量をその体積比で研磨布100に対して研磨砥粒12〜60の範囲に規定したので、研磨砥粒を過不足なく研磨作用面に固定することができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ用研磨布を使用したウェーハ両面研磨装置の使用状態を示す一部に断面図を含んだ斜視図である。
【図2】この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ用研磨布を使用したウェーハ両面研磨装置の使用状態におけるキャリアプレート外周部の要部拡大断面図である。
【図3】この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ用研磨布を使用したウェーハ面取り面研磨装置の使用状態を示す正面図である。
【図4】この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ用研磨布の単結晶シリコンの含有量と研磨レートとの関係を示すグラフである。
【図5】この発明の一実施例に係るシリコンウェーハの研磨方法のフローチャートである。
【符号の説明】
10A,10B 半導体ウェーハ用研磨布、
W 半導体ウェーハ。

Claims (4)

  1. 半導体ウェーハの所定の面を研磨する半導体ウェーハ用研磨布であって、
    液状の発泡ポリウレタン中に研磨砥粒を混入し、この混入後の発泡ポリウレタンをシート状に付形し、これをカットすることにより、研磨作用面に微細な研磨砥粒が固定された半導体ウェーハ用研磨布。
  2. 上記研磨砥粒が単結晶シリカである請求項1に記載の半導体ウェーハ用研磨布。
  3. 上記単結晶シリカは不定形で、その平均粒径が3〜5μmである請求項2に記載の半導体ウェーハ用研磨布。
  4. 上記発泡ポリウレタンへの研磨砥粒の混入量が、体積比で発泡ポリウレタン100に対して研磨砥粒が12〜60である請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の半導体ウェーハ用研磨布。
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