JP4981567B2 - オートテンショナ - Google Patents

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Description

本発明は、オートテンショナに関する。
この種の技術として特許文献1は、「固定部材と、この固定部材に回動自在に支持されるアーム状の可動部材と、この可動部材のアーム部に設けられるとともにベルトに接触可能なプーリと、前記可動部材を前記固定部材に対し所定方向に付勢するコイルバネと、を備える」オートテンショナを開示する。このオートテンショナは、「拡径方向の自己復元力により前記可動部材又は前記固定部材の内周壁面に当接するスプリングクラッチを備え、当該スプリングクラッチの一端を前記固定部材又は前記可動部材に固定し、他端を自由端とする」構成となっている。
特開2007-64254号公報(請求項1、段落番号0026、図1)
上記特許文献1の構成は、スプリングクラッチが可動部材及び固定部材に対して同時に当接しており、このスプリングクラッチのクラッチ効果(固定部材に対する可動部材の回動を禁止する効果)が直接的にこれらの部材間に作用することから、当該クラッチ効果が瞬時に奏される点において優れる。
一方で、エンジンのクランク軸の回転変動の態様はエンジンの種別によって異なるものであるので、上記のクラッチ効果にもバリエーションが要求されていた。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、バリエーションの一つとして、クラッチ効果が滑らかに発揮されるオートテンショナを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下のように構成されるオートテンショナが提供される。即ち、固定部材と、この固定部材に回動自在に支持されるアーム状の可動部材と、この可動部材のアーム部に設けられると共にベルトに接触可能なプーリと、上記の可動部材を前記固定部材に対して所定の方向に付勢するコイルスプリングと、を備える。前記コイルスプリングに対して外周側又は内周側から当接し若しくは当接可能なスプリングクラッチを設ける。このスプリングクラッチの一端を固定端として前記の固定部材又は可動部材の何れか一方に固定し、その他端を自由端とする。以上の構成によれば、上記スプリングクラッチによる前記のクラッチ効果が前記コイルスプリングを介して間接的に前記の固定部材及び可動部材に対して作用するので、滑らかに発揮されるクラッチ効果が実現される。
上記のオートテンショナは、更に、以下のように構成される。即ち、前記スプリングクラッチを前記コイルスプリングの外周側に配するものとする。このスプリングクラッチは、前記固定端が前記固定部材に固定されるものとし、この固定端から前記自由端へ向かって、前記ベルトが弛緩する前記可動部材の回動方向と同一方向へ延在するように配される、又は、前記固定端が前記可動部材に固定されるものとし、この固定端から前記自由端へ向かって、前記ベルトが弛緩する前記可動部材の回動方向と逆方向へ延在するように配される。以上の構成によれば、前記ベルトを弛緩させようと前記可動部材が回動するとき、前記コイルスプリングとの摺動によって前記スプリングクラッチはその延在方向に沿って引張されて縮径変形しようとする。そして、この縮径変形によって前記のコイルスプリングとスプリングクラッチが密着して両部材間の摺動抵抗が増大し、この結果、前記コイルスプリングのそれ以上の捩じれ(前記可動部材の回動、ないし、前記ベルトの弛緩)が制限される。
上記のオートテンショナは、更に、以下のように構成される。即ち、前記スプリングクラッチを前記コイルスプリングの内周側に配するものとする。このスプリングクラッチは、前記固定端が前記固定部材に固定されるものとし、この固定端から前記自由端へ向かって、前記ベルトが弛緩する前記可動部材の回動方向と逆方向へ延在するように配される、又は、前記固定端が前記可動部材に固定されるものとし、この固定端から前記自由端へ向かって、前記ベルトが弛緩する前記可動部材の回動方向と同一方向へ延在するように配される。以上の構成によれば、前記ベルトを弛緩させようと前記可動部材が回動するとき、前記コイルスプリングとの摺動によって前記スプリングクラッチはその延在方向に沿って圧縮されて拡径変形しようとする。そして、この拡径変形によって前記のコイルスプリングとスプリングクラッチが密着して両部材間の摺動抵抗が増大し、この結果、前記コイルスプリングのそれ以上の捩じれ(前記可動部材の回動、ないし、前記ベルトの弛緩)が制限される。
上記のオートテンショナは、更に、以下のように構成される。即ち、前記コイルスプリングの巻方向は、前記ベルトが弛緩される方向へ前記可動部材が回動したときに拡径するように設定される。以上の構成において、(i)前記スプリングクラッチを前記コイルスプリングの外周側に配するときは、前記コイルスプリングの撚回に関する前記の制限が優先されて該コイルスプリングの弾性変形量が制限されるので、長寿命化を図ったオートテンショナとなり、一方、(ii)前記スプリングクラッチを前記コイルスプリングの内周側に配するときは、前記コイルスプリングの撚回に関する前記の制限が緩和されるので、クランク軸の回転変動に対して良好な追従性ないし即応性を呈するオートテンショナとなる。
上記のオートテンショナは、更に、以下のように構成される。即ち、前記コイルスプリングの巻方向は、前記ベルトが弛緩される方向へ前記可動部材が回動したときに縮径するように設定される。以上の構成において、(i)前記スプリングクラッチを前記コイルスプリングの外周側に配するときは、前記コイルスプリングの撚回に関する前記の制限が緩和されるので、クランク軸の回転変動に対して良好な追従性ないし即応性を呈するオートテンショナとなり、一方、(ii)前記スプリングクラッチを前記コイルスプリングの内周側に配するときは、前記コイルスプリングの撚回に関する前記の制限が優先されて該コイルスプリングの弾性変形量が制限されるので、長寿命化を図ったオートテンショナとなる。
上記のオートテンショナは、更に、以下のように構成される。即ち、前記スプリングクラッチの延在長さは、前記コイルスプリングに対して軸回りに360度以内で当接するように設定される。このため、Eulerの理論によれば、前記可動部材が揺動してもスプリングクラッチのコイルスプリングに対する巻付力が小さく設定され、大きな巻付力が作動することなく、クラッチが滑らかに動く。このためクランク軸の回転変動に対して良好な追従性ないし即応性をもつオートテンショナーになる。
上記のオートテンショナは、更に、以下のように構成される。即ち、前記スプリングクラッチは板バネ、好ましくは所定幅の板バネから成る。これにより、上記の効果(前記可動部材が揺動してもスプリングクラッチのコイルスプリングに対する巻付力が小さく設定され、大きな巻付力が作動することなく、クラッチが滑らかに動く。このためクランク軸の回転変動に対して良好な追従性ないし即応性をもつオートテンショナーになる。)を満足し、かつ良好な組立作業性も得られる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るオートテンショナの断面図である。
本実施形態においてオートテンショナ100は、略示のエンジンブロック101に取着され、補機システムを構成する伝動ベルト102に対して好適な張力を付与するのに供されるものである。
このオートテンショナ100は、主として、固定部材1と、この固定部材1に回動自在に支持されるアーム状の可動部材2と、この可動部材2のアーム部2aに設けられると共に伝動ベルト102に接触可能なプーリ3と、上記の可動部材2を前記固定部材1に対して所定の方向に付勢するコイルスプリング4と、後述するスプリングクラッチ5と、から構成される。
上記の固定部材1は、エンジンブロック101に当接する円盤状の基部6と、この基部6の外周縁から回動軸Cに対して平行に延びる筒部7と、基部6の中心に刻設された嵌合孔に対して圧入固定される軸部8と、から成る。基部6の内面には、上記のコイルスプリング4の基端側端部4aを挟持して固定するためのコイルスプリング固定溝6aが刻設される。軸部8には、オートテンショナ100をエンジンブロック101に取着するのに供される取着ボルト103を挿通可能な挿通孔8aが穿孔されると共に、その先端には固定部材1からの可動部材2の離脱を防止する鍔部8bが形成される。
上記の可動部材2は、基部6に対して対向する蓋部9と、この蓋部9の中央に穿孔される貫通孔9aの縁から回動軸Cに対して平行にエンジンブロック101側へ延びる鍔部10と、前述のアーム部2aと、から成る。蓋部9の内面には、上記のコイルスプリング4の先端側端部4bを挟持して固定するためのコイルスプリング固定溝9bが刻設される。そして、可動部材2は、固定部材1の軸部8に対して略示の滑り軸受11を介して回動自在に支持され、もって、固定部材1と可動部材2との間の耐摩耗性が向上されると共に、摺動抵抗の安定化が図られる。
上記のプーリ3は、アーム部2aに対して、エンジンブロック101と該アーム部2aを挟んで反対側に軸支される。このプーリ3の軸方向は、前記の回動軸Cと略平行とされる。
上記のコイルスプリング4は、本実施形態において右巻きに、その断面形状は略長方形と、される。そして、このコイルスプリング4は、固定部材1の基部6・筒部7・軸部8と、可動部材2の蓋部9・鍔部10と、に囲まれて形成されるバネ収容室12に収容され、その基端側端部4aは前述のコイルスプリング固定溝6aに、先端側端部4bは前述のコイルスプリング固定溝9bに、圧入固定される。このコイルスプリング4は、軸方向に圧縮した状態でバネ収容室12に収容するものとし、固定部材1と可動部材2との間のガタの解消を図る。
上記のスプリングクラッチ5は、本実施形態において所定幅を有する板バネとされる。ここで、図2を参照されたい。図2は、本発明の一実施形態に係るオートテンショナの正面図である。本図に示されるように本実施形態においてスプリングクラッチ5は、コイルスプリング4に対して外周側から当接するように配される。このスプリングクラッチ5は、周方向長さ(ここでいう「周方向長さ」とは、コイルスプリング4に対して当接ないし圧接する部分(即ち、円弧部5a)の長さを指す。)が一周以下とされ、コイルスプリング4に対して圧接する円弧部5aと、この円弧部5aから直線的に延びる延在部5bと、この延在部5bの先端において屈曲して形成される屈曲部5cと、から構成される。そして、この屈曲部5cが固定部材1の筒部7内に埋設されることでスプリングクラッチ5の一端(以下、固定端5fと称する。)は固定部材1に対して固定され、一方で、他端(以下、自由端5gと称する。)は自由端とされる。なお、本実施形態においてスプリングクラッチ5は、コイルスプリング4のようには螺旋状には形成されず、いわば同一平面内に円弧を描くドーナッツ状とされる。
ところで、図2に示されるように、固定部材1との対比において可動部材2が符号Xで示される方向(反時計回り)へ回動したとき、伝動ベルト102は弛緩される。従って、以下、この方向を弛み方向Xと称する。同様に、固定部材1との対比において可動部材2が符号Yで示される方向(時計回り)へ回動したとき、伝動ベルト102は緊張される。従って、以下、この方向を張り方向Yと称する。
上記の弛み方向X及び張り方向Yとの対比において、前述のコイルスプリング4やスプリングクラッチ5は、以下のように構成される。即ち、コイルスプリング4の巻方向は、弛み方向Xへ可動部材2が回動したときに縮径するように、右巻に設定される。また、スプリングクラッチ5は、固定端5fから自由端5gへ向かって、弛み方向Xと同一方向へ延在するように配される。
次に、本実施形態の作動を説明する。
<定常状態>
先ず、伝動ベルト102が走行していない状態、或いは、当該伝動ベルト102が張力を一定に維持したまま走行している状態におけるオートテンショナ100の作動を説明する。
かかる状態においてオートテンショナ100は、伝動ベルト102に対して所定の張力を付与する。具体的には、オートテンショナ100が内蔵するコイルスプリング4の自己弾性復元力により、図2において可動部材2は固定部材1に対して常に張り方向Yに付勢される。なお、スプリングクラッチ5は自己弾性復元力によってコイルスプリング4に対して外周側から所定のグリップ力で圧接する。
<伝動ベルト102が弛緩したときの作動>
次に、伝動ベルト102が弛緩したとき(伝動ベルト102の張力が低下したとき)のオートテンショナ100の作動を説明する。
即ち、本実施形態に係るオートテンショナ100は、(i)伝動ベルト102の張力によってプーリ3を介して可動部材2に付与される回動軸Cまわりのトルクと、(ii)コイルスプリング4の自己弾性復元力によって可動部材2に付与される回動軸Cまわりのトルクと、がつりあうようになっている。従って、伝動ベルト102が弛緩してその張力が低下したときは、再び上記(i)のトルクと(ii)のトルクがつりあうように、可動部材2が固定部材1に対して張り方向Yへ回動を開始する。このとき、同じく張り方向Yへ若干回動を開始するコイルスプリング4はその外周側に圧接するスプリングクラッチ5に対して摺動し、スプリングクラッチ5はその延在方向に沿って圧縮されるから、該スプリングクラッチ5は拡径変形するので、コイルスプリング4に対するスプリングクラッチ5の面圧は著しく低下する。このように、伝動ベルト102を緊張させようと可動部材2が張り方向Yに回動を開始するときは、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5との間の密着性が著しく低下するので、コイルスプリング4の撚回(可動部材2の回動、ないし、伝動ベルト102の緊張)は許容される。なお、本実施形態においてコイルスプリング4の巻方向は右巻きに設定されているので、可動部材2が張り方向Yへ回動するときはコイルスプリング4は若干拡径変形することとなる。
<伝動ベルト102が緊張したときの作動>
次に、伝動ベルト102が緊張したとき(伝動ベルト102の張力が上昇したとき)のオートテンショナ100の作動を説明する。
即ち、前述したように、本実施形態に係るオートテンショナ100は、(i)伝動ベルト102の張力によってプーリ3を介して可動部材2に付与される回動軸Cまわりのトルクと、(ii)コイルスプリング4の自己弾性復元力によって可動部材2に付与される回動軸Cまわりのトルクと、がつりあうようになっている。従って、伝動ベルト102が緊張してその張力が上昇したときは、再び上記(i)のトルクと(ii)のトルクがつりあうように、可動部材2が固定部材1に対して弛み方向Xへ回動を開始する。このとき、同じく弛み方向Xへ若干回動を開始するコイルスプリング4はその外周側に圧接するスプリングクラッチ5に対して摺動し、スプリングクラッチ5はその延在方向に沿って引張されるから、該スプリングクラッチ5は縮径変形するので、コイルスプリング4に対するスプリングクラッチ5の面圧は著しく上昇する。このように、伝動ベルト102を弛緩させようと可動部材2が弛み方向Xに回動を開始するときは、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5との間の密着性が著しく上昇するので、コイルスプリング4の撚回(可動部材2の回動、ないし、伝動ベルト102の弛緩)は制限される。ただし、本実施形態に係るスプリングクラッチ5は、上記特許文献1の構成とは異なり、あくまでコイルスプリング4の撚回を制限するものであって、直接的には可動部材2の回動を制限するものではない。換言すれば、本実施形態に係るスプリングクラッチ5は、間接的に可動部材2の回動を制限するものである。
以上説明したように本実施形態においてオートテンショナ100は、以下のように構成される。即ち、固定部材1と、この固定部材1に回動自在に支持されるアーム状の可動部材2と、この可動部材2のアーム部2aに設けられると共に伝動ベルト102に接触可能なプーリ3と、上記の可動部材2を前記固定部材1に対して所定の方向に付勢するコイルスプリング4と、を備える。前記コイルスプリング4に対して外周側から当接するスプリングクラッチ5を設ける。このスプリングクラッチ5の一端を固定端5fとして前記の固定部材1に固定し、その他端を自由端5gとする。以上の構成によれば、上記スプリングクラッチ5による前記のクラッチ効果が前記コイルスプリング4を介して間接的に前記の固定部材1及び可動部材2に対して作用するので、滑らかに発揮されるクラッチ効果が実現される。
本実施形態に係るオートテンショナ100は、上記したようにクラッチ効果を滑らかに発揮する特徴を呈することから、特に、クランク軸の回転変動が大きなエンジン向けとして好適と言える。なぜなら、クラッチ効果が過剰には発揮されることがないから伝動ベルト102の張力の安定化が極力図られる傾向にあり、従って、例えば伝動ベルト102の張力不足に起因したベルト鳴きなどの問題に対して概ね良好に対処できるからである。
上記のオートテンショナ100は、更に、以下のように構成される。即ち、前記スプリングクラッチ5を前記コイルスプリング4の外周側に配するものとする。このスプリングクラッチ5は、前記固定端5fが前記固定部材1に固定されるものとし、この固定端5fから前記自由端5gへ向かって、前記伝動ベルト102が弛緩する前記可動部材2の回動方向と同一方向へ延在するように配される。以上の構成によれば、前記伝動ベルト102を弛緩させようと前記可動部材2が回動するとき、前記コイルスプリング4との摺動によって前記スプリングクラッチ5はその延在方向に沿って引張されて縮径変形しようとする。そして、この縮径変形によって前記のコイルスプリング4とスプリングクラッチ5が密着して両部材間の摺動抵抗が増大し、この結果、前記コイルスプリング4のそれ以上の捩じれ(前記可動部材2の回動、ないし、前記伝動ベルト102の弛緩)が制限される。
一方、伝動ベルト102を緊張させようと可動部材2が回動するとき、前記コイルスプリング4との摺動によって前記スプリングクラッチ5はその延在方向に沿って圧縮されて拡径変形しようとする。そして、この拡径変形によって前記のコイルスプリング4とスプリングクラッチ5の密着性が著しく低下し、この結果、コイルスプリング4のそれ以上の捩じれ(前記可動部材2の回動、ないし、前記伝動ベルト102の弛緩)は特に制限されることなく、許容される。
上記のオートテンショナ100は、更に、以下のように構成される。即ち、前記コイルスプリング4の巻方向は、前記伝動ベルト102が弛緩される方向へ前記可動部材2が回動したときに縮径するように設定される。以上の構成において、前記スプリングクラッチ5を前記コイルスプリング4の外周側に配する本実施形態では、前記コイルスプリング4の撚回に関する前記の制限が緩和されるので、クランク軸の回転変動に対して良好な追従性ないし即応性を呈するオートテンショナ100となる。
上記のオートテンショナ100は、更に、以下のように構成される。即ち、前記スプリングクラッチ5の延在長さは、前記コイルスプリング4に対して軸回りに360度以内で当接するように設定される。このため、Eulerの理論によれば、前記可動部材2が揺動してもスプリングクラッチ5のコイルスプリング4に対する巻付力が小さく設定され、大きな巻付力が作動することなく、クラッチが滑らかに動く。このためクランク軸の回転変動に対して良好な追従性ないし即応性をもつオートテンショナ100になる。
上記のオートテンショナ100は、更に、以下のように構成される。即ち、前記スプリングクラッチ5は板バネ、好ましくは所定幅の板バネから成る。これにより、上記の効果(前記可動部材2が揺動してもスプリングクラッチ5のコイルスプリング4に対する巻付力が小さく設定され、大きな巻付力が作動することなく、クラッチが滑らかに動く。このためクランク軸の回転変動に対して良好な追従性ないし即応性をもつオートテンショナ100になる。)を満足し、かつ良好な組立作業性も得られる。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
[1]即ち、上記実施形態においてスプリングクラッチ5はコイルスプリング4に対して外周側から当接するが、これに代えて、コイルスプリング4に対して内周側から当接するようにスプリングクラッチ5を設けてもよい(請1変形)。
[2]また、上記実施形態においては、スプリングクラッチ5をコイルスプリング4の外周側に配するものとし、このスプリングクラッチ5は、固定端5fが固定部材1に固定されるものとし、この固定端5fから自由端5gへ向かって、伝動ベルト102が弛緩する可動部材2の回動方向と同一方向へ延在するように配されるものとしたが、これに代えて、(スプリングクラッチ5をコイルスプリング4の外周側に配するものとしながらも)固定端5fが可動部材2に固定されるものとし、固定端5fから自由端5gへ向かって、伝動ベルト102が弛緩する可動部材2の回動方向と逆方向へ延在するように配されることとしてもよい(請2変形)。
[3]上記[1]の変形例においては、スプリングクラッチ5を以下(i)又は(ii)のように配するのが合理的と理解されよう(請3変形)。(i)固定端5fが固定部材1に固定されるものとし、この固定端5fから自由端5gへ向かって、伝動ベルト102が弛緩する可動部材2の回動方向と逆方向へ延在するように配される。(ii)固定端5fが可動部材2に固定されるものとし、この固定端5fから自由端5gへ向かって、伝動ベルト102が弛緩する可動部材2の回動方向と同一方向へ延在するように配される。このような構成としても、上記実施形態に係る構成で奏されるのと同様の作用効果が奏される。即ち、伝動ベルト102を弛緩させようと可動部材2が回動するとき、コイルスプリング4との摺動によってスプリングクラッチ5はその延在方向に沿って圧縮されて拡径変形しようとする。そして、この拡径変形によってコイルスプリング4とスプリングクラッチ5が密着して両部材間の摺動抵抗が増大し、この結果、コイルスプリング4のそれ以上の捩じれ(可動部材2の回動、ないし、伝動ベルト102の弛緩)が制限される。
[4]また、上記実施形態においては、コイルスプリング4の巻方向は、伝動ベルト102が弛緩される方向へ可動部材2が回動したときに縮径するように設定されるとしたが、これに代えて、伝動ベルト102が弛緩される方向へ可動部材2が回動したときに拡径するように設定されてもよい(請4変形)。以上の構成において、(i)スプリングクラッチ5をコイルスプリング4の外周側に配するときは、コイルスプリング4の撚回に関する前記の制限が優先されて該コイルスプリング4の弾性変形量が制限されるので、長寿命化を図ったオートテンショナ100となり、一方、(ii)スプリングクラッチ5をコイルスプリング4の内周側に配するときは、コイルスプリング4の撚回に関する前記の制限が緩和されるので、クランク軸の回転変動に対して良好な追従性ないし即応性を呈するオートテンショナ100となる。
なお、上記実施形態のように前記コイルスプリング4の巻方向が、前記伝動ベルト102が弛緩される方向へ前記可動部材2が回動したときに縮径するように設定される場合において、前記スプリングクラッチ5を前記コイルスプリング4の内周側に配するときは、前記コイルスプリング4の撚回に関する前記の制限が優先されて該コイルスプリング4の弾性変形量が制限されるので、長寿命化を図ったオートテンショナ100となる。
[5]また、上記実施形態において、コイルスプリング4の外周側表面には、例えば燐酸塩皮膜処理などの表面処理を施すとよい。耐摩耗性の向上が図られると共に、摺動抵抗の安定化が図られるからである。
[6]また、上記実施形態において、スプリングクラッチ5の内周側表面又は外周側表面のうちコイルスプリング4に対して対向する表面には、例えば摩耗防止用グリースなどの摩耗防止剤を塗布するとよい。耐摩耗性の向上が図られるからである。
[7]また、上記実施形態において、スプリングクラッチ5(板バネ)には、例えば浸炭や窒化、各種メッキ皮膜などの適宜の表面硬化処理を施すとよい。耐摩耗性が図られるからである。
[8]また、上記実施形態において、コイルスプリング4の断面形状は略長方形としたが、これに代えて、例えば正方形や三角形、半丸形などの他の形状でもよい。ただし、何れにせよスプリングクラッチ5に対する摺動面は適宜、確保しておくとよいだろう。
[9]また、上記実施形態において、コイルスプリング4のスプリングクラッチ5に対する対向面やスプリングクラッチ5のコイルスプリング4に対する対向面は、例えば研磨処理やローレット加工を施すことにより、積極的に大きな表面粗さとしてもよい。含油性が向上するからである。一方、上記対向面は、例えばメッキ処理を施すことにより、積極的に小さな表面粗さとしてもよい。これによれば、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5との間の摺動抵抗の安定化が図られると共に摩耗低減が実現されるからである。
[10]また、上記実施形態において、プーリ3は、エンジンブロック101とアーム部2aを挟んで反対側に配されるが、これに代えて、エンジンブロック101とアーム部2aとの間に配してもよい。
[11]また、上記実施形態において、コイルスプリング4及びスプリングクラッチ5は、金属性とするのがよいだろう。金属間摺動は、例えば樹脂-樹脂間摺動や樹脂-金属間摺動などと比較して、耐久性に優れるからである。このように金属間摺動を採用すると、比較的安定した摺動摩擦が得られるので、上記のクラッチ効果(滑らかに発揮されるか否かに拘わない。)が設計通りに発揮され、もって、スプリングクラッチ5元来の役割であるコイルスプリング4の弾性変形量の制限ないしオートテンショナ100の長寿命化が図られると共に、当該制限に付随するかたちでコイルスプリング4のコンパクト化が実現される。コイルスプリング4のコンパクト化は、オートテンショナ100自体のコンパクト化や原材料費の低減、エンジンルームへの搭載性の向上など多方面に亘って歓迎され得る。
[12]また、上記実施形態において、コイルスプリング4の巻方向を、伝動ベルト102が弛緩される方向へ可動部材2が回動したときに拡径するように設定する場合は、前述した定常状態においてコイルスプリング4とスプリングクラッチ5との間に若干の間隙が存在していてもよい。この場合、伝動ベルト102が緊張される方向へ可動部材2が回動したときは、コイルスプリング4は縮径するのでスプリングクラッチ5はコイルスプリング4に対して当接することはない。一方、伝動ベルト102が弛緩される方向へ可動部材2が回動したときは、コイルスプリング4は拡径し、スプリングクラッチ5がコイルスプリング4に対して当接する(即ち、当接可能な構成である。)。そして、スプリングクラッチ5によって奏されるクラッチ効果により、コイルスプリング4のそれ以上の捩じれ(可動部材2の回動、伝動ベルト102の弛緩)が制限される。以上の構成によれば、伝動ベルト102が弛緩される方向へ可動部材2が回動したとき以外は、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5とが非接触状態にあることから、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5との間の摺動面の摩耗低減が実現されるだろう。
<スプリングクラッチ5の配設位置についての考察>
最後に、スプリングクラッチ5の配設位置について若干の考察を行う。即ち、同一半径のコイルスプリング4の(i)外周側にスプリングクラッチ5を配する構成と、(ii)内周側にスプリングクラッチ5を配する構成と、を比較すると以下の点を言及できる。
(a)第一に、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5との摺動面と回動軸Cとの間の離間距離が、前者(i)と後者(ii)では異なり、後者(ii)の離間距離は前者(i)の離間距離と比較して小さい。従って、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5との摺動面に生ずる面圧及び摺動面積を同じとしたときに発生する摩擦トルクは、後者(ii)の方が必然的に小さくなる。
(b)第二に、後者(ii)は、前者(i)と比較して上記摺動面の径が小さく、加工公差による影響を受け易く、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5との密着が若干劣る。この意味で、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5との摺動面に生ずる摩擦トルクは、後者(ii)の方が小さくなるだろう。
上記(a)及び(b)を理由に後者(ii)は前者(i)と比較して、コイルスプリング4とスプリングクラッチ5との間に生ずる摩擦トルクが小さくなるので、この後者(ii)の構成は、クランク軸の回転変動に対する追従性ないし即応性を重視する設計に好適だろう。
付言するならば、後者(ii)の構成は、前者(i)の構成と比較して、「内周側に配する」という点において、オートテンショナ100のコンパクト化に寄与する。
本発明の一実施形態に係るオートテンショナの断面図 本発明の一実施形態に係るオートテンショナの正面図
符号の説明
1 固定部材
2 可動部材
2a アーム部
3 プーリ
4 コイルスプリング
5 スプリングクラッチ
100 オートテンショナ

Claims (7)

  1. 固定部材と、
    この固定部材に回動自在に支持されるアーム状の可動部材と、
    この可動部材のアーム部に設けられると共にベルトに接触可能なプーリと、
    上記の可動部材を前記固定部材に対して所定の方向に付勢するコイルスプリングと、
    を備えるオートテンショナにおいて、
    前記コイルスプリングに対して外周側又は内周側から当接し若しくは当接可能なスプリングクラッチを設け、
    このスプリングクラッチの一端を固定端として前記の固定部材又は可動部材の何れか一方に固定し、その他端を自由端とする、
    ことを特徴とするオートテンショナ
  2. 前記スプリングクラッチを前記コイルスプリングの外周側に配するものとし、
    このスプリングクラッチは、
    前記固定端が前記固定部材に固定されるものとし、この固定端から前記自由端へ向かって、前記ベルトが弛緩する前記可動部材の回動方向と同一方向へ延在するように配される、又は、前記固定端が前記可動部材に固定されるものとし、この固定端から前記自由端へ向かって、前記ベルトが弛緩する前記可動部材の回動方向と逆方向へ延在するように配される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のオートテンショナ
  3. 前記スプリングクラッチを前記コイルスプリングの内周側に配するものとし、
    このスプリングクラッチは、
    前記固定端が前記固定部材に固定されるものとし、この固定端から前記自由端へ向かって、前記ベルトが弛緩する前記可動部材の回動方向と逆方向へ延在するように配される、又は、前記固定端が前記可動部材に固定されるものとし、この固定端から前記自由端へ向かって、前記ベルトが弛緩する前記可動部材の回動方向と同一方向へ延在するように配される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のオートテンショナ
  4. 前記コイルスプリングの巻方向は、前記ベルトが弛緩される方向へ前記可動部材が回動したときに拡径するように設定される、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のオートテンショナ
  5. 前記コイルスプリングの巻方向は、前記ベルトが弛緩される方向へ前記可動部材が回動したときに縮径するように設定される、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のオートテンショナ
  6. 前記スプリングクラッチの延在長さは、前記コイルスプリングに対して軸回りに360度以内で当接するように設定される、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のオートテンショナ
  7. 前記スプリングクラッチは所定幅の板バネから成る、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のオートテンショナ
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