JP2007231968A - オートテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型のオートテンショナを提供する。
【解決手段】オートテンショナ1は、ハウジング20と、揺動アーム30と、プーリ40とを有している。ハウジング20と揺動アーム30との間に形成されたバネ収容室60にはコイルスプリング50が収められており、コイルスプリング50は、一端がハウジング20に、他端が揺動アーム30にそれぞれ固定されており、揺動アーム30をコイルスプリング50が巻き締められる方向である揺動方向Xに付勢する。ハウジング20は、コイルスプリング50と当接する内周面25を有している。揺動アーム30が揺動方向Xに揺動するときには、コイルスプリング50が内周面25に対して実質的にフリーに回転し、揺動アーム30が揺動方向Yに揺動するときには、コイルスプリング50の外周面が内周面25を押圧することにより、コイルスプリング50が内周面25に対して静止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルトの張力を適度に保つオートテンショナに関する。
自動車エンジンなどの補機駆動のためのベルトにおいては、エンジン燃焼に起因する回転変動によってベルトの滑りが発生し、ベルトの摩耗や騒音といった問題が生じる。これを解決するため、ベルトの張力を一定に保つオートテンショナが採用されている。
このようなオートテンショナは、ベルトの伸びや磨耗などによりベルト張力が低下した場合に、コイルスプリングの弾性力を利用してベルト張力を増大させ、その張力を一定に保つように作用する。一方で、ベルト張力が急激に増大した場合に、オートテンショナがベルトを弛ませるように作用すると、ベルト張力の低下により、ベルトに滑りが発生してしまう。そのためオートテンショナには、ベルト張力が増大した場合に、ベルトを必要以上に弛ませないことが要求される。
このような要求を満たすため、特許文献1に開示されているオートテンショナは、ベルトの引張側区分に位置している状況では、ハウジングに対するローラキャリヤ(揺動アーム)の旋回運動を、ベルト張力を増加させる一の方向では可能にする一方で、ベルト張力を低下させる他の方向については制限または阻止する一方向クラッチの機能を有している。このクラッチ機構は、カムを備えるカムディスクを有し、カムディスクとハウジングとの間に複数のスプラグ(転動体)が設けられており、カムディスクとスプラグとハウジングとの間に摩擦力が発生するように構成されている。
特開2004−11915号公報
しかしながら、特許文献1のような従来のオートテンショナは、ベルト張力調整機構であるコイルスプリングと一方向クラッチ機構とをそれぞれ有するためにオートテンショナの装置構成が複雑になり、オートテンショナが大掛かりなものとなる。
また、従来のオートテンショナにおいては、コイルスプリングの周囲に、コイルスプリングの拡径及び縮径を許容する空間が確保されているため、ベルト張力が変動するときの揺動アームの揺動幅が大きく、コイルスプリングへの負荷が大きい。そこで、コイルスプリングの強度を確保するためにコイルスプリングを大きくする必要があり、オートテンショナが大掛かりなものとなる。
従って、本発明は、小型のオートテンショナを提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記目的を達成するために、本発明によるオートテンショナは、固定部材と、当該固定部材に揺動可能に支持される揺動アームと、当該揺動アームの先端に回転可能に支持されるプーリと、前記固定部材と前記揺動アームとの間に形成されたバネ収容室と、当該バネ収容室に収められており、前記揺動アームを前記固定部材に対し一の揺動方向に付勢するコイルスプリングとを備えている。前記一の揺動方向は、前記コイルスプリングが巻き締められる方向であり、前記コイルスプリングは、一端が前記固定部材に、他端が前記揺動アームにそれぞれ固定されており、前記揺動アーム及び前記固定部材の少なくともいずれか一方は、前記コイルスプリングと当接する内周面を有しており、前記揺動アームが前記一の揺動方向に揺動するときには、前記コイルスプリングが前記内周面に対して実質的にフリーに回転し、前記揺動アームが他の揺動方向に揺動するときには、前記コイルスプリングの外周面が前記内周面を押圧することにより、前記コイルスプリングが前記内周面に対して静止する。
この構成によると、一つのコイルスプリングが、ベルト張力調整機能と一方向クラッチ機能とを兼有するため、オートテンショナの装置構成を簡略化できる。さらに、コイルスプリングの拡径を許容する空間を確保している場合に比べて、コイルスプリングが拡径する方向への揺動アームの揺動幅が小さくなるためにコイルスプリングへの負荷が軽減され、コイルスプリングを小型化できる。以上により、小型のオートテンショナが得られる。
本発明によるオートテンショナは、前記内周面の表面に微細な凹凸を有していてもよい。これによると、表面の含油性が向上し、コイルスプリングが縮径する方向への揺動アームの揺動がスムーズになり、コイルスプリングへの負荷をさらに軽減できる。
前記コイルスプリングを前記バネ収容室から取り出したときに、前記コイルスプリングの前記内周面と当接する領域における外径が、対応する前記内周面の内径よりも大きくてもよい。これによると、一方向クラッチの効果がさらに向上する。
別の観点において、本発明によるオートテンショナは、固定部材と、当該固定部材に揺動可能に支持される揺動アームと、当該揺動アームの先端に回転可能に支持されるプーリと、前記固定部材と前記揺動アームとの間に形成されたバネ収容室と、当該バネ収容室に収められており、前記揺動アームを前記固定部材に対し一の揺動方向に付勢するコイルスプリングとを備えている。前記一の揺動方向は、前記コイルスプリングが巻き締められる方向であり、前記コイルスプリングは、一端が前記固定部材に、他端が前記揺動アームにそれぞれ固定されており、前記揺動アーム及び前記固定部材の少なくともいずれか一方には、前記コイルスプリングと当接し且つ前記コイルスプリングとの動摩擦係数が前記揺動アーム及び前記固定部材よりも小さい低摩擦抵抗部材が取り付けられている。前記揺動アームが前記一の揺動方向に揺動するときには、前記コイルスプリングが前記低摩擦抵抗部材に対して実質的にフリーに回転し、前記揺動アームが他の揺動方向に揺動するときには、前記コイルスプリングの外周面が前記低摩擦抵抗部材を押圧することにより、前記コイルスプリングが前記低摩擦抵抗部材に対して静止する。
この構成によると、一つのコイルスプリングが、ベルト張力調整機能と一方向クラッチ機能とを兼有するため、オートテンショナの装置構成を簡略化できる。さらに、コイルスプリングが縮径する方向への揺動アームの揺動がスムーズになり、且つ、コイルスプリングの拡径を許容する空間を確保している場合に比べて、コイルスプリングが拡径する方向への揺動アームの揺動幅が小さくなるためにコイルスプリングへの負荷が軽減され、コイルスプリングを小型化できる。以上により、小型のオートテンショナが得られる。
前記低摩擦抵抗部材は、前記揺動アーム及び前記固定部材の少なくともいずれか一方に、前記揺動アーム又は前記固定部材と摺動可能に配置されていてもよい。これによると、一方向クラッチ動作時のコイルスプリングへの負荷をさらに軽減できる。
前記低摩擦抵抗部材は、前記固定部材の軸方向について前記揺動アーム側の端部近傍に配置されていてもよい。これによると、低摩擦抵抗部材の交換が容易になる。また、低摩擦抵抗部材の軸方向長さを短くできる。
本発明によるオートテンショナは、前記低摩擦抵抗部材の表面に微細な凹凸を有していてもよい。これによると、表面の含油性が向上し、コイルスプリングが縮径する方向への揺動アームの揺動がスムーズになり、コイルスプリングへの負荷をさらに軽減できる。
前記コイルスプリングを前記バネ収容室から取り出したときに、前記コイルスプリングの前記低摩擦抵抗部材と当接する領域における外径が、対応する前記低摩擦抵抗部材の内径よりも大きくてもよい。これによると、一方向クラッチの効果がさらに向上する。
前記コイルスプリングは、断面が四角形である線状体が螺旋状に巻回されたものであってもよい。これによると、一方向クラッチの効果がさらに向上する。
本発明によるオートテンショナには、前記揺動アームと前記固定部材との間にOリングが配置されていてもよい。これによると、揺動アームと固定部材との間の隙間がなくなり、揺動動作が安定する。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ、説明する。
ここでは、本発明に係るオートテンショナが自動車のエンジンブロックに設置されている実施形態に関して説明する。
図1は本発明の第一の実施形態に係るオートテンショナの全体構成を示す軸方向断面図である。また、図5は、図1のオートテンショナの内周面の表面近傍の概略を表わした拡大断面図である。
図1に示すオートテンショナ1は、エンジンブロック100に対してボルト23によって固定される有底筒状のハウジング20と、このハウジング20に対してボルト23により揺動可能に支持される揺動アーム30と、揺動アーム30の先端に回転可能に支持されるプーリ40とを有しており、ハウジング20と揺動アーム40との間はバネ収容室60が形成され、バネ収容室60にはコイルスプリング50が収められている。また、ハウジング20は、コイルスプリング50の外周面と当接する内周面25を有しており、内周面25は、その表面に微細な凹凸を有している。より詳細には、図5に示すように、内周面25の表面にはピッチが約500μm、深さが約100μmの溝が格子状に形成されており、さらに磨耗防止のためのグリース300が塗布されている。
コイルスプリング50は、断面が四角形である線状体が螺旋状に巻回されたものであり、一端がハウジング20に、他端が揺動アーム30にそれぞれ圧入により嵌合固定されている。また、軸方向について揺動アーム30と対向するハウジング20の端面には、表面硬化された金属板22が固定ビス24により固定されており、軸方向について揺動アーム30と金属板22との間には、Oリング21が配置されている。
また、コイルスプリング50は、バネ収容室60から取り出したときに、コイルスプリング50の内周面25と当接する領域における外径が、対応する内周面25の内径よりも大きくなるように設計されている。
また、オートテンショナ1の組み立て段階においては、揺動アーム30の固定を安定させるために、コイルスプリング50は、軸方向に圧縮された状態でバネ収容室60に収容される必要がある。そのため、揺動アーム30にはボルト座面を有する筒状のスペーサ31が嵌挿されており、軸方向に圧縮したコイルスプリング50がバネ収容室60に収容され、スペーサ31の端部がハウジング29に圧入固定されて、ボルト締め付け前のサブアッセンブリ状態となる。その後、スペーサ31、ハウジング20を貫通させてボルト23がエンジンブロック100に対して締め付けられることにより、オートテンショナ1全体が固定される。
また、揺動アーム30のスペーサ31との当接面にはブッシュ32が設けられている。これにより、スペーサ31とブッシュ32の間での摩擦抵抗が安定し、揺動アーム30がハウジング20に対してスムーズに揺動できる。
また、プーリ40の外周面にはベルト(図示せず)が当接している。このベルトは、エンジンのクランクシャフト(図示せず)及び他のベルトプーリ(図示せず)にも巻き掛けられており、クランクシャフトの動力を他のベルトプーリに伝達している。
また、オートテンショナ1において、コイルスプリング50には、コイルスプリング50が巻き締められる方向への弾性的エネルギーが蓄えられた状態になっている。そのため、コイルスプリング50は、揺動アーム30を、ハウジング20に対し図1の矢印Xで示される揺動方向に付勢している。これにより、ベルトには適当な張力が与えられている。ここで、揺動方向Xはコイルスプリング50が巻き締められる方向である。また、揺動方向Xはベルトの張力を増加させる方向でもある。一方、揺動方向Xとは逆方向の揺動方向Y(図1の矢印Y方向)はコイルスプリング50が巻き緩められる方向である。また、揺動方向Yはベルトの張力を減少させる方向でもある。
以上のように、揺動アーム30とハウジング20とは、コイルスプリング50を介して弾性的に連結されている。
次に、図1のオートテンショナ1の動作について説明する。
クランクシャフトの回転がベルトを介して各ベルトプーリに伝達されている状態で、ベルトの伸びや磨耗などによりベルト張力が低下した場合には、ハウジング20に対して揺動方向Xに付勢されている揺動アーム30により、ベルト張力が増大し、ベルトの張力が一定に保たれる。揺動方向Xはコイルスプリング50の巻き締まり方向であるので、揺動アーム30が揺動方向Xに揺動するときには、コイルスプリング50は縮径変形する。オートテンショナ1においては、コイルスプリング50の縮径を許容する空間がコイルスプリング50の径方向内部に確保されており、コイルスプリング50の外周面と内周面25との間で、径方向に関して働く当接力が緩和されて摺動可能となり、コイルスプリング50が内周面25に対して実質的にフリーに回転する。すなわち、コイルスプリング50の他端が固定された揺動アーム30は、ハウジング20に対して揺動方向Xへ実質的にフリーに揺動することができる。
一方、クランクシャフトの回転がベルトを介して各ベルトプーリに伝達されている状態で、ベルト張力が急激に増大した場合には、ベルトにより、揺動アーム30に対して揺動方向Yへ揺動させようとする力が加えられる。ここで、揺動方向Yはコイルスプリング50の巻き弛み方向であるので、揺動アーム30が揺動方向Yへ揺動することによりコイルスプリング50は拡径変形することになる。しかし、オートテンショナ1においては、コイルスプリング50の外周面は、ハウジング20の内周面25と当接しており、コイルスプリングの拡径を許容する空間が確保されていない。そのため、コイルスプリング50の外周面が内周面25を押圧することにより、コイルスプリング50の外周面と内周面25との間で、径方向に関して働く当接力が増大し、コイルスプリング50は内周面25に対して静止する。すなわち、揺動アーム30について、ハウジング20に対する揺動方向Yへの揺動が制限される。
以上のように、本実施形態に係るオートテンショナ1によると、一つのコイルスプリング50が、ベルト張力調整機能と一方向クラッチ機能とを兼有するため、オートテンショナ1の装置構成を簡略化できる。さらに、コイルスプリング50の拡径を許容する空間を確保している場合に比べて、コイルスプリング50が拡径する方向への揺動アーム30の揺動幅が小さくなるために、コイルスプリング50への負荷が軽減される。コイルスプリング50へ加えられる負荷が大きいほど、コイルスプリング50を大きく設計する必要があるが、コイルスプリング50への負荷が軽減されることでコイルスプリング50を小型化することができる。以上により、小型のオートテンショナ1が得られる。オートテンショナ1を小型化することにより、製作コストを低減でき、オートテンショナ全体を軽量化でき、さらに自動車などにおいて設置スペースを小さくすることができる。
また、オートテンショナ1においては、内周面25の表面に微細な凹凸を有しているために、内周面25表面に塗布したグリースの含油性が向上し、コイルスプリング50の縮径方向への揺動アーム30の揺動がスムーズになり、コイルスプリング50への負荷をさらに軽減できる。
また、コイルスプリング50をバネ収容室60から取り出したときに、コイルスプリング50の内周面25と当接する領域における外径が、対応する内周面25の内径よりも大きいために、両者の当接部分において径方向に関して働く当接力が大きくなり、一方向クラッチの効果がさらに向上する。
また、コイルスプリング50は、断面が四角形である線状体が螺旋状に巻回されたものであるために、内周面25との当接面積が大きくなることで両者間の当接力が増大し、一方向クラッチの効果がさらに向上する。
また、オートテンショナ1には、揺動アーム30とハウジング20との間にOリング21が配置されている。これにより、揺動アーム30とハウジング20との間の隙間がなくなるので揺動アーム30の揺動動作が安定する。
また、オートテンショナ1において、コイルスプリング50の揺動方向Yへの拡径変形の過程においては、揺動アーム30の揺動方向Yへの揺動に対する制動力が緩やかに増大するので、オートテンショナ1の各部に作用する衝撃が緩和され、オートテンショナ1の耐久性が向上する。
次に、図2及び図3を用いて、本発明の第二の実施形態に係るオートテンショナに関して、第一の実施形態に係るオートテンショナ1と特徴が異なる点を中心に以下に説明する。なお、本実施形態においては、第一の実施形態の構成部材と同様の部分(220、221、222、223、230、231、232、240、250、260、200)については、第一の実施形態の符号(20、21、22、23、30、31、32、40、50、60、100)の部分にそれぞれ順に合致させて示しており、かかる同様の部分の説明が省略されることがある。
図2は、本発明の第二の実施形態に係るオートテンショナの全体構成を示す軸方向断面図である。図3は、図2のオートテンショナのIII−III断面図である。
図2に示すオートテンショナ2のハウジング220には、コイルスプリング250と当接し、且つ、コイルスプリング250との動摩擦係数が揺動アーム230及びハウジング220よりも小さいスライドメタル226が取り付けられている。スライドメタル226は、金属板222と一体であり、ハウジング220の軸方向について揺動アーム230側の端部近傍に配置されている。また、スライドメタル226は、その表面に微細な凹凸を有しており、さらに磨耗防止のためのグリース300が塗布されている。この表面状態は、図5に示した表面状態と同様である。
また、コイルスプリング250は、バネ収容室260から取り出したときに、コイルスプリング250のスライドメタル226と当接する領域における外径が、対応するスライドメタル226の内径よりも大きくなるように設計されている。
オートテンショナ2の動作は、オートテンショナ1の動作と同様である。オートテンショナ1では、コイルスプリング50はハウジング20の内周面25に当接し、内周面25との間で摺動・押圧が行なわれるが、オートテンショナ2では、コイルスプリング250はスライドメタル226と当接し、スライドメタル226との間で摺動・押圧が行なわれる。
本実施の形態に係るオートテンショナ2によると、一つのコイルスプリング250が、ベルト張力調整機能と一方向クラッチ機能とを兼有するため、オートテンショナ2の装置構成を簡略化できる。さらに、スライドメタル226とコイルスプリング250との間の摩擦抵抗が小さいために、コイルスプリング250が縮径する方向への揺動アーム230の揺動がスムーズになる。また、コイルスプリング250の拡径を許容する空間を確保している場合に比べて、コイルスプリング250が拡径する方向への揺動アーム230の揺動幅が小さくなる。その結果、コイルスプリング250への負荷が軽減されるため、コイルスプリング250を小型化できる。以上により、小型のオートテンショナ2が得られる。
また、オートテンショナ2においては、スライドメタル226の表面に微細な凹凸を有しているために、スライドメタル226表面に塗布したグリースの含油性が向上し、コイルスプリング250の縮径方向への揺動アーム230の揺動がスムーズになり、コイルスプリング250への負荷をさらに軽減できる。
また、スライドメタル226とコイルスプリング250とが当接しているためにハウジング220とコイルスプリング250とは直接当接せず、ハウジング220の磨耗を防止できる。また、スライドメタル226及び金属板222は、固定ビス224を外すことでオートテンショナ2から取り外し可能であり、スライドメタル226や金属板222が磨耗しても新しい部品と交換できる。これらにより、オートテンショナ2の耐久性が向上する。
また、コイルスプリング250をバネ収容室260から取り出したときに、コイルスプリング250のスライドメタル226と当接する領域における外径が、対応するスライドメタル226の内径よりも大きいために、両者の当接部分において径方向に関して働く当接力が大きくなり、一方向クラッチの効果がさらに向上する。
また、スライドメタル226は、ハウジング220の軸方向について揺動アーム230側の端部近傍に配置されているため、メンテナンスの際に取り外し易く、スライドメタル226の交換が容易になる。また、スライドメタル226の軸方向長さを短くすることで、製作コストを低減できる。
次に、図4を用いて本実施形態の変形例に係るオートテンショナ2aについて説明する。図4は、本実施形態の変形例に係るオートテンショナ2aの全体構成を示す軸方向断面図である。本変形例に係るオートテンショナ2aは、上記のオートテンショナ2からボルト224を外したものであり、金属板222a及びスライドメタル226aは、ハウジング220と摺動可能に配置されている。なお、図4において、図2のオートテンショナ2と対応する部分については図2と同一の符号で表わし、その説明を省略する。
本変形例に係るオートテンショナ2aによると、コイルスプリング250とスライドメタル226aとの間での摺動・押圧だけでなく、ハウジング220とスライドメタル226aとの間での摺動・押圧も行なわれるために、負荷がコイルスプリング250に集中しないので、一方向クラッチ動作時のコイルスプリング250への負荷を軽減できる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上記の実施形態において、低摩擦抵抗部材としてスライドメタルを用いたが、これには限られず、合成樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン等)でもよい。
また、ハウジングの内周面、スライドメタル表面の凹凸については、上記の実施形態における格子状溝のピッチ、深さには限られず、ピッチ150〜1,000μm、深さ10〜200μmの範囲内で自由に設定できる。
また、上記の実施形態では、コイルスプリングと、ハウジングの内周面又はスライドメタルとの間で摺動・押圧が行なわれていたが、コイルスプリングと、揺動アームの内周面又はスライドメタルとの間で摺動・押圧が行なわれる構造であってもよい。また、コイルスプリングと、ハウジング及び揺動アームの両方の内周面又はスライドメタルとの間で摺動・押圧が行なわれる構造であってもよい。
また、上記の実施形態では、スライドメタルの表面に微細な凹凸があるとしているが、ハウジング又は揺動アームの内周面の表面に凹凸があってもよい。また、内周面、スライドメタルには必要に応じ表面硬化処理が施されていてもよい。より詳細には、浸炭、窒化、各種めっき皮膜などが施されていてもよい。
また、コイルスプリングの外周面には、摩擦抵抗の安定化と磨耗の低減のため、リン酸皮膜処理、平面度向上加工(研削等)などが施されていてもよい。
また、コイルスプリングの内周面又はスライドメタルとの当接領域において、軸方向についてハウジングから揺動アームの方向へ外径を徐々に増加させてもよい。
また、上記の実施形態において、ベルト張力が規定値以上(例えば、通常時の1.5倍以上)になったときに、コイルスプリングと、内周面又はスライドメタルとの間で滑りが生じるようにオートテンショナを調整してもよい。このようにした場合には、ベルト張力が急激に増大して規定値以上になると、揺動アームは揺動方向Yに揺動するため、コイルスプリングへの負荷を軽減できる。
本発明の第一の実施形態に係るオートテンショナの全体構成を示す軸方向断面図。 本発明の第二の実施形態に係るオートテンショナの全体構成を示す軸方向断面図。 図2のオートテンショナのIII−III断面図。 本発明の第二の実施形態の一変形例に係るオートテンショナの全体構成を示す軸方向断面図。 図1のオートテンショナの内周面の表面近傍の概略を表わした拡大断面図。
符号の説明
1、2、2a オートテンショナ
20、220 ハウジング
30、230 揺動アーム
40、240 プーリ
50、250 コイルスプリング
60、260 バネ収容室
25 内周面
226、226a スライドメタル
21、221 Oリング

Claims (10)

  1. 固定部材と、
    当該固定部材に揺動可能に支持される揺動アームと、
    当該揺動アームの先端に回転可能に支持されるプーリと、
    前記固定部材と前記揺動アームとの間に形成されたバネ収容室と、
    当該バネ収容室に収められており、前記揺動アームを前記固定部材に対し一の揺動方向に付勢するコイルスプリングとを備えたオートテンショナであって、
    前記一の揺動方向は、前記コイルスプリングが巻き締められる方向であり、
    前記コイルスプリングは、一端が前記固定部材に、他端が前記揺動アームにそれぞれ固定されており、
    前記揺動アーム及び前記固定部材の少なくともいずれか一方は、前記コイルスプリングと当接する内周面を有しており、
    前記揺動アームが前記一の揺動方向に揺動するときには、前記コイルスプリングが前記内周面に対して実質的にフリーに回転し、
    前記揺動アームが他の揺動方向に揺動するときには、前記コイルスプリングの外周面が前記内周面を押圧することにより、前記コイルスプリングが前記内周面に対して静止することを特徴とするオートテンショナ。
  2. 前記内周面の表面に微細な凹凸を有することを特徴とする請求1に記載のオートテンショナ。
  3. 前記コイルスプリングを前記バネ収容室から取り出したときに、前記コイルスプリングの前記内周面と当接する領域における外径が、対応する前記内周面の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のオートテンショナ。
  4. 固定部材と、
    当該固定部材に揺動可能に支持される揺動アームと、
    当該揺動アームの先端に回転可能に支持されるプーリと、
    前記固定部材と前記揺動アームとの間に形成されたバネ収容室と、
    当該バネ収容室に収められており、前記揺動アームを前記固定部材に対し一の揺動方向に付勢するコイルスプリングとを備えたオートテンショナであって、
    前記一の揺動方向は、前記コイルスプリングが巻き締められる方向であり、
    前記コイルスプリングは、一端が前記固定部材に、他端が前記揺動アームにそれぞれ固定されており、
    前記揺動アーム及び前記固定部材の少なくともいずれか一方には、前記コイルスプリングと当接し且つ前記コイルスプリングとの動摩擦係数が前記揺動アーム及び前記固定部材よりも小さい低摩擦抵抗部材が取り付けられており、
    前記揺動アームが前記一の揺動方向に揺動するときには、前記コイルスプリングが前記低摩擦抵抗部材に対して実質的にフリーに回転し、
    前記揺動アームが他の揺動方向に揺動するときには、前記コイルスプリングの外周面が前記低摩擦抵抗部材を押圧することにより、前記コイルスプリングが前記低摩擦抵抗部材に対して静止することを特徴とするオートテンショナ。
  5. 前記低摩擦抵抗部材は、前記揺動アーム及び前記固定部材の少なくともいずれか一方に、前記揺動アーム又は前記固定部材と摺動可能に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のオートテンショナ。
  6. 前記低摩擦抵抗部材は、前記固定部材の軸方向について前記揺動アーム側の端部近傍に配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のオートテンショナ。
  7. 前記低摩擦抵抗部材の表面に微細な凹凸を有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のオートテンショナ。
  8. 前記コイルスプリングを前記バネ収容室から取り出したときに、前記コイルスプリングの前記低摩擦抵抗部材と当接する領域における外径が、対応する前記低摩擦抵抗部材の内径よりも大きいことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のオートテンショナ。
  9. 前記コイルスプリングは、断面が四角形である線状体が螺旋状に巻回されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のオートテンショナ。
  10. 前記揺動アームと前記固定部材との間にOリングが配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のオートテンショナ。
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