JP2006329407A - プーリユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】低ねじり剛性のプーリユニットにおいて、すでに配設されているねじりコイルばねを利用したばねクラッチ機構を設けることにより、体格およびコストを増やすことなしに、共振点でのベルト滑りやベルト鳴きの問題を解消する。
【解決手段】低ねじり剛性のプーリユニットにおいて、すでに配設されているねじりコイルばね31と、ねじりコイルばね31の自由端と係合する係合面を備えるラチェット32と、ラチェット32をねじりコイルばね31と係合する方向に付勢する付勢ばね33とにより、ばねクラッチ機構を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明はプーリユニットに関し、特に低ねじり剛性のプーリユニットに関する。
従来から、プーリユニットは、例えば自動車エンジンのクランクシャフトやそれに付設される補機などに装着されて使用されている。近年、燃費対策として、回転変動吸収性能を向上させた低ねじり剛性のプーリユニットが提案されている。
従来の低ねじり剛性のプーリユニットは、図4に示すように、プーリ101と、中空軸102と、ねじりコイルばね131と、玉軸受104と、ブッシュ105と、抜け止め環106とから、その主要部が構成されている。
プーリ101は、例えば自動車エンジンのクランク軸によりVリブ形状のベルト(図示せず)を介して回転駆動されるもので、その外周にはベルトが巻き掛けられる波状溝が形成されている。
中空軸102は、中心に貫通孔を有し、この貫通孔に対して図示しないが自動車エンジンに付設される補機の入力軸(例えば、オルタネータのロータ)などが挿入固定される。この中空軸102は、プーリ101の内周に同心に挿通されている。
ねじりコイルばね131は、例えば高張力ばね鋼部材で断面有機四角形状のコイルに形成されており、中空軸102の外周中程に挿着され、その軸方向基端(図4において右端)はプーリ101の内周段差面に固着され、軸方向末端(図4において左端)は中空軸102の外周段差面に固着されている。
玉軸受104は、プーリ101と中空軸102との間の対向環状間隙において中空軸102の基端側に配設されており、複数の玉141と、内輪142と、外輪143と、複数の玉141を保持する保持リング144と、封入されている潤滑油をシールドするシーリング145とから構成されている。
ブッシュ105は、プーリ101と中空軸102との間の対向環状間隙において中空軸102の自由端側に配設されている。
抜け止め環106は、中空軸102の基端外周に固定され、玉軸受104が中空軸102から抜けるのを防止している。
なお、プーリ101の軸方向自由端には、シールリング107が装着されており、玉軸受104,ねじりコイルばね131およびブッシュ105が配置される対向環状間隙内に所定の潤滑剤が封入されている。
このような従来のプーリユニットでは、プーリ101の回転速度が中空軸102よりも相対的に速くなると、ねじりコイルばね131がねじれて相対速度差を吸収しながらプーリ101の回転に追従するように中空軸102を回転させる。また、プーリ101の回転速度が中空軸102よりも相対的に遅くなると、ねじりコイルばね31が反対側にねじれて相対速度差を吸収しながらプーリ101の回転を追い越すように中空軸102の回転を許容する。
従来の低ねじり剛性のプーリユニットでは、共振点をアイドル周波数以下の周波数に設定しているが、エンジンの始動時や停止時には、アイドル周波数を通過するためのベルト滑りやベルト鳴きが発生するという問題がある。
このため、一方向クラッチを設けることによって共振周波数でも一方向クラッチが離脱することにより、共振を増幅させないようにしたプーリユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2001−523325号公報(第27−36頁、図2−5)
上述した従来の低ねじり剛性のプーリユニットは、一方向クラッチを設けることによって共振周波数でもクラッチが離脱することにより共振を増幅させない構造になっているが、一方向クラッチが追加となり、体格アップおよびコストアップとなっているという課題がある。
このような事情に鑑み、本発明は、低ねじり剛性のプーリユニットにおいて、すでに配設されているねじりコイルばねを利用したばねクラッチ機構を設けることにより、体格およびコストを増やすことなしに、ベルト滑りやベルト鳴きの問題を解消することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
請求項1記載のプーリユニットは、同心に配設される軸体および環体と、軸体に挿着され、軸体と環体との間の対向環状間隙に介装されるねじりコイルばねと、前記対向環状間隙においてねじりコイルばねの少なくとも一方側に配設される転がり軸受とを備える低ねじり剛性のプーリユニットにおいて、前記ねじりコイルばねが、該ねじりコイルばねの自由端と係合する係合面を有するラチェットと、該ラチェットを前記ねじりコイルばねと係合する方向に付勢する付勢手段とからなるばねクラッチ機構を備えることを特徴とする。請求項1記載のプーリユニットによれば、別途に一方向クラッチを追加したタイプに比べて体格が小さく、かつ低コストで、共振点でのベルト滑りやベルト鳴きを防止することができるという効果がある。
請求項2記載のプーリユニットは、請求項1記載のプーリユニットにおいて、前記ラチェットが、前記軸体に穿設された収納凹部に浮沈自在に配設されていることを特徴とする。請求項2記載のプーリユニットによれば、ラチェットの配置に新規な部品を必要としないので、きわめて容易かつ安価にラチェットを配置することができる。
請求項3記載のプーリユニットは、請求項2記載のプーリユニットにおいて、前記ラチェットは、前記ねじりコイルばねとの摺接面を、前記ねじりコイルばねと前記軸体との同期回転方向に向かうほど高くなる斜面とし、かつ前記ねじりコイルばねと前記軸体との同期回転方向とは反対側の側面が円弧面となっていることを特徴とする。請求項3記載のプーリユニットによれば、ラチェットが円弧面を中心として揺動し、ねじりコイルばねの回転に伴うラチェットとの係合、離脱を円滑に制御できる。
請求項4記載のプーリユニットは、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプーリユニットにおいて、前記付勢手段は、伸張性のコイルばねで形成されていて、前記軸体の収納凹部と前記ラチェットとの間に介挿されて配置されていることを特徴とする。請求項4記載のプーリユニットによれば、付勢手段がねじりコイルばねと接触することなく、ねじりコイルばねの回転に伴うラチェットの収納凹部に対する浮沈を円滑に制御できる。
請求項5記載のプーリユニットは、同心に配設される軸体および環体と、軸体に挿着され、軸体と環体との間の対向環状間隙に介装されるねじりコイルばねと、前記対向環状間隙においてねじりコイルばねの少なくとも一方側に配設される転がり軸受とを備える低ねじり剛性のプーリユニットにおいて、前記ねじりコイルばねと、該ねじりコイルばねの自由端と係合する係合面を有し、かつ該係合面が前記ねじりコイルばねと係合する方向への付勢弾性を有するラチェットとからなるばねクラッチ機構を備えることを特徴とする。請求項5記載のプーリユニットによれば、ラチェットが自身をねじりコイルばねと係合する方向に付勢する弾性を有するので、少ない部品点数でばねクラッチ機構を構成することができる。
請求項6記載のプーリユニットは、請求項5記載のプーリユニットにおいて、前記ラチェットは、前記軸体に穿設された収納凹部に浮沈自在に配設されていることを特徴とする。請求項6記載のプーリユニットによれば、ラチェットの配置に新規な部品を必要としないので、きわめて容易かつ安価にラチェットを配置することができる。
請求項7記載のプーリユニットは、請求項5または請求項6記載のプーリユニットにおいて、前記ラチェットは、ばね座金でなり、前記ねじりコイルばねと前記軸体との同期回転方向に次第に高くなるように前記収納凹部内に収納されていて、ばね座面を前記係合面とすることを特徴とする。請求項7記載のプーリユニットによれば、ラチェットとしてばね座金を使用するので、ばね座金とねじりコイルばねとによってばねクラッチ機構をきわめて簡単に構成することができる。
低ねじり剛性のプーリユニットにおいて、すでに配設されているねじりコイルばねを利用したばねクラッチ機構を設けることにより、体格およびコストを増やすことなしに、共振点でのベルト滑りやベルト鳴きの問題を解消した。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るプーリユニットの軸方向に沿った断面図である。本実施例1に係るプーリユニットは、プーリ1と、中空軸2と、ばねクラッチ機構3と、玉軸受4と、ブッシュ5と、抜け止め環6とから、その主要部が構成されている。
プーリ1は、例えば自動車エンジンのクランク軸によりVリブ形状のベルト(図示せず)を介して回転駆動されるもので、その外周にはベルトが巻き掛けられる波状溝が形成されている。
中空軸2は、中心に貫通孔を有し、この貫通孔に対して図示しないが自動車エンジンに付設される補機の入力軸(例えば、オルタネータのロータ)などが挿入固定される。中空軸2は、プーリ1の内周に同心に挿通されている。プーリ1と中空軸2との間の対向環状間隙に、ブッシュ5、ばねクラッチ機構3および玉軸受4を軸方向基端側から順番に簡単に組み込めるようにするために、中空軸2は、ブッシュ5に対応する外径寸法、ばねクラッチ機構3に対応する外径寸法、玉軸受4に対応する外径寸法の順に小さくなっている。
ばねクラッチ機構3は、プーリ1と中空軸2との間の対向環状間隙の軸方向中央に介装されるもので、中空軸2に挿着されたねじりコイルばね31と、ねじりコイルばね31の自由端31aと係合するラチェット32と、ラチェット32を付勢するコイルばねでなる付勢ばね33とから構成されている。
ねじりコイルばね31は、例えば高張力ばね鋼部材で断面有機四角形状のコイルに形成されており、その基端部はプーリ1の内周段差面に、例えばプレス嵌め等により固着され、自由端31aはラチェット32の係合面32aに係脱自在となっている(図2(a)参照))。
ラチェット32は、図2(a)および(b)に示すように、ラチェット32の上面でなる、ねじりコイルばね31との摺接面32cをねじりコイルばね31と中空軸2との同期回転方向に向かうほど高くなる斜面とし、かつねじりコイルばね31と中空軸2との同期回転方向とは反対側の側面(すなわち、係合面32aとは反対側の側面)を円弧面32dとしている。ラチェット32は、円弧面32dを中心として揺動することにより、ねじりコイルばね31の回転に伴うラチェット32の収納凹部21に対する浮沈を円滑に行えるようにしている。
付勢ばね33は、例えば伸張性のコイルばね(図2(a)および(b)参照))で形成されていて、中空軸2の収納凹部21とラチェット32の底面壁に穿設された穴32bとの間に介挿されて配置されている。この付勢ばね33の伸張弾力により、ラチェット32は、通常は、収納凹部21内から浮上されていて係合面32aをねじりコイルばね31の自由端31aに係合させている(図2(a)参照))。しかし、ねじりコイルばね31に同期回転方向とは反対方向の回転力が加わると、図2(b)に示すように、ラチェット32は、ねじりコイルばね31に押されて、収納凹部21内に沈み込み、ねじりコイルばね31を係止せずに逃すようになっている。なお、本実施例1では、付勢手段として、伸張性のコイルばねでなる付勢ばね33を使用したが、板ばね等の他の付勢手段を使用することもできる。
玉軸受4は、プーリ1と中空軸2との間の対向環状間隙において中空軸2の基端側に配設されており、複数の玉41と、内輪42と、外輪43と、複数の玉41を保持する保持リング44と、封入されている潤滑油をシールドするシーリング45とから構成されている。内輪42は、中空軸2の外周面に、例えばプレス嵌めによって固定されている。外輪43は、プーリ1の内周面に、例えばプレス嵌めによって固定されている。なお、本実施例1では、転がり軸受けとして玉軸受4を使用したが、玉軸受4の代わりに、ころ軸受を使用することもできる。
ブッシュ5は、プーリ1と中空軸2との間の対向環状間隙において中空軸2の自由端側に配設されている。ブッシュ5は、潤滑油含浸金属等でリング状に形成され、プーリ1の内周面に嵌め込み固定されている。ブッシュ5の内周面は、中空軸2の外周面と摩擦摺接している。なお、本実施例1では、ブッシュ5としたが、玉軸受またはころ軸受でなる転がり軸受を使用することもできる。
抜け止め環6は、中空軸2の基端外周面に、例えばプレス嵌めにより嵌合固定され、玉軸受4が中空軸2から抜けるのを防止している。
なお、プーリ1の軸方向自由端には、シールリング7が装着されており、玉軸受4、ばねクラッチ機構3およびブッシュ5が配置される対向環状間隙内に所定の潤滑剤が封入されている。
図2(a)および(b)は、ねじりコイルばね31とラチェット32との動作を説明する模式図である。なお、図2(a)および(b)は、あくまでも動作説明のための図であり、図1における各部材の寸法関係等は保たれていない。
次に、このように構成された実施例1に係るプーリユニットの動作について、図1および図2を用いて説明する。
エンジンの始動等によって、ベルトの駆動力がプーリ1に印加されると、プーリ1が回転し(以下、この回転方向を同期回転方向という)、図2(a)に示すように、プーリ1に基端を固定されたねじりコイルばね31も矢印で示す同期回転方向に回転し始める。そして、ねじりコイルばね31は、その自由端31aを、中空軸2の収納凹部21から浮上しているラチェット32の係合面32aに係合させる。このため、ねじりコイルばね31からトルクを加えられた中空軸2も、プーリ1およびねじりコイルばね31とともに同期回転方向に回転を始める。プーリ1に印加されるベルトからの駆動力が増加するに従って、ねじりコイルばね31は、その応力範囲内で撓みを増しながらラチェット32を介して中空軸2にトルクを伝達し続け、中空軸2が回転し続ける。プーリ1の回転が定速に達すると、プーリ1と中空軸2とが一体化して同期回転をし続ける。
一方、エンジンの減速または停止等によって、ベルトの駆動力が減少すると、これに伴ってプーリ1の回転速度は低下するが、中空軸2は、機械的に結合された機器(例えば、オルタネータ)の慣性によって速度変化に抗して速い回転速度で回転し続けようとする。すると、プーリ1の回転速度が中空軸2の回転速度よりも相対的に遅くなるので、図2(b)に示すように、ねじりコイルばね31が中空軸2に対して相対的に同期回転方向とは反対方向に回転して、その自由端31aがラチェット32の係合面32aから離間してフリー状態となる。これと同時に、ねじりコイルばね31の相対的な同期回転方向とは反対方向への回転により、ラチェット32の摺接面32cが押され、ラチェット32が付勢ばね33の伸張弾力に抗して収納凹部21内に沈み込む。このため、プーリ1からねじりコイルばね31を介して中空軸2に伝達されていたトルクが遮断され、中空軸2は回転慣性力のみで回転を継続するようになる。すなわち、コイルばね31がラチェット32との係合を外れることにより、中空軸2の回転慣性力が一時的に解放される。
このように、本実施例1によれば、プーリ1の減速条件の下で、ばねクラッチ機構が中空軸2の回転慣性力を一時的に解放するので、コイルばね31の過剰なねじれによるプーリ1や中空軸2の振動が抑制され、共振点でのベルト滑りやベルト鳴きを有効に防止することができる。
また、プーリ1,ねじりコイルばね31および中空軸2への過剰な回転慣性力の印加が抑制されるので、プーリユニットの耐久性が向上する。
さらに、従来の一方向クラッチを追加する場合に比べて、きわめて少ない部品点数の増加で、実質的にラチェット32および付勢ばね33の増加のみよって、体格アップおよびコストアップとなることなしに、共振点でのベルト滑りやベルト鳴きを防止することが可能となる。
ちなみに、本実施例1のプーリユニットを車両エンジンのオルタネータに適用すると、ベルトの駆動源となるエンジンのクランク軸の回転変動に関係なく、オルタネータのロータの回転を高回転域に維持して、発電効率を高めることができる。つまり、クランク軸の回転数が上昇するとき、ばねクラッチ機構3がロック状態となって中空軸2をプーリ1と同期回転させる一方、クランク軸の回転数が低下するとき、ばねクラッチ機構3がフリー状態となって中空軸2をプーリ1の減速と無関係に自身の回転慣性力により回転継続させることができる。これにより、車両の燃費効率の改善にも資することができる。
図3は、本発明の実施例2に係るプーリユニットの要部斜視図である。本実施例2に係るプーリユニットでは、ラチェット32は、図3(a)および(b)に示すように、C字状のばね座金で形成されていて、中空軸2の内周段差面に穿設されたC字状溝でなる収納凹部21に嵌入されるように収納されている。ばね座金は、ステンレス鋼,燐青銅等の弾性金属板体が1周で板厚程度に螺旋を描くようにねじられて形成されていて、その一端側面でなるばね座面32eが、ねじりコイルばね31の自由端31aと係合する係合面となる。
なお、その他の特に言及しない部材については、図1に示した実施例1に係るプーリユニットと同様に形成されて同様に配置されているので、それらの詳しい説明は割愛する。また、図3は、あくまでも要部の説明のための図であり、図1における各部材の寸法関係等は保たれていない。
次に、このように構成された実施例2に係るプーリユニットの動作について、図1および図3を用いて説明する。
エンジンの始動等によって、ベルトの駆動力がプーリ1に印加されると、プーリ1が同期回転方向に回転し、プーリ1に基端を固定されたねじりコイルばね31も同期回転方向に回転し始める。そして、ねじりコイルばね31は、その自由端31aを、図3(a)に示すように、中空軸2の収納凹部21から浮上しているばね座金でなるラチェット32のばね座面32eに係合させる。このため、ねじりコイルばね31からトルクを加えられた中空軸2も、プーリ1およびねじりコイルばね31とともに同期回転方向に回転を始める。プーリ1に印加されるベルトからの駆動力が増加するに従って、ねじりコイルばね31は、その応力範囲内で撓みを増しながらラチェット32を介して中空軸2にトルクを伝達し続け、中空軸2が同期回転方向に回転し続ける。プーリ1の回転が定速に達すると、プーリ1と中空軸2とが一体化して同期回転をし続ける。
一方、エンジンの減速または停止等によって、ベルトの駆動力が減少すると、プーリ1の回転速度は低下するが、中空軸2は、機械的に結合された機器(例えば、オルタネータ)の慣性によって速度変化に抗して速い回転速度で回転し続けようとする。すると、プーリ1の回転速度が中空軸2の回転速度よりも相対的に遅くなるので、ねじりコイルばね31が中空軸2に対して相対的に同期回転方向とは反対方向に回転して、その自由端31aがばね座金でなるラチェット32のばね座面32eから離間してフリー状態となる。これと同時に、ねじりコイルばね31の相対的な同期回転方向とは反対方向への回転により、ラチェット32の上面である摺接面32cが押され、図3(b)に示すように、ばね座金でなるラチェット32が自身の伸張弾力に抗して収納凹部21内に沈み込む。このため、プーリ1からねじりコイルばね31を介して中空軸2に伝達されていたトルクが遮断され、中空軸2は回転慣性力のみで回転を継続するようになる。すなわち、コイルばね31がラチェット32との係合を外れることにより、中空軸2の回転慣性力が一時的に解放される。
このため、実施例2に係るプーリユニットにおいても、実施例1に係るプーリユニットと同様の効果が得られることはいうまでもない。これに加えて、ラチェット32がばね座金で形成されているので、別途、付勢手段を設けることなくラチェット32を収納凹部21内で付勢することが可能になる。このため、プーリユニットは、実質的にラチェット32の増加のみよって、体格アップおよびコストアップとなることなしに、共振点でのベルト滑りやベルト鳴きを防止することが可能となる。
また、部品点数が少ない分、それだけプーリユニットの耐久性を向上させることができる。
以上、本発明の各実施例について説明したが、これらはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。例えば、プーリ1や中空軸2を、ばねクラッチ機構3、玉軸受4ならびにブッシュ5の各内・外輪としてそれぞれ兼用する構造も本発明に含まれる。
本発明の実施例1に係るプーリユニットの軸方向に沿う断面図。 図1中のねじりコイルばねとラチェットとの動作を説明する模式図。 本発明の実施例2に係るプーリユニットにおけるねじりコイルばねとラチェットとの動作を説明する模式図。 従来のプーリユニットの軸方向に沿う断面図。
符号の説明
1 プーリ(環体)
2 中空軸(軸体)
3 ばねクラッチ機構
4 玉軸受(転がり軸受)
5 ブッシュ
6 抜け止め環
21 収納凹部
31 ねじりコイルばね
32 ラチェット
32a 係合面
32b 穴
32c 摺接面
32d 円弧面
32e ばね座面
33 付勢ばね(付勢手段)

Claims (7)

  1. 同心に配設される軸体および環体と、軸体に挿着され、軸体と環体との間の対向環状間隙に介装されるねじりコイルばねと、前記対向環状間隙においてねじりコイルばねの少なくとも一方側に配設される転がり軸受とを備える低ねじり剛性のプーリユニットにおいて、
    前記ねじりコイルばねと、該ねじりコイルばねの自由端と係合する係合面を有するラチェットと、該ラチェットを前記ねじりコイルばねと係合する方向に付勢する付勢手段とからなるばねクラッチ機構を備えることを特徴とするプーリユニット。
  2. 前記ラチェットは、前記軸体の前記ねじりコイルばねとの摺接面に穿設された収納凹部に浮沈自在に配設されていることを特徴とする請求項1記載のプーリユニット。
  3. 前記ラチェットは、前記ねじりコイルばねとの摺接面を、前記ねじりコイルばねと前記軸体との同期回転方向に向かうほど高くなる斜面とし、かつ前記ねじりコイルばねと前記軸体との同期回転方向とは反対側の側面が円弧面となっていることを特徴とする請求項2記載のプーリユニット。
  4. 前記付勢手段は、伸張性のコイルばねで形成されていて、前記軸体に穿設された収納凹部と前記ラチェットとの間に介挿されて配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプーリユニット。
  5. 同心に配設される軸体および環体と、軸体に挿着され、軸体と環体との間の対向環状間隙に介装されるねじりコイルばねと、前記対向環状間隙においてねじりコイルばねの少なくとも一方側に配設される転がり軸受とを備える低ねじり剛性のプーリユニットにおいて、
    前記ねじりコイルばねと、該ねじりコイルばねの自由端と係合する係合面を有し、かつ該係合面が前記ねじりコイルばねと係合する方向への付勢弾性を有するラチェットとからなるばねクラッチ機構を備えることを特徴とするプーリユニット。
  6. 前記ラチェットは、前記軸体に穿設された収納凹部に浮沈自在に配設されていることを特徴とする請求項5記載のプーリユニット。
  7. 前記ラチェットは、ばね座金でなり、前記ねじりコイルばねと前記軸体との同期回転方向に次第に高くなるように前記収納凹部内に収納されていて、ばね座面を前記係合面とすることを特徴とする請求項5または請求項6記載のプーリユニット。
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