JP2010127369A - プーリユニット - Google Patents

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Tomoaki Makino
智昭 牧野
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Abstract

【課題】プーリとプーリハブとの間にこれらの部材を相対回転可能に支持する軸受の耐久性の低下を抑制する。
【解決手段】プーリ1とその内側に組み込まれたプーリハブ3を軸受4により相対回転可能に支持し、プーリハブ3の外径面にフランジ7と止め輪8を設け、フランジ7と止め輪8との間にプーリ1に回り止めされ、止め輪8によって軸方向外向きへの移動が阻止される雌ねじ部材10と、プーリハブ3に対して回転可能にかつ軸方向に移動可能に支持され、雌ねじ部材10とでボールねじを形成する雄ねじ部材9とを組み込む。雄ねじ部材9とフランジ7との間に、プーリハブ3に対して回り止めされ、雄ねじ部材9との間で摩擦クラッチを形成する摩擦プレート17と、摩擦プレート17を雄ねじ部材9に向けて付勢する弾性部材20を組み込み、弾性部材20の押圧力をフランジ7および止め輪8で受けて、軸受4に押圧力が負荷されないようにする。
【選択図】図1

Description

この発明は、エンジンを駆動源とするオルタネータ等のエンジン補機の回転軸に取り付けて使用するプーリユニットに関する。
一般に、エンジンのクランク軸の回転をベルト伝動装置を介してオルタネータ等のエンジン補機の回転軸に伝えるようにしている。
このようなエンジン補機の駆動装置においては、エンジンを急減速した場合、エンジン補機の回転軸に取付けられたプーリも急減速しようとする。このとき、エンジン補機がオルタネータの場合、そのオルタネータの回転軸は慣性力が大きいため、その回転軸に取付けられたプーリは一定の速度で回り続けようとし、クランク軸上のプーリとオルタネータの回転軸上のプーリとの間で大きな回転速度差が生じ、ベルトの張力が増大して破損し易くなる。
また、クランク軸は、エンジンの間歇的な気筒内燃焼や往復運動するピストンの慣性力の影響を受けて1回転中に角速度が変動しており、その角速度の変動に起因してクランク軸上のプーリとベルトとの間で滑りが生じ、その滑りによってベルトが摩耗し、耐久性が低下する。
この問題を解消するため、エンジン補機の回転軸上に設けられるプーリ内にローラ式の一方向クラッチを組み込んだクラッチ内蔵プーリが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−232433号公報
このクラッチ内蔵プーリをエンジン補機の回転軸上に取り付けることによって、プーリの回転速度がエンジン補機の回転軸の回転速度よりも低下すると、一方向クラッチの係合が解除されて、プーリがフリー回転するため、ベルトの張力の増加が防止され、ベルトの耐久性の低下を抑制することができる。
特許文献1に記載のクラッチ内蔵プーリにおいては、一方向クラッチがロック解除状態からロック状態に切り替わる際、ローラが内輪と外輪の対向面に急激に噛み込むため、プーリの回転速度の変動を効果的に吸収することが難しく、ベルトの張力の低減に改良の余地があった。
この問題を解消するため、プーリの回転速度の変動を効果的に吸収可能な特許文献2に記載の動力伝達装置が提案されている。この動力伝達装置は、プーリとロータ軸との間に、プーリに対して回り止めされ、軸方向に移動可能な第1環状レースと、ロータ軸に対して回転可能に、かつ軸方向に移動可能な第2環状レースとが組み込まれ、第1環状レースがコイルばねの押圧により第2環状レースに向けて付勢され、第2環状レースの背面側(第1環状レースに対して反対側)にコイルばねの押圧により第2環状レースとロータ軸とをクラッチ接続する摩擦クラッチが設けられたものである。
前記プーリに回転速度の変動が生じた際に、第1環状レースと第2環状レースの対向面に形成された円弧状傾斜面のカム作用により、第1環状レースを第2環状レースから離間させる方向に移動させ、その第1環状レースの軸方向への移動と、コイルばねの圧縮とによって、前記回転速度の変動を吸収するようにしている。
特開2006−38183号公報
特許文献2に記載の動力伝達装置は、プーリとロータ軸とを相対回転可能に支持する転がり軸受により第2環状レースと摩擦クラッチとを軸方向に位置決めする構成であり、その転がり軸受によってコイルばねの押圧力を受けるとともに、円弧状傾斜面のカム作用によって第1環状レースに負荷される軸方向力の反力を受けるようにしている。その結果、転がり軸受の耐久性を低下させるという問題がある。
そこで、この発明の課題は、プーリとプーリハブとの間にこれらの部材を相対回転可能に支持する軸受の耐久性の低下を抑制することにある。
前記課題を解決するために、この発明は、プーリとその内側に組み込まれたプーリハブを、その両部材の一方の端部間に組み込まれた軸受によって相対的に回転可能に支持し、前記プーリハブの外径面に2つの突出部を軸方向に間隔をおいて設け、その2つの突出部の間に、前記プーリに回り止めされ、前記一方の突出部によって軸方向外向きへの移動が阻止される雌ねじ部材と、前記雌ねじ部材とねじ係合し、前記プーリハブに対して回転可能に、かつ軸方向に移動可能に支持された雄ねじ部材とを組み込み、前記雄ねじ部材と前記他方の突出部の間に、前記プーリハブに対して回り止めされ、前記雄ねじ部材との間で摩擦クラッチを形成する軸方向に移動可能な摩擦プレートと、前記摩擦プレートを前記一方の突出部に向かって付勢し、前記雄ねじ部材の前記他方の突出部側への移動時、前記摩擦プレートに押されて弾性変形し前記摩擦クラッチを結合状態とする弾性部材とを組み込んだ構成を採用することができる。
この構成のプーリユニットにおいて、プーリおよびプーリハブにトルクが負荷されていない状態、すなわち、プーリの回転停止状態では、弾性部材の付勢力により、摩擦プレートは雄ねじ部材に対して小さな押圧力が作用している。
摩擦プレートに押圧力が作用する状態で、プーリに正回転方向の回転トルクが入力されると、プーリに回り止めした雌ねじ部材が雄ねじ部材に対して相対回転する。雌ねじ部材と雄ねじ部材とは互いにねじ係合しているので、その相対回転により、雄ねじ部材が雌ねじ部材に対して他方の突出部側へと移動し、摩擦プレートも雄ねじ部材と共に移動して弾性部材を弾性変形させる。
弾性部材の弾性変形によって、摩擦プレートは雄ねじ部材に強く押し付けられ、摩擦クラッチが結合状態となる。また、摩擦プレートが押し付けられた雄ねじ部材のねじ部が、雌ねじ部材のねじ部を押し付けるため、雌ねじ部材および雄ねじ部材のねじ部同士の摩擦抵抗が増大する。
この摩擦抵抗の増大によって、プーリの回転が雌ねじ部材から雄ねじ部材に伝達されるとともに、雄ねじ部材との間で摩擦クラッチを形成する摩擦プレートを介してプーリハブに伝達され、プーリハブがプーリと同方向に回転する。
プーリからプーリハブへの回転伝達状態において、プーリに回転速度の変動が生じると、雌ねじ部材と雄ねじ部材が相対回転し、雄ねじ部材が雌ねじ部材に対して軸方向に移動して、摩擦プレートからの押圧による弾性部材の軸方向の弾性変形量が変動する。この弾性変形量の変動により、プーリの回転速度の変動が吸収され、プーリハブへのプーリの回転変動の伝達が防止され、摩擦クラッチが結合状態に維持される。
また、プーリが停止すると、プーリハブが慣性力によって回転し続けようとし、そのプーリハブの回転により、摩擦プレートが回転し、摩擦プレートとクラッチ結合する雄ねじ部材と雌ねじ部材とが他方向に相対回転し、雄ねじ部材が一方の突出部側に移動する。雄ねじ部材が移動することで摩擦プレートも移動し、弾性部材が伸長して、摩擦プレートによる雄ねじ部材への押圧力が低下する。この結果、摩擦クラッチの結合状態が解除され、摩擦プレートと雄ねじ部材との接触部で滑りが生じて、プーリハブは慣性力によって回転が継続される。
このように、プーリに回転変動が生じると、弾性部材が弾性変形してプーリの回転変動を吸収し、また、プーリが停止すると、雄ねじ部材と摩擦プレートとの接触部で滑りが生じてプーリハブは慣性力によって回転が継続される。このため、ベルトの張力が急激に増大したり、プーリとベルトの間で滑りが生じたりすることが防止される。
また、この構成によると、プーリの内径面に形成された2つの突出部によって雄ねじ部材に摩擦プレートを押し付ける弾性部材の押圧力を受けるようにしたので、プーリとプーリハブとを相対回転可能に支持する軸受に、前記押圧力が負荷されることなく、軸受の耐久性の低下を抑制することができる。
この発明に係るプーリユニットにおいて、前記雄ねじ部材と雌ねじ部材とがボールを介してねじ係合したボールねじである構成、あるいは、前記雄ねじ部材および雌ねじ部材のねじ部が滑りねじである構成を採用することができる。
ねじ係合の構成が、一般的なねじ結合であるねじ山とねじ溝とのねじ結合とされた場合と比較して、ボールねじである構成を採用すると、ボールの転がりにより駆動トルクを小さくすることができ、雌ねじ部材の雄ねじ部材に対する相対回転が円滑になる。また、起動トルクが小さいので、プーリからプーリハブへのトルクの伝達、あるいは遮断の切り替えが速くなる。
また、前記プーリハブの外径面に前記雄ねじ部材の軸方向の移動量を前記雌ねじ部のねじ部によって移動される前記雄ねじ部材の軸方向の最大移動量の範囲内に規制するストッパを設けると、雄ねじ部材が必要以上に軸方向に移動することによる、弾性部材の過大な撓みが防止され、弾性部材の耐久性の低下を抑制することができる。
前記雌ねじ部材と前記一方の突出部との間に第2摩擦プレートが設けられ、この第2摩擦プレートを前記プーリハブに対して回り止めした構成を採用することができる。このようにすると、プーリからの伝達トルクを2枚の摩擦プレートのそれぞれによりプーリハブに伝達されるため、摩擦プレート1枚当りの伝達トルクの低減化が図られ、両摩擦プレートは摩耗が抑制され、あるいは焼き付きの発生が防止される。
また、前記摩擦クラッチを形成する前記雄ねじ部材と前記摩擦プレートとの対向面の少なくとも一方に摩擦材を設けると、雄ねじ部材と摩擦プレートとの接触部において、摩擦係数を高めることが可能となり、伝達トルクの容量を増大させることができる。また、前記接触部における摩擦係数が高まると、トルク伝達に必要な弾性部材による摩擦プレートに負荷される押圧力が低減され、摩擦プレートの耐久性の低下を抑制することができる。
雄ねじ部材と一方の突出部との間に第2摩擦プレートが設けられた構成を採用した場合、前記雌ねじ部材と前記第2の摩擦プレートの対向面の少なくとも一方に摩擦材を設けることもできる。この場合も、雄ねじ部材と摩擦プレートとの対向面の少なくとも一方に摩擦材を設けた構成と同様、伝達トルクの容量を増大させ、第2摩擦プレートの耐久性の低下を抑制することができる。
プーリに負荷されるより大きいラジアル荷重を受ける目的で、前記雄ねじ部材の内径面と前記プーリハブの外径面の間にラジアル軸受を組み込んだ構成、あるいは、前記一方の突出部と前記雌ねじ部材との対向面の間に軸受保持部材を設け、その軸受保持部材の径方向の外面と前記プーリの内径面との間にラジアル軸受を組み込んだ構成を採用することができる。
また、さらに、前記一方の突出部と前記雌ねじ部材との対向面の間にスラスト軸受を組み込むと、一方の突出部からプーリハブに伝達される回転トルクが低減するため、雄ねじ部材に伝達されるトルクの安定化を図ることができ、回転速度の変動の吸収性能をより高めることが可能となる。
この発明のプーリユニットは、プーリの内径面に形成された2つの突出部によって雄ねじ部材に摩擦プレートを押し付ける弾性部材の押圧力を受けるようにしたので、プーリとプーリハブとを相対回転可能に支持する軸受に、前記押圧力が負荷されることなく、軸受の耐久性の低下を抑制することができ、長寿命化を図ることができる。
以下、この発明の第1実施形態に係るプーリユニットを図1、図2に基づいて説明する。
このプーリユニットは、自動車のエンジン補機に適用され、図1に示すように、複列のV溝2を外周面に有する筒状のプーリ1と、その内側に組み込まれたプーリハブ3を備えている。プーリ1とプーリハブ3は、その対向する一端部間に組み込まれた軸受4によって相対回転可能に支持され、その軸受4は軸方向一端側にシールを備えている。
プーリ1は、その他端部内周にシール部材5の外周部が圧入されており、シール部材5の内周部に形成されたリップ6がプーリハブ3の他端部外周に摺接し、シール部材5によってプーリ1とプーリハブ3との間の他端部開口が閉塞され、内部への異物の侵入を防止している。
プーリハブ3は、その外径面の一端部に軸受4を軸方向に位置決めする突出部としてのフランジ7を備え、その他端部内周には突出部としての止め輪8が取り付けられている。フランジ7と止め輪8の間には、図2に示すように、雄ねじ部材9と雌ねじ部材10が組み込まれ、雌ねじ部材10と止め輪8との間にワッシャ11が組み込まれている。
雄ねじ部材9は円筒状をなし、フランジ7側端部にフランジ状の大径部を有し、雄ねじ部材9の止め輪8側の外周部にはねじ部としての螺旋状のねじ溝13が形成されている。また、雄ねじ部材9は、その内周とプーリハブ3の外周との間に組み込まれた針状ころ軸受からなるラジアル軸受14により回転自在に、かつ軸方向に移動可能に支持されている。
ラジアル軸受14を組み込むことで、プーリ1に負荷されるより大きいラジアル荷重を受けることが可能であるが、プーリ1に負荷されるラジアル荷重が比較的小さい場合など、ラジアル軸受14を組み込まなくてもよい。
雄ねじ部材9の径方向外側にねじ係合する雌ねじ部材10は円筒状をなし、その外周部にはスプライン12が形成され、そのスプライン12の嵌合によりプーリ1に対して回り止めされ、プーリ1と一体に回転するようになっている。
雌ねじ部材10の内周部にはねじ部としての螺旋状のねじ溝15が形成されており、そのねじ溝15と、雄ねじ部材9のねじ溝13との間に複数のボール16が介在している。したがって、雄ねじ部材9、雌ねじ部材10およびボール16によってボールねじが構成され、雌ねじ部材10と雄ねじ部材9とはボール16を介してねじ係合し、雄ねじ部材9は雌ねじ部材10に対して軸方向に移動可能とされる。
また、雄ねじ部材9とフランジ7との間に摩擦プレート17が組み込まれ、雄ねじ部材9の大径部との間で摩擦クラッチを形成している。摩擦プレート17はプーリハブ3との嵌合面間に形成されたスプライン18の嵌合によりプーリハブ3に対して回り止めされて、プーリハブ3と一体に回転するようになっている。
摩擦プレート17は、雄ねじ部材9との対向面に非金属材料を主体とする摩擦材19を公知の接着手段によって固着することができる。摩擦材19は、前記摩擦クラッチを形成する雄ねじ部材9と摩擦プレート17との接触部において摩擦係数を高めることができれば、摩擦プレート17にのみ固着する構成に限られず、雄ねじ部材9と摩擦プレート17との少なくとも一方に固着されていればよい。
摩擦プレート17とフランジ7との間に弾性部材20が組み込まれている。この実施形態において弾性部材20としては、皿ばねが採用され、摩擦プレート17を雄ねじ部材9(止め輪8)に向かって付勢し、雄ねじ部材9が雌ねじ部材10に対してフランジ7側へ移動すると、摩擦プレート17により押圧されて弾性変形する。この弾性変形により摩擦プレート17が雄ねじ部材9に押し付けられ、摩擦クラッチを結合状態とする。
プーリハブ3の外周面の摩擦プレート17とフランジ7との間にリング状のストッパ21か嵌合され、ストッパ21により雄ねじ部材9の軸方向の移動量は雌ねじ部材10のねじ部によって移動される雄ねじ部材9の軸方向の最大移動量の範囲内に規制されるようになっている。
第1実施形態に係るプーリユニットは上述の構造を備え、エンジン補機としてのオルタネータの駆動に際して、そのオルタネータの回転軸にプーリハブ3を嵌合して、回り止めし、そのプーリユニットのプーリ1とエンジンのクランク軸に取り付けられたプーリとの間にベルトを掛け渡して、クランク軸の回転がプーリ1に伝達される状態で使用される。
プーリユニットの使用時、プーリ1の回転が停止している状態では、弾性部材20により付勢される摩擦プレート17は雌ねじ部材10に対して小さな押圧力が作用する。この押圧力が作用する状態で、プーリ1に正回転方向に回転トルクが入力されると、プーリ1に回り止めした雌ねじ部材10が雄ねじ部材9に対して一方向に相対回転する。
雌ねじ部材10と雄ねじ部材9とは互いにねじ係合しているので、その相対回転により、雄ねじ部材9が雌ねじ部材10に対して他方の突出部としてのフランジ7側へと移動し、摩擦プレート17も雄ねじ部材9と共に移動して弾性部材20を圧縮するように弾性変形させる(図3参照)。
弾性変形した弾性部材20の弾性復元力によって、摩擦プレート17は雄ねじ部材9に強く押し付けられ、摩擦クラッチが結合状態となる。また、摩擦プレート17により雄ねじ部材9が軸方向他端側(止め輪8側)に押し付けられると(図4中矢印a参照)、その雄ねじ部材9のねじ溝13の溝壁のうち一端側(フランジ7側)の部分が、ボール16を介して雌ねじ部材10のねじ溝15の溝壁のうち他端側(止め輪8側)の部分を押し付ける。
雄ねじ部材9のフランジ7側への移動量が大きくなるに伴い、圧縮された弾性部材20の弾性復元力が増大し、雌ねじ部材10に対する押し付けにより、雄ねじ部材9と雌ねじ部材10との間のボール16を介してねじ部同士の摩擦抵抗が増大する。
この摩擦抵抗によって、プーリ1の回転が雌ねじ部材10から雄ねじ部材9に伝達されるとともに、雄ねじ部材9との間で摩擦クラッチを形成する摩擦プレート17を介してプーリハブ3に伝達され、プーリハブ3がプーリ1と同方向に回転する。
プーリ1からプーリハブ3への回転トルク伝達状態において、クランク軸の角速度の変化によりプーリ1の回転速度に変動が生じると、雄ねじ部材9と雌ねじ部材10が相対回転し、雄ねじ部材9が雌ねじ部材10に対して軸方向に移動して、摩擦プレート17からの押圧による弾性部材20の軸方向の弾性変形量が変動する。
この弾性変形量の変動により、プーリ1の回転速度の変動が吸収される。その結果、プーリハブ3へのプーリ1の回転速度の変動の伝達が防止され、摩擦クラッチが結合状態に維持される。
エンジンの急減速あるいは、停止に伴い、プーリ1が急減速、あるいは停止すると、オルタネータの回転軸は慣性力が大きいため、プーリハブ3は回転し続けようとする。慣性力によるプーリハブ3の回転により、雄ねじ部材9と雌ねじ部材10とは他方向に相対回転し、雄ねじ部材9が摩擦プレート17側と反対側の軸方向に移動する。雄ねじ部材9が移動することで摩擦プレート17も移動し、弾性部材20が伸長して、摩擦プレート17による雄ねじ部材9への押圧力が低下する。この結果、摩擦クラッチの結合状態が解除され、摩擦プレート17と雄ねじ部材9との接触部で滑りが生じて、プーリハブ3は慣性力によって回転を継続する。
このように、プーリ1に回転速度の変動が生じると、弾性部材20が弾性変形してプーリ1の回転速度の変動を吸収し、また、プーリ1が急減速、あるいは停止すると、雄ねじ部材9と摩擦プレート17との接触部において滑りが生じて、プーリハブ3は慣性力によって回転を継続する。このため、ベルトの張力の急激な増大を防止することができるとともに、プーリ1とベルトとの相互間でのスリップの発生も防止することができる。
また、弾性部材20の押圧力がフランジ7と止め輪8とで受けられ、軸受4に負荷されることがなく、また、雌ねじ部材10との相対回転により軸方向に移動可能な雄ねじ部材9は、ラジアル軸受14上を滑り移動するため、ラジアル軸受14にも大きな軸方向への荷重が負荷されることもない。このため、軸受4やラジアル軸受14の破損の可能性が極めて小さくなり、耐久性に優れたプーリユニットが得られる。
この実施形態において、雄ねじ部材9と雌ねじ部材10との一方向への相対回転により、雄ねじ部材9の軸方向の移動量が必要以上に大きい場合、雄ねじ部材9とともに移動する摩擦プレート17によって押圧される弾性部材20が、過大に撓んで破損する恐れがある。
しかし、この実施形態に係るプーリユニットは、図1に示すように、プーリハブ3の外径面にリング状のストッパ21を備えている。このストッパ21により、雄ねじ部材9とともに移動する摩擦プレート17の軸方向の移動量が制限され、弾性部材20の過大な撓みを防止することができる。
この実施形態に係るプーリユニットでは、図3に示すように、雄ねじ部材9および雌ねじ部材10のねじ部がボール16を介してねじ係合したボールねじからなる構成を採用したが、雄ねじ部材9および雌ねじ部材10のねじ部が滑りねじからなる構成を採用することができる。この滑りねじは、図5に示すように、雄ねじ部材9のねじ溝13に、雌ねじ部材10の内周面に形成した螺旋状のねじ山22をねじ係合したものである。
滑りねじからなる構成では、ボールねじからなる構成を採用した場合と同様、雄ねじ部材9がフランジ7側へ軸方向に移動した際、摩擦プレート17により雄ねじ部材9が軸方向他端側(止め輪8側)に押し付けられると(図5中の矢印b参照)、雄ねじ部材9のねじ溝13の溝壁のうち一端側(フランジ7側)の部分が雌ねじ部材10のねじ山22を押し付ける。その結果、ねじ山22とねじ溝13の溝壁との間の摩擦抵抗が増大して、プーリ1の回転が雌ねじ部材10から雄ねじ部材9を介してプーリハブ3に伝達させる。
この発明の第2実施形態に係るプーリユニットを図6に基づいて説明する。
この実施形態では、止め輪8と雌ねじ部材10との間に、軸受保持部材23と第2摩擦プレート24を組み込み、プーリハブ3と雄ねじ部材9との間に組み込まれたラジアル軸受14の代わりに、軸受保持部材23の外径面とプーリ1の内径面との間にラジアル軸受25を組み込んでいる点で、前述の第1実施形態と相違する。その他の構成は、第1実施形態に対して同一に考えられる構成には、同じ符号を付してその説明を省略する。
軸受保持部材23は止め輪8により、軸方向の位置決めされ、プーリハブ3に対して回り止めされており、その外径部のプーリ1の内径面との間にラジアル軸受25が組み込まれている。このラジアル軸受25により、プーリ1に負荷されるラジアル荷重を受けることが可能であり、プーリ1に負荷されるラジアル荷重の大きさに応じて、プーリハブ3の外径面と雄ねじ部材9の内径面との間に、さらにラジアル軸受を組み込んでもよい。
第2摩擦プレート24はプーリハブ3との嵌合面間に形成されたスプライン18の嵌合によってプーリハブ3に回り止めされている。また、雌ねじ部材10と第2摩擦プレート24との対向面での摩擦係数を高める目的で、その対向面の少なくともに一方に非金属材料を主体とする摩擦材26を固着するようにしてもよい。
図6に示すように、第2摩擦プレート24が設けられると、プーリ1からの伝達トルクを2枚の摩擦プレート17、24のそれぞれからプーリハブ3に伝達することができるため、摩擦プレート1枚当りの伝達動力の低減化を図ることができ、摩擦プレート17、24の摩耗が抑制され、焼き付きの発生が防止される。
この発明の第3実施形態に係るプーリユニットを図7に基づいて説明する。
この実施形態では、止め輪8と雌ねじ部材10との間に軸受保持部材23を組み込み、プーリハブ3と雄ねじ部材9との間に組み込まれたラジアル軸受14の代わりに、軸受保持部材23の外径面とプーリ1の内径面との間にラジアル軸受25を組み込み、軸受保持部材23と雌ねじ部材10との対向面の間にスラスト軸受27を組み込んでいる点で、前述の第1実施形態と相違する。その他の構成は、第1実施形態に対して同一に考えられる構成には、同じ符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、雌ねじ部材10と軸受保持部材23の対向面の間にスラスト軸受27を組み込むことにより、雌ねじ部材10の回転抵抗を低減することができ、雄ねじ部材9と雌ねじ部材10との間のトルク伝達が安定し、回転速度の変動の吸収性能をより高めることが可能となる。
また、軸受保持部材23の外径面とプーリ1の内径面との間にラジアル軸受25が組み込まれているので、プーリ1に負荷されるラジアル荷重を受けることが可能である。プーリ1に負荷されるラジアル荷重の大きさに応じて、プーリハブ3の外径面と雄ねじ部材9の内径面との間に、さらにラジアル軸受を組み込んでもよい。
第1実施形態に係るプーリユニットを示す断面図 プーリユニットの作動前の状態を示す拡大断面図 プーリユニットの作動状態を示す拡大断面図 プーリユニットの作動状態での雄ねじ部材と雌ねじ部材を示す断面図 プーリユニットの雄ねじ部材と雌ねじ部材との他の構成を示す断面図 第2実施形態に係るプーリユニットを示す断面図 第3実施形態に係るプーリユニットを示す断面図
符号の説明
1 プーリ
2 V溝
3 プーリハブ
4 軸受
5 シール部材
6 リップ
7 フランジ
8 止め輪
9 雄ねじ部材
10 雌ねじ部材
11 ワッシャ
12 スプライン
13 ねじ溝
14 ラジアル軸受
15 ねじ溝
16 ボール
17 摩擦プレート
18 スプライン
19 摩擦材
20 弾性部材
21 ストッパ
22 ねじ山
23 軸受保持部材
24 第2摩擦プレート
25 ラジアル軸受
26 摩擦材
27 スラスト軸受

Claims (10)

  1. プーリとその内側に組み込まれたプーリハブを、その両部材の一方の端部間に組み込まれた軸受によって相対的に回転可能に支持し、前記プーリハブの外径面に2つの突出部を軸方向に間隔をおいて設け、その2つの突出部の間に、前記プーリに回り止めされ、前記一方の突出部によって軸方向外向きへの移動が阻止される雌ねじ部材と、前記雌ねじ部材とねじ係合し、前記プーリハブに対して回転可能に、かつ軸方向に移動可能に支持された雄ねじ部材とを組み込み、前記雄ねじ部材と前記他方の突出部の間に、前記プーリハブに対して回り止めされ、前記雄ねじ部材との間で摩擦クラッチを形成する軸方向に移動可能な摩擦プレートと、前記摩擦プレートを前記一方の突出部に向かって付勢し、前記雄ねじ部材の前記他方の突出部側への移動時、前記摩擦プレートに押されて弾性変形し前記摩擦クラッチを結合状態とする弾性部材とを組み込んだプーリユニット。
  2. 前記雄ねじ部材および雌ねじ部材のねじ部がボールを介してねじ係合したボールねじである請求項1に記載のプーリユニット。
  3. 前記雄ねじ部材および雌ねじ部材のねじ部が滑りねじである請求項1に記載のプーリユニット。
  4. 前記プーリハブの外径面に前記雄ねじ部材の軸方向の移動量を前記雌ねじ部のねじ部によって移動される前記雄ねじ部材の軸方向の最大移動量の範囲内に規制するストッパを設けた請求項1から3のいずれか1つに記載のプーリユニット。
  5. 前記雌ねじ部材と前記一方の突出部との間に第2摩擦プレートが設けられ、その第2摩擦プレートを前記プーリハブに対して回り止めした請求項1から4のいずれか1つに記載のプーリユニット。
  6. 前記摩擦クラッチを形成する前記雄ねじ部材と前記摩擦プレートとの対向面の少なくとも一方に摩擦材を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のプーリユニット。
  7. 前記雌ねじ部材と前記第2摩擦プレートの対向面の少なくとも一方に摩擦材を設けた請求項5に記載のプーリユニット。
  8. 前記雄ねじ部材の内径面と前記プーリハブの外径面の間にラジアル軸受を組み込んだ請求項1から7のいずれか1つに記載のプーリユニット。
  9. 前記一方の突出部と前記雌ねじ部材との対向面の間に軸受保持部材を設け、その軸受保持部材の径方向の外面と前記プーリの内径面との間にラジアル軸受を組み込んだ請求項1から7のいずれか1つに記載のプーリユニット。
  10. 前記一方の突出部と前記雌ねじ部材との対向面の間にスラスト軸受を組み込んだ請求項1から9のいずれか1つに記載のプーリユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9850997B2 (en) 2013-08-06 2017-12-26 Dayco Europe S.R.L Filtering pulley for a belt drive

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