JPH11173341A - 動力伝達機構 - Google Patents

動力伝達機構

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JPH11173341A
JPH11173341A JP9341281A JP34128197A JPH11173341A JP H11173341 A JPH11173341 A JP H11173341A JP 9341281 A JP9341281 A JP 9341281A JP 34128197 A JP34128197 A JP 34128197A JP H11173341 A JPH11173341 A JP H11173341A
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JP
Japan
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power transmission
transmission mechanism
elastic member
rotating body
coil springs
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Application number
JP9341281A
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English (en)
Inventor
Masahiko Okada
昌彦 岡田
Akihito Uryu
明史 瓜生
Kazuya Kimura
一哉 木村
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11173341A publication Critical patent/JPH11173341A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D43/00Automatic clutches
    • F16D43/02Automatic clutches actuated entirely mechanically
    • F16D43/20Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure
    • F16D43/202Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure of the ratchet type
    • F16D43/2028Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure of the ratchet type with at least one part moving radially between engagement and disengagement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D43/00Automatic clutches
    • F16D43/02Automatic clutches actuated entirely mechanically
    • F16D43/20Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure
    • F16D43/202Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure of the ratchet type

Abstract

(57)【要約】 【課題】動力遮断特性の安定性及び信頼性に優れ、遮断
限界の設定自由度の大きい動力伝達機構を提供する。 【解決手段】被動機器としての圧縮機のハウジング11
には駆動軸16及びブッシュ50が回動可能に支持さ
れ、ハウジング11の支持筒部41にはアンギュラベア
リング42によって動力源側のプーリ43が回動可能に
支持されている。プーリ43の環状凹部46内には二つ
のコイルバネ60A,60Bからなるリミットバネ60
が配設され、このバネ60がプーリ43とブッシュ50
とを係脱可能に連結している。通常、各コイルバネの端
部62はブッシュ50に形成された係合凹部53A,5
3Bに係合しているが、被動機器側に過大な負荷トルク
が発生すると、両コイルバネ60A,60Bが拡径し、
各端部62が係合凹部53A,53Bから離脱して動力
伝達が遮断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被動機器側の第1
回転体と動力源側の第2回転体とを動力伝達可能に連結
する動力伝達機構に関する。より詳しくは、被動機器側
に何らかの不具合が生じて過大な反発負荷トルクが発生
した際に、動力伝達を遮断することができる動力伝達機
構に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の動力伝達機構は、例えば特開平
8−159028号公報に開示されている。その公開公
報に開示された動力伝達機構によれば、動力源にベルト
を介して作動連結されたプーリと、被動機器側の回転軸
(駆動軸)に止着された駆動力受承体との間には、複数
の転動ボールが設けられている。これらの転動ボール
は、駆動力受承体上に形成された収容凹部に常時嵌まり
込むのみならず、プーリ上の保持凹部にも常に嵌まり込
んでいる。プーリは、ハウジング上に配設されたアンギ
ュラベアリングとともに、皿バネ型の予荷重付与バネに
よって駆動力受承体側へ付勢されている。プーリの回転
は転動ボール及び駆動力受承体を介して回転軸に伝達さ
れる。そして、この動力伝達機構は、被動機器側の負荷
トルクが過大になった場合に、転動ボールが前記保持凹
部から離脱してプーリと駆動力受承体との間の動力伝達
を遮断するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の動力伝達機
構では、転動ボールが駆動力受承体の外周部の近傍に配
置されているため、その転動ボールは、プーリの回転に
同期して回転される際に遠心力の影響を受けやすい。こ
のため、プーリの高速回転時には、転動ボールが遠心力
によって駆動力受承体の収容凹部とプーリの保持凹部と
の間から離脱するおそれがある。換言すれば、被動機器
側において特に過大な負荷トルクが発生していないにも
かかわらず、意に反して動力伝達が遮断されるおそれが
ある。本発明は、このような従来技術に内在する問題点
に着目してなされたものである。
【0004】本発明の目的は、高速回転時にも不用意に
動力伝達が遮断されることがなく、動力遮断特性の安定
性及び信頼性に優れた動力伝達機構を提供することにあ
る。又、遮断限界の設定自由度の大きい動力伝達機構を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、被動
機器側に設けられた第1回転体と、動力源側に設けられ
た第2回転体とを動力伝達可能に連結するための動力伝
達機構であって、前記第1回転体と第2回転体とを係脱
可能に連結し、且つ、該第1及び第2回転体間における
動力伝達の際に被動機器側に生じた負荷トルクに基づい
て捩じり変形可能な弾性部材を設け、前記負荷トルクが
前記弾性部材の弾性によって決定される所定の限界値を
超えたときに、弾性部材はその捩じり変形に起因した自
身の径変化によって前記第1及び第2回転体間の係合を
解除することを特徴とする。
【0006】この構成によれば、第2回転体から第1回
転体への動力伝達の最中に被動機器側に生ずる負荷トル
クが、両回転体を係脱可能に連結している弾性部材の当
該弾性によって決定される所定の限界値を下回っている
限り、弾性部材を介しての両回転体間の係合は解除され
ない。故に、この場合は、第2回転体から第1回転体へ
の動力伝達機能が維持され、動力源から被動機器への動
力伝達が保たれる。
【0007】これに対し、被動機器側に生ずる負荷トル
クが何らかの原因で前記弾性部材の弾性によって決定さ
れる所定の限界値を超えたとき、該弾性部材はその捩じ
り変形に起因した自身の径変化によって第1及び第2回
転体間の係合を解除する。従って、この場合には、第2
回転体から第1回転体への動力伝達が遮断される。この
ように弾性部材の自律的な遮断作用により、所定の限界
値を超えるほど過大な負荷トルクの影響は、動力源側に
は及ばない。このため、動力源側の機構が被動機器側か
らの過大な負荷によって悪影響を受けることが回避され
る。
【0008】また、この構成によれば、動力伝達遮断の
ための負荷トルクの限界値を、主として弾性部材の弾性
によって設定することができる。よって、限界値設定の
自由度が増すとともに、動力伝達の遮断特性が安定した
ものとなる。また、弾性部材は、従来例の転動ボールと
異なり遠心力の影響で誤動作することがなく、高速回転
時に不用意に動力伝達を遮断するおそれがない。
【0009】なお、第2回転体がその回転軸線の周りに
形成された環状の凹部を有する場合には、弾性部材をそ
の環状凹部内に配設することができ、動力伝達機構全体
のコンパクト化や省スペース化が図られる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の動力
伝達機構において、前記弾性部材は少なくとも一つのコ
イルバネによって構成されることを特徴とする。このよ
うに弾性部材をコイルバネで構成すれば、弾性部材の捩
じり変形の度合い(即ち弾性)の設定が容易となり、本
発明を実施品に具体化する際に極めて好都合である。
【0011】請求項3の発明は、請求項2に記載の動力
伝達機構において、前記第1及び第2回転体のいずれか
一方には前記弾性部材としてのコイルバネとの係脱のた
めの係合部が形成されており、前記コイルバネは、前記
第1及び第2回転体のうちの一方に形成された前記係合
部と係合する第1端部と、前記第1及び第2回転体のう
ちの残る一方に対して動力伝達可能に連結される第2端
部とを有してなることを特徴とする。
【0012】この構成では、係合部が形成された回転体
との間においてコイルバネの第1端部が係脱を行い、残
る一方の回転体に対してコイルバネの第2端部が動力伝
達可能に連結されている。従って、弾性部材としてのコ
イルバネは、その第2端部が連結されている方の回転体
と一体回転すると共に、前述のような過大な負荷トルク
の影響がいずれかの回転体から自身に及んだときに、自
己の第1端部を前記係合部から離脱させて両回転体間の
作動連結状態を速やかに遮断する。
【0013】請求項4の発明は、請求項3に記載の動力
伝達機構において、前記弾性部材は複数のコイルバネを
重ね合わせて構成されており、前記複数のコイルバネの
各第1端部は、これらコイルバネに共通の中心軸線の周
りに等角度間隔にて配置されると共にそれぞれの位置に
て前記係合部に対し係脱可能に連結され、更に、前記複
数のコイルバネの各第2端部は、これらコイルバネに共
通の中心軸線の周りに等角度間隔にて配置されると共に
それぞれの位置にて動力伝達可能に連結されていること
を特徴とする。
【0014】複数あるコイルバネの各々が第1端部と第
2端部とを有することは言うまでもないが、上記構成に
よれば、これら第1端部群は共通の中心軸線の周りに等
角度間隔にて配置されて係合部に対応され、かつ同様
に、第2端部群も等角度間隔にて配置されている。この
ような配置関係にあるため、複数のコイルバネは相互に
バランスし、これらコイルバネに共通の中心軸線に対し
て偏向するようなモーメントや偏荷重を生じさせない。
従って、複数のコイルバネを重ね合わせて弾性部材を構
成した場合には、単一のコイルバネで弾性部材を構成す
る場合に起こり得る偏モーメントや偏荷重による周辺機
器への悪影響という事態が未然に回避される。
【0015】請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれ
か一項に記載の動力伝達機構において、前記弾性部材と
してのコイルバネは、第1回転体と第2回転体との間に
圧縮状態で介装されていることを特徴とする。
【0016】この構成によれば、圧縮介装されたコイル
バネは、第1回転体と第2回転体とを相互に離間させる
付勢手段として機能する。それ故、この付勢作用をうま
く利用すれば、例えば第1回転体を介してコイルバネの
付勢作用を被動機器の内部機構に作用させることがで
き、被動機器の内部機構を簡略化したり、被動機器の構
成部品点数を減少させたりすることが可能となる。コイ
ルバネの付勢作用を第2回転体に及ぼして利用する場合
も、また然りである。
【0017】請求項6の発明は、請求項3又は4に記載
の動力伝達機構において、前記係合部には係合凹部が形
成されており、この係合凹部内には、前記弾性部材の第
1端部が接触して駆動源からの駆動力を受け止める係止
面が形成されていることを特徴とする。
【0018】この構成によれば、係合凹部内に形成され
た係止面によって、動力源から伝達される駆動力が受け
止められ、その駆動力は第1回転体を介して被動機器に
伝達される。又、被動機器側に生ずる負荷トルクが前記
所定の限界値を超えたとき、弾性部材の捩じり変形によ
ってその一部が係合凹部から離脱し、該弾性部材と前記
係止面との接触が解消される。その結果、第1及び第2
回転体間の作動連結が解除され、第2回転体から第1回
転体への動力伝達が遮断される。
【0019】請求項7の発明は、請求項6に記載の動力
伝達機構において、前記係止面は、第1回転体の半径方
向に対して所定角度だけ傾斜して設けられていることを
特徴とする。
【0020】この構成によれば、傾斜した係止面が、該
係止面と接触する弾性部材の第1端部を係合凹部からの
離脱方向にガイドする関係となるため、前記弾性部材の
第1端部が前記係合凹部から離脱する際の動きが円滑化
される。それ故、被動機器側に生ずる負荷トルクが前記
所定の限界値を超えたときの動力伝達の遮断レスポンス
(遮断の応答性)が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を自動車の空調装
置用の可変容量圧縮機に具体化した実施形態を図面を参
照しつつ説明する。以下に述べる圧縮機は、動力源たる
エンジンとの動力伝達手段として電磁クラッチ等のクラ
ッチ機構を必要としないため、クラッチレス圧縮機と呼
ばれる範疇に属するものである。そして、本発明の動力
伝達機構は、そのようなクラッチ機構の代わりに用いら
れ、定常時の動力伝達及び非常時の動力伝達遮断の双方
の役割を担うものである。
【0022】(圧縮機本体の構成)被動機器としてのク
ラッチレス可変容量圧縮機の本体について説明する。
尚、図1において、左側を圧縮機の前部、右側を圧縮機
の後部と呼ぶ。
【0023】図1に示すように、フロントハウジング1
1は、シリンダブロック12の前部に接合固定されてい
る。リヤハウジング13は、バルブプレート14を介し
てシリンダブロック12の後部に接合固定されている。
そして、フロントハウジング11、シリンダブロック1
2及びリヤハウジング13により、圧縮機全体のハウジ
ングが構成される。
【0024】リヤハウジング13内には、吸入室13a
と、それを取り囲む吐出室13bとが区画形成されてい
る。バルブプレート14には吸入弁14a及び吐出弁1
4bが設けられている。シリンダブロック12によって
塞がれたフロントハウジング11内には、クランク室1
5が形成されている。そのクランク室15内を貫通する
ように、フロントハウジング11及びシリンダブロック
12には、駆動軸16が前後一対のラジアルベアリング
17を介して回転可能に支持されている。駆動軸16の
前端外周とフロントハウジング11との間には、リップ
シール27が介装されている。尚、この駆動軸16は後
述するブッシュ50と共に、第1回転体を構成する。
【0025】駆動軸16にはラグプレート18が止着さ
れている。このラグプレート18はスラストベアリング
28を介してフロントハウジング11の内面に接してい
る。又、カムプレートをなす斜板19が、クランク室1
5内において駆動軸16に対しその軸線L1方向へのス
ライド移動可能かつ傾動可能に支持されている。この斜
板19はヒンジ機構20を介してラグプレート18に作
動連結されている。そして、そのヒンジ機構20は、斜
板19が軸線L1方向へのスライド移動及び傾動するの
を許容しつつ斜板19と駆動軸16との一体回転を可能
としている。
【0026】シリンダブロック12には複数のシリンダ
ボア12a(一つのみ図示)が形成されている。各シリ
ンダボア12aは駆動軸16と平行に延びると共に、こ
の駆動軸16を取り囲んで等角度間隔にて配置されてい
る。各シリンダボア12a内には片頭ピストン21が往
復動可能に収容されている。片頭ピストン21は、中空
状のヘッド部と、そのヘッド部の後端部から後方に突出
する尾部とを有している。各片頭ピストン21の尾部に
は、前後に対向する一対の球面状凹部21aが形成され
ている。
【0027】斜板19の外周部は、それぞれの片頭ピス
トン21における一対の球面状凹部21aの間に進入し
ている。そして、その斜板19は、各球面状凹部21a
に支持された前後一対のシュー22を介してそれぞれの
片頭ピストン21の尾部に係留されている。従って、傾
斜状態にある斜板19が駆動軸16と共に回転すると、
その回転に伴う斜板の波打ち運動がシュー22を介して
各片頭ピストン21の往復運動を生じさせる。これに伴
い、吸入室13a内の冷媒ガスが吸入弁14aを押し開
けて各シリンダボア12a内へ吸入されると共に、その
後ピストンによって圧縮され、圧縮された冷媒ガスが吐
出弁14bを押し開けて吐出室13bへ吐出される。
【0028】シリンダブロック12、リヤハウジング1
3及びバルブプレート14内には、圧力供給通路23
が、クランク室15と吐出室13bとを接続するように
形成されている。そして、圧力供給通路23の途中に
は、リヤハウジング13内に組み込まれる形で容量制御
弁24が介在されている。この容量制御弁24は、ソレ
ノイド24a、スプール24b及びポート24cを少な
くとも備えてなる電磁弁として構成されている。この容
量制御弁24では、ソレノイド24aが励磁されるとス
プール24bがポート24cを閉鎖する。他方、ソレノ
イド24aが消磁されるとスプール24bがポート24
cを開放する。
【0029】この可変容量圧縮機では、各片頭ピストン
21の後部に作用されるクランク室15内の圧力と各シ
リンダボア12a内の圧力との差圧を調整することによ
り、斜板19の傾斜角(傾角ともいう)が制御される。
その結果、各々の片頭ピストン21のストロークが斜板
19の傾斜角に応じて決定され、吐出容量が調整され
る。クランク室15内の圧力は、容量制御弁24の消励
磁による圧力供給通路23の開閉に基づいて制御され
る。
【0030】この点を更に詳細に説明すると、まず、駆
動軸16内には、その中心軸線L1に沿って放圧通路1
6aが形成されている。その放圧通路16aの前端部は
クランク室15内に開口する一方、放圧通路16aの後
端部はシリンダブロック12の略中央に形成された収納
凹部12bに開口している。この収納凹部12bは、シ
リンダブロック12及びバルブプレート14のほぼ中心
に形成された放圧孔25を介して吸入室13aと連通さ
れている。この放圧孔25の連通断面積は、圧力供給通
路23の連通断面積よりも小さく設定されている。
【0031】従って、圧力供給通路23が容量制御弁2
4によって閉鎖された状態では、放圧通路16a、収納
凹部12b及び放圧孔25を介して、クランク室15内
の圧力が吸入室13aに放圧されるのみとなり、その結
果、クランク室15の圧力が吸入室13aの圧力(吐出
室13bよりも相対的に低圧)に近づいていく。この場
合、図1に示すように、斜板19の傾斜角が最大傾角と
なって圧縮機の吐出容量が大きくなる。他方、圧力供給
通路23が開放された状態では、前記放圧量に勝って吐
出室13b内の高圧力がクランク室15に導入される。
この場合、そのクランク室15の内圧上昇に呼応して、
斜板19の傾斜角が最小傾角となり、圧縮機の吐出容量
が小さくなる。尚、前記斜板19の最大傾角は、その斜
板19に設けられたストッパ19aがラグプレート18
に当接することで規定される。また、斜板19の最小傾
角は、駆動軸16の略中央部に装着されたリング26に
斜板19が当接することによって規定される。この最小
傾角は、0°よりも僅かに大きく設定されている。
【0032】尚、この可変容量圧縮機の吸入室13aと
吐出室13bとは、自動車の空調装置の一部(冷房装
置)を構成する外部冷媒回路30によって接続されてい
る。この外部冷媒回路30は、凝縮器31、膨張弁32
及び蒸発器33を少なくとも備えてなる。又、蒸発器3
3は制御装置29を介して容量制御弁24と接続されて
いる。制御装置29は、蒸発器33からの入力情報に基
づいて容量制御弁24のソレノイド24aへの通電を制
御する。
【0033】(動力伝達機構)次に、本実施形態におけ
る動力伝達機構を説明する。図1並びに図2(A)及び
(B)に示すように、フロントハウジング11の前端部
(リップシール27よりも前端側)はスリーブ状に形成
されて支持筒部41を構成している。この支持筒部41
の周りにはアンギュラベアリング42が設けられてい
る。このアンギュラベアリング42の外輪には、第2回
転体としてのプーリ43が止着されており、その結果、
プーリ43は支持筒部41に対して回転可能に支持され
ている。このプーリ43は、Vベルト等のベルト44を
介して、動力源としての車輌エンジン45に連結されて
いる。
【0034】プーリ43は、アンギュラベアリング42
の外輪に取着される内側リング状部43aと、ベルト4
4が掛装される外側リング状部43bと、前記両リング
状部43a,43bを連結するフランジ部43cとを有
している。従って、内側リング状部43a、外側リング
状部43b及びフランジ部43cによって囲まれた領域
が環状の凹部(又は溝)46を形成する。
【0035】駆動軸16の前端部には、駆動力受承体と
してのブッシュ50がロックボルト47によって固定さ
れている。即ち、駆動軸16とブッシュ50とは一体回
転可能となっており、ともに第1回転体を構成する。
【0036】ブッシュ50は、駆動軸16の前端部外周
面に嵌合する円筒状のボス部51と、そのボス部から半
径方向に膨出する円盤部52とを有している。ブッシュ
50の円盤部52には、特に図2(A)に示されるよう
に、その円盤部52の外周縁部あたりに一対の係合部と
しての係合凹部53A,53Bが形成されている。図2
(A)では、これら係合凹部53A,53Bがわかりや
すいように、円盤部52の外側面の一部(後述する封止
面56)を切り欠いて示している。各係合凹部53A,
53Bの内部には、ブッシュ50のほぼ半径方向に延び
る第1係止面54と、その第1係止面とほぼ直角に形成
された第2係止面55とが形成されている。そして、こ
れらの係合凹部53A,53Bは、円盤部52の外周縁
側に対しては第1係止面54と第2係止面55との間の
範囲において開口しており、且つ、円盤部52の内側面
(アンギュラベアリング42と対向する面)側にも開口
している。
【0037】但し、これら係合凹部53A,53Bに隣
接する円盤部52の外側面側には、円盤部52の比較的
肉薄な部分として封止面(第3係止面)56が提供され
ている。このため、係合凹部53A,53Bは、円盤部
52の外側面側には完全に開口しておらず、前記封止面
56によって部分的に封止されている。この封止面56
が係合凹部53A又は53Bを封止する範囲は、図5に
梨地模様で示した領域CA(後ほど詳述)と対応してい
る。このように、係合凹部53A,53Bの各々は、第
1係止面54、第2係止面55及び封止面(第3係止
面)56の三面によって区画されている。
【0038】ブッシュ50の円盤部52に形成された一
対の係合凹部53A,53Bは、ブッシュ50の中心に
取り付けられるロックボルト47を挟んで相対向する位
置に配置されている。換言すれば、一対の係合凹部53
A,53Bは、円盤部52において互いに180°の角
度位置に存在する。
【0039】図2(A)及び(B)に示すように、プー
リ43の内側リング状部43aの周囲には、弾性部材と
してのリミットバネ60が配設されている。リミットバ
ネ60は二つの捩じりコイルバネ60A,60Bからな
り、コイルバネ60A,60Bのそれぞれは図3及び図
4に示すような形状をなしている。即ち、コイルバネ6
0A,60Bの各々は、螺旋状に形成された本体部61
と、その本体部61によって形成される螺旋円(図4参
照)よりも内側に屈曲された第1端部62と、その第1
端部62の反対側の端部であって前記本体部61の螺旋
円に対して接線方向外側に延出された第2端部63とを
有している。特に図3に示すように、第1端部62及び
第2端部63のそれぞれには、互いに平行となる端面6
2a,63aが形成されている。これらの端面62a,
63aは、各コイルバネ60A,60Bの中心軸線L2
に対して直交する面となっている。又、コイルバネ60
A,60Bの各々の第2端部63には、止め具挿通用の
取付孔64が形成されている。
【0040】前記二つのコイルバネ60A,60Bは、
図2(A)及び(B)に示すように、それぞれ対応する
端部(62又は63)が中心軸線L2の周りに180°
の角度位置関係となるように重ね合わされて、一つのリ
ミットバネ60を構成している。それ故、このリミット
バネ60は、二本の素線が互いに平行となるように巻回
された二重の捩じりコイルバネとも言うべきものであ
る。
【0041】リミットバネ60は、プーリ43の環状凹
部46内に収容されるかたちで内側リング状部43aの
周囲に配設されている。二つの捩じりコイルバネ60
A,60B及びブッシュ50の取り付けに際しては、ま
ず、各々のコイルバネ60A,60Bの第2端部63
が、その取付孔64内に挿入されるリベット48によっ
てプーリ43のフランジ部43cに対して回動可能に支
持される。この支持によりプーリ43からリミットバネ
60への動力伝達が可能となる。なお、第2端部63の
フランジ部43cに対する連結は、必ずしも回動可能で
ある必要はなく、完全固定であってもよい。
【0042】このとき、各コイルバネ60A,60Bの
端面63aがフランジ部43cの表面に摺接する。ま
た、二つのリベット48による支持位置は、ロックボル
ト47を挟んで対称な位置関係にある。
【0043】各第2端部63をプーリ43に支持した上
で、二つのコイルバネ60A,60Bを圧縮しつつ、ブ
ッシュ50を駆動軸16に対してロックボルト47によ
って固定している。このとき、二つのコイルバネ60
A,60Bの第1端部62のそれぞれが、ブッシュ50
の円盤部52に形成された係合凹部53A,53Bに係
合される。即ち、図2(A)に示されるように、コイル
バネ60A,60Bの第1端部62は、第1係止面54
及び第2係止面55に接するかたちで、それぞれ対応す
る係合凹部53A,53B内に収容されている。また、
各第1端部62の端面62aの一部は、円盤部52の封
止面56に摺接し、リミットバネ60の軸方向の荷重が
受け止められている。
【0044】このように、リミットバネ60を構成する
一対の捩じりコイルバネ60A,60Bは、プーリ43
のフランジ部43cとブッシュ50の円盤部52との間
において圧縮された状態で取着されている。そして、通
常の運転状態においては、車輌エンジン45からの動力
は、ベルト44、プーリ43、両コイルバネ60A,6
0B及びブッシュ50を介して駆動軸16に伝達され
る。故に、リミットバネ60は第1回転体と第2回転体
とを連結する連結部材の役目も果たす。
【0045】(可変容量圧縮機の基本動作)図1は容量
制御弁24が閉止されて圧力供給通路23が閉鎖された
状態を示している。この状態では前述のように、放圧通
路16a、放圧孔25等を介してクランク室15の圧力
が吸入室13aに逃がされるため、斜板19が最大傾角
に保持されて最大吐出容量での圧縮運転が行われる。最
大吐出能力での圧縮機の運転によって車室内の冷房が達
成され、冷房負荷が小さくなると、蒸発器33の温度が
次第に低下する。そして、蒸発器33の温度がフロスト
を発生しはじめる設定温度T1を下回ると、制御装置2
9により容量制御弁24が開放され、吐出室13bから
高圧の圧縮冷媒ガスが圧力供給通路23を介してクラン
ク室15に供給される。すると、クランク室15内圧の
上昇に伴って、斜板19の傾角が最大傾角から最小傾角
に向けて減少する。
【0046】斜板19が最小傾角状態のとき、この圧縮
機は最小吐出容量で運転される。その後、圧縮機の吐出
能力抑制に起因して冷房負荷が増大すると、蒸発器33
の温度が上昇傾向となる。そして、蒸発器33の温度が
前記設定温度T1を超えると、制御装置29により容量
制御弁24が閉止され、吐出室13bからクランク室1
5への高圧圧縮ガスの供給が遮断される。その結果、ク
ランク室15から吸入室13aへの放圧に伴い、斜板1
9が再び最大傾角状態に移行され、吐出容量が増大す
る。
【0047】このように、この可変容量圧縮機において
は、冷房負荷の変化に応じた斜板19の傾角制御に基づ
き、吐出容量(圧縮能力)がフィードバック的に可変制
御される。
【0048】(動力伝達機構の動作)通常の運転状態に
おいては、車輌エンジン(動力源)45からの動力は、
ベルト44、プーリ43、リミットバネ60(コイルバ
ネ60A,60B)及びブッシュ50を介して駆動軸1
6に伝達される。即ち、図2(A)に示すように、プー
リ43の回転に伴い、各第2端部63が該プーリ43に
固定された二つのコイルバネ60A,60Bも一体回転
される。このとき、回転しようとする両コイルバネ60
A,60Bの各第1端部62がブッシュ50の第1係止
面54を押圧する。このため、この押圧作用が、ブッシ
ュ50及びそれと連結された駆動軸16をプーリ43の
回転方向と同方向に回転させようとするモーメントを生
みだし、結果的にブッシュ50及び駆動軸16がプーリ
43と共に一体回転される。
【0049】この動力伝達時には、駆動軸16に作動連
結された斜板19が個々のピストン21に冷媒ガスの吸
入及び圧縮という仕事をさせているので、この仕事状況
(負荷発生状況)に相応して、駆動軸16及びブッシュ
50にはプーリ43の回転方向と逆向きの負荷トルクが
作用する。
【0050】しかしながら、その負荷トルクが所定の限
界値を超えず、ベルト44及び車輌エンジン45に対し
て許容できないような影響を及ぼし得ない程度のもので
あるならば、両コイルバネ60A,60Bを介してのプ
ーリ43からブッシュ50及び駆動軸16への動力伝達
は維持される。尚、この動力伝達が維持される限りにお
いて、各シリンダボア12aでの圧力変化の位相ずれや
圧縮負荷の変動等の原因によって前記負荷トルクが所定
の限界値以下で変動したとしても、その程度の負荷トル
クの変動は、両コイルバネ60A,60Bのバネ弾性に
よって十分に緩和される。
【0051】これに対し、圧縮機本体側に何らかの不都
合(例えばデッドロック)が生じ、駆動軸16及びブッ
シュ50の負荷トルクが前記所定の限界値を超えて過大
となった場合には、リミットバネ60は、図5の状態か
ら図6の状態に移行する。なお、図5及び図6では図面
の複雑化を避けるために、リミットバネ60を構成する
二つのコイルバネのうちの一つ(60A)と、それに対
応する係合凹部(53A)のみを図示している。そし
て、図5は負荷トルクが所定の限界値を超えない場合
(動力伝達状態)を示し、図6は負荷トルクが所定の限
界値を超えた場合(動力遮断状態)を示す。次段落から
は、コイルバネ60Aに注目してリミットバネ60の作
用を説明する。
【0052】動力伝達状態では、図5に示すように、コ
イルバネ60Aの第1端部62は、ブッシュ50の第2
係止面55にほぼ接触した状態で係合凹部53A内に収
容されている。又、第1端部62の端面62aの一部
は、図5に梨地模様で示した接触領域CAにおいて、ブ
ッシュ円盤部52の封止面56と接触している。
【0053】さて、駆動軸16の負荷トルクが所定の限
界値を超えた場合、プーリ43及びコイルバネ60Aは
依然として一体回転しようとするのに対し、ブッシュ5
0及び駆動軸16はプーリ43との一体回転に強く逆ら
い、プーリ43との間に回転角速度差を生じようとす
る。すると、コイルバネ60Aは、そのような過大な負
荷トルクに抗しきれなくなり、コイルの巻回を巻き戻す
方向へ弾性変形を強いられる。即ち、コイルバネ60A
は、プーリ43に支持された第2端部63と係合凹部5
3A内の第1端部62とが互いに近づく方向での捩じり
を受け、その結果コイルバネ本体部61の全体が径を拡
大するように弾性変形される。
【0054】コイルバネ本体部61の拡径(径変化)に
伴い、そのコイルバネ60Aの第1端部62は、係合凹
部53Aの第2係止面55から離間すると共に、第1係
止面54に沿って外方向に変位する。そして、第1端部
62の端面62aと封止面56との接触面積(前記CA
に相当)が次第に減少し、ついには図6に示すように、
第1端部62の全体が接触領域CAの域外に移動して、
ブッシュ50の封止面56と第1端部62との係合が外
れることになる。
【0055】封止面56と第1端部62との係合が外れ
れば、圧縮状態で装着されていたコイルバネ60Aがそ
の原形を回復すべく、第1端部62がブッシュ50の円
盤部52よりも更に前方に飛び出す。こうして、第1端
部62を介してのコイルバネ60Aとブッシュ50との
係合関係が完全に解消され、プーリ43から駆動軸16
への動力伝達が遮断される。
【0056】尚、図5及び図6を参照してコイルバネ6
0Aの作用のみを説明したが、もう一つのコイルバネ6
0Bについても事情は同じである。所定の限界値を超え
る過大な負荷トルクが生じたとき、両コイルバネ60
A,60Bはほぼ同時にブッシュ50との係合を解除し
て動力伝達を遮断する。
【0057】本実施形態によれば、以下のような効果を
奏することができる。 ・ 圧縮機本体側において過大な負荷トルクが生じた場
合には、動力伝達機構の自律的作用により、車輌エンジ
ン45及びプーリ43側から、ブッシュ50及び駆動軸
16側への動力伝達が遮断される。結果として、圧縮機
本体側から動力源側へ過大な反発負荷トルクの影響が及
ぶことが回避され、動力源側の機構が保護される。
【0058】・ 本実施形態の構成によれば、負荷トル
クの限界値(動力伝達遮断のしきい値)を、リミットバ
ネ60の捩じり剛性の調節によって設定できるため、動
力伝達機構の伝達遮断特性を安定したものとすることが
できる。又、リミットバネ60は遠心力の影響で誤動作
することがないため、プーリ43の高速回転時に不用意
に動力伝達が遮断されるのを防止できる。
【0059】・ 本実施形態の動力伝達機構は、防振ゴ
ムのような防振材をあえて必要としないため、部品点数
が少なく構造が簡略化されている。又、リミットバネ6
0のバネ定数の設定如何により、騒音、振動、ハーシュ
ネスの低減に貢献することができる。
【0060】・ 圧縮機本体側で生ずる負荷トルクが所
定の限界値を超えない限り、駆動軸16に作用するトル
クの変動をリミットバネ60の捩じり変形により緩和す
ることができる。
【0061】・ リミットバネ60(コイルバネ60
A,60B)は圧縮状態でプーリ43とブッシュ50と
の間に介装される結果、このバネ60は、ブッシュ50
と共に駆動軸16を圧縮機のフロント側に付勢するとい
う機能をも有している。換言すれば、リミットバネ60
がその付勢作用によりて駆動軸16をフロント側に引っ
張っているため、シリンダブロック12の収納凹部12
b内に、駆動軸16の後端を収納凹部12bの後端壁か
ら離間させるためのバネ材を配設する等の配慮は必要が
ない。即ち、リミットバネ60は、動力伝達機構自体の
構造の簡略化のみならず、圧縮機本体の構造の簡素化に
も貢献する。
【0062】・ リミットバネ60は、プーリ43に形
成された環状の凹部(又は溝)46内に配設されるの
で、動力伝達機構のプーリ43の幅(前後長)を短くす
ることができる。又、リミットバネ60を収納するため
の空間がプーリ43の凹部46に確保されることは、バ
ネ60の選択(設計)の自由度を大きくするという利点
をもたらす。
【0063】・ 動力伝達機構の主要な部材であるリミ
ットバネ60は二つの捩じりコイルバネ60A,60B
から構成されると共に、各コイルバネ60A,60Bの
対応する各端部62,63は等角度間隔(本実施形態で
は180°間隔)で配置されて他部材に連結されてい
る。このため、車輌エンジン45側からの動力伝達に際
して、ブッシュ50及び駆動軸16を軸線L1に対して
傾けるようなモーメントが発生せず、ブッシュ50及び
駆動軸16の回転が安定する。このことは、部材の磨耗
を極力回避するのみならず無駄な動力の損失を抑制す
る。又、二つの捩じりコイルバネ60A,60Bは互い
に支え合う関係となるので、両コイルバネを組み合わせ
た際に、バネの姿勢が安定する。
【0064】・ 本実施形態の動力伝達機構はクラッチ
レス圧縮機に適用された場合に大きな有用性を発揮す
る。即ち、簡素でコンパクトな構成の動力伝達機構であ
るにもかかわらず、非常時には動力伝達を確実に遮断す
ることができるので、高価で嵩高で且つ重い電磁クラッ
チをあえて採用する必要がなくなる。
【0065】尚、前記実施形態は、次のような態様に変
更することもできる。 ・ 図1〜図6に示した例では電磁クラッチを採用して
いないが、図1〜図6に示した動力伝達機構に対して電
磁クラッチをあえて併設し、新たな動力伝達機構を構成
してもよい。この場合、リミットバネ60のフロント側
への付勢作用を利用して電磁クラッチにおけるアーマチ
ュアを特定方向に付勢することで、アーマチュアとプー
リとの間のギャップ調節の保守管理を不要としてもよ
い。
【0066】・ 図2(A)の例では、ブッシュ50の
各係合凹部53A,53Bを区画する第1係止面54と
第2係止面55とのなす角度がほぼ直角(90°)とな
るようにした。これに対して、図7に示すように、両係
止面54,55のなす角度が鈍角θとなるように構成し
てもよい。この場合、各コイルバネ60A,60Bの第
1端部62の先端と接触する第1係止面54は、ブッシ
ュ50の半径方向に対して(θ−90°)だけ傾斜した
面となり、この傾斜故に、動力伝達遮断時において、第
1端部62の各係合凹部53A,53Bからの離脱が迅
速且つ円滑化され、遮断レスポンスが向上する。
【0067】・ 図1〜図6の例及び図7の別例におい
て、二つの捩じりコイルバネ60A,60Bのうちの一
方を省いて、一つのコイルバネだけでリミットバネ60
を構成してもよい。逆に、三つ以上のコイルバネを用い
てリミットバネ60を構成してもよい。即ち、リミット
バネ60は、少なくとも一つ以上のコイルバネから構成
されることは好ましい。
【0068】・ 図1〜図6の例及び図7の別例におい
ては、各コイルバネ60A,60Bの第2端部63をプ
ーリ43に支持し、第1端部62をブッシュ50に対し
て係脱可能としていた。これとは逆に、各コイルバネ6
0A,60Bの第2端部63をブッシュ50に対して回
動可能に支持すると共に、プーリ43のフランジ部43
cに係合凹部53A,53Bや封止面56に相当する部
位を形成し、各コイルバネ60A,60Bの第1端部6
2をプーリ43に対し係脱可能となるように、動力伝達
機構を構成してもよい。
【0069】・ 図1〜図6の例及び図7の別例におい
ては、リミットバネ60を構成する一対の捩じりコイル
バネ60A,60Bは、プーリ43のフランジ部43c
とブッシュ50の円盤部52との間に圧縮状態で介装さ
れているが、両コイルバネ60A,60Bを圧縮状態と
は逆の伸張状態で両部材43,50間に介装してもよ
い。
【0070】前述した実施形態から把握される技術的思
想として、更に以下に述べるものがあげられる。 ・「前記請求項1〜7のいずれか一項に記載の動力伝達
機構において、前記第2回転体は、動力源とベルトを介
して連結されたプーリであり、このプーリの内側リング
状部と外側リング状部との間に環状凹部が形成されてい
る」こと。この構成によれば、プーリ内に形成された環
状凹部が、弾性部材の収納空間として有効利用され、動
力伝達機構のコンパクト化を図ることができる。
【0071】・「前記請求項1〜7のいずれか一項に記
載の動力伝達機構において、前記第1回転体は、被動機
器内に設けられた駆動軸と、その駆動軸の端部に固定さ
れたブッシュ(又は駆動力受承体)とを備えてなる」こ
と。この構成によれば、被動機器のハウジングに可能な
限り接近させて、ブッシュを駆動軸の端部に固定するこ
とができる。このため、第2回転体を被動機器のハウジ
ングの一部に回転可能に支持する場合、ブッシュと第2
回転体との距離を極力短くすることが可能となり、動力
伝達機構の更なるコンパクト化を図ることができる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように各請求項に記載した
本発明によれば、高速回転時にも不用意に動力伝達が遮
断されることがなく、動力遮断特性の安定性及び信頼性
を高めることができる。更に、弾性部材の自身の径変化
によって被動機器側及び駆動源側の回転体を係脱可能に
連結すると共に、その弾性部材を動力伝達の際に被動機
器側に生じた負荷トルクに基づいて捩じり変形可能なも
のとすることにより、遮断限界の設定の自由度が大きい
動力伝達機構とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 可変容量圧縮機の全体を示す縦断面図。
【図2】 可変容量圧縮機に適用された動力伝達機構の
要部を示し、(A)はその一部を切り欠いて示す正面
図、(B)は2B−2B線での縦断面図。
【図3】 捩じりコイルバネの側面図。
【図4】 図3に示す捩じりコイルバネの正面図。
【図5】 動力伝達状態におけるコイルバネの状態を示
す作用説明図。
【図6】 動力遮断状態におけるコイルバネの状態を示
す作用説明図。
【図7】 動力伝達機構の別例の正面図(図2(A)相
当の図)。
【符号の説明】 11…フロントハウジング、12…シリンダブロック、
13…リヤハウジング、15…クランク室、16…駆動
軸、19…斜板、21…ピストン、24…容量制御弁
(11,12,13,15,16,19,21,24は
被動機器としての圧縮機本体を構成する)、43…プー
リ(第2回転体)、44…ベルト、45…車輌エンジン
(駆動源)、46…環状の凹部、50…ブッシュ(1
6,50は第1回転体を構成する)、53A,53B…
係合凹部(係合部)、54…第1係止面(駆動力を受け
止める係止面)、55…第2係止面、、56…封止面
(第3係止面)、60…リミットバネ(弾性部材)、6
0A,60B…捩じりコイルバネ(弾性部材)、62…
第1端部、63…第2端部、L1…駆動軸の中心軸線
(回転軸線でもある)、L2…コイルバネの中心軸線。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被動機器側に設けられた第1回転体と、
    動力源側に設けられた第2回転体とを動力伝達可能に連
    結するための動力伝達機構であって、 前記第1回転体と第2回転体とを係脱可能に連結し、且
    つ、該第1及び第2回転体間における動力伝達の際に被
    動機器側に生じた負荷トルクに基づいて捩じり変形可能
    な弾性部材を設け、前記負荷トルクが前記弾性部材の弾
    性によって決定される所定の限界値を超えたときに、弾
    性部材はその捩じり変形に起因した自身の径変化によっ
    て前記第1及び第2回転体間の係合を解除する動力伝達
    機構。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材は、少なくとも一つのコイ
    ルバネによって構成される請求項1に記載の動力伝達機
    構。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2回転体のいずれか一方
    には前記弾性部材としてのコイルバネとの係脱のための
    係合部が形成されており、前記コイルバネは、前記第1
    及び第2回転体のうちの一方に形成された前記係合部と
    係合する第1端部と、前記第1及び第2回転体のうちの
    残る一方に対して動力伝達可能に連結される第2端部と
    を有してなる請求項2に記載の動力伝達機構。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材は複数のコイルバネを重ね
    合わせて構成されており、前記複数のコイルバネの各第
    1端部は、これらコイルバネに共通の中心軸線の周りに
    等角度間隔にて配置されると共にそれぞれの位置にて前
    記係合部に対し係脱可能に連結され、更に、前記複数の
    コイルバネの各第2端部は、これらコイルバネに共通の
    中心軸線の周りに等角度間隔にて配置されると共にそれ
    ぞれの位置にて動力伝達可能に連結されている請求項3
    に記載の動力伝達機構。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材としてのコイルバネは、第
    1回転体と第2回転体との間に圧縮状態で介装されてい
    る請求項2〜4のいずれか一項に記載の動力伝達機構。
  6. 【請求項6】 前記係合部には係合凹部が形成されてお
    り、この係合凹部内には、前記弾性部材の第1端部が接
    触して駆動源からの駆動力を受け止める係止面が形成さ
    れている請求項3又は4に記載の動力伝達機構。
  7. 【請求項7】 前記係止面は、第1回転体の半径方向に
    対して所定角度だけ傾斜して設けられている請求項6に
    記載の動力伝達機構。
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