JP2000154836A - 動力伝達機構 - Google Patents
動力伝達機構Info
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- JP2000154836A JP2000154836A JP10327919A JP32791998A JP2000154836A JP 2000154836 A JP2000154836 A JP 2000154836A JP 10327919 A JP10327919 A JP 10327919A JP 32791998 A JP32791998 A JP 32791998A JP 2000154836 A JP2000154836 A JP 2000154836A
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- Japan
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- spiral spring
- power transmission
- load torque
- outer end
- rotating body
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- One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 過大な負荷トルクの解放構成の簡素化を図り
得る動力伝達機構を提供すること。 【解決手段】 渦巻バネ47は、圧縮機側に発生する負
荷トルクの作用によりねじり変形すると縮径変化するよ
うにその巻き方向が設定されている。圧縮機側の負荷ト
ルクが過大となって所定値を超えると、渦巻バネ47の
ねじり変形量が多くなり、渦巻バネ47の縮径変化量が
多くなる。渦巻バネ47の縮径変化量が多くなると、外
端部47aに付与される半径方向内側への変位力が大き
くなり、外端部47aが規制面43bから外れて渦巻バ
ネ47の蓄積された付勢力が解放される。付勢力が解放
された渦巻バネ47は自然状態に復帰され、渦巻バネ4
7と係合凹所43とが完全に離脱されて、プーリ18に
おけるロータ41側と回転軸16側との間での動力伝達
が遮断される。
得る動力伝達機構を提供すること。 【解決手段】 渦巻バネ47は、圧縮機側に発生する負
荷トルクの作用によりねじり変形すると縮径変化するよ
うにその巻き方向が設定されている。圧縮機側の負荷ト
ルクが過大となって所定値を超えると、渦巻バネ47の
ねじり変形量が多くなり、渦巻バネ47の縮径変化量が
多くなる。渦巻バネ47の縮径変化量が多くなると、外
端部47aに付与される半径方向内側への変位力が大き
くなり、外端部47aが規制面43bから外れて渦巻バ
ネ47の蓄積された付勢力が解放される。付勢力が解放
された渦巻バネ47は自然状態に復帰され、渦巻バネ4
7と係合凹所43とが完全に離脱されて、プーリ18に
おけるロータ41側と回転軸16側との間での動力伝達
が遮断される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転運動する動力
源側の第1回転体と被動機器側の第2回転体とを動力伝
達可能に連結する動力伝達機構に関する。詳しくは、例
えば、車両空調装置を構成する圧縮機に何らかの不具合
が生じて過大な負荷トルクが発生した場合に、車両エン
ジンからの動力伝達を遮断して過大な負荷トルクを解放
するための遮断機構に関する。
源側の第1回転体と被動機器側の第2回転体とを動力伝
達可能に連結する動力伝達機構に関する。詳しくは、例
えば、車両空調装置を構成する圧縮機に何らかの不具合
が生じて過大な負荷トルクが発生した場合に、車両エン
ジンからの動力伝達を遮断して過大な負荷トルクを解放
するための遮断機構に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の動力伝達機構としては、本出願
人によって、図7〜図10に示すような、圧縮機に適用
されるトルクリミット機能を備えたプーリ100 が提案さ
れている(特願平9−342853号)。
人によって、図7〜図10に示すような、圧縮機に適用
されるトルクリミット機能を備えたプーリ100 が提案さ
れている(特願平9−342853号)。
【0003】すなわち、図7及び図8に示すように、ロ
ータ101 は、圧縮機のハウジング201 に回転可能に支持
されている。車両エンジン202 からのベルト203 は、ロ
ータ101 に掛けられている。係合爪102 は、ロータ101
において軸線Lの偏心位置に突設されている。係合凹所
103 は、係合爪102 においてプーリ100 の回転方向前方
側の端面に凹設されている。係合凹所103 は、プーリ10
0 の半径方向には開放されているが、プーリ100 の軸線
L方向には閉じられている。動力伝達面103aは、係合凹
所103 内において回転方向前方側に向かって形成されて
いる。動力伝達面103aは、係合凹所103 を半径方向内側
に拡開するようにして、回転方向前後に傾斜されてい
る。規制面103bは、係合凹所103 内において軸線L方向
後方側に向かって形成されている。
ータ101 は、圧縮機のハウジング201 に回転可能に支持
されている。車両エンジン202 からのベルト203 は、ロ
ータ101 に掛けられている。係合爪102 は、ロータ101
において軸線Lの偏心位置に突設されている。係合凹所
103 は、係合爪102 においてプーリ100 の回転方向前方
側の端面に凹設されている。係合凹所103 は、プーリ10
0 の半径方向には開放されているが、プーリ100 の軸線
L方向には閉じられている。動力伝達面103aは、係合凹
所103 内において回転方向前方側に向かって形成されて
いる。動力伝達面103aは、係合凹所103 を半径方向内側
に拡開するようにして、回転方向前後に傾斜されてい
る。規制面103bは、係合凹所103 内において軸線L方向
後方側に向かって形成されている。
【0004】渦巻バネ104 は、ロータ101 と圧縮機の回
転軸204 との間に介在されている。渦巻バネ104 の外端
部104aは係合爪102 の係合凹所103 に嵌まり込み、動力
伝達面103aに当接係合されている。渦巻バネ104 の内端
部104bは回転軸204 に回り止めされている。
転軸204 との間に介在されている。渦巻バネ104 の外端
部104aは係合爪102 の係合凹所103 に嵌まり込み、動力
伝達面103aに当接係合されている。渦巻バネ104 の内端
部104bは回転軸204 に回り止めされている。
【0005】前記渦巻バネ104 は、図10に示す状態が
自然状態であり、この渦巻が平面内に収まっている形態
では、外端部104aが係合爪102 に対して軸線L方向前方
側にずれている。従って、図7に示すように、プーリ10
0 の組み立て時には、渦巻バネ104 を弾性変形させて円
錐状とする。これにより、渦巻バネ104 の外端部104a
を、内端部104bに対して軸線L方向後方側に変位させて
係合凹所103 に嵌め込んでいる。この状態で渦巻バネ10
4 は、自身によって外端部104aが軸線L方向前方側に付
勢され、この付勢力は外端部104aが規制面103bに当接す
ることで蓄積されている。
自然状態であり、この渦巻が平面内に収まっている形態
では、外端部104aが係合爪102 に対して軸線L方向前方
側にずれている。従って、図7に示すように、プーリ10
0 の組み立て時には、渦巻バネ104 を弾性変形させて円
錐状とする。これにより、渦巻バネ104 の外端部104a
を、内端部104bに対して軸線L方向後方側に変位させて
係合凹所103 に嵌め込んでいる。この状態で渦巻バネ10
4 は、自身によって外端部104aが軸線L方向前方側に付
勢され、この付勢力は外端部104aが規制面103bに当接す
ることで蓄積されている。
【0006】解放プレート105 は、渦巻バネ104 よりも
軸線L方向前方側において回転軸204 に固定されてい
る。解放凸部105aは、解放プレート105 の後端面の偏心
位置において、ロータ101 側に向かって突設されてい
る。解放プレート105 は、解放凸部105aの軸線L周りで
の位置が、係合爪102 に対して回転方向前方側へずれる
ようにして回転軸204 に固定されている。
軸線L方向前方側において回転軸204 に固定されてい
る。解放凸部105aは、解放プレート105 の後端面の偏心
位置において、ロータ101 側に向かって突設されてい
る。解放プレート105 は、解放凸部105aの軸線L周りで
の位置が、係合爪102 に対して回転方向前方側へずれる
ようにして回転軸204 に固定されている。
【0007】さて、車両エンジン202 からの動力は、ベ
ルト203 、ロータ101 、係合爪102(動力伝達面103a)
及び渦巻バネ104 (外端部104aから内端部104b)を介し
て回転軸204 に伝達される。この動力伝達により、回転
軸204 には回転方向と逆側の負荷トルクが発生する。渦
巻バネ104 は、この負荷トルクの作用によりねじり変形
される。従って、ロータ101 と回転軸204 とは、ロータ
101 が回転軸204 に対して回転方向前方側に回動するよ
うにして相対回動される。その結果、ロータ101 側であ
る係合爪102 と、回転軸204 側である解放凸部105aとが
近づこうとする。また、渦巻バネ104 の外端部104aに
は、回転方向前後に傾斜された動力伝達面103aからの伝
達トルクによって、半径方向内側への変位力が付与され
ている。
ルト203 、ロータ101 、係合爪102(動力伝達面103a)
及び渦巻バネ104 (外端部104aから内端部104b)を介し
て回転軸204 に伝達される。この動力伝達により、回転
軸204 には回転方向と逆側の負荷トルクが発生する。渦
巻バネ104 は、この負荷トルクの作用によりねじり変形
される。従って、ロータ101 と回転軸204 とは、ロータ
101 が回転軸204 に対して回転方向前方側に回動するよ
うにして相対回動される。その結果、ロータ101 側であ
る係合爪102 と、回転軸204 側である解放凸部105aとが
近づこうとする。また、渦巻バネ104 の外端部104aに
は、回転方向前後に傾斜された動力伝達面103aからの伝
達トルクによって、半径方向内側への変位力が付与され
ている。
【0008】前述した負荷トルクが、予め設定された所
定値を超えないような状況では、渦巻バネ104 のねじり
変形量が少なく、ロータ101 と回転軸204 との相対回動
量は少ない。このため、解放凸部105aは渦巻バネ104 の
外端部104aに近づき、さらには当接するものの圧接力が
過大となるには至らない。また、動力伝達面103aから外
端部104aへの伝達トルク(前記負荷トルクに比例する)
が、動力伝達面103aの回転方向前後の傾斜によって外端
部104aに付与する半径方向内側への変位力は小さい。従
って、渦巻バネ104 (外端部104a)とロータ101 (動力
伝達面103a)との当接係合が維持され、車両エンジン20
2 から回転軸204 への動力伝達は継続される。所定値を
超えない範囲での負荷トルクの変動は、渦巻バネ104 の
ねじり変形により緩和される。
定値を超えないような状況では、渦巻バネ104 のねじり
変形量が少なく、ロータ101 と回転軸204 との相対回動
量は少ない。このため、解放凸部105aは渦巻バネ104 の
外端部104aに近づき、さらには当接するものの圧接力が
過大となるには至らない。また、動力伝達面103aから外
端部104aへの伝達トルク(前記負荷トルクに比例する)
が、動力伝達面103aの回転方向前後の傾斜によって外端
部104aに付与する半径方向内側への変位力は小さい。従
って、渦巻バネ104 (外端部104a)とロータ101 (動力
伝達面103a)との当接係合が維持され、車両エンジン20
2 から回転軸204 への動力伝達は継続される。所定値を
超えない範囲での負荷トルクの変動は、渦巻バネ104 の
ねじり変形により緩和される。
【0009】しかし、図9に示すように、圧縮機側の負
荷トルクが何らかの要因により過大となって所定値を超
えると、渦巻バネ104 のねじり変形量が多くなり、ロー
タ101 と回転軸204 との相対回動量が多くなる。ロータ
101 と回転軸204 との相対回動量が多くなると、解放凸
部105aと渦巻バネ104 の外端部104aとの圧接力が過大と
なり、動力伝達面103aの傾斜によって外端部104aに付与
される半径方向内側への変位力が大きくなる。また、伝
達トルクが、動力伝達面103aの傾斜によって外端部104a
に付与する半径方向内側への変位力が大きくなる。従っ
て、渦巻バネ104 の外端部104aが、動力伝達面103aに沿
って半径方向内側に変位され、規制面103bから外れて渦
巻バネ104 の蓄積された付勢力が解放される。
荷トルクが何らかの要因により過大となって所定値を超
えると、渦巻バネ104 のねじり変形量が多くなり、ロー
タ101 と回転軸204 との相対回動量が多くなる。ロータ
101 と回転軸204 との相対回動量が多くなると、解放凸
部105aと渦巻バネ104 の外端部104aとの圧接力が過大と
なり、動力伝達面103aの傾斜によって外端部104aに付与
される半径方向内側への変位力が大きくなる。また、伝
達トルクが、動力伝達面103aの傾斜によって外端部104a
に付与する半径方向内側への変位力が大きくなる。従っ
て、渦巻バネ104 の外端部104aが、動力伝達面103aに沿
って半径方向内側に変位され、規制面103bから外れて渦
巻バネ104 の蓄積された付勢力が解放される。
【0010】付勢力が解放された渦巻バネ104 は、図1
0に示す自然状態に復帰され、外端部104aが係合爪102
に対して軸線L方向前方側に変位される。従って、ロー
タ101 (動力伝達面103a)と渦巻バネ104 (外端部104
a)とが完全に離脱され、プーリ100 におけるロータ101
側と回転軸204 側との間での動力伝達が遮断されて、
過大な負荷トルクが解放される。その結果、過大な負荷
トルクの影響が、車両エンジン202 に波及されることは
ない。
0に示す自然状態に復帰され、外端部104aが係合爪102
に対して軸線L方向前方側に変位される。従って、ロー
タ101 (動力伝達面103a)と渦巻バネ104 (外端部104
a)とが完全に離脱され、プーリ100 におけるロータ101
側と回転軸204 側との間での動力伝達が遮断されて、
過大な負荷トルクが解放される。その結果、過大な負荷
トルクの影響が、車両エンジン202 に波及されることは
ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図8に示す
ように前記渦巻バネ104 は、外端部104aから内端部104b
に向かって時計回り方向に渦を描いている。つまり、渦
巻バネ104 は、圧縮機側に発生する負荷トルクが大きく
なると、ねじり変形により拡径変化する(渦のピッチが
広がる)ように、その巻き方向が設定されている。従っ
て、圧縮機側の負荷トルクが所定値を超えて高まった場
合には、渦巻バネ104 の拡径変化に基づいて外端部104a
に半径方向外側への大きな変位力が付与され、これは、
伝達トルクが、動力伝達面103aの傾斜により外端部104a
に付与する変位力の方向(半径方向内側)とは反対とな
っていた。つまり、従来は、プーリ100 を設計するにあ
たり、渦巻バネ104 の径変化に基づき外端部104aに付与
される変位力まで考慮されていなかった。その結果、過
大な負荷トルクを解放するためには、強制的に外端部10
4aを半径方向内側へ変位させる手段、つまり、解放凸部
105aが必要不可欠であり、過大な負荷トルクの解放構成
の複雑化を招くとともに、解放する負荷トルクの所定値
の設定を困難としていた。
ように前記渦巻バネ104 は、外端部104aから内端部104b
に向かって時計回り方向に渦を描いている。つまり、渦
巻バネ104 は、圧縮機側に発生する負荷トルクが大きく
なると、ねじり変形により拡径変化する(渦のピッチが
広がる)ように、その巻き方向が設定されている。従っ
て、圧縮機側の負荷トルクが所定値を超えて高まった場
合には、渦巻バネ104 の拡径変化に基づいて外端部104a
に半径方向外側への大きな変位力が付与され、これは、
伝達トルクが、動力伝達面103aの傾斜により外端部104a
に付与する変位力の方向(半径方向内側)とは反対とな
っていた。つまり、従来は、プーリ100 を設計するにあ
たり、渦巻バネ104 の径変化に基づき外端部104aに付与
される変位力まで考慮されていなかった。その結果、過
大な負荷トルクを解放するためには、強制的に外端部10
4aを半径方向内側へ変位させる手段、つまり、解放凸部
105aが必要不可欠であり、過大な負荷トルクの解放構成
の複雑化を招くとともに、解放する負荷トルクの所定値
の設定を困難としていた。
【0012】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、過大な
負荷トルクの解放構成の簡素化を図り得る動力伝達機構
を提供することにある。
に着目してなされたものであって、その目的は、過大な
負荷トルクの解放構成の簡素化を図り得る動力伝達機構
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、動力源側の第1回転体と被動機
器側の第2回転体とを動力伝達可能に連結する構成の動
力伝達機構であって、一方の回転体において回転方向に
向かって形成された動力伝達面と、第1端部が動力伝達
面に当接係合されるとともに、第2端部が他方の回転体
に回り止めされ、動力伝達に際して被動機器側に発生す
る負荷トルクによってねじり変形することで、第1回転
体と第2回転体との相対回動を許容する渦巻バネと、渦
巻バネの第1端部を回転体の軸線方向に向かって付勢す
る付勢手段と、一方の回転体において渦巻バネの第1端
部と対向形成され、付勢手段に基づく第1端部の変位を
当接規制する規制面とを備え、負荷トルクが所定値を超
えて高まった場合には、渦巻バネのねじり変形による縮
径変化に基づいて第1端部を規制面に対して回転体の半
径方向内側に変位させて、第1端部を規制面から外すこ
とで付勢手段の付勢力を解放するように構成した動力伝
達機構である。
に請求項1の発明では、動力源側の第1回転体と被動機
器側の第2回転体とを動力伝達可能に連結する構成の動
力伝達機構であって、一方の回転体において回転方向に
向かって形成された動力伝達面と、第1端部が動力伝達
面に当接係合されるとともに、第2端部が他方の回転体
に回り止めされ、動力伝達に際して被動機器側に発生す
る負荷トルクによってねじり変形することで、第1回転
体と第2回転体との相対回動を許容する渦巻バネと、渦
巻バネの第1端部を回転体の軸線方向に向かって付勢す
る付勢手段と、一方の回転体において渦巻バネの第1端
部と対向形成され、付勢手段に基づく第1端部の変位を
当接規制する規制面とを備え、負荷トルクが所定値を超
えて高まった場合には、渦巻バネのねじり変形による縮
径変化に基づいて第1端部を規制面に対して回転体の半
径方向内側に変位させて、第1端部を規制面から外すこ
とで付勢手段の付勢力を解放するように構成した動力伝
達機構である。
【0014】請求項2の発明では、前記動力伝達面は回
転方向前後に傾斜されており、被動機器側に発生する負
荷トルクが大きくなると、伝達トルクによって半径方向
内側への変位力を第1端部に付与する構成である。
転方向前後に傾斜されており、被動機器側に発生する負
荷トルクが大きくなると、伝達トルクによって半径方向
内側への変位力を第1端部に付与する構成である。
【0015】請求項3の発明では、前記渦巻バネは、自
然状態からねじり変形させて縮径変化した状態で組み付
けられている。請求項4の発明では、前記渦巻バネは、
軸線方向に弾性変形した状態で組み込まれることで付勢
手段を兼ねている。
然状態からねじり変形させて縮径変化した状態で組み付
けられている。請求項4の発明では、前記渦巻バネは、
軸線方向に弾性変形した状態で組み込まれることで付勢
手段を兼ねている。
【0016】(作用)上記構成の請求項1の発明におい
ては、被動機器側に発生する負荷トルクが、予め設定さ
れた所定値を超えないような状況では、渦巻バネのねじ
り変形量は少ない。従って、渦巻バネの縮径変化量は少
なく、第1端部に付与される半径方向内側への変位力は
小さい。このため、第1端部が、規制面から外れる程に
半径方向内側へ移動することはなく、第1端部と動力伝
達面との当接係合が維持され、動力源から被動機器への
動力伝達は継続される。所定値を超えない範囲での負荷
トルクの変動は、渦巻バネのねじり変形により緩和され
る。
ては、被動機器側に発生する負荷トルクが、予め設定さ
れた所定値を超えないような状況では、渦巻バネのねじ
り変形量は少ない。従って、渦巻バネの縮径変化量は少
なく、第1端部に付与される半径方向内側への変位力は
小さい。このため、第1端部が、規制面から外れる程に
半径方向内側へ移動することはなく、第1端部と動力伝
達面との当接係合が維持され、動力源から被動機器への
動力伝達は継続される。所定値を超えない範囲での負荷
トルクの変動は、渦巻バネのねじり変形により緩和され
る。
【0017】ところが、被動機器側の負荷トルクが何ら
かの原因により過大となって所定値を超えると、渦巻バ
ネのねじり変形量が多くなり、その縮径変化量が多くな
る。渦巻バネの縮径変化量が多くなると、第1端部に付
与される半径方向内側への変位力が大きくなる。このた
め、第1端部が半径方向内側に変位され、やがては規制
面から外れて付勢手段の蓄積された付勢力が解放され
る。この付勢手段の付勢力の解放によって、第1端部が
動力伝達面に対して軸線方向に変位され、第1端部と動
力伝達面との当接係合が解除されて、第1回転体と第2
回転体とが完全に離脱される。その結果、動力源から被
動機器への動力伝達が遮断されて、過大な負荷トルクが
解放される。
かの原因により過大となって所定値を超えると、渦巻バ
ネのねじり変形量が多くなり、その縮径変化量が多くな
る。渦巻バネの縮径変化量が多くなると、第1端部に付
与される半径方向内側への変位力が大きくなる。このた
め、第1端部が半径方向内側に変位され、やがては規制
面から外れて付勢手段の蓄積された付勢力が解放され
る。この付勢手段の付勢力の解放によって、第1端部が
動力伝達面に対して軸線方向に変位され、第1端部と動
力伝達面との当接係合が解除されて、第1回転体と第2
回転体とが完全に離脱される。その結果、動力源から被
動機器への動力伝達が遮断されて、過大な負荷トルクが
解放される。
【0018】請求項2の発明においては、被動機器側の
負荷トルクが何らかの原因により過大となって所定値を
超えると、渦巻バネのねじり変形量が多くなり、その縮
径変化量が多くなる。渦巻バネの縮径変化量が多くなる
と、第1端部に付与される半径方向内側への変位力が大
きくなる。また、動力伝達面と第1端部との間での伝達
トルクが、動力伝達面の傾斜によって第1端部に付与す
る半径方向内側への変位力も大きくなる。このため、第
1端部が半径方向内側に変位され、規制面から外れて付
勢手段の蓄積された付勢力が解放される。
負荷トルクが何らかの原因により過大となって所定値を
超えると、渦巻バネのねじり変形量が多くなり、その縮
径変化量が多くなる。渦巻バネの縮径変化量が多くなる
と、第1端部に付与される半径方向内側への変位力が大
きくなる。また、動力伝達面と第1端部との間での伝達
トルクが、動力伝達面の傾斜によって第1端部に付与す
る半径方向内側への変位力も大きくなる。このため、第
1端部が半径方向内側に変位され、規制面から外れて付
勢手段の蓄積された付勢力が解放される。
【0019】請求項3の発明において渦巻バネは、ねじ
り変形させて縮径変化した状態で、第1端部が動力伝達
面に当接係合されている。言い換えれば、自然状態では
第1端部を動力伝達面に当接係合させることが困難な外
径を有する渦巻バネであっても、本動力伝達機構に適用
することが可能となり、設計の自由度が増す。
り変形させて縮径変化した状態で、第1端部が動力伝達
面に当接係合されている。言い換えれば、自然状態では
第1端部を動力伝達面に当接係合させることが困難な外
径を有する渦巻バネであっても、本動力伝達機構に適用
することが可能となり、設計の自由度が増す。
【0020】請求項4の発明においては、渦巻バネと付
勢手段とを別個に備える必要がなくなる。
勢手段とを別個に備える必要がなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の動力伝達機構を、
車両空調装置を構成して冷媒ガスの圧縮を行なう圧縮機
に適用されるトルクリミット機能を備えたプーリにおい
て具体化した一実施形態について説明する。
車両空調装置を構成して冷媒ガスの圧縮を行なう圧縮機
に適用されるトルクリミット機能を備えたプーリにおい
て具体化した一実施形態について説明する。
【0022】先ず、被動機器としての圧縮機について説
明する。図1に示すように、フロントハウジング11は
シリンダブロック12の前端部に接合固定されている。
リヤハウジング13はシリンダブロック12の後端部に
接合固定されている。クランク室15は、フロントハウ
ジング11とシリンダブロック12とにより囲まれて区
画形成されている。
明する。図1に示すように、フロントハウジング11は
シリンダブロック12の前端部に接合固定されている。
リヤハウジング13はシリンダブロック12の後端部に
接合固定されている。クランク室15は、フロントハウ
ジング11とシリンダブロック12とにより囲まれて区
画形成されている。
【0023】回転軸16は、クランク室15を通るよう
にフロントハウジング11とシリンダブロック12との
間で回転可能に架設支持されている。回転軸16の前端
部は、フロントハウジング11の前壁を貫通して外部へ
突出されている。ボス部11aはフロントハウジング1
1の外壁面に一体に突設され、回転軸16の前端部を取
り囲む。
にフロントハウジング11とシリンダブロック12との
間で回転可能に架設支持されている。回転軸16の前端
部は、フロントハウジング11の前壁を貫通して外部へ
突出されている。ボス部11aはフロントハウジング1
1の外壁面に一体に突設され、回転軸16の前端部を取
り囲む。
【0024】本実施形態の特徴点であるトルクリミット
機能を備えたプーリ18は、ボス部11aの外周側にア
ンギュラベアリング19を介して回転可能に支持されて
いる。プーリ18は回転軸16に連結されている。プー
リ18はベルト20を介して、動力源としての車両エン
ジン21に、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介するこ
となく直結されている。従って、車両エンジン21の起
動時には、ベルト20及びプーリ18を介して回転軸1
6が回転駆動される。
機能を備えたプーリ18は、ボス部11aの外周側にア
ンギュラベアリング19を介して回転可能に支持されて
いる。プーリ18は回転軸16に連結されている。プー
リ18はベルト20を介して、動力源としての車両エン
ジン21に、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介するこ
となく直結されている。従って、車両エンジン21の起
動時には、ベルト20及びプーリ18を介して回転軸1
6が回転駆動される。
【0025】斜板23は、クランク室15において回転
軸16に一体回転可能に連結されている。シリンダボア
12aはシリンダブロック12に貫設形成されている。
片頭型のピストン25はシリンダボア12aに収容され
ている。ピストン25は、シュー26を介して斜板23
の外周部に係留されている。回転軸16の回転運動は、
斜板23及びシュー26を介してシリンダボア12aで
のピストン25の往復運動に変換される。ピストン25
のシリンダボア12aでの往復運動によって、冷媒ガス
の圧縮が行われる。
軸16に一体回転可能に連結されている。シリンダボア
12aはシリンダブロック12に貫設形成されている。
片頭型のピストン25はシリンダボア12aに収容され
ている。ピストン25は、シュー26を介して斜板23
の外周部に係留されている。回転軸16の回転運動は、
斜板23及びシュー26を介してシリンダボア12aで
のピストン25の往復運動に変換される。ピストン25
のシリンダボア12aでの往復運動によって、冷媒ガス
の圧縮が行われる。
【0026】次に、前記プーリ18について詳述する。
図1及び図2に示すように、第1回転体としてのロータ
41は、外周側に配置された外筒部41aと、内周側に
おいて外筒部41aと同軸位置に配置された内筒部41
bとが、盤部41cにより連結されてなる。ロータ41
は、内筒部41bを介してアンギュラベアリング19の
外輪に止着されている。車両エンジン21からのベルト
20は、外筒部41aの外周に掛けられている。ロータ
内空間41dは、外筒部41a、内筒部41b及び盤部
41cによって囲まれることで形成され、前方側に開放
されている。
図1及び図2に示すように、第1回転体としてのロータ
41は、外周側に配置された外筒部41aと、内周側に
おいて外筒部41aと同軸位置に配置された内筒部41
bとが、盤部41cにより連結されてなる。ロータ41
は、内筒部41bを介してアンギュラベアリング19の
外輪に止着されている。車両エンジン21からのベルト
20は、外筒部41aの外周に掛けられている。ロータ
内空間41dは、外筒部41a、内筒部41b及び盤部
41cによって囲まれることで形成され、前方側に開放
されている。
【0027】係合部材42は、基部42aの縁部に壁部
42bが立設されてなり、この基部42aと壁部42b
とで断面「L」字形をなしている。一対の係合部材42
は、ロータ内空間41dに収容されるとともに、盤部4
1cの前端面に基部42aを以って固定されている。従
って、係合部材42は、壁部42bが基部42aの外縁
部から軸線L方向前方側に突出されるようにして配置さ
れている。一対の係合部材42は、軸線L周りに180
°の等間隔で配置されている。
42bが立設されてなり、この基部42aと壁部42b
とで断面「L」字形をなしている。一対の係合部材42
は、ロータ内空間41dに収容されるとともに、盤部4
1cの前端面に基部42aを以って固定されている。従
って、係合部材42は、壁部42bが基部42aの外縁
部から軸線L方向前方側に突出されるようにして配置さ
れている。一対の係合部材42は、軸線L周りに180
°の等間隔で配置されている。
【0028】係合凹所43は、係合部材42において壁
部42bに凹設されている。係合凹所43は、プーリ1
8の半径方向には開放されているが、プーリ18の回転
方向及び軸線L方向には閉じられている。従って、係合
部材42において係合凹所43内には、動力伝達面43
a、規制面43b及び誤解放阻止面43cが形成されて
いる。動力伝達面43aは、回転方向前方側に向かうと
ともに、係合凹所43を半径方向内側に拡開するように
して、回転方向前後に傾斜されている。規制面43b
は、軸線L方向後方側に向かうとともに、係合凹所43
を半径方向内側に拡開するようにして、軸線L方向前後
に傾斜されている。誤解放阻止面43cは、規制面43
bを側方に見つつ動力伝達面43aと対向されている。
部42bに凹設されている。係合凹所43は、プーリ1
8の半径方向には開放されているが、プーリ18の回転
方向及び軸線L方向には閉じられている。従って、係合
部材42において係合凹所43内には、動力伝達面43
a、規制面43b及び誤解放阻止面43cが形成されて
いる。動力伝達面43aは、回転方向前方側に向かうと
ともに、係合凹所43を半径方向内側に拡開するように
して、回転方向前後に傾斜されている。規制面43b
は、軸線L方向後方側に向かうとともに、係合凹所43
を半径方向内側に拡開するようにして、軸線L方向前後
に傾斜されている。誤解放阻止面43cは、規制面43
bを側方に見つつ動力伝達面43aと対向されている。
【0029】ブッシュ46は回転軸16の前端部に外嵌
固定されている。一体回転可能な回転軸16及びブッシ
ュ46は、第2回転体をなしている。フランジ部46a
はブッシュ46の前端部に一体形成されている。カバー
45はブッシュ46とともに回転軸16に固定され、ロ
ータ内空間41dを閉塞するようにして配置されてい
る。
固定されている。一体回転可能な回転軸16及びブッシ
ュ46は、第2回転体をなしている。フランジ部46a
はブッシュ46の前端部に一体形成されている。カバー
45はブッシュ46とともに回転軸16に固定され、ロ
ータ内空間41dを閉塞するようにして配置されてい
る。
【0030】渦巻バネ47は、ブッシュ46においてフ
ランジ部46aに一体形成されている。渦巻バネ47は
同じものが二つ使用され、一方の渦巻バネ47と他方の
渦巻バネ47は、軸線L周りに180°ずれた位置関係
にある。従って、両渦巻バネ47は、第1端部としての
外端部47a及び第2端部としての内端部47bが、そ
れぞれ軸線L周りに180°の等間隔で配置されてい
る。
ランジ部46aに一体形成されている。渦巻バネ47は
同じものが二つ使用され、一方の渦巻バネ47と他方の
渦巻バネ47は、軸線L周りに180°ずれた位置関係
にある。従って、両渦巻バネ47は、第1端部としての
外端部47a及び第2端部としての内端部47bが、そ
れぞれ軸線L周りに180°の等間隔で配置されてい
る。
【0031】前記各渦巻バネ47の外端部47aは、渦
巻線から半径方向外側に延出する凸状をなしている。各
渦巻バネ47は、外端部47aが係合部材42の係合凹
所43に嵌まり込み、係合凹所43の動力伝達面43a
に当接することで、ロータ41に対して動力伝達可能に
係合されている。この状態で、外端部47aは、係合凹
所43の誤解放阻止面43cに間隔を以って対向されて
いる。
巻線から半径方向外側に延出する凸状をなしている。各
渦巻バネ47は、外端部47aが係合部材42の係合凹
所43に嵌まり込み、係合凹所43の動力伝達面43a
に当接することで、ロータ41に対して動力伝達可能に
係合されている。この状態で、外端部47aは、係合凹
所43の誤解放阻止面43cに間隔を以って対向されて
いる。
【0032】前記渦巻バネ47は、図5に示す状態が自
然状態であり、この渦巻が平面内に収まっている形態で
は、外端部47aが係合凹所43に対して軸線L方向前
方側にずれている。従って、図1に示すように、プーリ
18の組み立て時には、各渦巻バネ47を弾性変形させ
て円錐状とする。これにより、各渦巻バネ47の外端部
47aを、フランジ部46aに対して軸線L方向後方側
に変位させて、対応する係合凹所43に嵌め込んでい
る。渦巻バネ47は、弾性変形された状態で組み込まれ
ることで付勢手段を構成する。この状態で渦巻バネ47
は、外端部47aが軸線L方向前方側に付勢され、この
付勢力は外端部47aが規制面43bに当接することで
蓄積されている。
然状態であり、この渦巻が平面内に収まっている形態で
は、外端部47aが係合凹所43に対して軸線L方向前
方側にずれている。従って、図1に示すように、プーリ
18の組み立て時には、各渦巻バネ47を弾性変形させ
て円錐状とする。これにより、各渦巻バネ47の外端部
47aを、フランジ部46aに対して軸線L方向後方側
に変位させて、対応する係合凹所43に嵌め込んでい
る。渦巻バネ47は、弾性変形された状態で組み込まれ
ることで付勢手段を構成する。この状態で渦巻バネ47
は、外端部47aが軸線L方向前方側に付勢され、この
付勢力は外端部47aが規制面43bに当接することで
蓄積されている。
【0033】また、図5に示すように、前記渦巻バネ4
7は、自然状態ではロータ内空間41dから外端部47
aがはみ出る程に外径が大きい。従って、渦巻バネ47
は、ねじり変形により縮径変化した状態で、外端部47
が係合凹所43に嵌め込まれている。
7は、自然状態ではロータ内空間41dから外端部47
aがはみ出る程に外径が大きい。従って、渦巻バネ47
は、ねじり変形により縮径変化した状態で、外端部47
が係合凹所43に嵌め込まれている。
【0034】さて、車両エンジン21の動力は、ベルト
20、ロータ41、係合部材42、渦巻バネ47及びブ
ッシュ46を介して回転軸16に伝達される。この動力
伝達により、回転軸16には回転方向と逆側の負荷トル
クが発生する。各渦巻バネ47は、この負荷トルクの作
用によりねじり変形される。
20、ロータ41、係合部材42、渦巻バネ47及びブ
ッシュ46を介して回転軸16に伝達される。この動力
伝達により、回転軸16には回転方向と逆側の負荷トル
クが発生する。各渦巻バネ47は、この負荷トルクの作
用によりねじり変形される。
【0035】図2に示すように、本実施形態において前
記渦巻バネ47は、外端部47aから内端部47bに向
かって、従来の渦巻バネ104 とは逆方向である反時計回
り方向に渦を描いている。従って、渦巻バネ47は、圧
縮機側に発生する負荷トルクの作用によりねじり変形す
ると、渦のピッチが狭まって縮径変化する。このため、
渦巻バネ47が圧縮機側に発生する負荷トルクによりね
じり変形すると、外端部47aには半径方向内側への変
位力が付与されることとなる。
記渦巻バネ47は、外端部47aから内端部47bに向
かって、従来の渦巻バネ104 とは逆方向である反時計回
り方向に渦を描いている。従って、渦巻バネ47は、圧
縮機側に発生する負荷トルクの作用によりねじり変形す
ると、渦のピッチが狭まって縮径変化する。このため、
渦巻バネ47が圧縮機側に発生する負荷トルクによりね
じり変形すると、外端部47aには半径方向内側への変
位力が付与されることとなる。
【0036】図3に示すように、前述した負荷トルク
が、予め設定された所定値を超えないような状況では、
渦巻バネ47のねじり変形量は少ない。従って、渦巻バ
ネ47の縮径変化量は少なく、外端部47aに付与され
る半径方向内側への変位力は小さい。また、動力伝達面
43aから外端部47aへの伝達トルク(前記負荷トル
クに比例する)が、動力伝達面43aの回転方向前後の
傾斜によって、外端部47aに付与する半径方向内側へ
の変位力も小さい。このため、外端部47aが規制面4
3bから外れる程に半径方向内側へ移動することはな
く、外端部47aと動力伝達面43aとの当接係合が維
持され、車両エンジン21から回転軸16への動力伝達
は継続される。所定値を超えない範囲での負荷トルクの
変動は、渦巻バネ47のねじり変形により緩和される。
が、予め設定された所定値を超えないような状況では、
渦巻バネ47のねじり変形量は少ない。従って、渦巻バ
ネ47の縮径変化量は少なく、外端部47aに付与され
る半径方向内側への変位力は小さい。また、動力伝達面
43aから外端部47aへの伝達トルク(前記負荷トル
クに比例する)が、動力伝達面43aの回転方向前後の
傾斜によって、外端部47aに付与する半径方向内側へ
の変位力も小さい。このため、外端部47aが規制面4
3bから外れる程に半径方向内側へ移動することはな
く、外端部47aと動力伝達面43aとの当接係合が維
持され、車両エンジン21から回転軸16への動力伝達
は継続される。所定値を超えない範囲での負荷トルクの
変動は、渦巻バネ47のねじり変形により緩和される。
【0037】ところが、図4に示すように、圧縮機側の
負荷トルクが何らかの原因により過大となって所定値を
超えると、渦巻バネ47のねじり変形量が多くなり、渦
巻バネ47の縮径変化量が多くなる。渦巻バネ47の縮
径量が多くなると、外端部47aに付与される半径方向
内側への変位力が大きくなる。また、伝達トルクが、動
力伝達面43aの傾斜によって外端部47aに付与する
半径方向内側への変位力が大きくなる。このため、外端
部47aが半径方向内側に大きく変位され、規制面43
bから外れて渦巻バネ47の蓄積された付勢力が解放さ
れる。
負荷トルクが何らかの原因により過大となって所定値を
超えると、渦巻バネ47のねじり変形量が多くなり、渦
巻バネ47の縮径変化量が多くなる。渦巻バネ47の縮
径量が多くなると、外端部47aに付与される半径方向
内側への変位力が大きくなる。また、伝達トルクが、動
力伝達面43aの傾斜によって外端部47aに付与する
半径方向内側への変位力が大きくなる。このため、外端
部47aが半径方向内側に大きく変位され、規制面43
bから外れて渦巻バネ47の蓄積された付勢力が解放さ
れる。
【0038】付勢力が解放された渦巻バネ47は、図5
に示す自然状態に復帰され、外端部47aが係合部材4
2に対して軸線L方向前方側に変位される。このとき、
渦巻バネ47は、ねじり変形状態から解放されるため、
半径方向内側に変位されていた外端部47aが外側に向
かって復帰変位するが、外端部47aと係合凹所43
(動力伝達面43a)とは軸線L方向にずれた状態にあ
るために再係合することはない。このように、渦巻バネ
47と係合凹所43とが完全に離脱され、プーリ18に
おけるロータ41側と回転軸16側との間での動力伝達
が遮断されて、過大な負荷トルクが解放される。その結
果、過大な負荷トルクの影響が、車両エンジン21に波
及されることはない。
に示す自然状態に復帰され、外端部47aが係合部材4
2に対して軸線L方向前方側に変位される。このとき、
渦巻バネ47は、ねじり変形状態から解放されるため、
半径方向内側に変位されていた外端部47aが外側に向
かって復帰変位するが、外端部47aと係合凹所43
(動力伝達面43a)とは軸線L方向にずれた状態にあ
るために再係合することはない。このように、渦巻バネ
47と係合凹所43とが完全に離脱され、プーリ18に
おけるロータ41側と回転軸16側との間での動力伝達
が遮断されて、過大な負荷トルクが解放される。その結
果、過大な負荷トルクの影響が、車両エンジン21に波
及されることはない。
【0039】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)渦巻バネ47は、圧縮機側に発生する負荷トルク
の作用によりねじり変形すると、渦のピッチが狭まって
縮径変化するようにその巻き方向が設定されている。従
って、圧縮機側の負荷トルクが所定値を超えて高まった
場合には、渦巻バネ47の縮径変化に基づいて外端部4
7aに半径方向内側への大きな変位力が付与され、これ
は、伝達トルクが、動力伝達面43aの傾斜により外端
部47aに付与する変位力の方向と同じである。その結
果、従来技術においては必要であった、負荷トルクが過
大な時に強制的に外端部47aを半径方向内側へ変位さ
せる手段(解除凸部105 )を削除することができた。よ
って、過大な負荷トルクの解放構成の簡素化を図り得る
とともに、解放する負荷トルクの所定値の設定が容易と
なる。
うな効果を奏する。 (1)渦巻バネ47は、圧縮機側に発生する負荷トルク
の作用によりねじり変形すると、渦のピッチが狭まって
縮径変化するようにその巻き方向が設定されている。従
って、圧縮機側の負荷トルクが所定値を超えて高まった
場合には、渦巻バネ47の縮径変化に基づいて外端部4
7aに半径方向内側への大きな変位力が付与され、これ
は、伝達トルクが、動力伝達面43aの傾斜により外端
部47aに付与する変位力の方向と同じである。その結
果、従来技術においては必要であった、負荷トルクが過
大な時に強制的に外端部47aを半径方向内側へ変位さ
せる手段(解除凸部105 )を削除することができた。よ
って、過大な負荷トルクの解放構成の簡素化を図り得る
とともに、解放する負荷トルクの所定値の設定が容易と
なる。
【0040】(2)動力伝達面43aは回転方向前後に
傾斜されており、圧縮機側に発生する負荷トルクが大き
くなると、伝達トルクによって半径方向内側への変位力
を外端部47aに付与する。つまり、本実施形態におい
て過大な負荷トルクの解放動作は、渦巻バネ47の縮径
変化と、傾斜された動力伝達面43aとの協同により行
われ、解放する過大な負荷トルクの設定値には動力伝達
面43aの傾斜度合も影響を与えている。従って、動力
伝達面43aの傾斜度合を変更することで設定値の微調
節を行なうことができ、これは渦巻バネ47の諸元を変
更して微調節することよりも容易に行い得る。
傾斜されており、圧縮機側に発生する負荷トルクが大き
くなると、伝達トルクによって半径方向内側への変位力
を外端部47aに付与する。つまり、本実施形態におい
て過大な負荷トルクの解放動作は、渦巻バネ47の縮径
変化と、傾斜された動力伝達面43aとの協同により行
われ、解放する過大な負荷トルクの設定値には動力伝達
面43aの傾斜度合も影響を与えている。従って、動力
伝達面43aの傾斜度合を変更することで設定値の微調
節を行なうことができ、これは渦巻バネ47の諸元を変
更して微調節することよりも容易に行い得る。
【0041】(3)渦巻バネ47の外端部47aは、係
合部材42に対して半径方向内側に変位することで規制
面43bから外される。従って、ロータ内空間41dに
おいて係合部材42の外周側に、外端部47aが変位す
るための空間を確保する必要がない。その結果、ロータ
41の小型化、ひいてはプーリ18の小型化を図り得
る。
合部材42に対して半径方向内側に変位することで規制
面43bから外される。従って、ロータ内空間41dに
おいて係合部材42の外周側に、外端部47aが変位す
るための空間を確保する必要がない。その結果、ロータ
41の小型化、ひいてはプーリ18の小型化を図り得
る。
【0042】(4)渦巻バネ47は、ねじり変形により
縮径変化された状態で組み付けられて、外端部47が係
合凹所43に嵌め込まれている。従って、次のような効
果を奏する。
縮径変化された状態で組み付けられて、外端部47が係
合凹所43に嵌め込まれている。従って、次のような効
果を奏する。
【0043】(4-1 )外端部47aには、半径方向外側
への付勢力、つまり、回転方向前後に傾斜された動力伝
達面43aに対して押し付けられる方向への付勢力が作
用されている。従って、車両エンジン21の停止時にお
いて、外端部47aが動力伝達面43aから浮き上がる
ことを防止でき、次回の車両エンジン21の起動時に、
外端部47aと動力伝達面43aとが衝撃的に衝突して
振動や騒音を発生することを防止できる。
への付勢力、つまり、回転方向前後に傾斜された動力伝
達面43aに対して押し付けられる方向への付勢力が作
用されている。従って、車両エンジン21の停止時にお
いて、外端部47aが動力伝達面43aから浮き上がる
ことを防止でき、次回の車両エンジン21の起動時に、
外端部47aと動力伝達面43aとが衝撃的に衝突して
振動や騒音を発生することを防止できる。
【0044】(4-2 )渦巻バネ47として、自然状態で
はロータ内空間41dから外端部47aがはみ出る程に
外径が大きいものも使用でき、設計の自由度が増す。別
の見方をすれば、例えば、自然状態で同じ外径の渦巻バ
ネが、縮径変化していない状態でその外端部が係合凹所
43に嵌め込まれている構成と比較して、係合部材42
を軸線L側に寄せて配置することができ、ロータ41の
小型化を図り得る。 (5)渦巻バネ47は、円錐状に軸線方向Lへ弾性変形
した状態で組み込まれることで付勢手段を兼ねている。
従って、プーリ18の部品点数を低減できて、構成の簡
素化を図り得る。
はロータ内空間41dから外端部47aがはみ出る程に
外径が大きいものも使用でき、設計の自由度が増す。別
の見方をすれば、例えば、自然状態で同じ外径の渦巻バ
ネが、縮径変化していない状態でその外端部が係合凹所
43に嵌め込まれている構成と比較して、係合部材42
を軸線L側に寄せて配置することができ、ロータ41の
小型化を図り得る。 (5)渦巻バネ47は、円錐状に軸線方向Lへ弾性変形
した状態で組み込まれることで付勢手段を兼ねている。
従って、プーリ18の部品点数を低減できて、構成の簡
素化を図り得る。
【0045】(6)係合部材42は、軸線L周りに等間
隔で複数が設けられている。渦巻バネ47は係合部材4
2と同数が使用されている。複数の渦巻バネ47の外端
部47aは、軸線L周りに等間隔で配置されるとともに
それぞれの位置において対応する係合部材42に係合さ
れている。複数の渦巻バネ47の内端部47bは、軸線
L周りに等間隔で配置されるとともにそれぞれの位置に
おいてブッシュ46のフランジ部46aに連結されてい
る。従って、係合部材42とブッシュ46との間での動
力伝達が、軸線L周りにおいて等間隔をおいた複数個所
で行われ、トルクのみを伝達することができる。その結
果、ブッシュ46及び回転軸16が、車両エンジン21
側からの動力伝達に際して傾けられるのが抑制され、回
転軸16の回転が安定される。
隔で複数が設けられている。渦巻バネ47は係合部材4
2と同数が使用されている。複数の渦巻バネ47の外端
部47aは、軸線L周りに等間隔で配置されるとともに
それぞれの位置において対応する係合部材42に係合さ
れている。複数の渦巻バネ47の内端部47bは、軸線
L周りに等間隔で配置されるとともにそれぞれの位置に
おいてブッシュ46のフランジ部46aに連結されてい
る。従って、係合部材42とブッシュ46との間での動
力伝達が、軸線L周りにおいて等間隔をおいた複数個所
で行われ、トルクのみを伝達することができる。その結
果、ブッシュ46及び回転軸16が、車両エンジン21
側からの動力伝達に際して傾けられるのが抑制され、回
転軸16の回転が安定される。
【0046】(7)例えば、高・中回転状態にある車両
エンジン21が、急激に回転数を下げたり停止したりす
ると、回転軸16に発生する負荷トルクがマイナスとな
ることがある。つまり、圧縮機の回転数低下或いは停止
が車両エンジン21の回転数低下或いは停止に対して一
瞬遅れ、その間、圧縮機が見かけ上自立運転されている
ような状態となるのである。これは、ベルト20の緊張
が一瞬緩和されることや、圧縮機の慣性力等に起因す
る。このような状態となると、回転軸16に回り止めさ
れた渦巻バネ47は、その外端部47aが係合凹所43
内を動力伝達面43aに対して回転方向前方側に離間変
位されてしまう。
エンジン21が、急激に回転数を下げたり停止したりす
ると、回転軸16に発生する負荷トルクがマイナスとな
ることがある。つまり、圧縮機の回転数低下或いは停止
が車両エンジン21の回転数低下或いは停止に対して一
瞬遅れ、その間、圧縮機が見かけ上自立運転されている
ような状態となるのである。これは、ベルト20の緊張
が一瞬緩和されることや、圧縮機の慣性力等に起因す
る。このような状態となると、回転軸16に回り止めさ
れた渦巻バネ47は、その外端部47aが係合凹所43
内を動力伝達面43aに対して回転方向前方側に離間変
位されてしまう。
【0047】しかし、誤解放阻止面43cが、係合凹所
43内において動力伝達面43aと対向形成されてい
る。従って、図6に示すように、渦巻バネ47の外端部
47aは、動力伝達面43aに対して回転方向前方側に
離間変位されたとしても、誤解放阻止面43cに当接す
ることでそれ以上の離間変位が規制される。その結果、
外端部47aが規制面43bに対して回転方向前方側に
外れることはなく、不必要に動力伝達が遮断されて車両
空調装置が機能されなくなってしまうことを防止でき
る。
43内において動力伝達面43aと対向形成されてい
る。従って、図6に示すように、渦巻バネ47の外端部
47aは、動力伝達面43aに対して回転方向前方側に
離間変位されたとしても、誤解放阻止面43cに当接す
ることでそれ以上の離間変位が規制される。その結果、
外端部47aが規制面43bに対して回転方向前方側に
外れることはなく、不必要に動力伝達が遮断されて車両
空調装置が機能されなくなってしまうことを防止でき
る。
【0048】この誤解放阻止構成において、例えば、渦
巻バネ47が縮径変化していない状態で、その外端部4
7aが係合凹所43に嵌め込まれているとする。この場
合、回転軸16に発生する負荷トルクがマイナスとな
り、外端部47aが誤解放阻止面43cに当接されたと
しても、自然状態にある外端部47a付近は容易に内側
へ弾性変形してしまい、外端部47aが誤解放阻止面4
3cを乗り越え、規制面43bから外れてしまうことが
ある。しかし、前記(4)で述べたように、渦巻バネ4
7は、ねじり変形により縮径変化された状態で組み付け
られて、外端部47が係合凹所43に嵌め込まれてお
り、外端部47aには半径方向外側への付勢力が作用さ
れている。従って、前述したような、外端部47aが誤
解放阻止面43cを乗り越えてしまう現象は生じない。
巻バネ47が縮径変化していない状態で、その外端部4
7aが係合凹所43に嵌め込まれているとする。この場
合、回転軸16に発生する負荷トルクがマイナスとな
り、外端部47aが誤解放阻止面43cに当接されたと
しても、自然状態にある外端部47a付近は容易に内側
へ弾性変形してしまい、外端部47aが誤解放阻止面4
3cを乗り越え、規制面43bから外れてしまうことが
ある。しかし、前記(4)で述べたように、渦巻バネ4
7は、ねじり変形により縮径変化された状態で組み付け
られて、外端部47が係合凹所43に嵌め込まれてお
り、外端部47aには半径方向外側への付勢力が作用さ
れている。従って、前述したような、外端部47aが誤
解放阻止面43cを乗り越えてしまう現象は生じない。
【0049】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で
以下の態様でも実施できる。 ○過大な負荷トルクの解放構成に、図7〜図10の従来
技術において示したような解除凸部105aを備えること。
なお、解放凸部105aは、上述した渦巻バネ47の縮径変
化、及び傾斜された動力伝達面43aと協同して過大な
負荷トルクの解放を行なうように構成しても良い。ま
た、過大な負荷トルクの解放を、基本的には渦巻バネ4
7の縮径変化、及び傾斜された動力伝達面43aにより
行なわせ、例えば、外端部47aと動力伝達面43aと
の引っ掛かり等により、負荷トルクが設定値を超えても
解放されない場合に、解放凸部105aがさらに半径方向内
側への変位力を外端部47aに加えるように構成しても
良い。
以下の態様でも実施できる。 ○過大な負荷トルクの解放構成に、図7〜図10の従来
技術において示したような解除凸部105aを備えること。
なお、解放凸部105aは、上述した渦巻バネ47の縮径変
化、及び傾斜された動力伝達面43aと協同して過大な
負荷トルクの解放を行なうように構成しても良い。ま
た、過大な負荷トルクの解放を、基本的には渦巻バネ4
7の縮径変化、及び傾斜された動力伝達面43aにより
行なわせ、例えば、外端部47aと動力伝達面43aと
の引っ掛かり等により、負荷トルクが設定値を超えても
解放されない場合に、解放凸部105aがさらに半径方向内
側への変位力を外端部47aに加えるように構成しても
良い。
【0050】○動力伝達面を一方の回転体としての回転
軸16側に形成する。そして、渦巻バネ47の第2端部
としての外端部47aをロータ41に回り止めし、第1
端部としての内端部47bを動力伝達面に当接係合させ
ること。
軸16側に形成する。そして、渦巻バネ47の第2端部
としての外端部47aをロータ41に回り止めし、第1
端部としての内端部47bを動力伝達面に当接係合させ
ること。
【0051】○上記実施形態において、使用する渦巻バ
ネ47の数を、二つ以外とすること。例えば、一つ使用
した場合にはプーリ18の構成を簡素化できる。三つ以
上使用した場合には、上述した、回転軸16が動力伝達
に際して傾くのを防止する効果が高められる。
ネ47の数を、二つ以外とすること。例えば、一つ使用
した場合にはプーリ18の構成を簡素化できる。三つ以
上使用した場合には、上述した、回転軸16が動力伝達
に際して傾くのを防止する効果が高められる。
【0052】○動力伝達面43aを回転方向前後に傾斜
させないこと。言い換えれば、動力伝達面43aの回転
方向前後への傾斜度合をゼロとすること。この場合、過
大な負荷トルクの解放動作は、渦巻バネ47の縮径のみ
により行われる。
させないこと。言い換えれば、動力伝達面43aの回転
方向前後への傾斜度合をゼロとすること。この場合、過
大な負荷トルクの解放動作は、渦巻バネ47の縮径のみ
により行われる。
【0053】○プーリ18に電磁クラッチを付加するこ
と。 ○上記構成のプーリ18を、他のピストン式圧縮機とし
ての、例えば、ワッブルタイプの圧縮機や、ウエーブカ
ムタイプの圧縮機、さらには、両頭ピストンタイプの圧
縮機等に適用しても良い。また、ピストン式圧縮機に適
用が限定されるものではなく、スクロールタイプの圧縮
機やベーンタイプの圧縮機等のロータリ式圧縮機に適用
しても良い。
と。 ○上記構成のプーリ18を、他のピストン式圧縮機とし
ての、例えば、ワッブルタイプの圧縮機や、ウエーブカ
ムタイプの圧縮機、さらには、両頭ピストンタイプの圧
縮機等に適用しても良い。また、ピストン式圧縮機に適
用が限定されるものではなく、スクロールタイプの圧縮
機やベーンタイプの圧縮機等のロータリ式圧縮機に適用
しても良い。
【0054】○被動機器としては、例えば、上記空調用
圧縮機以外の車両エンジンの補機として、油圧式パワー
ステアリング装置の油圧ポンプやオルタネータ等が挙げ
られる。
圧縮機以外の車両エンジンの補機として、油圧式パワー
ステアリング装置の油圧ポンプやオルタネータ等が挙げ
られる。
【0055】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載する。 (1)前記渦巻バネ47は複数が使用され、複数の渦巻
バネ47の第1端部47aは回転体の軸線L周りに等間
隔で配置されるとともにそれぞれの位置において一方の
回転体41の動力伝達面43aに当接係合され、複数の
渦巻バネ47の第2端部47bは回転体の軸線L周りに
等間隔で配置されるとともにそれぞれの位置において他
方の回転体16に回り止めされている請求項1〜4のい
ずれかに記載の動力伝達機構。
ついて記載する。 (1)前記渦巻バネ47は複数が使用され、複数の渦巻
バネ47の第1端部47aは回転体の軸線L周りに等間
隔で配置されるとともにそれぞれの位置において一方の
回転体41の動力伝達面43aに当接係合され、複数の
渦巻バネ47の第2端部47bは回転体の軸線L周りに
等間隔で配置されるとともにそれぞれの位置において他
方の回転体16に回り止めされている請求項1〜4のい
ずれかに記載の動力伝達機構。
【0056】このようにすれば、第1回転体41と第2
回転体15との間での動力の伝達は、回転体の軸線L周
りにおいて等間隔をおいた複数位置で行われ、トルクの
みを伝達することができる。
回転体15との間での動力の伝達は、回転体の軸線L周
りにおいて等間隔をおいた複数位置で行われ、トルクの
みを伝達することができる。
【0057】(2)前記動力伝達面43aとは回転体の
回転方向の反対側に向かい、被動機器側に発生する負荷
トルクがマイナスとなった場合には、渦巻バネ47の第
1端部47aの動力伝達面43aに対する離間変位を当
接規制することで、第1端部47aが規制面43bから
回転体の回転方向側には外れないようにして、付勢手段
47の付勢力の誤解放を阻止する誤解放阻止面43cを
備えた請求項1〜4或いは前記(1)のいずれかに記載
の動力伝達機構。
回転方向の反対側に向かい、被動機器側に発生する負荷
トルクがマイナスとなった場合には、渦巻バネ47の第
1端部47aの動力伝達面43aに対する離間変位を当
接規制することで、第1端部47aが規制面43bから
回転体の回転方向側には外れないようにして、付勢手段
47の付勢力の誤解放を阻止する誤解放阻止面43cを
備えた請求項1〜4或いは前記(1)のいずれかに記載
の動力伝達機構。
【0058】このようにすれば、被動機器側に発生する
負荷トルクがマイナスとなった場合においても、第1端
部47aが規制面43bに対して回転方向に外れること
はなく、不必要に動力伝達が遮断されて車両空調装置が
機能されなくなってしまうことを防止できる。
負荷トルクがマイナスとなった場合においても、第1端
部47aが規制面43bに対して回転方向に外れること
はなく、不必要に動力伝達が遮断されて車両空調装置が
機能されなくなってしまうことを防止できる。
【0059】
【発明の効果】上記構成の本発明によれば、被動機器側
の負荷トルクが所定値を超えて高まった場合には、渦巻
バネのねじり変形による縮径変化を利用して、第1端部
を規制面から外して付勢手段の付勢力を解放するように
している。従って、従来技術においては必要であった、
負荷トルクが過大な時に強制的に第1端部を半径方向内
側へ変位させる手段(解除凸部105 )を削除することが
できる。よって、過大な負荷トルクの解放構成の簡素化
を図り得るとともに、解放する負荷トルクの所定値の設
定が容易となる。
の負荷トルクが所定値を超えて高まった場合には、渦巻
バネのねじり変形による縮径変化を利用して、第1端部
を規制面から外して付勢手段の付勢力を解放するように
している。従って、従来技術においては必要であった、
負荷トルクが過大な時に強制的に第1端部を半径方向内
側へ変位させる手段(解除凸部105 )を削除することが
できる。よって、過大な負荷トルクの解放構成の簡素化
を図り得るとともに、解放する負荷トルクの所定値の設
定が容易となる。
【図1】 圧縮機の破断図。
【図2】 図1のA−A線断面図。
【図3】 動力伝達の遮断動作を説明する要部拡大断面
図。
図。
【図4】 動力伝達の遮断動作を説明する要部拡大断面
図。
図。
【図5】 動力伝達が遮断された状態を示すプーリ付近
の縦断面図。
の縦断面図。
【図6】 圧縮機側の負荷トルクがマイナスとなった状
態を説明する図。
態を説明する図。
【図7】 従来の動力伝達機構を示すプーリ付近の縦断
面図。
面図。
【図8】 図7のB−B線断面図。
【図9】 動力伝達の遮断動作を説明する要部拡大断面
図。
図。
【図10】 動力伝達が遮断された状態を示すプーリ付
近の縦断面図。
近の縦断面図。
【符号の説明】 16…第2回転体を構成する回転軸、21…動力源とし
ての車両エンジン、41…第1回転体としてのロータ、
43a…解放手段を構成する動力伝達面、43b…規制
面、43c…誤解放阻止面、46…第2回転体を構成す
るブッシュ、47…付勢手段を兼ねる渦巻バネ、47a
…第2端部としての内端部、48…第1端部としての外
端部。
ての車両エンジン、41…第1回転体としてのロータ、
43a…解放手段を構成する動力伝達面、43b…規制
面、43c…誤解放阻止面、46…第2回転体を構成す
るブッシュ、47…付勢手段を兼ねる渦巻バネ、47a
…第2端部としての内端部、48…第1端部としての外
端部。
フロントページの続き (72)発明者 岡田 昌彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB28 BB41 CC17 3J068 AA02 AA07 BA02 BB01 CB02 EE12 GA11 GA19
Claims (4)
- 【請求項1】 動力源側の第1回転体と被動機器側の第
2回転体とを動力伝達可能に連結する構成の動力伝達機
構であって、 一方の回転体において回転方向に向かって形成された動
力伝達面と、 第1端部が動力伝達面に当接係合されるとともに、第2
端部が他方の回転体に回り止めされ、動力伝達に際して
被動機器側に発生する負荷トルクによってねじり変形す
ることで、第1回転体と第2回転体との相対回動を許容
する渦巻バネと、 渦巻バネの第1端部を回転体の軸線方向に向かって付勢
する付勢手段と、 一方の回転体において渦巻バネの第1端部と対向形成さ
れ、付勢手段に基づく第1端部の変位を当接規制する規
制面とを備え、 負荷トルクが所定値を超えて高まった場合には、渦巻バ
ネのねじり変形による縮径変化に基づいて第1端部を規
制面に対して回転体の半径方向内側に変位させて、第1
端部を規制面から外すことで付勢手段の付勢力を解放す
るように構成した動力伝達機構。 - 【請求項2】 前記動力伝達面は回転方向前後に傾斜さ
れており、被動機器側に発生する負荷トルクが大きくな
ると、伝達トルクによって半径方向内側への変位力を第
1端部に付与する構成である請求項1に記載の動力伝達
機構。 - 【請求項3】 前記渦巻バネは、自然状態からねじり変
形させて縮径変化した状態で組み付けられている請求項
1又は2に記載の動力伝達機構。 - 【請求項4】 前記渦巻バネは、軸線方向に弾性変形し
た状態で組み込まれることで付勢手段を兼ねている請求
項1〜3のいずれかに記載の動力伝達機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10327919A JP2000154836A (ja) | 1998-11-18 | 1998-11-18 | 動力伝達機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10327919A JP2000154836A (ja) | 1998-11-18 | 1998-11-18 | 動力伝達機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000154836A true JP2000154836A (ja) | 2000-06-06 |
Family
ID=18204474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10327919A Pending JP2000154836A (ja) | 1998-11-18 | 1998-11-18 | 動力伝達機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000154836A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6471024B2 (en) | 2000-03-29 | 2002-10-29 | Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho | Torque limiting mechanism |
CN106926275A (zh) * | 2017-05-08 | 2017-07-07 | 太仓朗盛金属制品有限公司 | 一种机械臂双向平衡装置 |
-
1998
- 1998-11-18 JP JP10327919A patent/JP2000154836A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6471024B2 (en) | 2000-03-29 | 2002-10-29 | Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho | Torque limiting mechanism |
CN106926275A (zh) * | 2017-05-08 | 2017-07-07 | 太仓朗盛金属制品有限公司 | 一种机械臂双向平衡装置 |
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