JPH1061548A - 可変容量圧縮機 - Google Patents

可変容量圧縮機

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Publication number
JPH1061548A
JPH1061548A JP8223978A JP22397896A JPH1061548A JP H1061548 A JPH1061548 A JP H1061548A JP 8223978 A JP8223978 A JP 8223978A JP 22397896 A JP22397896 A JP 22397896A JP H1061548 A JPH1061548 A JP H1061548A
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JP
Japan
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spool
thrust bearing
cam plate
bearing
pressure
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Pending
Application number
JP8223978A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Ota
太田  雅樹
Masayoshi Hori
真嘉 堀
Masaru Hamazaki
勝 濱崎
Hisakazu Kobayashi
久和 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP8223978A priority Critical patent/JPH1061548A/ja
Publication of JPH1061548A publication Critical patent/JPH1061548A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
    • F04B27/1054Actuating elements
    • F04B27/1063Actuating-element bearing means or driving-axis bearing means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Compressor (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベアリングの構造を簡素化して圧縮機全体を
小型にすることができるとともに、圧縮運転時の振動や
騒音の発生を抑制することができ、しかも、ベアリング
の潤滑を十分に確保することができる可変容量圧縮機を
提供する。 【解決手段】 カムプレート22に対向してスプール2
8を移動可能に配設する。そのスプール28をカムプレ
ート22の傾動に連動して、外部冷媒回路52から吸入
圧領域37に冷媒ガスを導入可能な開位置と、導入不能
な閉位置とに切り換え移動させる。スプール28とカム
プレート22との間には、ほぼ円環状のプレーンベアリ
ングよりなるスラストベアリング34を介装する。スラ
ストベアリング34とスプール28との対向摺接面の少
なくとも一方には、クランク室15と吸入圧領域37と
を連通する放圧通路を兼用する潤滑溝34bを形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば車両空調
装置に使用される可変容量圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の可変容量圧縮機としては、例え
ば特開平6−346845号公報に示すような構成のも
のが、従来から提案されている。この従来構成では、ハ
ウジングのシリンダボア内に片頭ピストンが往復動可能
に収容されている。ハウジング内の駆動シャフトには、
例えば斜板よりなるカムプレートが傾動可能に支持され
て、ピストンに連係されている。そして、クランク室内
の圧力とシリンダボア内の圧力とのピストンを介した差
に応じて、カムプレートの傾角が変更されて、吐出容量
が制御される。また、給気通路を介して吐出圧領域の圧
力がクランク室に供給されるとともに、放圧通路を介し
てクランク室の圧力が吸入圧領域に放出されて、クラン
ク室内の調圧が行われる。
【0003】さらに、外部冷媒回路から吸入圧領域に冷
媒ガスを導入するための吸入通路には、スプールが開閉
可能に配設されている。このスプールは、カムプレート
の傾動に連動して、冷媒ガスを導入可能な開位置と、導
入不能な閉位置とに切り換え移動される。そして、カム
プレートが最小傾角になったときには、スプールが冷媒
ガスを導入不能な閉位置に切り換えられる。そして、冷
媒ガスが、給気通路及び放圧通路を介して、吐出圧領
域、クランク室及び吸入圧領域の間で循環されて、圧縮
機内部の潤滑が行われるようになっている。
【0004】しかも、この従来の可変容量圧縮機におい
ては、スプールと駆動シャフトとの間に、スラスト方向
及びラジアル方向の荷重を受承可能なアンギュラベアリ
ングが介装されている。そして、このアンギュラベアリ
ングにより、カムプレートの傾動及び回転に伴うスラス
ト方向の荷重と、駆動シャフトの回転に伴うラジアル方
向の荷重とが受け止められるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
圧縮機においては、1つのアンギュラベアリングによ
り、スラスト方向の荷重とラジアル方向の荷重とを受け
止めるようになっている。このため、ベアリングとして
大型で頑丈なものを使用する必要があって、圧縮機の外
形が大型になるという問題があった。
【0006】また、従来の圧縮機では、アンギュラベア
リングが、カムプレートとスプールとの間において駆動
シャフトの端部からカムプレート側に偏倚して配設され
ている。これに対して、駆動シャフトのラジアル方向の
荷重は、駆動シャフトの端部に近い位置で支持するのが
望ましい。このため、そのラジアル方向の荷重をベアリ
ングにより的確に受け止めることができず、圧縮運転時
に振動や騒音を発生するという問題もあった。
【0007】さらに、従来の圧縮機では、カムプレート
とスプールとの間に隙間がほとんど形成されていないた
め、クランク室から吸入圧領域に流れる冷媒ガスが、カ
ムプレートとスプールとの間にほとんど流通しない。こ
のため、前記アンギュラベアリング及び他のベアリング
の潤滑が不足がちになるおそれがあるという問題もあっ
た。
【0008】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、ベアリングの構造を簡素化して圧縮機全
体を小型にすることができるとともに、圧縮運転時の振
動や騒音の発生を抑制することができ、しかも、ベアリ
ングの潤滑を十分に確保することができる可変容量圧縮
機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、ハウジングのシリン
ダボア内にピストンを往復動可能に収容するとともに、
ハウジング内の駆動シャフトにピストンを往復動させる
ためのカムプレートを傾動可能に支持し、カムプレート
を収容するクランク室内の圧力とシリンダボア内の圧力
とのピストンを介した差に応じて、カムプレートの傾角
を変更して、吐出容量を制御するように構成した可変容
量圧縮機において、前記駆動シャフト上にはカムプレー
トの傾角に連係してその軸線方向に移動可能なスプール
を支持し、そのスプールとカムプレートとの間にはスラ
ストベアリングを介装し、そのスラストベアリングをほ
ぼ円環状の座金からなるプレーンベアリングにより構成
したものである。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の可変容量圧縮機において、前記スプールはカムプレ
ートの傾動に連動して、外部冷媒回路から吸入圧領域に
冷媒ガスを導入可能な開位置と、導入不能な閉位置とに
切り換え移動されるように構成したものである。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2に記載の可変容量圧縮機において、前記スプールを
駆動シャフトの軸線上に移動可能に配設し、そのスプー
ルと駆動シャフトとの間にはラジアルベアリングを介装
したものである。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3
のいずれかに記載の可変容量圧縮機において、前記スラ
ストベアリングの前端面には、スラストベアリングとカ
ムプレートとの相対回転を抑制するための回り止め部を
設けたものである。
【0013】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の可変容量圧縮機において、前記回り止め部は、カム
プレート上の凸部に係合する一対の突条から構成したも
のである。
【0014】請求項6に記載の発明では、請求項1〜5
のいずれかに記載の可変容量圧縮機において、前記スラ
ストベアリングの後端面とスプールの前端面との少なく
ともいずれか一方には、潤滑溝を形成したものである。
【0015】請求項7に記載の発明では、請求項6に記
載の可変容量圧縮機において、前記潤滑溝は、クランク
室から吸入圧領域への冷媒ガスの放圧通路を兼用してい
るものである。
【0016】従って、請求項1に記載の可変容量圧縮機
においては、カムプレートが最大傾角と最小傾角との間
で傾動されると、ピストンの往復動ストロークが変更さ
れて、吐出容量が最大と最小との間で変更される。そし
て、この圧縮機の圧縮運転時には、カムプレートとスプ
ールとの間にスラスト方向の荷重が作用するが、このス
ラスト方向の荷重は、スプールとカムプレートとの間に
介装されたスラストベアリングによって確実に受け止め
られる。
【0017】請求項2に記載の可変容量圧縮機において
は、スプールがカムプレートの傾動に連動して、冷媒ガ
スを導入可能な開位置と、導入不能な閉位置とに切り換
え移動される。そして、カムプレートが最小傾角になっ
たときには、スプールが冷媒ガスを導入不能な閉位置に
切り換えられ、冷媒ガスが吐出圧領域とクランク室と吸
入圧領域との間で循環されて、内部の潤滑が行われる。
【0018】請求項3に記載の可変容量圧縮機において
は、駆動シャフトの回転に伴うラジアル方向の荷重が、
スラストベアリングと別に設けられたラジアルベアリン
グによって確実に受け止められる。
【0019】請求項4に記載の可変容量圧縮機において
は、プレーンベアリングよりなるスラストベアリング
が、回り止め部を介してカムプレートと一体的に回転さ
れる。このため、カムプレートとベアリングのレースと
が、高い面圧で当接しつつ相対回転されるのが抑制され
る。
【0020】請求項5に記載の可変容量圧縮機において
は、スラストベアリングの前端面に、カムプレート上の
凸部と係合可能な一対の突条を形成することによって、
回り止め部が構成されている。このため、回り止め部の
構造が簡単で加工が容易になる。
【0021】請求項6に記載の可変容量圧縮機において
は、特に潤滑条件の厳しいカムプレートが最小傾角状態
になった場合でも、スラストベアリングの後端面とスプ
ールの前端面との間に形成された潤滑溝を通して、冷媒
ガスが十分に流通して潤滑が行われる。
【0022】請求項7に記載の可変容量圧縮機において
は、潤滑溝がクランク室から吸入圧領域への冷媒ガスの
放圧通路を兼用しているので、放圧通路を別に設ける必
要がない。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下に、この発明をクラッチレスタ
イプの可変容量圧縮機に具体化した第1の実施形態につ
いて、図1〜図5に基づいて説明する。
【0024】図1に示すように、ハウジングの一部を構
成するシリンダブロック11の前端には、同じくハウジ
ングの一部を構成するフロントハウジング12が接合さ
れている。シリンダブロック11の後端には、同じくハ
ウジングの一部を構成するリヤハウジング13がバルブ
プレート14を介して接合固定されている。クランク室
15は、フロントハウジング12とシリンダブロック1
1との間に形成されている。
【0025】駆動シャフト16は、前記フロントハウジ
ング12とシリンダブロック11との間に回転可能に架
設支持されている。駆動シャフト16の前端は、クラン
ク室15から外部へ突出しており、その突出端部にはプ
ーリ17が止着されている。プーリ17は、ベルト18
を介して外部駆動源をなす車両エンジン(図示略)に常
時作動連結されている。
【0026】また、プーリ17は、アンギュラベアリン
グ19を介してフロントハウジング12に支持されてい
る。そして、プーリ17に作用するアキシャル方向の荷
重及びラジアル方向の荷重が、アンギュラベアリング1
9を介してフロントハウジング12で受け止められてい
る。
【0027】駆動シャフト16の前端部とフロントハウ
ジング12との間には、リップシール20が介在されて
いる。リップシール20はクランク室15内の圧力洩れ
を防止する。
【0028】駆動シャフト16には、回転支持体21が
止着されているとともに、カムプレートとしての斜板2
2が駆動シャフト16の軸線方向へスライド可能かつ傾
動可能に支持されている。斜板22には、先端部が球状
をなす一対のガイドピン23が止着されている。前記回
転支持体21には、支持アーム24が突設されており、
その支持アーム24には一対のガイド孔25が形成され
ている。前記ガイドピン23は、ガイド孔25にスライ
ド可能に嵌入されている。
【0029】そして、支持アーム24と一対のガイドピ
ン23との連係により、斜板22が駆動シャフト16の
軸線方向へ傾動可能で、かつ駆動シャフト16と一体的
に回転可能となっている。斜板22の傾動は、ガイド孔
25とガイドピン23とのスライドガイド関係、駆動シ
ャフト16のスライド支持作用により案内される。斜板
22の半径中心部がシリンダブロック11側へ移動する
と、斜板22の傾角が減少する。また、回転支持体21
の後面には、斜板22の最大傾角を規制するための傾角
規制突部21aが形成されている。
【0030】傾角減少バネ26は、前記回転支持体21
と斜板22との間に介在されている。そして、この傾角
減少バネ26により、斜板22がシリンダブロック11
側に向かって、傾角を減少させる方向に付勢されてい
る。
【0031】シリンダブロック11の中心部には、収容
孔27が駆動シャフト16の軸線方向に貫設され、その
内周面が全長にわたってほぼ同一径となるように形成さ
れている。収容孔27内には、略円筒状のスプール28
がシリンダブロック11のリヤ側からスライド可能に嵌
入収容されている。スプール28は、大径部28aと小
径部28bとからなっている。
【0032】スプール28の筒内には、駆動シャフト1
6の後端部が挿入されている。大径部28aの内周面に
は、ラジアルベアリング30が嵌入支持されている。こ
のラジアルベアリング30は、大径部28aの内周面に
取り付けられたサークリップ31によって、スプール2
8の筒内から抜け止めされている。そして、駆動シャフ
ト16の後端部は、ラジアルベアリング30にスライド
可能に嵌入され、そのラジアルベアリング30及びスプ
ール28を介して収容孔27の周面で支持される。
【0033】収容孔27の後端内周面には環状溝27a
が形成され、その環状溝27aにはサークリップ27b
が着脱可能に止着されている。吸入通路開放バネ29
は、スプール28の大径部28a及び小径部28b間の
段差とサークリップ27bとの間に介在されている。こ
の吸入通路開放バネ29の弾性係数は、前記傾角減少バ
ネ26の弾性係数よりも小さくなるように設定されてお
り、両バネ26,29の付勢力の合力は圧縮機のリヤ方
向への力となっている。そして、これらのバネ26,2
9の付勢力の合力が、斜板22、後述するスラストベア
リング34及びスプール28に作用している。
【0034】リヤハウジング13の中心部には、吸入圧
領域を構成する吸入通路32が形成されている。吸入通
路32は、スプール28の移動経路となる駆動シャフト
16の延長線上にある。吸入通路32は収容孔27のリ
ヤ側に開口されており、収容孔27側の吸入通路32の
開口の周囲には位置決め面33が形成されている。この
位置決め面33は、バルブプレート14上に位置して、
スプール28の小径部28bの先端面と当接可能に対向
している。そして、スプール28は、斜板22の傾動に
連動して、吸入通路32からの冷媒ガスの導入を許容す
る開位置と、導入を遮断する閉位置とに切り換え移動さ
れるようになっている。その閉位置は、小径部28bの
先端面と位置決め面33との当接により規制される。
【0035】斜板22とスプール28との間の駆動シャ
フト16上には、スラストベアリング34が駆動シャフ
ト16上をスライド可能に支持されている。そして、こ
のスラストベアリング34により、斜板22の回転がス
プール28へ伝達されるのが阻止されるとともに、斜板
22の傾動及び回転に伴って、スプール28に作用する
スラスト方向の荷重が受け止められるようになってい
る。
【0036】図1〜図4に示すように、前記スラストベ
アリング34は、ほぼ円環状の座金よりなる1枚のプレ
ーンベアリングから構成されている。一対の突条よりな
る回り止め部34aはスラストベアリング34の前端面
に形成され、この回り止め部34a間に係合するよう
に、斜板22の後端面には山形状の凸部22aが形成さ
れている。そして、この回り止め部34aと凸部22a
との係合により、スラストベアリング34が斜板22と
一体回転されるようになっている。
【0037】複数の潤滑溝34bは、前記スプール28
の前端面と対向するように、スラストベアリング34の
後端面に所定間隔おきで放射方向へ延長形成されてい
る。また、これらの潤滑溝34bが、クランク室15内
から、スプール28の内部、後述する放圧通口47及び
通口45を介して、吸入室37に至る冷媒ガスの放圧通
路の一部を兼用するようになっている。そして、これら
の潤滑溝34bを流通する冷媒ガス中の潤滑油により、
スラストベアリング34とスプール28との対向接触
面、及びラジアルベアリング30が潤滑されるようにな
っている。
【0038】図1に示すように、複数のシリンダボア1
1aは、前記シリンダブロック11に貫設され、それら
の内部には片頭タイプのピストン35が収容されてい
る。そして、斜板22の回転運動は、一対のシュー36
を介して各ピストン35の前後往復揺動に変換され、こ
の結果、ピストン35がシリンダボア11a内で前後動
される。
【0039】リヤハウジング13内には、吸入圧領域を
構成する吸入室37及び吐出圧領域を構成する吐出室3
8が区画形成されている。バルブプレート14上には、
各シリンダボア11aに対応して吸入ポート39及び吐
出ポート40が形成され、これらの吸入ポート39及び
吐出ポート40と対応するように吸入弁41及び吐出弁
42が形成されている。
【0040】吸入室37内の冷媒ガスは、ピストン35
の上死点位置から下死点位置への復動動作により、吸入
ポート39から吸入弁41を押し退けてシリンダボア1
1a内へ流入する。シリンダボア11a内へ流入した冷
媒ガスは、ピストン35の下死点位置から上死点位置へ
の往動動作により、所定の圧力に達するまで圧縮された
後、吐出ポート40から吐出弁42を押し退けて吐出室
38へ吐出される。吐出弁42は、リテーナ43に当接
して開度規制される。
【0041】回転支持体21とフロントハウジング12
との間には、スラストベアリング44が介在されてい
る。スラストベアリング44は、シリンダボア11aか
らピストン35、シュー36、斜板22及びガイドピン
23を介して回転支持体21に作用する圧縮反力を受け
止める。
【0042】吸入室37は、通口45を介して収容孔2
7に連通している。そして、スプール28が位置決め面
33と当接する閉位置に移動されたとき、吸入通路32
の前端が閉じられて、通口45は吸入通路32から遮断
される。
【0043】駆動シャフト16内には、軸心通路46が
形成されている。軸心通路46の入口46aはリップシ
ール20付近でクランク室15に開口しており、軸心通
路46の出口46bはスプール28の筒内に開口してい
る。スプール28の周面には、放圧通口47が貫設され
ている。放圧通口47は、スプール28の筒内と収容孔
27とを連通している。
【0044】前記吐出室38とクランク室15とは、連
通路としての給気通路48で接続されている。給気通路
48の途中には、その給気通路48を開閉するための容
量制御弁49が設けられている。また、前記吸入通路3
2と容量制御弁49との間には、その容量制御弁49内
に吸入圧Psを導くための検圧通路50が形成されてい
る。
【0045】吸入室37へ冷媒ガスを導入する際の入口
となる吸入通路32と、吐出室38から冷媒ガスを排出
する吐出フランジ51とは、外部冷媒回路52で接続さ
れている。外部冷媒回路52中には、凝縮器53、膨張
弁54及び蒸発器55が介在されている。膨張弁54
は、温度式自動膨張弁からなり、蒸発器55の出口側の
ガス温度の変動に応じて冷媒流量を制御する。蒸発器5
5の近傍には、温度センサ56が設置されている。温度
センサ56は、蒸発器55における温度を検出し、この
検出温度情報が制御コンピュータ57に送られる。ま
た、制御コンピュータ57には、車両の車室内の温度を
指定するための室温設定器58、室温センサ59、空調
装置作動スイッチ60及びエンジン回転数センサ61等
が接続されている。
【0046】制御コンピュータ57は、例えば室温設定
器58によって予め指定された室温、温度センサ56か
ら得られる検出温度、室温センサ59から得られる検出
温度、空調装置作動スイッチ60からのオンあるいはオ
フ信号、及び、エンジン回転数センサ61から得られる
エンジン回転数等の外部信号に基づいて、入力電流値を
駆動回路62に指令する。駆動回路62は、指令された
入力電流値を後述する容量制御弁49のソレノイド機構
65のコイル84に対して出力する。その他の外部信号
としては、例えば室外温度センサからの信号があり、車
両の環境に応じて入力電流値が決定される。
【0047】前記容量制御弁49は、バルブハウジング
64とソレノイド機構65とを中央付近において接合し
て構成されている。バルブハウジング64とソレノイド
機構65との間には弁室66が区画形成され、その弁室
66内に弁体67が収容されている。弁室66には、弁
体67と対向するように弁孔68が開口されている。こ
の弁孔68は、バルブハウジング64の軸線方向に延び
るように形成されている。また、弁体67と弁室66の
内壁面との間には、強制開放バネ69が介装され、弁体
67を弁孔68の開放方向へ付勢している。また、この
弁室66は、弁室ポート70、及び前記給気通路48を
介してリヤハウジング13内の吐出室38に連通されて
いる。
【0048】バルブハウジング64の上部には、感圧室
71が区画形成されている。この感圧室71は、吸入圧
導入ポート72及び前記検圧通路50を介してリヤハウ
ジング13の吸入通路32に連通されている。感圧室7
1の内部には、ベローズ73が収容されている。バルブ
ハウジング64の感圧室71と前記弁室66との間に
は、前記弁孔68と連続する感圧ロッドガイド74が形
成されている。感圧ロッド75は、感圧ロッドガイド7
4内に摺動可能に挿通されている。この感圧ロッド75
により、前記弁体67と前記ベローズ73とが作動連結
されている。また、感圧ロッド75の弁体67と接合す
る側の部分は、弁孔68内の冷媒ガスの通路を確保する
ために小径になっている。
【0049】バルブハウジング64には、弁室66と感
圧室71との間において、前記弁孔68と直交するよう
に、ポート76が形成されている。ポート76は、給気
通路48を介してクランク室15に連通されている。つ
まり、弁室ポート70、弁室66、弁孔68及びポート
76は、前記給気通路48の一部を構成している。
【0050】前記ソレノイド機構65の収容室77の上
方開口部には固定鉄心78が嵌合され、この固定鉄心7
8により収容室77内にソレノイド室79が区画されて
いる。ソレノイド室79には、ほぼ有蓋円筒状をなす可
動鉄心80が往復動可能に収容されている。可動鉄心8
0と収容室77の底面との間には、追従バネ81が介装
されている。なお、この追従バネ81は、前記強制開放
バネ69よりも弾性係数が小さいものとなっている。
【0051】前記固定鉄心78には、ソレノイド室79
と弁室66とを連通するソレノイドロッドガイド82が
形成されている。ソレノイドロッド83は、前記弁体6
7と一体形成されており、ソレノイドロッドガイド82
内に摺動可能に挿通されている。また、ソレノイドロッ
ド83の可動鉄心80側の端部は、前記強制開放バネ6
9及び追従バネ81の付勢力によって可動鉄心80に当
接されている。そして、前記可動鉄心80と弁体67と
が、ソレノイドロッド83を介して作動連結される。
【0052】前記固定鉄心78及び可動鉄心80の外側
には、両鉄心78,80を跨ぐように円筒状のコイル8
4が配置されている。このコイル84には前記制御コン
ピュータ57の指令に基づいて、駆動回路62から所定
の電流が供給されるようになっている。
【0053】次に、前記のように構成された可変容量圧
縮機の動作について説明する。さて、空調装置作動スイ
ッチ60がオン状態のもとで、室温センサ59から得ら
れる検出温度が室温設定器58の設定温度以上である場
合には、制御コンピュータ57はソレノイド機構65の
励磁を指令する。すると、コイル84に駆動回路62を
介して所定の電流が供給され、図1に示すように、両鉄
心78,80間には入力電流値に応じた吸引力が生じ
る。この吸引力は、強制開放バネ69の付勢力に抗し
て、弁開度が減少する方向の力として、ソレノイドロッ
ド83を介して弁体67に伝達される。
【0054】一方、このソレノイド機構65の励磁状態
においては、ベローズ73が吸入通路32から検圧通路
50を介して感圧室71に導入される吸入圧Psの変動
に応じて変位する。そして、このベローズ73の吸入圧
Psに応じた変位が、感圧ロッド75を介して弁体67
に伝えられる。従って、容量制御弁49は、ソレノイド
機構65からの付勢力、ベローズ73からの付勢力及び
強制開放バネ69の付勢力のバランスにより、弁開度が
決定される。
【0055】冷房負荷が大きい場合には、例えば室温セ
ンサ59によって検出された温度と室温設定器58の設
定温度との差が大きくなる。制御コンピュータ57は、
検出温度と設定室温とに基づいて設定吸入圧を変更する
ように入力電流値を制御する。すなわち、制御コンピュ
ータ57は、駆動回路62に対して、検出温度が高いほ
ど入力電流値を大きくするように指令する。よって、固
定鉄心78と可動鉄心80との間の吸引力が強くなっ
て、弁体67の弁開度を小さくする方向への付勢力が増
大する。そして、より低い吸入圧Psにて、弁体67の
開閉が行われる。従って、容量制御弁49は、電流値が
増大されることによって、より低い吸入圧Psを保持す
るように作動する。
【0056】弁体67の弁開度が小さくなれば、吐出室
38から給気通路48を経由してクランク室15へ流入
する冷媒ガス量が少なくなる。この一方で、クランク室
15内の冷媒ガスは、軸心通路46及び放圧通口47を
経由して吸入室37へ流出している。このため、クラン
ク室15内の圧力Pcが低下する。また、冷房負荷が大
きい状態では、シリンダボア11a内の圧力も高くて、
クランク室15内の圧力Pcとシリンダボア11a内の
圧力との差が小さくなる。このため、斜板22の傾角が
大きくなる。
【0057】給気通路48における通過断面積が零、つ
まり容量制御弁49の弁体67が弁孔68を完全に閉止
した状態になると、吐出室38からクランク室15への
高圧冷媒ガスの供給は行われなくなる。そして、クラン
ク室15内の圧力Pcは、吸入室37内の圧力Psとほ
ぼ同一になり、斜板22の傾角は最大となる。斜板22
の最大傾角は、回転支持体21の傾角規制突部21aと
斜板22との当接によって規制され、吐出容量は最大と
なる。
【0058】ところで、これらの状態のように、ある吐
出容量を持って圧縮運転が行われている場合には、ピス
トン35の下死点位置から上死点位置への移動に伴っ
て、シリンダボア11aとピストン35との間のわずか
な隙間を介してブローバイガスが流入する。ここで、こ
のブローバイガスは、クランク室15からスラストベア
リング34の後端面の潤滑溝34bまたは軸心通路4
6、スプール28の内部、放圧通口47及び通口45よ
りなる放圧通路を介して吸入室37に還流される。そし
て、ブローバイガスによるクランク室15内の圧力Pc
の高騰が抑制されて、クランク室15内の圧力Pcが、
容量制御弁49の開度調整により正確に調整される。
【0059】逆に、冷房負荷が小さい場合には、例えば
室温センサ59によって検出された温度と室温設定器5
8の設定温度との差は小さくなる。制御コンピュータ5
7は、駆動回路62に対して、検出温度が低いほど入力
電流値を小さくするように指令する。このため、固定鉄
心78と可動鉄心80との間の吸引力が弱くなって、弁
体67の弁開度を小さくする方向への付勢力が減少す
る。そして、より高い吸入圧Psにて、弁体67の開閉
が行われる。従って、容量制御弁49は、電流値が減少
されることによって、より高い吸入圧Psを保持するよ
うに作動する。
【0060】弁体67の弁開度が大きくなれば、吐出室
38からクランク室15へ流入する冷媒ガス量が多くな
り、クランク室15内の圧力Pcが上昇する。また、こ
の冷房負荷が小さい状態では、シリンダボア11a内の
圧力が低くて、クランク室15内の圧力Pcとシリンダ
ボア11a内の圧力との差が大きくなる。このため、斜
板22の傾角が小さくなる。
【0061】冷房負荷がない状態に近づいてゆくと、蒸
発器55における温度がフロスト発生をもたらす温度に
近づくように低下してゆく。温度センサ56からの検出
温度が設定温度以下になると、制御コンピュータ57は
駆動回路62に対してソレノイド機構65の消磁を指令
する。前記設定温度は、蒸発器55においてフロストを
発生しそうな状況を反映する。そして、コイル84への
電流の供給が停止されて、ソレノイド機構65が消磁さ
れ、固定鉄心78と可動鉄心80との吸引力が消失す
る。
【0062】このため、図5に示すように、弁体67
は、強制開放バネ69の付勢力により、可動鉄心80及
びソレノイドロッド83を介して作用する追従バネ81
の付勢力に抗して下方に移動される。そして、弁体67
が弁孔68を最大に開いた弁開度位置に移行する。よっ
て、吐出室38内の高圧冷媒ガスが給気通路48を介し
てクランク室15へ多量に供給され、クランク室15内
の圧力Pcが高くなる。このクランク室15内の圧力上
昇によって、斜板22の傾角が最小傾角へ移行する。
【0063】また、空調装置作動スイッチ60のオフ信
号に基づいて、制御コンピュータ57はソレノイド機構
65の消磁を指令し、この消磁によっても斜板22の傾
角が最小傾角へ移行する。
【0064】このように、容量制御弁49の開閉動作
は、コイル84に対する入力電流値の大小に応じて変わ
る。入力電流値が大きくなると低い吸入圧Psにて開閉
が実行され、入力電流値が小さくなると高い吸入圧Ps
にて開閉動作が行われる。圧縮機は、設定された吸入圧
Psを維持するように、斜板22の傾角を変更して、そ
の吐出容量を変更する。つまり、容量制御弁49は、入
力電流値を変えて吸入圧Psの設定値を変更する役割、
及び、吸入圧Psに関係なく最小容量運転を行う役割を
担っている。このような容量制御弁49を具備すること
により、圧縮機は冷凍回路の冷凍能力を変更する役割を
担っている。
【0065】前記斜板22のスプール28側への移動に
伴い、斜板22の傾動がスラストベアリング34を介し
てスプール28に伝達される。この傾動伝達によりスプ
ール28が、吸入通路開放バネ29の付勢力に抗して位
置決め面33側へ移動される。ここで、スプール28
は、吸入通路32の通過断面積を徐々に減少してゆく。
この緩慢な通過断面積変化による絞り作用が、吸入通路
32から吸入室37への冷媒ガス流入量を徐々に減少さ
せる。このため、吸入室37からシリンダボア11a内
へ吸入される冷媒ガス量も徐々に減少してゆき、吐出容
量が徐々に減少してゆく。従って、吐出圧Pdが徐々に
減少してゆき、圧縮機における負荷トルクが短時間で大
きく変動することはない。その結果、最大吐出容量から
最小吐出容量に到る間のクラッチレス圧縮機における負
荷トルクの変動が緩慢になり、負荷トルクの変動による
衝撃が緩和される。
【0066】図5に示すように、斜板22の傾角が最小
になると、スプール28が位置決め面33に当接する閉
位置に配置されて、吸入通路32が遮断される。この状
態では、吸入通路32における通過断面積が零となり、
外部冷媒回路52から吸入室37への冷媒ガス流入が阻
止される。この斜板22の最小傾角は、0°よりも僅か
に大きな所定値となるように設定されている。この最小
傾角状態は、スプール28が吸入通路32と収容孔27
との連通を遮断する閉位置に配置されたときにもたらさ
れる。スプール28は、前記閉位置とこの位置から離間
した開位置とへ、斜板22の揺動に連動して切り換え配
置される。
【0067】斜板22の最小傾角は0°ではないため、
最小傾角状態においても、シリンダボア11aから吐出
室38への冷媒ガスの吐出は行われている。シリンダボ
ア11aから吐出室38へ吐出された冷媒ガスは、給気
通路48を通ってクランク室15へ流入する。クランク
室15内の冷媒ガスは、軸心通路46を通してスプール
28内に流れるとともに、スラストベアリング34の潤
滑溝34b及びラジアルベアリング30を通してスプー
ル28内に流れ、その後に放圧通口47及び通口45を
介して吸入室37に流入する。吸入室37内の冷媒ガス
は、シリンダボア11a内へ吸入されて、再度吐出室3
8へ吐出される。
【0068】すなわち、最小傾角状態では、吐出室3
8、給気通路48、クランク室15、軸心通路46また
は潤滑溝34b、放圧通口47、収容孔27、通口4
5、吸入室37、シリンダボア11aを経由する循環通
路が、圧縮機内に形成されている。そして、吐出室3
8、クランク室15及び吸入室37の間では、圧力差が
生じている。従って、冷媒ガスが前記循環通路を循環
し、冷媒ガスとともに流動する潤滑油が圧縮機内の各摺
動部を潤滑する。
【0069】空調装置作動スイッチ60がオン状態にあ
って、斜板22が最小傾角位置にある状態で、車室内の
温度が上昇して冷房負荷が増大すると、室温センサ59
によって検出された温度が室温設定器58の設定温度を
越える。制御コンピュータ57は、この検出温度変移に
基づいて、ソレノイド機構65の励磁を指令する。ソレ
ノイド機構65の励磁により、給気通路48が閉じら
れ、クランク室15の圧力Pcが軸心通路46及び放圧
通口47を介した放圧に基づいて減圧してゆく。この減
圧により、吸入通路開放バネ29が図5の縮小状態から
伸長する。そして、スプール28が、位置決め面33か
ら離間し、斜板22の傾角が図5の最小傾角状態から増
大する。
【0070】このスプール28の離間に伴い、吸入通路
32における通過断面積が緩慢に増大してゆき、吸入通
路32から吸入室37への冷媒ガス流入量は徐々に増え
ていく。従って、吸入室37からシリンダボア11a内
へ吸入される冷媒ガス量も徐々に増大してゆき、吐出容
量が徐々に増大してゆく。そのため、吐出圧Pdが徐々
に増大してゆき、圧縮機における負荷トルクが短時間で
大きく変動することはない。その結果、最小吐出容量か
ら最大吐出容量に到る間のクラッチレス可変容量圧縮機
における負荷トルクの変動が緩慢になり、負荷トルクの
変動による衝撃が緩和される。
【0071】外部駆動源をなす車両エンジンが停止すれ
ば、圧縮機の運転も停止、つまり斜板22の回転も停止
し、容量制御弁49のコイル84への通電も停止され
る。このため、ソレノイド機構65が消磁されて、給気
通路48が開放され、斜板22の傾角は最小となる。
【0072】このように、斜板22が最大傾角と最小傾
角との間で傾動されるとき、及び斜板22が駆動シャフ
ト16によって回転されるときには、スプール28に対
してスラスト方向及びラジアル方向の荷重が作用する。
ここで、このスラスト方向の荷重は、スプール28と斜
板22との間に介装されたスラストベアリング34によ
って確実に受け止められる。また、ラジアル方向の荷重
は、ラジアルベアリング30によって受け止められる。
そして、それぞれのベアリング34、30にスラスト方
向及びラジアル方向への両荷重を受け止める耐久性を持
たせる必要がなくなる。
【0073】また、このように、斜板22とスプール2
8との間のスラスト荷重は、スラストベアリング34に
より受承するようになっている。このため、スラストベ
アリング34よりも駆動シャフト16の後端側にラジア
ルベアリング30を配置して、ラジアル荷重を受承する
ことが可能となる。これにより、ラジアルベアリング3
0による駆動シャフト16の支持を、その駆動シャフト
16の両端寄りで行うことができて、駆動シャフト16
の回転が安定化される。
【0074】この第1の実施形態によって期待できる効
果について、以下に記載する。 (a) この第1の実施形態の可変容量圧縮機において
は、斜板22とスプール28との間に、スラストベアリ
ング34が介装されている。このため、斜板22の傾動
及び回転に伴ってスプール28に作用するスラスト方向
の荷重を、簡単な構成のスラストベアリング34により
確実に受け止めることができる。また、このスラストベ
アリング34は、アンギュラベアリングのようにスラス
ト方向、ラジアル方向の両荷重の受承を担う必要がな
く、ベアリングの使用寿命を延ばすことができる。
【0075】(b) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、スラストベアリング34がほぼ円環状
の座金からなるプレーンベアリングにより構成されてい
る。このため、ベアリングの軸線方向の寸法を短縮する
ことができて、圧縮機全体の外形を小型にすることがで
きる。
【0076】(c) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、スプール28が斜板22の傾動に連動
して、外部冷媒回路52から吸入室37に冷媒ガスを導
入可能な開位置と、導入不能な閉位置とに切り換え移動
されるようになっている。このため、斜板22が最小傾
角になったときに、スプール28が閉位置に切り換えら
れ、冷媒ガスが吐出室38とクランク室15と吸入室3
7との間で循環される。このため、車両エンジン等の外
部駆動源に余分な負荷が掛かるのを防止することができ
るとともに、循環冷媒ガスに含まれる潤滑油により、圧
縮機内の各ベアリングを効果的に潤滑することができ
る。
【0077】(d) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、スプール28が駆動シャフト16と同
一軸線上に移動可能に配設され、そのスプール28と駆
動シャフト16との間にラジアルベアリング30が介装
されている。このため、駆動シャフト16の回転に伴う
ラジアル方向の荷重を、スラストベアリング34と別に
設けられたラジアルベアリング30により確実に受け止
めることができる。また、ベアリングの径方向の寸法を
短縮することができて、圧縮機全体の外形を小型にする
ことができる。しかも、そのラジアルベアリング30
は、駆動シャフト16のスラストベアリング34よりも
後端側に配置されている。このため、駆動シャフト16
の回転を安定化することができて、圧縮機の振動及び騒
音を低減することができる。さらに、スラストベアリン
グ34をプレーンベアリングにより構成したことによ
り、アンギュラベアリングに代えてスラストベアリング
34及びラジアルベアリング30を採用しても、部品点
数の増加がほとんどない。
【0078】(e) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、プレーンベアリングよりなるスラスト
ベアリング34の前端面に、斜板22との相対回転を防
止するための回り止め部34aが設けられている。この
ため、スラストベアリング34と斜板22とを一体的に
回転させることができ、それらが高い面圧で当接された
状態で相対回転されるのが抑制される。従って、スラス
トベアリング34及び斜板22の接触面の摩耗を抑制す
ることができる。
【0079】(f) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、回り止め部34aがスラストベアリン
グ34の前端面に形成された一対の突条により構成さ
れ、斜板22上の凸部22aに係合されている。このた
め、回り止め部34aの構造が簡単で加工を容易に行う
ことができる。
【0080】(g) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、スラストベアリング34の後端面に、
複数の潤滑溝34bが形成されている。このため、特に
潤滑条件の厳しい斜板22の最小傾角状態において、ク
ランク室15からスラストベアリング34とスプール2
8との間を介して吸入室37に流れる冷媒ガスの流量を
増加することができる。従って、プレーンベアリングよ
りなるスラストベアリング34とスプール28との摺接
面の間に潤滑油を容易に供給することができて、この摺
接面間の潤滑を確保することができる。
【0081】(h) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、潤滑溝34bがクランク室15から吸
入室37への冷媒ガスの放圧通路を兼用するようになっ
ている。このため、ブローバイガスによるクランク室1
5内の圧力Pcの高騰が抑制されて、クランク室15内
の圧力Pcの正確な制御を実現することができるととも
に、そのための放圧通路を別に設ける必要がなく、構造
を簡素化することができる。
【0082】(第2の実施形態)次に、この発明の第2
の実施形態について、前記第1の実施形態と異なる部分
を中心に説明する。
【0083】さて、この第2の実施形態の可変容量圧縮
機においは、図6及び図7に示すように、斜板22とス
プール28と間に、ほぼ円環状のプレーンベアリングよ
りなる2枚のスラストベアリング34-1、34-2が介装
されている。フロント側のスラストベアリング34-1の
前端面には、一対の突条よりなる回り止め部34aが形
成されている。そして、この回り止め部34aと斜板の
凸部22aとの係合により、フロント側のスラストベア
リング34-1が斜板22と一体回転されるようになって
いる。また、リヤ側のスラストベアリング34-2と対向
するように、スプール28の前端面に複数の潤滑溝28
cが、所定間隔おきで放射方向に延長形成されている。
【0084】この第2の実施形態によって期待できる効
果について、以下に記載する。 (a) この第2の実施形態においても、前述した第1
の実施形態とほぼ同様に、斜板22の傾動及び回転に伴
ってスプール28に作用するスラスト方向の荷重を、プ
レーンベアリングからなるスラストベアリング34によ
って確実に受け止めることができる。また、ベアリング
の構造を簡素化して圧縮機全体を小型にすることができ
るとともに、圧縮運転時の振動や騒音の発生を抑制する
ことができる。
【0085】(b) この第2の実施形態においては、
斜板22とスプール28との間に、2枚のスラストベア
リング34-1、34-2が介装されている。このため、両
スラストベアリング34-1、34-2間及びスラストベア
リング34とスプール28との間でそれぞれ相対回転さ
せることができる。そして、斜板22とスプール28と
の間における各摺接面間の相対回転速度を小さくするこ
とができる。従って、スラストベアリング34の耐久性
をさらに向上することができる。
【0086】(c) この第2の実施形態においては、
スプール28の前端面に複数の潤滑溝28cが形成され
ている。このため、前記第1の実施形態と同様に、スラ
ストベアリング34とスプール28との摺接面間の潤滑
を確保することができる。
【0087】なお、この発明は、次のように変更して具
体化することも可能である。 (1) 図3に実線及び鎖線で示すように、スラストベ
アリング34の前端面に、一対の突条よりなる2組の回
り止め部34aを形成して、斜板22上の凸部22aと
係合させるように構成すること。
【0088】このように構成した場合、スラストベアリ
ング34が斜板22に対してより確実に回り止めされ
る。 (2) スラストベアリング34の前端面に、回り止め
部としての凹溝を形成して、斜板22上の凸部22aと
係合させるように構成すること。
【0089】このように構成した場合、凹溝と凸部22
aとが係合した状態において、駆動シャフト16の軸線
方向における寸法を短くすることができて、圧縮機全体
の外形を小型にすることができる。
【0090】(3) スラストベアリング34の後端面
と、スプール28の前端面との双方に潤滑溝34b,2
8cを形成すること。このように構成した場合、スラス
トベアリング34とスプール28との摺接面間に、さら
に容易に潤滑油を供給することができる。
【0091】(4) スラストベアリング34の枚数
を、前記各実施例とは異なる枚数、例えば3枚以上とす
ること。このように構成した場合、スラストベアリング
34とスプール28との間における各摺接面間の相対回
転速度をさらに小さくすることができて、スラストベア
リング34の耐久性を一層向上することができる。
【0092】(5) クランク室15と吸入圧領域とし
ての吸入室37との間に連通路としての抽気通路を形成
し、この抽気通路の途中に容量制御弁を配設し、この容
量制御弁の開度調整に基づいて、クランク室15の圧力
Pcを変更するようにした可変容量圧縮機において、こ
の発明を具体化すること。
【0093】(6) 制御圧室をクランク室15とは別
に設けて、その制御圧室の圧力を変更することによっ
て、シリンダボア11a内に吸入される冷媒ガスの圧力
を変更し、これによりクランク室15内の圧力Pcとシ
リンダボア11a内の圧力とのピストン35を介した差
に応じて、斜板22の傾角を変更して、吐出容量を制御
するように構成した可変容量圧縮機において、この発明
を具体化すること。
【0094】これらのように構成しても、前記各実施形
態とほぼ同様の効果が奏される。
【0095】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明によれば、カムプレートの傾動及び回転に伴ってスプ
ールに作用するスラスト方向の荷重をスラストベアリン
グにより確実に受け止めることができて、ベアリングの
使用寿命を延ばすことができる。また、スラストベアリ
ングがほぼ円環状の座金からなるプレーンベアリングに
より構成されているため、ベアリングの軸線方向の寸法
を短縮することができて、圧縮機の外形を小型にするこ
とができる。
【0096】請求項2に記載の発明によれば、車両エン
ジン等の外部駆動源に余分な負荷が掛かるのを抑制する
ことができる。請求項3に記載の発明によれば、駆動シ
ャフトの回転に伴うラジアル方向の荷重を、スラストベ
アリングと別に設けられたラジアルベアリングにより確
実に受け止めることができる。従って、ベアリングの使
用寿命を延ばすことができるとともに、ベアリングの径
方向の寸法を短縮することができて、圧縮機の外形を小
型にすることができる。また、ラジアルベアリングを駆
動シャフトのスラストベアリングよりも後端側に配設す
ることができて、圧縮機の振動及び騒音を低減すること
ができる。
【0097】請求項4に記載の発明によれば、プレーン
ベアリングよりなるスラストベアリングとカムプレート
とを一体的に回転させることができて、それらの相対回
転に伴る摩耗を抑制することができる。
【0098】請求項5に記載の発明によれば、回り止め
部の構造が簡単で加工を容易に行うことができる。請求
項6に記載の発明によれば、特に潤滑条件の厳しいカム
プレートの最小傾角状態において、クランク室からスラ
ストベアリングとスプールとの間を介して吸入圧領域に
流れる冷媒ガスの流量を増加することができる。従っ
て、プレーンベアリングよりなるスラストベアリングと
スプールとの摺接面の潤滑を容易に確保することができ
る。
【0099】請求項7に記載の発明によれば、潤滑溝が
クランク室から吸入圧領域への冷媒ガスの放圧通路を兼
用しているので、放圧通路を別に設ける必要がなく、構
造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の圧縮機の最大傾角状態を示
す断面図。
【図2】 図1の圧縮機の要部を拡大して示す部分断面
図。
【図3】 スラストベアリングを拡大して示す斜視図。
【図4】 同じくスラストベアリングの後端面を示す側
面図。
【図5】 図1の圧縮機の最小傾角状態を示す断面図。
【図6】 第2の実施形態の圧縮機の要部を拡大して示
す部分断面図。
【図7】 図6の圧縮機におけるスプールの前端面を示
す部分側面図。
【符号の説明】
11…ハウジングの一部を構成するシリンダブロック、
11a…シリンダボア、12…ハウジングの一部を構成
するフロントハウジング、13…ハウジングの一部を構
成するリヤハウジング、15…クランク室、16…駆動
シャフト、22…カムプレートとしての斜板、22a…
凸部、28…スプール、28c…第2の実施形態におけ
る潤滑溝、30…ラジアルベアリング、32…吸入圧領
域を構成する吸入通路、34…スラストベアリング、3
4a…回り止め部、34b…第1の実施形態における潤
滑溝、35…ピストン、37…吸入圧領域を構成する吸
入室、52…外部冷媒回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 久和 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングのシリンダボア内にピストン
    を往復動可能に収容するとともに、ハウジング内の駆動
    シャフトにピストンを往復動させるためのカムプレート
    を傾動可能に支持し、カムプレートを収容するクランク
    室内の圧力とシリンダボア内の圧力とのピストンを介し
    た差に応じて、カムプレートの傾角を変更して、吐出容
    量を制御するように構成した可変容量圧縮機において、 前記駆動シャフト上にはカムプレートの傾角に連係して
    その軸線方向に移動可能なスプールを支持し、そのスプ
    ールとカムプレートとの間にはスラストベアリングを介
    装し、そのスラストベアリングをほぼ円環状の座金から
    なるプレーンベアリングにより構成した可変容量圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 前記スプールはカムプレートの傾動に連
    動して、外部冷媒回路から吸入圧領域に冷媒ガスを導入
    可能な開位置と、導入不能な閉位置とに切り換え移動さ
    れる請求項1に記載の可変容量圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記スプールを駆動シャフトの軸線上に
    移動可能に配設し、そのスプールと駆動シャフトとの間
    にはラジアルベアリングを介装した請求項1または2に
    記載の可変容量圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記スラストベアリングの前端面には、
    スラストベアリングとカムプレートとの相対回転を抑制
    するための回り止め部を設けた請求項1〜3のいずれか
    に記載の可変容量圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記回り止め部は、カムプレート上の凸
    部に係合する一対の突条である請求項4に記載の可変容
    量圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記スラストベアリングの後端面とスプ
    ールの前端面との少なくとも一方には、潤滑溝を形成し
    た請求項1〜5のいずれかに記載の可変容量圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記潤滑溝は、クランク室から吸入圧領
    域への冷媒ガスの放圧通路を兼用している請求項6に記
    載の可変容量圧縮機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007247551A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Sanden Corp 圧縮機
KR100779067B1 (ko) * 2001-06-05 2007-11-27 한라공조주식회사 가변용량형 사판식 압축기
JP2008106679A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Sanden Corp 往復動圧縮機

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