JP4979926B2 - オキシクロリネーション用触媒の製造方法 - Google Patents

オキシクロリネーション用触媒の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はオキシクロリネーション用触媒の製造方法に関し、さらに詳しくは、流動性、流動性の低下抑制、耐摩耗性等に優れると共に活性、活性低下抑制、1,2−ジクロルエタン(以下、EDCと略記することがある。)の選択性、選択性低下抑制、エチレン燃焼抑制等に優れたオキシクロリネーション用触媒の製造方法に関する。
従来、オキシ塩素化法による脂肪族炭化水素の塩素化には一般に、多孔質なアルミナ、シリカアルミナ、粘土などの担体に金属塩を担持させた触媒が用いられていた。特に、エチレンのオキシクロリネーションによるEDCの製造には、工業的には古くから塩化第二銅を含浸法によりアルミナ担体に担持させた流動床用触媒が用いられる。しかし、この触媒は活性成分である銅が移動あるいは昇華し、活性の低下や流動性の低下を引き起こし、この結果、触媒層の温度分布が不均一となり高温部においてエチレンの燃焼反応が進行し、EDCの選択性や収率が低下する等の問題があった。銅の移動、昇華を抑制する為に、さらには選択性を向上させるためにアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属等を添加することが行われている。
一方、担体成分と活性成分を同時に沈殿(以下、共沈法ということがある。)させ、噴霧乾燥して得た触媒が知られている(特許文献1参照)。さらに、共沈法で調合して得た触媒にアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属等を担持した触媒も知られている(特許文献2〜4参照)。
しかしながら、これらの触媒によっては、前記流動性の問題、活性および選択性の低下する問題は完全には解決されていない。
本願発明者等は、アルミナ源としてあらかじめ調製した擬ベーマイトアルミナスラリーを用い、これに銅等の活性成分、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類等の助触媒成分を加え、噴霧乾燥して得られる触媒は前記流動性の低下が少なく、かつ、高い活性と選択性を示すことを開示している(特許文献5、6参照)。
しかしながら、前記した触媒は高い活性と選択性を示すものの長期にわたって使用すると活性および選択性の低下がみられ、さらにこの点の改良が求められていた。
特公昭45−39616号公報 特開平11−90232号公報 特開平11−90233号公報 特開平11−90234号公報 特開2005−000730号公報 特開2005−000731号公報
本発明は、高い活性と選択性を有すると共に、長期使用においても活性、選択性の低下の少ない触媒寿命に優れたオキシクロリネーション用触媒の製造方法を提供するものである。
本発明に係るオキシクロリネーション用触媒の製造方法は、下記の工程(a)〜(f)からなることを特徴とするものである。
(a)アルミニウム塩水溶液にアルミン酸アルカリ金属水溶液と第二銅塩水溶液とを混合する工程
(b)洗浄して噴霧乾燥用スラリーを調製する工程
(c)噴霧乾燥する工程
(d)洗浄する工程
(e)乾燥する工程
(f)焼成する工程
前記噴霧乾燥用スラリーのpHは4〜9.5の範囲にあることが好ましい。
前記工程(a)で、更にアルカリ土類金属塩水溶液、希土類金属塩水溶液、アルカリ金属塩水溶液から選ばれる少なくとも1種の金属塩水溶液を、アルミニウム塩水溶液に混合するか、第二銅塩水溶液と同時にあるいは第二銅塩水溶液についで混合することが好ましい。
前記工程(f)で得られた触媒中の銅の含有量が酸化物(CuO)として5〜20重量%の範囲にあり、ハロゲン含有量が触媒固形分中に10重量%以下であることが好ましい。
また、前記工程(f)で得られた触媒中のアルカリ土類の含有量が酸化物(MO:Mはアルカリ土類金属を示す)として0.1〜6重量%の範囲にあり、アルカリ金属の含有量が酸化物(NO:Nはアルカリ金属を示す)として0.1〜3重量%の範囲にあり、希土類の含有量が酸化物(RE:REは希土類金属を示す)として0.1〜6重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明によれば、触媒調製成分を特定の方法で混合することにより、流動性、流動性の低下抑制、耐摩耗性等に優れるとともに活性、EDC選択性、エチレン燃焼抑制特性等に優れ、かつ、長期使用においても活性、選択性の低下の少ない触媒寿命に優れたオキシクロリネーション用触媒の製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係るオキシクロリネーション用触媒の製造方法を工程順に説明する。
工程(a)
本発明に用いるアルミニウム塩としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム等のアルミニウム塩が挙げられる。
なかでも、塩化アルミニウムは、後述するような繊維状の擬ベーマイトアルミナゲルを調製することが容易で、活性、選択性に優れたオキシクロリネーション用触媒を得ることができる。
このようなアルミニウム塩の水溶液の濃度はAl23として0.1〜5重量%、更には0.5〜2重量%の範囲にあることが好ましい。アルミニウム塩水溶液の濃度が0.1重量%未満の場合は、後述する擬ベーマイトアルミナの一次粒子が大きくなる傾向があり、比表面積が高くならず活性が低下したり、耐摩耗性が不充分となることがある。アルミニウム塩水溶液の濃度が5重量%を超えると、擬ベーマイトアルミナの一次粒子が小さく凝集した粒子となり、このため耐摩耗性が不充分となったり、結晶性が高くならず活性が不充分となることがある。
アルミン酸アルカリ金属(MAlO:Mはアルカリ金属)としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等が挙げられる。なかでもアルミン酸ナトリウムを前記塩化アルミニウムと組み合わせて用いると、後述するような繊維状の擬ベーマイトアルミナゲルを調製することが容易で、活性、選択性に優れたオキシクロリネーション用触媒を得ることができる。
このようなアルミン酸アルカリ金属水溶液の濃度はAlとして0.1〜30重量%、更には1〜25重量%の範囲にあることが好ましい。この濃度が0.1重量%未満の場合は、アルミン酸アルカリ金属の溶解安定性が低く、容易に加水分解し、後述するような繊維状の擬ベーマイトアルミナゲルの調製が困難となることがある。一方、濃度が30重量%を超えると、擬ベーマイトアルミナの一次粒子が小さく凝集した粒子となり、このため耐摩耗性が不充分となったり、結晶性が高くならず活性が不充分となることがある。
第二銅塩としては塩化第二銅、硝酸第二銅、硫酸銅、酢酸第二銅等の第二銅塩が挙げられる。なかでも、塩化第二銅は触媒に適度な量の塩素を随伴するためか、活性、選択性に優れたオキシクロリネーション用触媒を得ることができる。
第二銅塩水溶液の濃度は触媒中の銅の含有量等によって適宜調整することができるが、CuOとして概ね0.1〜20重量%、更には1〜5重量%の範囲にあることが好ましい。
本工程では、まず、アルミニウム塩水溶液にアルミン酸アルカリ金属水溶液と第二銅塩水溶液とを混合する。
アルミニウム塩水溶液にアルミン酸アルカリ金属水溶液と第二銅塩水溶液とを混合することによって、高い比表面積を有し、高い活性および選択性を有するとともに、長期にわたって使用した場合にも活性および選択性の低下の少ないオキシクロリネーション用触媒を得ることができる。このとき、アルミニウム塩水溶液にアルミン酸アルカリ金属水溶液を混合し、ついで第二銅塩水溶液を混合することが好ましい。
上記以外の混合方法を採用した場合、例えば、(1)アルミニウム塩水溶液とアルミン酸アルカリ金属水溶液と第二銅塩水溶液とを同時に一定比で混合した場合、(2)アルミン酸アルカリ金属水溶液にアルミニウム塩水溶液と第二銅塩水溶液とを混合した場合、活性、選択、流動性等が不充分となるばかりか、活性、選択、流動性の低下抑制効果が不充分となることがある。
アルミニウム塩のモル数(Ma)とアルミン酸アルカリ金属のモル数(Mb)との比(Ma)/(Mb)は概ね0.1〜0.45、更には0.15〜0.35の範囲にあることが好ましい。モル比(Ma)/(Mb)が前記範囲にあると後述するような繊維状の一次粒子、二次粒子の擬ベーマイトアルミナゲルを調製することが容易で、活性、選択性に優れ、活性、選択性の低下の少ない触媒寿命に優れたオキシクロリネーション用触媒を得ることができる。
アルミニウム塩水溶液にアルミン酸アルカリ金属水溶液を混合した際のpHは7〜12.5、更には8〜12の範囲にあることが好ましい。このときのpHが7未満の場合は、後述するような繊維状の一次粒子、二次粒子の擬ベーマイトアルミナゲルが得られないことがあり、pHが12を超えると、ついで混合する第二銅塩水溶液の加水分解による水酸化銅(水和物)が擬ベーマイトアルミナ粒子上に高分散状態で析出せず、分離した状態で析出することがあり、活性、選択性および触媒寿命が不充分となることがある。
第二銅塩水溶液は、最終的に得られる触媒中のCuOの含有量が5〜20重量%、更には10〜15重量%の範囲となるように混合することが好ましい。触媒中の銅の含有量がCuOとして5重量%未満の場合は、活性が不充分となり、EDCの収率が低下する。銅の含有量がCuOとして20重量%を越えると、原料エチレンの燃焼が顕著になり、EDCの収率が低下するとともに、銅が多すぎて触媒粒子外部表面に移動したり、昇華し、流動性低下の原因となることがある。
混合した際の温度は特に制限はないが0〜60℃、更には20〜30℃の範囲にあることが好ましい。混合温度が0℃未満の場合は、第二銅塩の加水分解による銅成分の析出に長時間を要したり、最終的に得られる触媒中の含有量が不足することがある。混合温度が60℃を超えると、必ずしも理由は明らかではないが活性、選択性および触媒寿命が不充分となることがある。
また、第二銅塩水溶液を混合した際の混合スラリーのpHは概ね4.0〜9.5、更には4.5〜6.5の範囲にあることが好ましい。pHが上記範囲にない場合は、繊維状の擬ベーマイト粒子が得られないために耐摩耗性が悪化したり、触媒の比表面積や細孔容積が低下して活性および選択性および触媒寿命が不充分となることがある。
工程(a)では、前記混合スラリーを必要に応じて熟成することができる。熟成温度は30〜60℃、更には50〜60℃の範囲にあることが好ましい。
このような熟成を行うことによって、耐摩耗性、活性、選択性等に優れたオキシクロリネーション用触媒を再現性よく製造することができる。
前記した工程(a)で生成する擬ベーマイトアルミナ(Al23・nH2O、n:0.5〜2.5)は、結晶性アルミナ水和物の一種で、通常、繊維状の一次粒子が束になった繊維状の二次粒子である。
擬ベーマイトアルミナの一次粒子の大きさは、平均長さ(L1)が1〜10nmの範囲にあり、平均幅(W1)が0.5〜3nmの範囲にあることが好ましい。
一次粒子の平均長さ(L1)が1nm未満の場合は、耐摩耗性が不充分となることがあり、また、最終的に得られる触媒の細孔容積および比表面積が小さくなるとともに活性、選択性および触媒寿命が不充分となる。一次粒子の平均長さ(L1)が10nmを越えると得られる触媒の嵩密度が低下したり、耐摩耗性が不充分となる。
一次粒子の平均幅(W1)が0.5nm未満の場合は、耐摩耗性が不充分となることがあり、また、最終的に得られる触媒の細孔容積および比表面積が小さくなるとともに活性が不充分となる。一次粒子の平均幅(W1)が3nmを越えると、得られる触媒の嵩密度が低下したり、耐摩耗性が不充分となる。
このような一次粒子の大きさは走査型電子顕微鏡写真を撮影して観察することによって求めることができる。
本工程では、更にアルカリ土類金属塩水溶液、希土類金属塩水溶液、アルカリ金属塩水溶液から選ばれる少なくとも1種の金属塩水溶液を混合することが好ましい。
このような金属塩水溶液の混合は、あらかじめアルミニウム塩水溶液に混合するか、第二銅塩水溶液と同時にあるいは第二銅塩水溶液についで混合することが好ましい。
アルカリ土類金属塩としては、通常、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、硝酸バリウム等の可溶性の塩が挙げられる。なかでもマグネシウム塩を用いると活性を低下させることなく耐摩耗性に優れた触媒を得ることができる。
希土類金属塩としては、塩化ランタン、硝酸ランタン、硫酸ランタン、塩化セリウム、硝酸セリウム、硫酸セリウム等の他、混合希土塩酸塩、混合希土硝酸塩、混合希土硫酸塩等が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム等が挙げられる。なかでもカリウム塩を用いるとエチレンの酸化抑制効果が他のアルカリ金属に比してマイルドであり、オキシクロリネーション反応におけるClのエチレンへの付与反応の活性を大きく低下することなくエチレンの酸化を抑制することが容易である。
アルカリ土類金属塩水溶液は、最終的に得られる触媒中のアルカリ土類の含有量が酸化物(MO:Mはアルカリ土類金属を示す)として0.1〜6重量%、更には0.2〜4重量%の範囲となるように混合することが好ましい。アルカリ土類の含有量が0.1重量%未満の場合は得られる触媒の嵩密度、耐摩耗性が低下する傾向がある。触媒中のアルカリ土類の含有量が6重量%を越えると、得られる触媒の細孔容積が低下し、活性が不充分となることがある。また、硝酸マグネシウムを用いる場合には、得られる触媒中のマグネシウムの含有量がMgOとして0.2〜3.5重量%の範囲となるようにすることが好ましい。
希土類金属塩水溶液は、最終的に得られる触媒中の希土類の含有量が酸化物(RE23:REは希土類金属を示す)として0.1〜6重量%、更には0.2〜4重量%の範囲となるように混合することが好ましい。触媒中の希土類の含有量が0.1重量%未満の場合は、EDCの選択性が低下するとともに、エチレンの燃焼を抑制する効果が不充分となるためにEDCの収率も低下する。触媒中の希土類の含有量が6重量%を越えると、Clの反応率が低下しEDCの収率が低下する。
アルカリ金属塩水溶液は、最終的に得られる触媒中のアルカリ金属の含有量が酸化物(NO:Nはアルカリ金属を示す)として0.1〜3重量%、更には0.2〜2重量%の範囲となるように混合することが好ましい。アルカリ金属の含有量が0.1重量%未満の場合は、エチレンの燃焼を抑制する効果が不充分となるためにEDCの収率が低下する。触媒中のアルカリ金属の含有量が3重量%を越えると、Clの反応率が低下しEDCの収率が低下する。
更に、本工程(a)では、混合スラリーのpHを前記範囲に調整し、維持するため酸またはアルカリを混合することができる。酸としては塩酸、硝酸、硫酸等を用いることができ、アルカリとしてはアルカリ金属水酸化物、アンモニア、有機アミン等を用いることができる。
工程(b)
ついで、混合スラリーを洗浄して噴霧乾燥用スラリーを調製する。
工程(a)で調製した混合スラリーを濾過する。濾過する際には必要に応じて温水等を掛けることができ、この濾過によって混合スラリー中の塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム等の過剰の塩を低減することができる。過剰の塩を低減しておくと耐摩耗性等に優れた触媒を得ることができる。
ついで、必要に応じて、更に濾過し脱水するか、水を加えることによって濃度調整して噴霧乾燥用スラリーを調製する。
噴霧乾燥用スラリーの濃度は固形分として5〜20重量%、更には8〜18重量%の範囲にあることが好ましい。濃度が5重量%未満の場合は、噴霧乾燥して得られる球状微粒子の平均粒子径が小さくなるとともに20μm以下の微小粒子が増大することがあり、また水分が多いために噴霧乾燥の熱エネルギーを多く必要とし経済的でない。一方、濃度が20重量%を越えると、スラリーの粘度が高すぎて噴霧乾燥が困難となることがある。
なお、噴霧乾燥用スラリーは、必要に応じてホモジナイザー、コロイドミル等により乳化処理、均一化処理等を行ってもよい。
このような噴霧乾燥用スラリーのpHは4〜9.5、更には4.5〜6.5の範囲にあることが好ましい。pHが4未満の場合は、得られる触媒の比表面積や細孔容積が低下し、活性および触媒寿命が不充分となる傾向にある。一方、pHが9.5を超えると、アルミナ担体上に銅成分が高分散した状態で沈着しないためか、活性、触媒寿命および長期流動性が低下する傾向がある。
工程(c)
工程(b)で得た噴霧乾燥用スラリーを噴霧乾燥する。噴霧乾燥する方法としては、従来公知のオキシクロリネーション用流動触媒と同様に、微小球状の流動触媒として用いることができれば特に制限はないが、例えば熱風気流中にディスク回転式、ノズル式等の種々の噴霧乾燥機を用いることができる。
このとき、熱風気流温度は150〜400℃、更には200〜350℃の範囲にあることが好ましい。熱風気流温度が150℃未満の場合は、乾燥が不充分となることがある。一方、温度が400℃を越えると、乾燥が急激に起こるために、活性成分や助触媒成分が粒子表面に偏在することがある。
噴霧乾燥して得られる微小球状粒子は、平均粒子径が50〜80μm、更には55〜75μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が50μm未満の場合は、後述する焼成工程で焼成して得られる触媒の平均粒子径が40μm未満となることがあり、充分な流動性が得られなかったり、触媒の損失が増加することがある。平均粒子径が80μmを越える場合は、焼成工程で焼成して得られる触媒の平均粒子径が75μmを越えることがあり、平均粒子径が小さい場合と同様に充分な流動性が得られないことがある。
また、微小球状粒子の粒子径分布は、概ね正規分布しており、粒子径が30μm未満の微粒子が10重量%以下であることが好ましく、粒子径が90μmを越える粒子が20重量%以下であることが好ましい。なお、必要に応じて更に分級することもできる。
上記した平均粒子径、粒子径分布は、例えばマイクロメッシュシーブ法によって求めることができる。
工程(d)
ついで、噴霧乾燥して得た微小球状粒子を洗浄する。洗浄する方法としては触媒中の有効成分(担体成分としてのアルミナ、活性成分としての銅、助触媒成分としての希土類、アルカリ土類およびアルカリ金属)以外の不純分塩を低減あるいは除去できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
例えば、噴霧乾燥して得た微小球状粒子を水に分散させ、濾過し、水(温水)等を掛けて洗浄することができる。洗浄後の残留塩は固形分として5重量%以下、更には2重量%以下、特に1重量%以下であることが望ましい。
工程(e)
ついで乾燥する。乾燥する方法としては従来公知の方法を採用することができ、乾燥温度としては特に制限はないが、通常60〜200℃、更には80〜150℃の範囲にあることが好ましい。乾燥時間は温度によっても異なるが通常1〜24時間の範囲である。
工程(f)
乾燥した後、ついで焼成することによってオキシクロリネーション用触媒を得ることができる。
このとき、焼成温度は350〜750℃、更には400〜700℃、特に500〜650℃の範囲にあることが好ましい。
焼成温度が350℃未満の場合は、擬ベーマイトアルミナの脱水および結晶化(γ-Al23化)が不充分となり、また活性成分や助触媒成分との結合が不充分となるためか活性および選択性が不充分となる。焼成温度が750℃を越えると、活性成分である銅が完全に酸化物化し活性が不充分となる。
焼成時間は焼成温度によって変えることができ、特に限定されないが、概ね0.1〜24時間の範囲である。
このようにして、本発明に係るオキシクロリネーション用触媒を得ることができる。
得られたオキシクロリネーション用触媒は、銅の含有量が酸化物(CuO)として5〜20重量%の範囲にあり、アルカリ土類金属の含有量が酸化物として0.1〜6重量%の範囲にあり、アルカリ金属の含有量が酸化物として0.1〜3重量%の範囲にあり、希土類の含有量が酸化物として0.1〜6重量%の範囲にあり、アルミナの含有量は概ね60〜85重量%の範囲にある。
また、アルミナ成分はγ-Alであることが好ましく、この場合、触媒の比表面積、細孔容積が大きく、触媒の活性、選択性および触媒寿命に優れている。
前記触媒中のハロゲン(塩素)の含有量は、10重量%以下であることが好ましい。ハロゲン(塩素)の含有量が10重量%を超えるものは、触媒製造工程で装置を腐蝕したり、加熱焼成時にハロゲンガスが大気中に散逸する虞がある。また、反応中に触媒の比表面積を低下させるためか触媒寿命が短くなる傾向にある。
平均粒子径は40〜75μm、更には45〜70μmの範囲にあることが好ましい。
平均粒子径が40μm未満の場合は、充分な流動性が得られなかったり、触媒の損失が増加することがある。平均粒子径が75μmを越えても平均粒子径が小さい場合と同様に充分な流動性が得られないことがある。
また、粒子径分布は、概ね正規分布しており、粒子径が30μm未満の微粒子が10重量%以下であることが好ましく、粒子径が90μmを越える粒子が20重量%以下であることが好ましい。なお、必要に応じて更に分級することもできる。
このような粒子径分布は、マイクロメッシュシーブ法によって求めることができる。
触媒の比表面積は200〜350m2/g、さらには250〜300m2/gの範囲にあることが好ましい。触媒の比表面積が200m2/g未満の場合は、Clのエチレンへの付加反応の効率が下がり、目的生成物であるEDCの収率が低下する。触媒の比表面積が350m2/gを超えると、エチレンの酸化反応が顕著になることがある。
触媒の細孔容積は0.25〜0.40ml/g、さらには0.30〜0.35ml/gの範囲にあることが好ましい。細孔容積が0.25ml/g未満の場合は、触媒の比表面積も低く、EDCの収率が不充分となることがある。また、触媒の嵩比重が高くなり、反応時の流動状態が不良となることがある。触媒の細孔容積が0.40ml/gを超えると、耐摩耗性が不充分となり、反応時の触媒飛散が増加する傾向がある。
触媒の嵩比重(CBD)は0.90〜1.20g/ml、更には1.00〜1.10g/mlの範囲にあることが好ましい。嵩比重(CBD)が0.90g/ml未満の場合は、触媒が軽すぎて反応槽外へ飛散することがある。嵩比重(CBD)が1.20g/mlを超えると、流動不良を生じることがあり、反応槽内の偏流・偏熱によるエチレンの燃焼が問題となることがある。
このような嵩比重(CBD)は、所定の条件で加熱処理をした触媒を定量容器(例えば、メスシリンダー)へ一定量を充填し、充分に振動を加え最も細密に充填された状態での嵩体積を測定し、触媒の充填量を嵩体積で除して求めることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[オキシクロリネーション用触媒(1)]
噴霧乾燥用スラリー(1)の調製
純水22.37kgに、濃度99重量%の塩化アルミニウム六水和物0.93kgを溶解し、Al23としての濃度が0.8重量%の塩化アルミニウム水溶液23.30kgを調製した。
これに濃度35重量%のアルミン酸ナトリウム2.70kgを加え、Al23としての濃度が3重量%のアルミナヒドロゲルスラリー26.00kgを調製した。このとき、モル比(Ma)/(Mb)=0.30、混合温度は30℃、得られたアルミナヒドロゲルスラリーのpHは11.5であった。
アルミナヒドロゲルスラリーの一部を乾燥し、走査型電子顕微鏡写真で観察した結果、平均長さ10nm、平均幅0.5nmの繊維状一次粒子が束になった繊維状二次粒子であった。また、X線回折によれば擬ベーマイトアルミナであった。
別途、純水6.36kgに濃度97重量%の塩化第二銅二水和物0.33kg、濃度30重量%の粗塩化希土類水溶液0.15kgおよび濃度98重量%の塩化マグネシウム六水和物0.16kgを溶解し、[CuO+RE23+MgO]としての濃度が3重量%の混合塩水溶液7.00kgを調製した。
上記アルミナヒドロゲルスラリーへ混合塩水溶液を混合し、混合ヒドロゲルスラリーを調製した。混合ヒドロゲルスラリーのpHは6.0であった。
ついで、混合ヒドロゲルスラリーを脱水脱塩した後、純水を加えて固形分濃度を10重量%に調整し、ホモジナイザーを用いて均一化処理をして噴霧乾燥用スラリー(1)10.00kgを調製した。噴霧乾燥用スラリー(1)のpHは6.8であった。
噴霧乾燥
噴霧乾燥用スラリー(1)を温度250℃の熱風気流中に噴霧して微小球状粒子(1)を得た。微小球状粒子(1)の平均粒子径は65μmであり、20μm以下が10重量%、149μm以上が5重量%であった。
洗浄
微小球状粒子(1)を重量比で10倍量の60℃温水に懸濁し、充分撹拌した後、濾過し、10倍量の60℃温水を掛けて洗浄した。
焼成
ついで、120℃で2時間乾燥した後、回転式焼成炉にて、400℃で0.5時間焼成してオキシクロリネーション用触媒(1)を調製した。
オキシクロリネーション用触媒(1)の平均粒子径、CBD、アルミナの結晶形、組成および比表面積を表2に示した。なお、表2においてハロゲン含有量は、触媒中の酸化物合計量を100重量%としたときの割合で表示した。
耐摩耗性
特許第737429号公報に記載された方法に準拠し、触媒充填量50g、ノズル径0.406mmφ、空気流量0.425m3/時間の条件で流動させ、流動開始後5〜20時間の間の15時間に、流動層容器から飛散して回収された微粒子の重量割合(%)を1時間当たりに換算して表2に示した。
[触媒性能評価]
以下のように活性試験と劣化試験を行なった。また、触媒の流動性を評価して、その結果を表3に示した。
活性試験
固定流動床式反応器を用い、これにオキシクロリネーション用触媒(1)を5g充填し、温度230℃で、窒素ガスを28.8ml/minで供給しながら流動化させ、ついで窒素ガスに代えて反応用混合ガス(エチレン39.2vol%、塩酸46.1vol%、酸素14.7vol%)を62.5ml/minで供給して反応を行った。このとき、WHSV=750(L/Hr./kg Cat.)であった。
生成ガスをガスクロマトグラフにて分析し、活性、選択性、収率および燃焼性を表に示した。
・活性: 塩酸転化率=(供給塩酸−未反応塩酸)/供給塩酸×100(モル%)
・選択性: EDC選択率=EDCの実生成量/理論的EDC生成量×100(モル%)
・収率(塩酸基準):EDC収率=塩酸転化率 ×EDC選択率(モル%)
・燃焼性: エチレン燃焼率=(CO+CO2)モル数/C22モル数×100(モル%)
劣化試験
上記活性試験を50時間継続して行い、塩酸転化率を測定した。また、反応を停止して触媒を抜き出し、400℃で0.5時間焼成した触媒の比表面積を測定して、結果を表に示した。
流動性評価
前記反応中に、流動層下部温度と流動層上部温度との温度差(ΔT:℃)を測定し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
ΔTが3℃未満で、良好な流動性を示した。 :◎
ΔTが3℃以上、5℃未満で、比較的良好な流動性を示した。 :○
ΔTが5℃以上、7℃未満で、問題のない流動性を示した。 :△
ΔTが7℃以上で、流動性に問題があった。 :×
[オキシクロリネーション用触媒(2)]
実施例1で、混合塩水溶液の調製における純水6.36kg、濃度98重量%の塩化マグネシウム六水和物0.16kgの代わりに純水6.50kg、濃度97重量%の塩化カリウム0.02kgを用いた以外は同様にして、噴霧乾燥用スラリー(2)10.00kgを調製した。
このときの噴霧乾燥用スラリー(2)のpHは6.7であった。
ついで、実施例1と同様にして噴霧乾燥し、洗浄し、乾燥焼成してオキシクロリネーション用触媒(2)を調製した。
オキシクロリネーション用触媒(2)の平均粒子径、CBD、アルミナの結晶形、組成、比表面積および耐摩耗性の結果を表2に示した。
実施例1と同様にして触媒性能を評価し、結果を表3に示した。
[オキシクロリネーション用触媒(3)]
実施例1で、純水22.37kg、濃度99重量%の塩化アルミニウム六水和物0.93kgの代わりに純水21.84kg、濃度98重量%の硝酸アルミニウム九水物1.46kgを用い、また、混合塩水溶液の調製で、純水6.36kg、濃度97重量%の塩化第二銅二水和物0.33kg、濃度30重量%の粗塩化希土類水溶液0.15kg、濃度98重量%の塩化マグネシウム六水和物0.16kgの代わりに純水6.25kg、濃度97重量%の硝酸第二銅三水和物0.47kg、濃度99重量%の硝酸ランタン六水和物0.04kg、濃度98重量%の硝酸セリウム六水和物0.04kg、濃度98重量%の硝酸マグネシウム六水和物0.20kgを用いた以外は同様にして噴霧乾燥用スラリー(3)10.00kgを調製した。
このときの噴霧乾燥用スラリー(3)のpHは7.0であった。
ついで、実施例1と同様にして噴霧乾燥し、洗浄し、乾燥焼成してオキシクロリネーション用触媒(3)を調製した。
オキシクロリネーション用触媒(3)の平均粒子径、CBD、アルミナの結晶形、組成、比表面積および耐摩耗性の結果を表2に示した。
実施例1と同様にして触媒性能を評価し、結果を表3に示した。
[オキシクロリネーション用触媒(4)]
純水24.38kgに、濃度99重量%の塩化アルミニウム六水和物0.93kg、濃度30重量%の粗塩化希土類溶液0.15kgおよび濃度98重量%の塩化マグネシウム六水和物0.16kgを溶解し、[Al23+RE23+MgO]としての濃度が1重量%の混合塩水溶液25.62kgを調製した。
これに濃度35重量%のアルミン酸ナトリウム2.70kgを加え、[Al23+RE23+MgO]としての濃度が3重量%のアルミナヒドロゲルスラリー28.32kgを調製した。このとき、モル比(Ma)/(Mb)=0.30、混合温度は30℃、得られたアルミナヒドロゲルスラリーのpHは11.5であった。
別途、純水4.68kgに濃度97重量%の塩化第二銅二水和物0.33kgを溶解し、CuOとしての濃度が3重量%の塩化第二銅水溶液5.02kgを調製した。
ついで、上記アルミナヒドロゲルスラリーへ塩化第二銅水溶液を混合し、混合ヒドロゲルスラリーを調製した。混合ヒドロゲルスラリーのpHは6.0であった。
ついで、混合ヒドロゲルスラリーを脱水脱塩した後、純水を加えて固形分濃度を10重量%に調整し、ホモジナイザーを用いて均一化処理をして噴霧乾燥用スラリー(4)10.00kgを調製した。噴霧乾燥用スラリー(4)のpHは6.8であった。
ついで、実施例1と同様にして噴霧乾燥し、洗浄し、乾燥焼成してオキシクロリネーション用触媒(4)を調製した。
オキシクロリネーション用触媒(4)の平均粒子径、CBD、アルミナの結晶形、組成、比表面積および耐摩耗性の結果を表2に示した。
実施例1と同様にして触媒性能を評価し、結果を表3に示した。
比較例1
[オキシクロリネーション用触媒(R1)]
純水21.27kgに濃度35重量%のアルミン酸ナトリウム3.59kgを加え、Al23としての濃度が3.1重量%のアルミン酸ナトリウム水溶解液24.86kgを調製した。
これに濃度35重量%の塩酸1.14kgを混合し、Al23としての濃度が3重量%のアルミナヒドロゲルスラリー26.00kgを調製した。このとき、混合温度は30℃、得られたアルミナヒドロゲルスラリーのpHは10.5であった。
アルミナヒドロゲルスラリーの一部を乾燥し、走査型電子顕微鏡写真で観察した結果、平均長さ20nm、平均幅1nmの繊維状一次粒子が束になった繊維状二次粒子であった。また、X線回折によれば擬ベーマイトアルミナであった。
別途、純水6.69kgに、濃度97重量%の塩化第二銅二水和物0.33kg、濃度30重量%の粗塩化希土類水溶液0.15kgおよび濃度98重量%の塩化マグネシウム六水和物0.16kgを溶解し、[CuO+RE2O3+MgO]としての濃度が3重量%の混合塩水溶液7.33kgを調製した。
ついで、上記アルミナヒドロゲルスラリーへ混合塩水溶液を混合し、混合ヒドロゲルスラリーを調製した。混合ヒドロゲルスラリーのpHは8.5であった。
ついで、混合ヒドロゲルスラリーを脱水脱塩した後、純水を加えて固形分濃度を10重量%に調整し、ホモジナイザーを用いて均一化処理をして噴霧乾燥用スラリー(R1)10.00kgを調製した。噴霧乾燥用スラリー(R1)のpHは8.0であった。
ついで、実施例1と同様にして噴霧乾燥し、洗浄し、乾燥焼成してオキシクロリネーション用触媒(R1)を調製した。
オキシクロリネーション用触媒(R1)の平均粒子径、CBD、アルミナの結晶形、組成、比表面積および耐摩耗性の結果を表2に示した。
実施例1と同様にして触媒性能を評価し、結果を表3に示した。
比較例2
[オキシクロリネーション用触媒(R2)]
噴霧乾燥用スラリー(R2)の調製
濃度がAl23として5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液74.7kgにAl23に換算した濃度が2.5重量%の硫酸アルミニウム水溶液74.7kgとを混合してアルミナヒドロゲルスラリーを調製した。このとき、モル比(Ma)/(Mb)=0.50、混合温度は60℃、得られたアルミナヒドロゲルスラリーのpHは9.5であった。
ついで、アルミナヒドロゲルスラリーを濾過し、60℃の純水を掛けて洗浄し、Al23としての濃度が15重量%の擬ベーマイトアルミナスラリー5.60kgを得た。
擬ベーマイトアルミナスラリーの一部を乾燥し、走査型電子顕微鏡写真で観察した結果、平均長さ3nm、平均幅1nmの繊維状一次粒子が束になった繊維状二次粒子であった。
別途、純水1.24kgに濃度35重量%の塩酸0.11kgを加えた希塩酸へ、濃度98重量%の塩化第二銅二水和物(CuCl2・2H2O)0.27kg、濃度30重量%の塩化希土類(RECl3)水溶液0.18kgおよび濃度98%の塩化マグネシウム六水和物(MgCl2・6H2O)0.16kgを溶解し、[CuO+RE23+MgO]としての濃度が15重量%の混合塩水溶液1.96kgを調製した。
上記の洗浄した擬ベーマイトアルミナスラリーの温度を50℃に調整した後、混合塩水溶液を混合した。
ついで、混合スラリーをホモジナイザーで均一化処理して、噴霧乾燥用スラリー(R2)7.56kgを調製した。このときのスラリーのpHは3.2であった。
噴霧乾燥
噴霧乾燥用スラリー(R2)を温度220℃の熱風気流中に噴霧して微小球状粒子(R2)を得た。微小球状粒子(R2)の平均粒子径は65μmであり、20μm以下が10重量%、149μm以上が5重量%であった。
焼成
ついで、微小球状粒子(R2)を回転式焼成炉にて、550℃で0.5時間焼成してオキシクロリネーション用触媒(R2)を調製した。オキシクロリネーション用触媒(R2)の平均粒子径、CBD、アルミナの結晶形、組成、比表面積および耐摩耗性の結果を表2に示した。
触媒性能評価
実施例1と同様にして触媒性能を評価し、結果を表3に示した。
比較例3
[オキシクロリネーション用触媒(R3)]
純水0.39kgに濃度98重量%の塩化第二銅二水和物(CuCl・2HO)0.27kg、濃度30重量%の塩化希土類(RECl)水溶液0.18kgおよび濃度98%の塩化マグネシウム六水和物(MgCl・6HO)0.16kgを溶解し、[CuO+RE+MgO]としての濃度が30重量%の混合塩水溶液1.00kgを調製した。
微小球状粒子(R3)(触媒化成工業(株)製:アルミナパウダーAC−02、平均粒子径60μm、細孔容積0.75ml/g、結晶型:γ-Al23)0.79kgに、混合塩水溶液の一部250gを吸収させ、ついで、150℃にて24時間乾燥し、その後、混合塩水溶液の一部250gの吸収、乾燥を3回繰り返して混合塩水溶液全量を吸収させた後、550℃で0.5時間焼成してオキシクロリネーション用触媒(R3)を調製した。
オキシクロリネーション用触媒(R3)の平均粒子径、CBD、アルミナの結晶形、組成、比表面積および耐摩耗性の結果を表2に示した。
実施例1と同様にして触媒性能を評価し、結果を表3に示した。
Figure 0004979926
Figure 0004979926
Figure 0004979926

Claims (6)

  1. 下記の工程(a)〜(f)からなることを特徴とするオキシクロリネーション用触媒の製造方法。
    (a)アルミニウム塩水溶液にアルミン酸アルカリ金属水溶液を混合し、ついで第二銅塩水溶液混合する工程
    (b)洗浄してpHが4〜9.5の範囲にある噴霧乾燥用スラリーを調製する工程
    (c)噴霧乾燥する工程
    (d)洗浄する工程
    (e)乾燥する工程
    (f)焼成する工程
  2. 前記工程(a)で、更にアルカリ土類金属塩水溶液、希土類金属塩水溶液、アルカリ金属塩水溶液から選ばれる少なくとも1種の金属塩水溶液を、アルミニウム塩水溶液に混合するか、第二銅塩水溶液と同時にあるいは第二銅塩水溶液についで混合する請求項1記載のオキシクロリネーション用触媒の製造方法。
  3. 前記工程(f)で得られた触媒中の銅の含有量が酸化物(CuO)として5〜20重量%の範囲にあり、ハロゲン含有量が触媒固形分中に10重量%以下である請求項1〜のいずれか記載のオキシクロリネーション用触媒の製造方法。
  4. 前記工程(f)で得られた触媒中のアルカリ土類の含有量が酸化物(MO:Mはアルカリ土類金属を示す)として0.1〜6重量%の範囲にある請求項記載のオキシクロリネーション用触媒の製造方法。
  5. 前記工程(f)で得られた触媒中のアルカリ金属の含有量が酸化物(NO:Nはアルカリ金属を示す)として0.1〜3重量%の範囲にある請求項1〜のいずれか記載のオキシクロリネーション用触媒の製造方法。
  6. 前記工程(f)で得られた触媒中の希土類の含有量が酸化物(RE:REは希土類金属を示す)として0.1〜6重量%の範囲にある請求項記載のオキシクロリネーション用触媒の製造方法。
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