JP4979853B2 - 塗布用具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布用具、とくに塗布ボールを具えた塗布用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗布用ボールを具えた塗布部材を容器口部に取着した化粧料や薬剤等の塗布用具は、従来より知られている(例えば、実開平7−40520号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の塗布用具は、塗布用ボールを被塗布面に当てて塗布用具を移動させて塗布するようにしていた。
そのため、限られた比較的狭い範囲の被塗布面に均一に塗布するためには好適であるが、広い範囲に塗布する場合には、塗布用具を何度も往復させなければならず、時間がかかり面倒でもあった。
また、被塗布面が湾曲面であると、塗布用具の取扱い操作がうまくできないときもあるという問題があった。
【0004】
広い範囲に塗布するため、容器口部から塗布部材を取り外し、容器から必要量の塗布物を直接手のひらや布面上に注出して被塗布面に塗布することが考えられるが、塗布物を必要量だけ注出することが困難であるという問題があった。
【0005】
また、限られた狭い範囲とともに必要に応じて広範囲に塗布することができるように、スポンジ等の多孔性物からなる塗布面を有する塗布具と、噴霧器とを備えた噴霧兼用塗布容器も知られているが、塗布面が多孔性の球状体によって形成されているため、粉体や粘性液の塗布には採用できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することを課題として、液体だけでなく、クリーム状液、粉体の化粧料や薬剤等の塗布物を、限られた狭い範囲とともに必要に応じて多量の塗布物を広い範囲にも塗布できるようにし、その切り替えも容易にできるようにした塗布用具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、塗布用具として、容器と、容器に取着されたヒンジキャップと、該ヒンジキャップに取着された塗布部材とからなる塗布用具であって、容器は、口部および胴部を具えて、口部は胴部に対して傾斜させるよう双方の中心線を交差させており、ヒンジキャップは、注出筒を具えたキャップ基体と、キャップ基体に蝶番を介して取着され、注出筒の内周に嵌挿される連通筒を垂設した開閉蓋とを具備しており、塗布部材は、塗布ボールと、該塗布ボールを抱持し下端に開口を設けた抱持壁と該抱持壁の中間部外周に垂設された係合筒と係合リングとを具えた抱持体とを具備し、キャップ基体は、傾斜した容器の口部の最上位置で蝶番と接続するように、容器の口部の位置決めリブに係合するリブを具え、開閉蓋は、頂壁の下面に押えリングを突設したオーバーキャップを螺着する螺着筒を具え、螺着筒の上面に取付リングが立設され、塗布部材の係合筒と係合リングが、取付リングのそれぞれ内周と外周に係合して挟持していることを特徴とする構成を採用する。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明塗布用具の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、Abは容器、Bbは塗布具、Cbはオーバーキャップである。
【0009】
容器Abは、口部90と細巾の肩部91、胴部92と底部93とからなり、口部90は胴部92に対して傾斜させるよう双方の中心線を交差させている。
口部90外周の上部には、一対の位置決めリブ94が突設されており、その下方は拡径され、拡径部の上端には係合突条95が設けられている。
【0010】
図1,2に示すように、塗布具Bbは、ヒンジキャップBb1とヒンジキャップBb1に取着された塗布部材Bb2とからなっており、ヒンジキャップBb1は、キャップ基体96と蝶番97を介してキャップ基体96に取着された開閉蓋98とからなっている。
【0011】
キャップ基体96は、上壁99と側周壁100とを具えており、上壁99の内周には、上端を開口101とした注出筒102が立設されており、上壁99下面には、口部90内周に嵌合する密封リング103が垂設されている。
【0012】
側周壁100の内周には、位置決めリブ94に係合する一対のリブ104a,bが上壁99下面との間に架設されており、内周下端には、係合突条95に係合する係合突条105が設けられている。
一方のリブ104aに対応する側周壁100外周には、蝶番97が連設され、反対側の外周には、凹み106が設けられている。
【0013】
開閉蓋98は、側周壁107と連結壁108、螺着筒109と螺着筒109の中間部に連設された頂壁110とを具えている。
側周壁107には、蝶番97の一端が接続され、蝶番97の反対側には、つまみ111が設けられている。
【0014】
螺着筒109の外周には、ねじ112が螺設されており、上端内周には、頂壁110から上方に延びるよう形成され、上端外周に膨出環113が設けられた取付リング114が連設されている。
頂壁110の内周縁には、内周筒115が垂設され、内周筒115の下方には、上端を段部116として内周筒115より縮径された連通筒117が連設されている。
【0015】
塗布部材Bb2は、塗布ボール120と、該塗布ボール120を抱持する抱持体121とからなっており、塗布ボール120の表面全体には、凹凸或いは凹条が刻設されている。
抱持体121は、中央下端に開口122を穿孔した抱持壁123を具えており、開口122の内周上端には、突出縁124が設けられ、塗布ボール120は、突出縁124と抱持壁123の上端内周縁125によつて回転自在に抱持されている。
【0016】
抱持壁123の下方には、開口122内周縁に沿って下方の内径を連通筒117の内径と同じくする内筒126が垂設されている。
内筒126の下端は、段部116に係合し、外周は内周筒115内周に係合している。
【0017】
内筒126の外側には、取付リング114の内周に係合する係合筒127が垂設されている。
抱持壁123の中間部外周には、外方に突出し、その周縁に係合リング128を垂設した環状板129が突設されており、係合リング128の内周下端には、取付リング114の膨出環113の下側に係合する膨出環130が設けられている。
【0018】
抱持体121の取着にあたって、係合筒127と係合リング128が、螺着筒109とその上面の取付リング114を内外から挟持するよう嵌合され、抱持体121がヒンジキャップBb1に取着される。
【0019】
オーバーキャップCbは、頂壁135と側周壁136とを具えており、頂壁135の下面には、押えリング137が設けられている。
側周壁136内周には、段部138が設けられ、その下方には、ねじ112に螺合するねじ139が螺設されている。
【0020】
次に、本実施形態塗布用具の使用態様と作用効果について説明する。
容器Abに塗布物を充填した後、塗布部材Bb2を取着し、オーバーキャップCbを被嵌したヒンジキャップBb1を、口部90外周の上側の位置決めリブ94にリブ104aを係止させ、蝶番97がキャップ基体96の上壁99面で最上位置にくるよう位置合わせし、ヒンジキャップBb1を打栓により容器Abの口部90に嵌着し、塗布用具が形成される。
【0021】
使用にあたって、第1実施形態と同様に、限られた狭い範囲に塗布するときには、オーバーキャップCbを開き、図3に示すように容器Abを倒立させて塗布ボール120を所望の被塗布面pに押しつけ、塗布用具を動かしていくと、塗布ボール120が回転して、連通筒117を通じて抱持体121の開口122に落下した塗布物は、開口122の突出縁124に抑えられ、塗布ボール120の凹部に付着して抱持壁123内を移動する。
【0022】
塗布ボール120の回転に伴なって、塗布物を付着した塗布ボール120面が抱持壁123の上端より離れ、被塗布面pに接触すると、付着した塗布物が凹部より被塗布面pに移動し、塗布されることになる。
かくして塗布物を所望の範囲に塗布することができる。
【0023】
塗布物を多量に使用して広い範囲に塗布するときには、ヒンジキャップBb1の開閉蓋98を開くと、連通筒117が廻動されて、注出筒102の開口101が露出され、図4に示すように、容器Abを傾けると、開口101より塗布物が注出される。
塗布物を直接被塗布面に塗布するか、手のひら、布面に取り上げ、所要の被塗布面に塗布することによって、多量の塗布物を広い範囲にわたって塗布することができる。
【0024】
塗布後には、ヒンジキャップBb1の開閉蓋98を閉じ、オーバーキャップCbを閉じると、容器内に残った塗布物をそのまま保管しておくことができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているから、次の効果を奏する。
塗布ボールを具えた塗布部材を、注出筒と取着部材を具えたヒンジキャップに取着し、ヒンジキャップを開閉することにより、塗布ボールを介しての塗布と、注出筒を通じての塗布物の注出とができるようにしたから、限られた狭い範囲の塗布と、広範囲にわたる塗布のいずれでもできるようになった。
【0026】
塗布部材をヒンジキャップの開閉蓋に取着するようにしているから、塗布ボールを介しての塗布とキャップの注出筒を通じての注出との切替は、ヒンジキャップを開閉するだけで切替操作が簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態塗布用具の一部断面正面図である。
【図2】 本発明の実施形態塗布用具の塗布具とオーバーキャップの分解説明図で、(a)はオーバーキャップ、(b)は塗布部材、(c)はヒンジキャップの断面正面図である。
【図3】 本発明の実施形態塗布用具の塗布ボールによる塗布時の説明図である。
【図4】 本発明の実施形態塗布用具の注出時の説明図である。
【符号の説明】
Ab 容器
Bb 塗布具
Bb1 ヒンジキャップ
Bb2 塗布部材
Cb オーバーキャップ
p 被塗布面
90 口部
92 胴部
94 位置決めリブ
95,105 係合突条
96 キャップ基体
97 蝶番
98 開閉蓋
99 上壁
100 側周壁
101 開口
102 注出筒
103 密封リング
104a,b リブ
107 側周壁
108 連結壁
109 螺着筒
110,135頂壁
112 ねじ
113,130膨出環
114 取付リング
115 内周筒
116,138段部
117 連通筒
120 塗布ボール
121 抱持体
122 開口
123 抱持壁
124 突出縁
125 上端内周縁
126 内筒
127 係合筒
128 係合リング
129 環状板
136 側周壁
137 押えリング
139 ねじ
Claims (1)
- 容器と、容器に取着されたヒンジキャップと、該ヒンジキャップに取着された塗布部材とからなる塗布用具であって、
容器は、口部および胴部を具えて、口部は胴部に対して傾斜させるよう双方の中心線を交差させており、
ヒンジキャップは、注出筒を具えたキャップ基体と、キャップ基体に蝶番を介して取着され、注出筒の内周に嵌挿される連通筒を垂設した開閉蓋とを具備しており、
塗布部材は、塗布ボールと、該塗布ボールを抱持し下端に開口を設けた抱持壁と該抱持壁の中間部外周に垂設された係合筒と係合リングとを具えた抱持体とを具備し、
キャップ基体は、傾斜した容器の口部の最上位置で蝶番と接続するように、容器の口部の位置決めリブに係合するリブを具え、
開閉蓋は、頂壁の下面に押えリングを突設したオーバーキャップを螺着する螺着筒を具え、螺着筒の上面に取付リングが立設され、塗布部材の係合筒と係合リングが、取付リングのそれぞれ内周と外周に係合して挟持していることを特徴とする塗布用具。
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