JP4818526B2 - 塗布用具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布用具、とくに塗布ボールを具えた塗布用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗布用ボールを具えた塗布部材を容器口部に取着した化粧料や薬剤等の塗布用具は、従来より知られている(例えば、実開平7−40520号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の塗布用具は、塗布用ボールを被塗布面に当てて塗布用具を移動させて塗布するようにしていた。
そのため、限られた比較的狭い範囲の被塗布面に均一に塗布するためには好適であるが、広い範囲に塗布する場合には、塗布用具を何度も往復させなければならず、時間がかかり面倒でもあった。
また、被塗布面が湾曲面であると、塗布用具の取扱い操作がうまくできないときもあるという問題があった。
【0004】
広い範囲に塗布するため、容器口部から塗布部材を取り外し、容器から必要量の塗布物を直接手のひらや布面上に注出して被塗布面に塗布することが考えられるが、塗布物を必要量だけ注出することが困難であるという問題があった。
【0005】
また、限られた狭い範囲とともに必要に応じて広範囲に塗布することができるように、スポンジ等の多孔性物からなる塗布面を有する塗布具と、噴霧器とを備えた液塗布容器も知られているが、塗布面が多孔性の球面体によって形成されているため、粉体や粘性液の塗布には採用できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することを課題として、液体だけでなく、クリーム状液、粉体の化粧料や薬剤を、限られた狭い範囲とともに、必要に応じて所要の塗布物を注出して広い範囲にも塗布できるようにした塗布用具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、塗布用具として、容器と、容器口部に取着され、取付部材と塗布部材とからなる塗布具とを備えた塗布用具であって、取付部材は、容器口部に係合する取付筒と、注出口部を形成する注出筒と、注出筒の内側に複数の支持杆を介して配設され、注出筒との間隙によって塗布物の流路を形成する案内筒とを具備しており、塗布部材は、塗布ボールと、該塗布ボールの抱持面を有し、下端に開口を設け、外周に注出筒上端に容器内部を密封可能に係合するフランジを設けた抱持体と、開口の周縁より抱持体の下方に垂設され、案内筒に上下摺動自在に嵌挿された連通筒とを具備していることを特徴とする構成を採用する。
【0008】
容器内部を密封するための具体的な実施形態として、注出筒上端の内周にフランジ下面に垂設した密封リングを係合し、注出筒上端の先端天面がフランジ下面に当接係合して容器内部を密封することを特徴とする構成を採用する。
【0009】
塗布部材が上下摺動自在である構成の具体的実施形態として、抱持体には、連通筒とともに案内筒を挟んで外筒を垂設し、外筒の先端には、案内筒外周に係合して内方に突出する係止環を設けたことを特徴とする構成を採用する。
【0010】
塗布用具として、用いる塗布物が粉体であることを特徴とする構成を採用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明塗布用具の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、Aは容器、Bは塗布具、Cはキャップである。
容器Aは、口部1と細巾の肩部2、胴部3、底部4とからなり、口部1は、胴部3に対して傾斜させるよう双方の中心線を交差させている。
容器口部1の上部外周には、一対の位置決めリブ5が突設されており、その下方は拡径されて、係合突条6が設けられている。
【0012】
図1,2に示すように、塗布具Bは、取付部材B1と塗布部材B2とからなっている。
取付部材B1は、取付筒10と環状の上壁11、上壁11の内周に立設された注出筒12とを具えており、取付筒10の内周には、口部1外周に設けられた位置決めリブ5に係合する一対のリブ13が突設され、下端には、口部1の係合突条6の下側に係合する膨出環14が設けられている。
【0013】
注出筒12は、その外周にはねじ15が螺設され、ねじ15の上方は縮径され、
注出口部16となっている。
上壁11の内周縁近くには、容器口部1内周に係合し、内部を密封する密封リング17が垂設されており、上壁11内面より複数の支持杆18が連設されている。
支持杆18の先端には、注出筒12と軸心を同一とする案内筒19が連設され、案内筒19の上端外周縁には、膨出環20が設けられている。
注出筒12と案内筒19によって流路が形成され、注出筒12上端は、注出口となっている。
【0014】
塗布部材B2は、塗布ボール21と、塗布ボール21を抱持する球帯状の抱持体22とを具えており、塗布ボール21の表面全体には、凹凸或いは凹条が刻設されている。
抱持体22の下方には、抱持面22aに開口23を有する連通筒24と連通筒24を外側から囲む外筒25が垂設されており、抱持体22の外周には、フランジ26が突設されている。
開口23の周縁上端は、突出縁27となっており、塗布ボール21は、突出縁27と抱持体22の上端内周縁28とによって、回転自在に抱持されている。
【0015】
連通筒24は、案内筒19内周に上下摺動自在に嵌挿されており、外筒25は、案内筒19を挟んで位置し、その下端には、案内筒19外周に係合する係止環29が設けられている。
フランジ26の下面には、注出筒12の注出口部16内周に係合する密封リング30が垂設されており、フランジ26下面の周縁部が、注出口部16天面に係合したときに容器内部を密封する。
【0016】
キャップCは、頂壁40と側周壁41とを具えており、頂壁40の下面には、押えリング42が設けられている。
側周壁41の内周には、段部43が設けられ、その下方は拡径され、ねじ44が螺設されている。
【0017】
次に、本実施形態塗布用具の使用態様と作用効果について説明する。
容器A内には、塗布物として、液体、クリーム状物、粉体などの化粧料或いは薬剤が収納され、容器A取付部材B1の案内筒19を塗布部材B2の連通筒24と外筒25によって挟持させた塗布具Bの取付筒10を、容器口部1に位置合わせして打栓により嵌着することによって容器内部が密封され、塗布用具が形成される。
【0018】
使用にあたって、狭い範囲に塗布するときには、図3に示すように、容器Aを倒立させて塗布ボール21を所望の被塗布面pに押しつけ、塗布用具を動かすと塗布ボール21が回転して、連通筒24を通じて抱持体22の開口23面に落下した塗布物は、開口23の突出縁27に押えられて、塗布ボール21の凹部に付着して抱持面22a内を移動する。
塗布ボール21の回転に伴なって、塗布物を付着した塗布ボール面が抱持体22の上端部より離れ、被塗布面pに接触すると、付着した塗布物が凹部より被塗布面pに移動し、塗布されることになる。
【0019】
大量に塗布したいときには、フランジ26の周縁をつかんで塗布部材B2を取付部材B1から引き離すと、図4に示すように、フランジ26下面の周縁部と密封リング30が注出筒12の天面から離れ、注出口が開口される。
次いで、容器Aを傾けると、注出口より大量の塗布物を吐出させることができる。
注出された塗布物を所要の被塗布面に散布するか、手のひら、布面に取り上げ、所要の被塗布面に塗布することによつて、大量の塗布物を広い範囲にわたって塗布することができる。
【0020】
使用後に、塗布部材B2を押し下げると、フランジ26下面と密封リング30によって注出口が閉ざされ、容器内部が密封される。
キャップCを閉じると、そのまま保管することができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているから、次の効果を奏する。
塗布ボールを具えた塗布部材を、注出口部を設けた取付部材に対して上下動させることによって、塗布ボールを介しての塗布と、注出口を通じての塗布物の注出とができるようにしたから、限られた狭い範囲の塗布と、広範囲にわたる塗布のいずれもできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態塗布用具の一部断面正面図である。
【図2】 塗布具とキャップとの分解説明図で、(a)はキャップ、(b)は塗布部材、(c)は取付部材である。
【図3】 塗布ロール使用時の説明図である。
【図4】 塗布物注出時の説明図である。
【符号の説明】
容器
塗布具
B1 取付部材
B2 塗布部材
キャップ
口部
肩部
胴部
10 取付筒
11 上壁
12 注出筒
16 注出口部
18 支持杆
19 案内筒
21 塗布ボール
22 抱持体
22a 抱持面
23 開口
24 連通筒
25 外筒
26 フランジ
40 頂壁
41 側周壁
42 押えリング

Claims (4)

  1. 容器と、容器口部に取着され、取付部材と塗布部材とからなる塗布具とを備えた塗布用具であって、
    取付部材は、容器口部に係合する取付筒と、注出口部を形成する注出筒と、注出筒の内側に複数の支持杆を介して配設され、注出筒との間隙によって塗布物の流路を形成する案内筒とを具備しており、
    塗布部材は、塗布ボールと、該塗布ボールの抱持面を有し、下端に開口を設け、外周に注出筒上端に容器内部を密封可能に係合するフランジを設けた抱持体と、開口の周縁より抱持体の下方に垂設され、案内筒に上下摺動自在に嵌挿された連通筒とを具備していることを特徴とする塗布用具。
  2. 注出筒上端の内周にフランジ下面に垂設した密封リングを係合し、注出筒上端の先端天面がフランジ下面に当接係合して容器内部を密封することを特徴とする請求項1記載の塗布用具。
  3. 抱持体には、連通筒とともに案内筒を挟んで外筒を垂設し、外筒の先端には、案内筒外周に係合して内方に突出する係止環を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の塗布用具。
  4. 塗布物が粉体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布用具。
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