JP3907553B2 - 化粧製品などの製品の収容及び分配のための装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、化粧製品などの製品を収容及び分配するための装置に関する。
【０００２】
化粧製品とは、７６／７６８／ＥＥＣの第六回改正である１９９３年６月１４日付け理事会指令９３／３５／ＥＥＣ（ＥＵ化粧品指令）で規定された製品を指す。
【０００３】
本発明は特に、液体、ジェル又はクリーム状の製品に最適である。例として、皮膚や髪のケア製品、メークアップ製品、メークアップ製品除去剤又は毛髪染料製品などが挙げられる。
【０００４】
【従来の技術】
化粧製品の分野では、特に、ある種の製品、例えば乳状、クリーム又はジェル状の製品は、ポンプを使用して圧力を加えることにより分配される。それらは大気中で不安定であるため、空気吸入しない種類のポンプシステムに、つまりは使用にともない容積が減少するリザーバ内において真空状態で、収容される。典型的には、伸縮自在の壁を有するパウチ、変形可能な壁を有するチューブ又は従ピストンが配設されたボトルが使用されている。ポンプはピストン型、薄膜型又はシャッター型のいずれでもよい。
【０００５】
製品を分配するためには、使用者はポンプでくみ上げた製品を１本以上の指に取り、製品を塗布し、処理する部位の表面になじませる。或いは、例えばオープンセルの発泡体の形態のアプリケータを使用して製品を塗布する。
【０００６】
何度も再使用できるアプリケータ、特に製品の寿命期間に亘り使用できるアプアリケータを使用する場合、その柔軟性や吸収性という機構的特性が悪影響を受けないよう、空気から保護するために、使用していない時は該アプリケータを格納しておくのが望ましい。さらに、使用後洗浄しないアプリケータを使用する場合は、アプリケータに残った製品が環境空気と接触すること又は格納時の他の環境要素により、アプリケータが汚染される又はアプリケータにより分配される製品に悪影響が及ぶ危険が生じる。いずれにせよこのタイプのアプリケータを持ち歩くには、特にハンドバッグに入れて持ち歩くことにより、上記問題が発生する。
【０００７】
最後に、アプリケータの形状が例えば唇や目の際など、塗布部位表面の形状に適している場合、製品がいつでも同じように且つ同じ量でアプリケータに取り分けられ、使用のたびに同様の塗布が再現できることが望ましい。
【０００８】
ヨーロッパ特許出願第０４１６１８５号、同０９３１４７６号及びアメリカ特許第５６３６９３１号はすべて、互いに連通する２つのハウジングを有する装置を開示している。ハウジングの一方は把持部と一体化したアプリケータを受けるためのもので、該把持部はアプリケータを収容するハウジングの開口部を封止できるストッパの形態である。封止要素は、装置本体に対する回転に応じて第一ハウジングに収容されている製品に圧力を加え、アプリケータを収容しているハウジングに製品を押し出すことを可能にする機構に一体化されている。このため、２つのハウジングを分ける壁は、装置内部で軸方向に可動及び／又は回転可能なピストン形状に構成される。ピストンが動いている間装置の軸方向の高さは変化せず、使用中に装置の全体の大きさが変わることはない。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、従来品に関して上述した問題を全体的に又は部分的に解決する、収容及び分配用装置を提供することである。
【００１０】
特に、ジェル、クリーム或いはペースト状などの、粘性の高い製品に特に適した装置を提供することが本発明の目的である。
【００１１】
本発明はさらに、アプリケータに正確且つ毎回同じように製品を充填することを可能にすることを目的とする。
【００１２】
本発明のまた別の目的は、使用が簡単で製造費の安い、上記のタイプの装置を提供することである。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、本発明により、化粧製品を収容及び分配するための装置であって、前記化粧製品を収容するリザーバを形成する第一区画と、少なくとも１つのオリフィスを介して選択的に又は常時第一区画と連通し、前記製品のアプリケータを受けるための第二区画とを有し、封止要素が第二区画の縁部により画定される開口部を封止することができ、第一区画の容積が可変で、第二区画の容積が固定であり、装置の軸方向の高さＨを第一区画の容積に合わせて小さくすることができる装置を提供することにより達成される。
【００１４】
有利には、前記封止要素は、少なくとも製品に対して、好適には空気に対しても、前記開口部を密封するように封止することができる。
【００１５】
従って、使用していないとき、アプリケータは第２ハウジング内に密封状態で保持される。よって、アプリケータは空気から保護されるので、その良好な機構的特性が維持され、アプリケータに残った製品が空気により悪影響を受けたり、アプリケータの環境を汚染したりすることを防ぐ。
【００１６】
製品を収容する第一区画の容積が減少することにより第一区画内に加圧状態が生じて製品が押し出されるので、製品は、その粘性に関係なく、オリフィスを通ってアプリケータを収容している第二区画に流入する。
【００１７】
さらに、第一区画の軸方向の高さが減少するにつれ、装置の全体的な大きさは使用の度に段階的に減少する。これにより、特に装置に入っている製品の残量が見た目に分かる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態による装置は、第二区画にかかる圧力に応じて前記第一区画内を軸方向にスライドすることができるピストンを含む。
【００１９】
第一の構成によれば、ピストンは封止要素にかかる圧力に応じて第一区画内をスライドすることができる。よって、使用者は従来のポンプ装置のプッシュボタンを押している印象を持つ。
【００２０】
第二の構成によれば、装置は第二区画の側壁と一体化したアクチュエータを有し、該アクチュエータはねじ山により第一区画の外壁と係合し、該アクチュエータが第一区画にねじ止めされることにより、第一区画内でピストンがスライドする。
【００２１】
前記ピストンは、例えば第二区画の側壁と単体に形成されてもよい。或いは、例えば接着剤又は留め金などにより、ピストンを第二区画の側壁と一体化することもできる。ピストンを第二区画と一体に保つため、ピストンは、例えば第二区画の側壁の延長部に取り囲まれる軸方向のへこみを有してもよい。以下に、ピストンにそれぞれ又は協働して影響する、第二区画の側壁及び／又は底部の別の実施例を挙げる。
【００２２】
有利には、ピストンの断面は第二区画の断面と実質的に同一である。これにより、封止要素に圧力がかかるか又はアクチュエータが動作した際に第二区画に作用する力がその周囲全体に分配されるので、ピストンを第一区画に入れるために第二区画に作用させる必要のある力は比較的小さくて済む。次に、ピストンの断面が第二区画の断面と実質的に同一であるので、この力はピストンの周囲全体に均等に伝わる。
【００２３】
好適には、ピストンは、第一区画の側壁内面に対して漏れのないようにスライドできるリップを形成する。
【００２４】
製品リザーバが不要に開く危険を防ぐため、本発明の効果的な特徴により、収容装置は第一及び第二区画の連結を維持するためのストップ形成手段を有する。
【００２５】
有利には、製品リザーバを第二区画と連通させるオリフィスは、フラップ弁又はボール弁などの一方向弁により封止される。該弁は、第一区画の容積の減少により第一区画内に発生する加圧状態に応じて第二区画の方に開く。この弁により、リザーバ内の製品の量を測ることが容易になる。
【００２６】
好適には、アプリケータは接着、溶着又は挟合などにより封止要素に固定される。封止要素はアプリケータの把持部を形成してもよく、ねじ止め又はスナップ留めにより取り外し可能に装置に取り付けられてもよい。或いは、アプリケータは、接着、溶着又は挟合などにより第二区画の壁に固定されてもよい。
【００２７】
アプリケータにはその表面又はその深さ全体に製品を充填することができる。アプリケータは少なくとも部分的に多孔性の材料からなる。アプリケータは、例えば、熱可塑材又はセラミック材などの焼結した材料や、フェルト、或いはクローズドセル、オープンセル又はセミオープンセルの発泡体、又はエラストマーなど弾性により収縮する材料から製造することができ、さらには前記材料のうち１つ又は２つ以上の層を重ねることにより製造することができる。また、極小の凹凸を有する半硬質プラスチック材からつくることもできる。
【００２８】
このタイプの材料を使用することで、製品は、皮膚に接触した際の表面張力の効果又は毛管効果により、或いは塗布面上でアプリケータが（圧力により）わずかに変形することに応じてアプリケータの間隙から製品が出ることにより、処理表面に放出される。アプリケータは複数の異なる材料からなってもよく、特に硬さの異なる発泡体の堆積層を材料にすることができ、その場合発泡体はオープンセルとクローズドセルが混じっていてもよい。
【００２９】
例えば、アプリケータの材料に使用できるものとして、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ＮＢＲ（アクリロニトリルブタジエンゴム）、ＳＢＲ（スチレンブタジエンゴム）又はＰＶＣ（ポリ塩化ビニル）の発泡体や、或いはポリエチレン、ブロンズ、ガラス、シリコン又はナイロンフリットが挙げられる。
【００３０】
好ましい実施形態には弾性により収縮する材料からつくられたアプリケータを使用した。これは、アプリケータが弾性により収縮可能であると、製品の出口であるオリフィスに対向する位置にあるアプリケータ表面は、製品の圧力で弾力的に曲がるため、アプリケータの表面及び／又は深さ全体に多量の製品を充填することができるためである。
【００３１】
アプリケータ表面の少なくとも一部に、特にレーヨン、綿、ビスコース又はナイロン繊維を基礎としたフロック加工を施すことが効果的である。フロック加工によりアプリケータ表面のすぐ近くに製品が留まり易くなるためである。さらに、特にアプリケータがオープンセルの発泡体からできている場合に、アプリケータ上にやわらかさを加える。フロック加工は、異なる長さ、及び／又は異なる種類、及び／又は太さの繊維を混合させて行うことができる。或いは、アプリケータ表面の少なくとも一部を織被覆又は不織被覆で覆ってもよい。
【００３２】
アプリケータが封止要素に固定されている場合、少なくとも第二区画の内壁の一部（例えば底面）と接触していることが望ましい。オリフィスが形成され、アプリケータを収容する第二区画の下部水平面は、特に装置が封止状態にあるときにアプリケータが前記水平面に密着又は弾性により接触し、製品を完全に取ることができるように、実質的にアプリケータの形状と合致する形状にすることが効果的である。アプリケータは、例えば、凸面又は凹面を有していても良い。或いは、その断面は円形、三角形、四角形、又はどのような形状でもよい。
【００３３】
アプリケータが、特に発泡体など、弾性によって収縮可能な材料からできている場合、第二ハウジングに対するアプリケータの寸法は、第二ハウジング内に取り付けられた位置で、実質的に軸方向には縮小しないように画定することができる。アプリケータによる抵抗が小さいことにより、上述したアプリケータ表面の変形がいっそう増す。
【００３４】
しかしながら、別の実施例として、アプリケータが収容されているハウジング内で部分的に軸方向に圧縮されるようにすることも可能で、これによりアプリケータと一体形成されている封止要素を開けた際、発泡体の収縮に応じてアプリケータ表面の近くにあった製品がアプリケータの深さ全体に吸い上げられる。この実施形態は製品の粘性が低い場合に適している。
【００３５】
本発明による装置は特に、液体、ジェル又はクリーム状の化粧製品を収容及び分配することに適している。特にその特徴である分配方法により、本装置はある種の毛髪用製品、ケア製品及びメークアップ製品など高い粘性を有する製品を分配するのに特に適している。
【００３６】
本発明の別の特徴は、ピストンにより封止された製品リザーバを装置の他の部分とは独立した詰め替え部分とすることができる点で、その上にアプリケータを収容する第二ハウジングが取り付けられるということである。
【００３７】
【実施例】
上述の構成のほかにも、本発明には多くの構成が可能で、それらについて、添付図を参照する非限定的で例示的な実施例を使用しながら後述で説明する。
【００３８】
図１から３に示す装置１０は、製品Ｐのリザーバ２０、リザーバの上に取り付けられるハウジング３０及びアプリケータ５０からなっている。アプリケータ５０はハウジング３０を漏れのない状態で封止するために配設されるキャップ６０と一体である。リザーバ２０及びアプリケータ５０のハウジング３０は、製品がリザーバからハウジングに流入する通り道となる開口部４０を介して連通している。装置１０の軸方向の高さＨは使用に伴い縮小する。
【００３９】
例えばポリプロピレンからなるリザーバ２０は、縦軸Ｘを中心とする筒型の形状をしている。リザーバ２０は、開口している第一端２２と、第一端の反対側にあってリザーバ内部への凹部２３０を有する（理由は後述する）底２３により閉じている第二端を有する。側壁２１の内部表面は、上部開口端２２に円周上で対向する２つのビーディング２４を有する。これらビーディング２４は後述のようにハウジング３０と係合する。
【００４０】
ハウジング３０もポリプロピレンからなる。これも筒型の形状を有し、縦軸Ｘを有している。ハウジングは半球形の底部３６と単体に形成された側壁３３によって画定され、その中に流入路４０の一端が開く。側壁３３は底部３６からスカート部３４を越えて続いており、その一端はリザーバ２０内に収容されるようになっている。側壁３３の外部表面とその延長部３４は２つの縦方向の溝３３０を有する。溝３３０はリザーバのビーディング２４を受けるために配設されている。該溝は第二区画の側壁外部表面の軸方向の高さ全体に延びてはいないので、溝３３０の下に位置する壁３３の一部分３８はビーディング２４のストップを形成し、それによりリザーバ２０とアプリケータ５０を収容するハウジング３０の連結が維持され、リザーバが開くのを防ぐ。よってハウジング３０は、好ましくはリザーバの内壁と摩擦を起こさずに、リザーバ内でスライドすることができる。ハウジング３０は、例えばスナップ留めなどにより、リザーバに取り付けることができる。
【００４１】
底部３６の反対側にあるハウジング３０の上端部は、開口部３１を画定する自由端３２を形成している。ハウジング３０の外部表面はその末端にねじ山３５を有し、該ねじ山は、それと対応する蓋６０のスカート部６２の内部表面のねじ山６１と係合する。蓋６０はまた、ハウジング３０の側壁３３の内部表面に接するように配設された封止スカート６３を有する。蓋を閉めた状態で、ハウジング３０は完全に密閉される。
【００４２】
蓋６０は、オープンセルの発泡体ブロックをハウジング３０の底面３６に画定される半球に対応するように形成したアプリケータ５０と一体形成されている。アプリケータ５０の表面はフロック加工５１で覆われている。アプリケータ５０は蓋６０に接着されている。
【００４３】
アプリケータ５０はハウジング３０に対し、蓋６０を閉めた状態でアプリケータ５０の塗布表面の少なくとも一部が、開口部４０が開口する底面３６と接触するような寸法に設計されている。しかしながら、アプリケータ５０はこの状態では実質的には軸方向に圧縮されていない。
【００４４】
ピストン８０は、実質的にリザーバの水平面全体に亘っており、リザーバの側壁２１の内部表面上をスライドするように配設された封止リップ８１を形成している。ピストン８０は、実質的にその周囲に、リザーバ内部に延びる軸方向部分８２を有している。ハウジング２０のスカート部３４は軸方向部分８２の周りに挟み込まれ、それによりピストンとハウジング３０がしっかりと結合される。
【００４５】
製品の流入路となる開口部４０がピストン８０に配設されている。弾性材からなるバルブ７０が開口部４０に取り付けられる。これはリザーバ２０内に加圧状態が発生したときのみ開く一方向弁である。このバルブ７０は、開口部４０を漏れのない状態で封止することができ、ハウジング３０の底部３６側に開く開口と同じ側に配設される平面部７１と、反対側で開口部４０のリザーバ２０側に配設される弾性変形可能な３つのタブ７２を有する。平面部７１とタブ７２は、開口部内にはめ込まれるロッド７３によって繋がっている。使用していないとき、平面部７１は開口部を画定する周囲全体に亘ってピストン８０の上に乗っている。リザーバ内に加圧状態が生じると、タブ７２がわずかに変形することによりロッド７３が開口部を上昇し、平面部７１がピストンから離れる。
【００４６】
装置を使用する際、使用者はプッシュボタンを押す要領でハウジング３０を封止している蓋６０を押す。蓋６０にかかる力はピストンと密着しているハウジング３０を形成する壁を介してピストン８０に伝わる。ピストンのリップ８１はリザーバの側壁２１に沿ってスライドし、それにより、蓋６０、アプリケータ５０とそのハウジング３０及びピストン８０からなる一体部分は図３に示すようにリザーバ２０内に沈み込む。するとリザーバ２０内部に加圧状態が生じ、それによりバルブ７０が開く。一定量の製品が開口したオリフィス４０を通ってリザーバからアプリケータ５０の方へ押し出される。一定量の製品は泡状で押し出される。一定量の製品が出ることによりリザーバ内の圧力は元に戻り、バルブが再び閉じる。使用者は蓋を開けてアプリケータに充填された製品を処理部位に塗布することができる。前記一体部分がリザーバ内に沈み込んだとき、突起部２２は溝３３０内を移動し、リザーバが前記一体部分に対して相対的に回転することを防ぐ。
【００４７】
使用者は装置を再び漏れの無い状態に閉め、次の使用を開始することができる。特にリザーバの底２３に形成された凹部２３０などにより、容器の底２３がピストンの形状と実質的に同じ形状を有していれば、リザーバに収容される製品は実質的に使い切ることができる。
【００４８】
図４に示す実施例は、ピストン８０が軸方向部分を有さず、リザーバ２０の水平面全体に亘っている点で図１から３を参照して説明した上記実施例と異なる。この場合のリザーバの底２３は、凹部を有さない単純な水平面である。同様に、ハウジング３０の側壁３３は底面３６の下までは延びていない。
【００４９】
この実施例では、ピストンの上側表面をハウジング３０の底部の下側表面に接着することにより、ピストンとハウジング３０は一体化されている。或いは、ハウジングの底部が単にピストンに乗っているだけでもよい。
【００５０】
図５に示す実施例は、ピストン８０がハウジング３０を形成する壁と単体に形成されている点で図１から３を参照して説明した実施例と異なる。リザーバ２０内をスライドするリップ８１は、ハウジング３０の側壁３３の延長部３４周囲に形成される。
【００５１】
この実施例では、開口部４０はハウジング３０の底部３６に直接形成されている。
【００５２】
この実施例の変形（図示せず）として、図４に示した実施例と同様に、ハウジング３０の側壁３３の延長部であるスカート部３４を設けないことも可能である。その場合、リップはハウジング底部３６の周囲に形成する。リザーバの底２３は凹部を有さない単純な水平面となる。
【００５３】
図６に示す実施例は、蓋６０と区別されたアクチュエータ９０を有している点で図１から３を参照して説明した実施例と異なる。
【００５４】
これは環状のリングで、その内部表面にはねじ山９１が形成されており、該ねじ山９１はリザーバ２０の側壁２１の外部表面に配設された対応するねじ山２４と係合する。環状の隆起９２が環状リング９０の内側に向かって延びており、それはハウジングの側壁３３の外部表面上に配設された対応する空隙３７に収容される。
【００５５】
従って、環状リング９０をリザーバ２０にねじ止めすることにより前記蓋との一体部分がリザーバ２０に沈み込む。
【００５６】
この実施形態では、製品を満たしたリザーバ２０を詰め替え部分とすることができる。詰め替え用のリザーバ２０にはピストンが取り付けられ、バルブは配設してもしなくてもよい。この詰め替え部分は装置のほかの部分から独立しており、開口部４０を漏れのないようにふさぐため、例えばピストンの外部表面を覆うヒートシールなどの、保護膜で覆われている。したがって、最初の製品リザーバが空になったら、使用者は装置の他の部分から空のリザーバを取り外し、詰め替え用リザーバの保護膜をはがしてから装置に取り付けることができる。
【００５７】
図７及び８に示す実施例は、アプリケータ５０が蓋６０ではなくハウジング３０の底部３６と一体化している点で図１から３を参照して説明した実施例と基本的に異なる。ハウジング３０の底部３６は平面で、アプリケータ５０はその上に接着されている。
【００５８】
この実施例では、製品がリザーバ２０からハウジング内へ流れ込む流路となる開口部４０は、ピストン８０と単体に形成され、ハウジング３０の内部まで届く自由端８５を有する軸方向の円筒部８４によって画定される。
【００５９】
アプリケータ５０はハウジング３０内の円筒部８４のまわりに取り付けられる。アプリケータ５０は、ハウジング３０の底部３６に接着された第一端５１と、第一端の反対側にあってドーム型の塗布面を形成する第二端５２を有する。アプリケータ５０はハウジング３０内に取り付けられた状態で実質的にハウジング３０内部全体を占めており、アプリケータの形状は実質的にハウジングの形状と合致している。特に、アプリケータ５０は、アプリケータが円筒部の壁に接触する際円筒部により横方向に圧縮されないような形状に選択された、軸方向の凹み５３を有する。蓋を外した状態のアプリケータを図８に示す。ここでは、軸方向の凹み５３の軸方向の高さは実質的に円筒部８４の軸方向の高さより大きく、それにより円筒部の自由端８５の上部に内部空洞５４が画定されている。よって空洞５４は塗布面の近くに製品を貯蔵する場所となり、リザーバから流入した製品は空洞においてのみアプリケータと接することができる。塗布面への製品の浸透率を高めるために、空洞５４から塗布面５２までＸ軸に沿ってアプリケータを横切る軸方向の溝５５を設けることが効果的である。この溝の幅は、製品の粘性や所望の浸透率に応じて変えることができる。
【００６０】
使用者が蓋６０を押すと、蓋６０、アプリケータ５０とそのハウジング３０及びピストン８０からなる一体部分はリザーバ２０の中に沈みこみ、リザーバ２０内に加圧状態が生じる。この加圧状態により製品が円筒部８４の中に流入する。ここで使用者が蓋を取り外して図８のようにアプリケータにかかる圧力を開放すると、ハウジング３０から塗布面５２が露出する。圧力を開放されてアプリケータが上方に持ち上がることにより空洞５４が形成され、製品が空洞５４に吸引されて空洞５４周辺に位置する発泡体のセルを満たす。よって空洞５４と塗布面５２の間に位置するアプリケータの該当部分は製品で飽和する。ここで使用者はリザーバ２０を保持しながら処理面に対して塗布面を使用することができる。
【００６１】
本発明の好ましい実施例を上述で説明した。本明細書の請求の範囲に記載した本発明の精神から逸脱せずに、上記実施例に変更を加えることが可能であることは明らかである。
【００６２】
特にアプリケータの形状は、上述の実施例で図解した形状と異なる形状にすることができる。一般的に、アプリケータの形状は処理部位に合わせて選択される。例えば、アプリケータが唇に対して使用される場合、アプリケータの形状は実質的に円錐状となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の第一実施例による収容装置の分解図である。
【図２】図２は第一位置にある図１の第一実施例、軸を中心とする断面図である。
【図３】図３、第二位置にある図１の第一実施例、軸を中心とする断面図である。
【図４】図４、第一実施例の第一の変形例、軸を中心とする断面図である。
【図５】図５、第一実施例の第二の変形例、軸を中心とする断面図である。
【図６】図６は本発明の第二実施例による収容装置の軸を中心とする断面図である。
【図７】図７は蓋を閉めた状態にある本発明の第三実施例による収容装置の軸を中心とする断面図である。
【図８】図８は蓋を開けた状態にある本発明の第三実施例による収容装置の軸を中心とする断面図である。
【符号の説明】
１０ 化粧品収容及び分配装置
２０ 第一区画、リザーバ
２１ 側壁
２２ 第一端、突起部
２３ 底部
２４ ストップ、ビーディング
３０ 第二区画、ハウジング
３１ 第二区画の開口部
３２ 第二区画の縁部
３３ 第二区画の側壁
３４ 第二区画の側壁の延長部、スカート部
３５ ねじ山
３６ 第二区画の底面
３８ ストップ
４０ オリフィス、開口部
５０ アプリケータ
５３ 軸方向の凹み
５４ （内部）空洞
５５ 軸方向の溝
６０ 封止要素、蓋
６１ ねじ山
６２ スカート部
６３ 封止スカート
７０ バルブ
７１ 平面部
７２ タブ
７３ ロッド
８０ ピストン
８１ 封止リップ
８２ 軸方向のへこみ、軸方向部分
８４ 円筒部
８５ 自由端
９０ アクチュエータ
９１ 環状の隆起
２３０ リザーバ内部への凹部
３３０ 縦方向の溝

Claims (12)

1. 軸Ｘを有する化粧製品（Ｐ）を収容及び分配するための装置（１０）であって、前記化粧製品を収容するリザーバを形成する第一区画（２０）と、少なくとも１つのオリフィス（４０）を介して第一区画と選択的に連通し、前記製品を分配するためのアプリケータ（５０）を受けるための第二区画（３０）とを有し、封止要素（６０）は前記第二区画（３０）の縁部（３２）により画定される開口部（３１）を閉鎖することができ、第一区画（２０）の容積は可変であり、第二区画（３０）の容積は固定であり、第二区画の第一区画に対する軸方向の摺動に応じて装置（１０）の軸方向の高さＨを第一区画（２０）の容積に合わせて小さくすることが可能な装置。
2. 封止要素（６０）が、少なくとも製品及び空気の一方に対して、前記開口部（３１）を密封するように閉鎖できることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 第二区画（３０）にかかる圧力に応じて前記第一区画（２０）内を軸方向にスライドすることができるピストン（８０）を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の装置。
4. 第二区画（３０）の側壁（３３）と一体化したアクチュエータ（９０）を有し、該アクチュエータ（９０）はねじ山により第一区画（２０）の外壁と係合し、該アクチュエータ（９０）が第一区画（２０）にねじ止めされることにより第一区画（２０）内でピストン（８０）がスライドすることを特徴とする請求項３に記載の装置。
5. ピストン（８０）が第二区画（３０）の側壁と単体に形成されることを特徴とする請求項３又は４に記載の装置。
6. ピストン（８０）が接着剤又は留め金などにより第二区画（３０）の側壁と一体化されることを特徴とする請求項３又は４に記載の装置。
7. ピストン（８０）が第二区画（３０）の側壁の延長部（３４）に取り囲まれた軸方向のへこみ（８２）を有することを特徴とする請求項３ないし６のいずれか１項に記載の装置。
8. ピストン（８０）の断面が第二区画（３０）の断面と実質的に同一であることを特徴とする請求項３ないし７のいずれか１項に記載の装置。
9. ピストン（８０）が第一区画（２０）の内壁に沿ってスライドすることができる封止リップ（８１）を形成することを特徴とする請求項３ないし８のいずれか１項に記載の装置。
10. 第一区画（２０）と第二区画（３０）の連結を維持するために配設されるストップ（２４，３８）を形成する手段を有することを特徴とする請求項１ないし９のいずれか１項に記載の装置。
11. オリフィス（４０）が、フラップ弁又はボール弁などの一方向バルブ（７０）により封止され、該バルブ（７０）は第一区画（２０）の容積の減少により第一区画（２０）内に発生する加圧状態に応じて第二区画（３０）の方向に開くことを特徴とする請求項１ないし１０のいずれか１項に記載の装置。
12. 封止要素（６０）がアプリケータ（５０）の把持部を形成することを特徴とする請求項１ないし１１のいずれか１項に記載の装置。

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