JP4979548B2 - 内燃機関の吸気の整流方法とその構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストン往復動型内燃機関の吸気行程における、吸気流を整流させて吸気効率を向上させる内燃機関の吸気の整流方法とその構造の改良に関する。
エンジンの吸気効率を上げる方法としては、一般的に吸気路の断面積を大きくして、吸気路壁面の面積が最小となる円形にすることで吸気抵抗を小さくする方法が行われてきた。また、吸気路にリード弁を用いて吸気流を制御する方法が特許文献1によって開示されていた。さらに、吸気渦流をタンブル流・スワール流にして燃焼改善する方法等も考えられており、タンブル流を発生させるものは特許文献2によって知られ、スワール流を発生させるものとしては特許文献1によって知られていた。また、吸気バルブを二重管構造にして吸気効率を上げるものが特許文献3によって知られていた。
特許文献1は、スワール生成時にスワール流を安定して生成する目的で発明されたものであり、吸気制御弁の弁体にはスワール用切り欠きを形成する。横板状部材は、吸気制御弁の全閉状態において、スワール発生用切り欠きが作用することでスワール流を安定して生成することとなっていた。
特許文献2は、筒内噴射燃料噴射エンジンにおいて、高負荷運転時の吸入抵抗の増大や、噴射弁レイアウトの制約等の不具合を生じることなく効果的なタンブル流を発生させられる吸気制御装置であって、吸気バルブと吸気ポートの壁面との間の開口部を横切るように吸気バルブを中心として回動可能に整流板を設けるとともに、この整流板を運転状態に応じて回動させる整流板駆動機構を設けたものであった。
特許文献3は、本出願人が出願したものであり、動弁機構の吸排気効率及び点火効率を向上させるために、シリンダヘッドには、外バルブと内バルブとを有して二重の円筒形構造を構成する吸気バルブと排気バルブとを備えている。吸気バルブと排気バルブとをそれぞれ別々に回転駆動し、吸気バルブの弁開口部が円筒弁の円周上で45度になる大きな弁開度となり、排気バルブの弁開口部が円筒弁の円周上で45度になる大きな弁開度となっていた。これによって、従来の回転型バルブの弁開度最大が22.5度であったものが2倍となり、吸気効率、排気効率を高めることができるようになっていた。
特開2006−77590公報 特開平10−331647号公報 特開2007−9777公報
しかし、特許文献1に示されているスワール流を発生させる従来の方法では、弁体を作動させる吸気制御弁を動力にて駆動させなければならなかったので複雑な構成となってコストを高くすることとなっていた。また、特許文献2に示されているタンブル流を発生させる従来の方法では、整流板を回動させる整流板駆動機構を動力にて駆動させなければならなかったので、やはり、複雑な構成となってコストを高くすることとなっていた。
また、現在の内燃機関では、シリンダヘッド側において吸気・排気効率を向上させるため、あるいはバルブ質量を軽減してエンジンの許容回転数の上昇によって出力を向上させるために、吸気弁2個、排気弁2個のいわゆる4バルブ構造が主流となっている。そのため、吸気ポート・排気ポートはシリンダごとに各2本の複数となっている。特許文献1又は特許文献2では、その装置を吸気ポート1本に配設するのではその効果は小さくなるし吸気ポート2本の複数に配設しようとすると、その構造は複雑になり実際に配設することが困難となる。もし2本の複数の吸気ポートを配設したとしてもコストが極めて高いものとなってしまう。
また、吸気ポートにおいて、吸気流の操作をしてタンブル流・スワール流を発生させる方法を行った場合には、現在の内燃機関が採用するポペットバルブの傘部がその流れの障害物となって、満足できる吸気流の操作ができなかった。
特に、ポペットバルブの傘部が障害物になることに関しては、バルブが往復動する構成それ自体を見直す必要があった。特許文献3では、吸気バルブの内側バルブが、外側バルブの二分の一にて同一方向に回転させ弁開口面積の最大化を図ることであった。それは、従来から多数提案されていた回転型バルブは、開口部が円周上で22.5度が弁開度でバルブタイミングの成立する最大の限度であったが、これを45度と2倍とすることができて、吸気効率を上げることができることとなっていた。この特許文献3においては吸気流の方向操作することが新たな課題としてあげられることとなり、この構成を利用して更なる吸気効率を向上するとともに燃焼効率を向上するための新たな改良が求められていた。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、容易な構成で廉価に構成するとともに、ピストン往復動型内燃機関の吸気行程における吸気流を操作して完全燃焼させることによって、省燃費や排気ガス浄化を図り、これによって地球環境を守るために自動車の排気ガス対策を図ることができる内燃機関の吸気の整流方法とその構造を提供することを目的とする。すなわち、
往復動するピストンを有するシリンダ室と、吸気路及び排気路を有するシリンダヘッドと、を備え、前記吸気路には吸気用バルブが配設されるとともに前記排気路には排気用バルブが配設され、前記吸気用バルブ及び前記排気用バルブは、それぞれ一部に開口部を有して回動可能な外バルブと内バルブとを備えて二重管構造に形成される内燃機関において、前記シリンダ室に送給する吸気を整流させて吸気効率を向上させる内燃機関の吸気の整流方法であって、前記シリンダ室の上方に配置される前記シリンダヘッドの吸気路に、可撓性を有する導入板を前記吸気路の少なくとも1方向以上となる位置に設け、前記吸気路を開閉する前記吸気用バルブ内に、前記吸気を前記シリンダ室に送給案内するための案内板が空気流に沿って配設されて、前記吸気を整流させて滑らかに前記シリンダ室内へ導入することを特徴とするものである。
請求項2記載の発明では、往復動するピストンを有するシリンダ室と、吸気路及び排気路を有するシリンダヘッドと、を備え、前記吸気路には吸気用バルブが配設されるとともに前記排気路には排気用バルブが配設され、前記吸気用バルブ及び前記排気用バルブは、それぞれ一部に開口部を有して回動可能な外バルブと内バルブとを備えて二重管構造に形成される内燃機関において、前記シリンダ室に送給する吸気を整流させて吸気効率を向上させる内燃機関の吸気の整流構造であって、前記シリンダ室の上方に配置される前記シリンダヘッドの吸気路に、可撓性を有する導入板を前記吸気路の少なくとも1方向以上となる位置に設け、前記吸気路を開閉する前記吸気バルブ内に、前記吸気を前記シリンダ室に送給案内するための案内板空気流に沿って配設されて、前記吸気を整流させて滑らかに前記シリンダ室内へ導入することを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項2の発明に係るものであって、前記吸気路は、前記吸気用バルブの下方通路が前記シリンダ室の円周方向に沿って傾斜して形成されていることを特徴としている。
本発明の内燃機関の吸気の整流方法によれば、シリンダヘッドの吸気路に可撓性を有する導入板を設けることにより、吸気流はその導入板に沿って抵抗少なく沿面効果で滑らかにシリンダ室内へ流入することができる。それによって吸気効率が向上することから燃焼改善をすることができる。つまり、導入板を吸気路の壁面の一方向以上に設けることにより、吸気流が流入する際、吸気流の力によって導入板が撓む。導入板は反発力があり且つバルブ開口部の拡大・縮小に伴う吸気流量と、力の均衡した反発力で吸気の導入に障害となる渦流を抑制することになり吸気流を整流させる。そのため、吸気流を滑らかにしてシリンダ室に送ることができる。
本発明の内燃機関の吸気の整流方法によれば、吸気バルブに吸気流の流れに沿って案内板を設けることにより、吸気流は吸気バルブの軸方向への進入を防止することとなって、吸気バルブ内において乱流や剥離流を発生させない。そのため吸気流は整流され、吸気バルブの開口部内を滑らかに流れてシリンダ室内へ流入することができる。それによって吸気効率が向上することから燃焼改善をすることができる。つまり、案内板は吸気流に沿って配設されているから、吸気バルブ内の軸方向に流れず乱流又は剥離流等の発生を抑制することになり吸気流を整流させる。そのため、吸気流を滑らかにしてシリンダ室に送ることができる。
また、本発明の内燃機関における吸気の整流構造によれば、吸気バルブは二重管構造に構成されている。吸気路には、可撓性の導入板が配置されているから、吸気ポートから導入された吸気流は、導入板に導かれて流れることとなり、上述のように、滑らかに下流側に移動されることとなる。しかも導入板の配設は複雑な構造を必要としないことから廉価に構成することが可能となる。
また、吸気路内を通ってきた吸気流は吸気バルブの壁面に衝突することなく、バルブ内の開口部に配置された案内板を通ってシリンダ室内に流入する。そのため、吸気流の衝突で発生する乱流の障害を抑制し、吸気路内の吸気圧力を上げて吸気効率を向上させることができる。しかも案内板の配設は複雑な構成を必要としないことから廉価に構成することが可能となる。
また、本発明の内燃機関の吸気の整流方法によれば、吸気路における吸気バルブの下方通路を、シリンダ室の円周方向に沿って傾斜して形成することによってスワール渦流の発生を促進することができる。つまり、スワール渦流は、シリンダ室内の円周方向に沿って渦流を発生させるものであるから、吸気バルブからシリンダ室内に流れる吸気流はシリンダ室内の円周方向に向かうように流れることが効果的となる。そのため、吸気路における、吸気バルブの下流側に配置される下方通路をシリンダ室の円周方向に沿って傾斜して形成することによって、吸気流は傾斜した下方通路に沿って流れることによりシリンダ室内の円周方向に向かうこととなって、スワール渦流を促進することとなる。
次に、本発明による内燃機関における吸気路の整流構造の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、4サイクルエンジンの吸気・排気構造を示すものであって、シリンダブロック1内に形成されたシリンダ室3にはクランクシャフトに軸支されたピストン5が上下動可能に配置され、シリンダブロック1の上部にはシリンダヘッド10が配置されている。シリンダ室3の上部は主燃焼室4として形成されている。
また、図2〜4に示すように、ピストン5の上面には円弧状の凹状溝7がほぼ半周にわたって形成され、凹状溝7と平面上で対向する位置に凸状突起部8が形成されている。ピストン5の上面の外周縁部は平面上のリング面が形成され、リング面がスキッシュ面9として形成されている。凸状突起部8はスキッシュ面9より上方に突出した上端面5aより突出して形成され、凹状溝7は上端面5aからスキッシュ面9より低い位置に形成されている。また、凹状溝7は、図2及び図3中、時計方向に向かって徐々に浅くなるように形成されている。さらに、凸状突起部8の一端側には、凹状溝7の端部から延設する方向に沿って切欠面8aが形成され、凹状溝7内で発生するタンブル渦流が上昇する際に、タンブル渦流が阻害されないように寸法設定している。
シリンダヘッド10には、図1に示すように、吸気マニホールド11から連接された吸気ポート12aを有する吸気路12と排気マニホールド13に連接された排気ポート14aを有する排気路14とが形成されている。吸気路12の直線状の中間位置には円筒形の吸気バルブ15が配置され、排気路14の直線状の中間位置には円筒形の排気バルブ18が配置されている。吸気バルブ15及び排気バルブ18は、それぞれ外バルブ16、19、内バルブ17、20を有して二重管構造を形成している。吸気バルブ15の外バルブ16及び内バルブ17にはそれぞれ細長状の開口部16a及び17aが対称位置に一対形成され、排気バルブ18の外バルブ19及び内バルブ20にはそれぞれ細長状の開口部19a、20aが対称位置に一対形成されている。
また、吸気バルブ15の下方には、吸気路12における吸気バルブ15から主燃焼室4への接続通路12bに向かって、筒内燃料噴射ノズル21と点火プラグ22とが配置されている。接続通路12bにおける点火プラグ22に対向する部位は副燃焼室23として形成されている。なお、図5に示すように、吸気バルブ15の長手方向に沿って切断した断面図において、副燃焼室23を含む接続通路12bは、吸気バルブ15の上方に形成される吸気路12(上部通路12c)とはそれぞれ逆方向に傾斜して形成されている。そのため、吸気路12は全体的に略くの字状に形成されることとなる。
なお、接続通路12bはピストン5の上部に形成された凹状溝7の一端側に向ってシリンダ室3の円周方向に沿って傾斜されている。
一方、排気路14における排気バルブ18と主燃焼室4との間には接続通路14bが形成されている。接続通路14bはピストン5の凸状突起部8が挿入される凹状部24として形成されている。凹状部24の内周面と凸状突起部8の外周面との間には隙間が形成されている。
図5〜7に示すように、吸気路12の内壁面には可撓性を有する第1、第2の導入板25、26が装着されている。吸気路12は、細長矩形孔状に形成され、長手方向の一方の内壁面には第1の導入板25が装着され、短手方向の一方の内壁面には第2の導入板26が装着されている。吸気路12の内壁面は短手方向の一方が湾曲状に形成され、第1の導入板25は上端部で吸気路12の内壁面に締結され、導入板25の下部の一方側は湾曲状に形成された内壁面に沿って湾曲状に形成されている。また、導入板25の下部が上端部に対して撓むことができるように配置されている。
第2の導入板26は矩形板状に形成されるとともに、上端部で吸気路12の内壁面に締結され、下部が上端部に対して撓むことができるように配置されている。
また、図5及び図8に示すように、吸気バルブ15の内バルブ17の開口部17aには上下両面が開口された案内筒体27が挿入されている。案内筒体27には、上下方向に並設する2枚の薄板状の案内板27a、27bが内部を仕切るように配置されている。
なお、図7に示すように、内バルブ17に挿入された案内筒体27の幅広側面と内バルブ17の内壁面との間に形成される隙間は、冷却剤が通る冷却通路28として形成される。冷却通路28に冷媒と通すことによって、加熱した吸気バルブ15を冷却することができる。
次に、上記のように構成された内燃機関の作用について図9乃至15に基づいて説明する。
この内燃機関においては、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を順に行って1サイクルが行われ、ピストン5は各行程で上昇又は下降をする。また、吸気バルブ15、排気バルブ18は、各行程のタイミングに合わせてそれぞれの外バルブ16、19と内バルブ17、20とが回転して所定のタイミングで開口する。例えば、吸気バルブ15においては、吸気行程においてピストン5がストロークの中位置にあるときに全開され、排気行程においてピストン5がストロークの中位置にあるときに全開するタイミングで外バルブ16、19と内バルブ17、20が回転される。なお、このバルブ構造においては、吸気バルブ15の外バルブ16と内バルブ17とは同一の方向に回転されるとともに内バルブ17は外バルブ16に対して1/2回転で回転されている。また、排気バルブ18の外バルブ19と内バルブ20とは同一の方向に回転されるとともに内バルブ20は外バルブ19に対して1/2回転で回転されている。
なお、エンジンの回転数の変化によって、内バルブ17と外バルブ16とは軸方向に沿って移動可能に構成されている。つまり、吸気行程において、エンジンの低回転時では、吸気流の量を少なくするために吸気バルブ15の開口部(外バルブ16の開口部16aと内バルブ17の開口部17aによって形成される)15aを長さ方向に沿って狭く設定する。そのため内バルブ17と外バルブ16とは開口部15aを狭くする方向に軸方向に沿って移動する。また、エンジンの高回転時には、吸気流の量を多くするために吸気バルブ15の開口部15aを長さ方向に沿って広く設定する。そのため、内バルブ17と外バルブ16とは開口部15aを広くする方向に軸方向に沿って移動する。
なお、以下の説明においては、第1の導入板25、第2の導入板26及び内バルブ17に案内板27a、27bが設置されていない従来タイプと、第1の導入板25、第2の導入板26及び案内板27a、27bが設置されている本願発明の実施形態とを比較しながら説明する。
図9は、エンジンの低回転時における従来のタイプの吸気路12の構造を示すものであり、吸気行程を示すものである。吸気行程においては、ピストン5のストローク中位置において、外バルブ16の開口部16aと内バルブ17の開口部17aを略一致させて吸気バルブ15の開口部15aを形成している。
吸気路12の周縁部に導入された吸気流のうち一部の吸気流F1は、図9中、外バルブ16に対して右側に移動された内バルブ17の外周壁面に衝突して撥ね返される。撥ね返された吸気流は渦巻くことによって乱流となる。別の吸気流F2は湾曲状の内壁面に沿って流れるが吸気流F1によって乱流となる。さらに、吸気バルブ15の開口部15aを通って内バルブ17内に流れた一部の吸気流F3は、内バルブ17の内周壁面に当って撥ね返されて渦巻いて乱流を発生する。このように、吸気流F1、F2、F3は吸気バルブ15の内外で乱流を発生するから、シリンダ室3に向かって流れる吸気流が減少して燃焼効率を悪くする。
これに対して、本願発明の実施形態の場合、図10に示すように、吸気流を吸気ポート12aから導入すると、吸気流Fは吸気路12の内壁面に装着された第1の導入板25及び第2の導入板26に衝突し第1の導入板25、第2の導入板26を押圧して撓ませる。第1の導入板25、第2の導入板26はその反発力で吸気流Fを吸気路12の中心側に向かうように案内することになる。これは、第1の導入板25、第2の導入板26が吸気流Fの流れ方向に沿って所定の長さを有して形成されているから、吸気流Fは第1の導入板25、第2の導入板26の沿面効果により吸気路12の下流側中心に向かって滑らかに流れる。第1の導入板25、第2の導入板26で案内されて吸気路12の下流側に流れた吸気流Fは、整流されて吸気バルブ15の開口部15aから案内筒体27の第1の案内板27aで仕切られた開口部を通ってシリンダ室3に向かう。吸気バルブ15を通る吸気流Fは、渦巻くことがなく流れることから、流れてくる吸気流Fの略全部が接続通路12bを通ってシリンダ室3内に供給されることとなる。
また、図11は、エンジンの中回転時における吸気路12の従来のタイプの構造を示すものであり、吸気路12の周縁部に導入された一部の吸気流F1は、図11中、外バルブ16に対して左側に移動された内バルブ17の外周壁面に衝突して撥ね返され渦巻くことによって乱流となり、別の吸気流F2は湾曲状の内壁面に沿って流れるが吸気流F1によって乱流となる。さらに、吸気バルブ15の開口部15aを通って内バルブ17内に流れた一部の吸気流F3は、内バルブ17の内周壁面に当って撥ね返されて乱流となるとともに剥離流F4が発生する。このように、吸気流F1、F2,F3は吸気バルブ15の内外で乱流や剥離流F4を発生するから、シリンダ室3に向かって流れる吸気流が減少して燃焼効率を悪くする。
これに対して、本願発明の実施形態の場合、図12に示すように、第1の導入板25、第2の導入板26で案内されて吸気路12の下流中心側に流れた吸気流Fは整流されて、吸気バルブ15の開口部15aから案内筒体27の第1の案内板27a又は第2の案内板27bで仕切られた開口部を通ってシリンダ室3に向かう。吸気バルブ15を通る吸気流Fは、案内板27a、27bに衝突して吸気バルブ15内の軸方向には流れないことから乱流や剥離流を発生しない。乱流や剥離流を発生しないことから、流れてくる吸気流Fの略全部が接続通路12bを通ってシリンダ室3内に供給されることとなる。
エンジンの高回転時において、図5に示すように、第2の導入板26は吸気流の力で吸気路12の内壁面に向かって押圧される。第2の導入板26がその反力で戻されることによって吸気流を吸気バルブ15に向かって案内することになるから、障害物もなく乱流せずに滑らかに流れることとなる。
図13は、従来のタイプの構成を示すものであり、吸気バルブ15を径方向に沿って切断した断面図である。吸気バルブ15の半開時において、吸気流F1が外バルブ16の外周壁面に衝突して撥ね返されて渦巻くことによって乱流となり、吸気効率を阻害する状態を示している。これに対して、図14は、本願発明の実施形態を示すものであるが、吸気路12に流入した吸気流Fは、第1の導入板25で吸気バルブ15の開口部15aに案内されることで滑らかに吸気バルブ15を通過して吸気路12の下流に達することができる。
整流された空気流Fは、図15に示すように、吸気バルブ15から接続通路12b及び副燃焼室23を通ってピストン5の上面に形成した凹状溝7に沿ってシリンダ室3内で渦巻き始める。この際、接続通路12b及び副燃焼室23は、吸気バルブ15から傾斜して形成されている。この傾斜は、図15に示すように、ピストン5の凹状溝7に向かって形成されているから、接続通路12b、副燃焼室23を通った吸気流は円弧状の凹状溝7に沿って流れることとなる。
そして、シリンダ室3内で円周方向に沿って渦巻くスワール渦流を発生させる。凹状溝7は凸状突起部8の切欠面に向かって徐々に浅くなるように形成されている。つまり、図15中、凹状溝7は時計方向に徐々に浅くなっていることから、吸気バルブ15を通ってきた吸気流Fが時計方向に回るスワール渦流と同時にシリンダ室3のシリンダヘッド10に向かうタンブル渦流を発生させることとなる。
このタンブル渦流はピストン5の凸状突起部8の切欠面8aによって凸状突起部8に阻害されることなく凹状溝7の切り上がり延長線に沿って上昇する。シリンダ室3内ではスワール渦流とタンブル渦流の2つの渦流によって空燃混合気の充分な攪拌が行われることとなる。
次に、ピストン5が上昇して圧縮行程に移行する。圧縮行程の後期においては、ピストン5が上昇してピストン5の凸状突起部8がシリンダヘッド10の凹状部24内に突入すると、凸状突起部8と排気バルブ18の外バルブ19との間及び凸状突起部8の側面の周りにスキッシュ流が発生する。同時にピストン5のスキッシュ面9とシリンダヘッド10の下面との間にスキッシュ流が発生する。
スキッシュ流は圧縮された空燃混合気(圧縮ガスという)を強く攪拌することとなり、主燃焼室4内で攪拌された圧縮ガスは主燃焼室4内で燃料の気化が進むことになる。
圧縮行程の最終段階において、点火プラグ22を点火することによって、副燃焼室23にある濃い圧縮ガスを燃焼して火炎を噴射させ、主燃焼室4内の希薄な圧縮ガスを着火させる。この際、スキッシュ流で強く攪拌された圧縮ガスは燃料の気化が良好となって完全燃焼しやすくなる。また、火炎伝播も速く主燃焼室4内に広がり燃焼効率を向上することができる。
次に、膨張行程・排気行程を経て、1サイクルが終了する。
上述のように、実施形態の内燃機関では、二重管構造で構成する吸気バルブ15と排気バルブ18を備えた内燃機関の吸気路12に、第1の導入板25、第2の導入板26を設けて、吸気流Fを円滑にして吸気バルブ15側に送る。また、吸気バルブ15には、案内板27a、27bで仕切られた開口部を有する案内筒体27を挿入することから、整流された吸気流Fを整流した状態を維持してシリンダ室3内に送ることができる。ピストン5の頂部には凹状溝7が円周方向に沿って形成されているとともに、吸気流Fの流れに沿って徐々に浅くなるように形成されていることから、シリンダ室3内を円周方向に沿って回ることになり、スワール渦流とタンブル渦流の発生を促進させることとなる。
圧縮ガスは、スワール渦流の発生やスキッシュ流で強く攪拌されることによって燃料の気化が良好となって完全燃焼しやすくなる。また、火炎伝播も早く主燃焼室4内に広がり燃焼効率を向上することができる。
さらに、吸気バルブ15の内バルブ17内に挿入した案内筒体27では、案内板27a又は27bと内バルブの内壁面に形成された冷却通路28に冷媒を流通させることによって、使用時に加熱された吸気バルブ15を冷却することができ、吸気バルブ15の長期使用を可能とすることができる。排気バルブ18も同様である。
なお、本発明の内燃機関では、上述の形態に限定するものではない。例えば、吸気路12内に装着する第1の導入板25、第2の導入板26は、それぞれ対向する位置に2箇所ずつ設けてもよく、第1の導入板25と第2の導入板26を一体的に形成して二股状とし、それぞれ吸気路12の長手方向と短手方向に配置するように設けてもよい。この場合、吸気流の力で容易に撓むことができるようにする。
本発明の一形態による内燃機関を示す一部断面図である。 図1におけるピストンを示す平面図である。 同断面図である。 同斜視図である。 導入板と案内筒体を設けた吸気路の一部を示す断面図である。 同平面断面図である。 同、吸気バルブの軸方向と直交する方向で切断した断面図である。 案内筒体を吸気バルブに挿入する状態を示す分解斜視図である。 導入板及び案内筒体を設けない従来の構成による吸気流の乱流を示す一部断面図である。 本発明による構成の吸気流の整流を示す一部断面図である。 導入板及び案内筒体を設けない従来の構成による吸気流の乱流を示す一部断面図である。 導入板及び案内筒体を設けない従来の構成による吸気流の乱流を示す一部断面図である。 導入板及び案内筒体を設けない従来の構成による吸気流の乱流を示す一部断面図である。 導入板及び案内筒体を設けない従来の構成による吸気流の乱流を示す一部断面図である。 本発明による吸気流の整流状態を示す斜視図である。
符号の説明
3、シリンダ室
4、主燃焼室
5、ピストン
7、凹状溝
8、凸状突起部(凸部)
10、シリンダヘッド
12、吸気路
12b、接続通路
12c、上部通路
14、排気路
15、吸気バルブ
15a、開口部
16、外バルブ
16a、開口部
17、内バルブ
17a、開口部
18、排気バルブ
19、外バルブ
20、内バルブ
23、副燃焼室
24、凹状部
25、第1の導入板
26、第2の導入板
27、案内筒体
27a、第1の案内板
27b、第2の案内板

Claims (3)

  1. 往復動するピストンを有するシリンダ室と、吸気路及び排気路を有するシリンダヘッドと、を備え、前記吸気路には吸気用バルブが配設されるとともに前記排気路には排気用バルブが配設され、前記吸気用バルブ及び前記排気用バルブは、それぞれ一部に開口部を有して回動可能な外バルブと内バルブとを備えて二重管構造に形成される内燃機関において、前記シリンダ室に送給する吸気を整流させて吸気効率を向上させる内燃機関の吸気の整流方法であって、
    前記シリンダ室の上方に配置される前記シリンダヘッドの吸気路に、可撓性を有する導入板を前記吸気路の少なくとも1方向以上となる位置に設け、
    前記吸気路を開閉する前記吸気用バルブ内に、前記吸気を前記シリンダ室に送給案内するための案内板が空気流に沿って配設されて、前記吸気を整流させて滑らかに前記シリンダ室内へ導入することを特徴とする内燃機関の吸気の整流方法。
  2. 往復動するピストンを有するシリンダ室と、吸気路及び排気路を有するシリンダヘッドと、を備え、前記吸気路には吸気用バルブが配設されるとともに前記排気路には排気用バルブが配設され、前記吸気用バルブ及び前記排気用バルブは、それぞれ一部に開口部を有して回動可能な外バルブと内バルブとを備えて二重管構造に形成される内燃機関において、前記シリンダ室に送給する吸気を整流させて吸気効率を向上させる内燃機関の吸気の整流構造であって、
    前記シリンダ室の上方に配置される前記シリンダヘッドの吸気路に、可撓性を有する導入板を前記吸気路の少なくとも1方向以上となる位置に設け、
    前記吸気路を開閉する前記吸気バルブ内に、前記吸気を前記シリンダ室に送給案内するための案内板空気流に沿って配設されて、前記吸気を整流させて滑らかに前記シリンダ室内へ導入することを特徴とする内燃機関の吸気の整流構造。
  3. 前記吸気路は、前記吸気用バルブの下方通路が前記シリンダ室の円周方向に沿って傾斜して形成されていることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の吸気の整流構造。
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