JP4979043B1 - 扉開閉装置 - Google Patents

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【課題】 従来の「仏間シャッター」に替わる、住宅の仏壇置場の前面に設けられる襖または扉の開閉装置を提供する。
【解決手段】 柱8の横の壁面8bに沿って、扉7と扉取付部材6が走行するための溝5を上下に設け、その溝5に沿って設けられたガイド部材3に誘導されるワイヤー1は、ワイヤー緊張具2によってループ状に形成されていることと、上下の溝5に沿っている2つの水平部分との間に形成される垂直部分で交叉することにより、扉取付部材6に隣接する側の上下の水平部分の水平ワイヤー1aは、同時に同じ方向に同じ距離を移動することができ、その前記水平ワイヤー1aに結合された扉取付部材6と扉7もまた一体となって、同時に平行移動し、扉取付部材6がもっとも手前の位置にあるとき、扉7が回転開閉できるように構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅の仏壇置場の前面に設けられる、襖または扉の開閉装置に関するものである。
従来は、図8に示しているような「仏間シャッター」と呼ばれる扉開閉装置が用いられますが、働き寸法(扉の移動距離)や許容荷重などの制約があったり、滑らかな開閉ができないという問題点があった。
図8に示している従来の仏間シャッター101は、中央の交叉している帯金物101aと、前後のL型金物101bにより構成されており、帯金物101aとL型金物101bの節点の一端はピン節点101cであるが、他端は帯金物101aのピンがL型金物101bの長穴内をスライドする移動節点101dとなっており、長穴にはスライドするための「遊び」が必要であり、そのため扉104の動きに「ガタツキ」が生じ、滑らかな走行を妨げていた。。
また、間口寸法や高さ寸法、働き寸法や許容荷重などの制約があった。
そこで、上記制約に関係なく、滑らかな動きができる扉開閉装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされるもので、請求項1に記載の扉開閉装置は、扉と扉取付部材が走行するための上下の溝と、平行移動を成すためのワイヤー緊張具によってループ状に形成されたワイヤーと、前記上下の溝に沿って設けられた前記ワイヤーを誘導するためのガイド部材とによって構成されており、前記ループ状に形成されたワイヤーは、上部の溝に沿ったガイド部材に誘導される上部水平部分と、下部の溝に沿ったガイド部材に誘導される下部水平部分と、前記上下の水平部分の間に形成される垂直部分から成り、その前記垂直部分で前記ワイヤーが交叉することにより、前記扉取付部材に隣接する側の前記上下の水平部分のワイヤーは、同時に同じ方向に同じ距離を移動することができ、その前記上下の水平部分のワイヤーに結合されている前記扉取付部材も同時に平行移動し、その前記扉取付部材に結合されている前記扉も一体となって平行状態を維持しながら移動することができ、前記扉取付部材がもっとも手前の位置にあるとき、前記扉が回転開閉できるように構成されていることを特徴とする扉開閉装置を提供することである。
本発明は、仏壇置場だけでなく、家具や収納戸棚の扉にも応用でき、多様な寸法や条件に対応した扉開閉装置を提供することができる。
図1と図2に基づいて、本発明の概要を説明する。
ワイヤー1を誘導するガイド部材3である滑車4は、上下の水平部分である水平ワイヤー1aが、常に溝5や床面9と水平・平行となるよう滑車軸受4mによって滑車取付部材4Pに設けられている。
その滑車取付部材4Pと付樋端5bとによって形成される、扉7と扉取付部材6が走行するための上下の溝5を、柱8の横の壁面8bに隣接する床面9と無目鴨居10bの下端面に設ける。
「ループ状」と「交叉」を形成するためのワイヤー1の張り方は、ワイヤー緊張具2のフック2aにワイヤー1の一端にあるワイヤーループ1cを引っ掛けてから、移動方向11を示す矢印に従って、まず、上部内側(溝側と反対側)にある滑車A4aから滑車B4bへと内側を通し、次に溝側を通して滑車C4cを経て、交叉する形で下部内側にある滑車D4dへと進み、再び内側を通して滑車E4eを経て、次に溝側を通して滑車F4fを経てから、再び交叉する形で上部内側にある前記ワイヤー緊張具2のワイヤーエンド固定部2cに、ワイヤー1の他
Figure 0004979043
上下の滑車4に誘導されたワイヤー1は、ワイヤー緊張具2によって1本の「ループ状」に形成されていることと、奥側の垂直部分である垂直ワイヤー1bが「交叉」していることにより、溝側である扉取付部材6に隣接する側の上下の水平ワイヤー1aは、同時に同じ方向に同じ距離を移動することができる。
よって、溝側にある上下の水平ワイヤー1aとワイヤー結合具6aで上下を結合された扉取付部材6も、溝側にある上下の水平ワイヤー1aと同時に平行移動し、その扉取付部材6と片長丁番7aで結合された扉7もまた一体となって、平行状態を維持しながら、同じ方向に同じ距離を移動することができる。
また、扉7の前面にある引手(図示せず)を持って、扉取付部材6をもっとも手前まで引き出し、滑車取付部材4pの前側に設けられたストッパー4qに、扉取付部材6の上下にあるワイヤー結合具6aが当たる位置にあるとき、扉7が回転開閉できるように構成されている。
扉7の荷重は、片長丁番7aによって結合されている扉取付部材6の下部に設けられている平戸車6bが受けるので、摩擦抵抗がなく滑らかに動くことができる。
ワイヤー1や扉7の移動方向11や回転方向11aを示す矢印は、分かりやすくするために一方の方向のみを示しているが、もちろん双方に自由自在に動くことができ、扉取付部材6に隣接する側を「溝側」、反対側の隣接しない側を「内側」と呼称する。
図1〜図7では、ワイヤー1を誘導するガイド部材3として、滑車4にて作図をしているが、これにこだわるものではない。
また、ワイヤー1、滑車取付部材4p、扉取付部材6、扉7、壁面8b、床面9などは、切断・分割・省略した作図となっている。
図2と図3に基づいて、扉7を閉じる状況を説明する。
図3に示す開いた状態で奥まっている扉7の、前面にある取手(図示せず)を持って、もっとも手前まで引き出した位置にあるとき、扉7を柱8と反対側の方向に回転すると、無目10aの下端に設けられているキャッチ(図示せず)に保持され、図2に示す閉じた状態となる。
扉取付部材6の上下にあるワイヤー結合具6aが、滑車取付部材4pの前側に設けられたストッパー4qに当たる位置にあるとき、扉7が回転開閉できるように構成されており、その回転開閉をスムーズに行なうとともに、閉めたときに、その扉7と柱8との隙間を適正にするための戸决り8aが、柱8には施されている。
図3に基づいて、扉7を引き込んで開く状況を説明する。
図2に示す閉じた状態の扉7の前面にある取手(図示せず)を持って、手前の柱8側の方向に回転開閉してから、奥に向かって引き込むことで扉7が開いた状態となる。
扉取付部材6の上下にあるワイヤー結合具6aが、滑車取付部材4pの後側に設けられたストッパー4qに当たる位置にて、扉7は停止する。
図4に基づいて、扉7と扉取付部材6が走行する上下の溝5廻りについて説明する。
壁面8bに隣接する床面9に設けられた付桶端5bと、滑車取付部材4pに挟まれた部分を下部一本溝5a、上部無目鴨居10b下端面に設けられた付桶端5bと、滑車取付部材4pに挟まれた部分を上部一本溝5aとする。
ワイヤー結合具6aは、2つに分割したパーツにより構成されており、ワイヤー1をループ状に形成した後から、溝側である扉取付部材6に隣接する側の水平ワイヤー1aを挟み込んでネジ2dにて固定するが、その時に、水平ワイヤー1aの水平・平行と、扉取付部材6が垂直になるよう調整する。
扉取付部材6の下部に設けられている平戸車6b部の断面を示しているが、片長丁番7aによって結合されている扉7と共に、上下の一本溝5aの内部を横ぶれすることなく移動することができる。
また、フック2aにワイヤー1の一端であるワイヤーループ1cを引っ掛けて
Figure 0004979043
整することができるワイヤー緊張具2の構造も示している。
なお、上下の一本溝5aは、下部を一筋敷居(図示せず)、上部を一筋鴨居(図示せず)とすることも可能である。
図5に基づいて、ワイヤー1と滑車4の廻りについて説明する。
滑車4に誘導された水平ワイヤー1aは、上部内側の滑車A4a〜滑車B4b間、上部溝側の滑車B4b〜滑車C4c間、下部内側の滑車D4d〜滑車E4e間、下部溝側の滑車E4e〜滑車F4f間において、常に水平ワイヤー1aどうし、あるいは床面9や無目鴨居10b下端面と、平行になるよう前側にある平使いの滑車B4bと滑車E4eは滑車軸受A4nによって、後側にある竪使いの滑車A4aと滑車C4c、滑車D4dと滑車F4fは滑車軸受B4oによって構成されている。
滑車4を滑車軸受4mによって取り付け、ユニット化された滑車取付部材4pは、上下・左右兼用することができ、ストッパー4qもネジ穴を工夫することで向きを変えることもできるので共通化することができる。
扉7の停止する位置は、上下の滑車取付部材4pに設けられている前後のストッパー4qに、扉取付部材6の上下に設けられているワイヤー結合具6aが当たる位置である。よって、扉7の移動距離は、前後のストッパー4qの内法寸法から、ワイヤー結合具6aの巾寸法を引いたものとなる。
図6に基づいて、扉7と扉取付部材6の廻りについて説明する。
扉取付部材6は、上下のワイヤー結合具6aによって上下の溝側の水平ワイヤー1aと結合されており、さらに、片長丁番7aによって、扉7とも結合されていることを示しており、水平ワイヤー1aが適正な張り加減であることにより、前後にぶれることなく移動することができる。
両方の荷重は、扉取付部材6の下部に設けられている平戸車6bが受けるが、回転することで摩擦抵抗がなく滑らかに動くことができる。
なお、平戸車6bを設けなくても機能上の問題はない。
図7に基づいて、請求項2に記載の左右連動する両開き戸について説明する。
前段落までの片開き戸の扉開閉装置とディティールは同じであるが、図7の模式図が示すように、奥側の垂直部分にて左右のワイヤー1が交叉し、ワイヤー緊張具2によって1本のループ状のワイヤー1となることによって、左右連動して開閉することができる。
ワイヤー1の張り方は、ワイヤー緊張具2のフック2aにワイヤー1の一端にあるワイヤーループ1cを引っ掛けてから、移動方向11を示す矢印に従って、まず、上部内側(溝側と反対側)にある滑車A4aから滑車B4bへと内側を通し、次に溝側を通して滑車C4cを経て、交叉する形で下部内側にある滑車D4dへと進み、再び内側を通して滑車E4eを経て、次に溝側を通して滑車F4fを経てから、反対側へ交叉する形で上部内側にある滑車G4gへと進み、内側を通して滑車H4hを経て、次に溝側を通して滑車I4iを経てから、交叉する形で下部内側にある滑車J4jへと進み、再び内側を通して滑車K4kを経て、次に溝側を通して滑車L4lを経てから、再び反対側へ交叉する形で上部内側にあ
Figure 0004979043
縛し、適正な張り加減になるよう調整ナット2bにて調整することによって、1本の「ループ状」に形成されたワイヤー1が完成する。
よって、左側上部の滑車B4b〜滑車C4c間、左側下部の滑車E4e〜滑車F4f間、および、右側上部の滑車H4h〜滑車I4i間、右側下部の滑車K4k〜滑車L4l間の溝側の水平ワイヤー1aは、同時に同じ方向に同じ距離を移動することができ、左右それぞれ、前記上下の水平ワイヤー1aとワイヤー結合具6aで上下を結合された、左右の扉取付部材6および扉7は、左右連動して平行移動・開閉することができる。
後側に設けられる滑車軸受B4oは、内側と溝側の滑車4の位置を少しずらす(図示せず)ことと、滑車4の角度を変えることができる可動軸(図示せず)にすることで、多様な寸法や取り付け箇所に対応することができる。
扉開閉装置を示す概念図である。 扉を閉じた状態の水平断面図である。 扉を引き込んで、開いた状態の水平断面図である。 図2、図3における、A−A線垂直断面図である。 図2、図3、図4における、B−B線正面図である。 図2、図3、図4における、C−C線正面図である。 請求項2に記載の、両開きの左右の2枚の扉が連動して開閉できることを示す、ワイヤーとガイド部材の模式図である。 従来の開閉装置である「仏間シャッター」を説明するための概念図である。
1 ワイヤー
1a 水平ワイヤー
1b 垂直ワイヤー
1c ワイヤーループ
2 ワイヤー緊張具
2a フック
2b 調整ナット
2c ワイヤーエンド固定部
2d ネジ
3 ガイド部材
4 滑車
4a 滑車A
4b 滑車B
4c 滑車C
4d 滑車D
4e 滑車E
4f 滑車F
4g 滑車G
4h 滑車H
4i 滑車I
4j 滑車J
4k 滑車K
4l 滑車L
4m 滑車軸受
4n 滑車軸受A
4o 滑車軸受B
4p 滑車取付部材
4q ストッパー
5 溝
5a 一本溝
5b 付桶端
6 扉取付部材
6a ワイヤー結合具
6b 平戸車
7 扉
7a 片長丁番
7b 軸芯
8 柱
8a 戸决り
8b 壁面
9 床面
9a 框
9b 雑布摺
10 鴨居
10a 無目
10b 無目鴨居
11 移動方向
11a 回転方向
101 従来の仏間シャッター
101a 帯金物
101b L型金物
101c ピン節点
101d 移動節点
102 従来の戸当り部材
103 従来の扉取付部材
104 従来の扉
105 従来の片長丁番
106 従来のキャッチ
107 従来の溝
108 従来の柱
109 従来の壁面
110 従来の床面
111 従来の框

Claims (2)

  1. 扉と扉取付部材が走行するための上下の溝と、平行移動を成すためのワイヤー緊張具によってループ状に形成されたワイヤーと、前記上下の溝に沿って設けられた前記ワイヤーを誘導するためのガイド部材とによって構成されており、前記ループ状に形成されたワイヤーは、上部の溝に沿った前記ガイド部材に誘導される上部水平部分と、下部の溝に沿った前記ガイド部材に誘導される下部水平部分と、前記上下の水平部分の間の奥側に形成される垂直部分から成り、前側に有する平使いの前記ガイド部材に誘導され溝側と内側を通る前記上下の水平部分の前記ワイヤーは、奥側に有する竪使いの前記ガイド部材に誘導され垂直部分の前記ワイヤーとなり、上部の溝側から下部の内側に通る前記ワイヤーと、下部の溝側から上部の内側に通る前記ワイヤーが交叉することにより、前記扉取付部材に隣接する側の前記上下の水平部分の前記ワイヤーは、同時に同じ方向に同じ距離を移動することができ、その前記上下の溝側の水平部分の前記ワイヤーに結合されている前記扉取付部材も同時に平行移動し、その前記扉取付部材に結合されている前記扉も一体となって平行状態を維持しながら移動することができ、前記扉取付部材がもっとも手前に位置にあるとき、前記扉が回転開閉できるように構成されていることを特徴とする扉開閉装置。
  2. 請求項1に記載の扉開閉装置を、両開きの左右の2枚の扉が設置される位置に取り付け、上下・左右の奥側に有するガイド部材に誘導される垂直部分のワイヤーは、一方の側の下部の溝側から他方の側の上部の内側に通る前記ワイヤーと、前記他方の側の下部の溝側から前記一方の側の上部の内側を通る前記ワイヤーと交叉し、1本のループ状のワイヤーとなることによって、扉取付部材に隣接する側の上下・左右の水平部分の前記ワイヤーは、同時に同じ方向に同じ距離を移動することができ、その前記上下の溝側の水平部分の前記ワイヤーにそれぞれ結合されている前記左右の2枚の扉は、左右連動して開閉できるように構成されていることを特徴とする扉開閉装置。
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