JP4978592B2 - 純水製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気脱イオン装置を用いて原水を処理するようにした純水製造装置に関する。
工水、市水、井水或いは半導体製造工程等からの回収水を処理して純水を製造するシステムとして、原水を逆浸透膜装置で処理した後、電気脱イオン装置を用いて処理する純水製造装置が知られている(例えば特許文献1、2)。この種の純水製造装置では、逆浸透膜装置の前段、或いは電気脱イオン装置の前段に炭酸ガスを除去するプロセスを付加するのが一般的である。
特開2003−1259号公報 特開2001−29752号公報
電気脱イオン装置によって原水を処理して純水を製造する純水製造装置においては、高純度処理された純水を貯水タンクに貯留しておくと、時間の経過により空気中の炭酸ガスが純水に再溶存して純水の比抵抗が低下する。さらに、貯水タンク内において純水の水位が変動すると、炭酸ガスが溶け込みやすくなり、純水の比抵抗はさらに低下する。
このような炭酸ガスの再溶存を防止するため、貯水タンクの気相部に窒素を送り込むことが行われている。この場合、貯水タンク内の純水の水位が上下すると、気相部の容積が変動し、送り込む窒素の量も変動する。例えば、水位が高レベルから低レベルに下降するときは、窒素は気相部に補給され、水位が低レベルから高レベルに上昇するときには、気相部に充満している窒素は気相部から外部に無駄に排気される。このように、水位が上下の変動を繰り返すほど、窒素の消費量も多くなる。
本発明は、貯水タンク内の水面レベルを一定に保つことにより、貯水タンク内での炭酸ガスの再溶存を防止するとともに、気相部で消費する窒素消費量を低減できるようにした純水製造装置を提供することを目的とする。
本発明者は、貯水タンク内の処理水の水位を検出するレベルセンサを設け、このレベルセンサの水位検出信号に基づいて貯水タンクへの給水流量または貯水タンクからの排水流量を制御することにより、貯水タンク内の水面レベルを一定範囲に維持し、これにより、貯水タンク内での炭酸ガスの再溶存を防止するとともに、気相部で消費する窒素消費量を低減できることを見出し、これに基づいて、以下のような新たな純水製造装置を発明するに至った。
(1) 一対の電極間に陽イオン交換膜および陰イオン交換膜を交互に配列することにより脱塩室および濃縮室が区画形成され、前記脱塩室にはイオン交換体が充填された電気脱イオンモジュールと、前記脱塩室に被処理水を流入させる脱塩室流入ラインと、前記濃縮室に被処理水を流入させる濃縮室流入ラインと、前記脱塩室流入ラインおよび前記濃縮室流入ラインに被処理水を供給する給水ポンプと、前記脱塩室においてイオンが除去された処理水が流出する処理水流出ラインと、前記濃縮室においてイオンが濃縮された濃縮水を排水する濃縮水排水ラインと、前記処理水流出ラインから供給される処理水を貯留する貯水タンクと、前記貯水タンク内の処理水の水位を検出するレベルセンサと、前記電気脱イオンモジュールに直流電圧および/または直流電流を印加する電源装置と、前記レベルセンサの水位検出信号に基づいて、前記貯水タンクの水面レベルを所定レベルで一定に保つように、インバータを介して前記給水ポンプの回転速度を制御する制御部と、前記電源装置に接続され、前記レベルセンサの水位検出信号に基づいて前記電気脱イオンモジュールに印加する直流電圧および/または直流電流を制御する電源制御部と、を備えたことを特徴とする純水製造装置。
本発明の純水製造装置によれば、貯水タンク内の水面レベルを一定に保つことにより、貯水タンク内での炭酸ガスの再溶存を防止するとともに、気相部での窒素消費量を低減することができる。
図1は、本発明の第1実施形態による純水製造装置のシステム構成図である。
図1において、符号10は本実施形態の純水製造装置に適用される電気脱イオン装置を示している。
原水は、図示しない逆浸透膜装置により一次脱イオン処理された後、被処理水ライン1から給水ポンプ11を介して電気脱イオン装置10の電気脱イオンモジュール2へ送られ、二次脱イオン処理されるようになっている。
電気脱イオンモジュール2は、一対の電極間に、陽イオン交換膜および陰イオン交換膜を交互に配列することにより、脱塩室2a、濃縮室2bおよび電極室2cが区画形成され、脱塩室2aにはイオン交換体が充填された周知構成のものである。脱塩室2aには被処理水を流入させる脱塩室流入ライン3、および脱塩室2aにおいてイオンが除去された処理水が流出する処理水流出ライン4が接続されている。濃縮室2bには、被処理水を流入させる濃縮室流入ライン5、および濃縮室2bにおいてイオンが濃縮された濃縮水を排水する濃縮水排水ライン6が接続されている。また、電極室2cには被処理水を流入させる電極室流入ライン7、および電極水排水ライン8が接続されている。脱塩室流入ライン3、処理水流出ライン4、濃縮室流入ライン5、濃縮水排水ライン6、電極室流入ライン7および電極水排水ライン8のそれぞれには流量調整弁9が設けられている。
処理水流出ライン4は、処理水を貯留する貯水タンク12に接続されている。貯水タンク12には、貯留されている処理水Wの水位を検知するレベルセンサ13が設けられている。レベルセンサとしては、例えば、圧力センサ、静電容量センサ、差圧式センサのほか、水中に吊り下げたフロートの浮力を計測するディスプレースメントレベルセンサ、水中に挿入したパイプに気体を圧送して水頭と平衡するバブリング圧力によりレベルを求めるバブラーレベルセンサ、或いは貯水タンクの上方から水面に向かって超音波を投射して水面からの反射波を検出する超音波レベルセンサ等、種々のものが知られており、本発明においては周知のいかなるレベルセンサを用いてもよい。
レベルセンサ13の検知信号は、電気脱イオン装置10の制御部14に送られ、制御部14はインバータ15を介して給水ポンプ11の回転速度を制御するようになっている。すなわち、処理水である純水の消費量が急増するなどの理由により、貯水タンク12の水面W1のレベルが予め設定した所定レベルより低下したときは、レベルセンサ13の信号に基づいて給水ポンプ11の回転速度を早くして電気脱イオンモジュール2への給水流量を増やすことにより、処理水流出ライン4に流出する処理水流量を増やし、これにより、貯水タンク12の水面レベルを上げて所定レベルになるよう調整する。逆に、処理水の消費量が急減するなどの理由により、貯水タンク12の水面W1のレベルが予め設定した所定レベルより上昇したときは給水ポンプ11の回転速度を遅くして電気脱イオンモジュール2への給水流量を減らすことにより、処理水流出ライン4に流出する処理水流量を減らし、これにより、貯水タンク12の水面レベルを下げて所定レベルになるよう調整する。このように、貯水タンク12の水面レベルを所定レベルで一定に保つことにより、炭酸ガスの再溶存を少なくすることができるとともに、水面の上方の気相部16の容積も一定となるため、気相部16に送り込む窒素の量も一定となり、窒素消費量を低減することができる。
図2は、本発明の第2実施形態による純水製造装置のシステム構成図である。第2実施形態では、電気脱イオン装置10における処理水流出ライン4に流量調整弁17を設けている。そして、制御部14はレベルセンサ13の検知信号に基づいて流量調整弁17を制御し、処理水流出ライン4の処理水流量を調整することにより、貯水タンク12の水面レベルを第1実施形態と同様に所定レベルで一定に保っている。
図3は、本発明の第3実施形態による純水製造装置のシステム構成図である。第3実施形態では、貯水タンク12と接続された処理水排出ライン18に流量調整弁19を設けている。そして、制御部14はレベルセンサ13の検知信号に基づいて流量調整弁19を制御し、貯水タンク12からの処理水排出流量(すなわち、ユースポイントへの純水の送水流量)を調整することにより、貯水タンク12内の水面レベルを第1実施形態と同様に所定レベルで一定に保っている。
図4は、本発明の第4実施形態による純水製造装置のシステム構成図である。第4実施形態では、処理水流出ライン4の出口に、貯水タンク12内の水面をフロートにより検出して処理水流出ライン4を開閉する定水位弁22を設けている。そして、定水位弁22の作動により、貯水タンク12の水面レベルを第1実施形態と同様に所定レベルで一定に保っている。
図5は、本発明の第5実施形態による純水製造装置のシステム構成図である。第5実施形態では、制御部14は、電気脱イオンモジュール2の電源装置21にも接続され、レベルセンサ13の検知信号に基づいて印加する直流電圧および/または直流電流を制御部14により制御する。これにより、処理水流出ライン4の処理水流量が減った場合は、例えば印加電圧を下げて省エネルギ運転としつつ、ユースポイントで要求される純度の処理水を確保することができる。
以上、説明したように、本発明の実施形態によれば、レベルセンサ13の検知信号に基づいて給水ポンプ11の回転速度を制御することにより、貯水タンク12内の水面レベルを一定に保つことができる。その結果、貯水タンク12内での炭酸ガスの再溶存を防止しながら、気相部16での窒素消費量を低減することができる。
また、本実施形態によれば、レベルセンサ13の検知信号に基づいて処理水流出ライン4の流量調整弁17を制御し、処理水流出ライン4の処理水量を調整することにより、貯水タンク12内の水面レベルを一定に保つことができる。その結果、貯水タンク12内での炭酸ガスの再溶存を防止しながら、気相部16での窒素消費量を低減することができる。
また、本実施形態によれば、レベルセンサ13の検知信号に基づいて貯水タンク12と接続された処理水排出ライン18の流量調整弁19を制御し、貯水タンク12からの処理水排出流量を調整することにより、貯水タンク12内の水面レベルを一定に保つことができる。その結果、貯水タンク12内での炭酸ガスの再溶存を防止しながら、気相部16での窒素消費量を低減することができる。
また、本実施形態によれば、貯水タンク内の水面に応じて処理水流出ラインを開閉する定水位弁22を設けることにより、貯水タンク12内の水面レベルを一定に保つことができる。その結果、貯水タンク12内での炭酸ガスの再溶存を防止しながら、気相部16での窒素消費量を低減することができる。
また、本実施形態によれば、レベルセンサ13の検知信号に基づいて印加する直流電圧および/または直流電流を制御することにより、処理水流出ライン4の処理水流量が減った場合は、印加電圧を下げて省エネルギ運転としつつ、ユースポイントで要求される純度の処理水を確保することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、電気脱イオンモジュール2、被処理水ライン1、処理水流出ライン4、貯水タンク12、レベルセンサ13、制御部14、インバータ15等の具体的構成および配置は適宜設計変更可能である。また、上記の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
本発明の第1実施形態の純水製造装置のシステム構成図である。 本発明の第2実施形態の純水製造装置のシステム構成図である。 本発明の第3実施形態の純水製造装置のシステム構成図である。 本発明の第4実施形態の純水製造装置のシステム構成図である。 本発明の第5実施形態の純水製造装置のシステム構成図である。
符号の説明
1 被処理水ライン
2 電気脱イオンモジュール
2a 脱塩室
2b 濃縮室
3 脱塩室流入ライン
4 処理水流出ライン
5 濃縮室流入ライン
6 濃縮水流出ライン
11 給水ポンプ
12 貯水タンク
13 レベルセンサ
14 制御部
17、19 流量調整弁
18 処理水排出ライン
22 定水位弁

Claims (1)

  1. 一対の電極間に陽イオン交換膜および陰イオン交換膜を交互に配列することにより脱塩室および濃縮室が区画形成され、前記脱塩室にはイオン交換体が充填された電気脱イオンモジュールと、
    前記脱塩室に被処理水を流入させる脱塩室流入ラインと、
    前記濃縮室に被処理水を流入させる濃縮室流入ラインと、
    前記脱塩室流入ラインおよび前記濃縮室流入ラインに被処理水を供給する給水ポンプと、
    前記脱塩室においてイオンが除去された処理水が流出する処理水流出ラインと、
    前記濃縮室においてイオンが濃縮された濃縮水を排水する濃縮水排水ラインと、
    前記処理水流出ラインから供給される処理水を貯留する貯水タンクと、
    前記貯水タンク内の処理水の水位を検出するレベルセンサと、
    前記電気脱イオンモジュールに直流電圧および/または直流電流を印加する電源装置と、
    前記レベルセンサの水位検出信号に基づいて、前記貯水タンクの水面レベルを所定レベルで一定に保つように、インバータを介して前記給水ポンプの回転速度を制御する制御部と、
    前記電源装置に接続され、前記レベルセンサの水位検出信号に基づいて前記電気脱イオンモジュールに印加する直流電圧および/または直流電流を制御する電源制御部と、を備えたことを特徴とする純水製造装置。
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