JP3549764B2 - 電解水生成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水や食塩水等の被電解水を電解(電気分解)して電解水を生成する電解水生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食塩水等の被電解水を電解するには、被電解水を順次電解槽に送水して電解する必要があるが、従来はこの送水を例えば特開平9−150156号公報に見られるようにポンプを用いたり、或は、特開平9−141217号公報に見られるように貯水槽のバルブを開くことによって行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記前者の公報に記載されているようにポンプを用いて送水する場合は、生成装置に加えてポンプ自体とその付属品が必要になるため、装置全体の製造コストを高くする問題と、装置全体が大型化して広い設置スペースを必要とする問題があった。
【0004】
また、上記後者の公報に記載されているようにバルブを開閉して送水する場合は、上記ポンプを用いる場合に比較して低コスト、及び、省スペースにて実施可能であるが、反面、送水(給水)の操作を全て人手によって行うため、バルブ操作を忘れたり間違えたりして電解に影響を及ぼす場合もあって、大変不便であった。
【0005】
従って本発明の技術的課題は、人手やポンプを使用せずに被電解水の送水と、生成した電解水の取出しを全て自動的に行うことができると共に、電解水が必要量生成されるとその生成を停止し、また、必要が生じると再びその生成を開始するように工夫した電解水生成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために本発明で講じた手段は以下の如くである。
【0007】
給水タンクに貯水した被電解水を電解槽に送水しながら電解し、電解により生成された電解水を順次貯水タンクに貯水するように構成した電解水生成装置であって、
【0008】
(1) 上記給水タンクと電解槽と貯水タンクの位置関係を、給水タンクに貯水した被電解水が重力作用で下側の電解槽に流入し、且つ、電解槽で生成された電解水が重力作用で下側の貯水タンクに流入するように構成すると共に、給水タンクと貯水タンクの各上部エアー溜り空間の間を、唯一空気導通できる空気導通管で連通して、貯水タンク内の電解水が満水レベルに達すると、この空気導通管の導通口を塞いで上記給水タンクへの空気導通を絶つように構成すること。(請求項1)
【0009】
(2) 貯水タンクの満水レベル位置に貯水水位センサーを設けて、この水位センサーによる水位検知に従って電解槽の電源スイッチを開閉制御するように構成すること。(請求項2)
【0010】
(3) 給水タンクの内部に、給水タンク内の水位によって被電解水の給水を制御する水位センサーを設けること。(請求項3)
【0011】
▲1▼ 上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、給水タンク内に給水した被電解水は自重で下側の電解槽に流入して電解され、また、電解槽で生成された電解水は同じく自重で下側の貯水タンクに流入して貯水されるため、被電解水の送水と電解水の取出しを人手やポンプ等を用いることなく全て自動的に行うことができると共に、貯水タンクに流入した電解水が満タンレベルに達すると、貯水タンク側の導通口が塞がれて給水タンクとの空気導通が絶たれるため、給水タンクから電解槽への被電解水の送水を自動的に停止して、不必要な送水を防止することを可能にする。
【0012】
▲2▼ 上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、貯水タンクに送り込まれた電解水が満水レベルに達すると、貯水水位センサーがこれを検知して電解槽の電源を絶って電解を自動的に停止するため、電解水の無駄な生成を防止することができる。
【0013】
▲3▼ 上記(3)で述べた請求項3に係る手段によれば、給水タンクに給水した被電解水が満タンレベルに達すると、給水を自動的に停止して被電解水の無駄な給水を防止することができ、また、被電解水の量が減ると自動給水するため、電解槽に対する被電解水の送水を常に滞り無く行うことを可能にする。
【0014】
以上の如くであるから、上記(1)〜(3)の手段によって上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る電解水生成装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明の全体を明示して構成図であって、図中、1は水道水や食塩水等の被電解水Sを貯水する給水タンクで、1Aはその上面口を密閉した上蓋、2と3はこの給水タンク1の内部に設けた水位検出用の上限センサーと下限センサーを示す。
【0016】
11は上記の給水タンク1に対して被電解水S(図示の場合は水道水)を給水する自動給水装置で、12はその給水管、13は給水管12の途中に設けた給水バルブであって、この給水バルブ13は上記の上限センサー2が水面SAを検知してONすると、自動的に閉じて給水を停止し、また、水面SAが下がって上限センサー2がOFFになると、自動的に開いて給水を再開する仕組に成っており、更に、水位の低下によって上記の下限センサー3がOFFになると、空表示器1H(図2)が空表示を行って後述する電解運転を停止する仕組に成っている。
【0017】
尚、図1に示した構成では給水バルブ13を上限センサー2と下限センサー3のON/OFFに連動して開閉作動して、給水タンク1に対する被電解水Sの給水を自動的に制御しながら、電解を連続的に行うように構成されているが、給水バルブ13を手動で開閉作動するように構成することにより、一回ずつ被電解水Sを給水タンク1に手動給水して電解する場合もある。
【0018】
5は逆止弁4を介して給水タンク1の下側に設けた電解槽で、この電解槽5には重力作用(自重)によって上側の給水タンク1から自然に被電解水Sが供給される仕組に成っており、また、電解槽5の内部にはプラスとマイナスの各電極5A,5Bが挿入されていて、給水タンク1から送水されて来る被電解水Sを電気分解するように構成されている。
【0019】
上記の電解槽5には、内部を隔膜で仕切って酸性水とアルカリ水を生成するものと、無膜式にして中性水を生成するものとが存在するが、本発明ではこれ等いずれの電解槽を用いてもよく、また、図1で示した構成では被電解水Sとして水道水を用いているが、給水管12の途中に食塩や塩酸等の電解質を充填して混合する充填タンクを接続して、これ等食塩水等を被電解水として給水タンク1に給水する場合もあって、その選択はいずれも任意とする。
【0020】
7は上記電解槽5の下側に止水バルブ6を介して接続した貯水タンクで、電解槽5で生成された電解水Tは、重力作用(自重)によって上側の電解槽5から自然に貯水タンク7内に流入して貯水される仕組に成っており、また、貯水された電解水Tが満水レベルに達して水位センサー8がこれを検知すると、直ちに上記電解槽5の電源スイッチ5T(図2)をOFFにして、電解運転を停止するように構成されている。
【0021】
尚、上記止水バルブ6の前後に流量調節バルブを取付けて流量調節してもよく、また、止水バルブ6はその開閉操作を手動で行う手動式に構成されていて、開閉操作に伴って連動スイッチ26(図2)を一緒にON/OFFして、止水バルブ6を開いている時だけ、即ち、連動スイッチ26がONしている時だけ、上記電解槽5の電解運転が行われる仕組に成っている。
【0022】
更に図中、9はその上下両端の導通口9Aと9Bを、上述した給水タンク1と貯水タンク7の各上部エアー溜り空間1X,7Xに夫々開口して、両エアー溜り空間1X,7Xの間を唯一空気導通する空気導通管、10は貯水タンク7に設けたエアー抜き口であって、貯水タンク7内の電解水Tが満水レベルに達してその水面TAが下側の導通口9Bを塞ぐと、給水タンク1への空気導通を絶って、給水タンク1から電解槽5に対して被電解水Sを給水しないように構成されている。
【0023】
18は貯水タンク7内の電解水Tを送水管19を通して取り出す送水ポンプ、17は取り出した電解水Tと水道水を混合して攪拌した後、出水口に送り出す攪拌槽、14は水道水を攪拌槽17に送る給水管、15と16はこの給水管14の途中に設けた出水バルブと流量センサーを示す。
【0024】
図2は上述した本発明に係る電解水生成装置の電気的構成を説明したブロック図であって、図中、20はCPU及びメモリ等(図示省略)を用いて構成した制御部で、この制御部20には電解電源スイッチ5T及び電極5A,5Bを備えた電源部21と、上述した給水タンク1の空表示用表示器1Hと、給水タンク1の上限と下限の各センサー2,3と、貯水タンク7の水位センサー8と、給水バルブ13と、送水ポンプ18と、流量センサー16及び止水バルブ6に連動してON/OFFする連動スイッチ26が接続されていて、制御部20のメモリに格納されたプログラムに従って、夫々制御作動する仕組に成っている。
【0025】
次に、上述した本発明によって電解水を生成する処理手順を図3と図4に示したフローチャートに従って説明する。尚、図3は給水タンク1に対する被電解水Sの給水を、手動で給水バルブ13を操作して行う場合の操作手順を示し、また、図4は給水バルブ13を自動的に開閉作動して給水する場合の操作手順を示したものである。
【0026】
図3に示した手動給水の生成フローに於いて、ステップS1で電源(図示していないメインスイッチ)を投入すると、ステップS2で止水バルブ6の開閉に連動してON/OFFする連動スイッチ26のON/OFF状態が判定され、ON(開)の場合のみ次のステップS3に進んで給水タンク1の下限センサー3のON/OFFが判定されて、OFFの場合(空の場合)はステップS8に進んで空表示器1Hを点灯して手動による給水を促した後、始めのステップS2戻るが、ONの場合(被電解水Sが存在する場合)は、次のステップS4に進んで電解槽5による電解が開始される。
【0027】
電解開始後のステップS5では、貯水タンク7の水位センサー8のON/OFF、即ち、満タンになったか否かが判定され、ON(満タン)の場合はステップS6に進んで電解槽5の電解電源スイッチ5TをOFFして電解を停止し、次いで、ステップS7に進んで上記貯水タンク7の水位が再度判定されて、水位センサー8がOFFになると上述したステップS2に戻って再び処理を繰返す。
【0028】
尚、上記の水位センサー8がON(満タン)した場合は、電解水Tの水面TAが空気導通管9の導通口9Bを塞ぐため、電解槽5に対する被電解水Sの給水が停止されることは前述した通りである。
【0029】
一方、上述したステップS5で水位センサー8がOFFと判定された場合は、次のステップS9に進んで給水タンク1の下限センサー3のON/OFFが判定され、ONの場合は上記のステップS5に戻って処理を繰返すが、OFFの場合(空の場合)はステップS10に進んで電解電源スイッチ5TをOFFにして電解を中止し、次いで、前述したステップS8に進んで空表示器1Hを点灯して手動による給水を促した後、再び始めのステップS2に戻る。
【0030】
次に、図4に示した自動給水の生成フローに於いて、ステップS11からステップS20迄の各ステップで行われる処理は、いずれも上記図3で示した手動給水の生成フローで説明したステップS1からステップS10で行われる各処理と同一であるから、その説明を省略し、ここでは自動給水に関する処理ステップS21〜S23の処理手順に付いてのみ説明することにする。
【0031】
即ち、ステップS20で電解槽5による電解が中止されると、ステップS21に進んで給水バルブ13が開いて給水タンク1への被電解水Sの給水が行われ、次いで、ステップS22で給水タンク1の上限スイッチ2が満水レベルを検知してONすると、ステップS23に進んで給水バルブ13を閉じて給水を停止した後、ステップS12に戻って処理を繰返す。
【0032】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明に係る電解水生成装置によれば、給水タンクに収容した被電解水は重力で電解槽に流入し、また、電解槽で電解して生成した電解水も同じく重力で貯水タンクに流入して貯水されるため、ポンプ等の動力が一切不要に成るから、装置全体の構成を簡略化して、低コスト化及び省スペース化を可能にすると共に、電解水が必要量生成されて貯水タンクが満タンになると、自動的に電解運転を止め、合せて、電解槽に対する被電解水の給水も停止するため、無駄な生成を防止できる利点も備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電解水生成装置の全体を説明した構成図である。
【図2】本発明の電気的構成を説明したブロック図である。
【図3】手動給水による電解水の生成手順を説明したフローチャートである。
【図4】自動給水による電解水の生成手順を説明したフローチャートである。
【符号の説明】
1 給水タンク
1X 上部エアー溜り空間
2 上限センサー
3 下限センサー
5 電解槽
5T 電解電源スイッチ
7 貯水タンク
7X 上部エアー溜り空間
8 水位センサー
9 空気導通管
9A,9B 導通口
11 自動給水装置
12 被電解水の給水管
13 給水バルブ
S 被電解水
SA 水面
T 電解水
TA 水面

Claims (3)

  1. 給水タンクに貯水した被電解水を電解槽に送水しながら電解し、電解により生成された電解水を順次貯水タンクに貯水するように構成した電解水生成装置であって、
    上記給水タンクと電解槽と貯水タンクの位置関係を、給水タンクに貯水した被電解水が重力作用で下側の電解槽に流入し、且つ、電解槽で生成された電解水が重力作用で下側の貯水タンクに流入するように構成すると共に、給水タンクと貯水タンクの各上部エアー溜り空間の間を、唯一空気導通できる空気導通管で連通して、貯水タンク内の電解水が満水レベルに達すると、この空気導通管の導通口を塞いで上記給水タンクへの空気導通を絶つように構成したことを特徴とする電解水生成装置。
  2. 貯水タンクの満水レベル位置に貯水水位センサーを設けて、この水位センサーによる水位検知に従って電解槽の電源スイッチを開閉制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の電解水生成装置。
  3. 給水タンクの内部に、給水タンク内の水位によって被電解水の給水を制御する水位センサーを設けたことを特徴とする請求項1記載の電解水生成装置。
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