JP4976757B2 - 工作機械および複合型の工作機械 - Google Patents
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例えば、特許文献1に開示された技術では、ワークの搬送を搬送方向の主軸の移動機構(X軸移動機構)を利用して行なうことで、特別な搬送装置を設ける必要がないため、簡易な構成を実現している。
また、特許文献2に開示された技術では、マシニングセンタのオートツールチェンジャを利用して、加工ツールとワークの把持具とを交換することで、工程間の仮置き場を不要にしてコンパクト化を実現している。
特許文献2に記載の技術においても、特許文献1と同様に主軸にワークの把持具を装着している。このため、各工程間を搬送する搬送ロボットをマシニングセンタの外側に別途配置しているため、マシニングセンタないし加工ラインの大型化を招き、設備費を増大させるおそれがある。
また、加工設備の大型化は、切り粉やクーラントによる汚染、およびその回収処理等の付帯設備の大型化を招くだけではなく、クーラント等の消耗品の使用量が増大し、環境保護および衛生面でも弊害が危惧されていた。
そして、主軸の回転または移動により、移送用アームを回転させてワークを搬送することで、主軸の外側に別途搬送装置を設ける必要がないので、コンパクトな搬送機構を実現することができる。
また、ワークの搬送のために、搬送方向に沿った移動機構の移動距離を長くする必要がないので工作機械のコンパクト化を実現することができる。
かかる構成によれば、搬送装置の後端部にワークを搬入搬出する開口部を設けたことで、ワークの前後方向の搬入搬出を容易に行なうことができる。
本発明の請求項4に記載の加工ラインによれば、ワークの搬送方向に沿って本発明に係る工作機械を並べて配置することで、工程間の搬送装置を別途設けることなく、複数の工作機械を隣接させて加工ラインを構成することができるため、省スペース化を実現して、設備費用を削減することができる。
かかる構成によれば、各工程ごとに排出物を回収するための回収装置を設けるのではなく、全体を一体化することで、全体として省スペース化を図ることができ、切り粉や潤滑油、クーラント等の回収を効率よく行なうことができる。このため、切り粉や潤滑油、クーラント等による汚染、およびその回収処理等の付帯設備の大型化を回避して、クーラント等の消耗品の使用量を削減し、環境保護および衛生面でも優れた効果が期待される。
参照する図面において、図1は本発明の実施形態に係るマシニングセンタの全体構成を説明するための側面から見た断面図である。図2は搬送用アームの構成を説明するための模式図であり、(a)は側面図を示し、(b)は平面図を示す。
また、3軸方向の取り方は種々あるが、本実施形態においては、図1に示すように、左右方向をX軸とし、前後方向をY軸とし、上下方向をZ軸とする。ただし、工作機械の種類等により異なるものであることを確認する。
そして、マシニングセンタ1の後部には開口部であるワークWの搬入口18が設けられ、マシニングセンタ1の前部は搬出口として開放されている。つまり、ワークWの搬送方向は、マシニングセンタ1の前後方向であって、ワークWはマシニングセンタ1の後部側(図1における右側)から前部側(図1における左側)へ向かって搬送される。
また、本実施形態においては、マシニングセンタ1の外部を覆う筐体を設けていないが、筐体を設けることもできる。
クランプ装置51は、ワークWがテーブル5の所定の位置に載置された状態で固定されるように図示しない制御部で制御されている。クランプ装置51は、一例として、エア等を駆動源としてテーブル5上で回動および上下動可能に制御できるように構成されている。
ローラコンベア6の後端部(本図上の右側)は、マシニングセンタ1の後端部まで達するように延設されている。このようにローラコンベア6を配置することで、ローラコンベア6からテーブル5に円滑にワークWを移動することができる。そして、マシニングセンタ1の後方に隣接して他のマシニングセンタを連結して配置した場合にも、他のマシニングセンタのテーブルからこのマシニングセンタ1のローラコンベア6への受け渡しを円滑に行なうことができる(図4を併せて参照)。
そして、本実施形態においては、ローラコンベア6を使用しているが、これに限定されるものではなく、ベルトコンベアでもよく、エアシリンダ等の移動手段を使用してもよい。また、モータ等の駆動源を備えていてもよい。
なお、本実施形態においては、一例として、円柱形状のローラタイプの係合爪83を使用しているが、これに限定されるものではなく、ワークWの形状に合わせて適宜選定することができる。
また、ワークWを掴んで保持できるフィンガタイプのものを使用することもできる。この場合には、ワークWを掴んで持ち上げることができるので、ローラコンベア6とテーブル5との間に高低差や隙間がある場合にも適用できる。
マシニングセンタ1は、工具Tを装着する主軸11と、主軸11を回転自在に支持しモータ11aを内蔵した主軸ヘッド12と、主軸ヘッド12を上下方向に移動自在に支持するZ軸移動機構4を構成するX軸サドル13と、X軸サドル13を左右方向に移動自在に支持するX軸移動機構2と、X軸移動機構2およびZ軸移動機構4を前後方向に移動自在に支持するY軸移動機構3と、を備えている。
そして、X軸移動機構2、Y軸移動機構3、およびZ軸移動機構4は、一例として、ボールねじによるナットの送り機構と、可動部をガイドする直線移動ガイドとを組み合わせて構成されている。
X軸移動機構2は、Y軸サドル3aに固定され図示しないボールねじを回転する駆動装置34と、前記ボールねじに螺合されこのボールねじに沿って移動する図示しないナットと、このナットに固定されたX軸サドル13と、X軸サドル13を左右方向に移動自在に支持する直線移動ガイド33と、を備えて構成されている。
Y軸移動機構3は、フレーム14に固定されボールねじ21を回転する駆動装置24と、ボールねじ21に螺合されボールねじ21に沿って移動するナット22と、ナット22に固定されたY軸サドル3aと、Y軸サドル3aを前後方向に移動自在に支持する直線移動ガイド23と、を備えて構成されている。
また、本実施形態においては、直交する3軸方向に移動する移動機構を備えたマシニングセンタ1について説明したが、3軸に限定する趣旨ではなく、少なくとも3軸を備えたものであればよく、直交する3軸方向に移動する移動機構の他に、テーブルが回転するものや主軸ヘッドの首振り機構を備えたものでもよく、この首振り動作を併用してワークを搬送するようなものも含まれる。
前工程で加工が終了したワークWが搬入口18(図1)からローラコンベア6上の所定の基準位置に搬入される。この間、自動工具交換装置ATCにより、マガジンMに収納された移送用アーム8を取り出して主軸11に装着し、主軸11をX軸、Y軸、およびZ軸方向に移動して、移送用アーム8を所定の位置に移動させる。
この位置から、図2(a)に示すように、主軸11をさらに回転させながら移送用アーム8の角度および位置を調整して、係合爪83をワークWに係合させる。
そして、主軸11に装着された移送用アーム8をワークWに係合させた状態で、図2(b)に示すように、主軸11をさらに回転させながら移送用アーム8を回転移動させることで、ワークWを搬送方向Fに移動させることができる。この際に、主軸11をX軸方向に沿ってテーブル5から遠ざかる方向に移動させることで、係合爪83とガイドフレーム61との干渉を防止することができる。
マシニングセンタ1においては、主軸11に着脱可能な移送用アーム8を装着して、この移送用アーム8によりワークWを搬送することで、ワークWの搬送ストロークを拡大している。つまり、このようなワークWをY軸方向に搬送する場合において、Y軸移動機構3の移動ストロークに加えて、主軸11に装着した移送用アーム8の回転による搬送ストロークを併用することで、搬送ストロークを拡大することができる。このため、ワークWを搬送するためにY軸移動機構3の移動ストロークを拡大する必要がないので、搬送方向(Y軸方向)の省スペース化を実現することができる。
そして、移送用アーム8の駆動力は、主軸11の回転力を利用しているため、ローラコンベア6には別途駆動装置を設ける必要がないので、マシニングセンタ1のコンパクト化および省エネルギー化をも実現することができる。
このため、ワークWに対して主軸をX軸、Y軸、およびZ軸方向に移動させることで、ワークWと係合される係合爪83を様々な軌跡を描いて自在に移動させることができる。しかも、主軸11側を移動させて、テーブル5を固定することができるため、テーブル5が移動するスペースを確保する必要がないので、装置全体のコンパクト化を実現することができる。
本発明の参考例に係るマシニングセンタは、前記したマシニングセンタ1に対して、移送用アームと搬送コンベアが相違するものである。したがって、以下の説明において、前記した第1実施形態に係るマシニングセンタ1と同じ構成要素については、同一の符号を使用して、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の参考例に係るコンベアの動力伝達機構を模式的に示す正面図である。
具体的には、本参考例に係るローラコンベア6′は、図3に示すように、搬送ローラ6a′がチェーン6b′で連結され、図示しないスプロケットを介して搬送ローラ6a′を回転することができるように構成されている。スプロケットには動力伝達機構である駆動ギア6c′が結合されており、この駆動ギア6c′に主軸11に装着され駆動源となるアタッチメントであるギアアタッチメント8′を噛合して搬送ローラ6a′を回転する。
そして、ギアアタッチメント8′を主軸11に装着した状態で主軸11を回転させれば、ギアアタッチメント8′を回転駆動させることができるため、このギアアタッチメント8′をローラコンベア6′のスプロケットに結合された駆動ギア6c′に噛合させることで、搬送ローラ6a′を回転させてワークWを搬送することができる。
また、保護カバー16は、3台のマシニングセンタ1,1,1分を一体として連結されており、巻取りができるように配設されている。
加工ライン1′を構成する3台のマシニングセンタ1,1,1は、図1において前記したように主軸11に装着できる移送用アーム8でワークWを搬送することができるため、マシニングセンタ1の外側に搬送装置を設ける必要がないので、3台のマシニングセンタ1,1,1を隣接して配置することができる。
このため、加工ラインをコンパクトに構成することで、省スペース化を実現して、設備費用を削減することができる。
例えば、マシニングセンタ1のテーブル5を固定して主軸11をX軸、Y軸、およびZ軸方向に移動するそれぞれの移動機構2,3,4を設けているが、これに限定されるものではなく、例えば、X軸方向に搬送する場合であれば、Y軸方向の移動はテーブル5を移動させてもよい。同様に、Y軸方向に搬送する場合であれば、X軸方向の移動はテーブル5を移動させてもよい。このように、搬送方向および搬送装置と各移動機構との関係は様々なバリエーションが設定される。
1′ 前後方向における加工ライン
1a′ 左右方向における加工ライン
2 X軸移動機構(移動機構)
3 Y軸移動機構(移動機構)
4 Z軸移動機構(移動機構)
5 テーブル(保持装置)
6 ローラコンベア(搬送装置、搬送コンベア)
8 移送用アーム(ワーク移送手段)
11 主軸
12 主軸ヘッド
13 X軸サドル
14 フレーム
15,15′ オイルパン(回収装置)
18 搬入口(開口部)
51 クランプ装置(保持装置)
61 ガイドフレーム
ATC 自動工具交換装置(工具交換機構)
M マガジン
T 工具
W ワーク
Claims (5)
- 複数の工具を収納するマガジンと、このマガジンから任意の工具を選択し、選択した工具と主軸に装着された工具との間で交換可能な工具交換機構と、
ワークを加工する際にこのワークを保持する保持装置と、
前記主軸と前記ワークとを相対移動させるための移動機構と、を有する工作機械であって、
この工作機械に着脱可能に設けられ、搬送方向に向けて設けられたガイドフレームを有し前記ワークを搬送方向に搬送するための搬送装置と、
前記マガジンに収納され、前記工具交換機構により前記主軸に着脱可能に装着される移送用アームと、を備え、
前記保持装置は、前記ワークを載置するテーブルと、このテーブルに前記ワークを固定するクランプ装置と、を備え、
前記テーブルの高さと前記搬送装置の送り高さを合わせて当該テーブルに当該搬送装置が接合するように配置し、
前記主軸に装着した前記移送用アームに前記ワークを係合させた状態で、前記主軸を回転させるとともに移動させて前記ワークを前記テーブルと前記搬送装置との間で受け渡し前記ガイドフレームに沿って搬送することを特徴とする工作機械。 - 前記テーブルを前記工作機械の前部に配置するとともに、
前記搬送装置を前記テーブルの後方に配置し、
前記ワークを前後方向に搬送するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。 - 前記搬送装置の後端部には、前記ワークを搬入搬出する開口部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工作機械。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の工作機械を前記ワークの搬送方向に少なくとも2台隣接して並べて配置していることを特徴とする加工ライン。
- 前記ワークの加工に伴って排出される排出物を回収するための回収装置が前記各工作機械の下部に一体として設けられていることを特徴とする請求項4に記載の加工ライン。
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