JP4976743B2 - 車両用シートのシートバックパッド - Google Patents
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Description
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記板部材は、前記被覆シートの内面側に設けられたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記板部材は、前記被覆シートの外面側に設けられたことを特徴とする。
請求項1〜請求項7に記載の発明によれば、板部材が、シートバックパッドの合成樹脂発泡体よりなるパッド本体に支持されているので、板部材をヘッドレスト傾動機構側に支持させたりシートバックフレームに支持させたりする必要がなく、車両用シートに対する板部材の組付作業が容易となる。また、固定のための複雑な形状を板部材に形成する必要がなく、その製造が容易となる。加えて、板部材がパッド本体の背面に埋設されて一体化されているので、板部材によるパッド本体の損傷が解消される。
請求項4に記載の発明によれば、板部材に形成した通孔を通って合成樹脂発泡体が被覆シートに浸透硬化するため、板部材はパッド本体に対しより強固に保持される。
次に、この発明を具体化した第1実施形態について図1〜図6を用いて説明する。
図1に示すように、車両用シート10は、図示しない車体の床に固定されるシート座部11を備え、このシート座部11には、図示しない角度調節機構を介してシートバック12が支持されている。シートバック12は、図1に一部のみ図示するシートバックフレーム12aを備え、このシートバックフレーム12aには、発泡ポリウレタン等の合成樹脂発泡体よりなるシートバックパッド13が装着されている。また、シートバックフレーム12aには、支持軸16を介して傾動部材17が前後方向に傾動可能に支持されている。傾動部材17には、ヘッドレスト14が支持されている。この傾動部材17は、図示しないスプリングにより、ヘッドレスト14が後方に移動する方向に付勢されている。また、傾動部材17の下端には、傾動部材17を傾動させるための力を受ける受力部18が設けられている。なお、シートバックフレーム12a、シートバックパッド13、支持軸16、傾動部材17及び受力部18は、シートの表皮カバー12bにより覆われている。そして、支持軸16、傾動部材17及び受力部18等によりヘッドレスト傾動機構15が構成されている。
パッド本体19は、図6に示すように、成形型22a,22bを用いて成形される。このとき、被覆シート20及び板部材21は、成形型22a,22bのキャビティ23内の上部に配置される。このとき、板部材21の両セットピン通孔25の扇形状部25bには、キャビティ23内に突出する一対のセットピン24が挿入され、その後、板部材21を移動させることによって両セットピン24が扇形状部25bから円形部25aに配置される。そして、両セットピン24が円形部25aに対して嵌まることにより、板部材21がキャビティ23内の所定位置にセットされる。なお、セットピン24において、板部材21が嵌まる根元より先の部分は、同根元よりもやや拡径されている。このセットピン24の形状により、板部材21の外れや、後述する合成樹脂発泡体材料の発泡時における板部材21の位置ずれが防止される。
車両に対して後方から加わった衝撃により、車両用シート10上の搭乗者の背中によってシートバックパッド13のパッド本体19が後方に押されると、被覆シート20とともに板部材21が後方に移動される。すると、板部材21により受力部18が後方に移動され、傾動部材17が支持軸16回りに傾動する。このため、ヘッドレスト14は、前方へ移動し、搭乗者の頭部を支持する。
(1) 板部材21は、合成樹脂発泡体よりなるパッド本体19の背面に支持される。従って、板部材21をヘッドレスト傾動機構15側に支持させたりシートバックフレーム12aに支持させたりする必要がなく、車両用シート10に対する板部材21の組付作業が容易となる。また、固定のための複雑な形状を板部材21に形成する必要がなく、その製造が容易となる。加えて、板部材21がパッド本体19の背面に埋設されて一体化されているので、板部材21によるパッド本体19の損傷が解消される。従って、板部材21の製造を容易とし、また、板部材21の組付作業を容易とすることができるとともにパッド本体19の損傷を抑制することができる車両用シートのシートバックパッド13を提供することができる。
次に、この発明を具体化した第2実施形態について図7〜図10を用いて説明する。なお、前記第1実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、第1実施形態と異なる構成のみについて説明する。
(6) パッド本体19と板部材21との間に被覆シート20が介在されるため、車両振動や、パッド本体19の継続する伸縮変形に起因して、板部材21がパッド本体19に与えるダメージ(例えば、板部材21による亀裂等)を低減することができる。
・ 図5に二点鎖線で示すように、板部材21に対応するだけの大きさの被覆シート20を板部材21の外側に設け、樹脂通孔27及び扇形状部25bを通じてパッド本体19に結合する。この場合には、板部材21が被覆シート20を介して受力部18を押すので、衝突音が低減される。
・ 前記被覆シート20として、柔軟性を有する合成樹脂フィルムを用いる。この場合、パッド本体19の成形時において、キャビティ23内に配置した合成樹脂フィルムの内面に接着剤を付与しておき、成形されたパッド本体19の背面に合成樹脂フィルムを接着させる。
Claims (7)
- 合成樹脂発泡体よりなるパッド本体の背面に、ヘッドレスト傾動機構を動作させるための剛体よりなる板部材を埋設し、前記パッド本体の背面には、前記板部材に対面する領域を包囲する領域に対して被覆シートが結合一体化されたことを特徴とする車両用シートのシートバックパッド。
- 前記被覆シートは、不織布であることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートのシートバックパッド。
- 前記板部材は、前記被覆シートの内面側に設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用シートのシートバックパッド。
- 前記板部材に形成した通孔を通じて前記被覆シートが前記パッド本体に結合されたことを特徴とする請求項3に記載の車両用シートのシートバックパッド。
- 前記板部材は、前記被覆シートの外面側に設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用シートのシートバックパッド。
- 前記被覆シートにおいて前記板部材の内側に位置する部分には、同板部材に被覆シートを密着させるためのスリットが形成されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用シートのシートバックパッド。
- 前記板部材の外周面は、前記パッド本体の前側に広がる斜面とされていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の車両用シートのシートバックパッド。
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