JP4976696B2 - プラズマcvd装置 - Google Patents

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この発明は、プラズマCVD(Chemical
Vapor Deposition)装置に関し、特に例えば内部に被処理物が収容される真空槽を有し、この真空槽を陽極とし被処理物を陰極とする第1電力の供給によって当該真空槽の内部にプラズマを発生させながら被処理物の表面に被膜を形成する、プラズマCVD装置に関する。
この種のプラズマCVD装置として、従来、例えば非特許文献1に開示されたものがある。即ち、この非特許文献1には、パルスDCプラズマCVD法によって硬質炭素膜であるDLC(Diamond
Like Carbon)膜を形成するのに適した装置が開示されており、具体的には、内部に処理品が収容される真空容器と、当該処理品がセットされた処理品回転機構に一方端子が接続されると共に他方端子が基準電位としての接地電位に接続されたパルスDC電源と、真空容器内を排気する真空排気系と、真空容器内に各種ガスを供給するガス供給系と、真空容器内を加熱する内部ヒータと、を備えた構成が、開示されている。そして、真空容器(壁部)は、接地電位に接続されている。
かかる構成の従来技術によれば、真空排気系によって真空容器内が排気された後、ガス供給系によって当該真空容器内にアルゴン(Ar)ガスやメタン(CH)ガス等の適宜のガスが供給される。また、このとき、内部ヒータによって真空容器内が適宜の温度に維持される。この状態で、パルスDC電源から真空容器を陽極とし処理品を陰極とするパルスDC電力が供給されると、真空容器内のガスが放電し、プラズマが発生する。そして、このプラズマ内のイオン、特にメタンガスが放電することによって生じる炭素(C)イオンが、処理品の表面に衝突することで、当該処理品の表面にDLC膜が形成される。
河田一喜,「パルスDCプラズマCVD法によるDLC膜の特性と応用」,表面技術,社団法人表面技術協会,2002年11月1日,第53巻,第11号,p.732−733
しかし、上述の従来技術では、真空容器が陽極として用いられるため、当該真空容器の内部、具体的には真空容器の内壁や当該真空容器と同電位(接地電位)とされた部分の近傍に、陽極グローが発生する。この陽極グローは、放電(プラズマ)を維持するのに必要な現象であるが、その状態は、極めて不安定である。特に、上述のDLC膜のような絶縁性被膜の形成用途においては、当該絶縁性被膜がその形成対象である処理品の表面以外の部分、例えば真空容器の内壁や当該真空容器と同電位とされた部分にも付着(堆積)するため、これらの近傍に発生する陽極グローの状態が次第に変化し、例えば導電性が維持されている箇所にのみ当該陽極グローが集中する。そして、このように陽極グローが集中すると、その集中する箇所が高温になり、ひいては溶融する等の不具合が生じる。さらに、かかる不安定な陽極グローの発生によって、処理品に対するプラズマの影響力が変化し、その結果、一定品質の被膜が得られない、換言すれば当該被膜の再現性が得られない、という問題もある。
そこで、この発明は、陽極グローによる影響を排除することができるプラズマCVD装置を提供することを、目的とする。
かかる目的を達成するために、この発明は、内部に概略円筒状の被処理物が収容される真空槽を有し、当該真空槽を陽極とし被処理物を陰極とする第1電力の供給によって当該被処理物の中空部にホロープラズマを発生させながら当該被処理物の内面に被膜を形成するプラズマCVD装置において、真空槽の内部に設けられ、当該真空槽の電位よりも高電位の第2電力が供給される第3電極を具備することを、特徴とするものである。
即ち、この発明では、真空槽の内部に、概略円筒状の被処理物が収容される。そして、この状態で、真空槽(具体的には真空槽の壁部)を陽極とし被処理物を陰極とする第1電力が、これら真空槽および被処理物間に供給される。これによって、これら真空槽(内壁)および被処理物間で放電が起こり、両者間にプラズマが発生し、特に被処理物の中空部にホロープラズマが発生する。そして、このホロープラズマを利用して、被処理物の内面に被膜が形成される。さらに、このホロープラズマを含むプラズマの発生に伴って、陽極としての真空槽の内部、具体的には真空槽の内壁や当該真空槽と同電位の部分の近傍に、陽極グローが発生する。ここで、真空槽の内部には、第3電極が設けられており、この第3電極には、陽極である真空槽の電位よりもさらに高電位の第2電力が供給されている。これにより、プラズマ内の電子が第3電極に流れ込み、真空槽に代わって当該第3電極が陽極として作用するようになる。そして、この第3電極と被処理物との間で放電が起こり、プラズマが維持される。さらに、陽極グローも第3電極に集中され、換言すれば当該陽極グローの発生位置が第3電極の近傍に固定される。これに伴い、真空槽の内壁や当該真空槽と同電位の部分の近傍に生じていた陽極グローは、消失する。
なお、この発明における第3電極は、複数であってもよい。特に、複数の被処理物が真空槽内に収容される場合には、これら複数の被処理物の配置状況に応じて、複数の第3電極を適宜配置するのが、望ましい。また、比較的に大型の被処理物や比較的に複雑な形状の被処理物が適用される場合にも、当該被処理物の大きさや形状等に応じて、複数の第3電極を適宜配置するのが、望ましい。
さらに、この発明では、第3電極を加熱する加熱手段を、設けてもよい。これは、上述したDLC膜等の絶縁性被膜の形成用途に、特に有効である。即ち、絶縁性被膜の形成用途においては、当該絶縁性被膜が第3電極にも付着する。そして、このように絶縁性被膜が第3電極に付着することで、当該第3電極の陽極としての作用が弱体化し、ひいてはプラズマが不安定になる恐れがある。そこで、第3電極をこれに付着した絶縁性被膜ごと加熱する加熱手段を、設ける。このようにすれば、第3電極に付着した絶縁性被膜が導電性を示すようになり、当該第3電極の導電性が維持される。これによって、第3電極の陽極としての作用が保障され、プラズマが安定化する。
なお、第3電極は、上述の第2電力が供給されることによって必然的に加熱されるので、この第2電力の供給をもって加熱手段とすることができる。
また、加熱手段は、第2電力とは別個の第3電力を第3電極に供給することによって加熱を行うものでもよい。このようにすれば、第3電極の電位と加熱温度とをそれぞれ別個に制御することができ、当該第3電極をより確実かつ安定的に陽極として作用させることができる。
そして、加熱手段は、第3電極の表面温度が600[℃]〜2000[℃]となるように加熱を行うのが、望ましい。かかる600[℃]〜2000[℃]という加熱温度によれば、どのような(種類の)被膜にも対応することができ、つまり第3電極の導電性を維持することができる。なお、第3電極の加熱温度を具体的にどれくらいにするのかは、被膜の種類や第3電極の材質等に応じて、適宜決定される。
さらに、この発明における第1電力は、非直流電力とするのが、望ましい。これは、特に、DLC膜等の絶縁性被膜の形成用途に、有効である。即ち、絶縁性被膜の形成用途において、例えば第1電力として直流電力が採用されるとすると、当該絶縁性被膜(被処理物)の表面に電荷が蓄積するといういわゆるチャージアップが生じ、不都合である。このチャージアップを防止するには、第1電力として非直流電力を採用すればよい。具体的には、例えば、周波数が50[kHz]〜250[kHz]の非対称パルス電力、或いは、周波数が13.56[MHz]の高周波電力を、当該第1電力として採用する。ただし、高周波電力を採用する場合には、当該高周波電力の供給源と被処理物との間のインピーダンスを整合させるためのインピーダンス整合器、いわゆるマッチングボックスが、必要になる。なお、導電性被膜の形成用途においては、第1電力として直流電力を採用してもよい。
一方、第2電力は、真空槽の電位に対して20[V]〜200[V]の電位差を有する直流電力とするのが、望ましい。ここで、例えば、当該電位差が大きいほど、プラズマ内の電子が第3電極に流れ込み易くなり、また当該第3電極に対する陽極グローの集中力も向上する。ただし、当該電位差が大きいほど、プラズマの電位が上昇し、これに伴って当該プラズマ内のイオンのエネルギが増大する。そして、このプラズマ内のイオンエネルギが過大であると、スパーク(異常放電)が発生する等の不具合が生じる。これらを考慮すると、当該電位差は20[V]〜200[V]が適当であり、好ましくは50[V]〜80[V]が適当である。
この発明によれば、真空槽内に設けられた第3電極に陽極グローが集中し、つまり当該陽極グローの発生位置が第3電極に固定される。従って、陽極グローが極めて不安定である上述の従来技術とは異なり、当該陽極グローによる影響を排除することができ、例えば真空槽を含む各構成要素の損傷を防止し、併せて良好な被膜の再現性を得ることができる。そして、この効果は、特に絶縁性被膜の形成用途において、顕著に現れる。
この発明の一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に示すように、この実施形態に係るプラズマCVD装置10は、両端が閉鎖された概略円筒形の真空槽12を備えている。この真空槽12は、当該円筒形の両端を、上下に位置させた状態、つまり上面および下面とした状態で、設置されている。なお、この真空槽12の内部空間の直径は、例えば約600[mm]であり、高さ寸法は、例えば約500[mm]である。また、真空槽12は、耐食性および耐熱性の高い金属、例えばSUS304等のステンレス製とされており、その壁部は、基準電位としての接地電位に接続されている。
さらに、真空槽12の壁部の適宜位置(図1において左側の側壁の略中央位置)には、排気口14が設けられており、この排気口14には、図示しない排気管を介して、真空槽12の外部に設けられた排気手段としての真空ポンプ16が結合されている。なお、図には詳しく示さないが、当該真空ポンプ16は、メカニカルブースタポンプとロータリポンプとを組み合わせたものである。
そして、真空槽12の内部には、横方から見ると概略櫛形に形成された言わば櫛形電極18が設けられており、この櫛形電極18に、被処理物としての複数のパイプ20,20,…がセットされる。なお、各パイプ20,20,…は、互いに同一規格品であり、具体的には両端が開放された概略円筒形のもの(円管)である。
より具体的に説明すると、櫛形電極18は、1本の丸棒状の支柱22と、この支柱22に取り付けられた複数、例えば3つの円盤状の基板台24,24,…とで、構成されている。このうち、支柱22は、耐食性および耐熱性に優れた金属、例えばステンレスまたはアルミニウム合金製であり、真空槽12内の略中央を当該真空槽12の下面から上面に向かって延伸するように設けられている。なお、支柱22の下方端側は、後述する絶縁碍子26を介して真空槽12の下面の略中央に固定されている。一方、支柱22の上方端は、真空槽12の上面よりも少し下方の位置において開放されている。つまり、真空槽12内における支柱22の長さ寸法(真空槽12の底面から支柱22の上方端までの距離)は、当該真空槽12内の高さ寸法よりも少し小さく、例えば約400[mm]とされている。また、支柱22の直径は、基板台24の大きさや重量、パイプ20の最大セット数等によって変わるが、例えば10[mm]〜50[mm]とされている。
一方、各基板台24,24,…もまた、ステンレスまたはアルミニウム合金製であり、互いに同一規格品である。そして、これらの基板台24,24,…は、支柱22を中心として同軸状に、かつ当該支柱22の長さ方向(垂直方向)において互いに一定の距離Dを置いた状態で、取り付けられている。さらに、それぞれの基板台24には、その両主面間を貫通する複数の円形の貫通孔28,28,…が設けられている。そして、それぞれの貫通孔28に、パイプ20が、当該貫通孔28の上方から挿入された状態でセットされる。このため、貫通孔28の直径は、パイプ20の外径よりもひと回り、例えば1[mm]〜2[mm]ほど大きい。また、それぞれのパイプ20の上方端には、その周縁から外方に向かって張り出した概略鍔状のフランジ30が設けられており、このフランジ30が貫通孔28の上方側開口部の周縁に係止(干渉)することで、当該パイプ20は保持される。なお、フランジ30の外径が貫通孔28の直径よりも大きいことは、言うまでもない。
ここで、各基板台24,24,…の直径は、それぞれにセットされるパイプ20の大きさ(外径)や個数等によって変わるが、例えば200[mm]〜500[mm]とされている。また、それぞれの基板台24の厚さ寸法tは、パイプ20の長さ寸法Lよりもフランジ30の厚さ寸法分だけ小さく、換言すればパイプ20の下方端が当該基板台24の下側主面と一致する程度とされている。さらに、各基板台24,24,…間の距離Dは、パイプ20の長さ寸法Lよりも大きく、例えば当該パイプ20の長さ寸法Lの1.2倍〜1.5倍程度とされる。この距離Dは、任意に設定可能とされているが、当該距離Dが小さ過ぎると各パイプ20,20,…内へのガスの回り込みが悪くなって後述するホロープラズマ(ホロー放電)が発生せず、大き過ぎるとパイプ20の最大セット数が減少し、生産性が低下する。従って、各基板台24,24,…間の距離Dは、上述の如くパイプ20の長さ寸法Lの1.2倍〜1.5倍程度とするのが、適当である。
そして、上述の絶縁碍子26は、概略円柱状のものであり、真空槽12の下面の略中央において当該真空槽12の下面を貫通するように設けられている。そして、この絶縁碍子26の中央を垂直方向に沿って貫通するように、櫛形電極18の支柱22が、当該絶縁碍子26に強固に固定されている。かかる構成により、櫛形電極18と真空槽12とが、互いに電気的に絶縁される。
さらに、各パイプ20,20,…には、櫛形電極18を介して、真空槽12の外部に設けられた第1電力供給手段としてのパルス電源装置32から、接地電位を基準とする第1電力としての非対称パルス電力Wpが、供給される。具体的には、パルス電源装置32の陰極端子は、真空槽12の外部に引き出された支柱22の下方端に接続されており、当該パルス電源装置32の陽極端子は、接地電位に接続されている。そして、非対称パルス電力Wpとして、ハイレベル(Hレベル)の電圧値が+37[V]、ローレベル(Lレベル)の電圧値が−37[V]以下の、いわゆる負パルス電力が、採用される。なお、このローレベル電圧値は、任意に調整可能とされており、概ね−50[V]〜−1500[V]の範囲で調整される。また、当該非対称パルス電力Wpのデューティ比(1周期に対するハイレベル期間の比率)も、任意に調整可能とされている。そして、これらローレベル電圧値およびデューティ比の調整によって、非対称パルス電力Wpの大きさ、言わばパルス出力(以下、このパルス出力についても符号Wpで表す。)が、決定される。さらに、非対称パルス電力Wpの周波数もまた、50[kHz]〜250[kHz]の範囲で任意に調整可能とされている。
そしてさらに、真空槽12内における櫛形電極18の支柱22よりも少し上方には、当該支柱22の延長線を中心軸として概略円環状に形成されたガスノズル34が設けられている。そして、このガスノズル34は、ガス導入管36を介して、真空槽12の外部に設けられたガス供給手段としての図示しないガス供給装置に、結合されている。ガス供給装置は、放電用ガスとしてのアルゴンガス、洗浄用ガスとしての水素(H)ガス、材料ガスとしてのテトラメチルシラン(Si(CH;以下TMSと言う。)ガスおよびアセチレン(C)ガスのそれぞれの供給源を備えている。そして、このガス供給装置からガス導入管36およびガスノズル34を介して真空槽12内に、これらのガスが適宜導入される。なお、図には示さないが、ガス導入管36には、各ガスの流量を個別に調整するための流量調整手段、例えばマスフローコントローラと、当該各ガスの流通を個別に開閉(ON/OFF)するための開閉手段、例えば開閉バルブとが、設けられている。また、ガスノズル34には、多数の小孔が設けられており、各ガスは、これらの小孔を通って、真空槽12内に導入(噴出)される。
また、真空槽12内のガスノズル34よりもさらに上方、例えば当該真空槽12の上面の近傍には、加熱ヒータ38が、設けられている。そして、この加熱ヒータ38には、真空槽12の外部に設けられた図示しないヒータ加熱用電源装置から、ヒータ加熱用電力としての交流電力が供給される。これによって、真空槽12内の温度が、例えば100[℃]〜300[℃]の範囲内で適宜加熱される。
一方、真空槽12内の下方の位置、詳しくは当該真空槽12の下面の近傍であって、櫛形電極18の支柱22に近い位置に、第3電極としての補助アノード40が、設けられている。具体的には、この補助アノード40は、高融点金属、例えばタングステン(W)製の細長い針金状のものであり、図2に併せて示すように、支柱22の半径方向に沿って延伸するように、設けられている(実際には、図2に示すようにクランク状に形成されている)。そして、この補助アノード40は、継手部材42および支持棒44を介して、真空槽12の側壁に固定されている。なお、真空槽12と支持棒44とは、図示しない絶縁部材によって互いに電気的に絶縁されており、つまり、真空槽12と補助アノード40とは、互いに電気的に絶縁されている。さらに、補助アノード40には、継手部材42および支持棒44を介して、真空槽12の外部に設けられた第2電力供給手段としての直流電源装置46から、接地電位を基準とする第2電力としての直流のアノード電力Waが、供給される。詳しくは、補助アノード40は、継手部材42および支持棒44を介して、直流電源装置46の陽極端子に接続されており、当該直流電源装置46の陰極端子は、接地電位に接続されている。なお、アノード電力Waの電圧値、言わばアノード電圧Vaは、例えば0[V]〜200[V]の範囲内で任意に調整可能とされている。
このように構成されたプラズマCVD装置10によれば、それぞれのパイプ20の内面にDLC膜を形成することができる。
具体的には、まず、放電洗浄処理が行われる。即ち、真空槽12内(櫛形電極18)にパイプ20,20,…がセットされた状態で、当該真空槽12内が真空ポンプ16によって高真空状態、例えば圧力Pが2×10−3[Pa]以下になるまで排気される。そして、この排気後、真空槽12内にアルゴンガスおよび水素ガスが導入される。この状態で、パルス電源装置34によるパルス出力Wpが例えば100[W]〜500[W]に設定されると、真空槽12(壁部)を陽極とし各パイプ20,20,…および櫛形電極18を陰極とする電圧が、これら両者間に掛かる。すると、真空槽12内のアルゴンガスおよび水素ガスのそれぞれの粒子(原子または分子)が放電して、プラズマが発生する。さらに、真空槽12内の圧力Pが或る一定の条件を満足するように設定されると、それぞれのパイプ20内(中空部)に濃いプラズマが発生する。このパイプ20内に発生するプラズマは、ホロープラズマと呼ばれている。そして、このホロープラズマ内のアルゴンイオンおよび水素イオンがパイプ20の内面に衝突し、これによって当該内面が放電洗浄(エッチング)される。
この放電洗浄処理の後、DLC膜の密着性を向上させるための中間層としての炭化珪素(SiC)膜が形成される。即ち、上述のアルゴンガスおよび水素ガスに加えて、TMSガスが、真空槽12内に導入される。すると、このTMSガスの粒子が放電し、珪素(Si)イオンおよび炭素イオンが生成される。この珪素イオンおよび炭素イオンは、それぞれのパイプ20内でも生成され、当該パイプ20の内面に衝突する。これによって、それぞれのパイプ20の内面に、珪素および炭素の化合物である炭化珪素膜が形成される。
そして、この炭化珪素膜の上に、DLC膜が形成される。即ち、上述の水素ガスおよびTMSガスに代えて、アセチレンガスが、真空槽12内に導入される。すると、各パイプ20,20,…内を含む真空槽12内において、このアセチレンガスの粒子が放電し、炭素イオンが生成される。そして、この炭素イオンは、それぞれのパイプ20の内面に衝突する。これによって、パイプ20の内面に、硬質炭素膜であるDLC膜が形成される。
なお、上述のホロープラズマは、真空槽12内の圧力P(単位;[Pa])が次の式1で表される値以上であるときに発生することが、実験により導き出された。
《式1》
P=k・φ−2
ここで、kは、放電用ガスによって決まる係数であり、当該放電用ガスがアルゴンガスである場合には、k=1000、好ましくはk=2000、より好ましくはk=3000が、適当である。そして、φは、パイプ20の内径(単位;[mm])である。
また、この式1に従う圧力Pの調整は、例えば真空ポンプ16を構成するメカニカルブースタポンプの回転数の制御によって、行われる。また、上述したマスフローコントローラによる各ガスの流量制御によっても、当該圧力Pを調整することができる。さらに、排気管14の途中にコンダクタンスバルブを設け、このコンダクタンスバルブによって当該圧力Pを調整することもできる。
ところで、この実施形態においても、上述の従来技術と同様に、真空槽12が陽極として用いられる。従って、当該真空槽12の内部、具体的には真空槽12の内壁や当該真空槽12と同電位とされた部分の近傍に、陽極グローが発生する。この陽極グローを含むプラズマが発生している状態(ディジタルスチルカメラによる撮影画像)を、図3(a)に示す。なお、この図3(a)に示す状態においては、直径が200[mm]の基板台24が1枚のみ設けられており、この1枚の基板台24に、内径φが9[mm]、長さ寸法Lが20[mm]のパイプ20が、68個セットされている(これについては上述した図2も同様である)。そして、真空槽12内にアルゴンガスが600[mL/min]という流量で導入されると共に、アセチレンガスが50[mL/min]という流量で導入されており、当該真空槽12内の圧力Pが約70[Pa]とされている。さらに、パルス出力Wpが100[W]とされており、当該パルス出力Wpの周波数は100[kHz]とされている。そして、アノード電圧Vaは0[V]とされている。
この図3(a)によれば、各パイプ20,20,…および櫛形電極18の周囲が、ぼんやりと白っぽく見える。この白っぽく見えるのが、プラズマである。特に、各パイプ20,20,…内(中空部)は、より白っぽく見えており、このことから、当該各パイプ20,20,…内に安定したホロー放電が生じていることが、認められる。さらに、図3(a)において上方寄りの略中央部分にも、白く見えるところがある。この部分は、ガスノズル34とガス導入管36との結合部分(継手)であり、この部分が白く見えるのは、ここに陽極グローが発生していることを示す。そして、図3(a)において左側の略中央部分に概略楕円状に白く見えるのも、陽極グローである。なお、この概略楕円状の陽極グローが発生している部分は、真空槽12の側壁に設けられた円形の窓枠である。また、上述した補助アノード40にも陽極グローが発生していることが、認められる。
これらの陽極グローが発生している部分は、いずれも導電性が維持されている部分、換言すればDLC膜を含む絶縁性被膜によって覆われていない部分である。従って、かかるDLC膜等の絶縁性被膜の形成用途においては、処理が進むに連れて、これら導電性が維持されている部分にも当該絶縁性被膜が次第に付着し、これによって陽極グローの発生状態が次第に変化する。そして、このように陽極グローの発生状態が変化することによって、当該陽極グローを含むプラズマの各パイプ20,20,…への影響力が変化し、ひいては一定品質の被膜が得られない、換言すれば当該被膜の再現性が得られない、という不具合が生じる。また、導電性が維持されている部分に陽極グローが集中することによって、それらの部分が高温になり、場合によっては溶融する等の別の不具合も発生する。
かかる不具合を防止するために、この実施形態では、真空槽12内に補助アノード40が設けられている。そして、この補助アノード40に、接地電位を基準とするアノード電圧Va、つまり陽極である真空槽12よりも高電位のアノード電圧Vaが、印加される。
即ち、陽極である真空槽12よりも高電位とされた補助アノード40が設けられることで、プラズマ内の電子が、当該補助アノード40に流れ込む。そして、真空槽12に代わって、補助アノード40が、陽極として作用するようになる。つまり、陽極としての補助アノード40と、陰極としての各パイプ20,20,…および櫛形電極18との間で、放電が起こり、プラズマが維持される。さらに、陽極グローもまた、補助アノード40に集中する。換言すれば、陽極グローの発生位置が、補助アノード40に固定される。これに伴い、上述の図3(a)においてガスノズル34とガス導入管36との結合部分や真空槽12の側壁の窓枠部分に発生していた陽極グローが、消失する。この状態を、図3(b)に示す。なお、図3(b)は、アノード電圧Vaが60[V]に設定されたときの状態を示し、これ以外の条件は、図3(a)のときと同様である。
この図3(b)によれば、補助アノード40の周囲が特に白くなっており、当該補助アノード40の周囲に陽極グローが集中していることが、分かる。そして、上述したガスノズル34とガス導入管36との結合部分、および真空槽12の側壁の窓枠部分には、陽極グローは認められない。このように、陽極グローの発生箇所が補助アノード40に固定されることで、当該陽極グローを含むプラズマが安定化し、良好な成膜処理を実現することができる。また、陽極グローが集中する補助アノード40は、上述しように高融点金属であるタングステン製とされているので、溶融する恐れもない。
なお、処理が進むに連れて、補助アノード40にもDLC膜が付着し、これによって当該補助アノード40の導電性が低下し、ひいては陽極としての作用が弱体化するのではないかと、懸念される。しかし、補助アノード40は、これにアノード電圧Vaが印加(アノード電力Waが供給)されることにより自然に発熱する。そして、このように補助アノード40が言わば自己発熱することによって、当該補助アノード40に付着したDLC膜が黒鉛の如く導電性を示すようになる。この結果、補助アノード40の導電性が維持され、当該補助アノード40の陽極としての作用が保障される。このアノード40の発熱温度は、アノード電力Waによって変わるが、600[℃]〜2000[℃]程度が適当である。具体的には、補助アノード40の直径が1[mm]、長さ寸法が50[mm]である場合には、これに約30[W]のアノード電力Waが供給されると、当該補助アノード40は600[℃]以上になる。なお、アノード電力Waは、アノード電圧Vaと、補助アノード40に流れる言わばアノード電流Iaと、の積(Wa=Va×Ia)である。
ここで、図4に、アノード電圧Vaとアノード電流Iaとの関係を示す。なお、この図4において、実線の折線Xは、パルス電力Wpが100[W]のときの関係を示し、点線の折線Yは、パルス電力Wpが200[W]のときの関係を示す。そして、一点鎖線の折線Zは、パルス電力Wpが400[W]のときの関係を示す。これ以外の条件は、上述した図3のときと同様である。
この図4によれば、パルス出力Wpが大きいほど、アノード電流Iaが大きくなる。このことから、プラズマ内の電子が補助アノード40に流れ込むことによって、当該アノード電流Iaが発生する、と推察される。そして、このアノード電流Iaは、アノード電圧Vaが大きいほど、大きくなる。このことから、アノード電圧Vaが大きいほど、より多くのプラズマ電子が補助アノード40に流れ込む、と推察される。なお、パルス出力Wpが100[W],200[W]および400[W]のいずれであるときも、アノード電圧Vaが20[V]以上であるときに、殆どの(つまり成膜処理に支障を来たさない程度に)陽極グローが補助アノード40に集中することが、目視により確認された。また、アノード電圧Vaが50[V]以上であれば、確実に陽極グローが補助アノード40に集中することも、確認された。このことから、アノード電圧Vaは、20[V]以上が適当であり、好ましくは50[V]以上が適当である。
ただし、アノード電圧Vaが大きいほど、プラズマの電位が上昇し、これに伴って当該プラズマ内のイオンのエネルギが増大する。そして、このイオンエネルギが過大であると、スパークが発生する等の不具合が生じる。これを考慮すると、アノード電圧Vaは、200[V]以下であるのが、好ましい。なお、アノード電圧Vaが80[V]〜200[V]の範囲内では、当該アノード電圧Vaの違いによる特段な差異は認められない。このことから、アノード電圧Vaは80[V]以下であるのが、より好ましい。
続いて、図5に、パルス出力Wpとアノード電流Iaとの関係を示す。また、アノード電流Iaとパルス電源装置32に流れる言わばパルス電流Ipとの比率R(=Ia/Ip)を求めると共に、この電流比Rとパルス出力Wpとの関係についても、図5に示す。なお、この図5において、実線の折線αが、パルス出力Wpとアノード電流Iaとの関係を示し、点線の折線βが、パルス電力Wpと電流比Rとの関係を示す。また、この図5に示す関係は、アノード電圧Vaが80[V]とされているときのものである。これ以外の条件は、図3のときと同様である。
この図5の折線αによれば、アノード電流Iaはパルス出力Wpに略比例する。このことは、上述の図4からも推察される。そして、図5の折線βによれば、電流比Rは約50[%]〜80[%]弱であり、つまりパルス電流Iaの約50[%]〜80[%]弱が補助アノード40に流入していることが、推察される。特に、パルス出力Wpが100[W]以上のときは、電流比Rは概ね75[%]前後であり、つまりパルス電流Iaの約75[%]が補助アノード40に流入していることになる。このことから、パルス電流Ia(プラズマ電子)のうちアノード電圧Vaに応じた比率Rの電流が補助アノード40に流れ込む(残りの電流は真空槽12に流れる)、と推察される。
以上のように、この実施形態によれば、補助アノード40に陽極グローが集中し、つまり当該陽極グローの発生位置が補助アノード40に固定される。従って、陽極グローが極めて不安定である上述の従来技術とは異なり、当該陽極グローによる影響を排除することができる。例えば、陽極グローによって補助アノード40以外の部分が溶融する等の不具合を防止することができ、併せて一定品質の被膜を形成することができる。
なお、この実施形態においては、補助アノード40を1つのみとしたが、これに限らない。例えば、それぞれの基板台24毎に当該補助アノード40を1つずつ設けてもよいし、これよりも多数または少数の補助アノード40を設けてもよい。また、基板台24の形状や真空槽12内の形状等に応じて、適宜数の補助アノード40を適宜位置に配してもよい。
さらに、この実施形態では、パイプ20,20,…の内面にDLC膜等の被膜を形成するという、いわゆる内面コーティング処理に、この発明を適用する場合について説明したが、このような用途に、この発明は有効である。即ち、内面コーティング処理においては、上述の如くホロープラズマが積極的に利用され、このホロープラズマを発生させるために、真空槽12内の圧力Pが例えば10[Pa]〜120[Pa]という比較的に高めの値に設定される(ホロープラズマを利用しない場合には、圧力Pはこれよりも1桁〜2桁低めの値に設定される)。そして、このように真空槽12内の圧力Pが高いときに、陽極グローが顕著に発生する。従って、この発明は、かかる真空槽12内の圧力Pが高めに設定される用途に、特に有効である。
また、第1電力として非対称パルス電力Wpを採用したが、これに限らない。例えば、周波数が13.56[MHz]の高周波電力を、第1電力として採用してもよい。ただし、この高周波電力を採用する場合には、当該高周波電力の供給源と被処理物との間のインピーダンスを整合させるためのマッチングボックスが、必要になる。従って、この実施形態のように非対称パルス電力Wpを採用する方が、高周波電力を採用する場合に比べて、プラズマCVD装置10全体の構成を簡素化し、かつ低コスト化することができる。
そして、上述した中間層としての炭化珪素膜を形成する際に、材料ガスとしてTMSガスを採用したが、これに代えて、例えばモノメチルシラン(CHSiH)ガスやジメチルシラン((CHSiH)ガス,トリメチルシラン((CHSiH),ヘキサメチルジシラン(Si(CH)ガス等の、当該TMSガス以外の有機シリコン系ガスを用いてもよい。ただし、取り扱い易さやコスト面、安全性等を考慮すると、TMSガスが好適である。
また、上述したDLC膜を形成する際の材料ガスとしてアセチレンガスを採用したが、これに代えて、例えばメタン(CH)ガスやブタン(C)ガス,ベンゼン(C)ガス等の、当該アセチレンガス以外の炭化水素系ガスを採用してもよい。ただし、取り扱い易さやコスト面、安全性等を考慮すると、アセチレンガスが好適である。
さらに、DLC膜以外の被膜を形成する用途にも、この発明を適用することができる。特に、絶縁性被膜を形成する用途に、効果的である。
そして、上述した補助アノード40をタングステン製としたが、これに限らない。例えば、タンタルやモリブデン、またはこれらの合金であるタンタルモリブデン等の、当該タングステン以外の高融点金属製としてもよい。
そしてさらに、上述した構成の補助アノード40に代えて、例えば図6に示すようなフィラメント100を採用すると共に、当該フィラメント100を加熱するための加熱用電源装置102を、上述した直流電源装置46とは別個に設けてもよい。具体的には、フィラメント100の両端間に加熱用電源装置102を接続する。そして、フィラメント100の一方端子(加熱用電源装置102の一方端子)に直流電源装置46の陽極端子を接続すると共に、当該直流電源装置46の陰極端子を接地電位に接続する。このようにすれば、補助アノードとしてのフィラメント100の電位(アノード電圧Va)については、直流電源装置46によって制御することができ、当該フィラメント100の加熱温度については、加熱用電源装置102によって制御することができる。これによって、フィラメント100をより確実かつ安定的に陽極として作用させることができる。なお、加熱用電源装置102は、交流のものに限らず、直流のものでもよい。
図1の構成において、各基板台24,24,…の直径を200[mm]とし、これらの基板台24,24,…に、内径φが9[mm]、長さ寸法Lが20[mm]のパイプ20を68個ずつ(合計204個)セットする。そして、次の手順に従って、各パイプ20,20,…の内面にDLC膜を形成する実験を行った。
即ち、まず、真空槽12内を、その圧力Pが2×10−3[Pa]以下になるまで排気する。そして、この排気後、放電洗浄処理を行う。具体的には、真空槽12内にアルゴンガスを400[mL/min]の流量で導入すると共に、水素ガスを600[mL/min]の流量で導入する。そして、パルス出力Wpを300[W]とし、アノード電圧Vaを80[V]とする。なお、このときの真空槽12内の圧力Pは、100[Pa]とする。また、パルス出力Wpの周波数は、100[kHz]とする。そして、かかる条件による放電洗浄処理を、20分間にわたって行う。
次に、中間層としての炭化珪素膜の成膜処理を行う。具体的には、アルゴンガスおよび水素ガスに加えて、TMSガスを10[mL/min]という流量で真空槽12内に導入する。なお、アルゴンガスおよび水素ガスの流量は、放電洗浄処理時と同じである。そして、真空槽12内の圧力Pを120[Pa]とすると共に、パルス出力Wpを上述と同じ300[W]とし、アノード電圧Vaについても上述と同じ80[V]とする。かかる条件による成膜処理を、5分間にわたって行う。
さらに続いて、DLC膜の成膜処理を行う。具体的には、水素ガスおよびTMSガスの導入を停止すると共に、これに代えて、アセチレンガスを50[mL/min]という流量で真空槽12内に導入する。また、アルゴンガスの流量を600[mL/min]とする。そして、真空槽12内の圧力Pを70[Pa]とすると共に、パルス出力Wpを600[W]とする。なお、アノード電圧Vaについては、上述と同じ80[V]とする。かかる条件による成膜処理を、60分間にわたって行う。
そして、このDLC膜の成膜処理の終了後、約20分間の冷却期間を置いて、真空槽12内からパイプ20,20,…を取り出す。
この一連の処理によって各パイプ20,20,…内に形成されたDLC膜の膜厚を測定したところ、約4[μm]であった。つまり、3.4[μm/h]という比較的に速い成膜速度を得ることができた。そして、個々のパイプ20について膜厚分布を測定したところ、±6.5[%]であり、略均一であった。さらに、各パイプ20,20,…間での膜厚分布を測定したところ、±12[%]であり、こちらも概ね均一であった。また、真空槽12内の適宜の位置にサーモラベルを貼着して、処理時の温度を測定したところ、200[℃]以下であり、DLC膜の処理温度としては比較的に低温であることが、確認された。そしてさらに、DLC膜の機械的特性を測定したところ、硬度が1800[HK]、摩擦係数が0.15であり、つまりDLC膜として十分な高硬度および低摩擦係数が得られた。かかるDLC膜は、例えばエンジンシリンダライナや燃料供給インジェクタスリーブ等のエンジン用部品等への応用が、期待される。そして、この一連の処理を繰り返したところ、略一定品質のDLC膜を形成することができた。つまり、良好な再現性が得られることが、確認された。
この発明の一実施形態の概略構成を示す図解図である。 同実施形態における補助アノードの外観を示す図解図である。 同補助アノードによる効果を示す図解図である。 同実施形態におけるアノード電圧とアノード電流との関係を示すグラフである。 同実施形態におけるパルス電力とアノード電流および電流比との関係を示すグラフである。 同実施形態の別の例を示す図解図である。
符号の説明
10 プラズマCVD装置
12 真空槽
18 櫛形電極
20 パイプ
32 パルス電源装置
40 補助アノード
46 直流電源装置

Claims (7)

  1. 内部に概略円筒形の被処理物が収容される真空槽を有し、該真空槽を陽極とし該被処理物を陰極とする第1電力の供給によって該被処理物の中空部にホロープラズマを発生させながら該被処理物の内面絶縁性被膜を形成するプラズマCVD装置において、
    上記真空槽の内部に設けられ該真空槽の電位よりも高電位の第2電力が供給される第3電極を具備することを特徴とする、プラズマCVD装置。
  2. 複数の上記第3電極を備える、請求項1に記載のプラズマCVD装置。
  3. 上記第3電極を加熱する加熱手段をさらに備える、請求項1または2に記載のプラズマCVD装置。
  4. 上記加熱手段は上記第2電力と別個の第3電力を上記第3電極に供給することによって加熱を行う、請求項3に記載のプラズマCVD装置。
  5. 上記加熱手段は上記第3電極の表面温度が600[℃]ないし2000[℃]となるように加熱を行う、請求項3または4に記載のプラズマCVD装置。
  6. 上記第1電力は非直流電力である、請求項1ないし5のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
  7. 上記第2電力は上記真空槽の電位に対して20[V]ないし200[V]の電位差を有する直流電力である、請求項1ないし6のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
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