JP2849831B2 - プラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマcvd装置

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JP2849831B2
JP2849831B2 JP23261689A JP23261689A JP2849831B2 JP 2849831 B2 JP2849831 B2 JP 2849831B2 JP 23261689 A JP23261689 A JP 23261689A JP 23261689 A JP23261689 A JP 23261689A JP 2849831 B2 JP2849831 B2 JP 2849831B2
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暢之 寺山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、放電によってプラズマ励起された材料ガ
スにより被加工物の表面に被膜を形成させるプラズマCV
D装置の改良に関する。
〔従来に技術〕
従来のプラズアCVD装置は、0.01〜10Torrの圧力の材
料ガス中で冷陰極グロー放電を行なわせ、これによって
材料ガスをプラズマ励起させて、金型、ドリルその他の
工具、プラスチック等の被加工物の表面に材料ガス反応
物の被膜を形成させていた。その際に被加工物が置かれ
る位置により、従来のプラズマCVD装置は二通りに大別
することができる。
A.大きな負電圧がかかる陰極上に被加工物を置く方法。
(第5図A) これは、排気管51を経て適当な真空ポンプにより排気
されている真空槽52内に、被加工物52を載置した陰極54
と陽極55とを対峙させて設け、ノズル56により槽内に材
料ガス及び放電ガスを供給し、真空槽52及び陽極55を接
地し、陰極54にて放電のための電圧を電源57によって与
えるものである。なお、被加工物53上に形成される被膜
が電気絶縁性であるときは、電源57として高周波電源を
使用する。
B.接地された陽極上に被加工物を置く方法。(第5図
B) これは、排気されている真空槽52内に、被加工物53を
載置した陽極55とを対峙させて設け、真空槽52及び陽極
55を接地し、陰極に電源57による電圧を印加し、陽光柱
空間内に被加工物を置いて被膜を形成させるものであ
る。
両者は、放電電極が二極のため構造が簡単であるこ
と、及び絶縁被膜を形成させる際は高周波電源を使用す
ることにより容易に持続的に放電を発生できること等の
長所を有する。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来装置Aにあっては、被膜形成速度を高めるため
に、陰極に投入する電力を増してプラズマ密度の上昇を
計ると、陰極に生ずる負のバイアス電圧が大きくなり、
プラズマ中のイオンが非常に大きな負の電圧(〜−1500
V)で加速されて被加工物に衝突するようになる。この
ために、被加工物の温度上昇が著しく、200℃程度の低
温での被膜形成は困難になり、かつイオンのスパッタエ
ッチングにより被加工物表面が荒れる等の問題を生ず
る。プラズマ密度をイオンの運動エネルギーとを独立し
て制御することができない。
従来装置Bにあっては、被加工物を陽光柱空間に位置
させることによって、イオン衝撃による被加工物の昇温
は従来装置Aよりも少ないと考えられるが、逆に陰極か
ら放出された二次電子が陽極へ向けて加速されるため
に、電子衝撃による被加工物の昇温を避けることができ
ない。発明者が行なった実験では、数分間でガラスが溶
融している。
しかも、両者AB共、立体的な被加工物に被膜を形成さ
せる場合に、外周面にはかなり均一に被膜を形成させる
ことができるが、凹所や内面には殆ど被膜が形成され
ず、特に材料ガス圧が高い場合にこの傾向が顕著であ
る。
材料ガス圧について研究するうちに、 (1)材料ガス圧が高いと、平面上には良好な膜質の被
膜が高速度で形成されるが、凹所等には被膜が形成され
にくいこと。
(2)材料ガス圧が低いと、凹所等にも比較的被膜が形
成され易いが、形成速度及び膜質が低下すること。
が判った。その原因は、次のように推測される。
まず、プラズマと被加工物表面との反応を考えると、
被膜形成に寄与するのは、プラズマ中の電子の衝突によ
って分解、解離、電離したイオン及びラジカルであり、
これらが被加工物面に堆積して被膜が形成される。それ
故、被膜の膜質及び形成速度は、被加工物面の温度にも
左右されるが、この他に被加工物面に入射するイオン及
びラジカルの両によって決り、被加工物面における膜厚
分布の均一性は、単位面積当りの入射量の均一性に依存
する。
ところで、窒素ガスを用いて二極グロー放電を行なわ
せ、陰極から100mmの位置に探針を挿入して探極法によ
り電子及びイオンの密度を測定してみると、ガス圧を1
桁程度変化させても、イオン密度は1010cm-3程度で余り
変化せず、中性粒子密度に対する割合は10-6〜10-5と非
常に小さいことが判った。
このように、材料ガス圧を変えても、イオン密度がそ
れ程変化しないにも拘らず、被膜の膜質及び形成速度が
大きく変化することから、被膜形成には、イオンよりも
ラジカルの方が大きく寄与していると推測されるに至っ
た。即ち、材料ガス圧が高いと、被加工物面に入射する
ラジカルの量が多いために、被膜の膜質及び形成速度が
向上するが、材料ガス圧を低くすると、被加工物面に入
射するイオンの量は大差がなくても、ラジカルの量が減
少するために、膜質及び形成速度が低下すると考えられ
る。
次に、被加工物の立体形状による膜厚の不均一性は、
空間におけるイオンの寿命と、被加工物表面に沿うガス
の流れの影響がか考えられる。即ち、材料ガス圧が高い
と、プラズマ空間で発生したイオンが被加工物面に到達
するまでに、何度も中性粒子、イオン、ラジカルなどと
衝突をくり返し、エネルギーを失ってゆく。特に被加工
物面の凹所ではこのことが顕著に現われ、イオンが到達
しなくく膜が形成されにくい。一方、ラジカルの場合
は、イオンのような衝突によるエネルギー損失が少な
く、一般に寿命が長いとされているが、ガスの流れの方
向に移動してゆくため、例えば凹所のように、流れに対
してよどみを作る場所に付着しにくく、よって被膜が形
成されにくい。
ところが、材料ガス圧を下げてゆくと、平均自由行程
が長くなり、イオンやガス分子同士の衝突頻度が減少
し、イオン及びラジカルたどの拡散係数が大きくなる。
そのために、凹所内にも余りエネルギーを失わずに到達
できるようになる。
従って発明者は、立体的な被加工物面に、高い温度上
昇を伴うことなく、良質の被膜を高い形成速度で可及的
に均一な膜厚で形成するには、低い材料ガス厚のもとで
より大きいイオンの密度のプラズマを作ること、並びに
これに必要な放電による電子流が被加工物に流入するの
を抑制して被加工物面の温度上昇を防ぐことが必要との
結論に達した。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、内部の排気手段を具えた真空槽を有し、
この真空槽内には、熱電子放射陰極と、イオン化電極
と、放電ガス供給ノズル及び材料ガス供給ノズルと、被
加工物とが配置されている。
上記真空槽の槽壁は接地されており、0電位にある。
上記熱電子放射陰極は、上記放電ガス供給ノズルの開
口に可及的に近い、放電ガス流の上流領域に設置され、
外部電源によって所望温度に加熱され、槽壁に対して0
または適当な負の電位に保たれている。熱電子放射陰極
の材料としては、高融点のタングステン、タンタル、モ
リブデン、炭素などや、酸化物陰極を用い、線状または
リボン状のものを複数本はるなどして、熱電子の放射量
の増大を計ることが望ましい。
上記イオン化電極は、槽壁に対して0または適当な正
の電位で、かつ熱電子放射陰極よりも十分高い電位に保
たれる。その設置位置は、通常は上記放電ガス流中にお
ける熱電子放射陰極に対面する位置である。しかし、熱
電子放射陰極から放射されてイオン化電極へ向う熱電子
流に、電界と直交する方向の磁場を与えて、放電ガス流
中における熱電子流の径路を延長を計る場合もあるの
で、その場合はイオン化電極は必ずしも熱陰極に対面し
ない。また、イオン化電極には必要に応じて加熱手段が
設けられるが、この加熱手段としては、イオン化電極自
体を抵抗発熱体で形成して通電によりこれを加熱する方
法や、イオン化電極に流入する電子流の衝撃を利用して
昇温させる方法等、適宜の手段を採用することができ
る。
上記放電ガス供給ノズルによって槽内に供給されるガ
スは、例えばアルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、
水素、窒素など、放電によってプラズマを生ずるが、分
解、解離により固体膜を作らないガスである。この放電
ガス流が可及的に上流で熱電子放射陰極から放射された
熱電子流に遭遇できるように、この放電ガス供給ノズル
は、槽壁に対して適当な正電位に保つことが望ましい。
上記材料ガス供給ノズルによって槽内に導入される材
料ガスは例えば、SiH4、TiCl4、BCl3、CH4、C2H2など分
解、解離により固体膜を作るガスである。この材料ガス
供給ノズルとしては、上記放電ガス供給ノズルから放電
ガスと材料ガスとを混合して供給させることにより、放
電ガス供給ノズルを兼用してもよい。また、放電ガス供
給ノズルとは別個に材料ガス供給ノズルを用いる場合に
は、これを可及的に被加工物に接近して開口させること
が望ましい。
上記被加工物は、発生した反応ガスイオンを被加工物
に導くために、0電位またひ適当な負の電位に保たれ
る。また、被加工物上に形成される被膜が絶縁性の場合
は、交流電位が与えられる。また、被加工物には、必要
に応じ被加工物を300℃以下の余り高くない温度に加熱
できるヒータが付設される。更に、被加工物は、必要に
応じ反応ガスイオンの入射方向を変えるために、適当な
軸を中心に回転できるように構成される。
上記熱電子放射陰極及びイオン化電極と上記被加工物
との間には、進退可能なシャッタを設けることが望まし
い。
更に、熱電子放射陰極とイオン化電極と放電ガス供給
ノズルとを含むユニットの複数個を、同じ真空槽内に共
通の被加工物に指向して異なる位置に設置することがで
きる。
〔作用〕
この発明においては、放電ガス中に熱電子放射陰極と
イオン化電極とを置き、陰極から放出される高いエネル
ギの熱電子をイオン化電極へ向けて加速させることによ
り、放電ガスはアーク放電を起こして高濃度のプラズマ
が生ずる。放電ガスは、上記アークに可及的に近い位置
に供給することにより、換言すれば放電ガス流の可及的
上流の圧力が高い位置で上記アークを起こさせることに
より、放電ガスをより高い割合でイオン化させることが
できる。この意味で、放電ガス供給ノズルにも正の電位
を与えて、この方向にも熱電子を加速することは有効で
ある。また、ガス圧が10-3〜10-4Torrといった低圧の場
合にイオン化の効率を高めるには、磁場によって熱電子
の飛距離を長くすることが有効であり、これに必要な磁
場の強さは数100ガウス程度である。
発生した多量の放電ガスイオンは、同じノズルから材
料ガスが供給されている場合は直ちに、また別のノズル
から材料ガスが供給されている場合は、材料ガスと混っ
た時点で、これをイオン化またはラジカル化する。この
ようにして生ずるプラズマが、必要とする放電条件に達
しないうちに被加工物に付着すると、形成される被膜の
組成が深さ方向に不均一になる。これを避けるために
は、放電開始当初はシャッタを閉じておき、所定の放電
条件に達したときにシャッタを開くようにする。
材料ガスのイオンを効果的に導くために、被加工物に
は適当な負の電位が与えられ、かつ反応が理想的に行わ
れるように適当な温度に加熱されている。更に被加工物
の周面に均一に被膜が付着するように、外部操作によっ
て被加工物の姿勢を変化させる。また、大きな立体的な
被加工物の場合は、同じ槽内に熱電子放射陰極とイオン
化電極と放電ガス供給ノズルとを含むユニットを複数個
設置し、異なる方向から被加工物に被膜を形成させる、
大きな面積の平面状被加工物の場合も同様である。
形成される被膜が電気絶縁性であるときは、被加工物
上の被膜表面が強く帯電し、放電によって膜質を損なっ
たり、被膜の成長を妨げたりするので、被加工物には直
流負電位に代えて高周波を印加する。また、このような
絶縁性被膜を作る材料ガスを放電ガスの共に供給する際
は、イオン化電極面が絶縁被膜に覆われて放電を続行で
きなくなるから、イオン化電極を加熱して生成した被膜
を蒸発させる。
第2図における曲線31は、この発明におけるプラズマ
発生のための電力とガス中の電子密度との関係を示す。
この測定に用いた装置は、 熱電子放射陰極:線径0.8mm、長さ100mmのタグステン・
フィラメント 加熱電流9V45A イオン化電極:8mm×100mmのタングステン板(非加熱) 熱電子放射陰極−イオン化電極間距離:20mm 磁界:無印加 供給ガス:N2、100scc/分 供給ガス圧:0.04Torr 測定には探極法を用い、探針を陰極から100mmの位置に
挿入して電子密度を測定した、ここで、プラズマ発生電
力とは、熱電子放射陰極とイオン化電極との間の電圧
と、イオン化電極に流入する電流値との積である。これ
に対し、同様な0.04TorrのN2ガス中で2極グロー放電を
行なわせ、プラズマ発生のための電力(放電電圧と放電
電流の積)と、陰極から100mmの位置で探針法によって
得た電子密度との関係を、第2図に曲線32として示す。
両者の比較により、この発明においては、2極グロー放
電に較べて、同じ電力で約10倍のイオンが得られ、プラ
ズマ発生の効率が極めて良いことが判る。
第3図は、第2図における曲線31を得たときと同じ状
態のもとでの、イオン化電極電圧とイオン化電極電流の
関係を示すものであり、曲線33、34、35、36はそれぞれ
陰極バイアス電圧が0V、−5V、−10V、−20Vである場合
をそれぞれ示す。これによると、陰極バイアス電圧を深
くすることにより、イオン化電極電圧が低くても、十分
な放電電流が得られ、イオン化電極電圧を上げてゆくと
放電電流は増大し、約17Aで飽和している。この場合、
陰極から放射される熱電子電流は0.5〜1mA程度である。
その放電の形態は、低電圧大電流であることからアーク
放電であり、かつ陰極バイアス電圧やイオン化電極電圧
によって制御できる安定した放電であることが判る。
第4図は、第2図と同じ状態で、熱電子放射陰極から
100mmの位置に被加工物の代りにステンレス板(150mm×
150mm)を起き、これを接地電位にして、イオン化電極
電圧と被加工物電流の関係を求めたものであり、曲線3
7、38、39、40、41はそれぞれ熱電子放射陰極のバイア
ス電圧がそれぞれ0V、−5V、−10V、−20V、−30Vであ
る場合を示す。これによると、陰極バイアス電圧を深く
すると、イオン化電極電圧が低くても、ガスは良くイオ
ン化され、被加工物に多量のイオンが流入することが判
る。なお、この被加工物電流は、被加工物の熱電子放射
陰極からの距離や被加工物自身の寸法により大きく変化
する。
このようにして、この発明では、低いガス圧で高いイ
オン密度のプラズマを発生させることができ、しかもイ
オン密度を高めるための大電力の電流を被加工物に流入
させなくてよいので、被加工物の温度上昇やイオン衝撃
による被加工物表面の荒れを防いで、被加工物の凹所に
まで良品質の被膜を高速度で形成させることができる。
〔実施例〕
第1図において、1は真空槽で、適当な排気ポンプに
至る排気管2が槽底に設けられている。気密シール3に
より槽壁を貫通して、回転軸4が槽内に挿入され、その
先端にヒータ5を有する被加工物支持台6が取付けられ
ており、7は支持台6上の被加工物を示す。ヒータ5の
両端は、気密引出栓8、8を経て、槽外の加熱電源9に
接続されている。回転軸4は、槽外において適当な回転
駆動装置10に結合され、かつ切換スイッチ11に接続され
ている。切換スイッチ11は切換端子11a及び11bを有し、
端子11aは0〜−2000Vの可変直流電源12に、端子11bは
可変高周波電源13に、それぞれ接続されている。
槽1の天井には、放電ガス供給ノズル14が絶縁シール
15によって貫通しており、ノズル14は槽外において0〜
+100Vの可変直流電源16に接続されている。ノズル14の
開口に接近して、タングステン・フィラメント17が配置
されており、フィラメント17の両端は気密引出栓18、18
を経て槽外の大容量(例えば10V 100A)の直流加熱電極
縁19に接続されて、約2000℃以上の熱電子放射温度に加
熱されており、かつバイアス電源20によって0〜−100V
の負電位が与えられている。21はイオン化電極でタング
ステン板で作られ、その両端は気密引出栓22、22を経て
槽外の加熱電源23に接続されて、抵抗加熱により約1500
℃に加熱されており、かつイオン化電源24により0〜+
100Vの電位が与えられている。必要に応じ、タグステン
・フィラメント17及びイオン化電極21を含む領域には、
紙面に垂直方向の磁界25が印加される。この磁界の強さ
は、数100ガウスである。
なお、26は、槽壁を貫通して被加工物7に近い位置で
開口している材料ガス供給ノズル、27は槽底を気密シー
ル28によって貫通している回転軸29に設けたシャッタで
ある。
上述の装置における好ましい寸法例は、タングステン
・フィラメント17と被加工物7との間が100mm(一般に
は50〜300mm)、タングステン・フィラメント17とイオ
ン化電極21との間が50mm(一般には10〜200mm)であ
る。
動作例1 上述の装置において、排気管2に接続された真空本ポ
ンプにより、真空槽1内を10-5〜10-7Torrに排気し、真
空ポンプの運転を続けながら、供給ノズル14より反応ガ
スとしてTiCl4とH2とN2の混合ガスを、それぞれ30、6
0、15scc/分と流量で導入し、槽内圧力を4×10-2Torr
といた。タングステン・フィラメント17を45Aの電流に
よって約2000℃に加熱し、電源20による陰極バイアス電
圧を−20V(電流10A)、電源24によるイオン化電極21の
電圧を+40V(電流15A)、電源16によるガス供給ノズル
14の電圧を+20V(電流5A)、直流電源12による被加工
物7の電圧を−50Vにそれぞれ設定し、窒化チタン膜の
形成を行なった。
上記により被加工物7上に窒化チタン膜を約10μm/時
の高速度で形成することができた。この窒化チタン膜は
黄金色で硬く、実用上十分な品質であった。
なお、比較のために同様な4×10-2Torrの混合ガス中
で2極グロー放電によって形成した膜は、プラズマ中の
イオンが少なくて十分反応していないために、黒色がか
って軟らかく、実用に耐える品質でなく、被膜形成速度
も約1μm/時と極めて遅いものであった。
動作例2 上述の装置において、供給ノズル14より反応ガスとし
てシラン(SiH4)及び窒素の混合ガスを、それぞれ40sc
c/分及び100scc/分の流量で槽内に供給し、真空ポンプ
の運転によって槽内圧力を4×10-2Torr保った。フィラ
メント17の加熱電流を45A、陰極バイアス電圧を−5V
(電流10A)イオン化電極21の電圧を+60V(電流15
A)、電源23によるイオン化電21の加熱電力を5V100A、
被加工物7に印加する高周波電源13の電力を50W(自己
バイアス−20V)にそれぞれ設定し、供給管14には電圧
を与えないで、窒化珪素被膜を形成させた。これにより
被加工物7上に、透明で硬質の窒化珪素被膜を10μm/時
の高速度で堆積させることができた。
なお、電源23によるイオン化電極21の加熱を行なわな
い場合は、電極面が絶縁被膜で覆われるために、数分間
で放電が停止してしまった。しかし、イオン化電極の加
熱を行なえば、付着してくる絶縁被膜を再蒸発させるた
めに、数時間以上にわたって安定な放電を維持すること
ができた。
また、上記と同圧力、同流量の条件下で、2極グロー
放電により被膜を形成させた場合は、如何に大きな放電
電力を投入しても、被膜の形成速度は1〜2μm/時にす
ぎず、しかもSi−H結合の多い十分反応していない被膜
しかできず、被膜は赤く着色されていた。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によるプラズマCVD装置は、
熱電子によりガスのイオン化を促進するとにより、低い
ガス圧のもとでもイオン密度の大きなプラズマを作るこ
とができると共に、このイオン化に必要な放電電力を被
加工物に流入させないので、良質の被膜を高い速度で、
しかも被加工物面の凹所にまで形成させることができ、
その際に起こる被加工物面のイオンや電子による衝撃が
少ないので、被加工面をイオン衝撃によって荒らしたり
過度に昇温させたりしない等の多くの長所を有してい
る。従って、複雑な表面形状の工具や金型などの表面処
理に好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例の縦断面図、第2図はこの発
明及び従来例のプラズマ発生電力対電子密度曲線図、第
3図はこの発明におけるイオン化電極の電圧対電流曲線
図、第4図はこの発明におけるイオン化電極電圧対被加
工物電流曲線図、第5図は2種類の従来の2極グロー放
電を用いたプラズマCVD装置の説明図である。 1……真空槽、2……排気管、4……回転軸、5……ヒ
ータ、6……被加工物支持台、7……被加工物、9……
被加工物加熱用電源、10……回転駆動装置、12及び13…
…被加工物の電位設定用電源、14……放電ガス供給ノズ
ル、16……放電ガス供給ノズルの電位設定用電源、17…
…熱電子放射陰極、19……陰極加熱用電源、20……陰極
バイアス用電源、21……イオン化電極、23……イオン化
電極加熱用電源、24……イオン化電極の電位設定用電
源。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部の排気手段を具えかつ槽壁が接地され
    ている真空槽内に、加熱手段を具え0または負電位に維
    持されている熱電子放射陰極と、この陰極の放射熱電子
    流に対面配置され上記熱電子放射陰極よりも高電位でか
    つ0または正電位に維持されているイオン化電極と、上
    記熱電子放射陰極から上記イオン化電極へ向う熱電子流
    の径路中へ放電ガスを供給する放電ガス供給ノズルと、
    上記熱電子流によって上記放電ガスに生じたプラズマが
    存在する空間に被膜形成材料となる材料ガスを供給する
    材料ガス供給ノズルと、上記プラズマ及び上記材料ガス
    の存在空間に位置し、上記熱電子放射陰極及びイオン化
    電極から電気的に独立していて0または負電位に維持さ
    れている被加工物とを配置してなるプラズマCVD装置。
  2. 【請求項2】上記イオン化電極は加熱手段を具え、これ
    により付着してくる物質を再蒸発させることができる温
    度に維持されていることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載のプラズマCVD装置。
  3. 【請求項3】上記熱電子放射陰極と上記イオン化電極と
    の間に、両者間の電界に直交する方向の磁場を形成する
    磁界発生装置が設けられていることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のプラズマCVD装置。
  4. 【請求項4】上記放電ガス供給ノズルは、上記熱電子放
    射陰極よりも高電位でかつ0または正電位に維持されて
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のプラ
    ズマCVD装置。
  5. 【請求項5】上記放電ガス供給ノズルは、上記放電ガス
    及び上記材料ガスの混合ガスを供給するよう構成するこ
    とにより、上記材料ガス供給ノズルを兼ねていることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載のプラズマCVD装
    置。
  6. 【請求項6】上記材料ガス供給ノズルは、上記被加工物
    に接近して開口していることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のプラズマCVD装置。
  7. 【請求項7】上記被加工物には加熱手段が付設されてい
    ることを特徴とするプラズマCVD装置。
  8. 【請求項8】上記被加工物は、ある軸を中心にして回転
    可能に支持されていることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載のプラズマCVD装置。
  9. 【請求項9】上記熱電子放射陰極と上記イオン化電極と
    上記放電ガス供給ノズルとを含むユニットの複数個を、
    共通に上記真空槽内において、共通の上記被加工物に指
    向させて異なる位置に設置したことを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のプラズマCVD装置。
JP23261689A 1989-09-07 1989-09-07 プラズマcvd装置 Expired - Fee Related JP2849831B2 (ja)

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