JP5968136B2 - Dlc粉末作製装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、DLC(Diamond like Carbon)粉末の作製装置および方法に関し、特に、オニオンライクカーボン(Onion
Like Carbon;以下「OLC」と言う。)の原料に適したDLC粉末の作成装置および方法に関する。
OLCは、直径が数nm〜数十nmの球状粒子であり、大気中および真空中のいずれにおいても極めて低い摩擦係数を示し、また、耐面圧性にも優れていることから、とりわけ固体潤滑剤としての応用が期待されている。このようなOLCの作製方法として、従来、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来技術によれば、衝撃合成法(爆発法)によって直径4nm〜6nmのダイヤモンド微粉末(Diamond Nano Powder;以下「DNP」と言う。)が作製される。そして、このDNPが1600℃〜1800℃の不活性ガス雰囲気中で加熱処理されることによってOLCが作製される。
特開平11−157818号公報
しかし、上述の従来技術では、OLCの原料であるDNPが1g当たり約5,000円(2012年6月現在)と比較的に高価であるため、最終目的物である当該OLCもまた高価になる、という問題がある。
そこで、本発明は、OLCの安価化を実現するべく、当該OLCの原料に適したDLC粉末を極めて低コストで作製できる装置および方法を提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、DLC粉末の作製装置に係る第1発明と、当該DLC粉末の作製方法に係る第2発明と、を含む。
このうちの第1発明は、基準電位に接続された真空槽と、この真空槽の内部に設置された開口形状の容器と、当該真空槽の内部に原料ガスとしての炭化水素系ガスを導入するガス導入手段と、を具備する。併せて、真空槽と容器とを一対の電極としてこれら両者に炭化水素系ガスを放電させるための交流の放電用電力を供給する放電用電力供給手段を、具備する。さらに、放電用電力の値が第1電力値となる第1期間と当該放電用電力の値が第1電力値よりも小さい第2電力値となる第2期間とが交互に形成されるように当該放電用電力の態様を制御する電力態様制御手段を、具備する。
このように構成された本第1発明によれば、基準電位に接続された真空槽の内部に、開口形状の容器が設置される。そして、この真空槽の内部に、原料ガスとしての炭化水素系ガスがガス導入手段によって導入される。この状態で、真空槽と容器とを一対の電極として、これら両者に、炭化水素系ガスを放電させるための交流の放電用電力が放電用電力供給手段によって供給される。すると、炭化水素系ガスが放電して、真空槽の内部にプラズマが発生する。そして、このプラズマ中の炭素イオンが一対の電極のうち基準電位に接続されていない側の電極である容器の表面、特に当該容器の内壁、に入射される。これにより、当該容器の内壁に、硬質炭素微粉末であるDLC粉末が堆積する。即ち、炭化水素系ガスという比較的に安価な物質を出発原料としてDLC粉末が作製される。このことは、DLC粉末の作製コストの低減に大きく貢献する。
その一方で、このような炭化水素系ガスを出発原料とするDLC粉末の作製要領によれば、プラズマ中の炭素ラジカルが重合反応して、一対の電極のうち基準電位に接続されている側の電極である真空槽の内壁に、微粉末状の重合体、言わば重合粉末、が必然的に付着する。この一種の副産物である重合粉末は、真空槽の内壁を汚染すると共に、本来の作製対象であるDLC粉末にとって不純物となる恐れがある等、種々の支障を来す。従って、適当な時期に、例えば1バッチが終了するごとに、この重合粉末を除去する必要がある。ところが、そうなると当然に、その除去作業のための余分な時間や手間が掛かり、結果的に、DLC粉末の作製コストが高騰する。これでは、安価な炭化水素系ガスを出発原料としてDLC粉末を作製することによる効果、つまり当該DLC粉末の作製コストの低減効果、が大きく薄れてしまう。
そこで、本第1発明ではさらに、一対の電極としての真空槽と容器とに供給される放電用電力の態様が電力態様制御手段によって制御される。具体的には、放電用電力の値が第1電力値となる第1期間と、当該放電用電力の値が第1電力値よりも小さい第2電力値となる第2期間と、が交互に形成されるように制御される。この制御によれば、第1期間においては、プラズマのエネルギが比較的に大きい状態となり、第2期間においては、当該第1期間よりもプラズマのエネルギが小さい状態となり、これら2つの状態が、交互に繰り返される。このような制御が成されることで、例えば放電用電力の値が一定とされる場合に比べて、つまりプラズマのエネルギが一定とされる場合に比べて、重合粉末の生成量が大幅に抑制されることが、このたびに、実験によって確認された。そして、このように重合粉末の生成量が大幅に抑制されることで、当該重合粉末の除去作業に掛かる時間や手間が大幅に削減され、ひいては安価な炭化水素系ガスを出発原料とすることによるDLC粉末の作製コストの低減効果が十分に発揮される。
なお、本第1発明によって作製されたDLC粉末は、OLCの原料として好適である。具体的には、DLC粉末は、真空中または不活性ガス雰囲気中で加熱されることによってOLCに変換される。即ち、炭化水素系ガスを出発原料としてOLCが作製されることになる。
本第1発明において、電力態様制御手段は、第1期間と第2期間と第1電力値と第2電力値とのそれぞれを任意に制御できるものであるのが好ましい。
特に、第1期間は、10ms〜10sの範囲で任意に制御できるのが好ましい。上述したように、第1期間においては、プラズマのエネルギが比較的に大きい状態にあるので、当該プラズマによるDLC粉末の作製作用も大きい。従って例えば、この第1期間が長いほど、DLC粉末の作製速度(レート)が高くなる。このことは、DLC粉末を効率よく作製するという観点では、好都合である。ただし、第1期間においては、プラズマ中の炭素ラジカルの重合反応も活発であるため、上述の重合粉末もまた生成され易い。ゆえに、第1期間が長いと、重合粉末の作製速度も相応に高くなり、この点では、不都合である。これとは反対に、第1期間が短いほど、重合粉末の生成速度が低くなるので、この点では、好都合である。しかし、第1期間が短いほど、DLC粉末の作製速度もまた低くなり、当該第1期間が過度に短いと、DLC粉末が作製されなくなり、極めて不都合である。これらの兼ね合いから、第1期間は、10ms〜10sの範囲が適当であり、より好ましくは200ms〜1sの範囲が適当であることが、このたび、実験によって確認された。
第2期間もまた、10ms〜10sの範囲で任意に制御できるのが好ましい。上述したように、第2期間においては、第1期間よりもプラズマのエネルギが小さい状態にあるので、当該プラズマによるDLC粉末の作製作用が小さい。従って例えば、この第2期間が長いほど、DLC粉末の作製速度が低くなり、不都合である。ただし、第2期間においては、プラズマ中の炭素ラジカルの重合反応も低調であるため、当該第2期間が長いほど、重合粉末の生成速度が低くなり、この点では、好都合である。これとは反対に、第2期間が短いと、特に過度に短いと、当該第2期間がないのと同様の状態となり、言い換えればプラズマのエネルギが大きい第1期間が連続するのと同様の状態となる。この状態では、DLC粉末の作製速度は高いが、重合粉末の生成速度もまた高く、やはり不都合である。これらの兼ね合いから、第2期間は、10ms〜10sの範囲が適当であり、より好ましくは200ms〜1sの範囲が適当であることが、このたび、実験によって確認された。
さらに、第2電力値は、第1電力値の20%以下であるのが好ましい。即ち、第1電力値(の好適値)は、特に容器の大きさによって変わるが、第2電力値は、当該第1電力値の20%以下とされるのが適当であり、より好ましくは0(ゼロ)とされるのが適当であることが、このたび、実験によって確認された。要するに、第1電力値および第2電力値がこのような関係とされると共に、第1期間および第2期間のそれぞれが上述の如く10ms〜10sの範囲とされることによって、DLC粉末を効率よく作製しつつ、重合粉末の生成量を大幅に抑制し得ることが、当該実験によって確認された。
加えて、ガス導入手段は、真空槽と絶縁された状態にあるガス導入管を含むものであってもよい。この場合、炭化水素系ガスは、ガス導入管を介して真空槽の内部に導入される。そして、ガス導入管は、その真空槽の内部における炭化水素系ガスの噴出口を容器の開口部の近傍に位置させるように設けられる。さらに、ガス導入管に対して基準電位を基準とする正電位の直流電力を供給する直流電力供給手段が設けられるのが、好ましい。この構成によれば、ガス導入管が、言わば陽極として機能する。そして、この陽極としてのガス導入管に、プラズマ中の電子が引き込まれる。この結果、ガス導入管の周囲、特にその炭化水素系ガスの噴出口の周囲に、高濃度の放電、いわゆるホローアノード放電が発生する。このホローアノード放電が発生することによって、つまり容器の開口部の近傍に当該ホローアノード放電という高密度な放電が発生することによって、その高密度な放電領域での炭化水素系ガスの分解効率が向上し、ひいては当該容器の内壁に作製されるDLC粉末の作製効率が向上する。
また、本第1発明においては、上述のプラズマを容器内に閉じ込めるための磁場を形成する磁場形成手段がさらに設けられてもよい。このような磁場形成手段が設けられることによって、容器内におけるプラズマの密度が向上し、ひいては当該容器の内壁へのDLC粉末の作製効率が一段と向上する。
本発明のうちの第2発明は、第1発明に対応する方法発明であり、基準電位に接続されると共に内部に開口形状の容器が設置された真空槽の当該内部に原料ガスとしての炭化水素系ガスを導入するガス導入過程を、具備する。そして、真空槽と容器とを一対の電極としてこれら両者に炭化水素系ガスを放電させるための交流の放電用電力を供給する放電用電力供給過程を、具備する。さらに、放電用電力の値が第1電力値となる第1期間と当該放電用電力の値が第1電力値よりも小さい第2電力値となる第2期間とが交互に形成されるように当該放電用電力の態様を制御する電力態様制御過程を、具備する。
上述したように、本発明によれば、安価な炭化水素系ガスを出発原料としてDLC粉末が作製されるので、当該DLC粉末の作製コストを大幅に低減することができる。また、この炭化水素系ガスを出発原料とするDLC粉末の作製要領においては、重合粉末という言わば不要な副産物が生成されるが、この重合粉末の生成量を大幅に抑制することができる。従って、この重合粉末を除去するための余分な時間や手間が大幅に削減され、ひいては安価な炭化水素系ガスを出発原料とすることによるDLC粉末の作製コストの低減効果が十分に発揮される。そして、このようにして作製されたDLC粉末は、OLCの原料として好適である。即ち、本発明によれば、OLCの原料として好適なDLC粉末を極めて低コストで作製することができる。
本発明の一実施形態に係るDLC粉末作製装置の概略構成を示す図である。 同実施形態におけるパルス電源装置から真空槽およびルツボへの放電用電力の供給態様を示す図解図である。 同実施形態における実験結果を示す図である。 同実験結果を示す別の図である。
本発明の一実施形態について、以下に詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るDLC粉末作製装置10は、両端に当たる部分が閉鎖された概略円筒形の真空槽12を備えている。この真空槽12は、当該円筒形の一方端に当たる部分(図1における上方部分)を上壁とし、他方端に当たる部分(図1における下方部分)を底壁として、設置されている。なお、この真空槽12の内部空間の直径は、約1100mmであり、高さ寸法は、約1000mmである。この真空槽12の形状や寸法は、一例であり、状況に応じて適宜に定められてもよい。また、真空槽12は、高耐食性および高耐熱性の金属、例えばSUS304等のステンレス鋼、によって形成されており、その壁部は、基準電位としての接地電位に接続されている。
さらに、真空槽12の壁部の適宜位置、例えば底壁の中央よりも僅かに外方寄り(図1における左寄り)の位置には、排気口14が設けられている。そして、この排気口14には、図示しない排気管を介して、真空槽12の外部に設けられている図示しない排気手段としての真空ポンプが結合されている。なお、真空ポンプは、真空槽12内の圧力Pを制御する圧力制御手段としても機能する。また、排気管の途中には、図示しない自動圧力制御器が設けられており、この自動圧力制御器もまた、当該圧力制御手段として機能する。
そして、真空槽12内の略中央位置には、容器としてのルツボ16が配置されている。このルツボ16は、一方端に当たる部分が開口されると共に、他方端に当たる部分が閉鎖された概略円筒形のものであり、当該開口部を上方に向けた状態で配置されている。このルツボ16の外径は、約300mmであり、高さ寸法は、約300mmであり、厚さ寸法(肉厚)は、側壁部および底壁部共に約1mm(数mm)である。このルツボ16の形状や寸法も、一例であり、状況に応じて適宜に定められ、特に形状については、概略円筒形に限らず、枡形や皿形等の開口形状であればよい。また、このルツボ16は、導電性および非磁性を有し、かつ、後述するDLC粉末100との密着性の低い高融点材料、例えばSUS304等のステンレス鋼、によって形成されている。勿論、これ以外の高融点金属、例えばモリブデン(Mo)やタンタル(Ta),タングステン(W),グラファイト(C)等によって、当該ルツボ16が形成されてもよい。
ルツボ16には、真空槽12の外部に設けられている放電用電力供給手段としてのパルス電源装置18から放電用電力としての非対称矩形波交流パルス電力Epが供給される。厳密に言えば、真空槽12を陽極とし、ルツボ16を陰極として、これら両者に、当該パルス電力Epが供給される。なお、パルス電源装置18は、パルス電力Epの電力値を制御する電力制御モードと、電流値を制御する電流制御モードと、電圧値を制御する電圧制御モードと、の3つの制御モードを有している。本実施形態においては、パルス電源装置18は、電力制御モードで使用される。この電力制御モードを含むいずれの制御モードにおいても、パルス電源装置18は、パルス電力Epの周波数を例えば10kHz〜250kHzの範囲で任意に制御することができ、また、デューティ比を例えば5%〜50%の範囲で任意に制御することができる。
さらに、パルス電源装置18には、電力態様制御手段としての電力制御装置20が接続されている。この電力制御装置20は、パルス電源装置18からルツボ16に供給されるパルス電力Epの態様を図2に示すような態様に制御する。即ち、電力制御装置20は、パルス電力Epの電力値がE1という比較的に大きい値となる高電力期間T1と、この高電力期間T1における電力値E1よりも小さいE2(<E1)という電力値となる低電力期間T2と、が交互に形成されるように、言わば矩形波状に、パルス電源装置18からルツボ16への当該パルス電力Epの供給態様を制御する。なお、電力制御装置20は、高電力期間T1,低電力期間T2,高電力値E1および低電力値E2のそれぞれを任意に制御することができる。具体的には、高電力期間T1および低電力期間T2のそれぞれは、例えば10ms〜10sの範囲で任意に制御可能とされている。そして、高電力値E1は、ルツボ16の大きさ(径)等によって変わるが、例えば最大10kWまで任意に制御可能とされている。低電力値E2もまた、任意に制御可能であるが、当該低電力値E2は、高電力値E1の20%以下(E2≦0.2・E1)とされる。
図1に戻って、ルツボ16の周囲(側壁および底壁)を取り巻くように、当該ルツボ16よりも一回り大きめの概略円筒形のヒータ22がさらに設けられている。このヒータ22は、真空槽12の外部に設けられている図示しないヒータ加熱用電源からヒータ加熱用電力が供給されることによって加熱される。そして、このヒータ22が加熱されることで、ルツボ16の温度、詳しくは当該ルツボ16の内壁の温度が、例えば100℃〜300℃の範囲で任意に制御可能とされている。
さらに、真空槽12の壁部の適宜位置、例えば上壁、を貫通するように、ガス導入管24が設けられている。このガス導入管24は、モリブデンやタンタル等の高融点金属製であり、絶縁碍子26によって真空槽12(の壁部)と電気的に絶縁されている。そして、このガス導入管24の先端部分、詳しくは真空槽12内における端部は、ルツボ16の開口部の略中央に位置している。さらに、このガス導入管24の先端部分は、概略円錐状に広がるように形成されている。一方、ガス導入管24の基端部分、つまり真空槽12の外部における端部は、当該真空槽12の外部に設けられている図示しない放電用ガス供給源としてのアルゴン(Ar)ガス供給源と、図示しない原料ガス供給源としてのアセチレン(C)ガス供給源と、に結合されている。また、真空槽12の外部におけるガス導入管24の途中には、当該ガス導入管24内を流れるアルゴンガスおよびアセチレンガスの流量を個別に制御するための図示しない流量制御手段、例えばマスフローコントローラと、当該アルゴンガスおよびアセチレンガスの流通を個別に開閉するための図示しない開閉手段、例えば開閉バルブと、が設けられている。
併せて、ガス導入管24には、真空槽12の外部に設けられている直流電力供給手段としてのノズル用電源装置28から接地電位を基準とする正電位の直流電力Eaが供給される。この直流電力Eaの電圧値は、当該ノズル用電源装置28によって例えば+10V〜+100Vの範囲で任意に制御可能とされている。
また、真空槽12の外部には、当該真空槽12の上壁および底壁のそれぞれの周縁に沿うように、磁場形成手段としての一対の電磁コイル30および32が設けられている。これらの電磁コイル30および32は、真空槽12の外部に設けられている図示しない磁場形成用電源装置から直流の磁場形成用電力が供給されることによって、真空槽12内の中央に後述するプラズマ200が閉じ込められるように、好ましくはルツボ16内に当該プラズマ200が閉じ込められるように、真空槽12内にいわゆるミラー磁場を形成する。このミラー磁場の強さは、ルツボ16内において1mT〜10mTの範囲で任意に制御可能とされている。
このように構成されたDLC粉末作製装置10によれば、アセチレンガスを出発原料としてDLC粉末100を作製することができ、特にOLCの原料として好適な当該DLC粉末100を作製することができる。
そのためにまず、前処理としての真空引きが行われる。具体的には、真空槽12内の圧力Pが2×10−3Pa以下となるまで、好ましくは5×10−4Pa以下となるまで、当該真空槽12内が上述の真空ポンプによって排気される。
この真空引き後、ガス導入管24を介して真空槽12内にアルゴンガスが導入される。この状態で、パルス電源装置18からルツボ16にパルス電力Epが供給される。すると、真空槽12内のアルゴンガスが放電して、当該真空槽12内にプラズマ200が発生する。その上で、ガス導入管24を介して真空槽12内にアセチレンガスが導入される。すると、このアセチレンガスがプラズマ200によって分解されて、当該アセチレンガスの分解粒子である炭素イオンが生成される。そして、この炭素イオンは、陰極であるルツボ16の表面、特に内壁、に入射される。これにより、ルツボ16の内壁に、DLC粉末100が作製される。
なお、DLC粉末100は、次の2つのプロセスが同時に進行することによって作製されるものと、推測される。1つめは、ルツボ16の内壁にDLCの被膜が形成されるものの、このDLC被膜が自身の内部応力によってルツボ16の内壁から剥離し、これがDLC粉末100となる。そして、2つめは、プラズマ200中の炭素イオンが当該プラズマ200中(気相中)で再結合して、これがDLC粉末100としてルツボ16の内壁に堆積する。これらの2つのプロセスが同時進行することによって、DLC粉末100が作製されるものと、推測される。
ここで、ガス導入管24の先端部分がルツボ16の開口部の略中央に位置していることにより、当該ガス導入管24の先端部分から噴出されるアセチレンガスがルツボ16内に直接的に導入される。これにより、ルツボ16の内壁へのDLC粉末100の作製効率の向上が図られ、特に当該DLC粉末100の作製速度の向上が図られる。
加えて、各電磁コイル30および32に磁場形成用電源装置から磁場形成用電力が供給される。これにより、真空槽12内に上述のミラー磁場が形成され、真空槽12内の中央にプラズマ200が閉じ込められ、特にルツボ16内に当該プラズマ200が閉じ込められる。この結果、ルツボ16内におけるプラズマ200の密度が向上し、当該ルツボ16の内壁へのDLC粉末100の作製速度がより一層向上する。
さらに、ガス導入管24にノズル用電源装置28から直流電力Eaが供給される。すると、ガス導入管24が言わば第2の陽極として機能するようになり、この第2の電極としてのガス導入管24にプラズマ200中の電子が引き込まれる。この結果、ガス導入管24の周囲、特にその先端部分の周囲に、高密度の放電、いわゆるホローアノード放電300が発生する。そして、このホローアノード放電300が発生することによって、つまりルツボ16の開口部の近傍に当該ホローアノード放電300という高密度な放電が発生することによって、当該ルツボ16の内壁へのDLC粉末100の作製速度が一段と向上する。また、このホローアノード放電300の大きさをルツボ16(の開口部)の大きさに合わせるために、上述の如くガス導入管24の先端部分が概略円錐状に広がるように形成されており、つまり当該ガス導入管24の先端部分の表面積が適宜に調整されている。
さらに、ヒータ22にヒータ加熱用電源からヒータ加熱用電力が供給されることによって、当該ヒータ22が加熱され、ひいてはルツボ16の内壁の温度、言わばDLC粉末100の作製温度が、制御される。ただし、このDLC粉末100の作製温度が高すぎると、プラズマ200によるアセチレンガスの分解粒子である水素ラジカルや水素イオンがDLC粉末100と反応して、当該DLC粉末100がガス化される。そして、このDLC粉末100のガス化によって、当該DLC粉末100の作製速度が低下する恐れがある。そのため、DLC粉末100の作製温度は300℃以下とされ、好ましくは100℃〜300℃の範囲内とされる。
このような要領で所定量のDLC粉末100が作製されると、この作製処理を終了するべく、後処理が行われる。具体的には、ヒータ22へのヒータ加熱用電力の供給が停止される。併せて、ガス導入管24への直流電力Eaの供給が停止されると共に、ルツボ16へのパルス電力Epの供給が停止される。さらに、ガス導入管24を介しての真空槽12内へのアルゴンガスおよびアセチレンガスの導入が停止される。そして、真空槽12内の圧力Pが徐々に大気圧と同程度に戻され、その後、10分間〜30分間程度の適当な冷却期間が置かれる。その上で、真空槽12内が大気に開放されて、当該真空槽12内からDLC粉末100がルツボ16ごと取り出される。これをもって、後処理を含むDLC粉末100の作製処理が終了する。
なお、ルツボ16ごと取り出されたDLC粉末100は、ブラシ等の適用な回収手段によって回収される。そして、このDLC粉末100を原料として、OLCが作製される。具体的には、当該DLC粉末100は、真空中または不活性ガス雰囲気中で700℃〜2000℃に加熱され、好ましくは1600℃〜2000℃に加熱される。これによって、当該DLC粉末100は、OLCに変換される。要するに、アセチレンガスという比較的に安価な物質を出発原料としてDLC粉末100が作製され、ひいてはOLCが作製される。これは、DLC粉末100の作製コストの低減、つまりOLCの作製コストの低減に、大きく貢献する。
ところで、このアセチレンガスという炭化水素系ガスを出発原料とするDLC粉末100の作成要領によれば、プラズマ200中の炭素ラジカルが重合反応することで、陽極としての真空槽12の内壁に、微粉末状の重合体、言わば重合粉末、が必然的に付着する。この一種の副産物である重合粉末は、真空槽の内壁を汚染すると共に、本来の作製対象であるDLC粉末100にとって不純物となる恐れがある等、種々の支障を来す。従って、適当な時期に、例えば1バッチが終了するごとに、この重合粉末を除去する必要がある。ところが、そうなると当然に、その除去作業のための余分な時間や手間が掛かり、結果的に、DLC粉末100の作製コストが高騰する。これでは、安価なアセチレンガスを出発原料としてDLC粉末100を作製することによる効果、つまり当該DLC粉末100の作製コストの低減効果、が大きく薄れてしまう。
そこで、上述の電力制御装置20が設けられている。即ち、この電力制御装置20は、上述の如くパルス電源装置18からルツボ16に供給されるパルス電力Epの態様を図2に示したような矩形波状の態様に制御するものであるが、このような制御が成されることで、例えば当該パルス電力Epの供給態様が一定とされる場合に比べて、つまり電力制御装置20が設けられない場合に比べて、重合粉末の生成量が大幅に抑制されることが、このたび、実験によって確認された。
具体的には、上述した真空引き後のDLC粉末100の作製処理において、真空槽12内にアルゴンガスが50mL/minという流量で導入されると共に、アセチレンガスが500mL/minという流量で導入される。そして、真空槽12内の圧力Pが0.1Pa〜10Paとされる。この状態で、ルツボ16に供給されるパルス電力Epの周波数が100kHzとされ、デューティ比が30%とされる。併せて、ガス導入管24に供給される直流電力Eaの電圧値が+30Vとされる。そして、各電磁コイル30および32に供給される磁場形成用電力の電流値が20Aとされることによって、ルツボ16内の磁束密度が1mT〜10mTとされる。さらに、ヒータ22によるルツボ16の内壁の加熱温度が100℃とされる。その上で、電力制御装置20によってパルス電力Epの高電力期間T1が500msとされ、この高電力期間T1における電力値E1が5kWとされる。そして、当該パルス電力Epの低電力期間T2もまた500msとされ、この低電力期間T2における電力値E2が0kWとされる。つまり、当該パルス電力Epがルツボ16に間欠的に供給され、言わば時間変調される。このような条件によって、DLC粉末100の作製処理を5時間にわたって実施してみた。また、比較対照用として、電力制御装置20を無効化(電源オフ)することで、ルツボ16へのパルス電力Epの供給態様を一定とし、詳しくは当該パルス電力Epの電力値を2.5kWという一定値とし、この条件(他の条件は同じ)によっても、DLC粉末100の作製処理を5時間にわたって実施してみた。なお、いずれの条件においても、ルツボ16に供給されるパルス電力Epの5時間分の積算電力量は12.5kWhである。
この結果、パルス電力Epが時間変調(間欠供給)された場合でも、当該パルス電力Epが一定と(連続供給)された場合でも、5時間にわたるDLC粉末100の作製処理によって約60gの当該DLC粉末100が作製されることが確認された。即ち、いずれの場合でも、DLC粉末100の作製速度は約12g/hであり、同程度であった。
ただし、重合粉末の生成量に注目すると、両者に明らかな差異が見られた。即ち、パルス電力Epが一定とされた場合には、図3(a)に示すように、多量の重合粉末が生成されることが確認された。なお、この図3(a)は、真空槽12の内壁の汚染を防止するために当該真空槽12の内壁に貼着されたステンレス鋼製の防着板をデジタルカメラで撮影した画像であり、この図3(a)において、当該防着板に付着している氷柱状または綿状に見えるものが重合粉末である。これに対して、パルス電力Epが時間変調された場合には、図3(b)に示すように、多少の重合粉末は見られるものの、その生成量は少なく、特に図3(a)のものに比べて遥かに少ない。
この実験結果を総合すると、パルス電力Epが時間変調される本実施形態によれば、当該パルス電力Epが一定とされる場合と比較して、ルツボ16に供給されるパルス電力Epの電力量(消費電力量)が同じであるならば、DLC粉末100の作製速度が同程度である一方、重合粉末の生成量を大幅に抑制できることが、確認された。
また、さらなる実験として、先の実験と基本的に同じ条件下で、パルス電力Epのみを変化させ、このパルス電力EpとDLC粉末100の作成速度との関係を調べてみた。具体的には、パルス電力Epが時間変調される場合に、当該パルス電力Epの高電力値E1のみを変化させ、それぞれの高電力値E1に対するDLC粉末100の作成速度を調べてみた。そして、パルス電力Epが一定とされる場合に、その電力値を変化させ、それぞれの電力値Epに対するDLC粉末100の作成速度を調べてみた。この実験によって、図4に示すような結果が得られた。
即ち、パルス電力Epが一定とされた場合には、図4に太破線(□印付き)の曲線Aで示されるように、当該パルス電力Epの電力値が2kW以上であれば、DLC粉末100の作成速度が約12g/hとなり、概ね飽和する。これに対して、パルス電力Epが時間変調された場合には、図4に太実線(○印付き)の曲線Bで示されるように、当該パルス電力Epの高電力値E1が4kW以上であれば、DLC粉末100の作成速度が同程度の約12g/hとなり、概ね飽和する。このことから、パルス電力Epが時間変調された場合でも、当該パルス電力Epが一定とされた場合でも、当該パルス電力Epの1時間当たりの電力量が2kWh以上であれば、DLC粉末100の作製速度は約12g/hという同程度となることが、確認された。
ただし、この実験においても、先の実験と同様、重合粉末の生成量に注目すると、パルス電力Epが一定とされた場合と、当該パルス電力Epが時間変調された場合とで、大きな差異が見られた。即ち、パルス電力Epが一定とされた場合には、多量の重合粉末が生成されるのに対して、当該パルス電力Epが時間変調された場合には、重合粉末の生成量が大幅に抑制されることが、確認された。
なお、詳しい図示は省略するが、パルス電力Epが時間変調される場合、当該パルス電力Epの高電力期間T1と低電力期間T2とが等価(T1:T2=1:1)であれば、これら各期間T1およびT2のそれぞれが10ms〜10sの範囲内にあるときに、確実的には200ms〜1sの範囲内にあるときに、上述と同様の実験結果が得られることが、つまりDLC粉末100を一定以上の速度で作製しつつ、重合粉末の生成量を大幅に抑制し得ることが、確認された。
ここで例えば、高電力期間T1に注目すると、この高電力期間T1においては、プラズマ200のエネルギが比較的に大きい状態にある。つまり、当該プラズマ200によるDLC粉末100の作成作用が大きい状態にある。従って、この高電力期間T1が長いほど、DLC粉末100の作製速度が高くなる。ところが、高電力期間T1においては、プラズマ200中の炭素ラジカルの重合反応も活発であるため、重合粉末もまた生成され易い。ゆえに、高電力期間T1が長いほど、重合粉末の作製速度も相応に高くなり、この点で、不都合である。これとは反対に、高電力期間T1が短いほど、重合粉末の生成速度が低くなるので、この点で、好都合である。しかし、高電力期間T1が短いほど、DLC粉末100の作製速度もまた低くなり、当該高電力期間T1が過度に短いと、DLC粉末100が作製されなくなり、極めて不都合である。これらの兼ね合いから、高電力期間T1は、上述の如く10ms〜10sの範囲内とされ、より好ましくは200ms〜1sの範囲内とされる。
一方、低電力期間T2に注目すると、この低電力期間T2においては、当該低電力期間T2における電力値E2が0であることから、プラズマ200が消滅する。このとき、上述したホローアノード放電300も一緒に消滅する。従って、この低電力期間T2においては、基本的に(高電力期間T1から低電力期間T2に切り替わる瞬間を除いて)DLC粉末100は作製されない。ゆえに例えば、この低電力期間T2が長いほど、DLC粉末100の作製速度が低くなり、不都合である。ただし、低電力期間T2においては、プラズマ200中の炭素ラジカルの重合反応も低調であるため、当該低電力期間T2が長いほど、重合粉末の生成速度が低くなり、この点で、好都合である。これとは反対に、低電力期間T2が短いと、特に過度に短いと、当該低電力期間T2がないのと同様の状態となり、言い換えればプラズマ200のエネルギが大きい高電力期間T1が連続するのと同様の状態となる。この状態では、DLC粉末100の作製速度は高いが、重合粉末の生成速度もまた高く、やはり不都合である。これらの兼ね合いから、低電力期間T2は、10ms〜10sの範囲内とされ、より好ましくは200ms〜1sの範囲内とされる。
さらに、高電力期間T1における電力値E1に注目すると、この高電力値E1は、上述の如くルツボ16の大きさ等によって変わり、つまり当該ルツボ16の大きさ等に応じて適宜に設定される。一方、低電力期間T2における電力値E2は、0に限らず、高電力値E1の20%以下であればよい。即ち、詳しい図示は省略するが、低電力値E2が高電力値E1の20%以下であれば、当該低電力値E2が0であるときと、つまりパルス電力Epが時間変調されたときと、同様の結果が得られることが、実験によって確認された。
なお、低電力値E2が0でないときは、低電力期間T2においては、ホローアノード放電300を含むプラズマ200は消滅せず、言わば弱めに発生した状態にある。言い換えれば、低電力値E2が0であるときには、ホローアノード放電300を含むプラズマ200は点滅し、低電力値E2が0でないときには、ホローアノード放電300を含むプラズマ200は点滅するのではなく強弱を繰り返す。
また、上述の各実験では、真空槽12内へのアルゴンガスの流量が50mL/minとされ、アセチレンガスの流量が500mL/minとされたが、これらは、真空槽12の大きさ等の状況に応じて適宜に設定される。これと同様に、パルス電力Epの周波数およびデューティ比、ガス導入管24に供給される直流電力Eaの電圧値、各電磁コイル30および32に供給される磁場形成用電力の電流値(ルツボ16内の磁束密度)、および、ヒータ22によるルツボ16の内壁の加熱温度についても、その時々の状況に応じて適宜に設定される。
以上のように、本実施形態によれば、安価なアセチレンガスを出発原料としてDLC粉末100が作製されるので、当該DLC粉末100の作製コストを大幅に低減することができる。また、このアセチレンガスという炭化水素系ガスを出発原料とするDLC粉末の作製要領においては、重合粉末という不要な副産物が生成されるが、この重合粉末の生成量を大幅に抑制することができる。従って、この重合粉末を除去するための余分な時間や手間が大幅に削減され、ひいては安価なアセチレンガスを出発原料とすることによるDLC粉末100の作製コストの低減効果が十分に発揮される。そして、このDLC粉末100は、OLCの原料として好適である。即ち、本実施形態によれば、OLCの原料として好適なDLC粉末100を極めて低コストで作製することができる。
なお、本実施形態で説明した内容は、飽くまでも本発明を実現するための1つの具体例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
そして、出発原料としてアセチレンガスが採用されたが、これに限らない。メタン(CH)ガスやエチレン(C)ガス、ベンゼン(C)ガス等の他の炭化水素系ガスが採用されてもよい。ただし、メタンガスについては、アセチレンガスよりもDLC粉末100の作製速度が遅いこと、詳しくは当該アセチレンガスが採用された場合の1/5程度の作製速度しか得られないことが、実験により確認された。このことは、エチレンガスについても、同様である。そして、ベンゼンガスについては、当該ベンゼンが元々液体であるため、これを気化する必要があり、その分、気化設備を含めコストが掛かる。加えて、ベンゼンガスが採用された場合は、これが真空ポンプ中で再液化する恐れがあり、そうなると、当該真空ポンプによる排気効率が低下する。その上、ベンゼンガスは、毒性および発がん性を有するので、その弊害が大きい。これらを総合すると、DLC粉末100の作製速度、コスト、取り扱い易さ、調達容易性、安全性等の観点から、出発原料としてはアセチレンガスが最も好適である。
さらに、電力制御装置20は、パルス電源装置18と一体化されたものでもよく、例えば当該パルス電源装置18に内蔵されてもよい。
また上述したように、本実施形態で作製されたDLC粉末100は、真空中または不活性ガス雰囲気中で700℃〜2000℃に加熱されることによって、OLCに変換されるが、そのための装置として、本実施形態のDLC粉末作製装置10が利用されてもよい。この場合、ヒータ22およびヒータ加熱用電源として、ルツボ16の内壁を当該700℃〜2000℃という温度にまで加熱し得る能力を持つものが採用されればよい。勿論、このようなヒータ加熱法に限らず、赤外線加熱法や高周波誘導加熱法、電子ビーム照射加熱法、プラズマ加熱法等の他の加熱法が採用されてもよい。また、本実施形態のDLC粉末作製装置10とは別の、つまりOLC作製(DLC粉末−OLC変換)専用の、真空装置が用いられてもよい。
10 DLC粉末作製装置
12 真空槽
16 ルツボ
18 パルス電源装置
20 電力制御装置

Claims (4)

  1. 基準電位に接続された真空槽と、
    上記真空槽の内部に設置された開口形状の容器と、
    上記真空槽の内部に原料ガスとしての炭化水素系ガスを導入するガス導入手段と、
    上記真空槽と上記容器とを一対の電極として該真空槽と該容器とに上記炭化水素系ガスを放電させるための交流の放電用電力を供給する放電用電力供給手段と、
    上記放電用電力の値が第1電力値となる第1期間と該放電用電力の値が該第1電力値よりも小さい第2電力値となる第2期間とが交互に形成されるように該放電用電力の態様を制御する電力態様制御手段と、
    を具備し、
    上記放電用電力は周波数が10kHz〜250kHzの矩形波パルス電力であり、
    上記第1期間と上記第2期間とのそれぞれは10ms〜10sであり、
    上記第2電力値は上記第1電力値の20%以下である、
    DLC粉末作製装置。
  2. 上記ガス導入手段は上記真空槽と絶縁された状態にあるガス導入管を含み、
    上記炭化水素系ガスは上記ガス導入管を介して上記真空槽の内部に導入され、
    上記真空槽の内部における上記ガス導入管の上記炭化水素系ガスの噴出口が上記容器の開口部の近傍に位置し、
    上記ガス導入管に上記基準電位を基準とする正電位の直流電力を供給する直流電力供給手段をさらに備える、
    請求項に記載のDLC粉末作製装置。
  3. 上記炭化水素系ガスが放電することによって上記真空槽の内部に発生したプラズマを上記容器の内部に閉じ込めるための磁場を形成する磁場形成手段をさらに備える、
    請求項1または2に記載のDLC粉末装置。
  4. 基準電位に接続されると共に内部に開口形状の容器が設置された真空槽の該内部に原料ガスとしての炭化水素系ガスを導入するガス導入過程と、
    上記真空槽と上記容器とを一対の電極として該真空槽と該容器とに上記炭化水素系ガスを放電させるための交流の放電用電力を供給する放電用電力供給過程と、
    上記放電用電力の値が第1電力値となる第1期間と該放電用電力の値が該第1電力値よりも小さい第2電力値となる第2期間とが交互に形成されるように該放電用電力の態様を制御する電力態様制御過程と、
    を具備し、
    上記放電用電力は周波数が10kHz〜250kHzの矩形波パルス電力であり、
    上記第1期間と上記第2期間とのそれぞれは10ms〜10sであり、
    上記第2電力値は上記第1電力値の20%以下である、
    DLC粉末作製方法。
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