JP2007063609A - 金属材料の表面酸化物の還元処理方法 - Google Patents

金属材料の表面酸化物の還元処理方法 Download PDF

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守章 小野
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Abstract

【課題】還元性ガスのプラズマジェット照射よる金属材料の表面酸化物の還元処理に際し、プラズマ照射表面に表面溶融を生じさせることなく、還元処理を均一かつ効果的に行う方法を提供する。
【解決手段】熱プラズマトーチから噴射させた還元性ガスのプラズマジェット5の金属材料6表面への照射において、熱プラズマトーチ側にマイナスの、被照射材である金属材料側にプラスの電界を印加することを特徴とした金属材料の表面酸化物の還元処理方法。
【選択図】図2

Description

本発明は還元性熱プラズマジェットを金属材料の表面に照射することにより、表面酸化物を還元処理する方法に関するものである。
従来、金属材料の表面酸化物を除去する方法としては、硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸などの無機酸による酸洗処理が一般的である。このような酸洗処理は酸による電気化学溶解反応であるため、その処理能力は酸洗液の状態(濃度や温度など)に大きく影響される。すなわち、酸洗液は処理を繰り返すたびに酸洗能力が低下するため、一定基準の酸洗能力を保つためには、新しい酸洗液への交換などが必要となる。その結果、不用となった酸洗液は廃液となり、その回収・処理を施さなければならず、環境面から課題のある方法である。一方、酸洗液を使用しない方法としてショットブラストやワイヤブラシなどを用いたメカニカルな除去処理方法があるが、これらの方法は処理速度が極めて遅く工業的に有効ではない。
これに対して、プラズマジェットを利用した金属材料の還元熱処理方法に関する提案がなされている。
特許文献1には、還元性ガスのプラズマジェットにより金属体を加熱するとともに、金属体表面の酸化膜を還元する熱処理方法が開示されている。この方法ではプラズマトーチと金属体表面の距離が問題となる。即ち、トーチが金属表面に近接しすぎると、瞬時に金属表面に溶融が生じてしまうため、できるだけ離隔して配置することが望ましい。しかし、トーチを金属表面から隔離して配置すると、プラズマ化して反応性が高まっているガスによる還元効果を十分に活用できず、均一な還元処理に劣る。
特許文献2には、水素ガスのプラズマジェットにより金属材料を加熱する際に、ノズルにプラス、金属材料にマイナスの電界を印加する方法が開示されている。電界を印加することによって、陰極となる金属表面近傍での水素イオン濃度が高くなり、還元が効果的に行われるとしている。しかし、陰極である金属表面からは、熱電子放出も同時に起ることになり、いわゆるクリーニング作用により金属材料の表面は還元溶融したような状態(スパッタリング)となる。


特開平04−52211号公報 特開平06−346138号公報
上述したように、還元性ガスのプラズマジェット照射よる金属材料の表面酸化物の還元処理方法では、高い反応性を有するプラズマを活用するがゆえに、いかに金属表面の溶融やスパッタリングを抑制して均一な処理を実施できるかが課題である。
本発明は、還元性熱プラズマジェットによって金属材料の表面酸化物を還元処理するに際し、プラズマ照射表面にスパッタリングのような表面溶融を生じさせることなく、還元処理を均一かつ効果的に行う方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、金属材料として鉄鋼材料を例にとり、還元性ガスの熱プラズマジェット照射による表面酸化物の還元処理について詳細な検討を行った。還元性ガスにはアルゴンと水素を混合したガスを使用し、プラズマ照射の実験環境はプラズマ照射後の酸化を防止するために、アルゴン雰囲気とした。プラズマ照射条件を変化させて鋭意検討した結果、本発明者らは以下に示すような知見を得た。
まず、熱プラズマトーチおよび被照射材である鋼板の間に電界を印加しないで実験を行った。噴射されるプラズマジェットが一定の場合、鋼板表面の酸化物(主として酸化鉄)の還元効果はプラズマトーチ/鋼板間の距離によって異なり、その距離が長くなると還元効果は得られなかった。
次に、プラズマジェットの噴射条件は同一にして、熱プラズマトーチ側にマイナス、被照射材である鋼板側にプラスの電界を印加した状態で、プラズマ照射実験を行った。その結果、電界を印加しなかった場合に比べて、鋼板表面の酸化物の還元効果に対するプラズマトーチ/鋼板間の距離の適用範囲が拡大することが判明した。
すなわち、図1に示すようにプラズマトーチ/鋼板間の距離が70mmの場合、電界を印加していない場合には還元効果がほとんど認められないのに対して、電界を印加した場合には還元効果が認められる。さらにプラズマトーチ/鋼板間の距離が50mmの場合は、照射されるプラズマのエネルギーが高くなるため、電界を印加しない場合でも酸化物の還元効果は僅かに認められるが、その効果は不十分である。このように、プラズマトーチと金属材料との間に電界を印加することで、還元性熱プラズマ照射による表面酸化物の還元効果は向上することがわかる。
一方、特許文献2に開示された技術のように、熱プラズマトーチ側にプラス、被照射材である鋼板側にマイナスの電界を印加した場合について、プラズマ照射実験を行った。その結果、還元効果は得られるものの、鋼板が陰極として働くため、表面にはクリーニング作用による還元溶融(スパッタリング)が生じてしまう。このため、プラズマ照射処理後の表面状態は処理前の状態を維持することができず、ミクロ的な凹凸が発生する。
本発明は、以上の知見に基づき成されたもので、その特徴は以下の通りである。
熱プラズマトーチから噴射させた還元性ガスのプラズマジェットを、金属材料の表面に照射することによって、表面酸化物を還元処理する方法において、熱プラズマトーチ側にマイナスの、被照射材である金属材料側にプラスの、電界を印加することを特徴とした金属材料の表面酸化物の還元処理方法である。
本発明によれば、熱プラズマジェット照射された金属材料表面に局部的な溶融が生じることもなく、より効果的に表面酸化物の還元処理ができ、産業上極めて有用である。
本発明は、熱プラズマトーチから噴射させた還元性ガスのプラズマジェットを金属材料の表面に照射することによって、表面酸化物を還元処理する方法において、熱プラズマトーチ側にマイナスの、被照射材である金属材料側にプラスの、電界を印加することを特徴とする。
以下、本発明の金属材料の表面酸化物の還元処理方法について詳細に説明する。
一般に、プラズマ処理に利用されるプラズマは、低温プラズマと熱プラズマとに大別される。低温プラズマは、低圧でのグロー放電で発生するプラズマが代表的なもので、電子温度は高いが、イオンや中性粒子の温度が低い非平衡プラズマである。一方、熱プラズマはアーク放電や高周波放電で発生するプラズマで、粒子密度が高く、イオンや中性粒子の温度が電子温度とほぼ等しい局所熱平衡プラズマである。
このため熱プラズマは、(a)保有熱量が高く処理速度や反応速度が速い、(b)ラジカルの生成が容易で化学反応速度を促進させる、(c)プラズマガス種を変えることで雰囲気が任意に選択できる、(d)大気圧でも適用できる、などの特徴を有している。金属材料の表面酸化物を還元処理するプロセスを考えた場合、この熱プラズマを適用した方がより効果的であり実用プロセスへの適用も容易なことから、本発明では熱プラズマトーチから噴射させた熱プラズマジェットを活用することとする。
また、熱プラズマ照射により金属材料の表面酸化物を還元する反応が生じるためには、熱プラズマジェット中に、水素ラジカルが存在していなければならない。このため、本発明ではプラズマガスに、還元性ガスを用いることを、規定している。この場合の還元性ガスとは、水素、メタン、一酸化炭素など熱プラズマ中で水素ラジカルを生成し得るものならば何でもよく、特に限定はしない。
さらに本発明では、表面酸化物の還元効果を高めるために、熱プラズマトーチ側にマイナスの、被照射材である金属材料側にプラスの、電界を印加することを規定している。このような電界印加による還元効果の向上メカニズムの詳細は不明であるが、本発明者らはプラズマジェット中での電界による加速移動が、電子と水素ラジカルで、異なるためと推定する。
熱プラズマトーチと金属材料との間に電界が印加された場合、プラズマジェット中の電子はその電界によって加速され陽極側に移動しやすくなる。このため金属材料側にプラスの電界を印加した場合には、金属材料表面での電子密度は高くなるものと推定される。一方、水素ラジカルは、電子に比べて粒子径が大きいため、電界加速の影響はほとんど受けず、よってプラズマジェット中の水素ラジカルの密度分布は、電界印加の有無によらず一定であると推定される。
金属Mの酸化物MOαの還元性熱プラズマによる還元反応は、(1)式のように表される。MOα+αH+e- → M+αOH ・・・(1)
ここで、HおよびOHはラジカル、e-は電子とする。
よって、酸化物のある金属材料を陽極側となるように、電界を印加して電子密度を増加すれば、還元反応は促進されることになる。
一方、金属材料を陰極側とすると、表面酸化物が陰極点となって熱電子が放出されるクリーニング作用が働き、表面酸化物は還元溶融(スパッタリング)されてしまう。このため、プラズマ照射処理後の表面にはミクロ的な凹凸が発生し、処理前後で表面状態は異なるものとなる。
従って、本発明では、熱プラズマトーチ側にマイナス、被照射材である金属材料側にプラスの電界を印加することとする。
本発明の方法を適用して表面酸化物の還元処理を行うことができる金属材料は、特に制限されず、炭素鋼、低合金鋼、高合金鋼、ステンレス鋼などいずれの金属材料であってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
図2は、本発明に用いる還元性熱プラズマ還元処理装置の構成を模式的に示した図である。プラズマトーチ内の陰極である電極と陽極である水冷ノズルとの間に直流電源によりアーク放電を発生させ、同時に還元性ガス(例えば、アルゴンと水素の混合ガス)を用いてプラズマジェットとして噴射し、金属材料の表面に照射させて表面酸化物の還元処理を行う。この時、金属材料とプラズマトーチとの間に設置した電界印加電源により、金属材料側にプラスの、プラズマトーチ側にマイナスの、電界を印加する。
このような構成の装置により、炭素鋼の表面酸化物の還元処理を実施した。プラズマ照射条件としては、プラズマ出力は40kWで一定とし、プラズマガス種、トーチ/鋼板間の距離、トーチ/鋼板間の電界印加条件をそれぞれ変化させた。なおプラズマ照射速度は2m/minとし、実験環境はアルゴン雰囲気の大気圧とした。
表1にプラズマ照射条件と表面酸化物の還元処理結果を示す。
No.1〜4は本発明法によるものである。いずれの場合も、熱プラズマ照射による表面での局部溶融が発生せず、表面酸化物の還元効果が得られた。
一方、No.5〜9は本発明に属さない方法による比較例である。No.5、6はプラズマガスに還元性ガスを用いていないため、表面酸化物の還元効果は得られない。No.7は還元性ガスを用いているがプラズマトーチ/金属材料間に電界を印加していないため、局部溶融は生じないものの、十分な還元効果が得られない。
No.8、9は、プラズマトーチ/金属材料間に印加する電界の極性が反対であるため、熱プラズマ照射による表面での局部溶融(スパッタリング)が発生し、表面酸化物の還元処理した後の表面状態が良好ではない。
Figure 2007063609
本発明は、プラズマ照射を使用するので、還元処理する物品の形状を問わず、曲面にも容易に適用できる。
熱プラズマ照射による還元処理におよぼす電界印加の効果を示す図である。 本発明の還元性熱プラズマ還元処理装置の模式図である。
符号の説明
1 電極
2 水冷ノズル
3 還元性ガス
4 アーク放電
5 プラズマジェット
6 金属材料
7 表面酸化物
8 直流電源
9 電界印加電源

Claims (1)

  1. 熱プラズマトーチから噴射させた還元性ガスのプラズマジェットを、金属材料の表面に照射することによって、表面酸化物を還元処理する方法において、熱プラズマトーチ側にマイナスの、被照射材である金属材料側にプラスの、電界を印加することを特徴とした金属材料の表面酸化物の還元処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104488005A (zh) * 2012-07-24 2015-04-01 光荣株式会社 纸币处理装置以及纸币处理方法

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