JPH07132316A - 金属帯板の連続脱スケール方法 - Google Patents

金属帯板の連続脱スケール方法

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JPH07132316A
JPH07132316A JP28088593A JP28088593A JPH07132316A JP H07132316 A JPH07132316 A JP H07132316A JP 28088593 A JP28088593 A JP 28088593A JP 28088593 A JP28088593 A JP 28088593A JP H07132316 A JPH07132316 A JP H07132316A
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thermal plasma
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plasma
metal strip
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JP28088593A
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Kazunari Adachi
達 一 成 安
Hitoshi Aizawa
澤 均 相
Kazuaki Kyono
野 一 章 京
Tetsuya Kiyasu
安 哲 也 喜
Masamitsu Kobashi
橋 正 満 小
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G3/00Apparatus for cleaning or pickling metallic material
    • C23G3/02Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously

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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】大量の金属帯板を連続して処理することがで
き、しかも脱スケール後の表面性状の優れた金属帯板を
得ることができる金属帯板の連続脱スケール方法の提
供。 【構成】金属帯板を連続的に脱スケール処理する方法で
あって、金属帯板の幅方向に磁界により熱プラズマを高
速で走査して、金属帯板を高エネルギー密度で急速加熱
処理した後、酸洗する工程を含む金属帯板の連続脱スケ
ール方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属帯板の連続脱スケー
ル方法に関し、特に、大量の金属帯板を連続して処理す
ることができ、しかも脱スケール後の表面性状の優れた
金属帯板を得ることができる金属帯板の連続脱スケール
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間圧延等の高温加工処理を経た
金属帯板は、その表面に生成したスケールを除去するた
めに、脱スケール処理が行なわれる。例えば、熱間圧延
後の鋼板は、その表面に酸化鉄を主成分とするスケール
が形成されるため、脱スケール処理が施される。通常、
この脱スケール処理は、硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸等の
無機酸を満たした酸洗槽に金属帯板を浸漬して、金属帯
板の表面のスケールと無機酸との化学反応によって行な
われる。また、ショットブラスト、ワイヤブラシ等を用
いるメカニカル脱スケール処理を併用することもある。
【0003】この金属帯板の脱スケール処理として、例
えば、図5に示す熱間圧延後のステンレス鋼板の脱スケ
ール工程を例にとると、熱間圧延後のステンレス鋼板5
1は、連続焼鈍炉52で熱処理された後、ショットブラ
スト装置53において粒径0.2mm程度のブラストを
投射されてメカニカル脱スケール処理される。次に、硫
酸電解槽54、硝酸槽55、および硝酸とフッ酸とを混
合してなる混酸槽56に順を追って浸漬して酸洗による
最終的な脱スケール処理が行なわれる。
【0004】この従来の脱スケール処理は、脱スケール
速度に限界があり、より大量の金属帯板を効率よく処理
することが困難である。一般に、通常の冷延鋼板等にお
いては、硫酸による酸洗処理によって十分な脱スケール
処理を行なうことができる。しかし、ステンレス鋼板等
の難脱スケール性の金属帯板においては、硝酸等の強酸
を使用する必要があり、酸洗廃液の処理設備は、硫酸を
用いる通常の脱スケール工程における廃液処理設備より
も遙に複雑で高価なものを必要とする。さらに、ショッ
トブラストにより鋼板表面に凹凸が形成される、硝酸等
の強酸によって浸漬時間が長いと鋼板の結晶粒界が浸食
されるという問題があった。
【0005】そこで、脱スケール処理の方法として、電
子ビーム、レーザービームあるいは放電アークを用いる
方法、あるいは誘導加熱による方法が提案されている
(特開昭57−56109号公報、特開昭61−797
90号公報)。また、真空槽における減圧アーク放電、
いわゆる低温プラズマ処理による脱スケール方法が提案
されている(特開平5−112813号公報、特開平5
−112814号公報)。
【0006】電子ビームを用いる方法では、 真空装置内で処理を行なう必要がある。そのため、金
属帯板を連続処理するためには大掛かりな装置が必要と
なり、コスト上不利となる。 金属帯板の幅方向の全面に電子ビームを照射するため
には、多数の電子ビーム発生装置を必要とし、かつ、金
属帯板の全面に電子ビームを均一に照射することが相当
困難である。 酸化膜を単純に溶解または蒸発によって除去する方法
である。そのため、化学反応性に富むイオン、活性種を
含み、特に水素ガス等の還元性ガスを使用すれば、酸化
膜を還元処理することができるプラズマを用いる方法に
比べて、電子ビームを用いる方法は酸化膜の除去性能に
劣る。等の問題がある。
【0007】また、レーザビームを用いる方法でも、上
記の電子ビームを用いる方法におけるおよびと同様
の問題がある。
【0008】また、放電アークを用いる方法では、前記
と同様に、金属帯板の幅方向の全面に放電アークを照
射するためには、多数の放電アーク装置を必要とし、か
つ金属帯板の全面に放電アークを均一に照射することが
困難である等の問題がある。
【0009】また、誘導加熱を用いる方法は、単に金属
帯板の温度を昇温して、酸洗槽内での化学的な脱スケー
ル反応を促進するだけであり、誘導加熱自体に酸化膜除
去の作用はなく、脱スケール性能に劣る。
【0010】さらに、減圧アーク放電による方法では、
電子ビームを用いる方法におけると同様の問題があ
り、また、エネルギーレベルが低く、高速での連続処理
が困難てあるという問題がある。
【0011】ところで、従来からプラズマ溶射、切断、
溶接等の各種の金属加工、あるいは溶解、還元等の金属
精錬などには、熱プラズマによる加熱処理が利用されて
いる。このプラズマ処理には、大別して低温プラズマ処
理と熱プラズマ処理とがある。低温プラズマ処理は、直
流グロー放電、高周波放電、またはマイクロ放電により
発生し、圧力が数十Torr以下、電子温度は数万度と
高温であるが、気体原子・イオンの温度が数百度の低温
のプラズマによる処理である。また、熱プラズマ処理
は、アーク放電あるいは高周波放電によって発生する、
圧力が約100Torr以上、電子密度が1016〜10
18cm-3程度の高温高密度であり、かつ電子温度と気体
原子・イオンの温度とがほぼ等しく局所平衡状態にある
プラズマによる処理である。この熱プラズマ処理は、1
000℃/sec程度の加熱速度で加熱したり、処理ガ
スを選択することにより、各種の表面処理を行なうこと
ができることが分かっている。そこで、この熱プラズマ
処理を金属帯板の脱スケール処理に利用すれば、短時間
で迅速に脱スケール処理を行なうことができることが期
待される。
【0012】この熱プラズマ処理に使用される装置とし
て、従来、大気圧下における加熱処理用に使用されるプ
ラズマトーチが知られている。このプラズマトーチは、
図6に示すように、陰極61と、該陰極61を囲むよう
に同心円状に形成された陽極62とを有するものであ
る。陽極62の先端部には、陰極61の軸線の延長方向
に開口された熱プラズマ放出口63を有し、また、陽極
62の先端部64の内部には、熱プラズマ放出口63を
囲むように冷却水流通路65が配設されている。陰極6
1と陽極62とは、電源66に接続されている。このプ
ラズマトーチにおいて、電源66から供給される電力に
より、陰極61と陽極62の間隙67にアークを発生さ
せるとともに、該間隙67にアルゴンガス、窒素ガス等
の作動ガスと、目的に応じて選択された水素ガス、メタ
ンガス等の処理ガスを矢印Cで示すように供給して、処
理ガスをプラズマ化させ、高温の熱プラズマのジェット
69として熱プラズマ放出口63から金属帯板70に噴
出させるものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、この
プラズマトーチによる熱プラズマのジェット69は、熱
的ピンチ効果によって収束された円柱状に近い形状、例
えば、直径10〜20mm程度の円錐状に金属帯板70
に噴射される。
【0014】そのため、前記従来のプラズマトーチによ
る熱プラズマは、内部の温度分布が大きく、このプラズ
マトーチを、鋼板の幅方向に複数個直列に配列して、鋼
板の熱プラズマ処理を行なう場合、鋼板の幅方向の温度
分布が大きくなり、熱歪みの発生の原因となる。さら
に、処理された鋼板の表面全体にわたって均一な表面特
性を得ることが困難である。
【0015】そこで、本発明の目的は、脱スケール処理
工程において、金属帯板を大量に連続して処理すること
ができ、しかも脱スケール後の表面性状の優れた金属帯
板を得ることができる方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、金属帯板としてステンレス鋼板を例
にとり、その表面の酸化物を主成分とするスケールを除
去する例として、熱プラズマによる鋼板表面の還元処理
について検討を行なった。まず、プラズマの作動ガスと
してアルゴンガスを用い、還元ガスとして水素ガスを用
いて、ステンレス鋼板の表面に熱プラズマによって還元
処理を施こす実験を行なった。その実験におけるステン
レス鋼板の最表面温度および平均温度を逐時測定した結
果を図1に示し、また、熱プラズマ処理時間とステンレ
ス鋼板表面の還元量との関係を図2に示す。この図1に
示す結果から、ステンレス鋼板の最表面温度は、ステン
レス鋼板全体の平均温度に比べて、短時間に昇温させる
ことが可能であり、また、図1と図2により、ステンレ
ス鋼板の平均温度が上昇していないときでも、ステンレ
ス鋼板の最表面温度が上昇すれば、鋼板表面の還元が迅
速に進行することがわかる。したがって、ステンレス鋼
板表面の還元は、ステンレス鋼板とプラズマとの反応に
よるところが大きく、ステンレス鋼板の最表面温度の上
昇が重要であり、ステンレス鋼板の平均温度は2次的な
ものであることがわかる。ところで、プラズマ照射条件
を調整すれば、ステンレス鋼板の最表面温度と平均温度
との差を小さくすることができる。以上の結果から、短
時間の処理で迅速に金属帯板の脱スケール処理を行なう
ためには、熱プラズマを利用することが有利であり、金
属帯板の最表面温度を局所的に昇温させるために、加熱
媒体から金属帯板への熱流速を非常に大きくすることが
できる熱プラズマが有用であることが分かった。
【0017】一方、熱プラズマによって処理された直後
の金属帯板の最表面は、温度が高いため、大気中にその
まま放置すると酸化される可能性がある。そのため、通
常は、不活性ガス雰囲気中で冷却する必要がある。しか
し、不活性ガス中での冷却では、冷却速度を速くするこ
とができないため冷却設備長が長くなる。また、プラズ
マ照射の場合、金属帯板の端面への照射が不十分であ
り、端面の脱スケール処理に改善の余地があるという問
題がある。
【0018】そこで、本発明者らは、熱プラズマを磁界
によって走査し、熱プラズマをスリット状のジェットと
して放出するリニア型プラズマ装置によって、金属帯板
の幅方向に熱プラズマを高速かつ高エネルギー密度で走
査して熱プラズマ処理を施すとともに、この熱プラズマ
処理に連続して酸洗処理を行なえば、大量の金属帯板を
連続して迅速に処理し、脱スケール後の表面性状の優れ
た金属帯板を得ることができることに着目し、本発明に
到達した。
【0019】すなわち、本発明は、前記課題を解決する
ために、金属帯板を連続的に脱スケール処理する方法で
あって、金属帯板の幅方向に磁界により熱プラズマを高
速で走査して、金属帯板を高エネルギー密度で急速加熱
処理した後、酸洗する工程を含む金属帯板の連続脱スケ
ール方法を提供するものである。
【0020】以下、本発明の金属帯板の脱スケール方法
(以下、「本発明の方法」という)について詳細に説明
する。
【0021】本発明の方法を適用して脱スケール処理を
行なうことができる金属帯板は、特に制限されず、熱延
鋼板等の鋼板、あるいはステンレス鋼帯、銅帯板等のい
ずれの金属帯板であってもよい。
【0022】また、本発明の方法を適用して除去される
スケールは、特に制限されない。例えば、熱延鋼板、あ
るいはステンレス鋼帯、銅帯板等の表面に生成される酸
化膜等が挙げられる。
【0023】以下、金属帯板として熱延鋼板を例にと
り、熱延鋼板の表面に生成する酸化膜を主成分とするス
ケールを除去する工程を示す図3に基づいて、本発明の
方法を詳細に説明する。
【0024】図3に示す脱スケール工程は、連続焼鈍炉
1、熱プラズマ処理装置2および酸洗槽3とを基本的に
有する工程である。この工程において、熱延鋼板4は、
連続焼鈍炉1において、加熱、均熱および冷却処理を順
に施された後、熱プラズマ処理装置2において、熱延鋼
板4の幅方向に高速で熱プラズマを走査して、高エネル
ギー密度で急速加熱処理しながら、還元処理を行なう。
次に、熱延鋼板4は、酸洗槽3にて冷却かつ洗浄され
て、スケールを完全に除去される。
【0025】連続焼鈍炉1は、直火バーナによる加熱帯
および均熱帯、ならびにスプレー冷却による冷却帯から
構成される。この連続焼鈍路1において、熱延鋼板4
は、約1100℃まで加熱され、約10秒間均熱された
後、常温まで急冷される。
【0026】また、酸洗槽3は、硫酸濃度:約3%、液
温:50〜60℃のディップ式硫酸酸洗槽である。
【0027】熱プラズマ処理装置2は、通板される熱延
鋼板の表裏面の幅方向に磁界によって熱プラズマを高速
で走査する熱プラズマ照射装置5aおよび5bと、熱プ
ラズマ処理装置2内をシールするために、入口および出
口に配設されたシール装置を有するものである。また、
熱プラズマ処理によって生じる排ガスを排出するための
排気孔を有するものである。特に、シール装置は、熱延
鋼板4と高温の熱プラズマ排ガスが、連続焼鈍炉1、酸
洗槽3等における温度に外乱を及ぼすおそれがある場合
には、必須である。熱プラズマは大気圧または大気圧に
近い圧力で発生可能であるので、大がかりな差圧シール
設備が不要となる。多少の圧力差が必要な場合や雰囲気
組成を変える場合、あるいは高温のプラズマ排ガスを回
収する場合やエネルギー回収または排ガスが前後の雰囲
気に外乱を及ぼす場合に、シール装置が有効である。シ
ールする圧力差が小さいので、現在の連続処理装置にお
いて常圧下で雰囲気制御するために使用されている程度
の簡単なシール装置で十分である。
【0028】また、熱プラズマ照射装置5aおよび5b
は、磁界により熱プラズマを金属帯板の幅方向に高速か
つ高エネルギー密度で走査できる装置であれば、いずれ
の装置であってもよい。この熱プラズマ照射装置5aお
よび5bとして、アーク放電または高周波放電による熱
プラズマ照射装置が挙げられる。特に、アーク放電リニ
ア型熱プラズマ照射装置の具体例として、図4に示す装
置が挙げられる。この図4に示すアーク放電リニア型熱
プラズマ照射装置は、相互に対向して断面コの字状に配
置される一対の陽極9a,9bと、該一対の陽極9a,
9bの間に挟まれるように、陽極9aと9bが形成する
空間に突設される陰極10とを有するものである。ま
た、陽極9a,9bと陰極10には、直流電源11が接
続されている。陽極9aの先端部12、および陽極9b
の先端部13には、それぞれ冷却水が流通する冷却孔1
4が配設され、先端部12と13の間に直線状の熱プラ
ズマ放出スリット15が形成され、陽極9bの端部に
は、作動ガスおよび処理ガスを導入するためのガス供給
孔16が配設されている。さらに、陽極9aと9bの両
側面を挟んで、一対の磁界発生装置17aと17bが対
向して配設される。磁界発生装置17aと17bは、交
流電源18に接続されている。
【0029】このアーク放電リニア型熱プラズマ照射装
置において、直流電源11に接続された陰極10と陽極
9a,9bとの間の間隙19にアーク放電を形成すると
ともに、ガス供給孔16から、作動ガスおよび処理ガス
を所定の割合で導入し、該放電アークによって熱プラズ
マが発生し、交流電源18に接続された磁界発生装置1
7aおよび17bによって、間隙19内に形成された熱
プラズマに交番磁界を作用させることにより、熱プラズ
マ放出スリット15から電極の長手方向Aに沿って直線
状に熱プラズマジェット20が形成される。そのため、
電極の長手方向Aに沿って熱プラズマを均一に走査させ
ることができる。熱プラズマの走査速度は、熱プラズマ
処理を均一に行なうことができる点で、好ましくは10
0m/秒、さらに好ましくは500m/秒である。
【0030】このように、電極の長手方向に沿って直線
状に噴出する熱プラズマジェットに対して、電極の長手
方向に対して垂直の方向(矢印Bの方向)に金属帯板を
通板させれば、金属帯板の幅方向に均一な熱プラズマジ
ェットを走査することができ、金属帯板の熱プラズマ処
理を均一かつ効率的に行なうことができる。
【0031】この熱プラズマ処理装置において、使用さ
れる作動ガスは、特に制限されず、適宜選択される。通
常、作動ガスとして、アルゴンガス、窒素ガス等が一般
的に用いられる。また、処理ガスは、熱プラズマ処理さ
れる金属帯板、その金属帯板の種類、表面性状、スケー
ルの性状等に応じて適宜選択される。例えば、酸化膜か
らなるスケールに対しては、水素ガス、メタンガス等の
還元性の処理ガスが用いられる。さらに、作動ガスおよ
び処理ガスの流量、ならびに流量割合等も、目的に応じ
て適宜決定される。例えば、作動ガスとして窒素ガス5
00m3 /hr、処理ガスとして水素ガス5〜210m
3 /hrとし、水素ガス濃度約1〜30%となる流量比
で使用することができる。
【0032】また、図4に示すリニア型熱プラズマ処理
装置5の排気孔から熱プラズマ排ガスを回収し、これを
他の工程または装置における熱源として利用し、さらに
その排ガスを予熱源として利用すると、経済的に有利で
ある。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。
【0034】(実施例1)図3に示すプロセスにしたが
って、連続焼鈍炉1に、厚さ3.0mm、幅1200m
mの鋼板を、通板速度50m/minで1100℃に加
熱し、さらに1100℃で10秒間均熱した後、50℃
まで冷却した。次に、この鋼板に下記照射条件に調整さ
れた一対のリニア型熱プラズマ照射装置を配置した熱プ
ラズマ処理装置2にて、鋼板の両面から熱プラズマを照
射して鋼板の最表面温度を約450℃に加熱した後、硫
酸濃度3%、液温50℃の酸洗槽3で硫酸酸性処理を行
なった。 電圧:30V,電流:40000A,出力:1200k
W 磁束密度:5000Gauss 作動ガス(N2 )流量:400m3 /hr 還元ガス(H2 )流量:12m3 /hr 電極と鋼板間の距離:20mm
【0035】(比較例1)図5に示す従来の脱スケール
処理プロセスにて、実施例1と同種の鋼板を処理した。
ショットプラストは、平均粒子径0.3mmのブラスト
を約1000kg/cm2 で投射し、硫酸電解は硫酸濃
度10%、液温度50℃、電解電流15mA/dm2
行ない、硝酸酸洗は硝酸濃度7%、常温の液温で、混酸
酸洗はフッ素濃度2%、液温度50℃でそれぞれ行なっ
た。得られた鋼板の脱スケール状態および表面粗さにつ
いて調べた。その結果、比較例1の従来の脱スケール処
理プロセスによる鋼板の表面粗さが約3〜5μmであっ
た。これに比べて、実施例1の熱プラズマ処理を用いる
本発明の脱スケール処理プロセスによる鋼板は、その表
面粗さは1μm以下であり、また、従来のプロセスによ
る鋼板には粒界侵食等の欠陥があったが、実施例1のプ
ロセスによる鋼板では皆無であり、従来プロセスによる
鋼板と同等以上の優れた結果を示した。
【0036】(比較例2)図3に示す脱スケール処理プ
ロセスにおいて、熱プラズマ処理装置2として図6に示
す従来のプラズマトーチを鋼板の幅方向に25個配列し
てなるプロセスに、実施例1と同一の鋼板を供給し、1
個のプラズマトーチにおけるプラズマ照射条件を下記の
とおりに調整して脱スケール処理を行なった。 電圧:50V,電流:1000A,出力:50kW 作動ガス(N2 )流量:15Nm3 /hr 還元ガス(H2 )流量:0.45Nm3 /hr 電極と鋼板間の距離:20mm 得られた鋼板の脱スケール状態および表面粗さを調べ
た。その結果、プロセスに供給する前には、厚さ約10
μmの酸化膜があったが、鋼板の幅方向に配列されたプ
ラズマトーチとプラズマトーチの間に相当する部分の鋼
板表面には、局所的に厚さ1〜2μm程度の酸化膜が残
存するところがあった。また、プラズマトーチにおいて
は、プラズマのエネルギー密度分布が大きいことが原因
と思われるが、得られた鋼板の表面粗さは1〜3μmで
あり、従来の脱スケール処理プロセスによる鋼板に比べ
れば、表面粗さが改善されているものの、実施例1の鋼
板には及ばなかった。
【0037】(比較例3)図3に示す脱スケール処理プ
ロセスにおいて、熱プラズマ処理装置2の代わりに、下
記レーザガンを複数個配列してなるレーザビーム照射装
置を用いる以外は実施例1と同様にして脱スケール処理
を行なった。 レーザガン(1個):電圧:15V,電流:6mA,出
力:90W 1個のレーザガンのビーム照射面積:6mmφ レーザガンの配列:鋼板の幅方向に20mmピッチで6
0個 鋼板の長手方向に3列 得られた鋼板の脱スケール状態および表面粗さを調べ
た。その結果、得られた鋼板の表面には、局所的に厚さ
1〜1.5μm程度の酸化膜が残存するところがあっ
た。また、得られた鋼板の表面粗さは1.5〜2μmで
あった。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の方法より
も短時間で脱スケール処理することができ、しかも表面
性状にも優れる金属帯板を得ることができる。そのた
め、本発明の方法は、大量の金属帯板を連続して脱スケ
ール処理することができる。また、ステンレス鋼板等の
難脱スケール性の金属帯板の処理工程においては、従来
必要であった高価な酸洗廃液の処理設備が不要となる利
点がある。
【0039】また、リニア型熱プラズマ処理によって、
金属帯板の表面温度を均一にかつその表面特性も均一に
することができ、さらに、従来のプラズマトーチによる
熱プラズマ処理では、金属帯板の幅方向に多数のプラズ
マトーチを配列する必要があるのに対して、少ない個数
のプラズマ発生装置で、所期の処理を行なうことがで
き、しかも電気回路系の簡素化が可能となるため、装置
のメンテナンスが容易となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱プラズマによる還元処理における鋼板の最
表面温度と平均温度の関係を示す図。
【図2】 熱プラズマによる還元処理における処理時間
と鋼板の還元量の関係を示す図。
【図3】 本発明の脱スケール方法の一実施態様を説明
する工程図。
【図4】 本発明の脱スケール方法に用いられるアーク
放電リニア型熱プラズマ照射装置の具体例を説明する
図。
【図5】 従来の脱スケール工程を説明する図。
【図6】 従来の熱プラズマ発生装置を説明する図。
【符号の説明】
1 連続焼鈍炉 2 熱プラズマ処理装置 3 酸洗槽 4 熱延鋼板 5a,5b 熱プラズマ照射装置 9a,9b 陽極 10 陰極 11 直流電源 12 陽極9aの先端部 13 陽極9bの先端部 14 冷却孔 15 熱プラズマ放出スリット 16 ガス供給孔 17a,17b 磁界発生装置 18 交流電源 19 間隙 20 熱プラズマジェット 51 ステンレス鋼板 52 連続焼鈍炉 53 ショットブラスト装置 54 硫酸電解槽 55 硝酸槽 56 混酸槽 61 陰極 62 陽極 63 熱プラズマ放出口 64 陽極62の先端部 65 冷却水流通路 66 電源 67 間隙 69 ジェット 70 金属帯板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 京 野 一 章 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 喜 安 哲 也 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 小 橋 正 満 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属帯板を連続的に脱スケール処理する方
    法であって、金属帯板の幅方向に磁界により熱プラズマ
    を高速で走査して、金属帯板を高エネルギー密度で急速
    加熱処理した後、酸洗する工程を含む金属帯板の連続脱
    スケール方法。
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