JPH06336662A - 溶融亜鉛めっき鋼板の連続製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板の連続製造方法

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JPH06336662A
JPH06336662A JP12732093A JP12732093A JPH06336662A JP H06336662 A JPH06336662 A JP H06336662A JP 12732093 A JP12732093 A JP 12732093A JP 12732093 A JP12732093 A JP 12732093A JP H06336662 A JPH06336662 A JP H06336662A
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Kazunari Adachi
達 一 成 安
Hitoshi Aizawa
澤 均 相
Kazuaki Kyono
野 一 章 京
Tetsuya Kiyasu
安 哲 也 喜
Masamitsu Kobashi
橋 正 満 小
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高効率かつ短時間で鋼板の加熱および表面特性
の改質処理を行なうことができる。そのため、鋼板を高
速で通板させて大量に処理して、かつ亜鉛めっき密着性
等の特性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板を連続的に製造す
ることができる方法の提供。 【構成】連続的に焼鈍処理された鋼板を溶融亜鉛めっき
装置に通板して溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法であって、前記溶融亜鉛めっき装置に浸漬
する前に、通板される鋼板の幅方向に磁界によって熱プ
ラズマを高速で走査し、鋼板に熱プラズマ処理を施すこ
とを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の連続製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融亜鉛めっき鋼板の連
続製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融亜鉛めっき鋼板は、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を例にとると、図6に示すように、加
熱帯31、均熱帯32、および冷却帯33から構成され
る連続焼鈍処理工程と、溶融亜鉛ポット34、ワイピン
グ装置35および合金化炉36から構成される溶融亜鉛
めっき工程とから構成される連続処理装置によって製造
されている。この装置において、前段の工程から搬送さ
れてきた鋼板37は、加熱帯31および均熱帯32にお
いて700〜900℃に昇温され、冷却帯33にて約4
50〜550℃に冷却され、溶融亜鉛ポット34に浸漬
されて亜鉛めっきが施された後、ワイピング装置35に
よって所定の亜鉛めっき量に調整され、合金化炉36に
おいて加熱処理により合金化亜鉛めっき鋼板となる。ま
た、非合金の溶融亜鉛めっきの場合には、合金化炉36
における加熱処理は行なわれない。
【0003】ところで、このような溶融亜鉛めっき処理
を、Si、Mn等を含む高張力鋼板に施した場合、含有
されるSi、Mn等の元素は、焼鈍処理によって選択酸
化され、これらの元素の酸化物からなる酸化物層が形成
されてしまう。このように鋼板表面が金属鉄ではなく、
この酸化物層に被覆されている部分は、次の溶融亜鉛め
っき工程における亜鉛めっきの密着性に劣り、甚だしい
場合には、不めっきが発生することとなる。特に、より
強度の高い高張力鋼板とするために、Si、Mn等の元
素の含有量が多い鋼板の場合には、不めっきの発生によ
り、高張力鋼板を素材とする溶融亜鉛めっき鋼板を製造
することができないという事態に至る場合があった。ま
た、一般の軟鋼板においても、高張力鋼板ほど顕著では
ないが、表面酸化物層の形成による溶融亜鉛めっき性の
悪化という問題を潜在的に抱えている。
【0004】そこで、溶融亜鉛めっきをする前の前処理
として、前記酸化物層を除去するために、温度300〜
700℃の範囲で減圧下、鋼板に低温プラズマ処理を施
す方法が提案されている。(特開平2−213460号
公報)しかし、この方法において、 板温度の低い鋼板には、直接適用することができな
い 低温プラズマ処理は、処理に多くの時間を要し、鋼
板の連続処理等のような、大量処理を行なうプロセスに
適用するのが困難である。 という問題がある。
【0005】ところで、プラズマ処理には、大別して低
温プラズマ処理と熱プラズマ処理とがある。低温プラズ
マ処理は、直流グロー放電、高周波放電、またはマイク
ロ放電により発生し、圧力が数十Torr以下、電子温
度が数万度と高温である、気体原子・イオンの温度は数
百度の低温であるプラズマによる処理である。また、熱
プラズマ処理は、アーク放電あるいは高周波放電によっ
て発生する、圧力が約100Torr以上、電子密度が
1016〜1018cm-3程度の高温高密度である、電子温
度と気体原子・イオンの温度とがほぼ等しく局所平衡状
態にあるプラズマによる処理である。この熱プラズマ処
理は、プラズマ溶射、切断、溶接等の各種の金属加工、
あるいは溶解、還元等の金属精錬などに応用されている
公知の技術である。この熱プラズマを溶融亜鉛めっき前
の鋼板の前処理に利用すれば、短時間で迅速に処理を行
なうことができると期待される。
【0006】この熱プラズマ処理に使用される装置とし
て、従来、大気圧下における加熱処理用に使用されるプ
ラズマトーチが知られている。このプラズマトーチは、
図7に示すように、陰極41と、該陰極41を囲むよう
に同心円状に形成された陽極42とを有するものであ
る。陽極42の先端部には、陰極41の軸線の延長方向
に開口された熱プラズマ放出口43を有し、また、陽極
42の先端部44の内部には、熱プラズマ放出口43を
囲むように冷却水流通路45が配設されている。陰極4
1と陽極42とは、電源46に接続されている。このプ
ラズマトーチにおいて、電源46から供給される電力に
より、陰極41と陽極42の間隙47にアークを発生さ
せるとともに、該間隙47にアルゴンガス、窒素ガス等
の作動ガスと、目的に応じて選択された水素ガス、メタ
ンガス等の処理ガスを矢印Dで示すように供給して、処
理ガスをプラズマ化させ、高温の熱プラズマのジェット
49として熱プラズマ放出口43から鋼板50に噴出さ
せるものである。一般に、このプラズマトーチによる熱
プラズマのジェット49は、熱的ピンチ効果によって収
束された円柱状に近い形状、例えば、直径10〜20m
m程度の円錐状に鋼板50に噴射される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のプ
ラズマトーチによる熱プラズマは、内部の温度分布が大
きいため、このプラズマトーチを、鋼板の幅方向に複数
個直列に配列して、鋼板の熱プラズマ処理を行なう場
合、鋼板の幅方向の温度分布が大きくなり、熱歪みの発
生の原因となる。さらに、処理された鋼板の表面全体に
わたって均一な表面特性を得ることが困難であった。
【0008】そこで、本発明の目的は、鋼板の表面特性
を迅速かつ均一に改善することができ、鋼板を高速で走
行させ大量に溶融亜鉛めっき処理することができる方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、まず、プラズマの作動ガスとしてア
ルゴンガスを用い、還元ガスとして水素ガスを用いて、
鋼板の表面に熱プラズマによって還元処理を施こす実験
を行なった。その実験における鋼板の最表面温度および
平均温度を逐時測定した結果を図1に示し、また、熱プ
ラズマ処理時間と鋼板表面の還元量との関係を図2に示
す。この図1に示す結果から、鋼板の最表面温度は、鋼
板全体の平均温度に比べて、短時間に昇温させることが
可能であり、また、図1と図2により、鋼板の平均温度
が上昇していないときでも、鋼板の最表面温度が上昇す
れば、鋼板表面の還元が迅速に進行することがわかる。
したがって、鋼板表面の還元は、鋼板とプラズマとの反
応によるところが大きく、鋼板の最表面温度の上昇が重
要であり、鋼板の平均温度は2次的なものであることが
わかる。ところで、プラズマ照射条件を調整すれば、鋼
板の最表面温度と平均温度との差を小さくすることがで
きる。以上の結果から、短時間の処理で迅速に鋼板の表
面特性を改善するためには、熱プラズマを利用すること
が有利であり、しかも鋼板の最表面温度を局所的に昇温
させるためには、加熱媒体から鋼板への熱流速を非常に
大きくすることができる熱プラズマが有用であることが
わかった。
【0010】一方、前記従来のプラズマトーチによる熱
プラズマは、前記のとおり、鋼板上に大きな温度分布が
発生し、均一な表面特性を有する鋼板を得ることが困難
である。そこで、熱プラズマを磁界によって走査し、熱
プラズマをスリット状のジェットとして放出するリニア
型プラズマ装置によって、鋼板の幅方向に熱プラズマを
高速で走査して熱プラズマ処理を施すことにすれば、処
理される鋼板上の温度分布を均一とすることができ、均
一な表面特性を有する鋼板を高速で得ることができるこ
とに着目し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明は、連続的に焼鈍処理さ
れた鋼板を溶融亜鉛めっき装置に通板して溶融亜鉛めっ
きを施す溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、前記
溶融亜鉛めっき装置に浸漬する前に、通板される鋼板の
幅方向に磁界によって熱プラズマを高速で走査し、鋼板
に熱プラズマ処理を施すことを特徴とする溶融亜鉛めっ
き鋼板の連続製造方法を提供するものである。
【0012】以下、本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の連続
製造方法(以下、「本発明の方法」という)として、合
金化溶融亜鉛めっきのプロセスの一例を示す図3に基づ
いて、本発明の方法について詳細に説明する。
【0013】図3に示すプロセスは、加熱帯1、均熱帯
2、および冷却帯3から構成される連続焼鈍プロセス4
と、熱プラズマ処理帯5と、溶融亜鉛ポット6、ワイピ
ング装置7および合金化炉8から構成される合金化溶融
亜鉛めっきプロセス9とで基本的に構成される。このプ
ロセスにおいて、鋼板10は、加熱帯1および均熱帯2
において700〜900℃に昇温し、冷却帯4で300
℃以下に冷却後、熱プラズマ処理帯5において熱プラズ
マ処理が施され、次に、溶融亜鉛めっきポット6に浸漬
されて溶融亜鉛めっきされ、ワイピン装置7によって亜
鉛めっき付着量を調整され、合金化炉8において合金化
処理されて合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
【0014】本発明の方法において、前記加熱帯1、均
熱帯2、および冷却帯3における鋼板の処理は、特に制
限されず、常法にしたがって行なうことができる。例え
ば、鋼板の加熱、均熱は、燃焼ガスを直接、鋼板に接触
させるバーナ式であっても、ラジアントチューブ方式の
いずれでも良い。また、溶融亜鉛ポット6、ワイピング
装置7および合金化炉8で基本的に構成される合金化溶
融亜鉛めっきプロセス9における処理も、特に制限され
ず、常法にしたがって行なうことができる。例えば、ワ
イピングはガスワイピングが一般的であり、合金化炉に
おける鋼板の加熱は直火バーナー方式、誘導加熱方式、
あるいはそれらの組合せなどが一般的である。
【0015】本発明の方法において、熱プラズマ処理帯
5における鋼板の熱プラズマ処理は、通板される鋼板の
幅方向に磁界によって熱プラズマを高速で走査すること
により行なわれる。また、この熱プラズマ処理は、磁界
により熱プラズマを鋼板の幅方向に高速で走査できる装
置であれば、いずれの装置を用いて行なってもよい。
【0016】本発明の方法において、この熱プラズマ処
理を行なうための装置として、例えば、図4に示すリニ
ア型熱プラズマ処理装置を挙げることができる。この図
4に示すリニア型熱プラズマ処理装置11は、通板され
る鋼板10の表裏面のそれぞれに熱プラズマを照射・走
査する一対以上のリニア型熱プラズマ照射装置12aお
よび12bと、リニア型熱プラズマ処理装置11内を外
部からシールするために、鋼板10の入口および出口に
配設されたシール装置13aおよび13bを有するもの
である。また、熱プラズマ処理によって生じる排ガスを
排出するための排気孔14を有する。特に、シール装置
13aおよび13bは、プラズマガス(例えば、Ar、
2 )の組成と、前後の冷却帯4、溶融亜鉛ポット6等
における雰囲気ガスの組成とが異なる場合、または鋼板
10と高温の熱プラズマ排ガスが前後の冷却帯4、溶融
亜鉛ポット6等における温度に外乱を及ぼすおそれがあ
る場合には、必須である。熱プラズマは大気圧または大
気圧に近い圧力で発生可能であるので、大がかりな差圧
シール設備が不要となる。多少の圧力差が必要な場合や
雰囲気組成を変える場合、高温のプラズマ排ガスを回収
する場合やエネルギー回収または排ガスが前後の雰囲気
に外乱を及ぼす場合に、シール装置13aおよび13b
が有効である。シールする圧力差が小さいので、現在の
連続炉でも常圧下で雰囲気制御するために使用されてい
る程度の簡単なシール装置で十分である。
【0017】このリニア型熱プラズマ処理装置11に用
いられるリニア型熱プラズマ照射装置12aおよび12
bとして、アーク放電または高周波放電による熱プラズ
マ発生装置が挙げられる。特に、アーク放電リニア型熱
プラズマ照射装置の具体例として、図5に示す装置が挙
げられる。この図5に示すアーク放電リニア型熱プラズ
マ照射装置は、相互に対向して断面コの字状に配置され
る一対の陽極15a,15bと、該一対の陽極15a,
15bの間に挟まれるように、陽極15aと15bが形
成する空間に突設される陰極16とを有するものであ
る。また、陽極15a,15bと陰極16には、直流電
源17が接続されている。陽極15aの先端部18、お
よび陽極15bの先端部19には、それぞれ冷却水が流
通する冷却孔20が配設され、先端部18と19の間に
直線状の熱プラズマ放出スリット21が形成され、陽極
15bの端部には、作動ガスおよび処理ガスを導入する
ためのガス供給孔22が配設されている。さらに、陽極
15aと15bの両側面を挟んで、一対の磁界発生装置
23aと23bが対向して配設される。磁界発生装置2
3aと23bは、交流電源24に接続されている。
【0018】このアーク放電リニア型熱プラズマ照射装
置において、直流電源17に接続された陰極16と陽極
15a,15bとの間の間隙25にアーク放電を形成す
るとともに、ガス供給孔22から、作動ガスおよび処理
ガスを所定の割合で導入し、該放電アークによって熱プ
ラズマが発生し、交流電源24に接続された磁界発生装
置23aおよび23bによって、間隙25内に形成され
た熱プラズマに交番磁界を作用させることにより、熱プ
ラズマ放出スリット21から電極の長手方向Bに沿って
直線状に熱プラズマジェット26が形成される。このと
き、電極の長手方向Bに沿って均一に走査させることが
できる。熱プラズマの走査速度は、熱プラズマ処理を均
一に行なうことかできる点で、好ましくは100m/
秒、さらに好ましくは500m/秒である。
【0019】このように、電極の長手方向に沿って直線
状に噴出する熱プラズマジェット26を、電極の長手方
向に対して垂直の方向Cに沿って鋼板を通板させれば、
鋼板の幅方向に均一な熱プラズマジェットを走査するこ
とができ、鋼板の熱プラズマ処理を均一かつ効率的に行
なうことができる。
【0020】本発明の方法において、使用される作動ガ
スおよび処理ガスは、特に制限されず、改善の目的とす
る表面特性に応じて、適宜選択される。通常、作動ガス
として、アルゴンガス、窒素ガス、水素ガス等が一般的
に用いられる。また、処理ガスも、水素ガス、メタンガ
ス等を目的に応じて使用することができる。また、作動
ガスおよび処理ガスの流量、ならびに流量割合等も、目
的に応じて適宜決定される。また、作動ガスおよび処理
ガスの流量、ならびに流量割合等も、目的に応じて適宜
決定される。例えば、作動ガスとして窒素ガス500m
3 /hr、処理ガスとして水素ガス5〜210m3 /h
rとし、水素ガス濃度約1〜30%となる流量比で使用
することができる。
【0021】本発明の方法は、鋼板を連続的に加熱帯、
均熱帯、冷却帯を通板する工程を基本的な構成として有
するが、加熱帯の前に、予熱帯や通常の酸洗、脱脂設備
工程を有していても良い。また、冷却帯は徐冷、急冷の
いずれでも良く、また過時効帯を含むものであっても良
い。
【0022】また、本発明の方法において、リニア型熱
プラズマ処理装置11の排気孔14から熱プラズマ排ガ
スを回収し、これを加熱帯や均熱帯の熱源として利用
し、さらにその排ガスを加熱帯前の予熱帯の熱源として
利用すると、経済的に有利である。
【0023】さらに、前記図3に示すプロセスは、合金
化溶融亜鉛めっきプロセスを示すものであるが、本発明
の方法は、合金化溶融亜鉛めっきプロセスへの適用に限
定されず、合金化処理を行なわない溶融亜鉛めっきプロ
セスにも適用できることは勿論である。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。
【0025】(実施例1)厚さ1.0mm、幅1200
mmの鋼板を、図3に示す連続プロセスにしたがって、
通板速度120m/minにて、加熱帯において800
℃に加熱した後、均熱帯で800℃×10秒間均熱処理
を施し、さらに冷却帯で250℃まで冷却して焼鈍処理
を施した。このとき、加熱帯から冷却帯までの雰囲気
を、5%H2−N2 とした。
【0026】次に、図4に示すとおり、下記照射条件に
調整された一対のリニア型熱プラズマ照射装置を配置し
た熱プラズマ処理帯に、鋼板を通板し、鋼板の表裏両面
のそれぞれに、鋼板の平均温度が500℃、かつ最表面
温度が約600℃になるように、熱プラズマを照射して
熱プラズマ処理を施した。 電圧:30V,電流:50000A,出力:1500k
W 磁束密度:5000Gauss 作動ガス(N2 )流量:500m3 /hr 還元ガス(H2 )流量: 15m3 /hr 電極と鋼板間の距離:15mm 次に、溶融亜鉛めっきポットに浸漬した後、ガスワイピ
ングにより鋼板の亜鉛付着量を45g/m2 に調製し、
さらに550℃で合金化処理して合金化溶融亜鉛めっき
鋼板を製造した。
【0027】(比較例1)上記と同様に、加熱帯、均熱
帯および冷却帯を通板し、冷却帯における冷却温度を5
00℃とし、熱プラズマ処理を施さない以外は、実施例
1と同様にして合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
【0028】次に、実施例1で得られた合金化溶融亜鉛
めっき鋼板と、比較例1で得られた合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板とを調査し、それぞれ全処理鋼板の枚数に対する
亜鉛めっきされていない部分を有する鋼板(不めっき鋼
板)の枚数の割合(不めっき発生率)を調べたところ、
表1に示すとおり、実施例においては、不めっきの発生
がないことが分かった。
【0029】
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高効率かつ短時
間で鋼板の加熱および表面特性の改質処理を行なうこと
ができる。そのため、鋼板を高速で通板させて大量に処
理して、かつ亜鉛めっき密着性等の特性に優れる溶融亜
鉛めっき鋼板を連続的に製造することができる。
【0031】また、リニア型熱プラズマ処理によって、
鋼板の温度および表面温度を均一にすることができ、さ
らに、従来のプラズマトーチによる熱プラズマ処理で
は、鋼板の幅方向に多数のプラズマトーチを配列する必
要があるのに対して、少ない個数のプラズマ発生装置
で、所期の処理を行なうことができ、しかも電気回路系
の簡素化が可能となるため、装置のメンテナンスが容易
となる利点がある。そのため、本発明の方法において
は、従来と比較して以下の利点が得られる。 温度分布が均一であり、熱歪みの発生がない。 鋼板の全面を均一に表面改質処理できる。 プラズマトーチの数を著しく削減できる。 常圧の炉が使用でき、大がかりな差圧シール設備が不
要。 高速で表面特性の熱プラズマ処理を行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱プラズマによる還元処理における鋼板の最
表面温度と平均温度の関係を示す図。
【図2】 熱プラズマによる還元処理における処理時間
と鋼板の還元量の関係を示す図。
【図3】 本発明の方法におけるプロセスの一例を示す
図。
【図4】 リニア型熱プラズマ処理装置の基本的構成を
説明する図。
【図5】 本発明の方法で用いられるアーク放電リニア
型熱プラズマ照射装置の具体例を説明する図。
【図6】 従来の合金化溶融亜鉛めっきプロセスを説明
する図
【図7】 従来のプラズマトーチによる熱プラズマ処理
方法を説明する図。
【符号の説明】
1 加熱帯 2 均熱帯 3 冷却帯 4 連続焼鈍プロセス 5 熱プラズマ処理帯 6 溶融亜鉛ポット 7 ワイピング装置 8 合金化炉 9 合金化溶融亜鉛めっきプロセス 10 鋼板 11 リニア型熱プラズマ処理装置 12a,12b リニア型熱プラズマ照射装置 13a,13b シール装置 14 排気孔 15a,15b 陽極 16 陰極 17 直流電源 18 陽極15aの先端部 19 陽極15bの先端部 20 冷却孔 21 熱プラズマ放出スリット 22 ガス供給孔 23aと23b 磁界発生装置 24 交流電源 25 間隙 26 熱プラズマジェット 31 加熱帯 32 均熱帯 33 冷却帯 34 溶融亜鉛ポット 35 ワイピング装置 36 合金化炉 37 鋼板 41 陰極 42 陽極 43 熱プラズマ放出口 44 陽極42の先端部 45 冷却水流通路 46 電源 47 間隙 49 熱プラズマのジェット 50 鋼板
フロントページの続き (72)発明者 京 野 一 章 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 喜 安 哲 也 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 小 橋 正 満 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続的に焼鈍処理された鋼板を溶融亜鉛め
    っき装置に通板して溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっ
    き鋼板の製造方法であって、前記溶融亜鉛めっき装置に
    浸漬する前に、通板される鋼板の幅方向に磁界によって
    熱プラズマを高速で走査し、鋼板に熱プラズマ処理を施
    すことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の連続製造方
    法。
JP12732093A 1993-05-28 1993-05-28 溶融亜鉛めっき鋼板の連続製造方法 Withdrawn JPH06336662A (ja)

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