JP3404784B2 - 表面処理性の優れた鋼帯の連続製造方法および装置 - Google Patents

表面処理性の優れた鋼帯の連続製造方法および装置

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JP3404784B2 JP03761993A JP3761993A JP3404784B2 JP 3404784 B2 JP3404784 B2 JP 3404784B2 JP 03761993 A JP03761993 A JP 03761993A JP 3761993 A JP3761993 A JP 3761993A JP 3404784 B2 JP3404784 B2 JP 3404784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼帯の連続熱処理プロセ
スにおいて、表面特性の優れた鋼帯の連続製造方法およ
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯の連続処理プロセスは一般的に広く
採用されている。例えば、冷延鋼板の連続焼鈍方法は、
鋼板を連続的に加熱、均熱処理した後に、冷却、さらに
は必要に応じて過時効処理を施すものであり、また、溶
融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板の連続製
造方法は、鋼帯を連続的に加熱、均熱、冷却処理した後
に、さらに溶融亜鉛めっき処理や合金化処理を施すもの
である。
【0003】連続焼鈍プロセスの加熱処理方法として、
古くはバーナーによる酸化炉が使用されていたが、鋼帯
が酸化されるために加熱速度が制限される問題があっ
た。この問題点を解消するために、いわゆるNOF(無
酸化炉)や広義にはNOFに含められるDFF(直火型
加熱還元炉)、オールラジアントチューブ型加熱炉など
が開発されており、現在の連続熱処理装置はほとんどす
べてこれら2種の加熱方法のいずれかを採用している。
加熱初期は例外もあるが、いずれの場合でも焼鈍による
鋼板組織の再結晶と、雰囲気中への水素添加により還元
性にすることによるFe酸化物のFeへの還元を兼ねて
いる。
【0004】通常の一般軟鋼では一応問題なくこれらの
従来技術で製造することができるが、各種の特性を得る
ために鋼板に各種の添加元素を入れた場合には問題の生
じることがあった。例えば、SiやMn、Crを添加し
た高張力鋼板の場合には通常の還元焼鈍条件ではこれら
の元素は酸化されるために選択酸化され、焼鈍後にはこ
れら元素の酸化物の表面濃化層が著しく生成する。すな
わち鋼板表面は金属鉄ではなく、これら元素の酸化物に
覆われているために、化成処理性、塗装性、溶融亜鉛め
っき性、電気めっき性などに著しく劣る。特に、高張力
鋼板の場合には合金元素の添加量が多いために顕著に表
れ、例えば溶融亜鉛めっき時に不めっきが発生し、全く
製品にならず、不めっきに至らないまでもめっき密着性
を阻害する。
【0005】高張力鋼板ほど顕著ではないが、一般軟鋼
でも少量含有されているFeよりも酸化され易い元素の
表面濃化皮膜で覆われていることにかわりはなく、実は
実害が表面化していないだけで潜在的に不良要因を抱え
ているものであった。すなわち、上記の品質の処理条件
により実用上無害化されているだけであり、処理条件に
よっては不良化し得るものであり、表面濃化層がなけれ
ばさらなる品質の向上が期待できるものである。
【0006】これら現行プロセスの改善策として、特開
平2―213460号には焼鈍後の冷却段階にてプラズ
マ処理することにより化成処理性を向上させる技術、特
開平4−337057号にはプラズマエッチングまたは
イオンビームエッチングを施した鋼帯を溶融めっきする
技術が提案されており、また、特開平4―52211号
には還元性ガスのプラズマジェットにより加熱すると共
に酸化膜を還元する技術が提案されている。
【0007】特開平2―213460号は鋼帯にプラズ
マ化したガスを衝突させて連続的に移動する鋼帯表面を
均一に処理し、極低炭素鋼帯の化成処理性を改善しよう
とするものである。通常、大気圧下での加熱処理用に使
用されているプラズマトーチは図4に示す構造をしてお
り、同心円状に位置され電源14に接続された陽極13
と陰極12の間隙にアークを発生させ、該間隙に処理ガ
スを矢印15で示すように供給することによって、処理
ガスをプラズマ化させ、高温の熱プラズマのジェット1
7としてトーチ先端から鋼板1に噴出させるものであ
る。16は冷却孔である。一般に、このようなタイプの
大気圧下でのプラズマは熱的ピンチ効果によって収束し
た円柱状に近いいわゆるプラズマジェットとなり、広い
面積を均一に処理するには適さない。
【0008】したがって、特開平2―213460号に
開示された技術では処理雰囲気を減圧とし直流グロー放
電ないしは高周波誘起グロー放電プラズマとして広い面
積を均一に処理するようにしている。しかし、このよう
な減圧条件は、鋼帯が700℃を超える高温にあるとき
は、鋼帯の出入り口での大気雰囲気との遮断が困難であ
るため、工業的には高々700℃まででしか実現できな
い。
【0009】したがって、特開平2―213460号に
開示された技術では鋼帯の連続焼鈍後の冷却段階で処理
するのであるが、このような段階では、上述したよう
な、鋼中の酸化され易い成分の表面濃化はすでに生じて
しまっており、特開平2―213460号に具体的な実
施例として開示されるような合金成分含有量の著しく少
ない極低炭素鋼板などは別として、プラズマ処理によっ
ても、十分な表面処理性の改善は望めない。また、減圧
状態を維持するための大がかりな真空排気装置とシール
装置が必要であり設備的に過大な負担が要求される欠点
もある。
【0010】特開平4−337057号に開示された技
術も減圧を前提とする点で特開平2−213460号に
開示された技術と同様の欠点を有する。
【0011】特開平4―52211号は、図4に示すよ
うな通常のプラズマトーチに作動ガスとして水素等の還
元性ガスを用いてプラズマジェットとしこれによって、
鋼帯の加熱と表面酸化膜の還元を同時に行おうというも
のである。しかしこのようなプラズマジェットが広い面
積の均一な処理には本来適さないものであることは前述
した通りである。特に、このようなプラズマジェットは
減圧プラズマに比較して、電離したガス分子と電子の両
方ともが超高温となっており、トーチを鋼帯に近接させ
ると、処理むらが発生するだけでなく、鋼帯の部分的な
熱歪や場合によっては溶融をも引きおこすので、鋼帯と
はできるだけ離隔して配置することが必要となる。
【0012】しかし、トーチを鋼帯から離隔して配置す
ることは、折角プラズマ化して反応性の高まっているガ
スの鋼帯との直接反応の機会を低下させることに他なら
ない。したがって、鋼帯表面の酸化物のうちでも比較的
還元され易い鉄等の酸化物は還元され、見かけ上酸化膜
厚が減少するが、めっきや化成処理等の表面処理性に重
大な影響をおよぼすSi,Mn,Cr等の酸化物は依然
として鋼帯表面に残存する結果となる。
【0013】以上述べたように、折角、高温度、高活性
であるプラズマを利用して鋼帯の表面をめっきや化成処
理等の表面処理に適した状態に改質しようとする試み
は、十分にその目的を達しているとは言い難いのであ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋼帯を連続
的に熱処理するに際し、鋼帯表面をその後のめっきや化
成処理に適したものに改質する方法であって、従来のプ
ラズマ処理において成し遂げられなかった処理の均一性
と優れた改質効果を達成することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋼板を高速
で走行させ大量に処理する連続プロセスにおいて、高速
度で表面改質処理する手段として熱プラズマ処理を有効
に活用することに着目した。しかし、熱プラズマ処理を
単純に、連続熱処理プロセスに適用するのみでは十分な
表面処理性の達成が不可能であったことは前述したとお
りである。
【0016】ところで、最近、スリット状電極空間にア
ークを発生させ、スリット内から噴出すガスによってプ
ラズマジェット化し、これを電極外側に設けた交番磁界
によってスリット長手方向に走査する、走査型熱プラズ
マ発生装置が考案されている(特開平4−175000
号、特開平04−262398号参照)。
【0017】本願発明者らは、鋼帯の表面改質に上記走
査型熱プラズマ発生装置を適用できないか鋭意検討した
結果本願発明をなすに到ったものである。
【0018】すなわち、本発明の第1の態様によれば、
鋼帯を連続的に加熱帯、均熱帯、冷却帯を通板して熱処
理する、鋼帯の連続熱処理工程において、鋼帯温度が7
00℃以上(但し700℃は除く。)の位置において、
走査型熱プラズマ発生装置によって鋼帯表面に熱プラズ
マを照射することを特徴とする表面処理性の優れた鋼帯
の連続製造方法が提供される。
【0019】また、本発明の第2の態様によれば、鋼帯
の加熱帯、均熱帯、冷却帯を順次連接してなる、鋼帯の
連続熱処理装置において、鋼帯温度が700℃以上(但
し700℃は除く。)の位置において、走査型熱プラズ
マ発生装置を配置してなることを特徴とする表面処理性
の優れた鋼帯の連続製造装置が提供される。
【0020】また、上記発明において、鋼帯温度が70
0℃以上(但し700℃は除く。)の加熱帯および/ま
たは均熱帯の少なくとも一部において熱プラズマ照射す
るのが好ましい。
【0021】
【作用】以下に、本発明の具体的態様とその作用につい
て詳述する。本発明が対象とする鋼帯の連続熱処理工程
は、鋼帯を連続的に加熱帯、均熱帯、冷却帯を通板する
工程を基本構成とするが、加熱帯の前に、予熱帯や通常
の酸洗、脱脂設備工程を有していても良い。また、冷却
帯は徐冷、急冷のいずれでも良く、また過時効帯を含む
ものであっても良い。さらに、冷却帯から引き続き、鋼
帯を溶融めっき浴に導入し溶融めっきまで一貫して行
う、連続溶融めっき工程の一部としての連続熱処理工程
であっても良い。
【0022】鋼帯の加熱、均熱に際しては、燃焼ガスを
直接、鋼帯に接触させるバーナ式であっても、ラジアン
トチューブ方式のいずれでも良い。
【0023】図1に連続熱処理と溶融亜鉛めっき工程を
連続した一般的な溶融亜鉛めっきラインにおいて本発明
を適用した例を示す。1は鋼帯などの金属帯、2は加熱
帯、3は均熱帯、4は冷却帯である。また2、3、4の
各処理帯で熱処理された鋼帯は、引き続き、溶融亜鉛め
っき浴6に浸漬され、ワイピング装置7によって目付け
量を調整され、必要に応じて合金化炉8において加熱、
合金化処理されて所望の溶融亜鉛めっき鋼板が製造され
る。
【0024】図1の例では、加熱帯2の最後端位置およ
び均熱帯3の最後端位置において熱プラズマ処理帯5を
設けて、走査型熱プラズマ処理を行えるようにしてい
る。熱プラズマ処理帯は後述するように加熱帯および/
または均熱帯の少なくとも一部に、これを配置して行え
ば良い。
【0025】図2には熱プラズマ処理装置の構成の一例
を示す。熱プラズマ処理帯5においては、熱プラズマ発
生装置10を鋼帯の少なくとも一方の面側に配設し、こ
れによるプラズマにより鋼帯1をプラズマ処理し、排気
孔より排気する。このとき、プラズマ処理帯5をシール
する必要があるときには、例示するようなシール装置9
によりシールする。本発明においては、プラズマ発生装
置として、図3に例示するような走査型プラズマ発生装
置を用いるのが好ましい。
【0026】本発明で使用する走査型熱プラズマ発生装
置は、特開平4−175000号、特開平04−262
398号に開示された形式のものが好適に使用できる。
すなわち、図3に示すように、スリット状空間を挟んで
電源14に接続された陽極13および陰極12を対置さ
せ、その周囲に電源19に接続された交番磁界発生装置
18を具備させる。この状態で処理ガスを矢印15で示
すように供給して電流を印加すると先端のある1点でプ
ラズマが発生するので、そのプラズマを交番磁界により
走査させることによりスリット長手方向に走査する。結
果的にプラズマをスリット状のジェット17とすること
ができるので、これを鋼帯に照射すれば鋼帯の全面を均
一に処理することができる。プラズマの走査速度が遅い
と板を均一に処理できなくなるので、走査速度の早い方
が良好であり、100m/秒、好ましくは500m/秒
が必要である。
【0027】このプラズマは大気圧または大気圧に近い
圧力で作動可能であるので、大がかりな差圧シール設備
が不要となる。多少の圧力差が必要な場合や雰囲気組成
を加熱帯前後で変える場合、鋼板との熱交換後の高温の
プラズマ排ガスを回収する場合(エネルギー回収または
排ガスが前後の雰囲気に外乱を及ぼす場合)には図2に
示すような簡単なシール装置を設置し、加熱帯部分をボ
ックス化する。その場合でも圧力差が小さいので、現在
の連続炉でも常圧下で雰囲気制御するために使用されて
いる程度の簡単なシール装置で十分である。通常は雰囲
気ガス組成と同一の作動ガスを使用すればよく、アルゴ
ンガス、窒素ガス、必要に応じて水素ガス、メタンガス
を使用すれば良い。
【0028】通常の連続焼鈍炉では水素一窒素混合ガス
が使用されるので、同じガスを使用する方が容易であ
る。
【0029】通常は走査型プラズマ照射照射帯ををボッ
クス化し、プラズマ排ガスを回収し、これを加熱帯や均
熱帯の熱源として利用し、さらにその排ガスを加熱帯前
の予熱帯の熱源として利用するのが経済的である。
【0030】上述した本発明で用いる走査型プラズマ照
射処理の表面改質処理の効果を調査したところ、その効
果は特開平4―52211号で言われているFe酸化膜
の還元効果や、特開平2―213460号で言われてい
るイオン窒素化、イオン浸炭、表面の活性化等による化
成処理性改善効果だけではないことを見いだした。すな
わち、鋼板表面の各種のクリーニング効果があることを
見いだした。
【0031】第1の効果は加熱途中に走査型プラズマ照
射処理することにより、表面濃化が起こらなくなること
を見いだした。具体的には高張力鋼板でその効果が顕著
に表れるが、Si,Mn,Cr,A1,Ti,B等のF
eよりも易酸化性であり、通常は表面濃化する元素が表
面濃化しなくなる。もちろん加熱帯と均熱帯ともに全て
走査型プラズマ加熱処理とし、加熱と表面改質処理を兼
ねても効果はある。ところが、加熱途中の一部で走査型
プラズマ照射処理を鋼帯全面に行うだけでも、十分に、
その後の表面濃化を抑制できることを見いだした。従っ
て、現行の加熱プロセスの一部にて走査型プラズマ照射
処理を行うことにより効果を発揮できる。また、加熱作
用を利用しても良いし、表面改質作用のみを利用しても
良いが、補助的に加熱作用を利用する方がエネルギー的
に効率的である。
【0032】走査型プラズマ照射処理には処理時の鋼板
温度の影響があり、板温度が高温ほど効果的である。通
常プロセスの場合、Si,Mn,Cr,A1,Tiなど
は鋼板の再結晶温度を超える温度から表面濃化し始める
が、これは、これら元素が表面で酸化され、粒界を経由
して鋼板内部からこれら元素が移動するためである。こ
の粒界生成と関係があると思われ、走査型プラズマ照射
処理時の鋼板温度が鋼板の再結晶温度以下ではその効果
は小さく、再結晶温度を超えると極めて効果的である。
再結晶温度は鋼板組成により異なるが、プラズマ処理時
の鋼板温度として700℃以上(但し700℃は除
く。)が好ましく、さらには750℃以上、800℃以
上がより好ましい。これら温度以下ではプラズマ走査処
理の表面改質効果は小さいが、効果は認められ、主に加
熱手段として使用しても問題はない。
【0033】これらの効果はFe酸化膜の還元効果や表
面の活性化では説明することができない。その効果の原
因はいまだ全て明らかとは言えないが、むしろ鋼板表面
や粒界を結果的に不活性化させることにより、Si,M
n,Crなどの表面濃化を抑制していると思われる。
【0034】第2の効果は走査型プラズマ照射処理によ
りSi,Mn,Cr,A1,Ti,B等のFeよりも易
酸化性元素の表面濃化酸化物皮膜を除去する作用を見い
だした。従って、均熱帯の出側で走査型プラズマ照射処
理することにより効果を発揮できる。均熱帯ではプラズ
マ処理温度の影響は認められず、材質を得るための温度
でよい。これは既に再結晶しており、粒界が生成してい
るためと思われる。
【0035】均熱帯内での走査型プラズマ処理を行う場
所では均熱帯出側が最も効果的であったが、入り側や途
中でも十分な効果がある。
【0036】これらの効果もFe酸化膜の還元効果やイ
オン窒素化、浸炭、表面の活性化などからは予見されな
いものである。この効果の原因はいまだ全て明らかとは
言えないが、プラズマ目身の温度が数万℃と高いことか
ら、鋼板再表面の極めて薄い層がプラズマ化して除去さ
れることや蒸発、スパッタリングしている可能性が考え
られる。
【0037】第1の効果と第2の効果、つまり、表面濃
化防止作用と表面濃化物除去作用とを合わせ持つため
に、加熱帯と均熱帯の一部のいずれかで走査型プラズマ
照射処理をすればその効果を発揮できる。もちろん一部
だけでなくてもかまわず、加熱帯と均熱帯両方であって
もかまわない。
【0038】また、冷却帯で昇温を伴うプラズマ処理を
行うという非効率的なプロセスは不要である。
【0039】連続処理プロセスではいわゆるCALの場
合、鋼帯を所定の温度に昇温後均熱帯にて均熱し、その
後冷却し、冷延鋼板を製造するが、加熱帯および/また
は均熱帯で走査型プラズマ照射処理すれば良い。CGL
の場合、鋼帯を所定の温度に昇温後均熱帯にて均熱する
が、加熱帯および/または均熱帯で走査型プラズマ照射
処理し、その後冷却し、溶融亜鉛めっき浴に浸漬して溶
融亜鉛めっき鋼板を製造する。合金化溶融亜鉛めっき鋼
板はその後直ちに加熱により合金化処理して製造する。
【0040】この走査型プラズマ処理により従来の熱プ
ラズマ処理と比較して以下の利点が得られる。これらの
利点により初めてプラズマによる表面改質を鋼帯の連続
プロセスとして実用に耐え得るものとなった。 温度分布が均一であり、熱歪みの発生がない。 鋼板の全面を均一に表面改質処理できる。 プラズマトーチの数を著しく削減できる。 常圧の炉が使用でき、大がかりな差圧シール設備が不
要。 高速で表面改質処理できる。 既設の連続焼鈍炉を小規模の改造により適用できる。 すなわち、現有の連続焼鈍炉の加熱帯出側や均熱帯出側
に一部のみプラズマスキャン設備を迫加すれば良い。
【0041】また、従来のNOFやDFF,オールラジ
アントチューブ加熱方式とあわせて比較して以下の利点
が得られる。
【0042】表面特性が改善される。特にFeよりも易
酸化性元素は通常表面濃化層として表面を覆っている
が、表面濃化層が著しく少ない鋼板を得られる。従っ
て、優れた化成処理性、塗装性、溶融亜鉛めっき性、電
気めっき性が得られる。
【0043】特に高張力鋼板の場合に効果的であり、S
i,Mn,Cr,A1,Ti,B等の表面濃化皮膜が著
しく少ない鋼板が得られる。その結果、優れた化成処理
性、塗装性、電気めっき性が得られ、特に問題になる溶
融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板の不めっ
きを解消でき、優れためっき密着性が得られる。
【0044】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例)板厚1.0mm、幅1200mmの鋼板を使
用し、通板速度120m/minにて室温から850℃
まで昇温し、10秒間均熱した後冷却した。加熱方法は
オールラジアントチューブ方式またはNOF、均熱方法
はオールラジアントチューブ方式である。均熱帯雰囲気
はラジアント式の場合、水素5%一窒素、NOFの場合
には水素20%一窒素である。
【0045】このとき、加熱帯及び均熱帯で下記の条件
にて走査型プラズマ照射処理による表面改質処理を行っ
た。 雰囲気組成:水素5%一窒素 プラズマ条件:電圧30V 電流50000A 出力1
500kw 作動ガス 窒素500m3/Hr 電極一鋼板距離9mm 磁界条件 :磁束密度5000Gauss プラズマ数 :2台(表と裏各1台)
【0046】図5、表1に示すように、走査型プラズマ
照射処理により、表面濃化を抑制でき、熱歪みの発生も
なかった。溶融亜鉛めっき(浴温 475℃、Al
0.14%)時の不めっきも解消できた。通常のオール
ラジアントチューブ加熱方式では著しい表面濃化が起こ
った。また、通常のプラズマトーチを並べただけのもの
では、約10mmφのプラズマが直接あたる部分のみが
高温となり、著しい熱歪みが発生した。そのため、表面
改質効果を評価することさえできなかった。同様に、走
査型プラズマ照射処理後、Zn浴温度近辺まで冷却した
後、溶融亜鉛めっき、合金化処理することにより、溶融
亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する
ことができた。
【0047】なお、評価方法は以下の通りである。 (GDSによる表面濃化評価) ○:表面濃化はほとんどなし △:表面濃化抑制効果あり ×:表面濃化抑制作用なし (溶融亜鉛めっきの不めっき) ○:不めっき発生なし ×:不めっき発生あり(僅かなピンホール状のものも含
む) (化成処理性) 走査型プラズマ照射処理したものあるいはしないものに
つして、日本ペイント(株)製SD500を塗工した結
果の結晶形成状態を評価する。 ○:良好 △:一部のみ粗大結晶あり ×:スケ、粗大結晶発生
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による走査
型プラズマ照射処理することにより、著しく優れた表面
改質処理をすることができる。その結果、連続熱処理プ
ロセスにおいて、鋼板を高速で走行させ、大量に製造す
ることができ、また、溶融亜鉛めっき時の不めっきの解
消など表面持性の優れた鋼板やめっき鋼板を製造するこ
とが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1例を示す溶融亜鉛めっき連続処理
プロセスの構成図である。
【図2】 熱プラズマ処理装置の構成の1例を示す図で
ある。
【図3】 走査型プラズマ照射処理装置の構成の1例を
示す図である。
【図4】 従来のプラズマトーチの構成の1例を示す図
である。
【図5】 加熱帯における走査型プラズマ照射時の鋼板
温度が表面濃化に及ぼす影響を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼板(金属帯) 2 加熱帯 3 均熱帯 4 冷却帯 5 熱プラズマ処理帯 6 亜鉛ポット 7 ワイピング装置 8 合金化炉 9 シール装置 10 熱プラズマ発生装置 11 排気孔 12 陰極(電極) 13 陽極(電極) 14 直流電源 15 処理ガス 16 冷却孔 17 熱プラズマ 18 磁界発生装置 19 交流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜 安 哲 也 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 森 戸 延 行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平2−213460(JP,A) 特開 平4−52211(JP,A) 特開 平4−175000(JP,A) 実開 平4−64566(JP,U) 実開 平4−60539(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/52 - 9/66

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼帯を連続的に加熱帯、均熱帯、冷却帯を
    通板して熱処理する、鋼帯の連続熱処理工程において、
    鋼帯温度が700℃以上(但し700℃は除く。)の位
    置において、走査型熱プラズマ発生装置によって鋼帯表
    面に熱プラズマを照射することを特徴とする表面処理性
    の優れた鋼帯の連続製造方法。
  2. 【請求項2】鋼帯温度が700℃以上(但し700℃は
    除く。)の位置が加熱帯および/または均熱帯の少なく
    とも一部である請求項1に記載の表面処理性の優れた鋼
    帯の連続製造方法。
  3. 【請求項3】鋼帯の加熱帯、均熱帯、冷却帯を順次連接
    してなる、鋼帯の連続熱処理装置において、鋼帯温度が
    700℃以上(但し700℃は除く。)の位置におい
    て、走査型熱プラズマ発生装置を配置してなることを特
    徴とする表面処理性の優れた鋼帯の連続製造装置。
  4. 【請求項4】走査型熱プラズマ発生装置は鋼帯温度が7
    00℃以上(但し700℃は除く。)の加熱帯および/
    または均熱帯の少なくとも一部に配置されている請求項
    3に記載の表面処理性の優れた鋼帯の連続製造装置。
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