JP3002931B2 - めっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置 - Google Patents

めっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置

Info

Publication number
JP3002931B2
JP3002931B2 JP4-291987A JP29198792A JP3002931B2 JP 3002931 B2 JP3002931 B2 JP 3002931B2 JP 29198792 A JP29198792 A JP 29198792A JP 3002931 B2 JP3002931 B2 JP 3002931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
hot
steel strip
rolled
equipment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4-291987A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05295511A (ja
Inventor
惺朗 日渡
敏之 樋口
幸一郎 田中
正美 小倉
二郎 山崎
秀夫 加藤
一彬 江坂
純治 土師
治 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Publication of JPH05295511A publication Critical patent/JPH05295511A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3002931B2 publication Critical patent/JP3002931B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱延鋼板にZn、Al等
の1種または2種以上を主成分とする溶融めっきを施し
た鋼板の製造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的な熱延めっき鋼帯としてZ
n系溶融めっき熱延鋼帯が知られており、その一般的製
造方法は、熱間圧延終了後コイル状に巻き取られ、10
0℃未満に3〜4日かけて自然冷却された後、表面スケ
ール除去のため酸洗ラインにおいて80℃程度で処理さ
れ、さらにその後、溶融めっきラインで処理される。な
お、Zn系溶融めっき冷延鋼板の場合は、酸洗と溶融め
っきの間に冷間圧延が行われる。
【0003】また、溶融めっきラインとしては、鋼帯を
700〜800℃程度に加熱し、酸化性雰囲気ガス中で
酸洗工程およびその後の搬送時に鋼板表面に付着したス
マット等と呼ばれる異物(酸化鉄、水酸化鉄、塩化鉄、
珪酸塩等)、油脂等のめっき性を阻害する表面皮膜・汚
物を燃焼除去し、それらの高温での除去に伴って発生す
る鋼帯表面の酸化皮膜をさらに水素雰囲気ガス中で還元
することにより、めっき密着性に必要な表面清浄性を確
保し、その後非酸化性もしくは還元性雰囲気中でめっき
浴温近傍まで冷却して溶融めっきするいわゆるゼンジマ
ー法、あるいは鋼帯を700〜800℃程度に加熱し、
水素雰囲気ガス中で酸洗工程およびその後の搬送時に鋼
板表面に付着したスマット等と呼ばれる異物、油脂等の
めっき性を阻害する表面皮膜・汚物を除去し、めっき密
着性に必要な表面清浄性を確保し、その後非酸化性もし
くは還元性雰囲気中でめっき浴温近傍まで冷却して溶融
めっきするいわゆる無酸化炉法が採用されている。
【0004】上記700〜800℃程度の加熱は冷間圧
延により加工を受けた鋼帯のミクロ組織を再結晶させ、
材質調整することをも目的としているが、熱延鋼板をめ
っき原板とする場合、冷間圧延をめっき前に行わないた
め、ミクロ組織の再結晶・材質調整を目的とした700
〜800℃程度の再結晶焼鈍を行う必要はないが、酸洗
工程およびその後の搬送時に鋼板表面に付着したスマッ
ト等と呼ばれる異物、油脂等のめっき性を阻害する表面
皮膜・汚物を除去し、さらにそれらの高温での除去に伴
って発生する鋼帯表面の酸化皮膜を還元し、めっき密着
性に必要な表面清浄性を確保するため、700〜800
℃程度への加熱が避けられないのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、めっき密着
性に必要な表面清浄性を確保するために、コイルを3〜
4日かけて100℃未満へ冷却した後、700〜800
℃程度の高温まで再加熱することは、コイルの広大な冷
却スペース、膨大な再加熱エネルギー・長大な加熱炉を
必要とするため、操業コスト負担が大きく、長い製造工
期を必要とする。さらに、その後、両者の中間的温度で
あるめっき浴温の500℃程度近傍まで冷却することは
熱エネルギーの多大な損失である。さらに、高温の水素
雰囲気中では鋼板に水素が吸蔵され、めっき後、この水
素が鋼板とめっきの界面に放出され、めっき表面にふく
れ状の欠陥を誘起するという欠点がある。また、高温に
加熱されると変態組織の焼き戻し、析出物の再固溶、粒
成長等が短時間で起こり、熱間圧延工程で調整された鋼
板材質の劣化、変動をきたすという欠点がある。
【0006】以上の問題を解決するため、例えばめっき
前処理としてNiまたはNi系合金を被覆する方法が特
開昭61−44168号公報に開示されているが、加熱
温度の低減は可能なものの、前処理温度が150℃以下
であるため一旦コイルを冷却することが避けられず、依
然として広大なコイルの冷却スペースが必要で巻取り後
の所要日数を短縮できないばかりか、コイルの保有熱を
利用することが出来ず、エネルギー損失もまぬがれず、
さらに前処理工程数増のため操業コストが増大する。ま
た、外観の劣化のみならず、耐剥離性、耐食性の劣化に
つながるめっき表面のふくれ状欠陥を避けるため、加熱
温度を600〜720℃に低減する方法が特開昭52−
95543号公報に開示されているが、酸による洗浄の
ため鋼板温度は一旦100℃未満に低下させることが避
けられないため、上記諸問題の解決には至らず、さらに
600〜720℃の加熱温度では依然として膨大なエネ
ルギー・長大な加熱炉を必要とするため、操業コスト低
減効果は小さく、変態組織の焼き戻し、析出物の再固
溶、粒成長等も依然として起こるため、鋼板材質の劣
化、変動を回避することはできない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はコイルの保有熱
を利用し、酸洗工程を省略して連続的に表面清浄化、温
度調整、めっきを行い、かつ、少なくとも表面清浄化完
了以降めっき直前までは非酸化性もしくは還元性に雰囲
気調整することにより、鋼板の温度調整に要する熱エネ
ルギー・設備を極小化し、巻取り以降の所要時間を短縮
し、在庫金利、在庫スペースを極小化することにより納
期短縮と操業コスト低減を達成するとともに、良好なめ
っき密着性を維持しつつめっき表面のふくれ状欠陥、腰
折れ、鋼板材質の劣化、変動を回避することを可能とす
る。本発明の要旨は以下〜の通りである。
【0008】 鋼片を熱間圧延し鋼帯となし、該鋼帯
を冷却してコイル状に350℃以上で巻取った後、巻戻
しに際しての歪付加、100℃以上での表面清浄化、3
50〜600℃への温度調整、溶融めっきを連続的に行
い、かつ、少なくとも表面清浄化完了以降めっき直前ま
でを非酸化性もしくは還元性に雰囲気調整することを特
徴とするめっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱
延溶融めっき鋼帯の製造方法。
【0009】 熱間圧延され350℃以上で巻取られ
たコイルを素材として、巻戻し時に歪を付加する設備、
100℃以上で表面清浄化を実施する設備、350〜6
00℃に温度調整する設備、溶融めっきを行う設備を順
次設け、かつ少なくとも表面清浄化完了以降めっき直前
までを非酸化性もしくは還元性に雰囲気調整する設備を
有するめっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱延
溶融めっき鋼帯の製造装置。
【0010】 鋼片を熱間圧延し鋼帯となし、該鋼帯
を冷却してコイル状に350℃以上で巻取った後、35
0℃以上での表面清浄化、350〜600℃への温度調
整、表面活性化、溶融めっきを連続的に行い、かつ、少
なくとも表面清浄化完了以降めっき直前までを非酸化性
もしくは還元性に雰囲気調整することを特徴とするめっ
き表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶融めっき
鋼帯の製造方法。
【0011】 熱間圧延され350℃以上で巻取られ
たコイルを素材として、350℃以上で表面清浄化を実
施する設備、350〜600℃に温度調整する設備、表
面を活性化する設備、溶融めっきを行う設備を順次設
け、かつ少なくとも表面清浄化完了以降めっき直前まで
を非酸化性もしくは還元性に雰囲気調整する設備を有す
るめっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶融
めっき鋼帯の製造装置。
【0012】 鋼片を熱間圧延し鋼帯となし、該鋼帯
を冷却してコイル状に350℃以上で巻取った後、巻戻
しに際しての歪付加、100℃以上での表面清浄化、3
50〜600℃への温度調整、表面活性化、溶融めっき
を連続的に行い、かつ、少なくとも表面清浄化完了以降
めっき直前までを非酸化性もしくは還元性に雰囲気調整
することを特徴とするめっき表面性状およびめっき密着
性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法。
【0013】 熱間圧延され350℃以上で巻取られ
たコイルを素材として、巻戻し時に歪を付加する設備、
100℃以上で表面清浄化を実施する設備、350〜6
00℃に温度調整する設備、表面を活性化する設備、溶
融めっきを行う設備を順次設け、かつ少なくとも表面清
浄化完了以降めっき直前までを非酸化性もしくは還元性
に雰囲気調整する設備を有するめっき表面性状およびめ
っき密着性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造装置。
【0014】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】(1)鋼板化学成分 本発明において、鋼板化学成分は特に限定されるもので
はなく、必要とされる加工特性・用途に応じて適宜選択
が可能である。例えば、C、Si、Mn、Alを基本成
分とする低炭素系軟鋼、さらに上記基本成分にNb、T
i、Cr、P、Ca、V、Cu、Mo等の1種または2
種以上を添加した高張力鋼、加工用鋼の適用が可能であ
る。
【0016】(2)圧延素材 本発明において、圧延素材は特に限定されるものではな
いが、例えば通常の連続鋳造スラブ、薄肉の連続鋳造ス
ラブが適用できる。また、圧延素材の熱履歴としてスラ
ブを一旦冷却した後再び加熱する再加熱法のみならず、
いわゆるダイレクト・ローリング(DR)法の適用も可
能である。
【0017】(3)熱間圧延条件 本発明において、限定されるべき熱間圧延条件は巻取温
度の下限である。巻取温度の上限および、例えば、加熱
温度、熱間圧延温度、熱間圧延圧下率、ホットランテー
ブルでの冷却履歴というその他の条件は必要とされる加
工特性・用途に応じて適宜選択が可能である。
【0018】以下、巻取温度の下限の限定理由について
述べる。
【0019】巻取温度が350℃未満では、コイルの保
有熱の有効利用ができなくなり、エネルギー損失を生ず
るため、めっき前の350〜600℃への温度調整に要
する設備が長大となり、設備コストの低減効果を享受で
きない。さらに、350℃未満で巻取った場合には、め
っき前の350〜600℃への温度調整により、変態組
織の焼き戻し等に起因する鋼板材質の劣化、変動を生じ
るため、350℃以上とする。
【0020】また、コイルの保有熱を最大限に有効利用
するため、熱間圧延機出側に近接した巻取装置、いわゆ
る近接コイラーを設けてもよい。
【0021】なお、後工程の表面清浄化効率を高めるた
め、スケール厚を薄くする工程条件を採用することも可
能である。例えばAr、N2 等の不活性雰囲気中での圧
延、スケール生成抑制作用を有する溶媒を含む冷却水を
使用した圧延スタンド間やホットランテーブル上での冷
却、巻取ったコイルのN2 シール雰囲気ボックス内での
冷却、フェライト域圧延、圧延直後急冷などの採用が可
能である。
【0022】(4)表面清浄化条件 表面清浄化は酸液を使用しないドライデスケーリングか
つ/または還元に限定される。これにより酸洗工程に起
因する鋼板表面に付着したスマット等と呼ばれるめっき
性を阻害する異物の発生が避けられるため、異物を加熱
除去する必要はなく、それらの高温での除去に伴って発
生する鋼帯表面の酸化皮膜をさらに高温水素雰囲気ガス
中で還元する必要もなく、めっき密着性に必要な表面清
浄性を確保することが可能となる。
【0023】具体的な表面清浄化方法としては真空アー
ク(10-1〜10-6Torr)、水素プラズマ、還元性
ガスによる気相還元、直火バーナーによる直火還元、磁
性研磨(数十ミクロン〜数百ミクロンの磁性粉を使
用)、ショットブラスト、サンドブラスト、グリッドブ
ラスト、ワイヤーブラシ、グラインダーなどを単独ない
しは組合せて利用することができる。
【0024】なお、表面清浄化により得られためっき密
着性に必要な表面清浄性を維持ないしはその効果をより
高めるため、少なくとも表面清浄化完了後めっき直前ま
ではアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気、不活性ガス
と水素の混合雰囲気、水素雰囲気等の非酸化性もしくは
還元性雰囲気に維持する必要がある。非酸化性もしくは
還元性雰囲気中で表面清浄化を実施してもよいことはい
うまでもない。
【0025】特にSi等の易酸化性元素を含有する難め
っき材に対しては真空アークかつ/または還元性雰囲気
を採用することが望ましく、Siスケール模様等のスケ
ール疵・欠陥を有する鋼帯に対しては真空アークを採用
することが望ましい。
【0026】また、表面清浄化は巻戻しに際して歪を付
加する装置がない場合350℃以上で、該装置がある場
合、100℃以上で実施しなければならない。該装置が
ない場合、表面清浄化温度が350℃未満では通板時の
曲げ曲げ戻し等に伴う鋼板の変形により腰折れと称され
る歪模様が発生し、外観品位を害する。該装置がある場
合、上記腰折れの無害化効果を有するため、350℃未
満となってもさしつかえないが、100℃未満ではコイ
ルの保有熱の有効利用ができなくなり、エネルギー損失
を生ずるため、350〜600℃へのめっき前の板温調
整に要する設備が長大となり、設備コストの低減効果を
享受できない。
【0027】なお、歪を付加する装置としてはスキンパ
ス、テンションレベラー、ベンディングロール等を単独
ないしは組み合わせて利用できる。これらは表面清浄化
効率の向上効果も有している。そのメカニズムはスケー
ルへのクラック導入効果によると考えられる。
【0028】(5)表面清浄化後の工程条件 表面清浄化により得られためっき密着性に必要な表面清
浄性を維持ないしはその効果をより高めるため、表面清
浄化完了後、連続的に非酸化性もしくは還元性雰囲気中
で350〜600℃にめっき前板温調整を行い、めっき
を行う。
【0029】以下、めっき前板温の限定理由を述べる。
【0030】350℃未満ではいわゆるぬれ性が確保で
きず、不めっきないしはめっき密着性の劣化を生ずる。
【0031】一方、600℃を越えると、変態組織の焼
き戻し、析出物の再固溶、粒成長等に起因する鋼板材質
の劣化、変動が生ずるとともに、還元雰囲気中の水素が
鋼板中へ吸蔵されやすくなり、めっき表面のふくれ状欠
陥を生じやすくなる。さらに、ZnとFeの合金化反応
が過度に進行し、Γ相等の脆いめっき層が出現し、めっ
き密着性を劣化させる。また、温度調整に要するエネル
ギーコスト・設備コストの観点からも600℃を越える
と損失が多大となる。
【0032】温度調整設備としてはいわゆるラジアント
チューブ式炉のみならず、設備コンパクト化、熱応答
性、還元能等の観点から、通電加熱、直火還元、誘導加
熱等の急速加熱装置の採用が可能である。また、本製造
方法では熱間圧延工程にて材質が造り込まれているた
め、材質調整のための高温での再結晶焼鈍は必要がな
い。
【0033】さらに、上記ぬれ性の改善、後述の合金化
処理時の合金化特性の改善を目的にめっき前にブラシ研
磨、スキンパス圧下等の表面活性化手段を採用すること
も可能であり、めっき完了後、必要とされる特性・用途
に応じて、いわゆる合金化処理、スキンパス、クロメー
ト処理、ボンデ処理、塗装などの種々の後処理を1種な
いしは2種以上適宜選択することが可能である。
【0034】また、溶融めっき方法として、浴中への鋼
帯浸漬のみならず、ロールコーター、スプレー、電磁ポ
ンプ等による浴の持ち上げ等を利用することも可能であ
り、本発明を真空蒸着、イオンプレーティング等へ利用
することも可能である。
【0035】
【実施例】表1に示す化学成分を有する鋼片を連続鋳造
により製造し、表2に示す熱延条件でコイルを製造し、
以下に示す条件で表面清浄化、溶融めっきを行った。な
お、コイル巻戻し時のスケール厚は1〜20μmであ
り、鋼記号C、D、FはいわゆるSiスケールが発生し
ていた。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(1)実施例その1 表1および表2に示した条件で製造されたコイルを用い
て、鋼帯を陰極、水冷したCu平板を陽極とした真空ア
ークによるドライデスケーリング(真空度=10-2To
rr、電圧15V、0.03m2 あたりの電流100
A、電極間隔=60mm)、溶融めっきを行い、不めっ
きの有無を目視で、めっき密着性は落重式デュポン(D
UPONT)衝撃試験機(落下高さ:50cm、落下重
量:27kg重、ポンチ形状:φ10×5mm、ダイス
径:φ20)で加工後のめっき剥離状況を目視で、めっ
き表面のふくれ状欠陥および腰折れを目視で、材質劣化
を引張試験(JIS−5号試験片を使用)で評価した。
なお、評価はめっき後30日経過してから実施した。結
果を表3に示す。鋼記号A〜EおよびGの種々の成分系
に対し、不めっきがなく、優れためっき密着性を示し、
ふくれ状欠陥・腰折れ・材質劣化も認められず、良好な
めっき製品が得られた。
【0039】
【表3】 めっき浴温:460℃、めっき前板温:500℃ めっき浴中浸漬時間:2秒 めっき浴成分:Zn−0.3%Al 雰囲気:80%N2 −20%H2 めっき付着量:300g/m2 ドライデスケーリング温度:350℃ 歪付加装置:あり(ベンディングロール使用) 表面活性化装置:なし
【0040】さらに、裸耐食性、塗装耐食性を塩水噴霧
試験で、化成処理性を化成皮膜付着量で、塗装密着性を
エリクセン試験で評価したが、いずれの特性も良好であ
った。
【0041】(2)実施例その2 表1および表2に示した条件で製造されたコイルを用い
て磁性研磨と還元の併用による表面清浄化、溶融めっき
を行い、不めっきの有無を目視で、めっき密着性をデュ
ポン衝撃試験機で、めっき表面のふくれ状欠陥および腰
折れを目視で、材質劣化を引張試験で評価した。なお、
評価はめっき後30日経過してから実施した。結果を表
4に示す。No.3は歪付加装置がなく表面清浄化温度
が低すぎるため、コイル巻戻し時に腰折れが発生した。
No.5はめっき前板温が高すぎるため、ふくれ状欠陥
が発生し、材質劣化を生じた。さらにZnとFeの合金
化が過度に進行したため、めっき密着性も劣化を生じ
た。No.7はめっき前板温が低すぎるため、めっき密
着性が劣化し、不めっき部を生じた。No.8は巻取温
度が低すぎ、適切なデスケーリング温度が確保できず歪
付加装置もないため、腰折れが発生し、材質劣化を生じ
た。No.1とNo.2とNo.4,6,9は本発明の
条件を満たしており、不めっきがなく、優れためっき密
着性を示し、ふくれ状欠陥・腰折れ・材質劣化も認めら
れず、良好なめっき製品が得られた(凡例は表3に同
じ)。
【0042】
【表4】
【0043】(3)実施例その3 表1および表2に示した条件で製造されたコイルを用い
て真空アークによるドライデスケーリング、溶融めっき
を行い、不めっきの有無を目視で、めっき密着性をデュ
ポン衝撃試験機で、めっき表面のふくれ状欠陥および腰
折れを目視で、材質劣化を引張試験で評価した。なお、
評価はめっき後30日経過してから実施した。結果を表
5に示す。各種浴成分に対し、不めっきがなく、優れた
めっき密着性を示し、ふくれ状欠陥・腰折れ・材質劣化
も認められず、良好なめっき製品が得られた(凡例は表
3に同じ)。
【0044】
【表5】 鋼記号:D デスケーリング温度:380℃ めっき浴中浸漬時間:4秒 雰囲気:100%N2 めっき付着量:150g/m2 歪付加装置:あり(ベンディングロール使用) 表面活性化装置:なし
【0045】(4)実施例その4 表1および表2に示した条件で製造されたコイルを用い
てショットブラストと水素還元による表面清浄化、溶融
めっきを行い、不めっきの有無を目視で、めっき密着性
をデュポン衝撃試験機で、めっき表面のふくれ状欠陥お
よび腰折れを目視で、材質劣化を引張試験で評価した。
なお、評価はめっき後30日経過してから実施した。結
果を表6に示す。不めっきがなく、優れためっき密着性
を示し、ふくれ状欠陥・腰折れ・材質劣化も認められ
ず、良好なめっき製品が得られた(凡例は表3に同
じ)。
【0046】
【表6】
【0047】(5)実施例その5 表1および表2に示した条件で製造されたコイルを用い
て水素還元による表面清浄化、溶融めっきを行い、不め
っきの有無を目視で、めっき密着性をデュポン衝撃試験
機で、めっき表面のふくれ状欠陥および腰折れを目視
で、材質劣化を引張試験で評価した。なお、評価はめっ
き後30日経過してから実施した。結果を表7に示す。
不めっきがなく、優れためっき密着性を示し、ふくれ状
欠陥・腰折れ・材質劣化も認められず、良好なめっき製
品が得られた(凡例は表3に同じ)。
【0048】
【表7】 鋼記号:B 表面清浄化温度:600℃ 雰囲気:25%N2 +75%H2 めっき付着量:270g/m2 めっき浴中浸漬時間:6秒 歪付加装置:なし 表面活性化装置:あり(ブラシ)
【0049】(6)実施例その6 図1〜4に本発明の製造装置の例を示す。
【0050】
【発明の効果】本発明により、溶融めっき熱延鋼板製造
に要する熱エネルギー・設備を極小化し、巻取り以降の
所要日数を短縮し、在庫金利、在庫スペースを極小化す
ることにより納期短縮と操業コスト低減を達成するとと
もに、良好なめっき密着性の維持とめっき表面のふくれ
状欠陥、腰折れ、鋼板材質の劣化、変動の回避が可能と
なり、産業上その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の例を示す図である。
【図2】本発明の製造装置の例を示す図である。
【図3】本発明の製造装置の例を示す図である。
【図4】本発明の製造装置の例を示す図である。
【図5】本発明の製造方法の熱履歴の例を従来法と比較
した模式図である。
【図6】デュポン衝撃試験機の模式図である。
【図7】歪付加装置の例としてベンディングロールを示
す図である。
【図8】表面活性化装置の例としてブラシロールを示す
図である。
【符号の説明】
1 熱間圧延 2 ホットランテーブル 3 コイル 4 保温台車 8 ペイオフリール 9 歪付加装置 10 シャー 11 ウェルダー 12 入側ルーパー 13 トリマー 14 ブラッシング 15 真空アークデスケーリング 16 温度調整 17 グリッドブラスト 18 還元+温度調整 19 表面活性化装置 20 めっきポット 21 合金化炉 22 気水冷却部 23 スキンパス 24 テンションレベラー 25 クロメート処理 26 出側ルーパー 27 オイラー 28 検査床 29 シャー 30 テンションリール 31 コイル 32 ベンディングロール 33 鋼板 34 ブラシロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 2/40 C23C 2/40 (72)発明者 小倉 正美 大分県大分市大字西ノ洲1 新日本製鐵 株式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 山崎 二郎 大分県大分市大字西ノ洲1 新日本製鐵 株式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 加藤 秀夫 大分県大分市大字西ノ洲1 新日本製鐵 株式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 江坂 一彬 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵 株式会社 名古屋製鐵所内 (72)発明者 土師 純治 大分県大分市大字西ノ洲1 新日本製鐵 株式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 河野 治 大分県大分市大字西ノ洲1 新日本製鐵 株式会社 大分製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭63−161149(JP,A) 特開 昭61−204326(JP,A) 特開 昭49−13037(JP,A) 特開 昭55−6436(JP,A) 特開 昭49−21333(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40 B21B 1/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼片を熱間圧延し鋼帯となし、該鋼帯を
    冷却してコイル状に350℃以上で巻取った後、巻戻し
    に際しての歪付加、100℃以上での表面清浄化、35
    0〜600℃への温度調整、溶融めっきを連続的に行
    い、かつ、少なくとも表面清浄化完了以降めっき直前ま
    でを非酸化性もしくは還元性に雰囲気調整することを特
    徴とするめっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱
    延溶融めっき鋼帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱間圧延され350℃以上で巻取られた
    コイルを素材として、巻戻し時に歪を付加する設備、1
    00℃以上で表面清浄化を実施する設備、350〜60
    0℃に温度調整する設備、溶融めっきを行う設備を順次
    設け、かつ少なくとも表面清浄化完了以降めっき直前ま
    でを非酸化性もしくは還元性に雰囲気調整する設備を有
    するめっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶
    融めっき鋼帯の製造装置。
  3. 【請求項3】 鋼片を熱間圧延し鋼帯となし、該鋼帯を
    冷却してコイル状に350℃以上で巻取った後、350
    ℃以上での表面清浄化、350〜600℃への温度調
    整、表面活性化、溶融めっきを連続的に行い、かつ、少
    なくとも表面清浄化完了以降めっき直前までを非酸化性
    もしくは還元性に雰囲気調整することを特徴とするめっ
    き表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶融めっき
    鋼帯の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱間圧延され350℃以上で巻取られた
    コイルを素材として、350℃以上で表面清浄化を実施
    する設備、350〜600℃に温度調整する設備、表面
    を活性化する設備、溶融めっきを行う設備を順次設け、
    かつ少なくとも表面清浄化完了以降めっき直前までを非
    酸化性もしくは還元性に雰囲気調整する設備を有するめ
    っき表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶融めっ
    き鋼帯の製造装置。
  5. 【請求項5】 鋼片を熱間圧延し鋼帯となし、該鋼帯を
    冷却してコイル状に350℃以上で巻取った後、巻戻し
    に際しての歪付加、100℃以上での表面清浄化、35
    0〜600℃への温度調整、表面活性化、溶融めっきを
    連続的に行い、かつ、少なくとも表面清浄化完了以降め
    っき直前までを非酸化性もしくは還元性に雰囲気調整す
    ることを特徴とするめっき表面性状およびめっき密着性
    に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱間圧延され350℃以上で巻取られた
    コイルを素材として、巻戻し時に歪を付加する設備、1
    00℃以上で表面清浄化を実施する設備、350〜60
    0℃に温度調整する設備、表面を活性化する設備、溶融
    めっきを行う設備を順次設け、かつ少なくとも表面清浄
    化完了以降めっき直前までを非酸化性もしくは還元性に
    雰囲気調整する設備を有するめっき表面性状およびめっ
    き密着性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造装置。
JP4-291987A 1992-02-20 1992-10-07 めっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置 Expired - Lifetime JP3002931B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-69387 1992-02-20
JP6938792 1992-02-20

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05295511A JPH05295511A (ja) 1993-11-09
JP3002931B2 true JP3002931B2 (ja) 2000-01-24

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI484047B (zh) Thermoforming Zinc Coated Steel Sheet
JP2970445B2 (ja) Si添加高張力鋼材の溶融亜鉛めっき方法
JP3444007B2 (ja) 高加工性、高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2964911B2 (ja) P添加高張力鋼材の合金化溶融亜鉛めっき方法
JPH06116653A (ja) めっき表面性状およびめっき密着性に優れた低コスト型熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置
JP2997971B2 (ja) めっき密着性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置
JP3002931B2 (ja) めっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置
KR102303592B1 (ko) 도금 밀착성이 우수한 고강도 용융 도금 강판의 제조 방법
JPH06212383A (ja) 珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法
JP3063010B2 (ja) めっき表面性状およびめっき密着性に優れたZn系溶融めっき熱延鋼板の製造方法
JPH08170160A (ja) Si含有高張力(合金化)溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2964910B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法およびそのための装置
JPH05295511A (ja) めっき表面性状およびめっき密着性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置
JP2001262303A (ja) 溶融めっき性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH0688193A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP3248431B2 (ja) 溶融めっき鋼板の製造方法
JP4131577B2 (ja) めっき鋼板の製造方法
JPH05279828A (ja) 深絞り性とめっき性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法
JPH05279749A (ja) 深絞り性とめっき性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法
JPH08144036A (ja) 熱延鋼板を原板とした溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP3248432B2 (ja) 溶融めっき鋼板の製造方法
JPH1088307A (ja) めっき密着性に優れた溶融めっき鋼板の製造方法
JP3533177B2 (ja) 溶融Al−Zn系めっき鋼板の製造方法
JP3764638B2 (ja) 優れた加工性を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH04304351A (ja) 生産効率が高く深絞り性に優れるZn系溶融めっき鋼板の製造方法