JP3764638B2 - 優れた加工性を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた加工性を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関わるものである。本発明が係わる高強度溶融亜鉛めっき鋼板および高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板とは、自動車、家庭電気製品、建築などの用途にプレス加工をして使用されるものであり、プレス加工性や防錆の一層の改善のために上層に鉄めっきや金属酸化物皮膜、有機皮膜を表面処理した鋼板を含む。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体の防錆強化に対応し、プレス加工してフレーム、メンバーやフロア等の車体部品に用いられる鋼板も裸鋼板から亜鉛めっき鋼板に置換されてきた。一般に亜鉛めっき鋼板はその製造方法により電気亜鉛めっき鋼板と溶融亜鉛めっき鋼板に大別されるが、防錆性を重んじる立場から目付け量を増やそうとすると、電気亜鉛めっき鋼板では製造コストが著しく上昇するため、溶融亜鉛めっき鋼板の使用が一般的である。一方、自動車車体には防錆性以上に衝突時に乗員を保護するような機能の確保がCO2をはじめとした排出ガスの低減を燃費向上により実現するような軽量化とともに要求されており、そのためには鋼板の高強度化が必須である。しかしながら、加工性を悪化させずに鋼板を高強度化する強化機構として一般に考えられているような固溶強化や複合組織強化ではSiやMn、Pといった元素を添加する必要があるが、これらの元素の添加は一般に鋼板表面の濡れ性を悪くし、溶融亜鉛めっきを施すことは困難とされてきた。特にフェライトマトリクス中にマルテンサイトや残留オーステナイトが混在する複合組織強化では気水混合したミストや噴流水を冷却媒体とし、焼鈍温度から高速冷却を行うことが裸鋼板では一般に行われているが、溶融亜鉛めっきラインではこのような冷却方式の適用は困難であり、不必要なパーライトやベイナイト変態を避けるためにはSiやMnの添加量をいっそう増すことが必要となる。
【0003】
このようなSiやMn、Pが多く添加された鋼板の溶融亜鉛めっきにおける密着性を改善する手法としては、特開昭57−79160号公報や特開平5−65612号公報に開示されているように、溶融亜鉛めっきに先立って鋼板表面に少量のFeや、特許第2526320号公報にあるように少量のNiをプレめっきする方法があり、さらにその添加量が多い場合にはNiプレめっきの前に鋼板表面層を除去する方法が特許第2526322号公報に開示されている。また特許第1924585号公報にあるように内部と比べてC、Si、Mnの含有量が少ない表層を有するスラブから製造された鋼板を溶融亜鉛めっきする方法も開示されているが、製造コストの増加が著しく工業的な生産には適さない。
【0004】
これに対しめっき密着性の悪化が酸化雰囲気で形成されたSiやMn、Pといった元素の酸化物層であることに着目し、形成させた酸化物層を水素を含む雰囲気中で還元し、酸化膜厚を適当な範囲としたうえで溶融亜鉛めっきすることにより、めっき密着性を改善する方法も例えば、特開昭55−122865号公報で提案されており、更に連続ラインでの操業方案も特許第2513532号公報や特許第2530939号公報、更には特許第2587724号公報に開示されている。またカルシウムやマグネシウム、有機酸を含有する溶液や圧延油、洗浄水、過酸化水素や重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウムのような酸化剤を含有する酸性溶液を溶融亜鉛めっきに先立って塗布する方法がそれぞれ特開平8−170160号公報、特開平6−207259号公報、更には、特開平5−239606号公報に開示されている。これらの方法によって製造コストの著しい増加を招くことなく、0.3%以上のSiや1%以上のMnが添加されている鋼板に対しても密着性の良い溶融亜鉛めっきを行うことができるようになり、更に本発明者らは鋼成分と連続溶融亜鉛めっき設備における製造条件を特定することにより、その金属組織をフェライト中にマルテンサイトや残留オーステナイトが混在した組織で、パーライトやベイナイトを過大に含まない組織として加工性の良いことと高強度とを両立できることを特願平10−81805号のように見出したが、Mnの添加量が多くなるとかかる金属組織であるにもかかわらず、複雑な形状へのプレス加工が困難な事例の多いことが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述したように、焼鈍後めっき浴に鋼帯を浸漬するまでの冷却に水を用いることができない溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、フェライト中にマルテンサイトや残留オーステナイトが混在した金属組織とするためMnの添加量が多い場合も、裸鋼板に匹敵する秀逸した加工性を有する高強度溶融亜鉛めっきの製造方法を提供することを課題としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するべく、まず過大なパーライトやベイナイトを含まずに、フェライト中にマルテンサイトや残留オーステナイトが混在した金属組織を有する高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板および高強度溶融亜鉛めっき鋼板を複雑な形状にプレス加工し、その成形良否と引張試験値の対応を調査したところ、引張試験で破断に至るまでの全伸びから最大荷重に至るまでの伸び、すなわち均一伸びを減じた局部伸びが均一伸びの0.4〜0.8倍である時に加工性が秀逸であることを認め、その時の金属組織を詳細に検討した結果、マルテンサイトおよび残留オーステナイトが過大な場合だけではなく、マルテンサイトおよび残留オーステナイトが多数連結して存在したり、フェライトマトリクスを網目状に取り囲むようになると全伸びが低下しない場合にも、局部伸びが著しく低下して加工性が劣化すること、高強度であるにもかかわらず加工性が秀逸している場合にはフェライトマトリクス中に孤立して存在し、その体積率V%とその最大径dμmとの積V×dが2〜20であることを見出した。
【0007】
引き続きCとMn、Sの添加量を制御した鋼を用いて、その金属組織と連続溶融亜鉛めっき設備において焼鈍温度からめっき浴に鋼帯を浸漬するまでの鋼の温度変化、更に合金化溶融めっき鋼板の場合にはめっき直後に行う合金化処理の加熱条件について鋭意検討を加えた結果、%C、%Mn、%SをそれぞれC、Mn、S含有量とした時に(%C)×((%Mn)×(%S))1/2≦0.008が満たされる鋼をC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃以下まで、700℃からT℃までを平均冷却速度2〜40℃/秒で冷却し、400℃以上T℃以下で、且つ合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合には後で行う合金化処理に際する再加熱での最高到達温度よりも30℃以上低い温度に15秒以上500秒以下保持した後に、溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、更に合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合には500℃以上600℃以下の温度に再加熱してめっき層を合金化した場合に、過大なパーライトやベイナイトを含まずに、マルテンサイトおよび残留オーステナイトがフェライトマトリクス中に孤立して存在し、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率V%とその最大径dμmとの積V×dが2〜20である金属組織が得られ、Mnの添加量が多い高強度溶融亜鉛めっき鋼板および高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板であっても裸鋼板に匹敵する優れた加工性が確保できることを見出した。
【0008】
本発明はこのような思想と新知見に基づいて構成された従来にはない全く新しい鋼板であり、その要旨とするところは以下のとおりである。
【0009】
質量%で、
C:0.05〜0.15%、
Si:0.3〜1.8%、
Mn:1.5〜2.8%、
P:0.003〜0.05%、
S:0.02%以下、
Al:0.005〜0.311%、
N:0.006%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、更に、%C、%Mn、%SをそれぞれC、Mn、S含有量とした時に(%C)×((%Mn)×(%S)) 1/2 ≦0.008を満たす化学成分からなる組成のスラブをAr3点以上の温度で仕上圧延を行い、50〜85%の冷間圧延を施した後、連続溶融亜鉛めっき設備で焼鈍し、引き続いて溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程において、連続溶融亜鉛めっき設備で700℃以上850℃以下のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で焼鈍し、引き続いて溶融亜鉛めっき浴に浸漬するに際してC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃以下まで、700℃からT℃までを平均冷却速度2〜15℃/秒で冷却し、400℃以上T℃以下の温度に15秒以上500秒以下保持し、その金属組織に含まれるマルテンサイトおよび残留オーステナイトがフェライトマトリックス中に孤立して存在し、その体積率V%とその最大径dμmとの積V×dが2〜20であり、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8であることを特徴とする優れた加工性を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0010】
(2) 質量%で、
C:0.05〜0.15%、
Si:0.3〜1.8%、
Mn:1.5〜2.8%、
P:0.003〜0.05%、
S:0.02%以下、
Al:0.005〜0.311%、
N:0.006%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、更に、%C、%Mn、%SをそれぞれC、Mn、S含有量とした時に(%C)×((%Mn)×(%S))1/2≦0.008を満たす化学成分からなる組成のスラブをAr3点以上の温度で仕上圧延を行い、50〜85%の冷間圧延を施した後、連続溶融亜鉛めっき設備で焼鈍し、引き続いて溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程において、連続溶融亜鉛めっき設備で700℃以上850℃以下のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で焼鈍し、引き続いて溶融亜鉛めっき浴に浸漬するに際してC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃以下まで、700℃からT℃までを平均冷却速度2〜15℃/秒で冷却し、400℃以上T℃以下で、且つ合金化処理時の再加熱の最高到達温度よりも30℃以上低い温度に15秒以上500秒以下保持し、更に、溶融めっき浴に鋼帯を浸漬後500℃以上600℃以下の温度に再加熱してめっき層を合金化する、その金属組織に含まれるマルテンサイトおよび残留オーステナイトがフェライトマトリックス中に孤立して存在し、その体積率V%とその最大径dμmとの積V×dが2〜20であり、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8であることを特徴とする優れた加工性を有する高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0011】
(3) 更に、質量%で、
Cr:0.05〜0.8%、
Mo:0.05〜0.8%、
Ni:0.05〜0.8%、およびB:0.0002〜0.002%のうちの1種または2種以上を含有する化学成分からなる組成のスラブを用いることを特徴とする請求項1記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0012】
(4) 更に、質量%で、
Cr:0.05〜0.8%、
Mo:0.05〜0.8%、
Ni:0.05〜0.8%、およびB:0.0002〜0.002%のうちの1種または2種以上を含有する化学成分からなる組成のスラブを用いることを特徴とする請求項2記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
まず、C、Si、Mn、P、S、Al、N、Cr、Mo、Ni、Bの数値限定理由について述べる。
【0017】
Cはマルテンサイトや残留オーステナイトによる組織強化で鋼板を高強度化しようとする場合に必須の元素であり、ミストや噴流水を冷却媒体として焼鈍温度から急速冷却することが困難な溶融亜鉛めっきラインではCが0.05%未満ではセメンタイトやパーライトの生成が速やかなため、必要とする引張強さの確保が困難である。一方、Cが0.15%を超えると、スポット溶接で健全な溶接部を形成することが困難となると同時にCの偏析が顕著となるため加工性が劣化する。
【0018】
Siは鋼板の加工性、特に伸びを大きく損なうことなく強度を増す元素として知られており、その添加は一般に有用と考えられるうえ、PやAlとともにパーライトおよびベイナイト変態が進行するのを遅滞させ、溶融亜鉛めっきやさらにはそのめっき層を合金化のため再加熱してから室温まで冷却後にもマルテンサイトおよび残留オーステナイトがフェライト中に孤立して存在する金属組織とするために0.3%以上添加する。しかし、その添加量が1.8%を超えると酸化物層を還元し、酸化膜厚を適当な範囲としたり、適当な薬剤を塗布してから鋼帯をめっき浴に浸漬したとしてもめっき密着性の悪化が著しいため、上限を1.8%とする。
【0019】
MnはCとともにオーステナイトの自由エネルギーを下げるため、めっき浴に鋼帯を浸漬するまでの間にオーステナイトがマルテンサイト変態するのを抑制する目的で1.5%以上添加する。しかし、添加量が過大になるとスラブに割れが生じやすく、またスポット溶接性も劣化するため、2.8%を上限とする。また特にC量、S量に対して一定量を超えると、室温まで冷却後の金属組織に含まれるマルテンサイトや残留オーステナイトの体積率やその最大径が著しく増大し、またフェライトマトリクス中に孤立して存在する状態から連結して存在するように変化し、あるいはフェライトに代わって組織の過半を形成するようになって、引張試験における局部伸びが均一伸びの0.4倍に達しなかったり、あるいは逆に0.8倍を超え、加工性が劣るため、%C、%Mn、%SをそれぞれC、Mn、S含有量とした時に(%C)×((%Mn)×(%S))1/2を0.008以下とする。
【0020】
PもまたSi、Alとともにパーライトおよびベイナイト変態の進行を遅滞させる元素であり、更に金属組織においてマルテンサイトや残留オーステナイトをフェライトマトリクス中に孤立させるうえで有用なため、0.003%以上の含有とする。しかし、その量が0.05%を超えるとスポット溶接性の劣化が著しいうえ、本発明におけるような引張強さが490MPaを超すような高強度鋼板では靭性とともに冷間圧延性も著しく劣化する。
【0021】
Sも一般に不可避的不純物として鋼に含まれるが、その量が0.02%を超えると、圧延方向に伸張したMnSの存在が顕著となり、鋼板の曲げ性に悪影響を及ぼす。
【0022】
Alは鋼の脱酸元素として、またAlNによる熱延素材の細粒化、および一連の熱処理工程における結晶粒の粗大化を抑制し材質を改善するために0.005%以上添加する必要があり、またSiやPとともにパーライトやベイナイト変態の進行を遅滞させることにより、マルテンサイトおよび残留オーステナイトがフェライトマトリクス中に孤立して存在するような金属組織の形成を容易としたうえ、かかる金属組織を有する鋼板では伸びを増す効果もあるが、0.311%を超えることはコスト高となり、表面性状も劣化する。
【0023】
Nもまた一般に不可避的不純物として鋼に含まれるが、その量が0.006%を超えると、伸びとともに脆性も劣化するため、これを上限とする。
【0024】
Cr、Niは細粒化元素として効果的であり、いずれか1種以上を0.05%以上を添加すればマルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率が大きい場合にも、その体積率V%とその最大径dμmとの積V×dを小さくし、加工性の劣化を抑制できるが、添加量が0.8%を超えるとその効果が認められない。
【0025】
MoおよびBは一般に焼き入れ性を増す元素として知られており、冷却途上でパーライトおよびベイナイト変態が起こるのを抑制し、室温まで冷却後にマルテンサイトおよび残留オーステナイトがフェライト中に混在した金属組織とすることを容易にするためMoを0.05%以上、あるいはBを0.0002%以上添加してもよい。しかしその添加量がMoが0.8%を超えたり、Bが0.002%を超すと、フェライト、オーステナイトの二相共存温度域からの冷却条件を工夫してもじゅうぶんな体積率までフェライトが成長しないため、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率V%とその最大径dμmとの積V×dが20を超え、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4に達しなかったり、あるいは逆に0.8を超すようになり、加工性が秀逸したものではなくなる。
【0026】
これらを主成分とする鋼にNb、Ti、Cu、Sn、Zn、Zr、Wを合計で1%以下含有しても本発明の効果を損なわず、その量によっては耐食性が改善される等好ましい場合もある。
【0027】
次に、製造条件の限定理由について述べる。その目的は過大なパーライトやベイナイトを含まずに、フェライトマトリクス中にマルテンサイトや残留オーステナイトが孤立して存在し、その体積率V%と最大径dμmの積V×dが2〜20となるような金属組織を形成させ、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比を0.4〜0.8とし、高強度と秀逸したプレス加工性を両立させることにある。過大なパーライトやベイナイトが存在したり、マルテンサイトや残留オーステナイトの体積率が過大で、その体積率V%やその最大径dμmの積が2に達しないと必要とする引張強さの確保が困難であるか、所要の引張強さを確保できても引張試験における局部伸びが均一伸びの0.8倍を超えるまでに均一伸びが減少し、加工性が劣る。またフェライトマトリクス中にマルテンサイトおよび残留オーステナイトが存在する金属組織であっても、その体積率が過大な場合だけではなく、マルテンサイトおよび残留オーステナイトがフェライトマトリクス中に孤立して存在する状態から多数連結して存在したり、フェライトマトリクスを網目状に取り囲むようになり、その体積率V%やその最大径dμmの積が著しく増大して20を超えると、引張試験における局部伸びが均一伸びの0.4倍に達しなかったり、あるいは逆に0.8を超すようになり、加工性が秀逸したものではなくなるため本発明の目的が達成されない。
【0028】
熱間圧延に供するスラブは特に限定するものではない。すなわち、連続鋳造スラブや薄スラブキャスター等で製造したものであればよい。また鋳造後直ちに熱間圧延を行う連続鋳造−直送圧延(CC−DR)のようなプロセスにも適合する。
【0029】
熱間圧延の仕上温度は鋼板のプレス成形性を確保するという観点からAr3点以上とする必要がある。熱延後の冷却条件や巻取温度は特に限定しないが、巻取温度はコイル両端部での材質ばらつきが大ききなることを避け、またスケール厚の増加による酸洗性の劣化を避けるためには750℃以下とし、また部分的にベイナイトやマルテンサイトが生成すると冷間圧延時に耳割れを生じやすく、極端な場合には板破断することもあるため550℃以上とすることが望ましい。
【0030】
冷間圧延は通常の条件でよく、フェライトマトリクスが加工硬化しやすいようにマルテンサイトおよび残留オーステナイトを微細に分散させ、加工性の向上を最大限に得る目的からその圧延率は50%以上とする。一方、85%を超す圧延率で冷間圧延を行うことは多大の冷延負荷が必要となるため現実的ではない。
【0031】
冷間圧延後、鋼帯をライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めっき設備で焼鈍するが、焼鈍に先立って少量のFeやNi、Cuをプレめっきすることはめっきの密着性を改善する際に有効である。焼鈍温度は700℃以上850℃以下のフェライト、オーステナイト二相共存域とする。焼鈍温度が700℃未満では再結晶が不十分であり、加工性が陳腐となる。850℃を超すような温度で焼鈍することは鋼帯表面にSiやMnの酸化物層の成長が著しく、その還元に長時間を要するため好ましくない。また引き続きめっき浴へ浸漬する過程ではC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃以下まで、700℃からT℃までを平均冷却速度2〜15℃/秒で冷却する。この温度以下に冷却するのはオーステナイトがパーライトやベイナイトに変態するのを抑制するためであり、冷却の終了温度がT℃を超えていたり、冷却速度が2℃/秒未満だとその間でパーライトやベイナイトへの変態が急速に進展し、必要とする引張強さを確保できない。冷却速度が15℃/秒を超えるとフェライトの成長が不十分で、めっき浴に鋼帯が浸漬される前に過半のオーステナイトがマルテンサイトに変態し、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率V%とその最大径dμmの積V×dが20を超えるため、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4に達しなかったり、あるいは逆に0.8を超すようになり、加工性が秀逸したものではなく、本発明の目的が達成されない。
【0032】
C、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃以下まで冷却後、本発明ではめっき浴への浸漬前に400℃以上T℃以下の温度に15秒以上500秒以下保持することにより、未変態で残存するオーステナイトの一部をフェライトに変態させ、マルテンサイトおよび残留オーステナイトをフェライトマトリクス中に孤立させ、その体積率V%とその最大径dμmの積V×dを2〜20とし、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8となり、高強度でかつ加工性に優れたものとなる。特にその後合金化処理のため再加熱する場合には、その最高到達温度よりも30℃以上低い温度で保持することで未変態オーステナイトが安定化し、再加熱時の不要なパーライト変態を阻止し、強度とともに加工性を向上する。この場合の保持温度がC、Si、P、Alの含有量によって規定されるT℃を超えるとその間にオーステナイトがパーライトやベイナイトに変態し、またその後合金化処理のため再加熱する場合にはその最高到達温度との差が30℃未満だとオーステナイトの安定化にはつながらず、パーライトやベイナイトを過剰に生じるだけで、強度、加工性とも劣ったものになる。保持温度が400℃以下の場合にはその間に未変態で残存するオーステナイトの一部がマルテンサイト変態に変態し、鋼帯がめっき浴へ浸漬されると、マルテンサイトが焼き戻されてセメンタイトが析出するため高強度と秀逸した加工性の両立が困難となる。また400℃以上C、Si、P、Alの含有量によって規定されるT℃以下の温度における保持時間が15秒未満の場合には、本発明で規定するようにC量、S量に対してMn添加量を一定量以下としても、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率V%とその最大径dμmの積V×dを2〜20とすることが難しく、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4に達しなかったり、あるいは逆に0.8を超すようになり、加工性が秀逸したものではなく、本発明の目的が達成されない。500秒を超えて保持することは連続溶融亜鉛めっき設備のライン長を長くする必要があり、コスト高となるばかりか、場合によっては未変態オーステナイトの変態が過大となり、マルテンサイトや残留オーステナイトが主にフェライトマトリクスに混在した金属組織とはならず、目的とする強度を確保できない。
【0033】
本発明では必要により鋼帯をめっき浴から引き出した後、500℃以上600℃以下の温度範囲に鋼帯を再加熱し、めっき層を鉄-亜鉛の合金とするが、その目的は塗装性や溶接性を改善するとともに、プレス加工時に軟質なめっき層がプレス金型との間に凝着して摩擦抵抗が増大し、破断するのを避けることにある。再加熱する温度が500℃未満では合金化が不完全で塗装性や溶接性、プレス加工性に劣る。一方、600℃を超すような温度に再加熱すると、鋼帯をめっき浴に浸漬した後にも残存していたオーステナイトがパーライトに変態するため、高強度とプレス加工性の良いことの両立が困難となる。
【0034】
鋼帯はめっき浴から引き出した後、あるいは合金化処理の後に200℃以下に冷却され、必要により調質圧延を施されるが、その間の冷却方法としてはオーステナイトの一部をベイナイト変態させ、残存するオーステナイトにCを濃縮させることにより、プレス加工中に効果的に加工誘起変態するよう、450℃から350℃までを2℃/秒以下で冷却することが好ましいが、100℃/秒以上で冷却したとしても本発明の効果に大きな影響を及ぼさない。
【0035】
なおめっき浴の温度は浴組成により異なるが、一般には450〜500℃程度であり、また鋼板表面の外観を損なわないようめっき浴に0.01〜0.5%の濃度のAlを添加することもあるが、本発明の効果を何ら損なうものではない。
【0036】
この後、必要により、上層に鉄めっきや金属酸化物皮膜、有機皮膜などの表面処理を施しても、本発明の特徴とする高強度とプレス加工性の良いことの両立を阻害せず、プレス加工性や防錆の一層の改善につながるため本発明の目的を達成する上で好ましい。
【0037】
【実施例】
次に本発明例を実施例にて説明する。
【0038】
(実施例1)
表1に示す組成からなる1160℃に加熱し、仕上温度890〜920℃で2.6〜6.5mmの熱間圧延鋼帯とし、540〜660℃で巻き取った。酸洗後、55〜75%の圧下率の冷間圧延を施して0.8〜2.3mmの冷間圧延鋼帯とした後、ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めっき設備を用いて図1に示すような条件の熱処理と調質圧延を行い、溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。この鋼帯からJIS5号試験片を切り出し、常温での引張試験を行うことにより、降伏強さ(YP)、引張強さ(TS)、伸び(El)を求めた。まためっき密着性は半球状のポンチを落下させることにより形成された円状のくぼみにテープを付着した後剥離し、テープに付着しためっきの量を目視により判断する、いわゆるボールインパクト法で評価した。以上の結果を、図1の斜体で示す焼鈍時の最高到達温度、700℃からC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃までの平均冷却速度、冷却終了温度、冷却後めっき浴浸漬までの保持温度範囲と保持時間の詳細とともに表2に示す。
【0039】
この表から明らかなように、本発明試料である試料No.2、4、7、9は過大なパーライトやベイナイトを含まずに、フェライトマトリクス中にマルテンサイトや残留オーステナイトが孤立して存在し、その体積率V%と最大径dμmの積V×dが2〜20となるような金属組織を有し、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8であり、高強度と秀逸した加工性が両立していることに加えて、めっきの密着性も良好である。これに対し、試料No.1、3、8のように本発明成分からはずれる鋼や、試料No.5、6、10のように本発明鋼であっても溶融亜鉛めっき時の一連の熱処理条件が不適切なために過大なパーライトやベイナイトを含んだり、フェライトマトリクス中にマルテンサイトや残留オーステナイトが孤立して存在せず、またその体積率V%と最大径dμmの積V×dが2〜20の範囲を外れると高強度と優れた加工性、あるいはめっき層の密着性を両立できない。
【0040】
【表1】
Figure 0003764638
【0041】
【表2】
Figure 0003764638
【0042】
(実施例2)
表1に示す組成からなる1160℃に加熱し、仕上温度880〜930℃で2.6〜6.5mmの熱間圧延鋼帯とし、530〜620℃で巻き取った。酸洗後、55〜75%の圧下率の冷間圧延を施して0.8〜2.3mmの冷間圧延鋼帯とした後、ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めっき設備を用いて図2に示すような条件の熱処理と調質圧延を行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。この鋼帯からJIS5号試験片を切り出し、常温での引張試験を行うことにより、降伏強さ(YP)、引張強さ(TS)、伸び(El)を求めた。また、めっき密着性は半球状のポンチを落下させることにより形成された円状のくぼみにテープを付着した後剥離し、テープに付着しためっきの量を目視により判断する、いわゆるボールインパクト法で評価し、パウダリング性評点は曲げ−曲げ戻しした試験片の表面をテープ剥離し、テープに付着した脱落皮膜の量の多少により評価し、合金化の程度を判定した。以上の結果を、図2の斜体で示す焼鈍時の最高到達温度、700℃からC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃までの平均冷却速度、冷却終了温度、冷却後めっき浴浸漬までの保持温度範囲と保持時間、合金化の際の最高到達温度の詳細とともに表3に示す。
【0043】
この表から明らかなように、本発明試料である試料No.3、4、8、10、11、20、22、23、28〜30、33、34、36、41、44、47は過大なパーライトやベイナイトを含まずに、フェライトマトリクス中にマルテンサイトや残留オーステナイトが孤立して存在し、その体積率V%と最大径dμmの積V×dが2〜20となるような金属組織を有し、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8であり、高強度と秀逸した加工性が両立していることに加えて、めっきの密着性も良好で、加工時にプレス金型との間にめっき層の凝着も生じない。これに対し、過大なパーライトやベイナイトを含んだり、フェライトマトリクス中にマルテンサイトや残留オーステナイトが孤立して存在せず、またその体積率V%と最大径dμmの積V×dが2〜20の範囲を外れると、試料No.1、2、5、6、18、19、26、42、43、46、48〜50のように本発明成分以外の鋼に加えて、試料No.7、9、12〜17、21、24、25、27、31、32、35、37〜40のように本発明成分鋼であっても、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8の範囲を外れ、高強度ではあっても秀逸した加工性は有しないか、優れた加工性を有しても強度が低い。また試料No.45のように本発明鋼で過大なパーライトやベイナイトを含まずに、フェライトマトリクス中にマルテンサイトや残留オーステナイトが孤立して存在し、その体積率V%と最大径dμmの積V×dが2〜20となるような金属組織を有し、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8で高強度で秀逸した加工性を有しても、めっき層の合金化が不適切だと、めっき層の密着性が悪かったり、加工時にプレス金型との間にめっき層の凝着を生じる。
【0044】
【表3】
Figure 0003764638
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば高強度溶融亜鉛めっきおよび高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、フェライト中にマルテンサイトや残留オーステナイトが混在した金属組織とするためにMnの添加量を多くしたにもかかわらず、過大なパーライトやベイナイトを含まずに、フェライトマトリクス中にマルテンサイトや残留オーステナイトが孤立して存在し、その体積率V%と最大径dμmの積V×dが2〜20となるような金属組織を形成することができ、引張強さTSが490〜880MPaで、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8となり、高強度とともに秀逸した加工性を両立することができるため、自動車、家庭電気製品、建築等の分野で防錆強化と軽量化に寄与することにより産業上極めて大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際の、焼鈍時の最高到達温度、700℃からC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃までの平均冷却速度、冷却終了温度、冷却後めっき浴浸漬までの保持温度範囲と保持時間の詳細を示す図である。
【図2】合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際の、焼鈍時の最高到達温度、700℃からC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃までの平均冷却速度、冷却終了温度、冷却後めっき浴浸漬までの保持温度範囲と保持時間、合金化の際の最高到達温度の詳細を示す図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.05〜0.15%、
    Si:0.3〜1.8%、
    Mn:1.5〜2.8%、
    P:0.003〜0.05%、
    S:0.02%以下、
    Al:0.005〜0.311%、
    N:0.006%以下、
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、更に、%C、%Mn、%SをそれぞれC、Mn、S含有量とした時に(%C)×((%Mn)×(%S)) 1/2 ≦0.008を満たす化学成分からなる組成のスラブをAr3点以上の温度で仕上圧延を行い、50〜85%の冷間圧延を施した後、連続溶融亜鉛めっき設備で焼鈍し、引き続いて溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程において、連続溶融亜鉛めっき設備で700℃以上850℃以下のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で焼鈍し、引き続いて溶融亜鉛めっき浴に浸漬するに際してC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃以下まで、700℃からT℃までを平均冷却速度2〜15℃/秒で冷却し、400℃以上T℃以下の温度に15秒以上500秒以下保持し、その金属組織に含まれるマルテンサイトおよび残留オーステナイトがフェライトマトリックス中に孤立して存在し、その体積率V%とその最大径dμmとの積V×dが2〜20であり、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8であることを特徴とする優れた加工性を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 質量%で、
    C:0.05〜0.15%、
    Si:0.3〜1.8%、
    Mn:1.5〜2.8%、
    P:0.003〜0.05%、
    S:0.02%以下、
    Al:0.005〜0.311%、
    N:0.006%以下、
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、更に、%C、%Mn、%SをそれぞれC、Mn、S含有量とした時に(%C)×((%Mn)×(%S)) 1/2 ≦0.008を満たす化学成分からなる組成のスラブをAr3点以上の温度で仕上圧延を行い、50〜85%の冷間圧延を施した後、連続溶融亜鉛めっき設備で焼鈍し、引き続いて溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程において、連続溶融亜鉛めっき設備で700℃以上850℃以下のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で焼鈍し、引き続いて溶融亜鉛めっき浴に浸漬するに際してC、Si、P、Alの含有量、%C、%Si、%P、%Alによって規定される温度T=〔{8+3×(0.5×(%Si)+7×(%P)+(%Al))1/2}×(90−100×(%C))−273〕℃以下まで、700℃からT℃までを平均冷却速度2〜15℃/秒で冷却し、400℃以上T℃以下で、且つ合金化処理時の再加熱の最高到達温度よりも30℃以上低い温度に15秒以上500秒以下保持し、更に、溶融めっき浴に鋼帯を浸漬後500℃以上600℃以下の温度に再加熱してめっき層を合金化する、その金属組織に含まれるマルテンサイトおよび残留オーステナイトがフェライトマトリックス中に孤立して存在し、その体積率V%とその最大径dμmとの積V×dが2〜20であり、引張試験における局部伸びの均一伸びに対する比が0.4〜0.8であることを特徴とする優れた加工性を有する高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 更に、質量%で、
    Cr:0.05〜0.8%、
    Mo:0.05〜0.8%、
    Ni:0.05〜0.8%、
    およびB:0.0002〜0.002%のうちの1種または2種以上を含有する化学成分からなる組成のスラブを用いることを特徴とする請求項1記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 更に、質量%で、
    Cr:0.05〜0.8%、
    Mo:0.05〜0.8%、
    Ni:0.05〜0.8%、およびB:0.0002〜0.002%のうちの1種または2種以上を含有する化学成分からなる組成のスラブを用いることを特徴とする請求項2記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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