JP4975262B2 - 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用セパレータおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は燃料電池用セパレータに係り、詳しくは単セルを複数積層して構成する燃料電池において隣接する単セル間に設けられ、電極との間で燃料ガス流路および酸化ガス流路を形成すると共に燃料ガスと酸化ガスとを隔てる燃料電池用セパレータであって、特に成形後の、耐食性、導電性に優れた燃料電池用セパレータに関する。
燃料電池、特に固体高分子型燃料電池を構成するセパレータは、固体電解質膜を両側から挟持する各電極に接触して配置されて、該電極との間に燃料ガス、酸化剤ガス等の供給ガス流路を形成するため、セパレータの電極に対向する面にはガス流路を形成するための多数の突起部、溝部等が形成される。
また、燃料電池の単電池の起電力は、1V以下と低く、通常、複数個の単電池をセパレータを介して積層して構成される。そのため、セパレータは、電極と接触して電流を導出する役割を果たすため、集電性能に優れたものが要求される。
従来、一般に燃料電池用セパレータとしては、基材として強度、導電性に優れた緻密カーボングラファイト、またはステンレス鋼(SUS)、チタン、アルミニウム等の金属材料で構成されている。
しかし、緻密カーボングラファイトにて構成されるセパレータは、電気伝導性が高く、かつ長期間の使用によっても高い集電性能が維持されるが、非常に脆い材料であることからセパレータの表面に多数の突起部や溝部を形成すべく切削加工等の機械加工を施すことは容易ではなく量産が困難であるという問題がある。
一方、上記金属材料にて構成されるセパレータにおいては、緻密カーボングラファイトに比較して強度、延性に優れていることからガス流路を形成するための多数の突起部、溝部等の形成はプレス加工が可能であって量産も容易であるという利点がある。しかし、比較的低温で動作する固体高分子型燃料電池であっても、70〜90℃の温度における飽和に近い水蒸気にさらされるため、金属材料を用いたセパレータでは、その表面に腐食による酸化膜が生成され易く、その結果、生成された酸化膜と電極との接触抵抗が大きくなり、セパレータの集電性能が低下する問題がある。
そこで、セパレータの構成材料として加工性に優れた金属材料の表面に、耐食性に優れた金等の貴金属材料をコーティングした材料が検討されている。しかしながら、このような材料は極めて高価なために汎用性に欠けるという問題がある。
これらの問題を解決するために、本出願人は、金属基板の表面に導電性フィラーを混合した樹脂層を設けたセパレータを開示した(特許文献1:特開2002−15750号公報、特許文献2:特開2003−297383号公報、特許文献3:特開2004−14272号公報)。これらのセパレータでは、電気伝導性が高く、集電性能に優れていると同時に、成形性、強度および耐食性に優れている。
特開2002−15750号公報 特開2003−297383号公報 特開2004−14272号公報
本発明は、さらに性能を向上させるためになされたものであり、集電性能と成形性および強度を満足し、特に耐食性に優れる固体高分子電解質型燃料電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明は以下の事項に関するものである。
1. 金属基板の少なくとも片面に、導電性充填剤を混合した導電樹脂層を積層した燃料電池用セパレータにおいて、
前記導電樹脂層が
(a)体積抵抗値が1.0Ω・cm以下であり、且つ85〜95℃の水に3時間浸漬した後の重量変化が0〜0.1%の範囲である第1の樹脂層と、
(b)導電樹脂層の表面を構成し且つ体積抵抗値が第1の樹脂層よりも小さい第2の樹脂層および前記金属基板との界面に設けられ且つ体積抵抗値が第1の樹脂層よりも小さい第3の樹脂層のうち少なくとも1つの樹脂層を有する燃料電池用セパレータ。
2. 前記第1の樹脂層は、導電性充填剤を10〜50体積%含有し、前記第2の樹脂層および第3の樹脂層は、それぞれ導電性充填剤を20〜90体積%含有することを特徴とする上記1記載の燃料電池用セパレータ。
3. 前記第1〜第3の樹脂層の導電性充填剤が、炭素系材料を含有することを特徴とする上記1または2記載の燃料電池用セパレータ。
4. 前記第1の樹脂層の導電性充填剤が、実質的に黒鉛化炭素材料および微細な炭素繊維から選ばれる1種以上からなることを特徴とする上記1〜3のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
5. 前記黒鉛化炭素材料の広角X線回折より測定した、d002面の厚み方向の格子間距離が0.350nm以下であることを特徴とする上記4記載の燃料電池用セパレータ。
6. 前記第2の樹脂層および第3の樹脂層のそれぞれに含まれる導電性充填剤が、微細な炭素繊維を含むことを特徴とする上記1〜5のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
7. 前記の微細な炭素繊維は、繊維径が0.001〜0.5μmであり繊維長が1〜100μmであることを特徴とする上記4〜6のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
8. 前記樹脂がフッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリオレフィン樹脂およびポリオレフィンエラストマーからなる群より選ばれることを特徴とする上記1〜7のいずれか1項載記の燃料電池セパレータ。
9. 前記金属基板の材料がステンレス鋼、チタン、アルミニウム、銅、ニッケルおよび鋼からなる群より選ばれることを特徴とする上記1〜8のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
10. 前記金属基板は、表面にニッケル、スズ、銅、チタン、金、白金、銀およびパラジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなるめっき層を有することを特徴とする上記1〜9のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
11. 上記1〜10のいずれか1項に記載の燃料用電池用セパレータを製造する方法であって、金属基板の少なくとも片面に、樹脂と導電性充填剤を混合した導電樹脂層を積層する工程と、導電樹脂層を積層した基板をプレス加工によりガス流路となる突起部および溝部を形成する工程とを有する燃料電池用セパレータの製造方法。
12. 上記1〜10のいずれか1項記載の燃料用電池用セパレータを製造する方法であって、金属基板の少なくとも片面に、樹脂と導電性充填剤を混合した導電樹脂層を積層する工程と、前記導電樹脂層が積層された金属基板の最表面を保護フィルムで被覆する工程と、保護フィルムで被覆された基板をプレス加工によりガス流路となる突起部および溝部を形成する工程と、突起部および溝部が形成された基板から保護フィルムを剥離する工程とを有する燃料電池用セパレータの製造方法。
本発明者が、金属基板の耐食性について検討した結果、導電樹脂層の吸水性と金属基板の腐食の間に強い相関性があることがわかった。しかし本発明では単純に導電樹脂層全体の吸水性を下げるのではなく、少なくとも第1の樹脂層の吸水性を低下させることにより、表面層である第2の樹脂層および金属基板との界面層である第3の樹脂層のそれぞれの機能を損なうことなく、導電樹脂層全体に対して耐食性の機能を付与することができるのである。
即ち、本発明の燃料電池用セパレータは、電気伝導性が高く、比較的低コストで生産可能な金属基板を主体としたものでありながら、特に耐食性、耐酸性に優れている。そのため、本発明のセパレータを用いた燃料電池では長時間運転が可能になる。しかも、本発明の燃料電池用セパレータの製造において、プレス加工によって、ガス流路を形成するための多数の突起部、溝部等を形成しても、樹脂層に切れやクラック等が発生することが無く、その点でも特に耐食性、耐酸性に優れた燃料電池用セパレータが得られる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、多数の単電池を積層した積層型燃料電池のセパレータ付近を拡大した模式図である。単電池1a、単電池1bはそれぞれ、固体高分子電解質膜2a、2b、それを挟持する電極3a、3bを有し、単電池1aおよび単電池1bの間がセパレータ10で隔てられていると同時に、電極3aに接して単電池1a側でガス流路4aを形成し、また電極3bに接して単電池1b側でガス流路4bを形成している。この形態のセパレータ10は、金属基板11の両面に導電樹脂層12を設けたものであり、電極3aおよび電極3bの両方に接していることから、単電池1aと単電池1bを直列に接続している。
この例では、金属基板の両面に導電樹脂層を設けた例であるが、セパレータは終端の単電池に用いられる場合などでは、金属基板の片面にのみ導電樹脂層が設けられる場合もあるので、以下の図面では、金属基板の片面の層構造のみを示す。
本発明の導電樹脂層は、前述のとおり(a)体積抵抗値が1.0Ω・cm以下であり、且つ85〜95℃の水に3時間浸漬した後の重量変化が0〜0.1%の範囲である第1の樹脂層と、(b)導電樹脂層の表面を構成し且つ体積抵抗値が第1の樹脂層よりも小さい第2の樹脂層および前記金属基板との界面に設けられ且つ体積抵抗値が第1の樹脂層よりも小さい第3の樹脂層のうち少なくとも1つの樹脂層を有する。
図2に、セパレータの層構造の1例を示す。この形態では、金属基板11の表面に設けられた導電樹脂層12が、第1の樹脂層13と第2の樹脂層14の2層からなる。導電樹脂層の表面層を形成している第2の樹脂層は、第1の樹脂層よりも小さい体積抵抗値を有している。本発明では、表面層を構成する第2の樹脂層が導電性に優れることから、図1に示したように電極3a、3bとの接触面の抵抗を小さくすることができる。一方、金属基板側に設けられた第1の樹脂層は、体積抵抗値が1.0Ω・cm以下であるので、充分な導電性を保ちながらも第2の樹脂層ほどの導電性は要求されない。従って、第1の樹脂層については、例えば樹脂成分を増加させることなどにより、成形性・賦形性、強度および耐食性を重視して層を構成することができる。即ち、本発明では、第1の樹脂と第2の樹脂との間で体積抵抗値を変え、導電樹脂層の機能を第1の樹脂層、第2の樹脂層に分担させることで、集電性能と、プレス加工での成形性、強度および耐食性の両方を満足させることができるのである。
また、図3に、セパレータの異なる層構造の1例を示す。この例は、第1の樹脂層13と金属基板11の間に、さらに第3の樹脂層15を設けた構造である。第3の樹脂層は、第1の樹脂層よりも小さい体積抵抗値を有しており、金属基板と導電樹脂層の間の接触抵抗を低減できる。即ち、この形態では、第3の樹脂層により金属基板と導電樹脂層との界面の接触抵抗の低減を図り、また第2の樹脂層により電極との接触抵抗の低減を図り、その一方で第1の樹脂層を成形性・賦形性、強度および耐食性を重視した層構成とすることで、集電性能と成形性、強度および耐食性の両方を満足するセパレータを得ることができる。第3の樹脂層の体積抵抗値は、第2の樹脂層の体積抵抗値と等しくても、異なっていてもどちらでも構わない。
その他のセパレータの形態としては、第1の樹脂層に加えて、金属基板との間に第3の樹脂層15を設けた構造、即ち図3の形態において第2の樹脂層を設けない形態が挙げられる。この形態によれば、第3の樹脂層により金属基板と導電樹脂層との界面の接触抵抗の低減を図ることができる。
以上挙げた3つの形態の中で、第1の樹脂層と共に、第2の樹脂層および第3の樹脂層の両方を有するものが、接触抵抗を低減する観点から最も好ましいものである。
本発明では、このような形態の導電性樹脂シートにおける第1の樹脂層の単体を85〜95℃の水に3時間浸漬したときの重量変化が0〜0.1%の範囲である。第1の樹脂層の厚さが100μm程度以下の範囲であれば、温度が85〜95℃で変化しても3時間の浸漬時間をとれば、それより長い時間、浸漬しても重量変化に大きな違いはないが、水の温度は通常90±2.5℃での測定を標準とする。また、第1の樹脂層の厚みが厚くなるに従って重量変化が飽和するまでに時間がかかるので、3時間の浸漬で飽和していないことが明らかな厚さのものについては、100μm以下、例えば50〜100μmの厚さ(幅でもよい)としたものについて測定する。このような吸水率の測定方法で、第1の樹脂層の重量変化が0.1%を越えると、第1の樹脂層に含浸した水分によって、金属基板や金属基板表面のメッキ層が腐食され、金属基板と導電樹脂層の間の接触抵抗が大きくなりやすい。更には、金属基板や金属基板表面のメッキ層成分が腐食すると、イオン化して、導電樹脂層を透過し、燃料電池セパレータ外部に溶出し、固体高分子電解質膜のプロトンイオン伝導性を阻害するという問題が発生しやすい。
このように、本発明では、第1の樹脂層の吸水性を特定の範囲とすることで、第2の樹脂層および第3の樹脂層の導電性等に代表されるそれぞれの機能を損なうことなく、導電樹脂層全体に対して耐食性の機能を付与することができる。
次に、各層の材料を示しながらさらに詳細に説明する。
本発明のセパレータで使用する金属基板としては、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、鋼からなる薄板が好適に使用できる。厚みは0.03mm〜1.5mmの範囲が望ましく、特に0.1〜0.3mmの範囲が望ましい。
金属基板表面はそのままでもよいし、また種々の目的で、表面処理または表面層を設けることもできる。例えば、導電樹脂層との接着性を改善するためには、金属基板表面をシランカップリング剤等でプライマー処理することができる。
しかし、プライマー層および/または接着剤層を介することにより、金属基板と導電樹脂層の接触抵抗の増大が問題となる場合には、そのような層を設けることなく直接に金属基板と導電樹脂層とを接着することも好ましい。
また、金属基板表面が粗面化されていることも、金属基板と導電樹脂層との接着性が向上するので好ましく、金属基板と導電樹脂層が直接接着されているときは粗面化されていることが特に好ましい。粗面化の程度は、中心線平均粗さRaが0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜1.0μmが好ましい。粗面の程度が小さ過ぎると、導電樹脂層との接着が不十分になり、一方凹凸差の大きな微細な粗面を形成するのは長時間を要し生産性に劣るからである。粗面化するには、エッチング方法を用いることができる。例えば、研磨剤を用いる機械エッチング、化学薬品を用いる化学エッチング、電気エネルギーを用いた陽極溶解を利用する電解エッチング等から、金属基板の種類にあわせて適宜決めることが好ましい。
また本発明では、金属基板の表面にめっき層を設けることも好ましい。金属の種類によっては表面に酸化膜が形成され、接触抵抗が大きくなる場合があるので、酸化膜が形成されにくい金属のめっき層を基板表面に形成することにより、金属基板と導電樹脂層との接触抵抗を小さくすることができる。めっき層を構成する金属としては、ニッケル、スズ、銅、チタン、金、白金、銀およびパラジウム等が好ましい。特に好ましくは、ニッケル、スズ、銅およびチタンである。また、このようなめっき層を設けることが好ましい金属基板材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、チタンおよび鋼が挙げられる。
導電樹脂層に混合される樹脂は、耐薬品性からフッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリオレフィン樹脂およびポリオレフィンエラストマーが好ましい。フッ素樹脂およびフッ素ゴムとしては、具体的には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、EPE(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、ECTFE(クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVF(ポリビニルフルオライド)、THV(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体)、VDF−HFP(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、TFE−P(フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体)、含フッ素シリコーン系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、含フッ素フォスファゼン系ゴム、および含フッ素熱可塑性エラストマーを挙げることができる。これらのフッ素樹脂またはフッ素ゴムは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
特に、成形性の点からフッ化ビニリデンを含むPVDF、THV、VDF−HFPおよびTFE−Pが好ましい。
ポリオレフィン樹脂およびポリオレフィンエラストマーの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリヘキセン、ポリオクテン、水素添加スチレンブタジエンゴム、EPDM、EPM、EBMを挙げることができる。これらの中から1種類または2種以上を混合して使用することができる。
これらの樹脂の中では、耐熱性、成形性の点から特にポリエチレン、ポリプロピレン、EPDMが好ましい。
また、導電性充填剤は、導電性が高く、耐腐食性に優れるものが好ましく、特に、炭素系材料が好ましい。粉体状の炭素系材料としては、黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛等)およびカーボンブラックが挙げられ、繊維状の炭素系材料としては、微細な炭素繊維および炭素繊維が挙げられる。微細な炭素繊維は、繊維径が0.001〜0.5μm、好ましくは0.003〜0.2μmであり、繊維長が1〜100μm、好ましくは1〜30μmが導電性の点から好ましい。微細な炭素繊維には、所謂カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーが含まれる。カーボンナノチューブとしては、炭素のチューブ構造が単一チューブであるシングル型、チューブ構造が二重のチューブであるダブル型、およびチューブ構造が三重以上となっているマルチ型構造を含み、さらに、チューブの一方の端が閉じて他方の端が開いているナノホーン型、一方の端の開口が他方の端の開口よりも大きいカップ型等の形態をも含む。
導電性充填剤は1種類だけを用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、カーボンナノチューブおよび/またはカーボンナノファイバーとカーボンブラックや黒鉛とを混合して用いることができる。
ここで、第1の樹脂層に含有させる炭素系材料としては、黒鉛化炭素材料および微細な炭素繊維が好ましい。黒鉛化炭素材料とは、黒鉛化率の高い炭素材料であり、人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛の他、黒鉛化率を高めたカーボンブラックを含む。黒鉛では、六角網目構造が層状に十分発達しており、粉末黒鉛の広角X線回折による測定では、(002)面の回折ピークが層間距離d002=0.335nmに鋭いピークとして観察される。本発明の第1の樹脂層に含有される黒鉛化材料は、d002が0.350nm以下(下限は0.335nm)、の範囲にピークが観察されるものが好ましく、特に0.345nm以下の範囲にピークが観察されるものが好ましく、最も好ましくは0.341nm以下の範囲にピークが観察されるものである。このような黒鉛化率の高い炭素材料または微細な炭素繊維を使用すると、樹脂層の吸水率が大きく低下する。
黒鉛化率を高めたカーボンブラックは、カーボンブラックを1,500℃以上の高温で熱処理することで得ることができる。
カーボンブラックとして一般に知られている、オイルファーネス法製カーボンブラックやケッチェンブラック等は、黒鉛化度がほとんど無く、本発明の第1の樹脂層に使用するものとしては好ましいものではない。
第1の樹脂層に含まれる導電性充填剤中に、黒鉛化率の高い炭素材料および/または微細な炭素繊維以外にカーボンブラック等の導電材料が含有されていてもよいが、黒鉛化率の高い炭素材料および/または微細な炭素繊維が導電性充填剤中に占める割合は、好ましくは80%体積以上、さらに好ましくは90体積%以上であり、実質的にそれらのみからなることが最も好ましい。
また、第2および第3の樹脂層に含有させる導電性充填剤としては、導電性および接触抵抗の点で、微細な炭素繊維が特に好ましい。
本発明の導電樹脂層は、上述の樹脂と導電性充填剤を混合したものであり、その際に、金属基板表面に接する第1の樹脂層の体積抵抗値が、1.0Ω・cm以下(JIS K 7194による)になるように適宜配合すればよく、第2の樹脂層および第3の樹脂層の体積抵抗値に関しては、第1の樹脂層より体積低効率が小さくなるように適宜配合すればよい。第2の樹脂層および第3の樹脂層の体積抵抗値は、好ましくは0.5Ω・cm以下、特に0.3Ω・cm以下である。第1〜第3の樹脂層の体積抵抗値を極端に小さくすることは実際上限度があり、通常は、0.0001Ω・cm以上、例えば0.001Ω・cm以上であり、典型的には0.01Ω・cm以上程度である。
本発明の一態様では、第2の樹脂層および第3の樹脂層(それぞれ存在する場合)は、それぞれその層中の導電性充填剤の体積含有率が、第1の樹脂層中の導電性充填剤の体積含有率より大きくなるように層を構成する。具体的には、第1の樹脂層中の導電性充填剤の含有量を10〜50体積%(ここで、体積%は、樹脂層全体の体積に対する充填剤の体積割合である。以下、同じ。)とし、第2の樹脂層および第3の樹脂層中の導電性充填剤の含有量を20〜90体積%の範囲が良い。さらに好ましくは、第1の樹脂層中の含有量は15〜45体積%であり、一方第2および第3の樹脂中の含有量は20〜80体積%である。これらの含有量は、導電性充填剤の種類等を勘案して、体積抵抗値が少なくとも1.0Ω・cm以下となると共に、成形の容易さも勘案して最適に選ぶことが好ましい。
また、第2の樹脂層と第3の樹脂層を両方ともに設ける場合には、導電性充填剤の種類、量を適宜変更し、第2および第3の樹脂層で同一としても、異なるようにしてもよい。好ましい形態では、第1の樹脂層に含有される導電性充填剤は、前述ように黒鉛化炭素材料および微細な炭素繊維から選ばれ、第2の樹脂層および第3の樹脂層(それぞれ存在する場合)に含有される導電性充填剤は微細な炭素繊維である。従って、特に好ましい形態では、第2の樹脂層および第3の樹脂層が共に存在し、それぞれに含有される導電性充填剤が微細な炭素繊維であって、第1の樹脂層に含有される導電性充填剤が黒鉛化炭素材料および微細な炭素繊維から選ばれる炭素材料(特に黒鉛化炭素材料が好ましい)である場合である。
各樹脂層の厚さに関しては、まず、第1の樹脂層の厚さは、通常5〜300μm、好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは5〜50μmである。第2の樹脂層および第3の樹脂の厚さは、通常0.1〜20μm、好ましくは1〜10μmである。
導電樹脂層全体の厚さは、薄すぎると、金属基板への耐食効果が少なく、厚すぎるとセパレータが厚くなりスタックされた燃料電池が大きくなるので、導電性および成形性、強度等を考慮して、上記の各樹脂層の通常の範囲で決めることが好ましい。従って、通常は5.1〜340μmの範囲であり、好ましくは6〜120μm、さらに好ましくは6〜70μmの範囲である。
本発明のセパレータの製造方法は特に限定されないが、例えば、第1の樹脂層、第2の樹脂層、第3の樹脂層を、通常の押出成形、ロール成形法等により予めそれぞれシートとして形成しておき、金属基板の片面又は両面に、第3の樹脂層(存在するとき)、第1の樹脂層、第2の樹脂層で積層して熱プレス加工によって一体化する。熱プレス法の条件も通常のプレス条件、加熱温度120℃〜300℃、圧力2.9×10Pa〜9.8×10Pa(30kgf/cm〜100kgf/cm)程度にて行なえばよい。
また、特に第2、第3の樹脂層に関しては、多量の導電性充填剤が含まれて、自己保持性のシートの形成が困難である場合もあるので、そのときは、予め適当な転写基材上にフィルムを形成し、これを熱転写することで積層することができる。転写基材にフィルムを形成する方法としては、例えば樹脂および導電性充填剤を適当な溶媒に溶解した溶液を、転写基材上に塗布し、乾燥する方法が挙げられる。
燃料電池では、セパレータと電極との間で燃料ガス、酸化ガス等のガス流路が形成される必要があり、セパレータ表面にはガス流路となるための多数の突起部および溝部が設けられている必要がある。突起部および溝部を形成するには、金属基板に導電樹脂層を設けた積層体を形成した後、プレス加工により突起部および溝部を形成して、所定の形状のセパレータとする方法が生産性等の点から好ましい。
このとき、プレス加工の際に条件によっては、樹脂層に切れやクラックが発生する場合がある。そこで、これを防止するために導電樹脂層の表面に、保護フィルムを被覆してからプレス加工することも好ましい方法である。
この保護フィルムとしては、フィルムの引張り破断伸び(JIS K7127 に準じて測定)が縦横方向共に150%以上であることが好ましく、引張り破断伸びが150%未満では、保護フィルムとしての伸びが少ないので、より深いガス流路をプレス形成しようとすると、導電性充填剤を混合した樹脂層に切れやクラックが発生し易い傾向にある。
また、保護フィルムの厚みは5〜150μmの範囲が良く、厚みが5μm未満ではフィルムが薄くなり過ぎ取り扱いにくく、また強度が不足しプレス成形時に破断し、保護フィルムとしての機能を発現し難い傾向がある。また、厚みが150μmを越えると保護フィルムの厚みが厚過ぎて、ガス流路を形成するための多数の突起部と溝部との間隔を狭くしたり、深いガス流路を形成し難い傾向がある。
保護フィルムの材料としては、熱可塑性樹脂、ゴムおよび熱可塑性エラストマー等を使用することができる。具体的には、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリアミドイミド等からなる少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、ゴムとしては天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリサルファイド、ウレタンゴム等からなる少なくとも1種類以上のゴムが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系、共役ブタジエン系、シリコーン系等からなる少なくとも1種類以上の熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらのなかでは、比較的安価で、破断伸び比率の大きいポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンを含むゴム、熱可塑性エラストマーが好適に使用できる。
ここで、保護フィルムの被覆方法は特に限定されないが、加圧法や粘着剤を使用する方法などがある。
以下、実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<体積抵抗値の測定>
導電性フィルムの体積抵抗値は、JIS K 7194に準じて、以下の測定方法で行った。
1.測定装置
Loresta HP (三菱化学(株)製)
2.測定方式
四端子四探針法(ASPタイププローブ)
3.測定印可電流
100mA
<第1の樹脂層の重量変化測定方法>
1リットルのビーカーに水を入れて、ウオーターバス中で加熱し、ビーカー中の水の温度を85〜95℃の間に保つ。
厚みが50〜60μmの範囲で、第1の樹脂層のシートを作製し、50×50mmに裁断し、その重量W1を計量する。
計測後、第1の樹脂層シートを85〜95℃の間に保たれたビーカー中の水に浸し、3時間経過後、シートを取り出し、表面に付着した水分を充分に取り除いた後、再度重量W2を計量する。
下記計算式より、第1の樹脂層シートの重量変化を算出する。
(W2−W1)/W1
<面積抵抗の測定>
面積抵抗の評価は以下のように行った。
1.測定装置
抵抗計:YMR−3型((株)山崎精機研究所社製)
負荷装置:YSR−8型((株)山崎精機研究所社製)
電極:真鍮製平板2枚(面積1平方インチ、鏡面仕上げ)
2.測定条件
方法:4端子法
印加電流:10mA(交流、287Hz)
開放端子電圧:20mVピーク以下
見かけの面圧:18×10Pa
カーボンペーパー:東レ社製TGP−H−090(厚み0.28mm)
3.測定方法
図4に示した測定装置により、セパレータ23を、カーボンペーパー22を介して両側から真鍮製電極21で挟み、所定の荷重(表2の測定データは、荷重1.0MPaのとき)を加えながら、4端子法にて所定の電流印加時の電圧を測定して面積抵抗を求めた。
<耐食性試験>
プレス成形した導電性樹脂/金属複合板(大きさ30mm×30mm)の端部をフッ素樹脂(住友スリーエム(株)製 「THV220G」 比重2、融点=130℃)をアセトンに溶解させた溶液(固形分濃度15重量%)に浸して封止した。高圧用反応分解容器(三愛科学(株)製 「HU−50」)の中に0.005molの硫酸水溶液30mlと、封止した上記サンプルを浸漬し、80℃のオーブンに入れて、10日後サンプルを取り出し、導電樹脂層を剥がし、発錆の状態を観察した。
金属板表面に腐食が発生したもの×、わずかに腐食跡があるもの△、腐食跡がないもの○とした。
<実施例1>
フッ素樹脂(「住友スリーエム(株)」製 THV415G 比重2)60体積%と導電剤として黒鉛(「昭和電工(株)」製 UF−G5 比重2.2)40体積%を2軸押出機にて混合した。尚、この黒鉛の広角X線回折によるd002面の層間距離は、0.336nmであった。
上記混合物を押出成形(成形温度240℃)にて成形して、厚み50μmの第1の樹脂層1を作製した。得られた第1の樹脂層1の体積抵抗値および重量変化を、表1に示した。
第2の樹脂層形成用として、MEK(メチルエチルケトン)に固形分として10重量%になるように、フッ素樹脂(「住友スリーエム(株)」製 THV220G 比重2)と微細な炭素繊維(「昭和電工(株)」製 気相法炭素繊維<VGCF> 比重2)体積比30/70で混合し塗料を作製した。上記塗料を基材フィルム(ポリエチレンテレフタレート、三菱化学ポリエステル(株)製:厚み25μm)上にバーコータ(「松尾産業製」#24番)で塗布し、80℃で溶媒を乾燥して厚さが5μmの第2の樹脂層1を得た。基材フィルムをはがして第2の樹脂層1の体積抵抗値を別途測定したところ、0.35Ωcmであった。
一方、金属基板はSUS304(厚み0.3mm)の表面にニッケルのメッキ層0.8μmを形成したものを金属板として使用し、プライマーとしてシランカップリング剤(「GE東芝シリコーン(株)」製 TSL8331)0.3%エタノール溶液を#10バーコーターでメッキ層を形成したSUS304の両面に塗布後、100℃で10分間乾燥した。
プライマーの上に、前述した塗料を、バーコータ(「松尾産業製」#24番)で塗布し、80℃で溶媒を乾燥して厚さが5μmの第3の樹脂層1を金属基板に付設した。
同様の方法で、金属基板の裏面にも、プライマー層と第3の樹脂層1を付設した。
基材フィルム/第2の樹脂層1と第1の樹脂層1をそれぞれ2枚用意し、基材フィルム/第2の樹脂層1/第1の樹脂層1/第3の樹脂層1/プライマー層/金属基板/プライマー層/第3の樹脂層1/第1の樹脂層1/第2の樹脂層1/基材フィルムの順に載置し、熱プレス加工法にて積層一体化し、金属基板の両面に第2、第1、第3の樹脂層が積層した導電樹脂層を形成した。
熱プレス条件は温度200℃、10分、圧力3.5×10Pa(36kgf/cm)にて行った。得られた複合板1の総厚みは0.22mmであった。
<実施例2>
フッ素樹脂(「住友スリーエム(株)」製 THV415G 比重2)65体積%と導電剤としてカーボンブラック(「三菱化学(株)」製 #4010 比重1.75)35体積%を2軸押出機にて混合した。尚、このカーボンブラックの広角X線回折によるd002面の層間距離は、0.341nmであった。
上記混合物を押出成形(成形温度240℃)にて成形して、厚み50μmの第1の樹脂層2を作製した。得られた第1の樹脂層2の体積抵抗値および重量変化を、表1に示した。後は、実施例1と同じ方法で、複合板2を作製した。複合板の総厚みは0.22mmであった。
<実施例3>
フッ素樹脂(「住友スリーエム(株)」製 THV415G 比重2)65体積%と導電剤として微細な炭素繊維(「昭和電工(株)」製 気相法炭素繊維<VGCF> 比重2)25体積%を2軸押出機にて混合した。
上記混合物を押出成形(成形温度240℃)にて成形して、厚み50μmの第1の樹脂層3を作製した。得られた第1の樹脂層3の体積抵抗値および重量変化を、表1に示した。その後は、実施例1と同じ方法で、複合板3を作製した。複合板の総厚みは0.22mmであった。
<比較例1>
フッ素樹脂(「住友スリーエム(株)」製 THV415G 比重2)88体積%と導電剤としてカーボンブラック「ライオン(株)」製 ケッチェンブラックEC600JD 比重1.5)12体積%を2軸押出機にて混合した。
上記混合物を押出成形(成形温度240℃)にて成形して、厚み50μmの第1の樹脂層4を作製した。得られた第1の樹脂層4の体積抵抗値および重量変化を、表1に示した。その後は、実施例1と同じ方法で、複合板4を作製した。複合板の総厚みは0.22mmであった。
Figure 0004975262
表1に示すとおり、第1の樹脂層は、含有する導電剤の種類によって、85〜95℃のお湯に浸した後3時間後の重量変化が大きく異なることがわかった。
<実施例1〜3、および比較例1〜2の面積抵抗測定結果>
実施例1〜3および比較例1で得られた複合板1〜4の面積抵抗値の測定結果を表2に示した。比較例2として東海カーボン社製樹脂含浸黒鉛G347Bも評価した。
表2に示す通り、複合板1は比較例2に比べ、面積抵抗がやや大きいものの、複合板2、3,4は面積抵抗値が小さく、比較例2とほぼ同等の面積抵抗値であった。
Figure 0004975262
<実施例1〜3および比較例の耐酸性試験結果>
実施例1〜3および比較例で得られた複合板1〜4の耐酸性試験を実施した。その結果を表3に示す。
Figure 0004975262
表3に示す通り、耐酸性試験の結果、重量変化が0〜0.1%の範囲にある第1の樹脂層を使用した複合板1〜3は金属基板(ニッケルメッキ層)表面に腐食は確認されなかったが、重量変化が大きい第1の樹脂層を使用した複合板4には、腐食が確認された。
以上のように、本発明の燃料電池用セパレータは特に生産性に優れ、導電性、耐熱性、耐酸性にも優れており、長時間の運転が可能な燃料電池用セパレータとしての利用性が大きい。
燃料電池のセパレータ付近を模式的に示す図である。 本発明のセパレータの層構造の1例を示す図である。 本発明のセパレータの層構造の1例を示す図である。 面積抵抗の測定方法を示す図である。
符号の説明
1a、1b 単電池
2a、2b 固体高分子電解質膜
3a、3b 電極
4a、4b ガス流路
10 セパレータ
11 金属基板
12 導電樹脂層
13 第1の樹脂層
14 第2の樹脂層
15 第3の樹脂層
21 真鍮製電極
22 カーボンペーパー
23 セパレータ

Claims (12)

  1. 金属基板の少なくとも片面に、導電性充填剤を樹脂に混合した導電樹脂層を積層した燃料電池用セパレータにおいて、
    前記導電樹脂層が
    (a)体積抵抗値が1.0Ω・cm以下であり、且つ85〜95℃の水に3時間浸漬した後の重量変化が0〜0.1%の範囲である第1の樹脂層と、
    (b)導電樹脂層の表面を構成し且つ体積抵抗値が第1の樹脂層よりも小さい第2の樹脂層および前記金属基板との界面に設けられ且つ体積抵抗値が第1の樹脂層よりも小さい第3の樹脂層のうち少なくとも1つの樹脂層を有する燃料電池用セパレータ。
  2. 前記第1の樹脂層は、導電性充填剤を10〜50体積%含有し、前記第2の樹脂層および第3の樹脂層は、それぞれ導電性充填剤を20〜90体積%含有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記第1〜第3の樹脂層の導電性充填剤が、炭素系材料を含有することを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 前記第1の樹脂層の導電性充填剤が、黒鉛化炭素材料および微細な炭素繊維から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 前記黒鉛化炭素材料の広角X線回折より測定した、d002面の厚み方向の格子間距離が0.350nm以下であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 前記第2の樹脂層および第3の樹脂層のそれぞれに含まれる導電性充填剤が、微細な炭素繊維を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
  7. 前記の微細な炭素繊維は、繊維径が0.001〜0.5μmであり繊維長が1〜100μmであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
  8. 前記樹脂がフッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリオレフィン樹脂およびポリオレフィンエラストマーからなる群より選ばれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項載記の燃料電池セパレータ。
  9. 前記金属基板の材料がステンレス鋼、チタン、アルミニウム、銅、ニッケルおよび鋼からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
  10. 前記金属基板は、表面にニッケル、スズ、銅、チタン、金、白金、銀およびパラジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなるめっき層を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の燃料電池用セパレータ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料用電池用セパレータを製造する方法であって、
    金属基板の少なくとも片面に、樹脂と導電性充填剤を混合した導電樹脂層を積層する工程と、
    導電樹脂層を積層した基板をプレス加工によりガス流路となる突起部および溝部を形成する工程と
    を有する燃料電池用セパレータの製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項記載の燃料用電池用セパレータを製造する方法であって、
    金属基板の少なくとも片面に、樹脂と導電性充填剤を混合した導電樹脂層を積層する工程と、
    前記導電樹脂層が積層された金属基板の最表面を保護フィルムで被覆する工程と、
    保護フィルムで被覆された基板をプレス加工によりガス流路となる突起部および溝部を形成する工程と、
    突起部および溝部が形成された基板から保護フィルムを剥離する工程と
    を有する燃料電池用セパレータの製造方法。
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