JP2010034029A - 燃料電池用のセパレータおよびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用のセパレータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 強度、耐食性に優れ、接続抵抗が小さい燃料電池用のセパレータとその製造方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池用のセパレータを、銅または銅合金からなる金属基体2と、銅薄膜層4と、中間層5と、銅薄膜層4および中間層5を介して金属基体2を被覆するように電着により形成された導電性の樹脂層6とを備えたものとし、中間層5はスズめっき層またはスズ合金めっき層とし、樹脂層6は導電材料を含有したものとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池用のセパレータ、特に固体高分子電解質膜の両側に電極を配した単位セルを複数個接続した燃料電池の各単位セルに使用するセパレータと、このようなセパレータの製造方法に関する。
燃料電池は、簡単には、外部より燃料(還元剤)と酸素または空気(酸化剤)を連続的に供給し、電気化学的に反応させて電気エネルギーを取り出す装置で、その作動温度、使用燃料の種類、用途などで分類される。また、最近では、主に使用される電解質の種類によって、大きく、固体酸化物型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、リン酸型燃料電池、固体高分子電解質型燃料電池、アルカリ水溶液型燃料電池の5種類に分類させるのがー般的である。
これらの燃料電池は、メタン等から生成された水素ガスを燃料とするものであるが、最近では、燃料としてメタノール水溶液をダイレクトに用いるダイレクトメタノール型燃料電池(以下、DMFCとも言う)も知られている。
このような燃料電池のなかで、固体高分子膜を2種類の触媒で挟み込み、更に、これらの部材をガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)とセパレータで挟んだ構成の固体高分子型燃料電池(以下、PEFCとも言う)が注目されている。
このPEFCにおいては、固体高分子電解質膜の両側に、空気極(酸素極)、燃料極(水素極)を配置した単位セルを、所望の起電力を得るために、複数個積層したスタック構造、あるいは、平面状に複数個を直列に接続した構造がとられている。例えば、上記のスタック構造の場合、単位セル間に配設されるセパレータは、そのー方の面に、隣接するー方の単位セルに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給用溝部が形成され、他方の面に、隣接する他方の単位セルに酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給用溝部が形成されている。
このようなセパレータとしては、コスト、強度の点から、金属製のセパレータが好ましいが、耐食性に問題があった。このため、導電性の電着塗膜を形成して耐食性を付与した金属セパレータが開発されている(特許文献1、2、3)。
特開2004−31166号公報 特開2003−249240号公報 特開2004−197225号公報
しかしながら、上述のような電着塗膜を金属基材上に直接形成した金属セパレータでは、金属基材として不動態膜あるいは酸化膜を生じ易い基材を使用した場合、不動態膜や酸化膜を除去した後の洗浄、搬送中に不動態膜や酸化膜が再生され、金属基材と電着塗膜との接続抵抗が大きいものになるという問題があった。また、導電性に優れた金属材料でない場合には、燃料電池の発電能力に悪影響が及ぶため、単に不動態膜あるいは酸化膜を生じ難い金属基材を選択することはできず、また、金属基材と電着塗膜との密着性も考慮する必要があった。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、強度、耐食性に優れ、接続抵抗が小さい燃料電池用のセパレータとその製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のセパレータは、銅または銅合金からなる金属基体と、該金属基体を被覆するように銅薄膜層を介して配設された中間層と、該中間層を被覆するように電着により形成された導電性の樹脂層とを備え、前記中間層はスズめっき層またはスズ合金めっき層であり、前記樹脂層は導電材料を含有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記金属基体は、少なくとも一方の面に溝部を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記金属基体は、複数の貫通孔を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記導電材料は、カーボン粒子、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、耐食性金属の少なくとも1種であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記スズ合金めっき層は、スズ−ニッケル、スズ−銅、スズ−コバルト、スズ−銀、スズ−亜鉛、スズ−金、スズ−ビスマスのいずれかのスズ合金めっき層であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記スズ合金めっき層は、スズ−ニッケルからなり厚みが0.1〜2μmの範囲であるような構成とした。
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、銅または銅合金からなる金属基体に洗浄前処理を施した後、直ちに該金属基体を被覆するように銅ストライクめっきにより銅薄膜層を形成する工程、次いで、スズめっき層またはスズ合金めっき層からなる中間層を前記銅薄膜層上に形成する工程、その後、前記中間層上に、電着性を有する樹脂中に導電材料を分散させた電着液を用いて電着にて樹脂層を形成する工程と、を有するような構成とした。
本発明のセパレータは、金属基体として銅または銅合金を使用し、この金属基体と導電性の樹脂層との間に、銅薄膜層と、スズめっき層またはスズ合金めっき層からなる中間層とが介在しているので、金属基体自身の導電性が高いとともに、銅薄膜層によって金属基体と中間層との密着強度と導電性が向上し、中間層によって導電性の樹脂層が高い密着強度で保持され、これにより、金属基体と樹脂層との接続抵抗が小さいものとなり、燃料電池の発電能力向上が可能であり、かつ、高い強度と優れた耐食性を具備している。また、中間層がスズ−ニッケルからなり、その厚みが0.1〜2μmの範囲である場合、本発明のセパレータは更に良好な折り曲げ加工適性を具備したものとなる。
また、本発明のセパレータの製造方法では、導電性の樹脂層を電着で形成する前に、銅または銅合金からなる金属基体に洗浄前処理を施し直ちに銅ストライクめっきにより銅薄膜層を形成し、中間層を形成するので、電着工程での金属基体の腐食が防止されるとともに、金属基体と樹脂層との接続抵抗が小さく密着強度が高いセパレータの製造が可能である。
本発明の燃料電池用のセパレータの一実施形態を示す部分断面図である。 本発明の燃料電池用のセパレータの他の実施形態を示す部分断面図である。 本発明のセパレータの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 本発明のセパレータの製造方法の他の実施形態を説明するための工程図である。 本発明のセパレータを使用した高分子電解質型燃料電池の一例を説明するための部分構成図である。 図5に示される高分子電解質型燃料電池を構成する膜電極複合体を説明するための図である。 図5に示される高分子電解質型燃料電池のセパレータと膜電極複合体を離間させた状態を示す斜視図である。 図5に示される高分子電解質型燃料電池のセパレータと膜電極複合体を離間させた状態を図7とは異なった方向から示す斜視図である。 本発明のセパレータを使用した高分子電解質型燃料電池の他の例を説明するための平面図である。 図9に示される高分子電解質型燃料電池のA−A線での縦断面図である。 図9に示される高分子電解質型燃料電池を構成する膜電極複合体を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[セパレータ]
図1は、本発明の燃料電池用のセパレータの一実施形態を示す部分断面図である。図1において、本発明のセパレータ1は、金属基体2と、この金属基体2の両面に形成された溝部3と、金属基体2の両面を被覆するように銅薄膜層4、中間層5を介して電着により形成された樹脂層6とを備えており、樹脂層6は導電材料を含有するものである。
金属基体2が有する溝部3は、セパレータ1が燃料電池に組み込まれたときに、一方が、隣接する単位セルに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給用溝部となり、他方が、隣接する別の単位セルに酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給用溝部となるものである。また、溝部3の一方が燃料ガス供給用溝部、酸化剤ガス供給用溝部のいずれかとなり、他方が冷却水用溝となるものであってもよい。さらに、金属基体2の一方の面のみに溝部3を備えるものであってもよい。このような溝部3の形状は、特に制限はなく、蛇行した連続形状、櫛形状等であってよく、また、深さ、幅、断面形状も特に制限はない。また、金属基体2の表裏で、溝部3の形状が異なるものであってもよい。
図2は、本発明の燃料電池用のセパレータの他の実施形態を示す部分断面図である。図2において、本発明のセパレータ11は、金属基体12と、この金属基体12に形成された複数の貫通孔13と、これらの貫通孔13の内壁面を含む金属基体12の両面を被覆するように銅薄膜層14、中間層15を介して電着により形成された樹脂層16とを備え、樹脂層16は導電材料を含有している。
金属基体12が有する貫通孔13は、セパレータ11が燃料電池に組み込まれたときに、燃料ガス、あるいは、酸化剤ガスを単位セルに供給するための流路となるものである。このような貫通孔13の大きさ、個数、配設密度には特に制限はない。
本発明のセパレータ1,11を構成する金属基体2,12の材質は、銅あるいは銅合金である。銅合金としては、例えば、銅−スズ−銅系合金、クロム銅、ベリリウム銅、特殊アルミニウム青銅、特殊高力黄銅、NC合金、リードフレーム材料(ORIN、EFTEC)等が挙げられる。
セパレータ1,11を構成する銅薄膜層4,14は、金属基体2,12と中間層5,15との接続抵抗を低減する作用をなすとともに、金属基体2,12と中間層5,15との密着性を向上させる作用をなすものである。このような銅薄膜層4,14は、銅ストライクめっきにより形成することができ、厚みは、例えば、0.03〜1μm程度の範囲で適宜設定することができる。銅薄膜層4,14の厚みが0.03μm未満であると、上記のような作用が十分に発現されず、一方、厚みが1μmを超えると、平坦性、作業性が低下し、また、製造コストも高くなり好ましくない。
セパレータ1,11を構成する中間層5,15は、金属基体2,12と樹脂層6,16との密着性を向上させ、セパレータの強度、耐久性を向上させる作用をなすものである。このような中間層5,15は、スズめっき層またはスズ合金めっき層とすることができ、スズ合金めっき層としては、スズ−ニッケル、スズ−銅、スズ−コバルト、スズ−銀、スズ−亜鉛、スズ−金、スズ−ビスマスのいずれかのスズ合金めっき層とすることが好ましい。中間層5,15の厚みは、例えば、0.1〜5μm程度の範囲で適宜設定することができる。中間層5,15の厚みが0.1μm未満であると、上記のような作用が十分に発現されず、一方、厚みが5μmを超えると、平坦性、作業性が低下し、また、割れが発生し易くなり好ましくない。特に、中間層5,15がスズ−ニッケルのスズ合金めっき層である場合、厚みを0.1〜2μmの範囲とすることによりセパレータ1,11に良好な折り曲げ加工適性を付与することができる。
セパレータ1,11を構成する樹脂層6,16は、導電性を有するとともに、金属基体2,12に耐食性を付与するためのものである。この樹脂層6,16は、電着性を有する各種アニオン性、またはカチオン性の合成高分子樹脂中に導電材料を分散させた電着液を用いて電着により成膜し、その後、硬化させて形成することができる。
アニオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは任意の組み合わせによる混合物として使用することができる。また、上記のアニオン性合成高分子樹脂とメラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用してもよい。一方、カチオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは任意の組み合わせによる混合物として使用することができる。また、上記のカチオン性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用してもよい。
また、上記の電着性を有する合成高分子樹脂に粘着性を付与するために、ロジン系、テルペン系、石油樹脂等の粘着性付与樹脂を必要に応じて添加してもよい。
このような電着性の合成高分子樹脂は、アルカリ性または酸性物質により中和して水に可溶化された状態、あるいは水分散状態で電着に供される。すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する。また、カチオン性合成高分子樹脂は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和する。そして、中和された水可溶の高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈された状態で使用される。
電着により形成された樹脂層6,16の厚みは、0.1〜100μm、好ましくは3〜30μmの範囲とすることができる。樹脂層6,16の厚みが0.1μm未満であると、ピンホール等の発生により、良好な耐食性が確保できないことがあり、100μmを超えると、乾燥固化後のヒビ割れ等の発生や、生産性の低下、コスト高といった問題が発生し好ましくない。
樹脂層6,16に含有される導電材料としては、例えば、カーボン粒子、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン等のカーボン素材、耐食性金属等が挙げられるが、耐酸性かつ導電性が所望のものが得られれば、これらの導電材料に限定されない。特に、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン等の微細繊維状炭素材料は、樹脂層6,16に導電性を付与するために好適である。樹脂層6,16における導電材料の含有量は、樹脂層6,16に要求される導電性に応じて適宜設定することができ、例えば、10〜90重量%の範囲で設定することができる。
尚、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン等の微細繊維状炭素材料は、ナノテクノロジーの素材として、複合材料、電子デバイス等の種々の分野に適用が期待されているものであり、これらをフィラーとして複合材料に用いた場合には、これらが有する物性を複合材料に付与することができる。例えば、カーボンナノチューブは、導電性、耐酸性、加工性、機械的強度等の面で優れており、フィラーとして複合材料に用いられた場合には、このようなカーボンナノチューブの優れた物性を複合材料に付与することができる。
上述の本発明のセパレータの実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
[セパレータの製造方法]
次に、本発明の燃料電池用のセパレータの製造方法について説明する。
図3は、図1に示されるセパレータ1を例として本発明の製造方法を説明するための工程図である。本発明では、銅または銅合金からなる金属板材2′の両面にフォトリソグラフィーにより所望のパターンでレジスト7,7を形成し、このレジスト7,7をマスクとして両面から金属板材2′をエッチングして溝部3,3を形成する(図3(A))。その後、レジスト7,7を剥離して金属基体2を得る(図3(B))。
次に、この金属基体2の両面に洗浄前処理を施した後、直ちに該金属基体を被覆するように銅ストライクめっきにより銅薄膜層を形成する(図3(C))。金属基体2に施す洗浄前処理は、金属基体2の表面に存在する不動態膜あるいは酸化膜を除去することを目的としたものである。この洗浄前処理は、例えば、硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化第二鉄等を用いて、スプレー法、浸漬法、電解法等により行うことができる。そして、このような洗浄前処理により金属基体2の表面を活性化後、直ちに銅ストライクめっきを施して銅薄膜層4を形成する。この銅ストライクめっきは、短時間電気銅めっきであり、めっき浴は公知のものを使用することができる。このように形成された銅薄膜層4は、金属基体2に酸化被膜が再生されることを防止し、金属基体2と後工程で形成される中間層5との接続抵抗を低減し、密着性を向上させる。
次いで、銅薄膜層4上に、スズめっき層あるいはスズ合金めっき層である中間層5を形成する(図3(D))。この中間層5は、無電解めっき、あるいは電気めっきにより形成することができる。このように形成された中間層5は、後工程で電着形成される樹脂層6にムラ、カケ、ピンホール等の欠陥が発生するのを抑制し、また、樹脂層6の密着性を向上させる。
次に、中間層5上に、電着性を有する各種アニオン性、またはカチオン性の合成高分子樹脂中に導電材料を分散させた電着液を用いて電着により成膜し、その後、硬化させて樹脂層6を形成する(図3(E))。このように形成された樹脂層6は、良好な導電性と高い耐食性を具備したものとなる。これにより、本発明のセパレータ1が得られる。
図4は、図2に示されるセパレータ11を例として本発明のセパレータの製造方法を説明するための工程図である。本発明では、銅または銅合金からなる金属板材12′の両面に、フォトリソグラフィーにより複数の開口部を有するレジスト17,17を形成し、このレジスト17,17をマスクとして両面から金属板材12′をエッチングして複数の貫通孔13を穿設する(図4(A))。レジスト17,17の複数の開口部は、それぞれ金属板材12′を介して対向するように位置している。その後、レジスト17,17を剥離して金属基体12を得る(図4(B))。
貫通孔13の形成は、上述のエッチングによる方法の他に、サンドブラスト法、レーザー加工法、ドリル加工法等により行うことも可能である。
次に、貫通孔13の内壁面を含む金属基体12に、銅薄膜層14を形成する(図4(C))。この銅薄膜層14の形成は、上述の実施形態での銅薄膜層4の形成と同様に行うことができる。
次いで、銅薄膜層14を被覆するように、中間層15を形成する(図4(D))。この中間層15の形成も、上述の実施形態での中間層5の形成と同様に行うことができる。
次に、中間層15上に、電着性を有する各種アニオン性、またはカチオン性の合成高分子樹脂中に導電材料を分散させた電着液を用いて電着により成膜し、その後、硬化させて樹脂層16を形成する(図4(E))。これにより、セパレータ11が得られる。
上述のセパレータの製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
[本発明のセパレータを用いた燃料電池の例]
ここで、本発明のセパレータを用いた高分子電解質型燃料電池の一例を、図5〜図8を参照して説明する。図5は高分子電解質型燃料電池の構造を説明するための部分構成図であり、図6は高分子電解質型燃料電池を構成する膜電極複合体を説明するための図である。また、図7および図8は、それぞれ高分子電解質型燃料電池のセパレータと膜電極複合体を離間させた状態を異なった方向から示す斜視図である。
図5〜図8において、高分子電解質型燃料電池21は、膜電極複合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly)31とセパレータ41とからなる単位セルが複数個積層されたスタック構造を有している。
MEA31は、図6に示されるように、高分子電解質膜32の一方の面に配設された触媒層33とガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)34とからなる燃料極(水素極)35と、高分子電解質膜32の他方の面に配設された触媒層36とガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)37とからなる空気極(酸素極)38を備えている。
セパレータ41は、一方の面に燃料ガス供給用溝部43aを備え、他方の面に酸化剤ガス供給用溝部44aを備えたセパレータ41Aと、一方の面に燃料ガス供給用溝部43aを備え、他方の面に冷却水用溝部44bを備えたセパレータ41Bと、一方の面に冷却水用溝部43bを備え、他方の面に酸化剤ガス供給用溝部44aを備えたセパレータ41Cとからなっている。このようなセパレータ41A,41B,41Cは、本発明のセパレータであり、その両面に、図1に示されるように銅薄膜層、中間層を介して樹脂層が形成されているが、図示例では、省略している。
各セパレータ41A,41B,41Cと上記の高分子電解質膜32の所定位置には、2個の燃料ガス供給孔45a,45b、2個の酸化剤ガス供給孔46a,46b、2個の冷却水供給孔47a,47bが貫通孔として形成されている。そして、セパレータ41Aの酸化剤ガス供給用溝部44aが形成されている面に、MEA31の空気極(酸素極)38が当接し、セパレータ41Bの燃料ガス供給用溝部43aが形成されている面に、MEA31の燃料極(水素極)35が当接するように、また、セパレータ41Bの冷却水用溝部44bが形成された面とセパレータ41Cの冷却水用溝部43bが形成された面とが当接するように、各セパレータ41A,41B,41Cと単位セルであるMEA31が積層され、この繰り返しで高分子電解質型燃料電池21が構成されている。このように積層された状態で、上記の2個の燃料ガス供給孔45a,45bはそれぞれ積層方向に貫通する燃料ガスの供給路を形成し、2個の酸化剤ガス供給孔46a,46bはそれぞれ積層方法に貫通する酸化剤ガスの供給路を形成し、2個の冷却水供給孔47a,47bはそれぞれ積層方向に貫通する冷却水の供給路を形成している。
また、本発明のセパレータを用いた高分子電解質型燃料電池の他の例を、図9〜図11を参照して説明する。図9は、高分子電解質型燃料電池の構造を説明するための平面図であり、図10は、図9に示される高分子電解質型燃料電池のA−A線での縦断面図である。また、図11は高分子電解質型燃料電池を構成する膜電極複合体を説明するための図である。
図9および図10に示されるように、高分子電解質型燃料電池51は、膜電極複合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly)61とセパレータ71A,71Bとからなる単位セル52を平面状に複数個配列し、これらを電気的に直列に接続し、単位セルの個数分(図9では4個分)の電圧を取り出す高分子電解質型燃料電池である。また、各単位セル52の周りには、これと略同じ厚さの絶縁部55を設け、全体を平面状にしている。すなわち、平板状の絶縁部55のくり抜き部に単位セル52を嵌め込んだ状態とすることにより、単位セル52と絶縁部55とを平面状に設けているものである。
この高分子電解質型燃料電池51は、絶縁部55のうち、隣接する単位セル間に位置する絶縁部55に、貫通してその表裏の接続を行うための表裏接続部57cを設けている。そして、この表裏接続部57cを、接続配線57aを介して、隣接する一方の単位セルのセパレータ71A(例えば、燃料極側セパレータ)に接続し、また、接続配線57bを介して、隣接する他方の単位セルのセパレータ71B(例えば、空気極側セパレータ)に接続している。これにより、隣接する単位セル間が電気的に直列に接続されている。そして、直列に接続された一方の端部に位置する単位セル52のセパレータ71Aと、他方の端部に位置する単位セル52のセパレータ71Bには、配線75,76が接続されている。
尚、図示例では単位セルの個数を4個としているが、単位セルの個数には制限はない。
絶縁部55は、接続部57(接続配線57a,57bおよび表裏接続部57c)で接続される以外は、隣接する単位セル間を互いに絶縁するものである。このような絶縁部55の材質は、処理性、耐久性の面で優れたものであれば特に限定はされず、例えば、ガラスエポキシ、ポリイミド樹脂等が使用される。また、絶縁部55は、絶縁性材料のみからなるものでも、導電性材料を一部含むものでもよい。
接続部57の表裏接続部57cとしては、スルホール接続部、あるいは、充填ビア接続部、バンプ接続部のいずれかを、隣接する単位セル間に位置する絶縁部55中に設けたものとすることができる。これらの表裏接続部57cは、従来の配線基板技術の応用として形成できる。
また、MEA61は、図11に示されるように、高分子電解質膜62の一方の面に配設された触媒層63とガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)64とからなる燃料極(水素極)65と、高分子電解質膜62の他方の面に配設された触媒層66とガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)67とからなる空気極(酸素極)68を備えている。
セパレータ71A,71Bは、図2に示されるような本発明のセパレータであり、複数の貫通孔を備えた金属基体に銅薄膜層、中間層を介して導電性の樹脂層を有するものである。
次に、具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
金属板材として、80mm×80mm、厚み0.8mmの銅合金(銅−スズ−銅系合金)を準備し、表面の脱脂処理を行った。
次に、この銅合金の両面に、ドライフィルムレジスト(ニチゴー・モートン(株)製)をラミネートして35μm厚の感光性レジスト層を形成し、その後、溝部形成用のフォトマスクを介して露光(5kW水銀灯により15秒間照射)、現像(30℃の2%炭酸水素ナトリウム水溶液をスプレー)してレジストを形成した。
次いで、上記のレジストを介して銅合金の両面から45℃に加熱した塩化第二鉄水溶液をスプレーして、所定の深さまでハーフエッチングを行った。その後、50℃の5%炭酸水素ナトリウム水溶液でレジストを剥離し、洗浄処理を施した。これにより、幅が1mm、深さが0.3mmのほぼ半円形状の断面を有し、振れ幅50mm、ピッチ2mmで蛇行した長さ1300mmの溝部を備えた金属基体を得た。
次に、上記の金属基体に対して、50℃の硫酸(水5部に硫酸1部を添加)をスプレー噴霧することにより洗浄前処理を施し、その後、速やかに下記の条件で銅ストライクめっき処理を施して銅薄膜層(厚み0.1μm)を、溝部を含めた金属基体上に形成した。
(銅ストライクめっき処理の条件)
・使用浴 : アルカリ電解銅ストライク浴
(メルテックス(株)製 メルカバーCF−2120)
・pH : 9〜12
・電流密度 : 8A/dm2
・液温 : 50℃
・処理時間 : 20秒
次に、上記の銅薄膜層上に、下記の電気めっき条件でスズ−ニッケル合金めっき層(厚み1μm)を形成して中間層とした。
(電気めっき条件)
・使用浴 : スズ−ニッケル浴(荏原ユージライト(株)製 EBALOY SNI)
・pH : 2
・電流密度 : 0.3A/dm2
・液温 : 55℃
次いで、エポキシ電着液に、導電材料としてカーボンブラック(Cabot(株)製 Vulcan XC−72)を樹脂固形分に対して75重量%添加し分散させて、電着液とした。この電着液を20℃に保って撹拌し、この中に上記の金属基体を浸漬し、極間40mm、電圧50Vで1分間電着を行い、引き上げた金属基体を純水洗浄した。その後、ドライヤーで熱風乾燥(150℃、3分間)し、さらに、窒素雰囲気中で180℃、1時間の加熱硬化処理を施した。これにより、中間層上に厚み15μmの樹脂層が形成され、セパレータが得られた。
尚、使用したエポキシ電着液は下記のようにして調製した。
まず、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(エポキシ当量910)1000重量部を撹拌下に70℃に保ちながら、エチレングリコールモノエチルエーテル463重量部に溶解させ、さらに、ジエチルアミン80.3重量部を加えて100℃で2時間反応させてアミンエポキシ付加物(A)を調製した。
また、コロネートL(日本ポリウレタン(株)製 ジイソシアネート:NCO13%の不揮発分75重量%)875重量部にジブチル錫ラウレート0.05重量部を加え50℃に加熱し、これに2−エチルヘキサノール390重量部を添加し、その後、120℃で90分間反応させた。得られた反応生成物をエチレングリコールモノエチルエーテル130重量部で希釈した成分(B)を得た。
次に、上記のアミンエポキシ付加物(A)1000重量部と成分(B)400重量部からなる混合物を、氷酢酸30重量部で中和した後、脱イオン水570重量部を用いて希釈し、不揮発分50重量%の樹脂Aを調製した。この樹脂A200.2重量部(樹脂成分86.3容量)、脱イオン水583.3重量部、およびジブチル錫ラウレート2.4重量部を配合してエポキシ電着液を調製した。
作製した上記のセパレータの樹脂層におけるピンホールの有無を下記の条件で観察した。その結果、ピンホールが存在しないことが確認された。
(ピンホールの観察条件)
80℃、1モル硫酸水溶液中で、−2V〜+2V VS.NHEの範囲で貴な方向に
電位を走査させて電流応答を調査し、電流応答が1μA/cm2以下の場合を
ピンホールなしと判断する。
また、作製した上記のセパレータにおける表裏導通の電気抵抗を下記の方法で測定した結果、3.2mΩであり、電気抵抗が低いことが確認された。
(電気抵抗の測定方法)
セパレータをガス拡散層(東レ(株)製 TGP−H−060 190μm厚)
で両側から挟み込み、さらに、これらを銅に金めっきを施した厚さ5mmの電極
で挟み込んで圧着(圧力:20kgf/cm2)し、電極間の抵抗を測定する。
[実施例2]
中間層として、下記の電気めっき条件でスズめっき層(厚み1μm)を形成した他は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
(電気めっき条件)
・使用浴 : スルホン酸塩浴(メルテックス(株)製 ソルダロンST-200)
・pH : 4.5〜6.0
・電流密度 : 1A/dm2
・液温 : 40℃
作製したセパレータの樹脂層におけるピンホールの有無を、実施例1と同様の条件で観察した結果、ピンホールが存在しないことが確認された。
また、このセパレータにおける表裏導通の電気抵抗を実施例1と同様の方法で測定した結果、3.8mΩであり、電気抵抗が低いことが確認された。
[実施例3]
中間層として、下記の電気めっき条件でスズ−コバルトめっき層(厚み1μm)を形成した他は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
(電気めっき条件)
・使用浴 : 硫酸第一スズ浴(日本化学産業(株)製 ピロアイSCプロセス)
・pH : 1〜2
・電流密度 : 0.5A/dm2
・液温 : 40℃
作製したセパレータの樹脂層におけるピンホールの有無を、実施例1と同様の条件で観察した結果、ピンホールが存在しないことが確認された。
また、このセパレータにおける表裏導通の電気抵抗を実施例1と同様の方法で測定した結果、4.2mΩであり、電気抵抗が低いことが確認された。
[比較例1]
銅薄膜層を形成しない他は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
作製したセパレータの樹脂層におけるピンホールの有無を、実施例1と同様の条件で観察した結果、ピンホールの存在が確認され、さらに、金属基体が一部腐食されていることが確認された。
また、このセパレータにおける表裏導通の電気抵抗を実施例1と同様の方法で測定した結果、28mΩであり、実施例1〜3に比べて電気抵抗が高いものであった。
[比較例2]
銅薄膜層を形成しない他は、実施例2と同様にして、セパレータを作製した。
作製したセパレータの樹脂層におけるピンホールの有無を、実施例1と同様の条件で観察した結果、ピンホールの存在が確認され、さらに、金属基体が一部腐食されていることが確認された。
また、このセパレータにおける表裏導通の電気抵抗を実施例1と同様の方法で測定した結果、25mΩであり、実施例1〜3に比べて電気抵抗が高いものであった。
[比較例3]
銅薄膜層を形成しない他は、実施例3と同様にして、セパレータを作製した。
作製したセパレータの樹脂層におけるピンホールの有無を、実施例1と同様の条件で観察した結果、ピンホールの存在が確認され、さらに、金属基体が一部腐食されていることが確認された。
また、このセパレータにおける表裏導通の電気抵抗を実施例1と同様の方法で測定した結果、35mΩであり、実施例1〜3に比べて電気抵抗が高いものであった。
[比較例4]
中間層として下記の電気めっき条件でニッケル−銅めっき層(厚み3μm)を形成した他は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
(電気めっき条件)
・使用浴 : 硫酸銅浴(日本化学産業(株)製 硫酸銅)
・pH : 2
・電流密度 : 0.3A/dm2
・液温 : 50℃
作製したセパレータの樹脂層におけるピンホールの有無を、実施例1と同様の条件で観察した結果、ピンホールの存在が確認され、さらに、金属基体が一部腐食されていることが確認された。
また、このセパレータにおける表裏導通の電気抵抗を実施例1と同様の方法で測定した結果、16mΩであり、実施例1〜3に比べて電気抵抗が高いものであった。
[実施例4]
電気めっき時間を変更し、中間層(スズ−ニッケル合金めっき層)の厚みを2μmとした他は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
作製したセパレータの折り曲げ加工適性を下記の方法で評価した。その結果、銅薄膜層および中間層に割れを生じることなく折り曲げることが可能であり、良好な折り曲げ加工適性を具備していることが確認された。
また、上述の実施例1で作製したセパレータについて、同様に折り曲げ加工適性を評価した結果、良好な折り曲げ加工適性を具備していることが確認された。
(折り曲げ加工適性の評価方法)
折り曲げ部の半径が0.1mmとなるようにセパレータを90°折り曲げ、光学
顕微鏡を用いて、金属基体、銅薄膜層および中間層における割れの有無を確認する。
[実施例5]
電気めっき時間を変更し、中間層(スズ−ニッケル合金めっき層)の厚みを3μmとした他は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
作製したセパレータの折り曲げ加工適性を実施例4と同様に評価した。その結果、中間層および金属基体にまで割れが見られ、実施例1、4のセパレータに比べて折り曲げ加工適性が劣ることが確認された。
[実施例6]
電気めっき時間を変更し、中間層(スズ−ニッケル合金めっき層)の厚みを0.3μmとした他は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
作製したセパレータの折り曲げ加工適性を実施例4と同様に評価した。その結果、銅薄膜層および中間層に割れを生じることなく折り曲げることが可能であり、良好な折り曲げ加工適性を具備していることが確認された。
[実施例7]
電気めっき時間を変更し、中間層(スズ−ニッケル合金めっき層)の厚みを0.1μmとした他は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
作製したセパレータの折り曲げ加工適性を実施例4と同様に評価した。その結果、銅薄膜層および中間層に割れを生じることなく折り曲げることが可能であり、良好な折り曲げ加工適性を具備していることが確認された。
本発明は、固体高分子電解質膜の両側に電極を配した単位セルを複数個接続した燃料電池の製造に適用することができる。
1,11…セパレータ
2,12…金属基体
3…溝部
4,14…銅薄膜層
5,15…中間層
6,16…樹脂層
13…貫通孔
21,51…高分子電解質型燃料電池
31,61…膜電極複合体(MEA)
41A,41B,41C,71A,71B…セパレータ

Claims (7)

  1. 銅または銅合金からなる金属基体と、該金属基体を被覆するように銅薄膜層を介して配設された中間層と、該中間層を被覆するように電着により形成された導電性の樹脂層とを備え、前記中間層はスズめっき層またはスズ合金めっき層であり、前記樹脂層は導電材料を含有することを特徴とする燃料電池用のセパレータ。
  2. 前記金属基体は、少なくとも一方の面に溝部を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用のセパレータ。
  3. 前記金属基体は、複数の貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用のセパレータ。
  4. 前記導電材料は、カーボン粒子、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、耐食性金属の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の燃料電池用のセパレータ。
  5. 前記スズ合金めっき層は、スズ−ニッケル、スズ−銅、スズ−コバルト、スズ−銀、スズ−亜鉛、スズ−金、スズ−ビスマスのいずれかのスズ合金めっき層であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の燃料電池用のセパレータ。
  6. 前記スズ合金めっき層は、スズ−ニッケルからなり厚みが0.1〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池用のセパレータ。
  7. 銅または銅合金からなる金属基体に洗浄前処理を施した後、直ちに該金属基体を被覆するように銅ストライクめっきにより銅薄膜層を形成する工程、次いで、スズめっき層またはスズ合金めっき層からなる中間層を前記銅薄膜層上に形成する工程、その後、前記中間層上に、電着性を有する樹脂中に導電材料を分散させた電着液を用いて電着にて樹脂層を形成する工程と、を有することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
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