JP5153993B2 - 導電性熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、水蒸気バリアー性及び導電性に優れた導電性熱可塑性樹脂フィルムに関する。
電気二重層キャパシタは、より高い出力電流を得る目的で、複数の電気二重層キャパシタセルを、直列及び並列の組み合わせにて接続し使用する場合が多い。しかしながら、これら複数のキャパシタセルの複合化により、複合体全体が有する内部抵抗も大きくなり、低い出力電流しか得られない場合が多い。このようなことから、個々のキャパシタセルが有する内部抵抗を出来るだけ小さくすることが望まれており、特にキャパシタセルを構成する電解液と活性炭電極との界面で生じる抵抗や活性炭電極と集電体との界面で生じる抵抗、および集電体自身が有する抵抗の低減化が要求されている。中でも水系電解液を用いる電気二重層キャパシタにおいては、キャパシタセルが積層型構造になっており、集電体自身が有する抵抗を低減するためには、集電体が有する厚み方向に対する抵抗の低減化が必要となる。
また、水系電解液を用いる電気二重層キャパシタにおいては、一般に電解液として25〜40%程度の硫酸水溶液が使用されており、通常、80℃以下程度の温度にて使用されている。そして、例えば、80℃を超えるような温度環境下で電気二重層キャパシタを使用すると、電解液中の水分が集電体を透過し易くなり、そのことに起因して、電解液の電気伝導率が低下し、キャパシタセル全体の抵抗値が上昇したりするなどして電気二重層キャパシタの寿命が短くなるという問題がある。
プロトンイオンポリマー電池においても、前記キャパシタセルの内部抵抗の低減化と同様に、電池セルの内部抵抗低減化が要求されている。そして、電気二重層キャパシタと同様に電池セルが積層型構成をとる電池においては、集電体が有する厚み方向に対する抵抗の低減化が要求されている。
また、プロトンイオンポリマー電池においても、前記電気二重層キャパシタの場合と同様に、一般に電解液として25〜40%程度の硫酸水溶液が使用されており、例えば、80℃を超えるような温度環境下においては、電解液中の水分が集電体を透過し易くなり、そのことに起因して、電解液の電気伝導率が低下し、電池セル全体の抵抗値が上昇したりするなどしてプロトンイオンポリマー電池の寿命が短くなるという問題がある。
そこで、例えば、集電体の厚み方向に対する抵抗の低減化という課題に対しては、集電体である導電性フィルムの厚みを薄くすることで、電気抵抗を小さくすることが行われている。例えば、特許文献1には、ゴム成分100重量部と導電性カーボン5〜100重量部を有機溶剤中に分散させ、剥離可能なフィルムの上にバーコーターにて流延後、乾燥させることで、薄膜の導電性フィルムを作製することが記載されており、体積抵抗値が0.1〜5.0Ωcmと低くなることが示されている。
しかしながら、このような方法で作製した集電体は、フィルムの厚み方向の電気抵抗は低いものの、流延法に基づく成形体であるために
(1)フィルムに歪みが発生しやすい
(2)フィルムにピンホールが発生しやすい
(3)残留溶剤が残りやすい
(4)生産性が悪い
等の問題あり、特に、ピンホールが生じやすいという問題から、十分な水蒸気バリアー性を有していない。
また、水蒸気バリアー性の向上化という課題に対しては、従来から、ブチルゴムなど透湿度の低いゴムと導電性カーボンを混錬してシート化することで、透湿度の低い集電体を作製している。しかし、導電シートの厚み方向に対してより低い抵抗を持たせる目的でゴム中に導電剤を多く入れようとすると、一般に、樹脂と導電剤を混練する場合よりも溶融時の粘度が高くなるので、成形しにくいという欠点がある。また、その結果、得られるシートの厚みも厚くなる傾向にあり、かえって抵抗が高くなる問題がある。
WO97/25738
本発明の目的は、優れた水蒸気バリアー性と導電性を有した熱可塑性樹脂フィルムを提供することにある。
本発明は上述の問題点を解消できる導電性熱可塑性樹脂フィルムを見出したものであり、その要旨とするところは、なくとも導電性水蒸気バリアー層を含み、かつ、該導電性水蒸気バリアー層の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂に導電剤を混合してなる低電気抵抗層を積層した導電性熱可塑性樹脂フィルムであって、該導電性水蒸気バリアー層が導電剤として黒鉛粉体及びカーボンブラック粉体を含有し、該導電性水蒸気バリアー層についてJIS K−7129 B法による透湿度が、40℃、90%RHの雰囲気下、フィルム厚み100μmにおいて、3g/(m・24時間)以下であるとともに、導電性水蒸気バリアー層についてJIS K−7194の四探針法で測定した体積固有抵抗値が0.5Ω・cm以下であり、該低電気抵抗層について、JIS K−7194の四探針法で測定した体積固有抵抗値が該導電性水蒸気バリアー層の体積固有抵抗値の1/2以下であることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂フィルムにある。
そして、前記低電気抵抗層に含まれる導電剤の少なくとも1種類が、繊維径が0.0035〜0.5μm、繊維長が0.1〜100μmである微細な炭素繊維、前記低電気抵抗層の厚みが1〜50μmの範囲であることを含み、前記導電性水蒸気バリアー層に含まれる導電剤として、平均粒子径1μm以上20μm以下であり、粒子径40μm以下の粒子からなる粉体重量が粉体重量全体の80%以上を占めている黒鉛粉体と、カーボンブラック粉体であることを含み、前記導電性水蒸気バリアー層に含まれるカーボンブラック粉体の体積充填率Aおよび黒鉛粉体の体積充填率Bが、以下式
0 < A ≦ 0.4×(1−B)
0 < B ≦ 0.5
の範囲内にあることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂フィルムであることを含んでいる。また、上記導電性熱可塑性樹脂フィルムは電気二重層キャパシタ用集電体及びプロトンイオンポリマーに用いることができる。
本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルムは、優れた水蒸気バリアー性を有するとともに、優れた導電性も有しており、特に電気二重層キャパシタ用集電体やプロトンイオンポリマー電池用集電体への利用性が大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルムに使用する熱可塑性樹脂としては特に制限はない。例えば、エチレンを含む単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン(PO)系樹脂又はポリオレフィン系エラストマー、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、SIS等のポリスチレン系樹脂又はSEBS、SEPS、SEEPS等の水素添加されたスチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド(PA)系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(THV)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)、等のフッ素系樹脂又はエラストマー、(メタ)アクリレート系樹脂などが挙げられる。
中でも、導電性水蒸気バリアー層中に使用する樹脂としては、樹脂の中でも比較的水蒸気バリアー性に優れ、また耐酸性に優れる、ポリオレフィン(PO)系樹脂、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、SEBS、SEPS、SEEPS等の水素添加されたスチレン系エラストマー、又はポリオレフィン系エラストマー、フッ素系樹脂又はフッ素系エラストマーの使用が好ましく、より好ましくは、PO系樹脂や環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリプロピレン系エラストマー及びフッ素系エラストマーが特に水蒸気バリアー性、耐酸性に優れており、好ましい。
また、水蒸気バリアー性や耐酸性だけでなく、力学的物性その他導電性熱可塑性樹脂フィルムに必要とされる性能を発現させる等の目的から、これらの樹脂をブレンドして使用することも好ましい。
導電性熱可塑性樹脂フィルム中に含まれる導電剤は、天然黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の人造黒鉛粉体、酸性溶液に前述した黒鉛を浸漬させた後、加熱して膨張させた膨張黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラックやファーネス法等で作られたカーボンブラック、PAN系、ピッチ系等のカーボン繊維、アーク放電法、レーザ蒸着法、気相成長法等で作られたカーボンナノファイバー、タングステンカーバイト、シリコンカーバイト、炭化ジルコニウム、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ニオブ、炭化モリブデン、炭化バナジウムなどの金属炭化物、酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化インジウムなどの金属酸化物、窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化モリブデン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ガリウム、窒化ニオブ、窒化バナジウム、窒化ホウ素などの金属窒化物、鉄繊維、銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維、チタン粉、ニッケル粉、錫紛、タンタル紛、ニオブ粉などの金属粉末が挙げられる。
導電性水蒸気バリアー層の透湿度については、JIS K−7129 B法による透湿度が、40℃、90%RHの場合に、フィルム厚み100μmにおいて、3g/(m・24時間)以下、好ましくは2g/(m・24時間)以下、より好ましくは、1g/(m・24時間)以下、更により好ましくは、0.5g/(m・24時間)以下の範囲が良い。透湿度が40℃、90%RHの場合に、フィルム厚み100μmにおいて、3g/(m・24時間)を超えると、80℃程度以上の高温環境下において、電気二重層キャパシタ用集電体やプロトンイオンポリマー電池用集電体として使用した場合、電解液中の水分が集電体を透過し易くなり、そのことに起因して、電解液の電気伝導率が低下し、電池セル全体の抵抗値が上昇したりするなどしてプロトンイオンポリマー電池の寿命が短くなるためである。
また、導電性水蒸気バリアー層の体積固有抵抗値については、JIS K 7194 に準じて求めた体積固有抵抗値が0.5Ωcm以下、好ましくは0.3Ωcm以下、更に好ましくは0.1Ωcm以下の範囲が良い。体積固有抵抗値が0.5Ωcmを越えると、電気二重層キャパシタ用集電体やプロトンイオンポリマー電池用集電体として使用した場合、電気二重層キャパシタやプロトンイオンポリマー電池の内部抵抗が増加しやすいためである。
具体例を挙げると、導電性水蒸気バリアー層に含む導電剤としては、導電性水蒸気バリアー層に、低い水蒸気透過性を与える効果を有する黒鉛粉体を含むことが好ましく、樹脂に対し少量の添加で高い導電性を得ることが可能なケッチェンブラックなどのカーボンブラック粉体も含むことが好ましい。
また、導電性水蒸気バリアー層中に含む黒鉛粉体は、平均粒子径1μm以上20μm以下であり、粒子径40μm以下の粒子からなる粉体重量が粉体重量全体の80%以上を占めていることが好ましい。
例えば、熱可塑性樹脂にカーボンブラックと黒鉛を混合する場合、カーボンブラック粉体の体積充填率Aおよび黒鉛粉体の体積充填率Bが、下記式の範囲内のものであることが好ましく、透湿度が低く更に体積固有抵抗値の小さい導電性水蒸気バリアー層を得ることが可能である。
0 < A ≦ 0.4×(1−B)
0 < B ≦ 0.5
導電性熱可塑性樹脂フィルムに含まれる導電性水蒸気バリアー層の製法としては、熱可塑性樹脂と導電材を有機溶剤に分散混合した溶液を、離型性を有する基材に塗布乾燥した後、基材から剥離して作製する製法は、ピンホールが発生し易く、押出成形法やロール成形法などで熱可塑性樹脂を加熱溶融させて成形する方法が好ましい。
本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルムは、前記導電性水蒸気バリアー層のみをその構成要素とすることもできるが、導電性水蒸気バリアー層の少なくとも片面に、導電性水蒸気バリアー層の電気抵抗よりも低い抵抗を有する低電気抵抗層を設けることにより、被接触体との接触抵抗を大幅に低減できる。
特に、本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルムを電気二重層キャパシタやプロトンイオンポリマー電池用の集電体として使用する場合、被接触体は電極や外装ケース(ステンレス系など)となるが、導電性熱可塑性樹脂フィルム中の低電気抵抗層の電気抵抗を導電性水蒸気バリアー層の抵抗より低くすることで、被接触体との接触抵抗を低減することができ、電気二重層キャパシタやプロトンイオンポリマー電池の内部抵抗値を小さくすることができる。
低電気抵抗層のJIS K−7194の四探針法で測定した体積固有抵抗値は、導電性水蒸気バリアー層の厚み方向への体積固有抵抗値の1/2以下、好ましくは1/5以下にするのが良く、低電気抵抗層の体積固有抵抗値が、導電性水蒸気バリアー層の体積固有抵抗値の1/2を超えると、被接触体との接触抵抗が大きくなり易い。
低電気抵抗層に含む導電剤としては、耐食性、導電性に優れる、微細な炭素繊維を用いるのが良い。微細な炭素繊維の繊維径は0.0035〜0.5μm、好ましくは0.08〜0.2μmの範囲が良く、繊維長は0.1〜100μm、好ましくは1〜50μmの範囲が導電性に優れ好ましい。
低電気抵抗層の熱可塑性樹脂と微細な炭素繊維の割合は、低電気抵抗層の体積固有抵抗値が導電性バリアー層の体積固有抵抗値の1/2以下になるように適宜決めればよいが、熱可塑性樹脂と微細な炭素繊維の体積比率が15/85〜85/15の範囲が好ましい。
低電気抵抗層の厚みは1〜50μm、好ましくは、3〜20μmの範囲が良く、 低電気抵抗層の厚みが1μm未満では、厚みが薄いために低電気抵抗層にピンホールが発生し易く、体積固有抵抗値の大きくなる部位ができ易い。また、低電気抵抗層の厚みが50μmを超えると、導電性樹脂フィルムが脆くなるという問題が発生し易い。
また、低電気抵抗層の製法としては、特に限定されることはなく、熱可塑性樹脂と導電材を有機溶剤に分散混合した溶液を、離型性を有する基材に塗布乾燥した後、基材から剥離して作製する製法や、押出成形法やロール成形法などで熱可塑性樹脂を加熱溶融させて成形する方法などで作製すれば良い。
本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルムの用途は、導電性に優れているため、蓄電デバイスや発電機等の部材として使用した場合、その内部抵抗を小さくすることができる。また、水蒸気バリアー性にも優れるため、水系電解液を用いる電気二重層キャパシタやプロトンイオンポリマー電池の集電体として使用できる。
以下、実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜4)
<導電性水蒸気バリアー層の作製>
熱可塑性樹脂と導電剤とを表1に記載した割合で2軸押出機(押出機温度230℃)にて混合した後、得られた混合物を、単軸押出機(押出機温度230℃)を使用し口金から押出して、導電性熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
得られた導電性熱可塑性樹脂フィルムの厚みはいずれも100μmであり、フィルムの体積固有抵抗値、厚み方向の抵抗値及び、透湿度を表1に示した。尚、表1記載の熱可塑性樹脂及び導電剤は以下のものを使用した。
1.ポリオレフィン系エラストマー
出光興産(株)製 「M142E」 比重0.88
2.カーボンブラック
ライオン(株)製 「ケッチェンブラックEC600JD」 比重1.5
3. 黒鉛(人造黒鉛粉)
昭和電工(株)製 「UFG−30」 比重2.2
昭和電工(株)製 「UFG−5 」 比重2.2
(実施例5)
<低電気抵抗層の作製>
SEBS(旭化成製 「タフテックH1041」 比重0.91)と微細な炭素繊維(昭和電工(株)製 「気相法炭素繊維 VGCF」 比重2)を体積比で80/20の割合で、固形分濃度8重量%になるように、それぞれTHF(テトラヒドロフラン)に分散し、分散液を作製した。
使用した微細な炭素繊維は、繊維径150nm、繊維長10〜20μm、嵩比重0.035g/cm、真比重2.0g/cmのものを使用した。
この分散液を基材フィルム(ポリプロピレンフィルム:厚み50μm)上にバーコーター(松尾産業製「#70番」)で塗布し、80℃で乾燥し、基材フィルム−低電気抵抗層複合体を得た。
得られた基材フィルム−低電気抵抗層複合体から低電気抵抗層を剥離し、厚みと体積抵抗値を測定した結果、低電気抵抗層の厚みは3μmであり、フィルムの性能を表2に示した。
(実施例6〜9、及び比較例3,4)
<導電性熱可塑性樹脂フィルムの作製>
実施例1〜4、比較例1、2で得られた導電性水蒸気バリアー層フィルムと、実施例5で得られた低電気抵抗層フィルムを、それぞれ下記の組み合せで、低電気抵抗層/導電性水蒸気バリアー層/低電気抵抗層の順に配置し、熱プレスにて一体化し、導電性熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
熱プレス法の条件は、加熱温度140℃、圧力4.9×10Pa(50kgf/cm)、プレス時間5分であった。
実施例6:実施例1で得られた導電性水蒸気バリアー層フィルム/実施例5で得られた低電気抵抗層フィルム。
実施例7:実施例2で得られた導電性水蒸気バリアー層フィルム/実施例5で得られた低電気抵抗層フィルム。
実施例8:実施例3で得られた導電性水蒸気バリアー層フィルム/実施例5で得られた低電気抵抗層フィルム。
実施例9:実施例4で得られた導電性水蒸気バリアー層フィルム/実施例5で得られた低電気抵抗層フィルム。
比較例3:比較例1で得られた導電性水蒸気バリアー層フィルム/実施例5で得られた低電気抵抗層フィルム。
比較例4:比較例2で得られた導電性水蒸気バリアー層フィルム/実施例5で得られた低電気抵抗層フィルム。
得られた導電性熱可塑性樹脂フィルムの厚みはいずれも100μmであり、フィルムの性能を表3に示した。
透湿度(水蒸気透過率)の測定法
本発明における透湿度は、JIS K−7129 B法に準じ、40℃、90%RH下で、PERMATRAN W 3/31(米国 MOCON社製)を用いて測定した。単位はg/(m2・24)時間で表した。
(体積固有抵抗値の測定)
本発明における体積固有抵抗値の測定は、JIS K 7194に準じて、以下のように行い、単位はΩcmで表した。
1. 測定装置
Loresta HP (三菱化学(株)製)
2. 測定方式
四端子四探針法(ASPタイププローブ)
3. 測定印可電流
100mA
(フィルム厚み方向の抵抗測定)
低電気抵抗層及び導電性水蒸気バリアー層の厚み方向の抵抗値は以下の方法で評価した。
1. 測定装置
抵抗計:YMR−3型((株)山崎精機研究所社製)
負荷装置:YSR−8型((株)山崎精機研究所社製)
電極:真鍮製平板2枚(面積6.45cm、鏡面仕上げ、表面金メッキ)
2. 測定条件
方法:4端子法
印加電流:10mA(交流、287Hz)
開放端子電圧:20mVピーク以下
荷重:1.8MPa(18.6kgf/cm
3.測定方法
図1に示した測定装置により測定した。
Figure 0005153993
表1に実施例および比較例を示す。実施例1〜4に示す通り、PPエラストマーに黒鉛及びカーボンブラックを添加したものは、透湿度が1.06〜2.31g/m2/24時間であり、また、体積固有抵抗値は0.28〜0.36Ωcmとなり、透湿度が3g/m2/24時間以下であり、体積固有抵抗値が0.5Ωcm以下である本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルムである。また、厚み方向の抵抗値は4.4〜7.2Ωcmと低く、優れた電気特性を示している。
これに対し、比較例1に示すように、PPエラストマーにカーボンブラックのみを添加したものは、透湿度が4.80g/m2/24時間であり、体積固有抵抗値が0.85Ωcmと大きいため、厚み方向の抵抗値は10.0mΩと大きくなり、実施例に比較して劣っている。
また、比較例2に示すように、PPエラストマーに黒鉛のみを添加したものは、透湿度は1.00g/m2/24時間と低いが、体積固有抵抗値が160Ωcmと非常に高いため、厚み方向の抵抗値は250mΩと大きくなり、実用性に欠ける。
Figure 0005153993
さらに、表2の実施例5に示す体積固有抵抗値が0.10Ωcmである低電気抵抗層は、透湿度は100g/m2/24時間以上であるが、表3の実施例6〜9に示すように、実施例1〜4のフィルムの両面に貼り合わせることで、表1の実施例1〜4と同等の透湿度を有し、また、厚み方向の抵抗値が1.1〜2.0mΩと、非常に低い導電性熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。
Figure 0005153993
これに対し、表3の比較例3では、厚み方向の抵抗値が小さくても透湿度が高く、比較例4では、透湿度が低くても厚み方向の抵抗値が大きくなってしまい、実用性に欠ける。
厚み方向の抵抗値を測定する装置の概略図。
符号の説明
1:真鍮製電極(表面金メッキ)
2:サンプル(導電シート)

Claims (7)

  1. 少なくとも導電性水蒸気バリアー層を含み、かつ、該導電性水蒸気バリアー層の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂に導電剤を混合してなる低電気抵抗層を積層した導電性熱可塑性樹脂フィルムであって、
    該導電性水蒸気バリアー層が導電剤として黒鉛粉体及びカーボンブラック粉体を含有し、該導電性水蒸気バリアー層についてJIS K−7129 B法による透湿度が、40℃、90%RHの雰囲気下、フィルム厚み100μmにおいて、3g/(m・24時間)以下であるとともに、導電性水蒸気バリアー層についてJIS K−7194の四探針法で測定した体積固有抵抗値が0.5Ω・cm以下であり、
    該低電気抵抗層について、JIS K−7194の四探針法で測定した体積固有抵抗値が該導電性水蒸気バリアー層の体積固有抵抗値の1/2以下であることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 前記低電気抵抗層に含まれる導電剤の少なくとも1種類が、繊維径が0.0035〜0.5μm、繊維長が0.1〜100μmである微細な炭素繊維であることを特徴とする請求項1記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 前記低電気抵抗層の厚みが1〜50μmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム。
  4. 前記黒鉛粉体が、平均粒子径1μm以上20μm以下であり、粒子径40μm以下の粒子からなる粉体重量が粉体重量全体の80%以上を占めていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム。
  5. 前記導電性水蒸気バリアー層に含まれるカーボンブラック粉体の体積充填率Aおよび黒鉛粉体の体積充填率Bが、下記式の範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム。
    0 < A ≦ 0.4×(1−B)
    0 < B ≦ 0.5
  6. 請求項1乃至5のいずれか記載の導電性熱可塑性樹脂フィルムを用いてなる電気二重層キャパシタ用集電体。
  7. 請求項1乃至5のいずれか記載の導電性熱可塑性樹脂フィルムを用いてなるプロトンイオンポリマー電池用集電体。
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