JP4974182B2 - グロメット - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、センタリング部を、外面に、バーリングの内縁に当接する押圧面を嵌合孔への挿入方向に形成したセンタリング爪とする一方、ロック部を、バーリングの内縁に係止する係止段部を備えたロック爪として、仮固定爪に、バーリングの内縁へ弾性的に係止する仮係止段部を設けて、ロック爪と仮固定爪とセンタリング爪とを嵌合孔の中心との同心円上に配置すると共に、押圧面を、ロック爪において係止段部の内側に形成される外面及び、仮固定爪において仮係止段部の内側に形成される外面よりも外側の円周上に位置させたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、グロメットインナによるワイヤハーネスの固定を楽に行うために、グロメットインナが、軸方向の分割面で二分割される一対の半割体を組み付けて形成され、各半割体の外側面にロック部とセンタリング部とが夫々設けられることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、嵌合孔が長円形となるものにあって、グロメットの回転をより効果的に防止するために、グロメットインナの外形を長円形としたことを特徴とするものである。
また、センタリング部を、主として取付パネルの面方向へ弾性を有する弾性片としたことで、センタリング部を設けても嵌合時の反力が小さくて済み、着脱に伴う作業性を低下させない。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、グロメットの嵌合孔への挿入時にセンタリング爪をバーリングの内縁へ確実に当接させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、グロメットインナを二分割したことで、硬質のグロメットインナであってもワイヤハーネスを挟み込んで楽に固定可能となると共に、各半割体で軸方向、面方向共に均等な固定力を確保できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、長円形同士の嵌合によってグロメットの回転をより効果的に防止可能となる。
図1は、グロメットの一例を示す側面図、図2は平面図で、グロメット1は、合成樹脂製で硬質のグロメットインナ2と、ゴム製で軟質のグロメットアウタ3とからなっている。まずグロメットインナ2は、後述する取付パネルの嵌合孔に合わせた平面視長円形状の筒状体で、ここでは短軸方向の面(図2の位置A)で2つの半割体4,4に二分割されており、一方の半割体4の分割面に突設した図示しない係止片を、他方の半割体4の分割面に凹設した図示しない凹部に挿入係止させることで、一体に結合される構造となっている。5は、各半割体4の下端に周設されたフランジ部である(図3,4に図示)。
次に、仮固定爪7は、グロメットインナ2の長軸上に位置して下方へ向けて突設される弾性片で、ここでもバーリングの内縁に係止する仮係止段部10が係止されるが、この仮係止段部10は、ロック爪6の係止段部9よりも上方(グロメットインナ2の挿入方向の前方)に位置し、仮係止段部10よりも上側の面は、上方へ行くに従って中心側へ近づくテーパ面11となっている。
これらのロック爪6、仮固定爪7、センタリング爪8は、夫々半割体4の半円部の中心と同心円上に配置されているが、ここではセンタリング爪8の押圧面12が最も外側の円周上に位置し、その内側にロック爪6の係止段部9の下方側の面が、さらに内側に仮固定爪7の仮係止段部10の下方側の面が夫々位置する設定となっている。
まず、図示しないワイヤハーネスを挟むようにして、グロメットインナ2の半割体4,4同士を結合させてグロメットインナ2を形成する。そして、グロメットインナ2のフランジ部5に、ワイヤハーネスを貫通させたグロメットアウタ3のカバー部16を被着して両者を一体化させる。このグロメット1を、第1筒部14を先にして嵌合孔21におけるバーリング22の非突設側から差し込み、続いてグロメットインナ2を差し込む。すると、最も上端に位置する仮固定爪7のテーパ面11が最初にバーリング22に当接し、テーパ面11を乗り越えると、図3,4に示すように、グロメット1は、取付パネル20に対して直交姿勢を保ったまま、仮係止段部10がバーリング22の内縁に係止する仮固定状態となる。このとき、グロメットアウタ3の内側リップ18及び外側リップ19は取付パネル20には当接しない。また、図4(B)に示すように、ロック爪6の係止段部9は取付パネル20の下面位置S1及びバーリング22の内縁位置S2の間にあるため、バーリング22の内縁には係止しない。この仮固定状態では、グロメット1の固定力は低いので、ここで取付角度や嵌合孔21内での位置等が容易に確認、調整可能となる。
そして、ここからさらにグロメット1を押し込むと、図6(A)に示すように、バーリング22の先端がセンタリング爪8のテーパ面13を乗り越えて今度は押圧面12がバーリング22の内縁を押圧する。この状態で、同図(B)及び図7のようにロック爪6の係止段部9をバーリング22の内縁に係止させることができる。ここでは、仮固定によってグロメット1は適正な姿勢で位置決めされているので、グロメット1を大きく傾ける必要はなく、小さい角度でロック爪6を順に係止させることができる。また、この係止作業はグロメット1を保持する片手で簡単に行える。
特にここでは、センタリング爪8は、グロメットインナ2の外側面から外方へ突設され、主として取付パネル20の面方向へ弾性を有する弾性片となっているため、センタリング爪8を設けても嵌合時の反力が小さくて済み、着脱に伴う作業性を低下させない。
さらに、嵌合孔21が長円形となるものにあっては、グロメットインナ2の外形を長円形としたことで、グロメット1の回転をより効果的に防止可能となる。
そして、嵌合孔21の内縁に、中心側へ傾斜するバーリング22を形成したものにあって、センタリング爪8はバーリング22の内縁へ弾性的に当接する構成としているので、公差による嵌合孔21の最大、最小径の差が大きい角度付きバーリング22の場合でも、センタリング爪8による確実な位置決めが可能となる。
さらに、グロメットの基本構造も、嵌合孔が円形や楕円形であればグロメットインナの外形やグロメットアウタの筒部もこれに対応して円形や楕円形にすればよい。
加えて、グロメットインナの分割形態も、分割位置や半割体の結合構造等は適宜変更可能で、分割構造とせずに円形や長円形の筒体を一体に形成することもできる。
Claims (4)
- 取付パネルに形成されて内縁に中心側へ傾斜するバーリングを形成した嵌合孔に挿入され、前記取付パネルの一方の面側から前記バーリングの内縁に係止する複数のロック部を外側面に設けた筒状のグロメットインナと、前記取付パネルの他方の面側から前記グロメットインナの端部に同軸で被着され、前記取付パネルに当接して前記グロメットインナと取付パネルとの間をシールする筒状のグロメットアウタと、からなるグロメットであって、
前記グロメットインナの外側面に、前記嵌合孔への挿入時に前記ロック部より先に前記バーリングの内縁へ弾性的に係止して前記グロメットインナを前記嵌合孔内で仮固定する仮固定爪と、前記仮固定からのさらなる挿入時に前記バーリングの内縁へ弾性的に当接して前記グロメットインナを前記嵌合孔の中心に位置決めし、且つ前記ロック部が前記バーリングの内縁に係止した状態で当該内縁への弾性的な当接を維持する複数のセンタリング部とを設ける一方、前記センタリング部を、前記グロメットインナの外側面から外方へ突設され、主として前記取付パネルの面方向へ弾性を有する弾性片としたことを特徴とするグロメット。 - 前記センタリング部を、外面に、前記バーリングの内縁に当接する押圧面を前記嵌合孔への挿入方向に形成したセンタリング爪とする一方、
前記ロック部を、前記バーリングの内縁に係止する係止段部を備えたロック爪として、前記仮固定爪に、前記バーリングの内縁へ弾性的に係止する仮係止段部を設けて、
前記ロック爪と前記仮固定爪と前記センタリング爪とを前記嵌合孔の中心との同心円上に配置すると共に、前記押圧面を、前記ロック爪において前記係止段部の内側に形成される外面及び、前記仮固定爪において前記仮係止段部の内側に形成される外面よりも外側の円周上に位置させたことを特徴とする請求項1に記載のグロメット。 - 前記グロメットインナが、軸方向の分割面で二分割される一対の半割体を組み付けて形成され、前記各半割体の外側面に前記ロック部とセンタリング部とが夫々設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のグロメット。
- 前記嵌合孔が長円形となるものにあっては、前記グロメットインナの外形を長円形としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のグロメット。
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