JP7214526B2 - グロメットインナ及びグロメット - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、パネルに挿通される電線を保護するグロメットを構成するグロメットインナ及び、前記グロメットインナを装着したグロメットに関する。
従来から、例えば、自動車のボディパネルと、ボディパネルに対して開閉自在に取付けられたバックドアパネルやボンネットなどの開閉部材によって隔てて配置された電気機器同士を電気的に接続するワイヤーハーネスは、ボディパネルと開閉部材とを跨いで配索される。このように配索されるワイヤーハーネスは、外部に露出するため、露出するワイヤーハーネスを保護するグロメットが用いられている。
例えば、特許文献1に記載のグロメットは、筒状のグロメット本体のパネル取付部に装着されたグロメットインナを車体パネルに設けられた挿通孔に挿通し、グロメットインナにおいて径外側方向に突出する係止取付部とグロメット本体のパネル取付部とによって、ボディパネルやバックドアパネルなどの車体パネルを挟み込みことで車体パネルに固定できる。
しかし、特許文献1に記載のグロメットでは、挿通孔に対して傾いた状態で、グロメットインナを挿通孔に挿通しようとすると、挿通方向の先端部に設けられた係止取付部が挿通孔の周縁部に当接して損傷し、固定できなくなるおそれがあった。
特開2011-223747号公報
この発明は、上述した問題を鑑み、パネルに設けられた挿通孔にグロメットインナを取付ける際に、係止取付部が損傷することを防止できるグロメットインナ、及び前記グロメットインナを備えたグロメットを提供することを目的とする。
この発明は、パネルに設けられた挿通孔を挿通する電線を保護するグロメットを筒状のグロメット本体とともに構成し、該グロメット本体の端部に装着されるとともに、前記挿通孔に固定されるグロメットインナであって、前記挿通孔に挿通されるとともに、前記電線が内側を貫通する筒状のインナー本体と、該インナー本体の一端側に配置されるとともに径外側方向に延伸するフランジ部と、前記インナー本体の外周面に配置され、前記インナー本体を前記挿通孔に係止して取り付ける係止取付部とを有し、該係止取付部は、前記径外側方向に突出し、前記挿通孔の周縁部に係止する係止爪部と、該係止爪部を径内側方向に移動可能に前記インナー本体から弾性支持する弾性支持部とを有し、前記弾性支持部は、前記インナー本体における他端より前記一端側に設けられ、前記インナー本体は、前記係止爪部の前記径内側方向に、前記弾性支持部により弾性支持されている前記係止爪部が移動可能な空間が形成され、前記係止爪部が移動可能な前記空間が、前記インナー本体における外周面のうち少なくとも一部を前記径内側方向に向かって窪ませた断面溝状の溝状部によって形成され、前記溝状部が、前記インナー本体の前記一端から前記他端に亘って設けられたことを特徴とする。
またこの発明は、上述のグロメットインナと、内部に電線を挿通可能な筒状の前記グロメット本体とを有し、前記グロメットインナが、前記グロメット本体の端部に装着されたグロメットであることを特徴とする。
前記電線は、電気機器同士を電気的に接続する構成をさし、一本の導電体で構成された素線や、複数の導電体を束ねたワイヤーハーネスを含む。なお、前記電線は導電体を絶縁体で被覆した被覆電線や、導電体を絶縁体と保護被覆とで覆ったケーブルであってもよいし、導体がむき出された裸電線であってもよい。
前記フランジ部は、前記インナー本体の一端側における周方向の少なくとも一部に配置されていればよく、例えば、前記インナー本体の全周に亘って配置されていてもよい。
インナー本体の一端側とは、筒状の軸方向における両端部のうち一方であってもよいし、端部の近傍であってもよい。
前記係止取付部は、前記フランジ部に装着されたグロメット本体とともに前記挿通孔の前記周縁部を挟持することで、前記挿通孔が設けられた前記パネルに前記インナー本体及び前記グロメット本体を固定できる構成や、前記係止取付部のみによって前記パネルに前記インナー本体のみを係止することで前記インナー本体及び前記グロメット本体を前記パネルに固定できる構成であってもよい。
前記径外側方向は、前記グロメットインナを前記挿通孔に挿通する挿通方向から視て、筒状に形成された前記インナー本体の内側から外側に向く方向をさし、径内側方向は、前記挿通方向から視て筒状に形成されている前記インナー本体の外側から内側に向く方向をさす。
前記空間は、前記係止取付部の前記径内側方向における前記インナー本体の外周面を前記径内側方向に窪ませて形成された溝や、径内側方向に向かって前記インナー本体を貫通するスリット等により形成されてもよい。
また前記溝状部の深さは、筒状の前記インナー本体の厚みよりも深くする構成や、浅くする構成を含み、有底の断面溝状や底部を有さない溝状部であってもよい。
この発明により、前記パネルに設けられた前記挿通孔に前記グロメットインナを取付ける際に、前記係止取付部が損傷することを防止できる。
詳述すると、前記係止取付部が、前記インナー本体における前記他端より前記一端側に設けられることで、前記グロメットインナが前記挿通孔に対して傾いた状態で挿通されたとしても、前記インナー本体における前記他端が前記係止取付部よりも先に前記挿通孔の前記周縁部に当接する。このため、前記係止取付部が前記周縁部に当接して損傷することを防止できる。
これにより、前記グロメットインナを前記挿通孔に確実に取付けることができ、さらに前記挿通孔に対して傾いた状態で挿通された前記グロメットインナを前記挿通孔が設けられた前記パネルに対して略垂直となる方向に調整して再度挿通することで、前記挿通孔に前記係止取付部を係止させ、確実に前記グロメットを前記パネルに固定できる。
なお、仮に、前記インナー本体に配置された前記係止取付部が、複数設けられるとともに前記周方向に均等配置された場合には、前記パネルに対して固定された前記グロメットインナの前記係止取付部にかかる負荷を分散させることができる。これにより、前記係止取付部の一部に負荷が集中して損傷するおそれを抑制することができる。
また、前記係止取付部が損傷することを確実に防止できるとともに、前記挿通孔に装着した状態での前記グロメットインナの安定性を向上させることができる。
詳述すると、前記弾性支持部によって弾性支持されている前記係止爪部が、前記弾性支持部の弾性変形によって前記インナー本体に設けられた前記空間に移動することができるため、前記空間が設けられない場合よりも前記係止取付部を前記径内側方向に配置することができる。これにより、前記挿通孔に対して傾いた状態で前記グロメットインナを挿通した場合であっても、前記挿通孔の前記周縁部と前記係止取付部との干渉を確実に防止できる。
また、前記インナー本体における前記係止爪部の前記径内側方向に前記空間が形成されることで、前記係止爪部が前記挿通孔を通過する際に、前記弾性支持部が弾性変形して、前記係止爪部が前記空間に移動する。このため、前記インナー本体の外形を、前記挿通孔を挿通可能で略同一な形状に形成することができる。そのため、前記挿通孔に挿通された状態での前記グロメットインナの挿通方向に対して直交する方向への動きが抑制でき、安定性を向上させることができる。
このように前記空間が形成されることにより、前記係止取付部と前記挿通孔の前記周縁部との意図しない干渉による前記係止取付部が損傷することを確実に防止できるとともに、前記挿通孔に挿通された前記グロメットインナを安定性の高い状態で前記パネルに対して固定できる。
また、前記係止取付部を前記溝状部によって形成された前記空間に配置することができ、前記係止取付部が別部材と干渉して損傷することを確実に防止できる。
さらにまた、前記溝状部が、前記インナー本体の前記一端から前記他端に亘って設けられていることにより、より前記グロメットインナの軽量化を図ることができる。
またこの発明の態様として、前記溝状部が、前記インナー本体の前記径内側方向に溝底面部を有する有底の断面溝状に形成され、前記溝底面部に前記係止取付部が設けられてもよい。
この発明により、前記溝状部に設けられた前記係止取付部を前記溝状部の深さに応じて前記インナー本体の外周面より前記径内側に配置できるため、前記挿通孔の前記周縁部と前記係止取付部とが干渉することをより確実に防止できる。また、例えば持ち運び中などに別部材が前記インナー本体の外周面に当接したとしても、別部材と前記係止取付部とが干渉することを防止できる。
またこの発明の態様として、前記インナー本体が、前記インナー本体の外周面を構成する外周壁と、前記インナー本体の内周面を構成するとともに該外周壁と径方向に所定の間隔を隔てて設けられた内周壁とを備え、前記溝状部は、前記外周壁から前記径内側方向に突出するように形成され、前記内周壁は前記外周壁から前記径内側方向に突出する前記溝状部同士の間を周方向に跨いで設けられてもよい。
この発明により、前記係止取付部が損傷することをより確実に防止できるとともに、前記電線の損傷を防止し、軽量化を図りながら前記グロメットインナの剛性を向上させることができる。
詳述すると、前記係止取付部が設けられる前記溝状部が、前記外周壁から前記径内側方向に突出するため、前記係止取付部をより径内側に配置できる。これにより、例えば、前記係止取付部において、前記径外側方向に突出し前記周縁部に係止する前記係止爪部を除く部分を、前記溝状部により形成される空間の内部に配置することができ、前記係止取付部が前記周縁部や別部材と干渉して損傷することをより確実に防止できる。
また、前記溝状部が前記外周壁から前記径内側方向に突出することで、前記インナー本体と前記溝状部とで前記インナー本体の内面側が凹凸状に形成されるが、前記内周壁は前記外周壁から所定の間隔を隔てて設けられているため、前記インナー本体の内面側を平滑に形成でき、前記溝状部と前記電線との引っ掛かりを防止して前記電線の損傷を防止できる。
さらにまた、前記内周壁を前記外周壁から所定の間隔を隔てて配置しているため、前記内周壁と前記外周壁との間を中実に構成した場合と比べて、前記グロメットインナの軽量化を図ることができる。
そして、前記外周壁から所定の間隔を隔てて配置された前記内周壁が、前記周方向に隣り合う前記溝状部と一体に形成されることで、前記インナー本体の剛性を向上させることができる。
したがって、前記係止取付部が損傷することをより確実に防止できるとともに、前記電線の損傷を防止し、軽量化を図りながら前記グロメットインナの剛性を向上させることができる。
またこの発明の態様として、前記インナー本体における前記他端を、前記挿通孔への挿通方向における前記インナー本体の先端部とし、前記インナー本体の前記先端部が全体として平坦に形成されていてもよい。
前述の平坦に形成されとは、前記先端が全体として平坦に構成されていればよく、前記平坦面が、前記インナー本体の外周面、前記壁面の径内側方向、及び前記溝状部の径内側方向のうちのいずれかとテーパ形状によって連結されていてもよいし、前記先端部における前記径内側方向が、前記凸部、前記壁面、及び前記インナー本体のうち少なくともひとつと前記径内側方向において面一に形成されていてもよい。
この発明により、前記グロメットインナを前記挿通孔に正確に挿通することができる。
詳述すると、前記グロメットインナが前記挿通孔に対して傾いた状態で前記グロメットインナを挿通すると、平坦に形成された前記先端が前記挿通孔の前記周縁部に面接触する。
そして、前記周縁部と面接触した前記先端が平坦に形成されているため、前記グロメットインナの軸方向と前記挿通孔が設けられた前記パネルとが略垂直となるように、前記周縁部と前記先端とが引っ掛かることなく前記グロメットインナを摺動させることができ、前記グロメットインナを引き抜くことなく前記挿通孔に挿通することができる。
したがって、前記グロメットインナを前記挿通孔に正確に挿通することができる。
またこの発明の態様として、前記フランジ部に、前記グロメット本体の端部への装着状態において、前記グロメット本体の端部に設けた規制凸部と嵌合し、前記グロメット本体の端部における軸に対する周方向の向きを規制する規制凹部が設けられてもよい。
この発明により、前記グロメット本体の端部に装着された前記グロメットインナの周方向の向きが規制され、前記グロメットインナが前記グロメット本体からずれたり周方向に回転したりすることを防止でき、前記グロメット本体に前記グロメットインナが嵌合した状態を維持することができる。
また、前記グロメットインナを前記グロメット本体の端部に装着する際に規制凹部が規制凸部に案内されながら嵌合するため、前記グロメットインナを前記グロメット本体の端部に確実に嵌合することができる。
この発明により、パネルに設けた挿通孔にグロメットインナを取付ける際に、係止取付部が損傷することを防止できるグロメットインナ、及び前記グロメットインナを備えたグロメットを提供することができる。
パネルに装着したグロメットの概略斜視図。 グロメットの概略部分斜視図。 グロメットインナの概略斜視図。 グロメットインナの説明図。 グロメットインナの説明図。 グロメット本体の説明図。 グロメット本体の概略断面図。 グロメット本体とグロメットインナの装着状態を説明する説明図。 グロメット本体とグロメットインナの装着状態を説明する説明図。 グロメットの挿通方向を説明する説明図。 パネルに対するグロメットの装着態様を説明する説明図。 挿通孔に傾いて挿通されるグロメットインナを説明する説明図。 他の実施形態のグロメットインナの概略斜視図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は自動車のボディパネルBPとバックドアパネルDPに固定させたグロメット1の概略斜視図を示し、図2はグロメット1の概略部分斜視図を示し、図3はグロメットインナ10の概略斜視図を示し、図4及び図5はグロメットインナ10の説明図を示し、図6及び図7はグロメット本体20の一端側に設けられたバックドアパネル側取付部22の説明図を示し、図8及び図9はグロメットインナ10をバックドアパネル側取付部22に装着させた状態の説明図を示す。
図10はバックドアパネルDPに設けられた挿通孔Hにバックドアパネル側取付部22に装着したグロメットインナ10を挿通させる前の断面図を示し、図11は、挿通孔Hにグロメットインナ10を挿通させて、バックドアパネルDPに固定させる挿通状態を説明する説明図を示す。
なお、図3中におけるグロメットインナ10の軸方向を軸方向zとし、軸方向zにおけるグロメットインナ10のフランジ側を基端側-z、他端側を先端側+zとする。すなわち、図3中における、上下方向を軸方向zとし、上方を先端側+z、下方を基端側-zとする。
また、先端側+z(上方側)から視た平面視において、長円状に形成されているインナー本体11の中心軸を中心軸C1とし、上方から視て中心軸C1から放射線状に広がる方向を径方向(内外方向)とし、径方向に沿って中心軸C1から外側に向かう方向を径外側方向、径方向に沿って外側から中心軸C1に向かう方向を径内側方向とする。なお、この軸は図2乃至図13においても同様とする。
図3乃至図9、及び図11乃至図12について詳述すると、図3(a)はグロメットインナ10を先端側+zから見た概略斜視図を示し、図3(b)はグロメットインナ10を基端側-zから見た概略斜視図を示している。
図4(a)はグロメットインナ10の概略平面図を示し、図4(b)は図3(a)におけるA-A矢視断面図を示し、図4(c)は図4(b)におけるα部の拡大図を示し、図5(a)は図4(a)におけるB-B矢視断面図を示し、図5(b)は図5(a)におけるβ部の拡大図を示し、図5(c)は図4(a)におけるC-C矢視断面図を示し、図5(d)は図5(c)におけるγ部の拡大図を示す。
図6(a)はグロメット本体20を先端+zから視た概略正面図を示し、図6(b)はグロメット本体20の先端部分であるバックドアパネル側取付部22の概略側面図を示し、図7(a)は図6(a)におけるD-D矢視断面図を示し、図7(b)は図6(b)におけるE-E矢視断面図を示す。
図8(a)はグロメットインナ10を装着させた状態のバックドアパネル側取付部22の概略正面図を示し、図8(b)はグロメットインナ10を装着させた状態のバックドアパネル側取付部22の概略側面図を示す。
図9(a)は図8(a)におけるF-F矢視断面図を示し、図9(b)は図8(a)におけるG-G矢視断面図を示し、図9(c)は図8(b)におけるH-H矢視断面図を示す。
図11はグロメット1の先端側+zに設けられたバックドアパネル側取付部22に装着したグロメットインナ10を挿通孔Hに対して挿通する挿通工程を説明するための断面図である。なお、図11は、図10と同様に、図9(b)に対応する断面図を用いて挿通工程を示している。
具体的には、図11(a)は挿通孔Hにグロメットインナ10を挿通した直後を示す断面図を示し、図11(b)は図11(a)におけるδ部の拡大図を示し、図11(c)は係止取付部13が挿通孔Hを通過する際の弾性変形を説明する断面図を示し、図11(d)は図11(c)におけるε部の拡大図を示し、図11(e)は、バックドアパネル側取付部22がボディパネルBPに固定された状態の断面図を示し、図11(f)は図11(e)におけるζ部の拡大図を示す。
図12(a)はグロメット1の先端側+zに設けられたバックドアパネル側取付部22に装着したグロメットインナ10を挿通孔Hに対して傾いて挿通する場合について説明する説明図を示し、図12(b)は図12(a)におけるη部の拡大図を示す。
グロメット1は、図1に示すように、後部に開口(図示省略する、また、以下において「後部開口」という)を形成するボディパネルBPと、ヒンジを介してボディパネルBPに取り付けられることで後部開口を開閉自在に塞ぐバックドアパネルDPとを有する自動車において、ボディパネルBPとバックドアパネルDPとを橋渡しするように取り付けられており、ボディパネルBP、及びバックドアパネルDPにより隔てて配置される電気機器同士(図示省略)を接続するワイヤーハーネスを内部に挿通して保護している。
このようなグロメット1は、図2に示すように、グロメット1を挿通孔Hに固定するグロメットインナ10と、グロメットインナ10を端部(+z側端部)に装着するグロメット本体20とで構成されている。
グロメットインナ10は、図3乃至図5に示すように、中空状に形成された筒状のインナー本体11と、インナー本体11の基端側-zの端部から径外側方向に延伸するフランジ部12と、インナー本体11を挿通孔Hに係止して取り付ける係止取付部13とで構成されている。
インナー本体11は、図3及び図4に示すように、ワイヤーハーネスが内側を貫通することができるように、平面視において長円状の円筒に形成され、インナー本体11の外周面を構成する外周筒部14と、インナー本体11の内周面を構成する内周壁15と、外周筒部14と内周壁15との先端側+zの端部を連結する先端部16とで構成されている。
外周筒部14は、平面視略長円状に形成された、所定の板厚tを有する略円筒形状の外周壁141と、外周壁141から径内側に突出するように形成される溝状部17とで一体に構成されている(図4(b)及び図4(c)参照)。
外周壁141は、平面視において略長円の円筒状に形成され、長円の長軸及び短軸の中央部分に対応する4箇所に所定幅の切欠きが備えられている。
また外周壁141は、基端側-zから先端側+zに向うに伴い径内側方向に傾斜するテーパ状に形成されている(図5(a)参照)。
溝状部17は、長円状に形成された外周筒部14の長軸及び短軸の中央に対応する4箇所、つまり外周壁141に備えられた切欠きに対応する位置に設けられ、外周壁141に備えられた切欠きと同じ幅かつ板厚tよりも深い溝(深さd)で形成されている。このため、溝状部17の側面を溝側面部171、溝底を溝底面部172とした場合に、溝底面部172は外周壁141よりも径内側方向に配置されている(図4(b)参照)。
このように構成された外周筒部14の径内側方向は、外周壁141と溝状部17とで、凹凸状に形成されている。
内周壁15は、図4(b)に示すように、外周筒部14から径内側方向に向かって所定の間隔を隔てて略長円状に形成されるとともに、溝状部17同士の間を周方向に跨いで設けられている。すなわち、内周壁15は、外周壁141から径内側方向に所定間隔を隔てて設けられ、周方向に隣り合う溝状部17同士の間を、溝状部17の内周面に沿って連結するように構成されている。
このように構成された内周壁15は、凹凸状に形成される外周筒部14の径内側が平滑となるように設けられている。また、溝側面部171における径内側方向の端部と、溝底面部172と一体に形成されている。
これにより、インナー本体11は溝状部17を除く部分において、外周筒部14と内周壁15とで二重構造となっている(図4(b)及び図5(a)参照)。
フランジ部12は、図3に示す平面視において、インナー本体11の基端側-zのうち外周壁141から径外側方向に延伸し、扇面形状に形成される扇面部121と、扇面部121同士を連結する連結部122とで構成され、インナー本体11の周方向に隣り合う扇面部121同士の間には、切欠き部123が設けられている。
連結部122は、インナー本体11の短軸方向の中央に対応する箇所において、インナー本体11の周方向に隣り合うフランジ部12同士の径外側方向の端部を平面視における周方向に沿って連結している。換言すると、インナー本体11の短軸方向の中央に対応する箇所において、切欠き部123の径外側方向の端部を平面視における周方向に沿って連結している。
なお、各切欠き部123と溝状部17との接続部分は、平面視において、溝状部17における溝側面部171と切欠き部123とが一直線状となるように構成されている(図4参照)。
係止取付部13は、図5(c)に示すように、各溝状部17の内部に配置され、インナー本体11に対して接続する係止接続部131と、係止接続部131を弾性支点として弾性変形する弾性支持部132と、弾性支持部132の基端側-zに設けられる係止爪部133とで一体に構成されている。
係止接続部131は、溝状部17の幅よりも幅狭に形成されるとともに、溝底面部172における軸方向zの先端側+zの端部より基端側-zとなる中央近傍に配置されている。そして、係止接続部131は、溝側面部171と接触しないように配置されている。
また、係止取付部13を構成する係止接続部131は、溝底面部172に対する略直交方向において、径外側方向に突出するように構成され、溝状部17の深さd(溝側面部171の径方向の長さ)よりも短く、深さdの約三分の二の長さで形成されている。
弾性支持部132は、係止接続部131の径外側方向の端部から基端側-zに向かって延伸するように連結されており、係止接続部131と弾性支持部132との接続面は、径外側方向に向かって凸となる円弧状に面取りがされている。
弾性支持部132に設けられた係止爪部133は、先端側+zから基端側-zにかけて径外側方向に向かって広がるテーパ面が形成され、このテーパ面の基端側-z側の端部には、より基端側-zにかけて径内側方向に向かって傾斜する係止面134が形成される。
このように構成された係止取付部13は、インナー本体11の先端部16より基端側-zに配置されているとともに、係止爪部133の径外側方向の端部がインナー本体11の外周筒部14よりも径外側方向に突出している。そして、係止接続部131が、溝底面部172から径外側方向に突設しているため、弾性支持部132及び係止爪部133と、溝底面部172との間には、弾性支持部132により弾性支持されている係止爪部133が移動可能な空間Sが形成されている(図5(c)参照)。
グロメット本体20は、図2に示すように、可撓性を有する樹脂によって中空状に形成された円筒状の円筒部21と、バックドアパネルDPに対して取り付けるバックドアパネル側取付部22と、ボディパネルBPに対して取り付けるボディパネル側取付部23と、バックドアパネル側取付部22と円筒部21とを連結するバックドアパネル側蛇腹部24と、ボディパネル側取付部23と円筒部21とを連結するボディパネル側蛇腹部25とで構成されている。
バックドアパネル側取付部22及びボディパネル側取付部23は、円筒部21に対して蛇腹状に形成されたバックドアパネル側蛇腹部24、及びボディパネル側蛇腹部25を介して、円筒部21の両端にそれぞれ一体に構成されている。
このバックドアパネル側蛇腹部24及びボディパネル側蛇腹部25が蛇腹状に形成されているため、バックドアパネル側取付部22及びボディパネル側取付部23を、円筒部21に対して自在に屈曲させることができる。
以下の説明において、図6中のグロメット本体20の長手方向を、グロメットインナ10の軸方向である軸方向zと同一方向とし、円筒部21に対するバックドアパネル側取付部22側を先端側+z、円筒部21に対するボディパネル側取付部23側を基端側-zとする。
バックドアパネル側取付部22は、図6及び図7に示すように、平面視長円形状の取付部本体26と、取付部本体26の先端側+zの端部に設けられた基端側-zから先端側+zに向かって径外側方向に広がる傘状に形成されたリップ部27と、取付部本体26の基端側-zから先端側+zに向かって突出し、テープ(図示省略)を介してワイヤーハーネスを固定するテープ固定部28とで構成されている。
取付部本体26は、図7に示すように、フランジ部12より厚い板厚を有する有底の略円筒形状で構成され、基端側-zにはバックドアパネル側蛇腹部24と一体に連結するとともに、バックドアパネル側蛇腹部24の開口と連通する基端側開口部261が設けられ、先端側+zには、インナー本体11の外周壁141と略同一形状に形成された開口である先端側開口部262が設けられている。
さらに、取付部本体26には、基端側開口部261と先端側開口部262との間において、側面断面視で略全周に亘って径外側方向に向かって凹ませた環状溝部263が形成され、フランジ部12を嵌合させることができる。
環状溝部263は、図7(b)に示すように、長円状に形成された取付部本体26の長軸の中央部分において、径内側方向に向かって突出する位置規制部264が設けられている。
位置規制部264は、取付部本体26の長軸に沿った幅方向の長さが、溝状部17の幅(溝状部17において対向して設けられる溝側面部171の間隔)と略同一に形成されるとともに、径内側方向に向かって突出する長さが、フランジ部12の径方向の長さと略同一に形成されている。
リップ部27は、先端側開口部262の全周に亘って配置され、環状溝部263よりわずかに径内側から拡径されたリップ部27の先端が、環状溝部263の外径と略一致するように、先端側+zに向かうに伴って拡径するように一体に構成されている。
テープ固定部28は、基端側開口部261に沿うように形成され、先端側+zに向かって延出する平面視円弧状の板によって形成された固定部本体281と、固定部本体281の先端側+zから径外側方向に突出したテープ係止部282とで構成されている。
固定部本体281は、取付部本体26の長円形状を形成する片側の円弧部に対応する位置に配置され、バックドアパネル側蛇腹部24の先端側+zと連結している基端側開口部261の周縁部から延出するように一体に構成されている。
なお、中空状に形成されたボディパネル側取付部23については、一般的な形状であるため、ここでは説明を省略する。
このように構成されたグロメットインナ10とグロメット本体20とを組み付けることで、図8に示すようにグロメット1が構成される。
詳述すると、図9(a)に示すように、グロメット本体20の可撓性を有するバックドアパネル側取付部22の環状溝部263に、グロメットインナ10を構成するフランジ部12が嵌合することで、グロメット本体20のバックドアパネル側取付部22にグロメットインナ10が装着されている。
このとき、切欠き部123のうち長軸方向の中央部分に対応する箇所、すなわち、切欠き部123のうち連結部122が設けられていない箇所が、図9(c)に示すように、位置規制部264に嵌合される。なお、グロメット本体20にグロメットインナ10を取付ける際に、先端側+zに突出するテープ固定部28は、インナー本体11の内周壁15よりも径内側方向に配置されている(図9(c)参照)。
このように切欠き部123と位置規制部264との位置を合わせるように嵌合させることにより、グロメットインナ10をグロメット本体20に対して取り付ける際には、グロメット本体20に対してグロメットインナ10を正確に装着できるように案内でき、かつグロメットインナ10をグロメット本体20に取り付けた状態において、グロメットインナ10がバックドアパネル側取付部22に対して周方向に回転することを防止できる。
また、グロメットインナ10に設けられる係止爪部133は、図9(b)に示すように、側面視において、リップ部27の先端側+zの端部よりも基端側-zに配置されている。
次に、このように構成されたグロメット1を、バックドアパネルDPの挿通孔Hに対して装着する装着方法を図10及び図11に基づいて説明する。
はじめに、バックドアパネル側取付部22に装着されたグロメットインナ10の軸方向zが、挿通孔Hを設けられたバックドアパネルDPに対して略垂直となるようにグロメットインナ10を配置し、グロメットインナ10を先端側+zに向かって移動することで、グロメットインナ10の先端側+zの端部が挿通孔Hに挿通される(図11(a)参照)。
このように、グロメットインナ10の先端側+zの端部が挿通孔Hを挿通した状態から、さらにグロメットインナ10を先端側+zに向かって移動することで、弾性支持部132を構成する係止爪部133のテーパ面がまず挿通孔Hの周縁部に当接する。
そして、グロメットインナ10をさらに先端側+zに向かって移動させることで、当接した係止爪部133が挿通孔Hの周縁部によって押されることで、係止爪部133に径内側方向への外力が生じる。
この外力により、弾性支持部132が弾性変形して、係止爪部133が空間Sに移動する。すなわち、径外側方向に突出した係止爪部133が空間Sに収納されることとなり、挿通孔Hに係止爪部133を通過させることができる(図11(c)参照)。
そして、挿通孔Hを係止爪部133が通過したことで、係止爪部133のテーパ面と挿通孔Hの周縁部とが当接しなくなることで、径内側方向に向けて係止爪部133に作用していた外力がなくなり、係止爪部133を弾性支持する弾性支持部132の復元力によって係止爪部133が径外側方向へと移動する。これにより、係止爪部133の係止面134がバックドアパネルDPに係止する。
このようにバックドアパネルDPの挿通孔Hに挿通されたグロメット1は、係止取付部13を構成する係止爪部133に設けられた係止面134とバックドアパネル側取付部22とで挿通孔Hの周縁部を挟持し、グロメットインナ10を挿通孔Hが設けられたバックドアパネルDPに固定できる。
そして、リップ部27は、挿通孔Hの周縁部に接触した状態から先端側+zに向かって押し付けられることで、より径外側方向に広がるとともに押し潰され挿通孔Hの周縁部に密着させることができる(図11(e)参照)。
次に、このように構成されたグロメット1において、グロメットインナ10の軸方向zと挿通孔Hが設けられたバックドアパネルDPとが略垂直から傾いた状態で、グロメットインナ10を先端側+zに向かって挿通しようとする場合について説明する(図12参照)。
図12に示すように、挿通孔Hを設けられたバックドアパネルDPに対して、グロメットインナ10の軸方向zが略垂直から傾いた状態で挿通孔Hに向けて挿通させる際に、グロメットインナ10の先端部16が挿通孔Hの周辺部に当接することとなるため、先端部16が挿通孔Hへの挿通を妨げることとなり、グロメットインナ10を挿通孔Hに挿通することができなくなる。
このように、グロメットインナ10の軸方向zが挿通孔Hに対して傾いた状態では、先端部16が挿通孔Hの周縁部と当接するため、溝底面部172における軸方向zの先端側+zの端部より基端側-zとなる中央近傍に配置されている係止取付部13が、挿通孔Hの周縁部と当接することを防止できるため、係止取付部13が損傷することを防止できる。
換言すると、係止取付部13が、先端部16より基端側-zに配置されているため、グロメットインナ10を挿通孔Hに挿通する場合において、挿通孔Hの周縁部と係止取付部13とが当接することを防止できるため、係止取付部13が損傷することを防止できる。
このように構成されたグロメットインナ10は、バックドアパネルDPに設けられた挿通孔Hを挿通するワイヤーハーネスを保護するグロメット1を筒状のグロメット本体20とともに構成し、グロメット本体20の先端側+zに装着されるとともに挿通孔Hに固定され、挿通孔Hに挿通されるとともに、ワイヤーハーネスが内側を貫通する筒状のインナー本体11と、インナー本体11の基端側-zの端部に配置されるとともに径外側方向に延伸するフランジ部12と、インナー本体11の溝底面部172に配置され、インナー本体11を挿通孔Hに係止して取り付ける係止取付部13とを有し、係止取付部13は、径外側方向に突出し、挿通孔Hの周縁部に係止する係止爪部133と、係止爪部133を径内側方向に移動可能にインナー本体11から弾性支持する弾性支持部132とを有し、弾性支持部132は、インナー本体11における先端部16より基端側-zに設けられたことで、バックドアパネルDPに設けられ挿通孔Hにグロメットインナ10を取付ける際に、係止取付部13が損傷することを防止できる。
詳述すると、係止取付部13が、インナー本体11における先端部16より基端側-zに設けられることで、グロメットインナ10が挿通孔Hに対して傾いた状態で挿通されたとしても、インナー本体11における先端側+zが係止取付部13よりも先に挿通孔Hの周縁部に当接する。このため、係止取付部13が周縁部に当接して、係止取付部13が損傷することを防止できる。
これにより、グロメットインナ10を挿通孔Hに確実に取付けることができ、さらに挿通孔Hに対して傾いた状態で挿通されたグロメットインナ10を挿通孔Hが設けられたバックドアパネルDPに対して略垂直となる方向に調整して再度挿通することで、挿通孔Hに係止取付部13を係止させ、確実にグロメット1をバックドアパネルDPに固定できる。
なお、インナー本体11に配置された係止取付部13が、周方向に均等配置されているため、バックドアパネルDPに対して固定されたグロメットインナ10の係止取付部13にかかる負荷を分散させることができる。これにより、係止取付部13の一部に負荷が集中して損傷するおそれを抑制することができる。
また、インナー本体11は、係止爪部133の径内側方向に、弾性支持部132により弾性支持されている係止爪部133が移動可能な空間Sが形成されることで、係止取付部13が損傷することを確実に防止できるとともに、挿通孔Hに装着した状態でのグロメットインナ10の安定性を向上させることができる。
詳述すると、弾性支持部132によって弾性支持されている係止爪部133が、弾性支持部132の弾性変形によってインナー本体11に設けられた空間Sに移動することができるため、空間Sが設けられない場合よりも係止取付部13を径内側方向に配置することができる。これにより、挿通孔Hに対して傾いた状態でグロメットインナ10を挿通した場合であっても、挿通孔Hの周縁部と係止取付部13との干渉を確実に防止できる。
また、インナー本体11における係止爪部133の径内側方向に空間Sが形成されることで、係止爪部133が挿通孔Hを通過する際に、弾性支持部132が弾性変形して、係止爪部133が空間Sに移動する。このため、インナー本体11の外形を、挿通孔Hを挿通可能で略同一な形状に形成することができる。そのため、挿通孔Hに挿通された状態でのグロメットインナ10の軸方向zに対して直交する方向への動きが抑制でき、安定性を向上させることができる。
このように空間Sが形成されることにより、係止取付部13と挿通孔Hの周縁部との意図しない干渉による係止取付部13が損傷することを確実に防止できるとともに、挿通孔Hに挿通されたグロメットインナ10が安定性の高い状態でバックドアパネルDPに対して固定できる。
また、係止爪部133が移動可能な空間Sが、インナー本体11における外周面のうち少なくとも一部を径内側方向に向かって窪ませた断面溝状の溝状部17によって形成されることで、係止取付部13を溝状部17によって形成された空間Sに配置することができ、係止取付部13が別部材と干渉して損傷することを確実に防止できる。
また、溝状部17が、インナー本体11の径内側方向に溝底面部172を有する有底の断面溝状に形成され、溝底面部172に係止取付部13が設けられることで、溝状部17に設けられた係止取付部13を溝状部17の深さに応じてインナー本体11の外周面より径内側に配置できるため、挿通孔Hの周縁部と係止取付部13とが干渉することをより確実に防止できるとともに、例えば持ち運び中などに別部材がインナー本体11の外周面に当接したとしても、別部材と係止取付部13とが干渉することを防止できる。
また、溝状部17が、インナー本体11の先端側+zの端部から基端側-zの端部に亘って設けられることで、よりグロメットインナ10の軽量化を図ることができる。
また、インナー本体11が、インナー本体11の外周面を構成する外周壁141と、インナー本体11の内周面を構成するとともに外周壁141と径方向に所定の間隔を隔てて設けられた内周壁15とを有し、溝状部17は、外周壁141から径内側方向に突出するように形成され、内周壁15は外周壁141から径内側方向に突出する溝状部17同士の間を周方向に跨いで設けられることで、係止取付部13が損傷することをより確実に防止できるとともに、電線の損傷を防止し、軽量化を図りながらグロメットインナ10の剛性を向上させることができる。
詳述すると、係止取付部13が設けられる溝状部17が、外周壁141から径内側方向に突出するため、係止取付部13をより径内側に配置できる。これにより、係止取付部13において、径外側方向に突出し周縁部に係止する係止爪部133を除く部分を、溝状部17により形成される空間Sの内部に配置することができ、係止取付部13が周縁部や別部材と干渉して損傷することをより確実に防止できる。
また、溝状部17が4箇所に設けられているため、インナー本体11と溝状部17とでインナー本体11の内面側が凹凸状に形成されるが、内周壁15は外周壁141から径内側方向に突出する溝状部17の深さdと略同程度の間隔を隔てて設けられているため、インナー本体11の内面側を平滑に形成でき、溝状部17と電線との引っ掛かりを防止して電線の損傷を防止できる。
さらにまた、内周壁15を外周壁141から所定の間隔を隔てて配置されているため、凹凸状に構成されたインナー本体11の内面側を平滑にするために内周壁15と外周壁141との間を中実に構成した場合と比べて、グロメットインナ10の軽量化を図ることができる。
そして、外周壁141から所定の間隔を隔てて配置された内周壁15が、周方向に隣り合う溝状部17と一体に形成されることで、インナー本体11の剛性を向上させることができる。
したがって、係止取付部13が損傷することをより確実に防止できるとともに、電線の損傷を防止し、軽量化を図りながらグロメットインナ10の剛性を向上させることができる。
また、インナー本体11における先端側+zの端部を、挿通孔Hへの軸方向zにおけるインナー本体11の先端部16とし、インナー本体11の先端部16が全体として平坦に形成されることで、グロメットインナ10を挿通孔Hに正確に挿通することができる。
詳述すると、グロメットインナ10が挿通孔Hに対して傾いた状態でグロメットインナ10を挿通すると、平坦に形成された先端部16が挿通孔Hの周縁部に面接触する。
そして、周縁部と面接触した先端部16が平坦に形成されているため、グロメットインナ10の軸方向と挿通孔Hが設けられたバックドアパネルDPとが略垂直となるように、周縁部と先端部16とが引っ掛かることなくグロメットインナ10を摺動させることができ、軸方向zと挿通孔Hとの角度が所定の角度になった際に、外周壁141の径内側方向に傾斜するテーパ形状によってグロメットインナ10が挿通孔Hに案内され、グロメットインナ10を引き抜くことなく挿通孔Hに挿通することができる。
したがって、グロメットインナ10を挿通孔Hに正確に挿通することができる。
仮に、挿通孔Hが直視できない状況であっても、挿通孔Hの周縁部に先端部16を当接させ、挿通孔Hに挿通するようにグロメットインナ10を摺動させることで、係止取付部13を損傷することなくグロメットインナ10を挿通孔Hに正確に挿通することができる。
また、フランジ部12に、グロメット本体20の端部への装着状態において、グロメット本体20の先端側+zの端部に設けた位置規制部264と嵌合し、グロメット本体20の先端側+zの端部における軸方向zの向きに対する周方向の向きを規制する切欠き部123が設けられることで、グロメット本体20の先端側+zの端部に装着されたグロメットインナ10の周方向の向きが規制され、グロメットインナ10がグロメット本体20からずれたり周方向に回転したりすることを防止でき、グロメット本体20にグロメットインナ10が嵌合した状態を維持することができる。
また、グロメットインナ10をグロメット本体20の端部に装着する際に切欠き部123が位置規制部264に案内されながら嵌合するため、グロメットインナ10をグロメット本体20の端部に確実に嵌合することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のパネルは、実施形態のバックドアパネルDPに対応し
以下同様に、
電線は、ワイヤーハーネスに対応し
グロメット本体の端部は、バックドアパネル側取付部22に対応し、
一端側は、基端側-zに対応し、
他端は、先端部16に対応し、
規制凸部は、切欠き部123に対応し、
規制凹部は、位置規制部264に対応し、
リップは、リップ部27に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、本実施形態において、ワイヤーハーネスをグロメット1の内部に挿通しているが、グロメット1の内部に挿通させるものはワイヤーハーネスに限らず、一本の導電体で構成された素線を挿通してもよい。また、ワイヤーハーネスの代わりは、導電体を絶縁体で被覆した被覆電線や、導電体を絶縁体と保護被覆とで覆ったケーブルであってもよいし、導体がむき出された裸電線であってもよい。
また本実施形態において、係止取付部13は、フランジ部12に装着されたグロメット本体20のリップ部27とともに挿通孔Hが設けられたバックドアパネルDPにインナー本体11及びグロメット本体20を固定できるように構成されているが、例えば、バックドアパネルDPにインナー本体11のみを係止することができる係止取付部で構成されていてもよい。このように、インナー本体11のみをバックドアパネルDPに係止し、インナー本体11及びグロメット本体20を固定できる構成であってもよい。
また本実施形態において、空間Sは、係止取付部13の径内側方向における前記インナー本体の外周面を径内側方向に窪ませて形成された溝によって形成されているが、径方向に向かってインナー本体11を貫通するスリットにより形成されてもよい。
また、溝状部17の深さdは、本実施形態において、外周筒部14の板厚tよりも深く形成されているが、外周筒部14の板厚tよりも浅く形成してもよい。
また、位置規制部264は、本実施形態において、溝状部17と一体に形成された切欠き部123と嵌合させているが、切欠き部123は溝状部17と一体に形成される必要はなく、フランジ部12の所望の位置に形成してもよい。
1…グロメット
10,10a…グロメットインナ
11…インナー本体
12…フランジ部
13…係止取付部
15…内周壁
16…先端部
17…溝状部
20…グロメット本体
27…リップ部
131…係止接続部
132…弾性支持部
133…係止爪部
172…溝底面部
264…位置規制部
H…挿通孔
DP…バックドアパネル
S…空間
z…軸方向

Claims (6)

  1. パネルに設けられた挿通孔を挿通する電線を保護するグロメットを筒状のグロメット本体とともに構成し、該グロメット本体の端部に装着されるとともに、前記挿通孔に固定されるグロメットインナであって、
    前記挿通孔に挿通されるとともに、前記電線が内側を貫通する筒状のインナー本体と、
    該インナー本体の一端側に配置されるとともに径外側方向に延伸するフランジ部と、
    前記インナー本体の外周面に配置され、前記インナー本体を前記挿通孔に係止して取り付ける係止取付部とを有し、
    該係止取付部は、
    前記径外側方向に突出し、前記挿通孔の周縁部に係止する係止爪部と、
    該係止爪部を径内側方向に移動可能に前記インナー本体から弾性支持する弾性支持部とを有し、
    前記弾性支持部は、前記インナー本体における他端より前記一端側に設けられ、
    前記インナー本体は、前記係止爪部の前記径内側方向に、
    前記弾性支持部により弾性支持されている前記係止爪部が移動可能な空間が形成され、
    前記係止爪部が移動可能な前記空間が、
    前記インナー本体における外周面のうち少なくとも一部を前記径内側方向に向かって窪ませた断面溝状の溝状部によって形成され、
    前記溝状部が、前記インナー本体の前記一端から前記他端に亘って設けられた
    グロメットインナ。
  2. 前記溝状部が、前記インナー本体の前記径内側方向に溝底面部を有する有底の断面溝状に形成され、
    前記溝底面部に前記係止取付部が設けられた
    請求項1に記載のグロメットインナ。
  3. 前記インナー本体が、前記インナー本体の外周面を構成する外周壁と、前記インナー本体の内周面を構成するとともに該外周壁と径方向に所定の間隔を隔てて設けられた内周壁とを備え、
    前記溝状部は、前記外周壁から前記径内側方向に突出するように形成され、
    前記内周壁は前記外周壁から前記径内側方向に突出する前記溝状部同士の間を周方向に跨いで設けられた
    請求項1又は請求項2に記載のグロメットインナ。
  4. 前記インナー本体における前記他端を、前記挿通孔への挿通方向における前記インナー本体の先端部とし、
    前記インナー本体の前記先端部が平坦に形成された
    請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のグロメットインナ。
  5. 前記フランジ部に、前記グロメット本体の端部への装着状態において、前記グロメット本体の端部に設けた規制凸部と嵌合し、前記グロメット本体の端部における軸に対する周方向の向きを規制する規制凹部が設けられた
    請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のグロメットインナ。
  6. 請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載のグロメットインナと、
    内部に電線を挿通可能な筒状の前記グロメット本体とを有し、
    前記グロメットインナが、前記グロメット本体の端部に装着された
    グロメット。
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