JP4973723B2 - 光制御シート、面光源装置、透過型表示装置 - Google Patents
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Description
例えば、直下型では、背面より並列の冷陰極管を用いて光を導入するようになっており、冷陰極管とLCDパネル等の透過型表示部との距離を適度に空け、その間に拡散板を用い、さらに、光を収束させるシートを複数組み合わせて使用していた。
しかし、このような従来の方式では、必要とする光学シートの枚数が多い割に収束特性が不十分であり、それを補う為にLCDパネルを改良して、斜め方向からの入射光に対しても画質を落とさない構造としていた。
特に、直下型では、冷陰極管に近接した部分であるか否か(冷陰極管に至近の位置であるか、並列に並んだ冷陰極管の間隙部分に至近の位置であるか)によって光強度(輝度)にムラが発生し易い。これを抑えるために冷陰極管とLCDパネルとの間隔を大きく取ってしまうとディスプレイの厚さが厚くなってしまうという問題があった。また、ムラを抑えるために拡散を強くしたり、透過量を制限したりすると、光の使用量が低減してしまうという問題があった。
また、両面にレンチキュラーレンズを設けたシートを使用する方式も、例えば、特許文献3で報告されているが、これは、2方向の拡散制御を行うための構成で、光を収束する機能はない。従って、冷陰極管との位置関係によってLCDパネルの場所毎に光軸がばらつくことにより、画面を観察する位置によって明るさのムラ(輝度ムラ)が発生したりするという問題もあった。
請求項1の発明は、直下型の面光源装置に設けられ、光源から出射した光を均一化、及び/又は、収束させる光制御シートであって、シート面に直交する断面形状が非対称な形状であって出射側に突出して多数並べて配列された単位レンズ(241)を備え、前記単位レンズ(241)は、頂点を形成する頂点面(241T)と、使用状態で前記頂点面よりも上側となる上側面(241U)と、使用状態で前記頂点面よりも下側となる下側面(241D)と、の3種類の曲面を有し、前記頂点面と前記上側面と前記下側面とは、いずれも面の曲率半径が異なり、前記単位レンズが配列されるピッチをPとし、シート面に直交する断面における前記頂点面の幅をWTとしたときに、0.05mm<P<0.5mmの関係を満たすとともに、0.025<WT/P<0.25の関係を満たすこと、を特徴とする光制御シート(24)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光制御シートにおいて、前記3種類の曲面の曲率半径は、前記頂点面(241T)の曲率半径が最も小さく、前記下側面(241D)の曲率半径が最も大きいこと、を特徴とする光制御シート(24)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、前記下側面の曲率半径が無限大であること、を特徴とする光制御シートである。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記頂点面(241T)の曲率半径は、0.02mm以上0.08mm以下であること、を特徴とする光制御シート(24)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、1種類の熱可塑性樹脂により形成されていること、を特徴とする光制御シート(24)である。
請求項6の発明は、透過型表示部(11)を背面から照明する面光源装置であって、複数の光源を並べた光源部(12,13)と、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シート(24)と、を備える面光源装置である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の面光源装置と、前記面光源装置により、背面側から照明される透過型表示部と、を備える透過型表示装置である。
(1)シート面に直交する断面形状が非対称な形状であって出射側に突出して多数並べて配列された単位レンズを備えるので、画面を観察する位置によらずムラのない均一な照明を行うことができる。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
本実施例における透過型表示装置10は、LCDパネル11,反射板12,発光管13,光制御シート14,反射型偏光性シート15,乳白板16等を備え、LCDパネル11に形成される映像情報を背面から照明して表示する透過型液晶表示装置である。なお、LCDパネル11を背面から照明する面光源装置としては、反射板12,発光管13,光制御シート14,反射型偏光性シート15,乳白板16が該当している。
発光管13は、面光源装置の光源部を形成する線光源の冷陰極管であり、本実施例では、略75mm間隔で等間隔に6本が並列に並べられている。発光管13の背面には、反射板12が設けられている。
反射板12は、発光管13の光制御シート14とは反対側(背面側)の全面にわたって設けられており、背面側へ進む照明光を拡散反射して光制御シート14方向(出射方向)へ向かわせ、入射光照度を均一に近付ける働きを持つ。
反射型偏光性シート15は、LCDパネル11と光制御シート14との間に配置され、視野角を狭めることなく輝度を上昇させる偏光分離シートである。本実施例では、DBEF(住友スリーエム株式会社製)を使用している。
乳白板16は、無指向性の光拡散特性を有した拡散板であり、光制御シート14の光源側に配置されている。
光制御シート14は、発光管13から出射した光の輝度ムラを低減させて均一化するレンズシートであり、出射側に光を収束して出射する単位レンズ141が形成されている。単位レンズ141は、平面と曲面とを組み合わせた形状となっており、光制御シート14の出射側表面は、この単位レンズ141が平行に多数並べて配置されている。単位レンズ141の並ぶ方向は、発光管13の並ぶ方向と一致している(図1参照)。
本実施例の光制御シート14は、屈折率1.49の透明なPMMA(アクリル樹脂)を用いた押し出し成型により形成されている。なお、光制御シート14は、PMMAに限らず、光透過性の有る他の熱可塑性樹脂を適宜選択して使用してもよいし、紫外線硬化樹脂を用いた紫外線成型と呼ばれる方法により作製してもよい。
単位レンズ141の形状については、頂点Tを基準として上側の上側形状141Uと、下側の下側形状141Dとに分けて説明する。
下側形状141Dは、位置Aから頂点Tまでのシート面に平行な方向の幅が0.09mm、すなわち図3に示した断面において上下方向の幅WD=0.09mmの平面(平面側)であり、シート面に対して46度の角度を持って形成されている。
ここで、シート面とは、光制御シート14全体として見たときにおける光制御シート14の平面方向として定義される面を示すものであり、本実施例では、光制御シート14の入射側の面と平行な面であり、以下の説明中及び特許請求の範囲において同一の定義として用いている。また、以下の説明中において出射角度とは、出射光がシート面の法線と成す角度である。
上側形状141Uは、図3に示した断面において、位置Aからシート面に平行に上方へ0.189mmにある位置Bを置き、この位置Bと頂点Tとを通る半径0.195mmの円筒面(曲面側)である。従って、この上側形状141Uの上下方向の幅WU=0.099mmであり、単位レンズ141中に占める平面側と曲面側との比は、シート面に平行な方向の幅の比WD:WU=1:1.1となっている。
図4は、実施例1の光制御シート14の垂直方向の輝度分布を比較例の輝度分布と比較して示した図である。なお、図4では、比較例における最大輝度の値を基準値(輝度1)として輝度を示しており、出射角度マイナス側が使用状態における上方であり、出射角度プラス側が下方である。
水平方向においては、比較例及び光制御シート14ともに不要な輝度ピークは存在しないものの、比較例において出射角度60度付近で急激に低下する輝度変化が、光制御シート14を使用することにより輝度の変化が滑らかになった。
このように、本実施例の光制御シート14を用いると、水平、垂直のいずれの方向においても、視野角特性の変化が緩やかになる。また、垂直方向において、不要な輝度ピークを解消、又は、抑制できる。
以下、この理由について説明する。比較例における急激な輝度の変化は、平面からなる三角プリズムを用いていることから当然に生じるものである。この急激な変化を抑制して緩やかな変化とし、不要なピークを無くすには、曲面からなる単位レンズとするとよいことが分かった。しかし、その一方で、出射角度0度付近の輝度を高くするには、平面を利用することが有効であることが分かった。
そこで、本実施例では、上側形状141Uを円筒面とし、下側形状141Dを平面とした非対称の単位レンズ141として、出射角度0度付近の輝度を大きく下げずに、上方における輝度変化を緩やかにして上方の不要な輝度ピークを抑制している。
上側形状141Uの円筒面と、下側形状141Dの平面との構成比率を変えた例として、上側形状141Uの上下方向の幅WU=0.09mmとして、単位レンズ141中に占める平面側と曲面側との比を、シート面に平行な方向の幅の比WD:WU=1:1とした光制御シート14−2(不図示)を用意した。
図6は、光制御シート14−2の垂直方向の輝度分布を比較例の輝度分布と比較して示した図である。
光制御シート14−2では、先に示した光制御シート14よりも効果が少ないものの、比較例と比べて、輝度変化が緩やかになっている。
様々な光制御シートを作製して評価した結果、単位レンズ中に占める平面側と曲面側との比は、シート面に平行な方向の幅の比WD:WU=1:1〜1:1.5の範囲内であることが、出射角度0度付近の輝度を大きく下げずに、輝度変化を緩やかにして不要な輝度ピークを抑制するために望ましいことが分かった。
また、単位レンズの突出寸法Hと単位レンズの並ぶピッチPとの比H:P=1:2〜1:2.5の範囲内であることが、出射角度0度付近の輝度を大きく下げずに、輝度変化を緩やかにして不要な輝度ピークを抑制するために望ましいことが分かった。本実施例の光制御シート14では、単位レンズ141の突出寸法H=0.093mmであり、単位レンズ141の並ぶピッチP=0.198mmであるから、単位レンズの突出寸法と単位レンズの並ぶピッチとの比H:P=1:2.13となっており、上記範囲内に入っている。
図9は、シート面に平行な方向の幅の比WD:WUと、単位レンズの突出寸法と単位レンズの並ぶピッチとの比H:Pとが変化したときの、光制御シートの垂直方向の輝度分布の違いを示す図である。なお、図9では、比較例における最大輝度の値を基準値(輝度1)として輝度を示しており、出射角度マイナス側が使用状態における上方であり、出射角度プラス側が下方である。
WD:WUが下限側の1:1から外れ1:0.75となり、H:Pが上限の1:2.5から外れ1:2.75となる光制御シートでは、出射角度は広がるが、正面(出射角度0度)方向の輝度が低下しすぎてしまう。
また、WD:WUが上限側の1:5から外れ1:1.75となり、H:Pが下限の1:2から外れ1:1.7となる光制御シートでは、出射角度が狭くなりすぎて使用できない。
このように、WD:WU=1:1〜1:1.5の範囲が望ましく、H:P=1:2〜1:2.5の範囲が望ましい。
図7は、実施例2の光制御シート24を図3と同様にして切断した断面図である。図7は、図3と同様に、使用状態を切断した場合と同様な配置として示しており、図中の上下方向が垂直(上下)方向となり、図中の左方が出射側となるように示している。
実施例2の光制御シート24は、発光管13から出射した光の輝度ムラを低減させて均一化するレンズシートであり、出射側に光を収束して出射する単位レンズ241が形成されている。単位レンズ241は、3種類の曲面を組み合わせた形状となっており、光制御シート24の出射側表面には、この単位レンズ241が平行に多数並べて配置されている。単位レンズ241の並ぶ方向は、発光管13の並ぶ方向と一致している。
頂点形状241Tは、単位レンズ241の頂点を形成する頂点面であり、曲率半径が0.02mmであり、使用状態における上下方向の幅WT=0.011mmとなっている。
上側形状241Uは、使用状態において頂点形状241Tの上方に形成された上側面であり、曲率半径が0.195mmであり、使用状態における上下方向の幅WU=0.099mmとなっている。
下側形状241Dは、使用状態において頂点形状241Tの下方に形成された下側面であり、曲率半径が1mmであり、使用状態における上下方向の幅WU=0.09mmとなっている。
したがって、単位レンズ241は、ピッチP=0.2mmで並んでいる。
上側形状241U又は下側形状241Dの曲率半径が大きいと輝度変化が急峻となるが、正面輝度を高くできる。
表示装置を下方から観察することは少ないので、下側形状241Dの形状を大きな曲率半径(無限大を含む)とすることにより、輝度変化が観察されにくい状態で、正面輝度を向上させることができる。
一方、上側形状241Uについては、輝度変化を穏やかにする目的で下側形状241Dよりも小さな曲率半径とする。
頂点形状241Tは、尖っている方が正面輝度を高めるためには望ましい。しかし、尖っていると欠けが発生したり、本シートよりも出射側に設置される反射型偏光性シート15等の他のシートを傷付けてしまう問題がある。したがって、正面輝度を維持しながら、上記問題を解決するには、小さな曲率半径とすることが望ましい。
図8は、実施例2の光制御シート24の垂直方向の輝度分布を比較例及び実施例1の光制御シート14−2の輝度分布と比較して示した図である。なお、輝度分布の測定は、実施例1の場合と同様にして行い、図8の表現方法も、実施例1の図4及び図6と同様である。
本実施例の光制御シート24では、下方(出射角度プラス側)の出射角度70〜90°付近における不要な輝度ピークが光制御シート14−2よりも低く抑えられている。これは、下側形状241Dの形状を曲面としたことによる作用が主な要因である。
また、本実施例の光制御シート24では、上方(出射角度マイナス側)の出射角度−70〜−90°付近における不要な輝度ピークが光制御シート14−2よりも低く抑えられるとともに、出射角度−30〜−50°付近における輝度が向上し、この範囲の輝度変化も緩やかになっている。これは、頂点形状241Tの形状を曲面としたことによる作用が主な要因である。
(条件1)頂点形状241Tの曲率半径は、0.02mm以上0.08mm以下であることが、出射角度が50°以上の大きな出射角度方向に出射する不要なピークを減少させるため、及び、重ねて配置される反射型偏光性シート15に対する傷付を防止し、頂点形状241Tの強度を確保して頂点形状241Tの欠損を防止するために望ましい。
0.05mm<P<0.5mm ・・・式(1)
の関係を満たすとともに、
0.025<WT/P<0.25 ・・・式(2)
の関係を満たすことが望ましい。
この式(1)及び式(2)を満たすこと(条件2を満たすこと)により、出射角度が50°以上の大きな出射角度方向に出射する不要なピークを減少させることができる。なお、単位レンズ241の並ぶピッチPが大きすぎると、頂点形状241Tに曲面を形成した効果が少なくなるとともに、モアレが発生する原因ともなるので、式(1)を満たすことが望ましい。
単位レンズのピッチPを0.2mmに固定し、頂点形状の幅WTを変更したサンプルを作製し、頂点形状の幅WT=0、すなわち頂点形状が無く、頂点が尖っているシートを基準として、正面輝度の低下率を測定した。
また、反射板12及び発光管13上に、乳白板16、上記サンプルの光制御シート、反射型偏光性シート15を配置した状態で振動試験を行い、光制御シートの欠損、及び、反射型偏光性シート15の傷付きを調べた。以下の表1に、その結果を示す。
さらに、頂点付近が曲面となっているので、耐摩耗性も向上できる。
さらにまた、押し出し成形により1種類の樹脂で作られるので、耐環境性が向上する。
その上、熱可塑性樹脂を用いることにより、耐光性を高めることができる。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)各実施例において、光制御シート14,24は、1種類の単位レンズ141,241が出射側に並べられている例を示したが、これに限らず、例えば、複数種類の単位レンズを組み合わせて出射側に配置してもよい。
11 LCDパネル
12 反射板
13 発光管
14,24 光制御シート
141,241 単位レンズ
141U,241U 上側形状
141D,241D 下側形状
241T 頂点形状
15 反射型偏光性シート
16 乳白板
Claims (7)
- 直下型の面光源装置に設けられ、光源から出射した光を均一化、及び/又は、収束させる光制御シートであって、
シート面に直交する断面形状が非対称な形状であって出射側に突出して多数並べて配列された単位レンズを備え、
前記単位レンズは、
頂点を形成する頂点面と、
使用状態で前記頂点面よりも上側となる上側面と、
使用状態で前記頂点面よりも下側となる下側面と、
の3種類の曲面を有し、
前記頂点面と前記上側面と前記下側面とは、いずれも面の曲率半径が異なり、
前記単位レンズが配列されるピッチをPとし、シート面に直交する断面における前記頂点面の幅をWTとしたときに、
0.05mm<P<0.5mm
の関係を満たすとともに、
0.025<WT/P<0.25
の関係を満たすこと、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1に記載の光制御シートにおいて、
前記3種類の曲面の曲率半径は、前記頂点面の曲率半径が最も小さく、前記下側面の曲率半径が最も大きいこと、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、
前記下側面の曲率半径が無限大であること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
前記頂点面の曲率半径は、0.02mm以上0.08mm以下であること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
1種類の熱可塑性樹脂により形成されていること、
を特徴とする光制御シート。 - 透過型表示部を背面から照明する面光源装置であって、
複数の光源を並べた光源部と、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シートと、
を備える面光源装置。 - 請求項6に記載の面光源装置と、
前記面光源装置により、背面側から照明される透過型表示部と、
を備える透過型表示装置。
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